JP2002114721A - 高純度1,2−ジクロルエタンの回収方法 - Google Patents
高純度1,2−ジクロルエタンの回収方法Info
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Abstract
2−EDCの低沸物分離塔の塔頂留出液から、混在する
1,2−EDCより低沸点の成分、重合性の高いクロロ
プレン、さらに、蒸留分離が困難なベンゼン及び1,
1,2−TCEを効率良く分離除去して、経済的に有利
に熱分解原料として使用可能な高純度の1,2−EDC
を高回収率で得る方法を提供する。 【解決の手段】塔頂留出液に、1,2−ジクロルエチレ
ン、1,1−ジクロルエタン及びクロロホルムからなる
群より選ばれる1又は2以上を合計で10重量%以上含
有させ、塔頂留出液の温度が74℃以下となり、塔頂留
出液中のクロロプレン濃度が6重量%以下となる条件で
蒸留して、98重量%以上の純度の1,2−ジクロルエ
タンを回収率60%以上で得る高純度1,2−ジクロル
エタンの回収方法を用いる。
Description
エタンの回収方法に関し、さらに詳しくは、1,2−ジ
クロルエタンの熱分解での未分解の1,2−ジクロルエ
タンを低沸物分離塔で蒸留して得られる塔頂留出液か
ら、高純度の1,2−ジクロルエタンを回収する方法に
関するものである。
−EDCという)を高温で熱分解して、塩化ビニルモノ
マーを製造する方法は工業的に大規模に実施されてい
る。この1,2−EDCの熱分解反応において、1,2
−EDCの分解率を高くするとクロロプレンやベンゼン
等の副生が増加して塩化ビニルモノマーの選択率が低下
すると共に、コーキング速度が速くなって短いインター
バルでデコーキングが必要になる。このため、1,2−
EDCの分解率は通常、50〜65%である。
解の1,2−EDCは、生成した塩化水素と塩化ビニル
モノマーを分離した後、低沸物分離塔で蒸留して、1,
2−EDCより低沸点の成分が蒸留分離される。尚、該
低沸物分離塔の塔頂留出液中には1,2−EDCが通
常、50〜60重量%含有されている。該塔頂留出液に
は1,2−EDCがこのように高濃度で含有されている
が、1,2−EDCを経済的に回収することが困難であ
った。
に於ける技術的課題は、含有されるベンゼン及び1,
1,2−トリクロルエチレン(以下、1,1,2−TC
Eという)の分離である。すなわち、ベンゼン、1,2
−EDC、1,1,2−TCEの沸点は、それぞれ、8
0.1℃、83.5℃、87.2℃であり、従って、ベ
ンゼン及び1,1,2−TCEは1,2−EDCとの沸
点差が極めて小さく、1,1,2−TCEは1,2−E
DCと沸点の近接した共沸混合物(共沸温度82.1
℃)を形成する。このため、蒸留により1,2−EDC
中のベンゼン及び1,1,2−TCEを分離除去して高
純度の1,2−EDCを回収することは極めて困難であ
る。さらに、塔頂留出液に含まれるクロロプレンは重合
性が高く、その重合物は蒸留塔の塔頂部やコンデンサー
等に付着して、蒸留塔の圧損上昇、閉塞の原因となる。
また、従来より、ベンゼン及び1,1,2−TCEは、
1,2−EDCの熱分解反応におけるインヒビターであ
ることが知られており、回収した1,2−EDCを熱分
解原料として再使用するためには、これらを極めて高い
除去率で分離除去する必要があった。
えば、特公昭42−19444号公報、特公平2−47
968号公報、特開平4−225929号公報には、
1,2−EDC中のクロロプレン、ベンゼン、1,1,
2−TCEを塩素化して高沸化した後、分離除去する方
法が提案されている。これらの方法は、高沸化すること
により通常の蒸留による分離が可能となるものの、大量
の塩素を必要とする上に、工程数が多いために設備費が
嵩んでしまうという課題があった。
塩化アルミニウム触媒を使用して、共存するクロロプレ
ン類とベンゼンとを反応させて高沸化した後、分離除去
する方法が提案されている。この方法は塩素を必要とせ
ず、クロロプレン類とベンゼンを一段の反応で高沸化し
て除去することが可能であるが、ベンゼンの転化率が低
く、ベンゼンを十分に除去することができないという課
題があった。
Pd触媒を使用してクロロプレン類を水素化して除去す
る方法が提案されている。しかしながら、この方法は、
水素化で生成したクロルブテン類が分解して塩化水素が
発生するために、反応器の材質を耐食性のものにする必
要があり、設備費が嵩んでしまうという課題があった。
テトラクロルエチレン等の高沸点の塩素化炭化水素溶媒
を使用して、1,2−EDC中のベンゼン及び1,1,
2−TCEを抽出蒸留により蒸留分離する方法が提案さ
れている。この方法は1,2−EDC中のベンゼンと
1,1,2−TCEを一段の操作で分離除去することが
可能であるが、溶媒の使用量が多く、溶媒回収に要する
エネルギー消費が大きいことなど経済性の面での課題が
あった。
2−EDCに混在しているベンゼン及び1,1,2−T
CEを蒸留により分離除去する場合、高段数の蒸留塔と
高還流比とを必要とし、高純度の1,2−EDCを高回
収率で得ることは困難であった。
C中に含有されるベンゼン及び1,1,2−TCE、ク
ロロプレン、その他の低沸点成分を効率的かつ経済的に
有利に分離除去して、高純度の1,2−EDCを回収す
ることは困難であった。
2−EDCの熱分解における未分解の1,2−EDCの
低沸物分離塔の塔頂留出液から、混在する1,1−ジク
ロルエタン、1−クロルブタジエン、クロロホルム、四
塩化炭素等の1,2−EDCより低沸点の成分、並びに
重合性の高いクロロプレン、さらに、1,2−EDCと
の沸点差が小さく、蒸留分離が困難なベンゼン及び1,
1,2−TCEを効率良く分離除去して、経済的に有利
に熱分解原料として使用可能な高純度の1,2−EDC
を高回収率で得る方法を提供することにある。
EDCの熱分解における未分解1,2−EDCの低沸物
分離塔の塔頂留出液から高純度の1,2−EDCを高回
収率で得る方法について鋭意検討を行った。
ロロプレンの重合の抑制と1,2−EDCとの沸点差が
小さいために、蒸留による分離が困難なベンゼン及び
1,1,2−TCEの効率的な蒸留分離について、鋭意
検討を実施した。クロロプレンは1,2−EDCよりか
なり低沸点であり、蒸留での分離性は良いが、重合性が
高く蒸留塔の圧損上昇、閉塞の原因となる。本発明者ら
はクロロプレンの重合性試験を実施して、重合速度に対
するクロロプレンの濃度、温度、雰囲気等の影響を検討
した。その結果、重合速度はクロロプレンの濃度に一次
であり、重合の活性化エネルギーは、約15kcal/
molであることが分った。即ち、重合速度は、クロロ
プレンの濃度に比例して増加するが、温度を10℃低く
すれば重合速度は約1/2となる。この結果より、蒸留
塔の留出液温度が74℃の場合、留出液中のクロロプレ
ンの濃度を6重量%以下にすればクロロプレンの重合を
問題ない程度に抑制できることを見出した。
ベンゼン及び1,1,2−TCEを蒸留により分離する
場合に、フィード液中に、ジクロルエチレン、1,1−
ジクロルエタン、クロロホルムをある濃度以上含有させ
ると、極めて高いベンゼン及び1,1,2−TCEの分
離性が得られることを見出した。例えば、ベンゼン及び
1,1,2−TCEを各々5重量%含有する約90重量
%の濃度の1,2−EDCを蒸留する場合に、塔頂への
ベンゼンの留出率90%以上、1,1,2−TCEの塔
頂への留出率98%以上を得るためには、理論段数約6
0段の蒸留塔では、還流比30以上が必要になる。ま
た、この場合の蒸留塔の塔頂留出液温度は82℃付近で
ある。これに対して、フィード液中にジクロルエチレ
ン、1,1−ジクロルエタン、クロロホルムを合計で1
0重量%以上含有させた場合には、同じ理論段数約60
段の蒸留塔の場合、還流比は10付近で十分である。ま
た、この場合の留出液温度は74℃以下であり、上記の
場合より8℃以上低くなる。このように、ベンゼン及び
1,1,2−TCEを含有する1,2−EDCを蒸留す
る場合に、低い留出液温度でかつ低還流比でベンゼン及
び1,1,2−TCEの高い分離性が得られることを見
出した。
出液に、1,2−ジクロルエチレン、1,1−ジクロル
エタン、クロロホルムの内の1又は2以上を合計で10
重量%以上含有させ、塔頂留出液の温度が74℃以下と
なり、塔頂留出液中のクロロプレン濃度が6重量%以下
となる条件で蒸留することで、98重量%以上という高
純度の1,2−ジクロルエタンを回収率60%以上で得
ることができることを見出し、ついに本発明を完成する
に至った。
−EDCは、1,2−EDCを熱分解し、生成した塩化
水素と塩化ビニルモノマーを分離した後の、未分解の
1,2−EDCを低沸物分離塔で蒸留して得られる塔頂
留出液である。該塔頂留出液中には、1,2−EDCの
熱分解で副生した1,1−ジクロルエタン、クロロプレ
ン、1−クロルブタジエン、ジクロルエチレン、ベンゼ
ン、並びにエチレンのオキシクロリネーション反応で副
生し、熱分解原料1,2−EDC中に含有されて熱分解
でそのまま残留したクロロホルム、四塩化炭素、1,
1,2−TCE等が含有される。従って、塔頂留出液中
のこれらの成分や1,2−EDCの濃度は、圧力、温
度、滞在時間等1,2−EDCの熱分解条件、低沸物分
離塔の操作条件に大きく依存する。さらに、同一プラン
トでも変動があり一定ではないが、該塔頂留出液中の
1,2−EDCの濃度は通常50〜60重量%であり、
クロロプレンの濃度は2〜5重量%、ベンゼンの濃度は
1〜5重量%、1,1,2−TCEの濃度は1〜5重量
%である。また、ジクロルエチレンの濃度は通常1〜3
重量%、1,1−ジクロルエタンの濃度は1〜10重量
%、クロロホルムの濃度は1〜10重量%である。
の1,2−EDCの低沸物分離塔の塔頂留出液に、1,
2−ジクロルエチレン、1,1−ジクロルエタン、クロ
ロホルムの内の1の成分、これらの内の任意の2つの成
分、あるいはこれら全てが、合計で10重量%以上とな
るように含有される。これらの成分の濃度が合計で10
重量%に満たない場合には、これらの少なくとも一成分
を添加して含有される。また、エチレンのオキシクロリ
ネーション反応により得られた1,2−EDCの低沸物
分離塔の塔頂留出液中には、オキシクロリネーション反
応で副生した1,2−ジクロルエチレン及びクロロホル
ムが含有されるので、これを添加混合して含有させるこ
ともできる。1,2−ジクロルエチレン、1,1−ジク
ロルエタン、クロロホルムの含有量は、これらの合計で
10重量%以上であることが好ましく、さらに15重量
%以上、特に20重量%以上であれば、その効果を一層
奏することができる。
段数で30〜70段が好ましく、40〜60段のものが
さらに好ましい。還流比は重量基準で5〜30が好まし
く、さらに、10〜20の範囲が好ましい。蒸留塔の段
数及び還流比を大きくすればする程、ベンゼン及び1,
1,2−TCEの分離性は向上するが、設備費や蒸留に
おける蒸気原単位がアップするので、上記範囲とするの
がよい。蒸留塔へのフィード液の供給位置は、蒸留塔の
上段あるいは下段からフィードしてもよいが中央付近の
段からフィードするのが好ましい。
シクロリネーション反応により得られた1,2−EDC
の低沸物分離塔の塔頂留出液を用いることが、効率化の
面からも好ましい。さらに、フィード方法としてバッチ
式、連続式のいずれでもよいが、効率化の面から連続法
が好ましい。
下となり、留出液中のクロロプレン濃度が6重量%以下
となる条件で蒸留される。この条件で蒸留されること
で、クロロプレンの重合は問題ない程度にまで抑制で
き、ヘビー分の生成も実質的になくなる。上記の条件範
囲にするためには、蒸留塔フィード液組成にもよるが、
留出/缶出液量比等の条件を選定することにより実現で
きる。蒸留塔の留出液温度が74℃以下であっても、塔
頂留出液中のクロロプレン濃度が6重量%を越える場
合、あるいは塔頂留出液中のクロロプレン濃度が6重量
%以下であっても留出液温度が74℃を越える場合に
は、クロロプレンの重合速度が速く、蒸留塔の閉塞トラ
ブルを回避することが困難となる。さらに、留出液中の
クロロプレン濃度は重合抑制の観点から4重量%以下で
あることが好ましく、2重量%以下であることが特に好
ましい。
%以上で、かつ塔頂への1,1,2−TCEの留出率が
98%以上であることが、回収1,2−EDCを熱分解
原料として使用する上で特に好ましい。
ベンゼン及び1,1,2−TCEをその他の低沸点成分
と共に留出させて、純度98重量%以上の高純度の1,
2−EDCを高回収率で得ることができる。塔底の缶出
液への1,2−EDCの回収率は、少なくとも60%以
上、通常70%以上が得られる。回収された1,2−E
DCは高純度であり、熱分解の原料として再使用するこ
とができる。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
の留出率(%)は(塔頂留出液中のベンゼン量/フィー
ド液中のベンゼン量)×100により、1,1,2−T
CEの留出率(%)は(塔頂留出液中の1,1,2−T
CE量/フィード液中の1,1,2−TCE量)×10
0により、1,2−EDCの回収率(%)は(缶出液中
の1,2−EDC量/フィード液中の1,2−EDC
量)×100により求められる。
ビニルモノマーを分離した後の未分解1,2−EDCの
低沸物分離塔の塔頂留出液に、エチレンのオキシクロリ
ネーション反応により得られた1,2−EDCの低沸物
分離塔の塔頂留出液を添加、混合したものを原料に使用
して連続蒸留を実施した。蒸留塔には、内径32mm、
実段数80段(推定理論段数約60段)のオルダーショ
ウ蒸留塔を使用した。この蒸留塔に、上記原料液を蒸留
塔の中央の40段からフィードした。フィード液組成
は、表1に示す通りである。フィード液中のジクロルエ
チレン、1,1−ジクロルエタン及びクロロホルムの濃
度は、合計で23.6重量%であった。フィード液温度
は70℃、フィード液速度は108.6g/Hr、還流
比は10であった。留出液温度は69〜70℃、缶出液
温度は87〜88℃であった。塔頂への留出液量は5
8.2g/Hr、塔底への缶出液量は50.4g/Hr
で、留出液及び缶出液の組成は表1に示す通りであっ
た。留出液中のクロロプレン濃度は5.0重量%であっ
た。ベンゼンの塔頂への留出率は92.4%、1,1,
2−TCEの留出率は99.0%、缶出液の回収1,2
−EDCの純度は99.4重量%、1,2−EDCの回
収率は74.6%であった。また、長時間の連続蒸留に
於いてクロロプレンの重合によるヘビー分の生成は見ら
れなかった。
ビニルモノマーを分離した後の未分解1,2−EDCの
低沸物分離塔の塔頂留出液をフィードして蒸留を実施し
た。蒸留塔には、実施例1と同一の内径32mm、実段
数80段のオルダーショウ蒸留塔を使用した。この蒸留
塔に、上記原料液を蒸留塔中央の40段からフィードし
て連続蒸留を実施した。フィード液組成は表2に示す通
りであり、フィード液中のジクロルエチレン、1,1−
ジクロルエタン及びクロロホルムの濃度は、合計で2
0.4重量%であった。フィード液温度70℃、フィー
ド液速度101.3g/Hr、還流比は10であった。
留出液温度は69〜70℃、缶出液温度は87〜88℃
であった。塔頂への留出液量は55.7g/Hr、塔底
への缶出液量は45.6g/Hrで、留出液及び缶出液
の組成は表2に示す通りであった。ベンゼンの留出率は
88.6%、1,1,2−TCEの留出率は97.8
%、缶出液の1,2−EDCの純度は98.5重量%、
1,2−EDCの回収率は76.2%であった。塔頂留
出液中のクロロプレンの濃度は7.8重量%であり、長
時間連続蒸留の缶出液中にクロロプレンの重合によるヘ
ビー分が微量検出された。
ビニルモノマーを分離した後の未分解1,2−EDCの
低沸物分離塔の塔頂留出液を実段数20段の蒸留塔を使
用して、還流比2で蒸留した。この蒸留で得られた缶出
液に、クロロホルムを20重量%添加混合した。この液
を実施例1と同一の実段数80段の蒸留塔に、中央の4
0段からフィードして還流比10.6で連続蒸留を実施
した。フィード液組成は、表3に示す通りで、フィード
液中のジクロルエチレン、1,1−ジクロルエタン及び
クロロホルムの濃度は、合計で21.0重量%であっ
た。フィード液温度は70℃、フィード液速度は10
4.5g/Hr、留出液温度は71〜72℃、缶出液温
度は87〜88℃であった。塔頂への留出液量は54.
8g/Hr、塔底への缶出液量は49.7g/Hrであ
り、留出液及び缶出液の組成は表3に示す通りであっ
た。留出液中のクロロプレン濃度は0.8重量%、缶出
液の1,2−EDCの純度は99.1重量%であった。
ベンゼンの塔頂への留出率は91.0%、1,1,2−
TCEの留出率は98.6%、1,2−EDCの回収率
は73.1%であった。
タンを20重量%添加する外は、実施例2と全く同一の
方法で連続蒸留を実施した。フィード液組成は表4に示
す通りで、フィード液中のジクロルエチレン、1,1−
ジクロルエタン及びクロロホルムの濃度は、合計で2
2.0重量%であった。フィード液温度は70℃、フィ
ード液速度は104.7g/Hr、留出液温度は69〜
70℃、缶出液温度は87〜88℃であった。塔頂への
留出液量は54.5g/Hr、塔底への缶出液量は5
0.2g/Hrであり、留出液及び缶出液の組成は表4
に示す通りであった。留出液中のクロロプレンの濃度は
0.8重量%、缶出液の1,2−EDCの純度は99.
2重量%であった。ベンゼンの留出率は91.4%、
1,1,2−TCEの留出率は98.4%、1,2−E
DCの回収率は74.8%であった。
法で、未分解1,2−EDCの低沸物分離塔の塔頂留出
液を蒸留し、低沸分をカットして得られた蒸留塔の缶出
液を蒸留塔にフィードして、連続蒸留を実施した。蒸留
塔には実施例2と同一の内径32mm、実段数80段の
オルダーショウ蒸留塔を使用した。この蒸留塔に原料液
を蒸留塔の中央の40段からフィードして蒸留を実施し
た。フィード液組成は表5に示す通りで、フィード液中
のジクロルエチレン、1,1−ジクロルエタン及びクロ
ロホルムの濃度は、合計で5.2重量%であった。フィ
ード液温度は70℃、フィード液速度は149.2g/
Hr、還流比は10であった。留出液温度は81〜82
℃、缶出液温度は88〜89℃であった。塔頂への留出
液量は52.7g/Hr、塔底への缶出液量96.5g
/Hr、留出液及び缶出液組成は表5に示す通りであっ
た。塔頂へのベンゼンの留出率60.4%、1,1,2
−TCEの留出率74.6%、缶出液の回収1,2−E
DCの純度は95.5重量%であり、1,2−EDCの
回収率は79.8%であった。
ショウ蒸留塔を使用して連続蒸留を実施した。フィード
液組成は表6に示す通りで、フィード液中のジクロルエ
チレン、1,1−ジクロルエタン及びクロロホルムの濃
度は、合計で5.2重量%であった。フィード液温度は
80℃、フィード速度は95.3g/Hr、還流比は1
0.2であった。留出液温度は82〜83℃、缶出液温
度は88〜89℃、留出液量は53.7g/Hr、缶出
液量は41.6g/Hr、留出液及び缶出液組成は表6
に示す通りであった。ベンゼンの留出率は82.8%、
1,1,2−TCEの留出率は89.4%、回収1,2
−EDCの純度は97.1重量%であり、1,2−ED
Cの回収率は54.8%であった。
ビニルモノマーを分離した後の未分解1,2−EDCの
低沸物分離塔の塔頂留出液に、トランス1,2−ジクロ
ルエチレンを添加した液をフィードして連続蒸留を実施
した。実段数80段のオルダーショウ蒸留塔に、上記混
合液を蒸留塔の上部から30段目にフィードした。フィ
ード液組成は、表7に示す通りであり、フィード液中の
ジクロルエチレン、1,1−ジクロルエタン及びクロロ
ホルムの濃度は、合計で31.2重量%であった。フィ
ード液温度は70℃、フィード液速度は106.0g/
Hr、還流比は10.4であった。塔頂への留出液量は
65.8g/Hr、塔底への缶出液量は40.2g/H
rであり、留出液及び缶出液の組成は、表7に示す通り
であった。缶出液の回収EDCの純度は99.1重量
%、EDCの回収率は74.3%、ベンゼンの塔頂への
留出率は93.1%、1,1,2−TCEの塔頂への留
出率は99.2%であった。塔頂留出液の温度は64〜
65℃、留出液中のクロロプレン濃度は5.6重量%で
あり、長時間の連続蒸留において、クロロプレンの重合
によるヘビー分の生成は全く見られなかった。
解における未分解の1,2−EDCの低沸物分離塔の塔
頂留出液から、混在する種々の不純物を効率よく分離除
去して、経済的に有利に熱分解原料として使用可能な高
純度の1,2−EDCを高回収率で得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】1,2−ジクロルエタンの熱分解により生
成する塩化水素と塩化ビニルモノマーを分離した後の未
分解1,2−ジクロルエタンの低沸物分離塔の塔頂留出
液から1,2−ジクロルエタンを回収する方法であっ
て、前記塔頂留出液に、1,2−ジクロルエチレン、
1,1−ジクロルエタン及びクロロホルムからなる群よ
り選ばれる1又は2以上を合計で10重量%以上含有さ
せ、塔頂留出液の温度が74℃以下となり、塔頂留出液
中のクロロプレン濃度が6重量%以下となる条件で蒸留
して、98重量%以上の純度の1,2−ジクロルエタン
を回収率60%以上で得ることを特徴とする高純度1,
2−ジクロルエタンの回収方法。 - 【請求項2】エチレンのオキシクロリネーション反応に
より得られた1,2−ジクロルエタンの低沸物分離塔の
塔頂留出液を蒸留塔フィード液に含有させることを特徴
とする請求項1に記載の高純度1,2−ジクロルエタン
の回収方法。 - 【請求項3】塔頂へのベンゼンの留出率が90%以上
で、かつ塔頂への1,1,2−トリクロルエチレンの留
出率が98%以上であることを特徴とする請求項1又は
請求項2に記載の高純度1,2−ジクロルエタンの回収
方法。
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