JP2001226298A - 1,2−ジクロルエタンの精製方法 - Google Patents
1,2−ジクロルエタンの精製方法Info
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- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C17/00—Preparation of halogenated hydrocarbons
- C07C17/38—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
- C07C17/383—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by distillation
- C07C17/386—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by distillation with auxiliary compounds
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Abstract
効率良く分離除去して、経済的に有利に高純度のEDC
を回収する方法を提供する。 【解決手段】ベンゼン及びトリクロルエチレンを含有す
る1,2−ジクロルエタンに水を共沸剤として添加し
て、共沸蒸留により、ベンゼン及びトリクロルエチレン
を留出させて除去する。
Description
エタンの精製方法に関するものである。更に詳しくは、
1,2−ジクロルエタン中のベンゼン及びトリクロルエ
チレンを水との共沸により蒸留塔の塔頂より留出させて
除去する1,2−ジクロルエタンの精製方法に関するも
のである。
下、EDCという)を熱分解して、塩化ビニルモノマー
を製造する方法は工業的に大規模に実施されている。こ
のEDCの熱分解反応に於いて、EDCの分解率を高く
するとクロロプレンやベンゼン等の副生が増加して、塩
化ビニルモノマーの選択率が低下しコーキング速度が増
加する。従って、EDCの分解率は通常、50〜65%
である。熱分解反応での未分解のEDCは、生成した塩
化水素と塩化ビニルモノマーを分離した後、EDCより
低沸点の成分を低沸物分離塔で蒸留分離し、更に高沸物
分離塔でEDCより高沸点の成分を蒸留分離した後、熱
分解炉に供給して再使用される。
液中には、通常、EDCが40〜60重量%含有され
る。EDC以外の成分としては、熱分解工程で副生した
1,1−ジクロルエタン、クロロプレン、ジクロルエチ
レン、ベンゼン等が含有される。また、エチレンのオキ
シクロリネーション工程で副生し、熱分解炉へのフィー
ドEDC中に含有されて、熱分解工程でそのまま残留し
たクロロホルム、四塩化炭素、トリクロルエチレン等が
含有される。
濃度で含有されるため、該塔頂留出液からEDCを回収
する方法が求められている。回収したEDCを熱分解原
料としてリサイクル使用するためには、EDCの熱分解
反応に於けるインヒビターであるベンゼン及びトリクロ
ルエチレンを分離除去することが必要である。しかしな
がら、経済的に有利に、これらをEDCより分離除去す
るEDCの精製方法が得られていないのが現状である。
ロルエチレンを除去する方法として、一般的には蒸留に
よる方法が考えられるが、ベンゼン及びトリクロルエチ
レンは沸点がEDCと極めて近接しており、通常の蒸留
では高段数の蒸留塔と高還流比とを必要とする。
て、塩化第二鉄等の触媒を使用してEDC中のベンゼン
やトリクロルエチレンを塩素化して高沸化した後蒸留分
離する方法が提案されている。(特公昭42−1944
4号、特開平4−225929号)しかしながらこの方
法は、大量の塩素を必要とし、触媒除去のための洗浄工
程が必要なこと等により設備費が嵩み、経済性の面で問
題がある。
ニウム触媒を使用して、共存するクロロプレン類とベン
ゼンとを反応させて分離除去する方法が提案されてい
る。しかしながらこの方法は、反応に於けるベンゼンの
転化率が低い欠点があり、耐食性の反応器にする必要が
あること等により設備費が嵩む問題がある。
トラクロルエチレン等の高沸点の塩素化炭化水素溶媒を
使用して、抽出蒸留する方法が提案されている。この方
法は、EDC中のベンゼン及びトリクロルエチレンを蒸
留操作のみで分離除去することが可能な特徴を有してい
るが、溶媒の使用量が多く、使用した溶媒の蒸留回収に
要するエネルギーの消費が大きく、経済性の面で問題が
ある。
ンゼン及びトリクロルエチレンを効率的に、かつ経済的
に有利に分離除去することは困難であった。
C中のベンゼン及びトリクロルエチレンを効率良く分離
除去して、経済的に有利に高純度のEDCを回収する方
法を提供することにある。
のベンゼン及びトリクロルエチレンを蒸留により分離除
去する方法について、鋭意研究を行った結果、本発明を
完成するに至った。
エチレンを含有するEDCに、水を共沸剤として添加し
て、共沸蒸留によりベンゼン及びトリクロルエチレンを
除去することを特徴とするものである。
リクロルエチレンを効率良く分離するために、共沸蒸留
を利用して、塔頂よりベンゼン及びトリクロルエチレン
を共沸剤と共に留出させ、塔底よりEDCを回収する方
法について、鋭意検討を実施した。共沸剤としては、ベ
ンゼン及びトリクロルエチレンとの共沸温度、共沸組
成、価格、塔頂留出液の相分離の容易さなどから、水が
最も好ましいとの結論に達し、水を共沸剤とする蒸留に
ついて鋭意検討を実施した。
することにより、EDC中のベンゼン及びトリクロルエ
チレンを同時に、極めて効率良く分離除去することが可
能であることを見出した。
混合物はベンゼン及びトリクロルエチレンを含有するE
DCである。該混合物としては、具体的にはEDCを熱
分解し、生成した塩化水素と塩化ビニルモノマーを分離
した後の、未分解EDCの低沸物分離塔での塔頂留出液
から得られる粗EDCが挙げられる。該粗EDC中のE
DCの濃度は通常、80重量%以上で、ベンゼンの濃度
はおよそ1〜10重量%、トリクロルエチレンの濃度は
およそ1〜10重量%である。
トリクロルエチレンを含有するEDC中のEDCの濃度
は、通常、50重量%以上、好ましくは60重量%以
上、特に好ましくは80重量%以上のものが用いられ
る。また、EDC中のベンゼンの濃度は通常、20重量
%以下、好ましくは10重量%以下、特に好ましくは8
重量%以下であり、少なくとも通常1重量%以上のもの
が用いられる。また、トリクロルエチレンの濃度は通
常、20重量%以下、好ましくは10重量%以下であ
り、少なくとも通常1重量%以上のものが用いられる。
ンを含有するEDCに水を共沸剤として添加して共沸蒸
留する。共沸剤として添加する水の量は、基本的には、
ベンゼンと水、トリクロルエチレンと水、EDCと水の
共沸組成に対応したものとする。ベンゼンと水の共沸組
成はベンゼン91.2重量%、水8.8重量%(共沸温
度69.3℃)、トリクロルエチレンと水の共沸組成は
トリクロルエチレン93.0重量%、水7.0重量%
(共沸温度73.0℃)、EDCと水の共沸組成はED
C91.9重量%、水8.1重量%(共沸温度71.9
℃)である。また、この他に、EDCとトリクロルエチ
レンの共沸(共沸組成はEDC55.7重量%、トリク
ロルエチレン44.3重量%、共沸温度82.1℃)が
ある。これより、本発明の水添加共沸蒸留における塔頂
留出留分中の水の濃度はおよそ5〜10重量%となる。
従って、水の添加量は、ベンゼンとトリクロルエチレン
の合計量に対して重量比率で0.2〜0.6の範囲とす
るのが好ましい。
クロルエチレンを水とともに留出させ、塔底より高純度
のEDCを抜き出して回収することができる。この蒸留
に於いて、蒸留塔の理論段数が通常、20〜80段、好
ましくは30〜60段の蒸留塔を使用する。また、還流
比は、重量基準で通常、2〜30の範囲であり、好まし
くは5〜25、特に好ましくは10〜20の範囲であ
る。蒸留塔の段数や還流比を大きくすればベンゼン及び
トリクロルエチレンの除去率は向上するが、設備費並び
に蒸留におけるスチーム原単位がアップするので、上記
範囲とするのが好ましい。蒸留塔への原料混合物の供給
位置(フィード段)は、蒸留塔の上段あるいは下段から
フィードしてもよいが、中央付近の段からフィードする
のが分離性の面で好ましい。また、共沸剤として添加す
る水は、該混合物とともに同一段からフィードするのが
好ましい。塔頂からの留出留分の凝縮液を相分離して得
られる水相は、蒸留に供する原料混合物に添加する水と
してリサイクル使用することができる。このようにして
蒸留塔の塔底から得られる回収EDCは、脱水塔にフィ
ードして水分を除去した後、熱分解用の原料として使用
することができる。
つ更に詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
により蒸留を実施した。蒸留塔の中央の40段から、ベ
ンゼン5.0重量%、トリクロルエチレン5.0重量%
を含有するEDCを200g/Hrの速度でフィードす
ると共に、同一段の40段から水を5.0g/Hrの速
度でフィードして連続蒸留を行った。水の添加量はベン
ゼン及びトリクロルエチレンの合計量に対して、重量比
率で0.25である。還流比10の条件で、塔頂温度7
0.8℃、留出液量60.4g/Hrであり、留出液組
成はEDC61.4重量%、ベンゼン13.2重量%、
トリクロルエチレン15.6重量%、水8.6重量%で
あった。釜液温度は88℃、缶出液量は144.8g/
Hrであり、缶出液組成はEDC98.2重量%、ベン
ゼン1.3重量%、トリクロルエチレン0.3重量%、
水0.02重量%であった。ベンゼンの除去率(%)
((フィード液中のベンゼン量−缶出液中のベンゼン
量)/フィード液中のベンゼン量×100)は80.9
%、トリクロルエチレンの除去率(%)((フィード液
中のトリクロルエチレン量−缶出液中のトリクロルエチ
レン量)/フィード液中のトリクロルエチレン量×10
0)は95.2%であり、EDCの回収率(%)(缶出
液中のEDC量/フィード液中のEDC量×100)は
79.0%であった。
にして蒸留を実施した。蒸留塔の中央の40段から、ベ
ンゼン5.0重量%、トリクロルエチレン5.0重量%
を含有するEDCを120g/Hrの速度でフィードす
ると共に、同一段の40段から水を3.4g/Hrの速
度でフィードして連続蒸留を行った。水の添加量はベン
ゼン及びトリクロルエチレンの合計量に対して、重量比
率で0.28である。塔頂温度は70.7℃、留出液量
は35.6g/Hrであり、留出液組成はEDC59.
2重量%、ベンゼン15.4重量%、トリクロルエチレ
ン16.4重量%、水8.9重量%であった。釜液温度
は88℃、缶出液量は87.2g/Hrであり、缶出液
組成はEDC99.3重量%、ベンゼン0.5重量%、
トリクロルエチレン0.04重量%、水0.02重量%
であった。ベンゼンの除去率(%)は93.2%、トリ
クロルエチレンの除去率(%)は99.4%であり、E
DCの回収率(%)は80.2%であった。
加しない他は実施例1と同一の還流比10の条件で蒸留
を実施した。蒸留塔の中央の40段からベンゼン5.0
重量%、トリクロルエチレン5.0重量%を含有するE
DCを210g/Hrの速度でフィードして連続蒸留を
実施した。塔頂温度は82.3℃、留出液量は62g/
Hrであり、留出液組成はEDC75.6重量%、ベン
ゼン10.4重量%、トリクロルエチレン12.1重量
%であった。釜液温度は88.2℃、缶出液量は14
7.6g/Hrであり、缶出液組成はEDC95.3重
量%、ベンゼン2.7重量%、トリクロルエチレン1.
9重量%であった。ベンゼンの除去率(%)は62.3
%、トリクロルエチレンの除去率(%)は73.6%で
あり、EDCの回収率(%)は74.4%であった。
加しない他は実施例2と同一の還流比20の条件で蒸留
を実施した。蒸留塔の中央の40段からベンゼン5.0
重量%、トリクロルエチレン5.0重量%を含有するE
DCを120g/Hrの速度でフィードして連続蒸留を
実施した。塔頂温度は82.2℃、留出液量は35.9
g/Hrであり、留出液組成はEDC72.0重量%、
ベンゼン12.1重量%、トリクロルエチレン13.9
重量%であった。釜液温度は88.2℃、缶出液量は8
3.7g/Hrであり、缶出液組成はEDC96.7重
量%、ベンゼン1.9重量%、トリクロルエチレン1.
1重量%であった。ベンゼンの除去率(%)は73.2
%、トリクロルエチレンの除去率(%)は84.7%で
あり、EDCの回収率(%)は74.9%であった。
ルエチレンを含有するEDCから、効率良くベンゼン及
びトリクロルエチレンを分離除去して、高純度のEDC
を得ることができる。本発明は水を共沸剤として添加し
て、共沸蒸留するものであるが、水の添加量は少量であ
り、ベンゼン及びトリクロルエチレンを同時に、一段の
操作で、分離除去することが可能であり、工程数が少な
く、工業的に極めて有利なEDCの精製方法である。
Claims (2)
- 【請求項1】ベンゼン及びトリクロルエチレンを含有す
る1,2−ジクロルエタンに水を共沸剤として添加し
て、共沸蒸留により、ベンゼン及びトリクロルエチレン
を留出させて除去することを特徴とする1,2−ジクロ
ルエタンの精製方法。 - 【請求項2】共沸剤として添加する水の量が、ベンゼン
とトリクロルエチレンの合計量に対して重量比率で0.
2〜0.6であることを特徴とする請求項1に記載の
1,2−ジクロルエタンの精製方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000045109A JP4432186B2 (ja) | 2000-02-17 | 2000-02-17 | 1,2−ジクロルエタンの精製方法 |
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Publications (2)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002114721A (ja) * | 2000-10-11 | 2002-04-16 | Tosoh Corp | 高純度1,2−ジクロルエタンの回収方法 |
EP1224962A2 (de) * | 2001-01-17 | 2002-07-24 | Basf Aktiengesellschaft | Verfahren zur Trennung azeotroper Gemische |
JP2017048119A (ja) * | 2015-08-31 | 2017-03-09 | 日本ゼオン株式会社 | 2−フルオロブタン又は2,2−ジフルオロブタンの精製方法 |
-
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JP4691771B2 (ja) * | 2000-10-11 | 2011-06-01 | 東ソー株式会社 | 高純度1,2−ジクロルエタンの回収方法 |
EP1224962A2 (de) * | 2001-01-17 | 2002-07-24 | Basf Aktiengesellschaft | Verfahren zur Trennung azeotroper Gemische |
EP1224962A3 (de) * | 2001-01-17 | 2002-11-20 | Basf Aktiengesellschaft | Verfahren zur Trennung azeotroper Gemische |
JP2017048119A (ja) * | 2015-08-31 | 2017-03-09 | 日本ゼオン株式会社 | 2−フルオロブタン又は2,2−ジフルオロブタンの精製方法 |
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