JP2002105007A - 高純度で着色の少ないトランス−1,3−ジクロロプロペンの製造方法 - Google Patents
高純度で着色の少ないトランス−1,3−ジクロロプロペンの製造方法Info
- Publication number
- JP2002105007A JP2002105007A JP2000293918A JP2000293918A JP2002105007A JP 2002105007 A JP2002105007 A JP 2002105007A JP 2000293918 A JP2000293918 A JP 2000293918A JP 2000293918 A JP2000293918 A JP 2000293918A JP 2002105007 A JP2002105007 A JP 2002105007A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composition
- dichloropropene
- trans
- distillation
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C17/00—Preparation of halogenated hydrocarbons
- C07C17/38—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
- C07C17/395—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by treatment giving rise to a chemical modification of at least one compound
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C17/00—Preparation of halogenated hydrocarbons
- C07C17/093—Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens
- C07C17/10—Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of hydrogen atoms
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C17/00—Preparation of halogenated hydrocarbons
- C07C17/38—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
- C07C17/383—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by distillation
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Abstract
クロロプロペンの製造方法を提供する。 【解決手段】 シス−1,3−ジクロロプロペン、トラ
ンス−1,3−ジクロロプロペンおよびC6化合物を含
む組成物を、蒸留工程と塩素または臭素を作用させる工
程とを経過させることによりシス−1,3−ジクロロプ
ロペンを低沸分として除去し、次いで、残留分を蒸留す
ることにより塩素化されたC6化合物を高沸成分として
除去し、トランス−1,3−ジクロロプロペンを低沸成
分として得る。
Description
として有用なトランス−1,3−ジクロロプロペンの製
造方法に関する。
1,3−ジクロロプロペン(以下、シス体という。)と
トランス−1,3−ジクロロプロペン(以下、トランス
体という。)の異性体を有し、医学・農学分野で有用な
化合物として知られている。
方法として、例えば特公昭53−15484号公報で
は、プロペンと塩素を反応させて得られる反応生成物を
蒸留して3−クロロプロペンを得た後、該蒸留後の塔底
液から1,3−ジクロロプロペンのシス体、トランス体
を分離する方法が開示されている。すなわち、上記塔底
液には反応副生成物として1,3−ジクロロプロペンや
C6オレフィン等の残留物が含まれているが、まず、該
塔底液に塩素または臭素を作用させてC6オレフィンを
選択的にハロゲン化し、次いでこの塔底液を蒸留して、
1,3−ジクロロプロペンよりも低沸点の軽質成分を除
去した後、該塔底液をさらに蒸留することにより、高沸
成分としてハロゲン化されたC6オレフィンを除去し、
低沸成分として1,3−ジクロロプロペンを分留する。
そして、該1,3−ジクロロプロペンをさらに蒸留し
て、高沸成分としてトランス体を、低沸成分としてシス
体を分離する。
およびトランス体よりも低沸成分、高沸成分を順次、蒸
留により除去した後に、シス体およびトランス体を分留
し、これを蒸留してシス体とトランス体を分離する。こ
の場合、トランス体はシス体より高沸点であることか
ら、トランス体は高沸成分として分離される。そのた
め、該高沸成分としてのトランス体には、蒸発残分が混
入する問題や、純度が低く着色成分が多く含まれる等の
問題があった。
農薬中間体および機能性材料の中間体等の原料として用
いる場合、ハーゼン色数(APHA)が20以下である
ことが必要とされるのに対し、従来の方法で得られるト
ランス体のAPHAは500程度であり、かなり濃く着
色しているという問題もあった。
高純度であり着色の少ないトランス体を効果的に得るこ
とを目的とする。
に、本発明は、下記組成物(I)から得られる下記組成
物(II)を蒸留して、塩素化または臭素化されたC6化
合物〔化合物(X)〕を含む成分を高沸成分として除去
し、トランス−1,3−ジクロロプロペンを低沸成分と
して得ることを特徴とする高純度で着色の少ないトラン
ス−1,3−ジクロロプロペンの製造方法を提供する。
ロペン、トランス−1,3−ジクロロプロペンおよびC
6化合物を含む組成物。
/または下記組成物(IIB)である組成物。
シス−1,3−ジクロロプロペンを含む低沸成分を除去
し、次に残余の高沸成分に塩素または臭素を作用させる
ことにより得られる、トランス−1,3−ジクロロプロ
ペンおよび塩素化または臭素化されたC6化合物〔化合
物(X)〕を含む組成物。
は臭素を作用させた後に蒸留して、シス−1,3−ジク
ロロプロペンを含む低沸成分を除去することにより得ら
れる、トランス−1,3−ジクロロプロペンおよび塩素
化または臭素化されたC6化合物〔化合物(X)〕を含
む組成物。
参照しながら詳述する。
回の塩素または臭素を作用させる工程を含む。より具体
的には、組成物(I)に対して1回の蒸留(第1の蒸
留)工程と、1回の塩素または臭素を作用させる工程を
経過させることによって組成物(II)を得、次いで該組
成物(II)に対して2回目の蒸留(第2の蒸留)工程を
経過させることによって高純度で着色の少ないトランス
体を得る。
体、トランス体、およびC6化合物を含む。C6化合物と
は、炭素数が6である化合物をいう。本発明における組
成物(I)は、プロペンと塩素との反応生成物、また
は、該反応生成物から3−クロロプロペンを分離した残
余物であることが好ましく、後者の残余物がより好まし
い。具体的には、プロペンと塩素との反応生成物から3
−クロロプロペンを蒸留して分離した塔底液が好ましく
用いられる。該反応生成物または該残余物中に含まれる
C6化合物としては、クロロヘキサン、クロロヘキサジ
エン等の炭素数6の塩素化炭化水素が挙げられる。塩素
化炭化水素は飽和、不飽和のいずれも含む。該塩素化炭
化水素は、塩素原子の結合位置や炭素−炭素不飽和結合
の位置が異なる2種以上からなるのが通常である。ま
た、本発明の組成物(I)は、C3化合物等のその他の
成分を含んでいてもよい。C3化合物とは、炭素数が3
である化合物をいい、1,3−ジクロロプロパン、1,
2−ジクロロプロパンまたは3,3−ジクロロプロパン
等の炭素数3の塩素化炭化水素が例示されうる。この場
合も塩素化炭化水素は飽和、不飽和のいずれも含む。
ス体の含有量は、好ましくは10〜40質量%であり、
トランス体の含有量は、好ましくは10〜40質量%で
あり、C6化合物の含有量は、好ましくは20質量%以
下である。また、C3化合物を含む場合の含有量は、組
成物(I)中に、好ましくは60質量%以下である。
または臭素を作用させる工程と、蒸留工程を経ることに
より、組成物(II)を得る。以下、塩素または臭素を作
用させる工程については、塩素で代表させて説明する
が、本発明を塩素の場合に限定するわけではない。
A)を得る場合の本発明の製造方法の一例を示す。
(I)3を蒸留塔1内で蒸留(第1の蒸留。以下、A蒸
留という。)して、シス体を含む低沸成分4を除去し、
次に残余の高沸成分5に塩素を作用させて得られる。組
成物(I)3が、C3化合物や、低沸のその他の成分を
含む場合には、シス体とともにC3化合物や低沸のその
他の成分は、低沸成分4として除去されうる。
は、好ましくは20〜120℃、より好ましくは60〜
80℃である。圧力(ゲージ圧、以下同様)は、好まし
くは0〜1013hPa、より好ましくは80〜300
hPaである。A蒸留は、通常は蒸留塔1を用いて行わ
れ、好ましくは20〜50段、より好ましくは30〜5
0段の蒸留塔を用いうる。なお、第1の蒸留方式は特に
限定されるものでなく、回分方式、連続方式等、任意に
行い得る。
ス体およびC6化合物が含まれる。用いる組成物(I)
3によっては、高沸成分5中には、他の高沸成分、着色
成分、蒸留装置等から混入する蒸発残分等が含まれるこ
ともありうる。
る。その結果、組成物(IIA)が得られる。高沸成分5
中に含まれるクロロヘキサジエン等の炭素−炭素不飽和
結合含有化合物(C6化合物)の該不飽和結合に塩素付
加したり、または、これらC6化合物中に存在しうるC
−H部分を塩素置換することにより、塩素化されたC6
化合物〔化合物(X)〕が生成される。高沸成分5に塩
素を作用させる際には、通常は高沸成分5中に塩素ガス
を吹き込めばよい。
0〜100℃で行うのが好ましく、より好ましくは20
〜60℃であり、通常は常温(25℃付近)で速やかに
進行しうる反応である。塩素を作用させる温度が0℃よ
り低いと、反応速度が遅くなり、本発明の製造方法を行
う設備における塩素を作用させる工程の反応領域を広く
とる必要があり、経済的および効率上において不利にな
る。また、100℃以上では、トランス体が塩素化され
て、トランス体の収量が低下するおそれがある。
低圧から高圧までのあらゆる圧力下で行うことができ、
通常は常圧で行うのが好ましい。作用させる塩素の量
は、好ましくはC6化合物の0.5〜5.0倍モル量、
より好ましくは1.0〜2.0倍モル量である。塩素の
量が、C6化合物の0.5倍モル量より少ないと、C6化
合物の塩素化が充分に行われず高純度のトランス体を得
られないおそれがある。一方、5.0倍モル量より多い
と、トランス体の塩素化される量が増加しトランス体の
収量が極端に低下するおそれがある。
いられる塩素は、液体でも気体でもよい。
は、C−HをC−Clに変換する反応が起きて、塩化水
素が生成する場合がある。塩化水素が生成した場合に
は、塩素を作用させた組成物にフラッシング、放散、吸
着、中和等の一般的な後処理を行い、塩化水素を除去し
たものを組成物(IIA)6とするのが好ましい。
を得る場合の本発明の製造方法の一例を図2に示す。
臭素を作用させた後に、蒸留塔1内で蒸留(第1の蒸
留。以下、B蒸留という。)を行う。塩素を作用させる
工程は、上記の組成物(IIA)6を得る工程で述べたの
と同様に実施できる。またB蒸留の操作もA蒸留と同様
に実施できる。B蒸留では、シス体を含む低沸成分9が
除去される。また、組成物(I)3中にC3化合物等が
含まれる場合には、該C3化合物等は低沸成分9として
シス体とともに除去されうる。高沸成分として得られる
組成物(IIB)10中には、トランス体および塩素化さ
れたC6化合物〔化合物(X)〕が含まれうる。
または(IIB)10を得た後、これら組成物(IIA)6
および/または(IIB)10を蒸留塔2内で蒸留(以
下、第2の蒸留という。)する。組成物(IIA)6およ
び/または(IIB)10中にはトランス体および化合物
(X)が含まれ、かつ場合により着色成分や蒸発残分等
が含まれると考えられる。
8として除去し、目的とするトランス体を低沸成分7と
して得る。トランス体以外の成分は高沸成分8として除
去されるのが好ましい。さらに低沸成分7は蒸留塔2に
おける塔頂からの成分として得るのが好ましい。
くは20〜120℃、より好ましくは60〜80℃であ
る。圧力(ゲージ圧、以下同様。)は、好ましくは0〜
1013hPa、より好ましくは80〜300hPaで
ある。第2の蒸留は、通常は蒸留塔2を用いて行われ
る。蒸留塔2の理論段数の上限に特に限定はないが、第
2の蒸留は好ましくは1〜20段、より好ましくは1〜
10段の蒸留塔で行うことができる。なお、第2の蒸留
方式は特に限定されるものでなく、回分方式、連続方式
等、任意に行い得る。
ンス体が得られるが、無色である方が好ましい。また、
そのハーゼン色数(APHA)は好ましくは200以下
であり、より好ましくは100以下であり、さらに好ま
しくは20以下である。
は、ASTM D1209−1980(米国規格協会規
格)に準拠して測定される。色数標準液は、ヘキサクロ
ロ白金(IV)カリウム1.245g(白金として0.5
00g)、および塩化コバルト(II)六水和物1.00
0g(コバルトとして0.250g)を塩酸100ml
に溶解し、さらに蒸留水で1000mlに希釈して、こ
れをハーゼン色数500の色数標準液とするものであ
る。ハーゼン色数100、50、20、10等の色数標
準液は、ハーゼン色数500の色数標準液をそれぞれ蒸
留水で5、10、25、50倍に薄めて調整したもので
ある。ハーゼン色数は試料を規定の大きさの試験管(直
径3cm、長さ約20cm)に入れて、目視で比較して
同じ感じの色数標準液の番号で表示される。試験管の上
面から観察した場合には、ハーゼン色数(APHA)と
表記される。APHAはアメリカ公衆衛生協会(Americ
an Public Health Association)の略である。
ンス体が得られ、その純度は好ましくは98%以上であ
り、より好ましくは99%以上である。
とを目的とするが、シス体もまた得たい場合には、A蒸
留で除去したシス体を含む低沸成分4および/またはB
蒸留で除去したシス体を含む低沸成分9を用いて、A蒸
留やB蒸留と同様の蒸留により、高純度のシス体を分取
することもできる。
必要に応じて得られるシス体は、医農薬の中間体等とし
て有用に用いうる。本発明の方法の全てまたは一部を回
分法で実施しても、連続法で実施してもよい。
するが、これによって本発明はなんら限定されるもので
ない。例1〜3は実施例、例4は比較例である。なお表
中の%の単位はガスクロマトグラフィにより求まる質量
%である。なお、トランス体の%は、トランス体の純度
も表している。
ら3−クロロプロペンを蒸留して分離した塔底液(該塔
底液の組成を表1の塔底液の欄に示す。)の500mL
を、50段の蒸留塔で、留出温度60℃、圧力100h
Paの条件で、回分蒸留を行った。該塔底液中のC3化
合物およびシス体を含む組成物を、低沸成分として分留
除去した。そして、該回分蒸留において高沸成分として
C6化合物およびトランス体を含む粗液150mLを得
た。
の1.2倍モル量の塩素ガスと該粗液を混合し、30
℃、大気圧で粗液に塩素を作用させた。その後、窒素に
て塩化水素を放散した。次に、この粗液を5段の蒸留塔
で、留出温度60℃、圧力100hPaの条件で蒸留
し、低沸成分として高純度のトランス体を115mL得
た。該低沸成分のガスクロマトグラフィによる分析結
果、トランス体回収率およびハーゼン色数(APHA)
を表1に示す。
/時で、30段の蒸留塔に供給し、留出温度60℃、圧
力100hPaの条件で連続的に蒸留した。該塔底液中
のC3化合物およびシス体を含む組成物を、低沸成分と
して連続的に分留除去した。該蒸留の高沸成分として、
塔底から粗液を30mL/時で抜き取った。
C6化合物の1.2倍モル量の塩素ガスと該粗液を混合
し、30℃、大気圧で連続的に塩素を作用させた。その
後、該粗液を粒状苛性ソーダ充填筒に通液して塩化水素
を除去した。次に、通液した該粗液を5段の蒸留塔で、
留出温度60℃、圧力100hPaの条件で蒸留し、低
沸成分として高純度のトランス体を塔頂から23mL/
時で得た。該低沸成分のガスクロマトグラフィによる分
析結果、トランス体回収率およびハーゼン色数(APH
A)を表1に示す。
該塔底液中のC6化合物の1.5倍モル量の塩素ガスと
混合し、30℃、大気圧で連続的に塩素を作用させた。
続いて該塔底液を100mL/時で30段の蒸留塔に供
給し、留出温度60℃、圧力100hPaの条件で連続
的に蒸留した。C3化合物およびシス体を含む組成物
を、低沸成分として連続的に分留除去した。該蒸留の高
沸成分として塔底から塩素化されたC6化合物およびト
ランス体を含む粗液を抜き取った。さらに、得られた該
粗液を5段の蒸留塔で、温度60℃、圧力100hPa
の条件で連続的に蒸留し、低沸成分として高純度のトラ
ンス体を塔頂から23mL/時で得た。該低沸成分のガ
スクロマトグラフィによる分析結果、トランス体回収率
およびハーゼン色数(APHA)を表1に示す。
まず最初に該塔底液中のC6化合物の1.5倍モル量の
塩素ガスと混合し、30℃、大気圧で塩素を作用させ
た。そして、窒素にて塩化水素を放散した。次に、この
塔底液を50段の蒸留塔で、留出温度60℃、圧力10
0hPaの条件で、回分蒸留を行った。低沸成分として
C3化合物等を分留除去し、高沸成分として粗液290
mLを得た。次に、該粗液を5段の蒸留塔で、留出温度
60℃、圧力100hPaの条件で蒸留した。そして塔
頂から、シス体およびトランス体を含む成分を低沸成分
として250mLを得た。さらに該低沸成分を50段の
蒸留塔で、留出温度60℃、圧力100hPaで蒸留し
て、塔底より高沸成分として、113mLのトランス体
を得た。3回の蒸留を行ったが得られたトランス体は明
らかに着色しており、さらに着色成分を除く操作を行う
必要があった。着色成分除去前の高沸成分のガスクロマ
トグラフィによる分析結果、トランス体回収率およびハ
ーゼン色数(APHA)を表1に示す。
農薬中間体、機能性材料の中間体等に使用可能な高純度
で着色の少ないトランス体を得ることができる。また、
本発明の製造方法では、2回の蒸留操作と1回の塩素ま
たは臭素を作用させる工程により、高純度のトランス体
を得ることができ、製造工程を大幅に短縮することがで
きる。本発明の製造方法では、得られるトランス体は低
沸成分として分離されるため、さらに蒸留することな
く、活性炭等の吸着剤で脱色しなくても、着色が少ない
蒸発残分のない高純度なトランス体が得られる。本発明
の製造方法は、大容量のトランス体を製造しうる方法で
あり、少ない工程で特別な操作を必要としないことか
ら、工業的実施にも適した優れた方法である。
Claims (7)
- 【請求項1】下記組成物(I)から得られる下記組成物
(II)を蒸留して、塩素化または臭素化されたC6化合
物〔化合物(X)〕を含む成分を高沸成分として除去
し、トランス−1,3−ジクロロプロペンを低沸成分と
して得ることを特徴とする高純度で着色の少ないトラン
ス−1,3−ジクロロプロペンの製造方法。 組成物(I):シス−1,3−ジクロロプロペン、トラ
ンス−1,3−ジクロロプロペンおよびC6化合物を含
む組成物。 組成物(II):下記組成物(IIA)および/または下記
組成物(IIB)である組成物。 組成物(IIA):組成物(I)を蒸留してシス−1,3
−ジクロロプロペンを含む低沸成分を除去し、次に残余
の高沸成分に塩素または臭素を作用させることにより得
られる、トランス−1,3−ジクロロプロペンおよび塩
素化または臭素化されたC6化合物〔化合物(X)〕を
含む組成物。 組成物(IIB):組成物(I)に塩素または臭素を作用
させた後に蒸留して、シス−1,3−ジクロロプロペン
を含む低沸成分を除去することにより得られる、トラン
ス−1,3−ジクロロプロペンおよび塩素化または臭素
化されたC6化合物〔化合物(X)〕を含む組成物。 - 【請求項2】組成物(I)が、プロペンと塩素との反応
生成物、または、該反応生成物から3−クロロプロペン
を分離した残余物である請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】組成物(I)が、さらに1,3−ジクロロ
プロパンを含む請求項1または2に記載の製造方法。 - 【請求項4】化合物(X)が、塩素化されたC6化合物
である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項5】組成物(II)が、組成物(IIA)である請
求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項6】組成物(II)を得る工程で除去したシス−
1,3−ジクロロプロペンを含む低沸成分を、さらに蒸
留することによりシス−1,3−ジクロロプロペンを分
取する工程を含む請求項1〜5のいずれかに記載の製造
方法。 - 【請求項7】ハーゼン色数(APHA)が200以下の
トランス−1,3−ジクロロプロペン。
Priority Applications (11)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000293918A JP4650968B2 (ja) | 2000-09-27 | 2000-09-27 | 高純度で着色の少ないトランス−1,3−ジクロロプロペンの製造方法 |
CNA018162126A CN1466559A (zh) | 2000-09-27 | 2001-09-26 | 低着色的反式-1,3-二氯丙烯及其制备方法 |
AU2001292251A AU2001292251A1 (en) | 2000-09-27 | 2001-09-26 | Less colored trans-1,3-dichloropropene and process for producing the same |
ES01972502T ES2313984T3 (es) | 2000-09-27 | 2001-09-26 | Trans-1,3-dicloropropeno menos coloreado y su procedimiento de preparacion. |
DE60136085T DE60136085D1 (de) | 2000-09-27 | 2001-09-26 | Wenig gefärbtes trans-1,3-dichlorpropen und verfahren zu dessen herstellung |
DK01972502T DK1323697T3 (da) | 2000-09-27 | 2001-09-26 | Trans-1,3-dichlorpropen med svagere farve samt fremgangsmåde til fremstilling deraf. |
EP01972502A EP1323697B1 (en) | 2000-09-27 | 2001-09-26 | Less colored trans-1,3-dichloropropene and process for producing the same |
AT01972502T ATE410399T1 (de) | 2000-09-27 | 2001-09-26 | Wenig gefärbtes trans-1,3-dichlorpropen und verfahren zu dessen herstellung |
KR1020037003847A KR100838550B1 (ko) | 2000-09-27 | 2001-09-26 | 착색이 적은 트랜스-1,3-디클로로프로펜 및 그 제조방법 |
PCT/JP2001/008366 WO2002026674A1 (fr) | 2000-09-27 | 2001-09-26 | Trans-1,3-dichloropropene a moindre coloration et procede de preparation |
US10/397,516 US6881872B2 (en) | 2000-09-27 | 2003-03-27 | Less colored trans-1,3-dichloropropene and process for its production |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000293918A JP4650968B2 (ja) | 2000-09-27 | 2000-09-27 | 高純度で着色の少ないトランス−1,3−ジクロロプロペンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002105007A true JP2002105007A (ja) | 2002-04-10 |
JP4650968B2 JP4650968B2 (ja) | 2011-03-16 |
Family
ID=18776624
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000293918A Expired - Lifetime JP4650968B2 (ja) | 2000-09-27 | 2000-09-27 | 高純度で着色の少ないトランス−1,3−ジクロロプロペンの製造方法 |
Country Status (11)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6881872B2 (ja) |
EP (1) | EP1323697B1 (ja) |
JP (1) | JP4650968B2 (ja) |
KR (1) | KR100838550B1 (ja) |
CN (1) | CN1466559A (ja) |
AT (1) | ATE410399T1 (ja) |
AU (1) | AU2001292251A1 (ja) |
DE (1) | DE60136085D1 (ja) |
DK (1) | DK1323697T3 (ja) |
ES (1) | ES2313984T3 (ja) |
WO (1) | WO2002026674A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012531410A (ja) * | 2009-06-26 | 2012-12-10 | ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー | 第三級ハロゲン化炭化水素の選択的脱ハロゲン化水素及び第三級ハロゲン化炭化水素不純物の除去 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2015224445B2 (en) * | 2009-06-26 | 2017-01-05 | Dow Global Technologies Llc | Selective dehydrohalogenation of tertiary halogenated hydrocarbons and removal of tertiary halogenated hydrocarbon impurities |
CN107879891B (zh) * | 2017-11-20 | 2020-09-29 | 天津辰力工程设计有限公司 | 一种利用dd混剂提纯二氯丙烷和二氯丙烯的方法 |
CN111807925B (zh) * | 2020-07-23 | 2021-11-02 | 山东海益化工科技有限公司 | D-d混剂精馏分离工艺 |
CN111848334A (zh) * | 2020-07-30 | 2020-10-30 | 江苏扬农化工集团有限公司 | 一种丙烯氯化制氯丙烯工艺中副产物的处理方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5233605A (en) * | 1975-09-10 | 1977-03-14 | Dow Chemical Co | Method of pemoval of 1*33dichllropropene from bottom oil of allylchloride column |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3914167A (en) * | 1974-08-26 | 1975-10-21 | Dow Chemical Co | Process for making cis-1,3-dichloropropene |
-
2000
- 2000-09-27 JP JP2000293918A patent/JP4650968B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
2001
- 2001-09-26 DE DE60136085T patent/DE60136085D1/de not_active Expired - Lifetime
- 2001-09-26 AT AT01972502T patent/ATE410399T1/de active
- 2001-09-26 AU AU2001292251A patent/AU2001292251A1/en not_active Abandoned
- 2001-09-26 WO PCT/JP2001/008366 patent/WO2002026674A1/ja active Application Filing
- 2001-09-26 KR KR1020037003847A patent/KR100838550B1/ko not_active IP Right Cessation
- 2001-09-26 ES ES01972502T patent/ES2313984T3/es not_active Expired - Lifetime
- 2001-09-26 EP EP01972502A patent/EP1323697B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2001-09-26 CN CNA018162126A patent/CN1466559A/zh active Pending
- 2001-09-26 DK DK01972502T patent/DK1323697T3/da active
-
2003
- 2003-03-27 US US10/397,516 patent/US6881872B2/en not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5233605A (en) * | 1975-09-10 | 1977-03-14 | Dow Chemical Co | Method of pemoval of 1*33dichllropropene from bottom oil of allylchloride column |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012531410A (ja) * | 2009-06-26 | 2012-12-10 | ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー | 第三級ハロゲン化炭化水素の選択的脱ハロゲン化水素及び第三級ハロゲン化炭化水素不純物の除去 |
US9126886B2 (en) | 2009-06-26 | 2015-09-08 | Dow Agrosciences Llc | Selective dehydrohalogenation of tertiary halogenated hydrocarbons and removal of tertiary halogenated hydrocarbon impurities from a halogenated hydrocarbon product |
US9139500B2 (en) | 2009-06-26 | 2015-09-22 | Dow Agrosciences Llc | Selective dehydrohalogenation of tertiary halogenated hydrocarbons and removal of tertiary halogenated hydrocarbon impurities from a halogenated hydrocarbon product |
US9745233B2 (en) | 2009-06-26 | 2017-08-29 | Dow Agrosciences Llc | Selective dehydrohalogenation of tertiary halogenated hydrocarbons and removal of tertiary halogenated hydrocarbon impurities from a halogenated hydrocarbon product |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6881872B2 (en) | 2005-04-19 |
EP1323697A4 (en) | 2005-11-23 |
DK1323697T3 (da) | 2009-01-05 |
CN1466559A (zh) | 2004-01-07 |
EP1323697A1 (en) | 2003-07-02 |
WO2002026674A1 (fr) | 2002-04-04 |
KR100838550B1 (ko) | 2008-06-17 |
ATE410399T1 (de) | 2008-10-15 |
AU2001292251A1 (en) | 2002-04-08 |
ES2313984T3 (es) | 2009-03-16 |
JP4650968B2 (ja) | 2011-03-16 |
KR20030032038A (ko) | 2003-04-23 |
EP1323697B1 (en) | 2008-10-08 |
DE60136085D1 (de) | 2008-11-20 |
US20030164284A1 (en) | 2003-09-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4389389B2 (ja) | 1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンおよび1,1,1−トリフルオロ−3−クロロ−2−プロペンから成る共沸組成物およびそれを用いる分離精製方法、ならびに1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンおよび1,1,1−トリフルオロ−3−クロロ−2−プロペンの製造方法 | |
US10427998B2 (en) | Compositions based on 1,1,3,3-tetrachloropropene | |
DE2559477A1 (de) | Verfahren zur gewinnung von cis-1,3-dichlorpropen aus allylchlorid- destillationssumpfprodukten | |
JP7085537B2 (ja) | ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエンの製造方法 | |
EP2445854B1 (en) | Selective dehydrohalogenation of tertiary halogenated hydrocarbons and removal of tertiary halogenated hydrocarbon impurities | |
US8889927B2 (en) | Method to reduce the formation of high boiling compounds during the dehydrochlorination of 1,1,1,3-tetrachloropropane | |
JP2002105007A (ja) | 高純度で着色の少ないトランス−1,3−ジクロロプロペンの製造方法 | |
JP2020522481A (ja) | 高純度の1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパンと、その製造方法およびその使用 | |
US10329226B2 (en) | Process for the production of chlorinated methanes | |
JP2848980B2 (ja) | クロロテトラフルオロエタンとオクタフルオロシクロブタンとの混合物の製造方法 | |
AU2015253685B2 (en) | Separation of r-1233 from hydrogen fluoride | |
JP2015044777A (ja) | 2−フルオロブタンの精製方法 | |
JPH0753447A (ja) | 3−ペンテン酸の製造およびその製造用の触媒 | |
PL179354B1 (pl) | Sposób usuwania izomerów (cyklo)alifatycznych heksenów i heksadienów z chlorku allilu PL PL PL PL | |
US20190300460A1 (en) | Process for improving the production of a chlorinated alkene by caustic deydrochlorination of a chlorinated alkane by recycling | |
AU604695B2 (en) | Synthesis of high purity 5-chloroisophthaloyl chloride | |
JPS63185981A (ja) | シネオールの改良製造法 | |
JP4432187B2 (ja) | 1,2−ジクロルエタンの回収方法 | |
EP1238959B1 (en) | Purification of HCFC-133A | |
JP2001226298A (ja) | 1,2−ジクロルエタンの精製方法 | |
JP2017533941A (ja) | 精製ハロゲン化カルボン酸ハロゲン化物を得るための少なくとも2つの蒸留ステップを含む蒸留プロセス、および精製ハロゲン化カルボン酸ハロゲン化物の使用 | |
CA1051929A (en) | Process for the separation of cis- and trans-1,2-dichloroethylene from 1,1-dichloroethane by distillation and isomerization process for preparing 1,1,1-trichloroethane and method for the removal of cis- and trans-1,2-dichloroethylene from 1,1-dichloroethane by selective chlorination | |
JP4523316B2 (ja) | 4,4,4−トリフルオロブタン−1−オールの精製方法 | |
JPS606337B2 (ja) | 塩素化炭化水素の精製方法 | |
JPS5826730B2 (ja) | シトロネロ−ルの分離方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070802 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100924 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101124 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20101210 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20101210 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4650968 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131224 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131224 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131224 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |