JP4650886B2 - マスクブランクス用ガラス基板の製造方法、及びマスクブランクスの製造方法 - Google Patents

マスクブランクス用ガラス基板の製造方法、及びマスクブランクスの製造方法 Download PDF

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本発明は、マスクブランクス用ガラス基板の製造方法、及びマスクブランクスの製造方法に関する。
従来、光学式読み取りタイプのエリアコードがガラス基板の端面や裏面に形成された金属膜に設けられているマスクブランクスが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ガラス基板側面(端面)のつや消し部分に、所定の記号がマーキングされたマスクブランクスが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
近年、露光光源の波長は例えば200nm以下に短波長化しており、マスクブランクス用ガラス基板、及びマスクブランクスに要求される品質(許容できる欠陥の大きさや個数)は益々厳しくなっている。エリアコード等の形成の仕方によっては、後の工程での発塵が生じ、要求品質を満たすのが困難になるおそれがある。また、近年のマスクブランクス用ガラス基板においては、端面も鏡面研磨される場合があり、つや出し状に施した記号等では、十分な読み取り精度が得られないおそれがある。
そこで、本発明者らは、上記の背景の下、マスクブランクス用ガラス基板に適したマーキング技術を先に開発し出願を行っている(特許文献3)。
係る技術は、マスクブランクス用ガラス基板表面における転写に影響のない領域であって、かつ鏡面状の表面にレーザ光を照射させて、融解又は昇華させることにより、前記マスクブランクス用ガラス基板を識別するためのマーカとして用いられる凹部(以下マーカ用凹部という)を形成するマーキング工程を備えることを特徴としている。係る技術では、鏡面状の表面をレーザ照射によって融解又は昇華させることでマーカ用凹部を形成するので、マスクブランクス用ガラス基板の製造工程の様々な局面において、基板に関する多くの情報をマーカに記録するのに適している。また、このようにして形成されたマーカは十分な読み取り精度であるとともに、他の形成方法に比べ後の工程での発塵の恐れが少ない。
特開2002−116533号公報 特開昭59−15938号公報 特願2005−096976号
上記特許文献3記載のマスクブランクス用ガラス基板に適したマーキング技術に係る発明では、レーザ照射によりガラス表面を融解又は昇華させることによってマーカ用凹部を形成することに基づく優れた特徴を有しているものの、更なる特性向上に向けて、(1)レーザ照射によりガラス表面を融解又は昇華させることによってマーカ用凹部を形成することに基づく問題点を見出しその対策を施す必要があり、また、(2)特許文献3記載の発明は多くの情報をマーカに記録することを意図しかつそれに適した手法であるが、情報量の多さに適応すべく必然的に2次元コード等の各点を構成する多数のマーカ用凹部を1つのマーカについて形成することが必要となること、に基づき発生する問題点を見出しその対策を施す必要がある。
即ち、本発明の目的は、上記特許文献3記載のマスクブランクス用ガラス基板のマーキング技術に関連して、その更なる特性向上に向けて、問題点を見出しその対応策を案出することにある。
本発明者らは、上記目的に沿って開発を続けた。そして、以下のことが判明した。
上記特許文献3記載のマスクブランクス用ガラス基板の製造方法において、例えば、研削、研磨(主表面及び端面の精密研磨、超精密研磨、洗浄)等の一連のマスクブランクス用ガラス基板の製造工程終了後、基板検査を行い、その後COレーザなどのレーザを用いて鏡面状の基板表面を融解又は昇華させることによってマーカ用凹部を形成した場合、図7に示す如く、マーカ用凹部20の周縁部に盛り上がり部21が生じることがあることがわかった。この周縁部の盛り上がり部21は、顕微鏡で観察すると、黒くて汚い、焼け付きのように見えるものであった。この周縁部の盛り上がり部21を分析したところ、SiOと有機汚染物(カーボンブラックなど)が混ざり合ったもので構成されていることが判明した。ただ、この周縁部の盛り上がり部21は、レーザマーキング後に、強力かつ十分な洗浄(具体的にはフッ酸(HF)による洗浄)を行うことによってほとんど落とすことができたため上記技術の開発当初はそれほど問題視されていなかった。
しかし、本発明者は、上記周縁部に生ずる盛り上がり部21は、上記顕微鏡観察の状況及び分析結果から、レーザマーキング前のマーキングを行おうとする箇所の表面(界面)そのものが汚染されていたため、照射されるレーザ光と前記表面(界面)の汚染との間に何らかの作用が働いて形成されたものと推定し、基板検査工程とレーザマーキング工程との間に洗浄工程(端面にマーカを形成する場合は端面洗浄工程)を導入し実施した基板を用いてレーザマーキングを行った。この結果、マーカ用凹部20の周縁部に、黒くて汚い、焼け付きのように見える盛り上がり部21が生じる問題を解消できることを解明した。
ところが、上記のように基板検査工程とレーザマーキング工程との間に洗浄工程を導入し実施した基板を用いてレーザマーキングを行った場合であっても、図1に示すような2次元コードを構成する多数のマーカ用凹部20からなるマーカ18を形成した基板を多数枚作製し、これによる多数のマーカ用凹部のそれぞれについて詳細かつ丹念に調べた結果、図8に示すように、マーカ用凹部20の表面に局所的に表面が荒れた部位(表面荒れ)22が生ずるマーカ用凹部が存在することが判明した。表面が荒れた部位を含む箇所を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した様子を図9に示す。
この表面荒れは、COレーザなどのレーザ照射によって生じる表面荒れとも考えられるが、マーカ用凹部における表面荒れの発生箇所に規則性はなく、多数のマーカ用凹部のうちの一部のマーカ用凹部にのみ発生(50%程度発生)していた。
そこで、本発明者は、上記の局所的な表面荒れ部位をラマン分析したところ、表面荒れの無い部位のラマン分析結果(図10の下方のシグナル)に対し、表面荒れの発生部位のラマン分析結果(図10の上方のシグナル)では異なるピークが出現しており、COレーザなどのレーザ照射によって単にガラス表面が荒れているのではないことが判明した。更に、ピーク位置から有機系の物質等に基づく表面荒れであることが解明された。
更に究明した結果、単に、基板検査工程とレーザマーキング工程との間に洗浄工程を導入し実施した基板を用いてレーザマーキングしたのでは、不十分であり、COレーザなどのレーザ照射によるレーザマーキング時の界面を上記のような表面荒れを生じさせる原因物質を排除した界面状態とする必要があることを解明した。つまり、レーザマーキングを行おうとする箇所の界面を上記のような表面荒れを生じさせる原因物質を排除した表面(界面)状態とし、かつこの状態でマーキングを実施する必要があることを解明した(以下先の発明という)。
更に、本発明者は、先の発明を適用して得られた試料、即ち、先の発明に係る後記で例
示する洗浄を実施した直後にマーキングを実施した試料について、長期日数に亘り上記と
同様の追跡調査を実施したところ、数は少ない(上記と比べ相対的な発生頻度は低い)も
のの、局所的な微細な表面荒れが発生することがあることが判明した。洗浄が不十分であ
ったとも考えられるが、基板の界面を調べたところ清浄であり、洗浄工程には問題がない
ことがわかった。また、微細な表面荒れの発生の頻度、態様や様子が上記とは若干異なっ
ていた。微細な表面が荒れた部位を含む箇所を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した様
子を図11に示す。そこで、微細な表面荒れ部位をラマン分析したところ、有機系の物質
等に基づく微細な表面荒れと判明した。なお、微細な表面荒れの発生部位のラマン分析結
果は図10の上方のシグナルとピーク位置が同じでピーク高さが低いものであり、微細な
表面荒れの無い部位のラマン分析結果は図10の下方のシグナルと同様であった。
そこで、マーキング時のマーキング装置周辺にあるもの(人、マーキング装置自体を構
成する材料、マーキング装置周辺の室内にある物、マーキング装置周辺の雰囲気など)が
原因ではないかと推定し、各種調べた。そして、マーキング装置自体を外気から遮断する
ブースで覆い、ブース内に有機系ガスを捕捉するケミカルフィルタを通過させた空気を流
してマーキングを実施したところ、長期観察において、数は少ないが見受けられる微細な
表面荒れの発生を解消することができた。つまり、COレーザなどのレーザ照射による
レーザマーキングでは雰囲気中の物質によって微細な表面荒れ発生することがあること突
き止めた。なお、他の要因に関しては、有機系ガスを捕捉するケミカルフィルタを通過さ
せた空気を「レーザ照射部及びその周辺部」に流してマーキングを実施する態様としたこ
とで回避され顕在化しなかったものと考えられる。
以上のことから、レーザ照射中にレーザ照射光周辺の雰囲気を介してレーザ照射部(レ
ーザ光の光路及びレーザ光の照射面)及びそれらの周辺部に供給される「上記のような微
細な表面荒れを生じさせる原因物質」を排除した状態でマーキングする必要があることを
解明した。つまり、上記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射光周辺の雰囲
気を介してレーザ照射部及びその周辺部に供給される物質であって、「レーザ光照射によ
る凹部の形成によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを生じさせる原因物質」を
排除した状態とし、かつこの状態でレーザ光照射によるマーキングを実施する必要がある
ことを解明し、本発明に至った。
本発明は、以下の構成を有する。
(構成1)マスクブランクス用ガラス基板表面における転写に影響のない領域の表面にレ
ーザ光を照射させて、融解又は昇華させることにより、前記マスクブランクス用ガラス基
板を識別するためのマーカとして用いられる凹部を形成するマーキング工程を備えるマス
クブランク用ガラス基板の製造方法であって、
前記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射光周辺の雰囲気を介してレーザ
照射部及びその周辺部に供給される物質であって、かつ、レーザ光照射による凹部の形成
によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを生じさせる原因物質を、レーザ照射部
及びその周辺部から排除した状態とし、かつこの状態でレーザ光照射によるマーキングを
実施する工程を備えることを特徴とするマスクブランク用ガラス基板の製造方法。
(構成2)
「前記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射光周辺の雰囲気を介してレー
ザ照射部及びその周辺部に供給される物質であって、レーザ光照射による凹部の形成によ
って該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを生じさせる原因物質を、レーザ照射部及び
その周辺部から排除した状態とする」手段は、
少なくとも、前記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射部及びその周辺部
に、ケミカルフィルタを通過させた気体を供給する手段であることを特徴とする構成1記
載のマスクブランク用ガラス基板の製造方法。
(構成3)
「前記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射光周辺の雰囲気を介してレー
ザ照射部及びその周辺部に供給される物質であって、レーザ光照射による凹部の形成によ
って該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを生じさせる原因物質を、レーザ照射部及び
その周辺部から排除した状態」は、レーザ照射中にレーザ照射部及びその周辺部に存在す
る気体中の全有機物濃度(TOC:Total Organic Carbon)が200μg/m以下の状態で
あることを特徴とする構成1記載のマスクブランク用ガラス基板の製造方法。
(構成4)
前記ケミカルフィルタは、有機系ガスを捕捉する機能を有するケミカルフィルタである
ことを特徴とする構成2記載のマスクブランク用ガラス基板の製造方法。
(構成5)
構成1乃至4に記載のマスクブランクス用ガラス基板上に、マスクパターンとなるマス
クパターン用薄膜を形成する工程を備えることを特徴とするマスクブランクスの製造方法
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、マスクブランクス用ガラス基板表面における転写に影響のない領域の表面にレーザ光を照射させて、融解又は昇華させることにより、前記マスクブランクス用ガラス基板を識別するためのマーカとして用いられる凹部を形成するマーキング工程を備えるマスクブランク用ガラス基板の製造方法であって、
前記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射光周辺の雰囲気を介してレーザ照射部及びその周辺部に供給される物質であって、かつ、レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを生じさせる原因物質を、レーザ照射部及びその周辺部から排除した状態とし、かつこの状態でレーザ光照射によるマーキングを実施する工程を備えることを特徴とする(構成1)。
本発明は、先の発明を適用してもなお生じる「上述のような微細な表面荒れ」に関し、「マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射光周辺の雰囲気を介してレーザ照射部及びその周辺部に供給される物質であって、レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを生じさせる原因物質を、レーザ照射部及びその周辺部から排除した状態とし、かつこの状態でレーザ光照射によるマーキングを実施する」ことによって、レーザ照射光との相互作用によって生じる「レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れ」を実質的に生じさせないようにした発明である。
本発明において、「前記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射光周辺の雰囲気を介してレーザ照射部及びその周辺部に供給される物質であって、かつ、レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを生じさせる原因物質を、レーザ照射部及びその周辺部から排除した状態」とは、相当数の基板(例えば100枚)についてマーキングを実施して、上述のような微細な表面荒れが生じるものが見受けられずゼロである状態をいう。
尚、本発明は、(1)多数形成されるマーカ用凹部の個々について微細な表面荒れの検査を実施し保障して出荷する必要があると言う課題、(2)このような、多数形成されるマーカ用凹部の個々についての微細な表面荒れの検査及び管理が容易でなく、これらの作業は、きわめて煩雑であり、これらの作業の実施はコスト的、作業的に現実的ではなく実施困難であると言う課題、に対し、前記微細な表面荒れを生じさせないような対策を事前に施し、量産レベルにおいて前記微細な表面荒れを有する基板を実質的になくすものであるから、上記課題(1)及び(2)が生じることがなく、上記課題(1)及び(2)を根本的かつ事前にクリア(解決)しうるものである。
本発明において、「前記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射光周辺の雰囲気を介してレーザ照射部及びその周辺部に供給される物質であって、レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを生じさせる原因物質を、レーザ照射部及びその周辺部から排除した状態とする」具体的な手段としては、少なくとも、前記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射部及びその周辺部に、ケミカルフィルタを通過させた気体(空気、N、不活性ガスなど)を供給する手段(構成2)が挙げられる。
このとき、例えば、ケミカルフィルタを通過させたエアを、マーキング装置におけるレーザ照射部及びその周辺部へダウンフローさせる、及び/又は、装置背面又は側面からレーザ照射部及びその周辺部を介して装置前面(作業面)又は他方の側面へフローさせることで、レーザ照射部及びその周辺部がケミカルフィルタを通過させたエアで占有されるため、他の要因(人、マーキング装置自体を構成する材料、マーキング装置周辺の室内にある物、マーキング装置周辺の雰囲気など)による影響は実質的に排除しうる。したがって、このような状況を作り出せば、マーキング装置自体を外気から遮断するブースを設ける必要は必ずしも無く、ブースなしで心配であればマーキング装置及びその周囲だけを簡易的に覆う手段等を補助的に利用することが可能である。
本発明において、「前記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射光周辺の雰囲気を介してレーザ照射部及びその周辺部に供給される物質であって、レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを生じさせる原因物質をレーザ照射部及びその周辺部から排除した状態とする」他の具体的な手段としては、少なくとも、前記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射部及びその周辺部に、N、不活性ガスなどの「レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを生じさせる原因物質」を実質的に含まない気体を供給する手段が挙げられる。このように、レーザ照射部及びその周辺部へNや不活性ガスを供給することによって、レーザ照射部及びその周辺部への原因物質の供給を排除した状態をつくることが可能であり、この結果、「微細な表面荒れ」を実質的に生じさせないようにすることが可能である。
本発明において、「前記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射光周辺の雰囲気を介してレーザ照射部及びその周辺部に供給される物質であって、レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを生じさせる原因物質をレーザ照射部及びその周辺部から排除した状態とする」更に他の具体的な手段としては、マーキング装置の作業者、マーキング装置自体を構成する材料(特に照射部構成部材及びその周辺部材)、装置周辺の室内にある物、装置周辺の雰囲気などの、レーザ照射部及びその周辺への原因物質の供給源について、原因物質の供給源とならないように対策(例えば材料の変更や、原因物質の除去など)を施すことが挙げられる。これらの対策は、レーザ照射部及びその周辺部にケミカルフィルタを通過させた気体又はN、不活性ガスなどの気体を供給する手段と併せて実施することが好ましい。
本発明では、レーザ照射部及びその周辺部への原因物質の供給を排除した状態は、最低限レーザ照射中及びその前後で足りる。
本発明において、「前記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射光周辺の雰囲気を介してレーザ照射部及びその周辺部に供給される物質であって、レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを生じさせる原因物質を、レーザ照射部及びその周辺部から排除した状態」は、レーザ照射中にレーザ照射部及びその周辺部に存在する気体中の全有機物濃度(TOC:Total Organic Carbon)が200μg/m(≒200ppb)以下の状態であることが好ましい(構成3)。
レーザ照射中にレーザ照射部及びその周辺部に存在する気体中の全有機物濃度(TOC:Total Organic Carbon)が200μg/m(≒200ppb)以下であると、「上記のような微細な表面荒れ」の発生防止に効果があることを確認した。「上記のような微細な表面荒れ」の発生を確実に防止する観点からは、レーザ照射中にレーザ照射部及びその周辺部に存在する気体中の全有機物濃度(TOC:Total Organic Carbon)が50μg/m(≒50ppb)以下であることが好ましく、更に確実に「上記のような微細な表面荒れ」の発生を防止する観点からは、10μg/m(≒10ppb)以下であることが好ましい。
レーザ照射中にレーザ照射部及びその周辺部に存在する気体中の全有機物濃度(TOC:Total Organic Carbon)が200μg/m(≒200ppb)を超えると、「上記のような微細な表面荒れ」が発生する基板が出現する。
本発明において、ケミカルフィルタは、有機系ガスを捕捉する機能を有するケミカルフ
ィルタであることが好ましい(構成4)。
この理由は、有機系ガスを捕捉する機能を有するケミカルフィルタを使用すると「上記
のような微細な表面荒れ」の発生防止に効果が大であるからである。有機系ガスと共に他
のガスをも捕捉可能なケミカルフィルタを使用することもできる。
なお、有機系の物質等に基づく微細な表面荒れの原因としては、レジスト、ブランク用
ケース材の材料(ポリエチレン、ポリプロピレン、PMMA、アクリル樹脂など)の有機
系ガスが一原因ではないかと考えられる。
本発明は、先の発明と共に実施することが好ましい。つまり先の発明を適用した上で本発明を適用することが好ましい。
このとき、先の発明で「上記のような表面荒れ」の発生を防止し、本発明で「上記のような微細な表面荒れ」の発生を防止する。
先の発明において、「レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する表面荒れを生じさせる原因物質を排除した表面状態」を得る具体的な手段としては、(1)前記原因物質の除去に効果のある、紫外線照射によるUV洗浄、オゾン水又は気体のオゾンを用いるオゾン洗浄、UV洗浄とオゾン洗浄を組み合わせたUV・オゾン洗浄や、(2)前記原因物質の除去に効果のある(エッチング作用のある)、フッ酸系の洗浄剤や、エッチング作用の比較的強いアルカリ系の洗浄剤を用いた洗浄、などが効果的である。
前記(1)、(2)に掲げた洗浄処理は、各々のうちから複数を選択し組み合わせて実施することができ、前記(1)と(2)とを組み合わせて実施することもできる。
先の発明において、「レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する表面荒れを生じさせる原因物質を排除した表面状態とし、かつこの状態でレーザ光照射によるマーキングを実施する」ための具体的な手段としては、下記(1)、(2)に示す手段が例示される。
(1)上記に例示した洗浄を実施した直後に、マーキングを実施する。ここで、洗浄を実施した直後とは、遅くとも洗浄を実施してから12時間(約半日)以内にマーキングを実施することを意味し、洗浄を実施してからなるべく早くマーキングを実施することが好ましい。なお、洗浄を実施してからマーキングを実施するまでの間の基板の保管及び基板移送の際に前記原因物質が付着しないような状態とするように留意する。
(2)上記に例示した洗浄を実施し、この基板を前記原因物質が付着しないような状態で保管及び移送した上で、マーキングを実施する。但し、この場合においても、保管日数が長くなるのは好ましくなく、上記に例示した洗浄を実施してから約1日以内にマーキングを実施することが好ましい。
尚、先の発明において、「レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する表面荒れを生じさせる原因物質を排除した表面状態」とは、相当数の基板(例えば100枚)についてマーキングを実施して、上述のような表面荒れが生じるものが見受けられずゼロである表面状態をいう。
本発明は、研削、研磨(主表面及び端面の精密研磨、超精密研磨、洗浄)等の一連のマスクブランクス用ガラス基板の製造工程終了後、基板検査を行い、その後COレーザなどのレーザを用いて基板表面を融解又は昇華させることによってマーカ用凹部を形成する場合について、先の発明と共に適用することが好ましい。
この理由は、先の発明について上述で説明したように実際に上記工程において、単に、基板検査工程とレーザマーキング工程との間に洗浄工程を導入し実施した基板を用いてレーザマーキングしたのでは、不十分であるからであり、また、主表面及び端面の精密研磨、超精密研磨によって鏡面状に仕上げられた鏡面は、これらの研磨工程において表面異物が除去されたものであるからである。
本発明は、(1)研削・研磨の各段階の途中、例えば、ガラス基板の研削後、ガラス基板の端面の精密研磨又は超精密研磨後、又はガラス基板の主表面の精密研磨又は超精密研磨などの鏡面研磨後、ガラス基板の主表面又は端面の精密研磨と超精密研磨との間等、あるいは(2)ガラス基板受け入れ時等のガラス基板の研削・研磨を行う以前、(3)マスクブランクスの製造過程中(薄膜形成、検査、レジスト塗布、検査などの各工程の前後)、に前記マーキング工程を実施する場合について、適用することができる。これらの場合、各工程後に行われる通常の洗浄工程の後に、例えば、先の発明に係る「表面荒れを生じさせる原因物質を排除した界面状態」を得る具体的な手段として上記に掲げた洗浄手段を、十分な強さ、十分な時間実施した上で、本発明に係る前記マーキング工程を実施することが好ましい。
本発明において、精密研磨とは、例えば、酸化セリウムと水とを含む研磨液、及び研磨ブラシや研磨パッドを用いて行う研磨である。
また、超精密研磨とは、例えば、コロイダルシリカと水とを含む研磨液、及び研磨ブラシや研磨パッドを用いて行う研磨である。
本発明において、マーキング工程によるマーカの形成は、マスクブランクス用ガラス基板表面における転写に影響のない領域(部位)における基板表面に行う。
係る領域としては、例えば、図4を参照して説明すると、転写に影響のないガラス基板の側面1a、主表面2と側面2aとの間に設けられた面取面1b、ガラス基板のノッチマークなどの部位(図示せず)が挙げられる。尚、ガラス基板の側面1aと面取面1bとを併せてガラス基板の端面1dという。
係る領域の他の例としては、ガラス基板主表面2におけるマスクパターン用薄膜が形成されない側の主表面であって、転写に影響のない周辺領域など部位が挙げられる。
本発明において、ガラス基板の材料は、例えば合成石英ガラスや、SiO−TiO系の多成分系ガラスが挙げられる。
ガラス基板の材料に応じて、レーザ光の照射により融解又は昇華させて凹部を形成するためのレーザ光の波長を選定する。ガラス基板の材料に応じた適切なレーザ光の波長選定を行わないと、例えば、レーザ光が照射された部分にキズ状のマーカが形成されてしまうことになる。この場合、キズ状のマーカが発塵の原因となるので好ましくない。
上述のようなガラス基板の材料の場合、マーキング工程は、例えば炭酸(CO)ガスレーザを用いたレーザマーカにより、マーカを形成することができる。
レーザ光のエネルギーを適宜調整することにより、ガラス基板表面の一部を適切に融解又は昇華させることができ、溶解又は昇華させることにより形成された凹部は、高い精度で読み取り可能となる。そして、経年劣化によるクラックの発生も抑えることができる。
また、マーキング工程は、複数の凹部を、それぞれの凹部となるべき位置にレーザ光を複数回重ねて照射することにより形成することもできる。このようにすれば、複数の凹部の形状ばらつきを低減できる。そのため、マーカの読み取り精度を向上させることができる。
複数の凹部のそれぞれは、例えば、データマトリックス、QRコード等の2次元コードの各点を構成しても良いし、バーコードの各バーを構成しても良いし、あるいは第3者にそのマーカの情報がわからないようにするための隠しコードや乱数コードとしても良い。
本発明において、マーカは、例えば、製造される個々のマスクブランクス用ガラス基板に固有の識別情報(識別コード)として使用することができる。このようにすれば、従来できなかった個々のマスクブランクス用ガラス基板の枚葉管理が可能になる。
また、この識別情報は、例えば、個々のマスクブランクス用ガラス基板について製造工程中で取得した情報(欠陥情報、表面粗さ、平坦度などの表面形態情報など)と対応付けすることができる。このようにすれば、取得した情報と、個々のマスクブランクス用ガラス基板との対応付けを、識別情報を介して確実に行うことができる。
マーキング工程は、識別情報を示すマーカの代わり、又は識別情報を示すマーカに加えて、製造工程中で取得した情報等を直接示すマーカを形成しても良い。製造工程中で取得した情報としては、基板の検査データ情報や工程履歴情報などが挙げられる。
基板検査後にマーキング工程が行われる場合、例えば、ガラス基板の検査データ情報を示すマーカが形成される。このようにすれば、ガラス基板の検査データ情報とガラス基板とを直接対応させることができ、一対一の対応付けを確実に行うことができる(対応関係を取り違えることがない)。
ここで、検査データ情報としては、例えば、ガラス基板の主表面及び/又は端面の各種表面粗さの検査データ情報が挙げられ、また、ガラス基板の主表面の形状について、例えば、厚み、表面形状(主表面の反り形状、主表面全体の凹凸、うねりなど)、平坦度、平行度等の検査データ情報が挙げられる。
他の検査データ情報としては、例えば、ガラス基板の主表面及び/又は端面の欠陥についての検査データ情報(例えば、欠陥の位置、種類(凸欠陥(異物付着等)、凹欠陥(キズ、ピンホール等)、その他)、及び欠陥のサイズ等)などが挙げられる。このような欠陥データが既知であれば、例えば欠陥を避けて基板を利用することが可能となる。
尚、基板検査後にマーキング工程が行われる場合、基板検査工程の検査結果に応じて、基板を、ブランクの用途・等級に応じて、等級わけでき、これに基づいて決定された基板の識別情報(用途情報、管理情報)を示すマーカを併せて形成することが可能である。
マスクブランクスには、露光波長や用途(形成パターン)によって、それぞれ品質が異なる複数の等級(グレード)が存在している。等級によって、許容される欠陥サイズや個数等が異なる。また、マスクブランクスの製造時に成膜されるマスクパターン用薄膜(位相シフト膜や遮光膜等)やレジスト膜には、それぞれ複数の種類のものが存在している。そのため、マスクブランクス製造時において、等級や、成膜すべき薄膜及びレジスト膜等の種類を管理するのは容易ではない。しかし、上記管理のための情報をマーキングした場合、マスクブランクスの枚葉管理が可能となる。そのため、マスクブランクス製造時において、等級や、成膜すべき薄膜及びレジスト膜等の種類を、適切に管理できる。
また、マスクブランクスを確実に枚葉管理できるため、例えばマスクブランクスについての情報をマスクブランクスとともにマスクメーカ等に供給する場合に、この情報と、マスクブランクスとの対応付けを、確実に行うことができる。マスクブランクスについての情報としては、マスクパターン用薄膜の光学特性、薄膜の表面形状、欠陥の少なくとも一つを検査する薄膜検査工程の検査結果や、レジスト検査工程の検査結果などの情報が挙げられる。
尚、基板検査以前にマーキング工程が行われる場合、例えば、ガラス基板の識別情報を示すマーカが形成される。
本発明によれば、「レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れ」に伴う諸問題を解消できる。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係るマスクブランクス10の構成の一例を示す側面図である。本例において、マスクブランクス10は、例えばArFエキシマレーザ(波長193nm)、又はFエキシマレーザ(波長157nm)といった波長が200nm以下の露光光源用のマスクブランクスであり、ガラス基板12、マスクパターン用薄膜14、及びレジスト膜16を備える。
ガラス基板12はマスクブランクス用ガラス基板であり、基板材料は例えば合成石英ガ
ラスでできている。ガラス基板12の主表面及び端面(側面、面取面)は、鏡面(例えば
算術平均表面粗さRaで1nm以下)になるよう、所定の表面粗さに研磨されている。ま
た、本例において、ガラス基板12は、側面の一部に、ガラス基板12を識別するための
マーカ18を有する。マーカ18を用いることにより、ガラス基板12及びマスクブラン
クス10は、枚葉管理されている。
マスクパターン用薄膜14は、遮光膜又は位相シフト膜等の薄膜である。マスクパター
ン用薄膜14は、マスクの製造工程でパターニングされてマスクパターンとなる。レジス
ト膜16は、マスクパターン用薄膜14上に形成されている。
図1は、マーカ18の構成の一例を示す。本例において、マーカ18は、2次元コードであり、2次元コードの各点をそれぞれ構成する複数の凹部20を有する。それぞれの凹部20は、レーザ光の照射によりガラス基板12の端面の一部を融解又は昇華させることにより形成されている。
本例において、マーカ18は、ガラス基板12に固有の識別情報及び基板検査データ情報等を示す。
図2は、凹部20の詳細な形態の一例を示す。本例において、凹部20は、炭酸(CO
)ガスレーザを用いたレーザマーカにより形成された孔である。凹部20の開口部の平面視形状はほぼ円形である。また、凹部20の断面形状は、緩やかな断面曲線を有する。L/Dが3以上である緩やかな断面曲線であることが好ましい。凹部20の断面形状をこのような形態とすることにより、マーカ18(図1参照)の読み取り精度を高めることができる。
凹部20の開口幅Lは、例えば100〜500μm、より好ましくは150〜300μm程度である。凹部20の深さDは、例えば3〜20μm、より好ましくは5〜15μm程度である。上記のようにL/Dは3以上が好ましい。
凹部の表面粗さは、例えば算術平均表面粗さRaで0.1〜5nm、より好ましくは0.1〜2nmの範囲であることが好ましい。算術平均表面粗さRaとは、日本工業規格(JIS)B0601に従うものである。凹部の表面粗さとは、具体的には、凹部の全体(肩部、側部、底部)の表面粗さである。
凹部20の開口部の平面視形状は、円形、略円形、縦長のバーコード状の他、四角形状等の多角形や、多角形のコーナー部が丸みを帯びた形状でもよい。
図6は、マスクブランクス10の製造方法の一例を示すフローチャートである。
(マスクブランクス用ガラス基板の製造)
本例においては、最初に、端面が面取り加工されたガラス基板12の両面ラッピング装置による研削加工を行う(研削工程S102)。
次に、両面研磨装置により、ガラス基板12の端面及び主表面の研磨(研磨工程S10
4)、及び研磨後の洗浄を行う(洗浄工程S106)。研磨工程S104は、例えば、ガラス基板12の端面及び主表面に対して、粗研磨、精密研磨、及び超精密研磨を行い、例えば二乗平均平方根粗さRMSで0.2nm以下の鏡面に仕上げる。
次に、基板検査を行い、ガラス基板12の表面形状、平坦度、及び欠陥に関する情報を
取得する(基板検査工程S108)。基板検査工程S108は、例えば、ガラス基板12
の表面形状について、例えば、厚み、平坦度、主表面の反り形状(主表面全体の凹凸)等
を検査する。また、ガラス基板12の欠陥について、例えば、欠陥の位置、種類、及びサ
イズ等を検査する。この場合、欠陥のサイズについては、例えば、0.2μm以下、0.
2〜0.5μm、0.5〜1μm、1μm以上のいずれであるかを識別する。このように
識別すれば、ガラス基板12の等級を適切に分類できる。
次に、例えば炭酸ガスレーザのレーザマーカを用い、ガラス基板12の端面の一部をレ
ーザ光の照射により融解又は昇華させることにより、マーカ18の各凹部20を形成する
(マーキング工程S112)。
本発明では、マーキング工程(S112)に先立ち、レーザ光照射によってマーキング
を行おうとする箇所及びその周辺のガラス基板表面を、レーザ光照射による凹部の形成に
よって該凹部の表面に発生する表面荒れを生じさせる原因物質を排除した表面状態とし(
原因物質排除工程S110)、かつこの状態で本発明に係るレーザ光照射によるマーキン
グ工程、即ち「マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射光周辺の雰囲気を介し
てレーザ照射部及びその周辺部に供給され存在する物質であって、かつ、レーザ光照射に
よる凹部の形成によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを生じさせる原因物質を
、レーザ照射部及びその周辺部から排除した状態とし、かつこの状態でレーザ光照射によ
るマーキングを実施する工程」、を実施する。本例に係るレーザ光照射によるマーキング
工程では、例えば、有機系ガスを捕捉する機能を有するケミカルフィルタを通過させたエ
アを、マーキング装置におけるレーザ照射部及びその周辺部へダウンフローさせることで
、レーザ照射部及びその周辺部がケミカルフィルタを通過させたエアで占有されるように
した状態で、レーザ光照射によるマーキング工程を実施する。
マーカ18は、例えば、ガラス基板12に固有の識別情報及び基板検査データ情報を示
す。
(マスクブランク製造工程)
次に、マーカ18を読み取り、読み取ったマーカ18に基づき、ガラス基板12を用いるのに適したマスクブランクスの種類を選択する。
次に、上記で選択したマスクブランクスの種類に応じて、マスクパターン用薄膜14を、ガラス基板12の主表面上に所望の光学特性が得られる膜厚で成膜し(成膜工程S114)、更に、マスクパターン用薄膜14上にレジスト膜16を塗布(形成)して(レジスト膜形成工程S116)、マスクブランクス10は完成する。
(実施例1)
実施例1では、上記実施の形態における工程S102〜工程S106によってArFエ
キシマレーザ露光用マスクブランクス用ガラス基板を100枚製造し、これらのガラス基
板を基板検査工程(工程S108)にて検査した。
次に、原因物質排除工程S110として、UV洗浄、及びその後の、フッ酸溶液への浸
漬による洗浄を実施し、その直後(3時間以内)に、ガラス基板の端面(側面)に、炭酸
(CO)ガスレーザを用いたレーザマーカ装置を用い、有機系ガスを捕捉する機能を有
するケミカルフィルタ(活性炭フィルタ)を通過させたエアを、マーキング装置における
レーザ照射部及びその周辺部へダウンフローさせることで、レーザ照射部及びその周辺部
が前記ケミカルフィルタを通過させたエアで占有(置換)されるようにした状態で、レー
ザ光照射によるマーキング工程を実施した。有機系ガスを捕捉する機能を有するケミカル
フィルタを通過させたエアによって、レーザ照射時にレーザ照射部及びその周辺部を占有
する気体について、化学物質濃度の分析を、GC−MS(ガスクロマトグラフ質量分析計
)により行った。この結果、レーザ照射中にレーザ照射部及びその周辺部に存在する気体
中の全有機物濃度(TOC:Total Organic Carbon)は10μg/m(≒10ppb)以下
(具体的には3.9ppb)であった。
尚、マーカは、図1に示したのと同様の2次元コードマーカを形成した。マーカ18全
体の大きさは3.25mm×3.5mmとした。また、レーザマーカの出力は24mW/
ショットとし、各凹部を1回のショットで形成した。各凹部の径は約250μmであった
。各凹部の断面形態を図3(a)に示す。
実施した100枚の基板における全てのマーカ用凹部について、その表面を走査型電子
顕微鏡(SEM)で観察したところ、図9に示すような表面荒れ及び図11に示すような
微細な表面荒れが生じるものは見受けられずゼロであった。また、凹部の全体(肩部、側
部、底部)の表面粗さは、それぞれ、算術平均表面粗さRaで0.1〜1nmであった。
(実施例2)
実施例2では、レーザマーカの出力を12mW/ショットとし、各凹部を1回のショットで形成した。各凹部の径は約200μmであった。各凹部の断面形態を図3(b)に示す。他は実施例1と同様とした。
全てのマーカ用凹部について、その表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、図9に示すような表面荒れ及び図11に示すような微細な表面荒れが生じるものは見受けられずゼロであった。また、凹部の全体(肩部、側部、底部)の表面粗さは、それぞれ、算術平均表面粗さRaで0.1〜1nmであった。
(実施例3)
実施例1及び2において、使用するケミカルフィルタの活性炭の量を調整し、基板の枚数を50枚としたこと以外は実施例1又は2と同様とした。このとき、レーザ照射中にレーザ照射部及びその周辺部に存在する気体中の全有機物濃度(TOC:Total Organic Carbon)は50μg/m(≒50ppb)以下(具体的には43ppb)であった。
その結果、実施した50枚の基板について、全てのマーカ用凹部の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、図9に示すような表面荒れ及び図11に示すような微細な表面荒れが生じるものは見受けられずゼロであることを確認した。
(実施例4)
実施例1及び2において、使用するケミカルフィルタの活性炭の量を調整し、基板の枚数を10枚としたこと以外は実施例1又は2と同様とした。このとき、レーザ照射中にレーザ照射部及びその周辺部に存在する気体中の全有機物濃度(TOC:Total Organic Carbon)は200μg/m(≒200ppb)以下(具体的には91ppb)であった。
その結果、実施した10枚の基板について、全てのマーカ用凹部の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、図9に示すような表面荒れ及び図11に示すような微細な表面荒れが生じるものは見受けられずゼロであることを確認した。
(比較例1)
実施例1及び2において、レーザマーキング時にケミカルフィルタ通過させた気体供給を実施しなかったこと以外は実施例1又は2と同様とした。このとき、レーザ照射中にレーザ照射部及びその周辺部に存在する気体中の全有機物濃度(TOC:Total Organic Carbon)は200μg/m(≒200ppb)超(具体的には263ppb)であった。
その結果、多数のマーカ用凹部のうちの一部のマーカ用凹部に、図11に示すような微細な表面荒れが発生(50%程度発生)していた。
(参考例1)
実施例1において、基板検査工程とマーキング工程との間に洗浄工程を介在させずにマーキングを実施したこと以外は実施例1と同様とした。
その結果、図7に示す如く、マーカ用凹部20の周縁部に盛り上がり部21が生じる現象が多数見受けられた。
(参考例2)
実施例1及び2において、基板検査工程とマーキング工程との間に、フッ酸溶液への浸漬による洗浄工程を介在させた。この洗浄後1〜2日経過した基板にレーザマーキングした。他は実施例1又は2と同様とした。
その結果、多数のマーカ用凹部のうちの一部のマーカ用凹部に、図9に示すような表面荒れが発生(17%程度発生)していた。
なお、参考例2において、レーザマーカの出力が24mW/ショットである場合の方が、12mW/ショットである場合に比べ、表面荒れの程度が粗く、表面荒れの発生率が高い傾向にあることが判明した。
上記実施例及び比較例でレーザマーキングを施したマスクブランクス用ガラス基板上に、ArFエキシマレーザ露光用のマスクパターン用薄膜を形成してマスクブランクスを得、次いでマスクパターン用薄膜をパターニングしてマスクを作製した。
この結果、実施例に係るマスクではマスクパターンの欠陥はゼロであったのに対し、比較例に係るマスクではマスクパターンの欠陥が存在し、このマスクパターンの欠陥はレーザマーカ凹部表面荒れによる発塵が原因と推定された。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的
範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば、本発明では、レーザマーカの出力を高く設定した場合であっても、微細な表面荒れが発生しないので、レーザマーカの出力等のマージンを広げることができる。本発明はこのような特性を有するものではあるが、本発明では、レーザマーカの出力を低く設定することによって、レーザマーカの出力の観点から微細な表面荒れが発生しにくい条件とし、この条件で凹部となるべき位置にレーザ光を単数回又は複数回重ねて照射することにより凹部を形成することができる。
本発明の一実施形態に係るマーカの構成の一例を示す平面図である。 凹部の断面形状の一例を示す模式図である。 実施例で形成した凹部の断面形態を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した様子を示す図である。 転写に影響のない領域を説明するための模式的部分断面図である。 本発明の一実施形態に係るマスクブランクスの構成の一例を示す側面図である。 マスクブランクスの製造方法の一例を示すフローチャートである。 レーザ光照射による凹部の形成によって凹部の周縁部に盛り上がり部が生じる現象を説明するための模式的断面図である。 レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する表面荒れを説明するための模式的断面図である。 レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する表面荒れを、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した様子を示す図である。 凹部における表面荒れの部位及び表面荒れの無い部位をラマン分析した結果を示す図である。 レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した様子を示す図である。
符号の説明
10・・・マスクブランクス、12・・・ガラス基板、14・・・マスクパターン用薄膜、16・・・レジスト膜、18・・・マーカ、20・・・凹部

Claims (7)

  1. マスクブランクス用ガラス基板表面における転写に影響のない領域の表面にレーザ光を照射させて、融解又は昇華させることにより、前記マスクブランクス用ガラス基板を識別するためのマーカとして用いられる凹部を形成するマーキング工程を備えるマスクブランク用ガラス基板の製造方法であって、
    前記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射部及びその周辺部に存在する気体中の全有機物濃度(TOC:Total Organic Carbon)を200μg/m 以下とすることによって、レーザ照射光周辺の雰囲気を介してレーザ照射部及びその周辺部に供給される物質であって、かつ、レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを生じさせる原因物質を、レーザ照射部及びその周辺部から排除した状態とし、かつこの状態でレーザ光照射によるマーキングを実施する工程を備え
    前記マーキング工程を行う前の前記マスクブランクス用ガラス基板に対して洗浄処理を行うことによって、レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する表面荒れを生じさせる原因物質を、前記マスクブランクス用ガラス基板の表面から排除した状態とする
    ことを特徴とするマスクブランク用ガラス基板の製造方法。
  2. 「前記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射部及びその周辺部に存在する気体中の全有機物濃度(TOC:Total Organic Carbon)を200μg/m 以下とすることによって、レーザ照射光周辺の雰囲気を介してレーザ照射部及びその周辺部に供給される物質であって、レーザ光照射による凹部の形成によって該凹部の表面に発生する微細な表面荒れを生じさせる原因物質を、レーザ照射部及びその周辺部から排除した状態」とする手段は、
    少なくとも、前記マーキング工程おけるレーザ照射中に、レーザ照射部及びその周辺部に、ケミカルフィルタを通過させた気体を供給する手段であることを特徴とする請求項1記載のマスクブランク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記洗浄工程は、紫外線照射によるUV洗浄、オゾン水又は気体のオゾンを用いるオゾン洗浄、UV洗浄とオゾン洗浄を組み合わせたUV・オゾン洗浄、フッ酸系の洗浄剤を用いた洗浄、およびエッチング作用を有するアルカリ系の洗浄剤を用いた洗浄、から選ばれる1以上の洗浄を行うことを特徴とする請求項1または2記載のマスクブランクス用ガラス基板の製造方法
  4. 前記原因物質は、有機系物質であることを特徴とする請求項1乃至3に記載のマスクブランクス用ガラス基板の製造方法
  5. 前記ケミカルフィルタは、有機系ガスを捕捉する機能を有するケミカルフィルタであることを特徴とする請求項2記載のマスクブランク用ガラス基板の製造方法。
  6. 前記凹部の表面粗さは、算術平均表面粗さRaで0.1nm以上5nm以下であることを特徴とする請求項1乃至5に記載のマスクブランクス用ガラス基板の製造方法
  7. 請求項1乃至に記載のマスクブランクス用ガラス基板上に、マスクパターンとなるマスクパターン用薄膜を形成する工程を備えることを特徴とするマスクブランクスの製造方法。
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