JP2017178743A - ガラス板の製造方法 - Google Patents

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誠吾 太田
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博敬 三木
博利 伊勢
Hirotoshi Ise
博利 伊勢
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Shinji Ueki
真治 植木
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Abstract

【課題】ガラス板の主表面の清浄度をより向上した、ガラス板の製造方法の提供。
【解決手段】レーザ光をガラス板の内部に集光照射し、前記ガラス板の内部にマークを形成するマーキング工程と、前記マークの形成後に、前記ガラス板の主表面を研磨する主表面研磨工程とを有する、ガラス板の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス板の製造方法に関する。
ガラス板を識別するため、ガラス板にマーキングする技術が提案されている。特許文献1には、ガラス板の清浄度を向上するため、ガラス板の内部にマーキングする技術が開示されている。
特開2003−89553号公報
マーキング装置の機械要素などから粉塵が発生し、発生した粉塵がガラス板の主表面に付着することがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ガラス板の主表面の清浄度をより向上した、ガラス板の製造方法の提供を主な目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、
レーザ光をガラス板の内部に集光照射し、前記ガラス板の内部にマークを形成するマーキング工程と、
前記マークの形成後に、前記ガラス板の主表面を研磨する主表面研磨工程とを有する、ガラス板の製造方法が提供される。
本発明の一態様によれば、ガラス板の主表面の清浄度をより向上した、ガラス板の製造方法が提供される。
一実施形態によるガラス板の製造方法のフローチャートである。 図1のマーキング工程の説明図である。 図1の主表面研磨工程の説明図である。 変形例によるマーキング工程の説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において、同一の又は対応する構成には、同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
図1は、一実施形態によるガラス板の製造方法のフローチャートである。ガラス板の製造方法は、マーキング工程S10と、主表面研磨工程S20とを有する。図1に示す製造方法で得られるガラス板は、例えばフォトリソグラフィ用のマスクブランク基板として用いられる。マスクブランクは、反射型、透過型のいずれでもよい。
反射型マスクブランクは、基板と、光反射膜と、光吸収膜とをこの順で有する。反射型マスクブランクの吸収膜に開口パターンを形成することで、反射型フォトマスクが得られる。反射型フォトマスクは、例えばEUV光源の露光機に搭載される。
光反射膜は、EUV(Extreme Ultra Violet)などの光を反射する。光反射膜は、例えば高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した多層光反射膜であってよい。高屈折率層は例えばシリコン(Si)により形成され、低屈折率層は例えばモリブデン(Mo)により形成される。
光吸収膜は、光を吸収する。光吸収膜は、例えばタンタル(Ta)、クロム(Cr)、パラジウム(Pd)から選ばれる少なくとも1つの元素を含む単金属、合金、窒化物、酸化物、酸窒化物などにより形成される。
一方、透過型マスクブランクは、基板と、遮光膜とを有する。遮光膜は、光を遮光する。遮光膜は、例えばクロム(Cr)などにより形成される。透過型マスクブランクの遮光膜に開口パターンを形成することで、透過型フォトマスクが得られる。透過型フォトマスクは、例えばArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、または水銀ランプなどを光源とする露光機に搭載される。
図1に示す製造方法で得られるガラス板は、インプリント用のモールドとして用いられてもよい。モールドは、基板との間に転写材を挟み、モールドの凹凸パターンを転写材に転写する。転写材の凹凸パターンは、モールドの凹凸パターンが略反転したものとなる。
ガラス板としては、SiO含有量が90質量%以上のものが好ましい。SiO含有量の上限値は100質量%である。SiO含有量が90質量%以上のガラスは、一般的なソーダライムガラスに比べて、紫外線の透過率が高い。また、SiO含有量が90質量%以上のガラスは、一般的なソーダライムガラスに比べて、熱膨張率が小さく、温度変化によるフォトマスクの開口パターンやモールドの凹凸パターンの寸法変化が小さい。
ガラス板としては、SiO含有量が90質量%〜98質量%、TiO含有量が2質量%〜10質量%のものがより好ましい。TiO含有量が2質量%〜10質量%であると、室温付近での熱膨張率が略ゼロであり、室温付近での寸法変化がほとんど生じない。ガラスは、SiOおよびTiO以外の微量成分を含んでもよいが、微量成分を含まないことが好ましい。
SiO含有量が90質量%〜98質量%、TiO含有量が2質量%〜10質量%のガラスは、例えばVAD(Vapor-phase Axial Deposition)法によって作製される。VAD法は、回転する石英棒の下方から珪素塩化物やチタン塩化物を酸素ガスや水素ガスと一緒に吹き付け、ガスバーナの火炎によって加水分解反応を生じさせることで、石英棒の下方に多孔質プリフォームを形成する方法である。多孔質プリフォームは、石英棒と共に引き上げられ、焼成炉で透明ガラス化された後、金型で成形される。尚、VAD法の代わりに、例えば直接法、プラズマ法などが用いられてもよい。
図2は、図1のマーキング工程の説明図である。マーキング工程S10では、レーザ光20をガラス板10の内部に集光照射し、ガラス板10の内部にマーク15を形成する。ガラス板10の表面に凹状または凸状のマークを形成する場合に比べて、ガラス板10の表面に対する粉塵などの付着を抑制でき、ガラス板10の清浄度を向上できる。
マーク15は、例えばガラス板10の識別情報を含む。マーク15は、ガラス板10の識別情報の他に、ガラス板10の品質情報などを含んでもよい。品質情報は、欠陥の有無、欠陥の大きさ、欠陥の位置、欠陥の種類などを含む。品質情報に基づきフォトマスクの開口パターンやモールドの凹凸パターンの位置を調整することで、欠陥の影響を低減できる。
マーク15は、例えば1次元コードや2次元コードなどが用いられる。2次元コードは、マトリックス式、スタック式のいずれでもよい。マトリックス式の2次元コードとしては、QRコード(登録商標)、SPコード(登録商標)、ベリコード(VeriCode)(登録商標)、マキシコード(MaxiCode)、CPコード(登録商標)、DataMatrix、Code1などが挙げられる。スタック式の2次元コードとしては、PDF417(登録商標)、マイクロPDF417、Code49、SuperCode、Ultra Code、RSS Composite、AztecMesaなどが挙げられる。
尚、マーク15はガラス板10の基準位置を示す基準マークであってもよく、マーク15の種類は限定されない。マーク15の種類に応じてマーク15の形状が選択される。例えば、基準マークは十字状などに形成される。
レーザ光20の光源としては、例えば波長が193nm〜1100nmの光源が使用可能である。具体的には、エキシマレーザ(波長193〜351nm)、UVレーザ(波長200〜355nm)、グリーンレーザ(波長532nm)、Ybファイバーレーザ(波長1000nm〜1100nm)、Ybディスクレーザ(波長1000nm〜1100nm)、Nd:YLFレーザ(波長:1047〜1053nm)、Nd:YVO4レーザ(波長:1064nm)、Nd:YAGレーザ(波長:1064nm)などが使用可能である。光源の発振方式は、パルス発振方式、連続発振方式があるが、パルス発振方式が好ましい。
レーザ光20の光源と、ガラス板10の間には、光源から出射したレーザ光20をガラス板10の内部に集光照射する光学系が設けられる。光学系は、レーザ光20をガラス板10の第1主表面11に入射させ、第1主表面11から所定の深さで集光させる。
光学系は、ガラス板10の第1主表面11から所定の深さで、レーザ光20の集光位置を二次元的に移動させる。これにより、ガラス板10の第1主表面11から所定の深さでマーク15が形成される。
光学系は、例えばガルバノミラーと、fθレンズとを含む。光学系は、ガルバノミラーの代わりに、ポリゴンミラーを有してもよい。ガルバノミラーまたはポリゴンミラーが、レーザ光20の集光位置を二次元的に移動させる。
尚、レーザ光20の集光位置の移動は、ガラス板10の移動、または/および、光源および光学系の移動によって行われてもよい。
図3は、図1の主表面研磨工程の説明図である。主表面研磨工程S20では、マーク15の形成後に、ガラス板10の第1主表面11を研磨する。第1主表面11は、フォトマスクの開口パターンが形成される面、またはモールドの凹凸パターンが形成される面であってよい。
主表面研磨工程S20では、ガラス板10と研磨パッド30との間に研磨スラリーを供給し、ガラス板10の第1主表面11を研磨する。主表面研磨工程S20では、研磨パッド30および/または研磨スラリーを交換しながら、第1主表面11の研磨を繰り返し行ってよい。主表面研磨工程S20では、同様の方法で、反対側の第2主表面12をも研磨してもよい。
研磨パッド30は、図3に示すようにガラス板10の板厚方向両側に配設されてよく、第1主表面11と第2主表面12とを同時に研磨してもよい。尚、研磨パッド30は、ガラス板10の板厚方向片側に配設されてもよく、第1主表面11と第2主表面12とを順番に研磨してもよい。その順序は特に限定されず、どちらが先に研磨されてもよい。
研磨パッド30は、図3に示すように定盤32に貼り付けて用いられる。研磨パッド30の研磨面は、第1主表面11や第2主表面12よりも大きい。また、研磨パッド30の研磨面の半径は、ガラス板10を保持するキャリア33の直径よりも大きくてよい。この場合、キャリア33は、研磨パッド30の中心線を中心に公転させられながら、キャリア33の中心線を中心に自転させられる。
研磨パッド30としては、例えばウレタン系研磨パッド、不織布系研磨パッド、またはスウェード系研磨マッドなどが用いられる。研磨パッド30は、ナップ層(NAP層)と呼ばれる多孔質の樹脂層を有するものでもよい。この樹脂層は、基材上に形成されており、ガラス板10に当接する面に開口孔を有する。
研磨スラリーは、研磨粒子と分散媒とを含む。研磨粒子は、例えばコロイダルシリカ、または酸化セリウムなどで形成される。分散媒としては、水、または有機溶媒などが用いられる。研磨スラリーは、研磨パッド30とガラス板10との間に供給される。
主表面研磨工程S20でガラス板10に付着する研磨粒子や分散媒などの異物は、精密洗浄により除去する。精密洗浄では、純水やIPA(イソプロピルアルコール)などのリンス液の他、各種の薬液が用いられる。薬液は、半導体基板やガラス板の洗浄に一般的に用いられるものであってよい。具体的には、APMと呼ばれるアンモニアと過酸化水素水の混合液、HPMと呼ばれる塩酸と過酸化水素水の混合液、SPMと呼ばれる硫酸と過酸化水素水の混合液、DHFと呼ばれる希フッ酸(HF濃度1〜2質量%程度)、フッ硝酸、アルカリ性洗浄液などが用いられる。
精密洗浄において超音波洗浄が行われる場合、超音波の周波数は例えば28kHz〜3000kHzの範囲内とされる。超音波の周波数が上記範囲内であれば、超音波洗浄によるガラス表面のダメージが小さく、洗浄効率も良い。
以上説明したように、ガラス板の製造方法は、マーキング工程S10と、主表面研磨工程S20と、を有し、マーク15の形成後にガラス板10の第1主表面11を研磨する。よって、マーキング装置の機械要素などから発生し第1主表面11に付着した粉塵を除去でき、第1主表面11の清浄度を向上できる。
マーク15の形成後に第1主表面11は研磨されるので、マーク15の形成前に第1主表面11は精密研磨されていなくてよい。一方で、マーク15の形成時に、第1主表面11の表面粗さは、レーザ光20の焦点の大きさに影響を与える。レーザ光20は、ガラス板10の第1主表面11に入射し、ガラス板10の内部で集光するためである。第1主表面11の表面粗さが粗いほど、レーザ光20の焦点の大きさが大きく、集光位置で生じる応力が小さくなる。
そこで、マーク15の形成直前に第1主表面11の二乗平均平方根粗さRqが0.01μm〜1.00μmである場合、ガラス板10のビッカース硬度が550HV0.1〜750HV0.1であることが好ましい。二乗平均平方根粗さRqは、日本工業規格(JIS B 0601:2013)に準拠して測定する。ビッカース硬度(HV0.1)は、日本工業規格(JIS Z 2244:2009)に準拠して、試験力0.1kgで測定する。ビッカース硬度が小さいほど、傷が生じやすく、マイクロクラックが発生しやすい。
マーク15の形成直前に第1主表面11の二乗平均平方根粗さRqが0.01μm〜1.00μmの場合、ビッカース硬度が550HV0.1〜750HV0.1であれば、マイクロクラックが形成でき、マーク15が形成できる。マーク15の形成直前に第1主表面11の二乗平均平方根粗さRqが0.05μm〜1.00μmの場合、ビッカース硬度が550HV0.1〜700HV0.1であれば、マイクロクラックが形成でき、マーク15が形成できる。
ビッカース硬度が550HV0.1〜750HV0.1のガラスとしては、例えばSiO含有量が90質量%〜98質量%、TiO含有量が2質量%〜10質量%のガラスが挙げられる。また、ビッカース硬度550HV0.1〜700HV0.1のガラスとしては、例えばSiO含有量が90質量%〜95質量%、TiO含有量が5質量%〜10質量%のガラスが挙げられる。TiO含有量が多くなるほど、ビッカース硬度が小さくなる。尚、石英ガラスは、SiO含有量が実質的に100質量%であって、ビッカース硬度が785HV0.1である。
尚、本実施形態の第1主表面11は、マーク15の形成前に、精密研磨されていないが、精密研磨されていてもよい。マーク15の形成直前に第1主表面11の二乗平均平方根粗さRqが0.01μm未満である場合、ガラス板10のビッカース硬度は750HV0.1を超えてもよく、ガラス板10のSiO含有量が実質的に100質量%でもよい。
図4は、変形例によるマーキング工程の説明図である。本変形例では、図4に示すように、レーザ光20をガラス板10の端面13に入射させ、端面13から所定の深さで集光させる。端面13から所定の深さでマーク15が形成できる。本変形例では、ガラス板10におけるレーザ光20が入射する面(以下、「レーザ光照射面」とも呼ぶ)が、ガラス板10の端面13である。
そこで、マーク15の形成直前に端面13の二乗平均平方根粗さRqが0.01μm〜1.00μmである場合、ガラス板10のビッカース硬度が550HV0.1〜750HV0.1であれば、マイクロクラックが形成でき、マーク15が形成できる。マーク15の形成直前に端面13の二乗平均平方根粗さRqが0.05μm〜1.00μmの場合、ガラス板10のビッカース硬度が550HV0.1〜700HV0.1であれば、マイクロクラックが形成でき、マーク15が形成できる。
ガラス板10の端面13は、フォトマスクの開口パターンやモールドの凹凸パターンが形成される面ではない。そのため、マーク15の形成直前の端面13の二乗平均平方根粗さRqに関係なく、その後、端面13は研磨されなくてもよい。尚、マーク15の形成後に、端面13が研磨されてもよい。
[試験例1]
先ず、火炎加水分解法で製造されたTiOを7質量%含有するSiO−TiOガラスのインゴットを、内周刃スライサーを用いて板状に切断し、ガラス素板を作製した。作製したガラス素板の外形寸法は、縦153mm、横153mm、厚さ6.75mmであった。
次に、ガラス素板を市販のダイアモンド砥石を用いて面取り加工し、1次加工品を作製した。1次加工品の外形寸法は、縦152mm、横152mm、厚さ6.75mm、面取り幅約0.3mmであった。
次に、1次加工品の両主表面を両面ラップ機(スピードファム社製)によりラップ加工し、2次加工品を作製した。2次加工品の厚さは6.51mmであった。
次に、2次加工品の一方の主表面を通してガラスの内部にレーザ光を集光照射し、マークの形成の可否を調べた。結果、2次加工品の内部にマークが形成されていることを確認した。
このときの2次加工品のレーザ光照射面は主表面であって、その二乗平均平方根粗さRqは0.11μmであった。
次に、マーク付きの2次加工品の両主表面を両面ポリッシュ機(スピードファム社製)により予備研磨し、予備研磨品を作製した。予備研磨品の両主表面の二乗平均平方根粗さRqは約0.8nmであった。
次に、予備研磨品の外周端面を鏡面加工した。鏡面加工後の外周端面の二乗平均平方根粗さRqは約1.0nmであった。
次に、予備研磨品の両主表面を再度両面ポリッシュ機で仕上げ研磨し、仕上げ研磨品を作製した。仕上げ研磨の研磨スラリーは、平均一次粒子径約15nmのコロイダルシリカを純水に20質量%含有させたものに、硝酸を添加しpHを2に調整したものを用いた。また、仕上げ研磨の研磨パッドは、電着ダイヤモンドディスクでドレッシング加工したスウェード系パッドを使用した。
最後に、仕上げ研磨品を乾燥させることなく精密洗浄し、精密洗浄品を得た。精密洗浄では、SPM洗浄、アルカリ洗浄、純水洗浄、IPA洗浄をこの順で行い、乾燥を行った。SPM洗浄液としては、濃硫酸(濃度96質量%)と過酸化水素水(濃度30質量%)を体積比4:1で混合したものを用いた。アルカリ性洗浄液としては、弱塩基性の界面活性剤を主成分とするCT−703(花王社製)を水で20倍に希釈したもの(pH10.0)を用いた。
この精密洗浄品の両主表面をフォトマスク用表面欠点検査機 M 1320(レーザーテック社製)で検査し、大きさ(円相当径)が100nm以上の欠点の数を測定した。結果、精密洗浄品の両主表面に、大きさが100nm以上の欠点は検出されなかった。
[試験例2]
先ず、試験例1と同様に、SiO−TiOガラスの1次加工品を作製した。
次に、1次加工品の端面を通して1次加工品の内部にレーザ光を集光照射し、マークの形成の可否を調べた。結果、1次加工品の内部にマークが形成されていることを確認した。
このときの1次加工品のレーザ光照射面は端面であって、その二乗平均平方根粗さRqは0.12μmであった。
次に、マーク付きの1次加工品の両主表面を両面ラップ機(スピードファム社製)によりラップ加工し、2次加工品を作製した。2次加工品の厚さは6.51mmであった。
次に、試験例1と同様に、2次加工品の両主表面の予備研磨、予備研磨品の外周端面の鏡面加工、予備研磨品の両主表面の仕上げ研磨、仕上げ研磨品の精密洗浄をこの順で行い、精密洗浄品を得た。精密洗浄は試験例1と同様に行った。
この精密洗浄品の両主表面をフォトマスク用表面欠点検査機 M 1320(レーザーテック社製)で検査し、大きさが100nm以上の欠点の数を測定した。結果、精密洗浄品の両主表面に、大きさが100nm以上の欠点は検出されなかった。
[試験例3]
先ず、火炎加水分解法で製造された石英ガラスのインゴットを、内周刃スライサーを用いて板状に切断し、ガラス素板を作製した。作製したガラス素板の外形寸法は、縦153mm、横153mm、厚さ6.75mmであった。
次に、ガラス素板を市販のダイアモンド砥石を用いて面取り加工し、1次加工品を作製した。1次加工品の外形寸法は、縦152mm、横152mm、厚さ6.75mm、面取り幅約0.3mmであった。
次に、1次加工品の端面を通して1次加工品の内部にレーザ光を集光照射し、マークの形成の可否を調べた。結果、1次加工品の内部にマークは形成できなかった。
このときの1次加工品のレーザ光照射面は端面であって、その二乗平均平方根粗さRqは0.10μmであった。
[試験例4]
先ず、試験例1と同様に、SiO−TiOガラスのガラス素板を作製した。
次に、ガラス素板の一方の主表面を通してガラス素板の内部にレーザ光を集光照射し、マークの形成の可否を調べた。結果、ガラス素板の内部にマークは形成できなかった。
このときのガラス素板のレーザ光照射面は主表面であって、その二乗平均平方根粗さRqは1.25μmであった。
[試験例5]
先ず、試験例3と同様に、石英ガラスの1次加工品を作製した。
次に、1次加工品の両主表面を両面ラップ機(スピードファム社製)によりラップ加工し、2次加工品を作製した。2次加工品の厚さは6.51mmであった。
次に、試験例1と同様に、2次加工品の両主表面の予備研磨、予備研磨品の外周端面の鏡面加工、予備研磨品の両主表面の仕上げ研磨、仕上げ研磨品の精密洗浄をこの順で行い、精密洗浄品を得た。精密洗浄は試験例1と同様に行った。
この精密洗浄品の両主表面をフォトマスク用表面欠点検査機 M 1320(レーザーテック社製)で検査し、大きさが100nm以上の欠点の数を測定した。結果、精密洗浄品の両主表面に、大きさが100nm以上の欠点は検出されなかった。
次に、この欠点がないことを確認した精密洗浄品の一方の主表面を通してガラスの内部にレーザ光を集光照射し、マークの形成の可否を調べた。結果、精密洗浄品の内部にマークが形成されていることを確認した。
このときの精密洗浄品のレーザ光照射面は主表面であって、その二乗平均平方根粗さRqは0.1nmであった。
マークの形成後、精密洗浄品を再度、精密洗浄した。この精密洗浄したサンプルの両主表面をフォトマスク用表面欠点検査機M 1320(レーザーテック社製)で検査し、大きさが100nm以上の欠点数を測定した。同様の評価を10回実施した。結果、両主表面合わせて、大きさが100nm以上の欠点が平均21個検出された。
この欠点は、マーキング装置の機械要素等から発生した粉塵がガラス表面に付着したものと考える。精密洗浄後のガラス表面は表面自由エネルギーが高く、粉塵が付着すると、その後の精密洗浄での粉塵除去が難しくなるからである。
[評価方法]
試験例1〜5において、ビッカース硬度は、島津製作所社製のマイクロビッカース硬度計HMV−2を用いて、日本工業規格(JIS Z 2244)に記載のビッカース硬さ試験方法に準拠して測定した。試験片としては、ガラス素板を用いた。試験荷重は0.98Nとし、5点の測定値の平均値をビッカース硬度とした。ビッカース硬度は、ガラス種に依存した。
試験例1〜4において、レーザ光照射面の二乗平均平方根粗さRqは、株式会社東京精密社製の表面粗さ・輪郭形状測定機(サーフコム1800)を用いて測定した。その測定条件を以下に示す。
・測定種別:粗さ測定
・測定長さ:0.4mm
・カットオフ波長:0.08mm
・測定速度:0.03mm/s
・カットオフ種別:ガウシアン
・傾斜補正:最小二乗直線補正。
試験例5において、レーザ光照射面の二乗平均平方根粗さRqは、サーフコム1800によるRqの測定限界0.01μm未満であるので、日立ハイテクサイエンス社製のAFM(Atomic Force Microscope)用いて測定した。その測定領域は、2μm×2μm領域とした。
試験例1〜5において、レーザ光の照射条件は、以下のように設定した。
・光源:UVレーザ
・波長:349nm
・1パルスあたりのエネルギー:120μJ/パルス
・fθレンズの焦点距離:40mm。
試験例1〜5において、ガラス主表面上の大きさが100nm以上の凸欠点の数は、フォトマスク用表面欠点検査機 M 1320(レーザーテック社製)を用いて測定した。
欠点の大きさは、フォトマスク用表面欠点検査機で撮像した画像のピクセル数から求めることができる。ピクセル数から欠点の大きさへの換算は、既知の粒子径のピクセル数に基づいて行われる。
このフォトマスク用表面欠点検査機の検査感度条件は、ガラス主表面上に散布した直径100nmのポリスチレンラテックス(PSL)粒子が検出できる感度とした。
[まとめ]
表1に、試験条件および試験結果を示す。
Figure 2017178743
表1から明らかなように、試験例1〜2では、レーザ光照射面の二乗平均平方根粗さRqが0.01μm〜1.00μmの範囲内であって、且つ、ビッカース硬度が550HV0.1〜750HV0.1の範囲内であったので、インナーマーキングが可能であった。また、試験例1〜2では、インナーマーキング後に、両主表面を研磨したので、欠点が検出されなかった。一方、試験例3では、レーザ光照射面の二乗平均平方根粗さRqが0.01μm〜1.00μmの範囲内であったが、ビッカース硬度が750HV0.1を超えていたので、インナーマーキングが不可であった。また、試験例4では、ビッカース硬度が550HV0.1〜750HV0.1の範囲内であったが、レーザ光照射面の二乗平均平方根粗さRqが1.00μmを超えていたので、インナーマーキングが不可であった。また、試験例5では、仕上げ研磨後の精密洗浄品をインナーマーキングした後、両主表面を研磨しなかったので、欠点が多数検出された。
以上、ガラス板の製造方法の実施形態などについて説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
10 ガラス板
11 第1主表面
12 第2主表面
13 端面
15 マーク
20 レーザ光
30 研磨パッド

Claims (5)

  1. レーザ光をガラス板の内部に集光照射し、前記ガラス板の内部にマークを形成するマーキング工程と、
    前記マークの形成後に、前記ガラス板の主表面を研磨する主表面研磨工程とを有する、ガラス板の製造方法。
  2. 前記マークの形成直前に、前記ガラス板における前記レーザ光が入射する面の二乗平均平方根粗さRqが0.01μm〜1.00μmであって、
    前記ガラス板のビッカース硬度が550HV0.1〜750HV0.1である、請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記ガラス板は、SiO含有量が90質量%〜98質量%、TiO含有量が2質量%〜10質量%である、請求項2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記ガラス板における前記レーザ光が入射する面が、前記ガラス板の主表面である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記ガラス板における前記レーザ光が入射する面が、前記ガラス板の端面である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
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