JP4649115B2 - 割引定期券処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、学生や身障者を対象として発行が許可される割引定期券を発行したり、発行された割引定期券を改札処理したりする割引定期券処理システムに関する。
近年、鉄道などの交通機関の駅には、自動改札機、自動券売機、及び自動定期券発行機などが設置され、駅業務の自動化が進められている。自動改札装置は、普通乗車券、回数券、又は定期券に記録された情報を読み取り、改札通路の通行を許可したり通行を禁止したりする。自動券売機は、利用者の入力操作に対応した乗車券や回数券を発行する。自動定期券発行機も、同様に、利用者の入力操作に対応して定期券を発行する。
しかしながら、上記した自動定期券発行機は、普通定期券(通勤定期)の新規発行処理及び継続発行処理を行なうものの、学生割引定期券や身障者割引定期券の新規発行処理は行なわない。また、この自動定期券発行機は、年度を跨ぐ学生割引定期券の継続発行処理も行なわない。これら割引定期券の不正取得を防止するために、学生割引定期券や身障者割引定期券の新規発行及び年度を跨ぐ学生割引定期券の継続発行には、各種証明書の提示を条件としている。即ち、学生割引定期券や身障者割引定期券の新規発行及び年度を跨ぐ学生割引定期券の継続発行は、係員のいる窓口対応となる。係員は、提示される身分証明書(例えば学生証)と各種証明書(例えば通学証明書)、さらには本人を目視確認し、係員端末に対して乗車区間や有効期限などの必要事項を入力し、さらに割引定期券の代金を受け取って、割引定期券の新規発行や継続発行を行なう。
このような係員の負担を低減する方法として、暫定通学定期券を発行する技術が開示されている(特許文献1参照)。利用者は、定期券発行機に必要事項を入力するだけで割引価格の暫定通学定期券を購入することができるというものである。
特開2003−346194
上記した暫定通学定期券には、乗車区間及び有効期限に関する情報が不完全な状態で記録されている。さらに、暫定通学定期券の券面の印刷内容は、一部ブランクの状態となっている。暫定通学定期券を購入した利用者は、係員に通学証明書等を提示し、係員対応により暫定通学定期券に基づき正規通学定期券を発行してもらう。つまり、暫定通学定期券の不完全な状態で記録された情報を完全な情報に更新してもらい、暫定通学定期券の券面の印刷内容も完全な状態に印刷し直してもらう。結局、係員は、各種入力操作が必要となり、係員の負担低減策としては不十分であった。
このように割引定期券の発行業務は依然として係員対応となっており、駅業務の自動化の最大の問題となっている。特に、年度始めや学期始めには、学生割引定期の新規発行や継続発行が集中するため、窓口が大混雑するという問題があった。 本発明の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、割引定期券の発行処理の効率化を図ることが可能な割引定期券処理システムを提供することにある。
この発明の割引定期券処理システムは、以下のように構成されている。
この発明の割引定期券処理システムは、利用者識別情報及び利用条件が記載された証明書に基づく割引定期券の発行要請に対応して発行許可識別情報を発行する許可情報発行手段と、利用者による発行許可識別情報、利用者識別情報、及び利用条件の入力を受け付け、この受け付けられた発行許可識別情報が前記許可情報発行手段により発行された発行許可識別情報に該当することを条件として、前記受け付けられた利用条件及び定期券識別情報を記録した割引定期券を発行する定期券発行手段と、前記受け付けられた利用者識別情報及び前記割引定期券に記録された利用条件並びに定期券識別情報を管理し、前記証明書に記載された利用者識別情報及び利用条件とこの管理された利用者識別情報及び利用条件との比較検証に基づき判明する虚偽入力による不正発行の定期券識別情報を管理する管理手段と、利用者が所有する割引定期券から利用条件及び定期券識別情報を読み取り、前記管理手段により管理された不正発行の定期券識別情報と割引定期券から読み取られた定期券識別情報との両者が一致することを条件としてこの割引定期券を不正と判定し不正対応処理を実行し、両者の不一致を条件としてこの割引定期券から読み取られた利用条件に基づく改札処理を実行する改札手段とを備えている。
本発明によれば、割引定期券の発行処理の効率化を図ることが可能な割引定期券処理システムを提供できる。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明の一例に係る割引定期券処理システムの概略構成を示す図である。図1に示すように、割引定期券処理システムは、窓口処理機1、自動発行機(定期券発行機)3、上位サーバ4、自動改札機管理サーバ5、及び自動改札機6を備えている。
窓口処理機1は、例えば駅係員の駐在する窓口に設置され、駅係員が操作するものである。この窓口処理機1は、キーボード及びタッチパネルなどで構成される入力部11、モニタ及びプリンタなどで構成される出力部12を備えている。窓口処理機1と上位サーバ4とは、通信回線を介して接続されており、各種情報交換が可能な構成となっている。
自動発行機3は、駅の構外(改札口の外)に設置され、各種券の購入を希望する利用者が操作するものである。例えば、自動発行機3は、普通券、回数券、SFカード、定期券(磁気券/ICカード)などを発行する顧客操作型のマルチ券売機である。なお、ICカードには、定期券の機能だけを備えたもの、定期券及びSFカードの機能を備えたものなどがある。この自動発行機3は、タッチパネル及び発行済みの定期券等を受け取るための券投入口から構成される入力部31、上位サーバ4と通信する通信部32、割引定期券の発行許可/不許可を判定する判定部33、通常定期券(通勤定期)及び割引定期券(学生割引定期券及び身障者割引定期券など)を発行する発行部34を備えている。なお、この発行部34は、各種定期券(磁気券/ICカード)の発行に加えて、上記したように、普通券、回数券、SFカードなども発行する。自動発行機3と上位サーバ4は、通信回線を介して接続されており、各種情報交換が可能な構成となっている。本実施形態では、上記したマルチタイプの自動発行機3を適用したケースについて説明するが、このようなマルチタイプの自動発行機3と定期券のみを発行する定期券発行機を併設するようにしてもよい。勿論、マルチタイプの自動発行機3を単独で設置するようにしてもよいし、定期券のみを発行する定期券発行機を単独で設置するようにしてもよい。
上位サーバ4は、後述する発行許可番号を管理する発行許可番号データベース40を格納し、また自動発行機3から送信される定期券発売データに基づく定期券の売上データ41を格納し、さらにこの売上データ41と各種証明書との比較検証に基づき判明する不正発行の定期券IDをまとめた不正発行の定期券IDリスト42を格納する。
自動改札機管理サーバ5(監視盤/ID管理サーバ)は、上位サーバ4及び複数の自動改札機6と通信回線を介して接続され、上位サーバ4から提供される不正発行の定期券IDリスト42を各自動改札機6へ送信する。自動改札機6は、自動改札機管理サーバ5からの不正発行の定期券IDを受信する通信部61、この通信部61により受信した不正発行の定期券IDリスト42を記憶する記憶部62、定期券から情報を読み取る読取部63、及び定期券から読み取った情報(有効区間及び有効期限)に基づき改札処理を行なう改札処理部64を備えている。なお、この自動改札機6は、定期券だけでなく、普通乗車券や回数券も改札処理対象とし、これら乗車券や回数券から情報を読み取り、読み取った情報に基づき改札処理を行なうことができる。また、この自動改札装置6の読取部63は、磁気券から情報を読み取る磁気券読取機構、及び無線カードから情報を読み取る無線通信部を備えており、磁気券及び無線カードの両者を処理の対象とすることができる。
次に、図1に加えて、図2〜図4に示すフローチャートを参照して、この発明の割引定期券処理システムによる割引定期券処理について説明する。図2は、図1に示す発行許可番号の発行処理(ステップA)の詳細を示すフローチャートである。図3は、図1に示す割引定期券の発行処理(ステップB)の詳細を示すフローチャートである。図4は、図1に示す割引定期券による改札処理(ステップC)の詳細を示すフローチャートである。
最初に、図1及び図2を参照して、発行許可番号の発行処理(ステップA)について説明する。図1及び図2に示すように、上位サーバ4は、駅単位で割引定期券の発行を許可する発行許可番号(発行許可識別情報)を一元管理する(ST1)。割引定期券の購入を希望する利用者は、窓口処理機1が設置された窓口にて身分証明書(学生証など)及び割引証明書(通学証明書など)を提示する。割引証明書には、例えば、氏名(利用者識別情報)が記載されており、さらには利用区間及び割引適用期限(利用条件)などが記載されている。窓口処理機1の係員は、提示された身分証明書及び各種証明書、さらには本人を目視確認し、割引定期券の発行を承認する場合には、提示された割引証明書を回収し、窓口処理機1の入力部11を介して割引定期券の発行要請の操作を行う(ST2)。これに対応して窓口処理機1は、上位サーバ4に対して割引定期券発行要請を送信する(ST3)。なお、上記回収した割引証明書は、不正チェック部門へ送られる。
上位サーバ4は、窓口処理機1からの割引定期券発行要請を受信すると(ST4)、発行許可番号データベース40から所定の発行許可番号を選択し、窓口処理機1に対してこの選択した所定の発行許可番号を送信する(ST5)。これに対応して、窓口処理機1は、上位サーバ4から送信される所定の発行許可番号を受信し(ST6)、出力部12によりこの受信した所定の発行許可番号をプリントアウトする(ST7)。所定の発行許可番号がプリントアウトされた許可番号レシートは、割引定期券の購入を希望する利用者へ渡される。なお、上位サーバ4は、発行許可番号データベース40上で、発行した所定の発行許可番号を発行済みとして管理する。
続いて、図1及び図3を参照して、割引定期券発行処理(ステップB)について説明する。図1及び図3に示すように、許可番号レシートを受け取った利用者は、自動発行機3へ出向き、自動発行機3の入力部31を介して発行許可番号を入力する(ST11)。自動発行機3は、通信部32を介して、入力された発行許可番号を上位サーバ4へ送信するとともに、この入力された発行許可番号に基づく割引定期券の発行が許可されているか否かを問合せる(ST12)。
上位サーバ4は、自動発行機3から送信される発行許可番号を受信し(ST13)、この受信した発行許可番号と発行許可番号データベース40上の発行済みの発行許可番号とを照合して、自動発行機3に対して照合結果を通知する(ST14)。つまり、上位サーバ4は、この受信した発行許可番号に該当する発行済みの発行許可番号が見つかれば割引定期券の発行を許可し、見つからなければ割引定期券の発行を許可しない。なお、上位サーバ4は、所定の発行許可番号に対する割引定期券の発行を許可した場合、以後この所定の発行許可番号に対する割引定期券の発行は許可しない。つまり、一つの発行許可番号に対して一枚の割引定期券のみの発行が許可される。
自動発行機3は、通信部32を介して、上位サーバ4からの照合結果を受信する(ST15)。自動発行機3の判定部33は、照合OK(割引定期券発行許可)であれば(ST16、YES)割引定期券の購入操作を受け付け(ST17)、照合NG(割引定期券発行不許可)であれば(ST16、NO)、割引定期券の購入不可である旨を案内する(ST18)。自動発行機3の割引定期券の購入操作の受け付けに伴い、利用者は、自動発行機3の入力部31を介して、氏名、利用区間、及び利用期間(1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月)などを入力し、この入力に対して要求される割引定期券の購入代金或いはクレジットカードを投入する。
自動発行機3の発行部34は、入力された氏名、利用区間、及び利用期間、並びに投入された購入代金或いはクレジットカードに基づき、これら氏名、利用区間(有効区間)、及び利用期間(有効期限)、さらには定期券IDを記録した割引定期券を発行する(ST17)。
また、自動発行機3は、定期券の発行に伴い、定期券発売データを上位サーバ4に対して送信する。定期券発売データには、発行された定期券に記録された定期券IDを始めとして、氏名、利用区間(有効区間)、利用期間(有効期限)、発売価格などのデータが含まれる。上位サーバ4は、自動発行機3から送信される定期券発売データを受信し、この定期券発売データを売上データ41として管理する。
続いて、図1及び図4を参照して、割引定期券による改札処理(ステップC)について説明する。図1及び図4に示すように、不正チェック部門では、回収した割引証明書と上位サーバ4で管理されている売上データ41とを比較検証し、割引定期券の不正購入をチェックする。割引証明書には利用者、利用区間、割引適用期限などが記載されており、また、売上データには定期券ID、氏名、利用区間(有効区間)、利用期限(有効期限)などのデータが含まれており、これらを比較することにより、割引定期券として許可可能な利用区間及び利用期限が守られているかをチェックすることができる。例えば、割引証明書に記載されている利用区間外の区間が設定された割引定期券が購入されている場合は、不正と判断する。同様に、割引証明書に記載されている割引適用期限を越える有効期限が設定された定期券が購入されている場合も、不正と判断する。
不正判断の対象となった定期券IDは、ネガティブデータとして上位サーバ4でリストアップ(不正発行の定期券IDリスト42)される(ST21)。例えば、不正チェック部門のオペレータが、不正チェックを行い、不正判断の対象となった定期券IDを上位サーバ4へ登録する。上位サーバ4でリストアップされたネガティブデータは、自動改札機管理サーバ5を介して、各駅に設置された自動改札機6へ送信される(ST22)。
各駅に設置された自動改札機6の通信部61は、自動改札機管理サーバ5を経由して上位サーバ4からのネガティブデータを受信する(ST23)。自動改札機6の記憶部62は、受信したネガティブデータを記憶する。
自動発行機3から発行された割引定期券の利用者は、この割引定期券を利用して、自動改札機6による改札処理を受ける。割引定期券が磁気券の場合には、利用者は、自動改札機6の券投入口へ割引定期券を投入する。割引定期券が無線ICカードの場合には、利用者は、自動改札機6の通信エリアへ割引定期券をかざす。これに伴い、自動改札機6の読取部63は、割引定期券に記録された各種情報を読み取る。改札処理部64は、割引定期券から読み取られた定期券IDと記憶部62に記憶されたネガティブデータに含まれる定期券IDとを照合し(ST24)、両者の一致を確認した場合には(ST25、YES)、この割引定期券を不正発行の割引定期券と判断し、改札の通過を禁止し、例えば不正発行である旨或いは係員窓口の対応が必要である旨を表示や音声により案内する(ST26)。さらに、改札処理部64は、不正発行と判断した割引定期券に対して、無効化処理を行なう(ST26)。これにより、以後、不正発行と判断した割引定期券による改札処理(改札入出場)は禁止される。
改札処理部64が、割引定期券から読み取られた定期券IDと記憶部62に記憶されたネガティブデータに含まれる定期券IDとを照合し(ST24)、両者が一致しないことを確認した場合には(ST25、NO)、割引定期券から読み取られた利用区間(有効区間)及び利用期限(有効期限)の情報に基づき改札処理を行い、利用区間外や利用期限切れが判明すれば改札の通過を禁止し、例えば区間外或いは期限切れを表示や音声により案内する。利用区間内や利用期限内が判明すれば改札の通過を許可する(ST27)。
図5に示すように、これまでは、窓口の係員が、割引証明書(例えば学生割引証)の確認作業、必要事項(例えば購入区間、期間、氏名、年齢、性別)の入力作業、割引定期券(例えば通学定期券)の発行作業、さらには割引定期券の代金の精算作業までも担当する必要があり、係員の負担は重く、また窓口業務の混雑を招いていた。
これに対して、本発明の割引定期券処理システムによれば、窓口の係員は、割引証明書(例えば学生割引証)の確認作業だけを担当し、窓口機1により発行許可番号を発行(プリントアウト)させるだけでよい。利用者(例えば学生)は、自動発行機3に対して、発行許可番号を入力し、必要事項を入力するだけで、割引定期券(例えば通学定期券)を購入することができる。つまり、発行許可番号の入力操作が加わるだけで、普通定期券の購入操作と同じ操作で割引定期券を購入することができる。
また、自動改札機6で不正購入された割引定期券(例えば通学定期券)をチェックすることができるので、自動発行機3に対する虚偽入力により不正購入された割引定期券による不正乗車も防止できる。
さらに、不正チェックのための、回収した割引証明書と売上データの照合作業をネットワーク経由で外部委託することにより、鉄道事業者の不正チェックの負担を軽減することもできる。
さらに、上位サーバ4と通信可能なWebサーバを構築し、Webサーバ経由で割引定期券の発行に必要な予約情報、即ち、氏名、利用区間、利用期限などの入力を受け付けるようにしてもよい。つまり、利用者は、自宅PCや携帯電話を利用してインターネット等を経由してWebサーバにアクセスし、割引定期券の発行に必要な予約情報を入力し、予約番号をを受け取る。Webサーバは、発行した予約番号と入力された予約情報を対応付けて上位サーバ4へ送信する。利用者は、窓口にて身分証明書及び割引証明書を提示し上記した発行許可番号を受け取り、この発行許可番号と事前に受け取った予約番号を自動発行機3へ入力するだけで、自動発行機3と上位サーバ4の通信により予約番号に対応付けられた予約情報がダウンロードされ、予約情報に基づく所望の割引定期券を購入することができる。
なお、上記では、新規割引定期券及び継続割引定期券を区別することなく全ての割引定期券に関する処理として、発行許可番号の発行処理(ステップA)及び割引定期券の発行処理(ステップB)、及び割引定期券による改札処理(ステップC)を説明した。しかし、本発明は、例えば、図6及び図7に示すように、新規割引定期券と継続割引定期券の処理を区別するようにしてもよい。図6は、新規発行許可番号又は継続発行許可番号の発行処理(ステップA’)の詳細を示すフローチャートである。図7は、新規割引定期券又は継続割引定期券の発行処理(ステップB’)の詳細を示すフローチャートである。
最初に、図6を参照して、継続発行許可番号の発行処理(ステップA’)について説明する。図6に示すように、上位サーバ4は、駅単位で新規割引定期券の発行を許可する新規発行許可番号(新規発行許可識別情報)と継続割引定期券の発行を許可する継続発行許可番号(継続発行許可識別情報)とを一元管理する(ST1#)。新規割引定期券の購入を希望する利用者は、窓口処理機1が設置された窓口にて身分証明書(学生証など)及び割引証明書(通学証明書など)を提示する。また、継続割引定期券の購入を希望する利用者は、窓口処理機1が設置された窓口にて身分証明書(学生証など)及び割引証明書(通学証明書など)に加えて発行済みの割引定期券を提示する。割引証明書には、例えば、氏名(利用者識別情報)が記載されており、さらには利用区間及び割引適用期限(利用条件)などが記載されている。
新規割引定期券の購入希望に対応して、窓口処理機1の係員は、提示された身分証明書及び各種証明書、さらには本人を目視確認し、新規割引定期券の発行を承認する場合には、提示された割引証明書を回収し、窓口処理機1の入力部11を介して新規割引定期券の発行要請の操作を行う(ST2#)。また、継続割引定期券の購入希望に対応して、窓口処理機1の係員は、提示された身分証明書及び各種証明書に加えて発行済みの割引定期券、さらには本人を目視確認し、継続割引定期券の発行を承認する場合には、提示された割引証明書を回収し、窓口処理機1の入力部11を介して継続割引定期券の発行要請の操作を行う(ST2#)。
これに対応して窓口処理機1は、上位サーバ4に対して新規割引定期券発行要請又は継続割引定期券発行要請を送信する(ST3#)。なお、上記回収した割引証明書は、不正チェック部門へ送られる。
上位サーバ4は、窓口処理機1からの新規割引定期券発行要請又は継続割引定期券発行要請を受信すると(ST4#)、発行許可番号データベース40から所定の新規発行許可番号又は所定の継続発行許可番号を選択し、窓口処理機1に対してこの選択した所定の新規発行許可番号又は所定の継続発行許可番号を送信する(ST5#)。これに対応して、窓口処理機1は、上位サーバ4から送信される所定の新規発行許可番号又は所定の継続発行許可番号を受信し(ST6#)、出力部12によりこの受信した所定の新規発行許可番号又は継続発行許可番号をプリントアウトする(ST7#)。所定の新規発行許可番号又は所定継続発行許可番号がプリントアウトされた許可番号レシートは、新規割引定期券又は継続割引定期券の購入を希望する利用者へ渡される。なお、上位サーバ4は、発行許可番号データベース40上で、発行した所定の新規発行許可番号又は継続発行許可番号を発行済みとして管理する。
続いて、図7を参照して、割引定期券発行処理(ステップB’)について説明する。図7に示すように、許可番号レシートを受け取った利用者は、自動発行機3へ出向き、自動発行機3の入力部31を介して新規発行許可番号又は継続発行許可番号を入力する(ST11#)。自動発行機3は、通信部32を介して、入力された新規発行許可番号又は継続発行許可番号を上位サーバ4へ送信するとともに、この入力された新規発行許可番号又は継続発行許可番号に基づく新規割引定期券又は継続割引定期券の発行が許可されているか否かを問合せる(ST12#)。
上位サーバ4は、自動発行機3から送信される新規発行許可番号又は継続発行許可番号を受信し(ST13#)、この受信した新規発行許可番号又は継続発行許可番号と発行許可番号データベース40上の発行済みの新規発行許可番号又は継続発行許可番号とを照合して、自動発行機3に対して照合結果を通知する(ST14#)。つまり、上位サーバ4は、この受信した新規発行許可番号又は継続発行許可番号に該当する発行済みの新規発行許可番号又は継続発行許可番号が見つかれば新規割引定期券又は継続割引定期券の発行を許可し、見つからなければ新規割引定期券又は継続割引定期券の発行を許可しない。なお、上位サーバ4は、所定の新規発行許可番号又は所定の継続発行許可番号に対する新規割引定期券又は継続割引定期券の発行を許可した場合、以後この所定の新規発行許可番号又は所定の継続発行許可番号に対する新規割引定期券又は継続割引定期券の発行は許可しない。つまり、一つの新規発行許可番号又は継続発行許可番号に対して一枚の新規割引定期券又は継続割引定期券のみの発行が許可される。
自動発行機3は、通信部32を介して、上位サーバ4からの照合結果を受信する(ST15#)。自動発行機3の判定部33は、照合OK(新規割引定期券又は継続割引定期券の発行許可)であれば(ST16#、YES)新規割引定期券又は継続割引定期券の購入操作を受け付け、照合NG(新規割引定期券又は継続割引定期券の発行不許可)であれば(ST16#、NO)新規割引定期券又は継続割引定期券の購入不可である旨を案内する(ST20#)。自動発行機3の新規割引定期券の購入操作の受け付けに伴い(ST17#、YES)、利用者は、自動発行機3の入力部31を介して、氏名、利用区間、及び利用期間(1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月)などを入力し、この入力に対して要求される新規割引定期券の購入代金或いはクレジットカードを投入する(ST19#)。又は、自動発行機3の継続割引定期券の購入操作の受け付けに伴い(ST17#、NO)、利用者は、自動発行機3の入力部31を介して、発行済みの割引定期券を投入し(ST18#)、例えば利用期間(1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月)を入力し、投入された発行済みの割引定期券及び利用期間の入力に対して要求される継続割引定期券の購入代金或いはクレジットカードを投入する(ST19#)。
自動発行機3の発行部34は、入力された氏名、利用区間、及び利用期間、並びに投入された購入代金或いはクレジットカードに基づき、これら氏名、利用区間(有効区間)、及び利用期間(有効期限)、さらには定期券IDを記録した新規割引定期券を発行する(ST19#)。又は、自動発行機3の発行部34は、投入された発行済みの割引定期券、及び入力された利用期間、並びに投入された購入代金或いはクレジットカードに基づき、発行済みの割引定期券に記録された氏名、利用区間(有効区間)、及び入力された利用期間(有効期限)、さらには定期券IDを記録した継続割引定期券を発行する(ST19#)。このように、継続割引定期券の購入を希望する利用者は、継続の対象となる発行済みの割引定期券を利用することにより、氏名及び利用区間の入力の手間を省くことができ、スムーズに割引定期券を購入することができる。
また、自動発行機3は、定期券の発行に伴い、定期券発売データを上位サーバ4に対して送信する。定期券発売データには、発行された定期券に記録された定期券IDを始めとして、氏名、利用区間(有効区間)、利用期間(有効期限)、発売価格、さらには新規発行/継続発行などのデータが含まれる。上位サーバ4は、自動発行機3から送信される定期券発売データを受信し、この定期券発売データを売上データ41として管理する。売上データ41に含まれる新規発行/継続発行のデータに基づき、売上データ41から新規割引定期券に関する情報だけを抽出することが可能である。
不正チェック部門では、回収した割引証明書と上位サーバ4で管理されている売上データ41とを比較検証し、割引定期券の不正購入をチェックする。このとき、売上データ41から新規割引定期券に関する情報だけを抽出し、新規割引定期券の不正購入だけをチェックすることもできる。このように、新規割引定期券の不正購入だけをチェックする場合には、継続割引定期券の購入操作の際に利用区間の変更を不可としたり、利用期間を固定(例えば年度の跨りを許さない利用期間を自動設定)としたりする。これり不正チェックの労力を大幅に削減することができる。
新規割引定期券の不正購入チェックにより、不正判断の対象となった定期券ID(例えば新規割引定期券に割り振られた定期券IDのうちの不正判断の対象となった定期券ID)は、ネガティブデータとして上位サーバ4でリストアップ(不正発行の定期券IDリスト42)される。上位サーバ4でリストアップされたネガティブデータは、自動改札機管理サーバ5を介して、各駅に設置された自動改札機6へ送信される。以後、新規割引定期券及び継続割引定期券による改札処理は図4に示す通り(ST23〜ST27)となるが、新規割引定期券の不正購入だけをチェックしている場合には、継続割引定期券に記録された定期券IDはネガティブデータに含まれる定期券IDに一致することはなく、通常の改札処理(ST27)だけが適用されることとなる。 なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
この発明の一例に係る割引定期券処理システムの概略構成を示す図である。 図1に示す発行許可番号の発行処理(ステップA)の詳細を示すフローチャートである。 図1に示す割引定期券の発行処理(ステップB)の詳細を示すフローチャートである。 図1に示す割引定期券による改札処理(ステップC)の詳細を示すフローチャートである。 この発明の一例に係る割引定期券処理システムによる係員作業の負担軽減を説明するための図である。 新規発行許可番号又は継続発行許可番号の発行処理(ステップA’)の詳細を示すフローチャートである。 新規割引定期券又は継続割引定期券の発行処理(ステップB’)の詳細を示すフローチャートである。
符号の説明
1…窓口処理機、3…自動発行機、4…上位サーバ、5…自動改札機管理サーバ、6…自動改札機、11…入力部、12…出力部、31…入力部31、32…通信部、33…判定部、34…発行部、40…発行許可番号データベース、41…売上データ、42…不正発行の定期券IDリスト、通信部61、記憶部62、読取部63、改札処理部64

Claims (1)

  1. 利用者識別情報及び利用条件が記載された証明書に基づく割引定期券の発行要請に対応して発行許可識別情報を発行する許可情報発行手段と、
    利用者による発行許可識別情報、利用者識別情報、及び利用条件の入力を受け付け、この受け付けられた発行許可識別情報が前記許可情報発行手段により発行された発行許可識別情報に該当することを条件として、前記受け付けられた利用条件及び定期券識別情報を記録した割引定期券を発行する定期券発行手段と、
    前記受け付けられた利用者識別情報及び前記割引定期券に記録された利用条件並びに定期券識別情報を管理し、前記証明書に記載された利用者識別情報及び利用条件とこの管理された利用者識別情報及び利用条件との比較検証に基づき判明する虚偽入力による不正発行の定期券識別情報を管理する管理手段と、
    利用者が所有する割引定期券から利用条件及び定期券識別情報を読み取り、前記管理手段により管理された不正発行の定期券識別情報と割引定期券から読み取られた定期券識別情報との両者が一致することを条件としてこの割引定期券を不正と判定し不正対応処理を実行し、両者の不一致を条件としてこの割引定期券から読み取られた利用条件に基づく改札処理を実行する改札手段と、
    を備えたことを特徴とする割引定期券処理システム。
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