JP4644607B2 - 貯蔵庫の排水口構造 - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものである。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記外装底板の裏面には補強板が重ねて設けられ、この補強板の端部を立ち上げて曲げ形成することにより、前記受け部材が設けられているところに特徴を有する。
排水口形成体は、その上端部が内装底板の開口の裏面口縁部に当てられて固定され、続いて排水口形成体の外周面に突設された位置決め用リブの下端が、外装底板の裏面側に立てられた受け部材の差込溝に上方から差し込まれつつ、下端部が外装底板の開口の裏面口縁部に密着され、係る組付状態から内外の底板の間の空間に断熱材が発泡充填される。
排水口形成体の下端部を外装底板の開口の裏面口縁部に密着させる場合、ゴム等の弾性材からなるシール部材を介在させるが、この発明では、内外の底板間に所定の間隔を得る手段として、排水口形成体に設けられた剛性の高いリブを、同じく剛性の高い受け部材の所定深さの差込溝に差し込むようにしており、言い換えると、シール部材のような弾縮量が変化するおそれがあるものは無関係としているから、内外の底板間の間隔を正確に取ることができる。
また、排水口形成体の下端側の振れ止めや、軸線回りの回り止めも図ることができる。
差込溝をV字形の切欠溝としたから、入口が開いていてリブの差し込みがしやすく、またリブは、切欠溝の両側面に当たったところで差し込みが停止されるために、差込深さの設定もしやすい。すなわち、簡単な構造で位置決めを正確に行うことができる。
<請求項3の発明>
冷蔵庫本体の外底面に脚が装着される場合に、補強用として外装底板の裏面に補強板が張られるが、その補強板の端部を立ち上がり状に曲げ形成することで受け部材が設けられる。既設の補強板を利用して受け部材を設けることができ、新たな受け部材を別途設ける場合と比べて、安価に対応できる。
排水口形成体の上端のフランジの面取り部を、内装底板におけるテーパ状の環形部の裏側に嵌めつつ、フランジを内装底板の開口の裏面口縁部に当てたのち、排水口形成体にキャップを嵌着すると、キャップの外周面が、内装底板の環形部の表面側を覆って係止し、これにより排水口形成体が内装底板に対して固定される。
キャップの嵌着に伴って排水口形成体を内装底板の開口に固定できるようにしたから、別途シールテープやコーキング材を用いて固定する場合と比べ、部品点数や作業工程が減少して安価に対応することができる。
本発明の一実施形態を図1ないし図12によって説明する。この実施形態では、横型冷蔵庫に適用した場合を例示している。
横型冷蔵庫は、図1に示すように、前面に開口した横長の箱状をなす冷蔵庫本体10を備え、その内部が貯蔵室11とされているとともに、冷蔵庫本体10の正面から見た左側面の上部位置には、冷却器室12が貯蔵室11と連通して張り出し形成されている。この冷蔵庫本体10と冷却器室12とは断熱箱体13により一体的に形成されており、大まかには、ともにステンレス鋼板製の内装箱14が外装箱15の内側に所定間隔を開けて組み付けられ、内外の箱14,15間の空間に、断熱材である発泡ウレタン等の発泡樹脂16が発泡充填された構造である。
冷蔵庫本体10は、外底面の四隅に設けられた脚18によって支持されているとともに、図2に示すように、内装箱14と外装箱15との開口縁同士が合成樹脂製のジョイナ19で連結されることによって、方形の前面開口部21が形成されている。前面開口部21の幅方向の中央部には仕切壁22が配設されて、左右2つの出入口23が形成され、各出入口23に、断熱扉(図示せず)が装着されている。
冷却ユニットは、圧縮機、凝縮器等からなる冷凍装置26の上面に、冷却器27と庫内ファン28とが断熱性の冷却器室蓋を介して積み上げられてユニット化され、機械室25の前面から挿入されると、冷凍装置26が収納スペースに収納されるとともに、冷却器27と庫内ファン28とが冷却器室12内に収納され、併せて冷却器室蓋で出入口が閉鎖される。
そして冷却運転に伴い、冷凍装置26(圧縮機)並びに庫内ファン28が駆動されると、図1の矢線に示すように、貯蔵室11内の空気が冷却器27の下部側に設けられた吸込口29Aから吸い込まれ、冷却器27を流通して冷気に変換されたのち、吹出口29Bから貯蔵室11の天井面側に吹き出されるように循環供給されることにより、貯蔵室11内が冷却されるようになっている。
続いて、この排水口30の構造について詳細に説明する。
貯蔵室11の底壁11Aは、一部上記に既述したように、内装箱14における底板32(以下、内装底板32という)と、外装箱15における底板36(以下、外装底板36という)とが所定間隔を開けて対向して配設されて外殻が形成され、その中に発泡樹脂16が充填された構造である(図10参照)。
内装底板32の円形孔33における裏側の口縁からは、下方に向けて次第に縮径されたテーパ状の環形部34が、バーリング加工等によって形成されている。環形部34の傾斜角αは、例えば60度となっている。
手前側の補強板40は、貯蔵室11の間口に匹敵する長さと、外装底板36の手前側の端縁から上記した円形孔37を所定寸法越えた位置に達する幅とを有しており、手前側の端縁には前板41が直角に立ち上がり形成されている。この前板41の高さは、外装底板36の手前側の端縁から直角に立ち上がり形成された前面板38の高さの半分程度である。
この補強板40は、外装底板36の前面板38に前板41を当ててつつ、外装底板36の手前側の端縁部に沿って載せられ、手前側の端縁部における長さ方向に間隔を開けた複数箇所が、アングル状のブラット43を介して外装底板36に固定されている。補強板40の長さ方向の両端部における上面には、脚18を取り付けるための取付部材44が設けられている。
また、補強板40の奥側の端縁からは、受け板47が直角に立ち上がり形成されている。この受け板47の上縁における、上記した逃がし孔46の中心の真後ろに対応する位置には、排水口形成体50に設けられた位置決めリブ60Aが上方から差し込まれる差込溝48が形成されている。この差込溝48は、図7に示すように、上端が次第に開いたV字形の切欠溝として形成されており、例えば開度βが90度で、深さが受け板47の高さの1/3程度(10mm程度)に設定されている。
より詳細には、内装底板32の円形孔33よりも若干小さい外径寸法を持った円筒形の本体部51を有しており、この本体部51の上端にはフランジ52が全周にわたって形成されているとともに、このフランジ52の根元側の角部に、斜めの面取り部53が形成されている。面取り部53の下端は、本体部51の内周面よりも段差状に外側に退避している。そして、排水口形成体50の上端側では、フランジ52の根元の面取り部53が内装底板32の環形部34の裏側に嵌められて当てられ、それとともにフランジ52が、内装底板32における円形孔33の裏側の口縁部に当てられるようになっている。
シール部材70は、ゴム等の弾性材から形成され、厚肉のリング部71の下面側に、裾広がりとなったスカート部73が形成された形状である。リング部71の内周面には、取付鍔58が嵌合される取付溝72が周設されており、図2に示すように、シール部材70は、取付溝72内に取付鍔58を嵌めることによって、スカート部73が外筒56の下端よりも下方に突出した状態で、排水口形成体50の下端部に装着されるようになっている。シール部材70が装着された場合、自然状態にあるシール部材70のスカート部73の下端からフランジ52の上面までの高さ寸法が、内装底板32と外装底板36との間の正規の対応間隔よりも少し大きくなるように設定されている。またスカート部73は、補強板40の逃がし孔46内に収まるように、その裾の径が定められている。
一方、残りの一枚のリブ60Aは、外方への突出縁が、全高にわたり、下方に向けて次第に突出長さが大きくなった傾斜縁61Aとなっており、言い換えると、このリブ60Aでは、他のリブ60の比較して、下端部において外方への突出長さが延ばされており、この延長部分が位置決め部63とされている。すなわち、この位置決め部63が設けられたリブ60Aは、位置決め機能を兼ねており、以下同リブ60Aを位置決めリブ60Aと称する。
大径部76の上面には、図5にも示すように円形の凹部79が形成され、この凹部79を半分に仕切るように壁が形成されて、これがキャップ75を回動操作する場合の摘み部80となっている。この凹部79の仕切られた各底面には、回動方向を示す指標81がそれぞれ形成されている。
キャップ75の被係止板86が係止部65の下面側に回り込んだ状態では、図7に示すように、キャップ75の大径部76のテーパ状の外周面77におけるほぼ中央高さ位置が、排水口形成体50の本体部51における段差部54の内周縁に押し付けられるとともに、同大径部76の上面が、排水口形成体50のフランジ52の上面とほぼ面一となる設定となっている。
まず図2に示すように、排水口形成体50の下端側にシール部材70が取り付けられ、そののち、この排水口形成体50が、内装底板32の円形孔33の下面側に取り付けられる。それには、排水口形成体50が位置決めリブ60Aを真後ろ(同図の左側)に向けた回動姿勢とされ、フランジ52の根元の面取り部53が、内装底板32の環形部34の裏側(外側)に嵌められる。フランジ52が円形孔33の裏側の口縁部に当てられたところで押し込みが停止され、併せて面取り部53が環形部34の裏面に当てられた状態となる。
キャップ75が回動されると、被係止板86が対応する係止部65のガイド面66の下側に進入し、ガイド面66で案内されることによりキャップ75が沈み込みつつ、被係止板86が係止部65の下面側に回り込む。そして、図7,8に示すように、被係止板86の回動方向の前端が係止部65のストッパ67に突き当たったところで回動が停止され、併せて被係止突条87が係止溝68に嵌合する。
最後に、図8及び図9に示すように、内装底板32(内装箱14)と外装底板36(外装箱15)の開口縁の間にジョイナ19が装着されて外殻が形成され、この外殻内に発泡樹脂16が充填されて固化されることによって、図10ないし図12に示すように、冷蔵庫本体10と冷却器室12とを構成する断熱箱体13が製造される。
また受け板47は、脚18を取り付けるに際して外装底板36を補強するために設けられる既存の補強板40の端部を立ち上がり状に曲げて形成したから、安価に対応できる。
排水口形成体50は内装底板32の円形孔33における裏側の口縁に予め固定されるようになっていて、この排水口形成体50の固定を、排水口形成体50に被着されるキャップ75を利用して行うようにしたから、別途シールテープやコーキング材を用いて固定する場合と比べ、部品点数や作業工程が減少して安価に対応することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、排水口形成体の補強用等のリブは4枚設けて、そのうちの1枚を位置決めリブとしたが、位置決めリブのみを設けてもよいし、また他のリブは3枚以外に別の枚数を設けてもよい。
(2)受け板は、補強板とは別部材として設けてもよい。
(3)受け板に設ける差込溝は、V字溝に限らず、U字溝や角溝等、要は入口が位置決めリブの板厚より広く、かつ差込深さが特定できれば、他の形状であってもよい。
(5)上記実施形態では、排水口形成体を内装底板に固定するのにキャップを利用した場合を例示したが、シールテープやコーキング材を用いて固定してもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(6)本発明は上記実施形態に例示した横型冷蔵庫に限らず、縦型冷蔵庫、冷凍庫、温蔵庫等、要は断熱箱体からなる本体を備えてその底壁に縦向きに排水口を設けた形式の貯蔵庫全般について広く適用することができる。
Claims (4)
- 内装箱と外装箱との間に発泡樹脂からなる断熱材が充填されて形成された貯蔵庫本体の底壁に、排水口が縦向きに設けられたものであって、内装底板と外装底板とにはそれぞれ開口が同一軸線上に形成され、略筒状をなす排水口形成体の上端部が前記内装底板の開口における裏側の口縁部に当てられて固定される一方、前記排水口形成体の下端部が前記外装底板の開口における裏側の口縁部に密着され、この組付状態から前記内装底板と前記外装底板との間の空間に前記断熱材が発泡充填されるようにした貯蔵庫の排水口構造において、
前記排水口形成体の外周面からは、縦向きの位置決め用リブが径方向に突設されるとともに、前記外装底板の裏面側には受け部材が立てられて、この受け部材の上端に、前記位置決め用リブの下端部が上方から差し込み可能な所定深さの差込溝が形成されていることを特徴とする貯蔵庫の排水口構造。 - 前記差込溝は、上端が前記位置決め用リブの厚さより大きい幅を持つように次第に開いたV字形の切欠溝により形成されていることを特徴とする請求項1記載の貯蔵庫の排水口構造。
- 前記外装底板の裏面には補強板が重ねて設けられ、この補強板の端部を立ち上げて曲げ形成することにより、前記受け部材が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の貯蔵庫の排水口構造。
- 前記排水口形成体の上端には、前記内装底板の開口における裏側の口縁部に当てられるフランジが設けられたものであって、
前記内装底板の開口における裏側の口縁からは、下方に向けて次第に縮径されたテーパ状の環形部が形成される一方、前記排水口形成体のフランジの根元側の角部に面取り部が形成されて、この面取り部が前記内装底板の環形部の裏面に当接されているとともに、前記排水口形成体の上端部内にキャップが抜け止め状に嵌着可能とされ、このキャップの外周面が、前記内装底板の環形部の表面を係止可能に覆うようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の貯蔵庫の排水口構造。
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