JP4644624B2 - 貯蔵庫の排水口構造 - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、簡単な対応により排水口形成体の組付箇所のシール性を高めるところにある。
請求項3の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記立ち上がり面には、この立ち上がり面に当たった前記パッキンの裾部を覆って外れ止めする覆い部が設けられているところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記パッキンが対向する前記内装底板または外装底板の裏面には補強板が重ねて設けられ、この補強板に前記内装底板または前記外装底板の前記開口よりも大きい開口が同心に形成されることによって前記位置決め部が形成されているところに特徴を有する。
排水口形成体は、上下いずれか一方の端部が対向した内装底板または外装底板の開口の裏面口縁部に当てられて固定され、他方の端部に嵌着されたパッキンが、対向した内装底板または外装底板の開口の裏面口縁部に当てられる。そのとき、パッキンの裾部が相手の裏面口縁部に設けられた位置決め部と係合することで径方向の拡がりが規制され、パッキンがさらに対向した裏面口縁部に接近することに伴い、パッキンの裾部が弾性的に開き変形しつつ広い面積にわたって相手の裏面口縁部に密着する。係る組付状態から内外の底板の間の空間に断熱材が発泡充填される。
その結果、別途コーキング処理を施すことが不要にでき、製造コストの低減を図ることができる。
パッキンの裾部が環形の立ち上がり面の内側に嵌められ、裾部の先端縁が立ち上がり面に当たることで径方向の拡がりが規制される。そののち同裾部が弾性的に開き変形して相手の裏面口縁部に密着する。
<請求項3の発明>
パッキンの裾部が立ち上がり面に当たって径方向の拡がりが規制された際、同裾部が覆い部で覆われることによって、裾部の立ち上がり面からの外れ止めが確実になされる。
パッキンの裾部が立ち上がり面の内側に嵌められると、裾部が同立ち上がり面の基部側に切られた溝部に挿入され、溝部の開口縁に裾部が係止されることで径方向の拡がりが規制される。そののち同裾部が弾性的に開き変形して相手の裏面口縁部に密着する。
<請求項5の発明>
貯蔵庫本体に脚を装着する場合等、外装底板や内装底板の裏面に補強板が張られるが、その補強板に底板の開口よりも大きい開口が同心に形成されることにより位置決め部が形成される。既設の補強板を利用して位置決め部を設けることができ、新たな部材によって位置決め部を設ける場合と比べて、安価に対応できる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図10によって説明する。この実施形態では、横型冷蔵庫に適用した場合を例示している。
横型冷蔵庫は、図1に示すように、前面に開口した横長の箱状をなす冷蔵庫本体10を備え、その内部が貯蔵室11とされているとともに、冷蔵庫本体10の正面から見た左側面の上部位置には、冷却器室12が貯蔵室11と連通して張り出し形成されている。この冷蔵庫本体10と冷却器室12とは断熱箱体13により一体的に形成されており、大まかには、ともにステンレス鋼板製の内装箱14が外装箱15の内側に所定間隔を開けて組み付けられ、内外の箱14,15間の空間に、断熱材である発泡ウレタン等の発泡樹脂16が発泡充填された構造である。
冷蔵庫本体10の左側面には機械室25が設けられ、この機械室25内に、冷却ユニットが引き出し可能に収納されるようになっており、機械室25内の上部には、前面に出入口(図示せず)を有する上記の冷却器室12が配設され、下部側には収納スペースが確保されている。
そして冷却運転に伴い、冷凍装置26(圧縮機)並びに庫内ファン28が駆動されると、図1の矢線に示すように、貯蔵室11内の空気が冷却器27の下部側に設けられた吸込口29Aから吸い込まれ、冷却器27を流通して冷気に変換されたのち、吹出口29Bから貯蔵室11の天井面側に吹き出されるように循環供給されることにより、貯蔵室11内が冷却されるようになっている。
貯蔵室11の内底面は、手前側に緩やかに下った傾斜面となっており、この内底面の手前側の端部に寄った位置で、かつ正面から見た左側の出入口23の幅方向のほぼ中央に対応する位置に、外底面に達する縦向きの排水口30が形成されている。
貯蔵室11の底壁11Aは、一部上記に既述したように、内装箱14における底板32(以下、内装底板32という)と、外装箱15における底板36(以下、外装底板36という)とが所定間隔を開けて対向して配設されて外殻が形成され、その中に発泡樹脂16が充填された構造である(図10参照)。
図2に示すように、内装底板32における排水口30の形成位置には、円形孔33が形成されているとともに、外装底板36における形成位置にも、内装底板32側の円形孔33よりも若干大径の円形孔37が同一軸線上に形成されている。内装底板32の円形孔33における裏側の口縁からは、下方に向けて次第に縮径されたテーパ状の環形部34が、バーリング加工等によって形成されている。環形部34の傾斜角αは、例えば60度となっている。
手前側の補強板40は、貯蔵室11の間口に匹敵する長さと、外装底板36の手前側の端縁から上記した円形孔37を所定寸法越えた位置に達する幅とを有しており、手前側の端縁には前板41が直角に立ち上がり形成されている。この前板41の高さは、外装底板36の手前側の端縁から直角に立ち上がり形成された前面板38の高さの半分程度である。
この補強板40における上記した外装底板36の円形孔37と対応した位置には、同円形孔37よりも一回り大きい円形の嵌合孔65が同心に形成されている。この嵌合孔65については、後記に詳述する。
より詳細には、内装底板32の円形孔33よりも若干小さい外径寸法を持った円筒形の本体部51を有しており、この本体部51の上端にはフランジ52が全周にわたって形成されているとともに、このフランジ52の根元側の角部に、斜めの面取り部53が形成されている。面取り部53の下端は、本体部51の内周面よりも段差状に外側に退避している。そして、排水口形成体50の上端側では、フランジ52の根元の面取り部53が内装底板32の環形部34の裏側に嵌められて当てられ、それとともにフランジ52が、内装底板32における円形孔33の裏側の口縁部に当てられるようになっている。
パッキン60は、図2に示すように、リング部61の取付溝62内に取付鍔58を嵌めることによって、スカート部63が外筒56の下端よりも下方に突出した状態で、排水口形成体50の下端部に装着されるようになっている。パッキン60が装着された場合、自然状態にあるパッキン60のスカート部63の裾部64からフランジ52の上面までの高さ寸法が、内装底板32と外装底板36との間の正規の対応間隔よりも少し大きくなるように設定されている。
この環形部66が形成されたことにより、補強板40が外装底板36の裏面に張られた場合、環形部66と外装底板36との間に、奥側に向けて次第に開口高さが低くなった略三角形断面をなす溝部67が全周にわたって形成される。また、環形部66(嵌合孔65)の内周面は、上方に向けて拡がる傾斜面となり、ガイド面68として機能する。
また、溝部67の上面における位置決め部71よりも開口端側の部分が、裾部64の上方を覆って外れ止めとして機能するから、この部分が本願の覆い部72に相当する。
一方、残りの一枚のリブ75Aは、外方への突出縁が、全高にわたり、下方に向けて次第に突出長さが大きくなった傾斜縁76Aとなっており、このリブ75Aでは、他のリブ75と比較して、下端部において外方への突出長さが延ばされており、この延長部分が位置決め板78となっている。
大径部81の上面には、図6にも示すように、円形の凹部内を壁で仕切ったような形状になる摘み部82が形成されている。
一方、排水口形成体50の本体部51の内周面には、ほぼ中央高さ位置において、周方向に長い一対の係止部85が点対称姿勢で形成されている。各係止部85は、その下面側にキャップ80の被係止板84を潜らせることができ、被係止板84の幅にほぼ匹敵する長さを有している。係止部85の一端側(上面から見た時計回り方向の後端)では、図2に示すように、斜めのガイド面86が形成されているとともに、他端側にはストッパ87が下向きに形成されている。また係止部85の下面の中央部には、被係止板84がストッパ87に当たって停止した場合に、被係止突条84Aが嵌る係止溝88が形成されている。
まず図2に示すように、排水口形成体50の下端側にパッキン60が取り付けられ、そののち、この排水口形成体50が、内装底板32の円形孔33の下面側に取り付けられる。それには、排水口形成体50が位置決めリブ75Aを真後ろ(同図の左側)に向けた回動姿勢とされ、フランジ52の根元の面取り部53が、内装底板32の環形部34の裏側(外側)に嵌められる。図7に示すように、フランジ52が円形孔33の裏側の口縁部に当てられたところで押し込みが停止され、併せて面取り部53が環形部34の裏面に当てられた状態となる。
キャップ80が回動されると、被係止板84が対応する係止部85のガイド面86の下側に進入し、ガイド面86で案内されることによりキャップ80が沈み込みつつ、被係止板84が係止部85の下面側に回り込む。そして、被係止板84の回動方向の前端が係止部85のストッパ87に突き当たったところで回動が停止され、併せて被係止突条84Aが係止溝88に嵌合する。
なお既述したように、内装底板32は手前側に向けて緩やかな下り勾配となった姿勢で配されているから、排水口形成体50の装着位置の後部側の方が前部側比べて、内装底板32と外装底板36との間隔が大きい。しかしこの間隔の差は、パッキン60のスカート部63が、前側の方がより大きく開き変形することで吸収され、スカート部63の裾部64は、全周にわたって広い面積で外装底板36の円形孔37の裏側の口縁部37Aに密着することができる。
冷蔵庫の使用時においては、仮に冷蔵庫本体10の外底面に水分が振り懸かったとしても、排水口形成体50の下端と外装底板36の円形孔37との間には、ゴム等のパッキン60が介在され、しかも同パッキン60の裾部64が広い面積にわたって外装底板36の円形孔37の裏側の口縁部37Aに密着されて強固にシールされているから、水分が断熱箱体13内の断熱材(発泡樹脂16)中に浸水することが防止される。
また、上記した位置決め部71を設けるに当たっては、脚18を取り付けるに際して外装底板36を補強するために設けられる既存の補強板40を利用したから、新たな部材によって位置決め部71を設ける場合と比べて、安価に対応できる。
以下、さらにパッキン60によるシール構造に変更を加えた数々の実施形態を説明する。図11は、本発明の実施形態2を示す。
この実施形態2では、補強板40Aの嵌合孔65Aの内周面における下側のほぼ2/3の領域に、奥側に向けて次第に開口高さが低くなった略三角形断面をなす溝部90が全周にわたって形成されている。また溝部90の開口高さは、奥へ略半分入ったところで、スカート部63の裾部64の厚さよりも低くなっている。したがって裾部64の先端縁64Aが、溝部90の上面の途中位置に当たったところで径方向に拡がることが規制され、溝部90の上面が立ち上がり面91で、裾部64の先端縁64Aが当たる位置が位置決め部92となる。また、溝部90の上面の位置決め部92よりも開口端寄りの領域が覆い部93となる。
図12は、本発明の実施形態3を示す。この実施形態3では、補強板40Bの嵌合孔65Bの内周面における下側のほぼ半分の領域に、開口高さが一定の方形断面をなす比較的浅い溝部95が、全周にわたって形成されている。パッキン60におけるスカート部63の裾部64の先端縁64Aは、溝部90内に進入したのちその奥面に当たったところで径方向の拡がりが規制される。したがって、溝部90の奥面が本願の立ち上がり面96であり、同時に位置決め部となる。また、溝部90の上面の全域が覆い部97となる。
作用効果については、実施形態2とほぼ同様である。
図13は、本発明の実施形態4を示す。この実施形態4では、補強板40Cの嵌合孔65Cの内周面自体が立ち上がり面100となって、その立ち上がり面100の下端部に、パッキン60におけるスカート部63の裾部64の先端縁64Aが当たることで径方向の拡がりが規制されるようになっている。一方、外装底板36の円形孔37の口縁部37Aが下方から叩き出されて、緩やかな斜め上方を向いたテーパ状の受け部102が形成されている。
この実施形態4では、パッキン60のスカート部63の裾部64が嵌合孔65C内に嵌められたのち同裾部64の先端縁64Aが拡がり、同先端縁64Aが立ち上がり面100の下端部に当たって径方向の拡がりが規制されたのちは、裾部64が弾性的に開き変形しつつ広い面積にわたって受け部102に対して密着し、高いシール性が得られる。
図14及び図15は、本発明の実施形態5を示す。この実施形態5では、補強板40Dの嵌合孔65Dの口縁部における所定幅の環形領域が、上方に段差状に叩き出され、この段差部105と外装底板36との間に、開口高さが一定の比較的深い溝部106が、全周にわたって形成されている。溝部106の開口高さは、パッキン60におけるスカート部63の裾部64の先端縁64Aの厚さよりも若干大きく設定されている。すなわち、裾部64の先端縁64Aが溝部106内に少し進入すると、溝部90の上面の開口縁が、裾部64の上面に食い込むように係止して、径方向の拡がりが規制され、したがって溝部106の上面の開口縁が位置決め部107となる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、位置決め部を設けるに際して補強板を利用したが、別部材として備えてもよい。
(2)上記実施形態では、排水口形成体を内装底板に固定するのにキャップを利用した場合を例示したが、シールテープやコーキング材を用いて固定してもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(4)本発明は上記実施形態に例示した横型冷蔵庫に限らず、縦型冷蔵庫、冷凍庫、温蔵庫等、要は断熱箱体からなる本体を備えてその底壁に縦向きに排水口を設けた形式の貯蔵庫全般について広く適用することができる。
Claims (5)
- 内装箱と外装箱との間に発泡樹脂からなる断熱材が充填されて形成された貯蔵庫本体の底壁に、排水口が縦向きに設けられたものであって、内装底板と外装底板とにはそれぞれ開口が同一軸線上に形成され、両開口の間に略筒状をなす排水口形成体が組み付けられた状態で前記内装底板と前記外装底板との間の空間に前記断熱材が発泡充填された貯蔵庫の排水口構造において、
前記排水口形成体の上下いずれか一方の端部が、対向した前記内装底板または外装底板における前記開口の裏側の口縁部に当てられて固定される一方、
前記排水口形成体の他方の端部には裾拡がりの筒状をなすパッキンが嵌着され、かつ対向した前記内装底板または外装底板における前記開口の裏側の口縁部には、前記パッキンの裾部と係合してこの裾部の径方向の拡がりを規制する位置決め部が設けられ、
前記裾部の径方向の拡がりが規制されたのちさらに前記パッキンが対向する前記内装底板または外装底板に接近することに伴い、前記裾部を弾性的に開き変形させつつ対向した前記開口の裏側の口縁部に密着させる構成としたことを特徴とする貯蔵庫の排水口構造。 - 前記位置決め部は、前記パッキンが対向する前記内装底板または外装底板における前記開口の裏側の口縁部に立ち上がって設けられた環形の立ち上がり面によって形成され、前記パッキンの裾部の先端縁が前記立ち上がり面に当たって径方向の拡がりが規制されるようになっていることを特徴とする請求項1記載の貯蔵庫の排水口構造。
- 前記立ち上がり面には、この立ち上がり面に当たった前記パッキンの裾部を覆って外れ止めする覆い部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の貯蔵庫の排水口構造。
- 前記パッキンが対向する前記内装底板または外装底板における前記開口の裏側の口縁部には環形の立ち上がり面が設けられるとともに、この立ち上がり面の基部側に前記パッキンの裾部が挿入される溝部が切られており、この溝部の開口縁が、前記パッキンの裾部に係止して径方向の拡がりを規制する前記位置決め部となっていることを特徴とする請求項1記載の貯蔵庫の排水口構造。
- 前記パッキンが対向する前記内装底板または外装底板の裏面には補強板が重ねて設けられ、この補強板に前記内装底板または前記外装底板の前記開口よりも大きい開口が同心に形成されることによって前記位置決め部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の貯蔵庫の排水口構造。
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