JP4644537B2 - ポリウレタン硬化用ポリオール組成物、ポリウレタン用組成物及びポリウレタン樹脂 - Google Patents
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Description
しかし、MOCAは特定化学物質であるため、近年、MOCAを含有しなくとも同等の性能が得られるポリウレタン用組成物の開発が急がれている。MOCAを含有しなくとも優れた性能を発揮できるポリウレタン用組成物としては、下記特許文献1が知られている。
更に、塗料等として用いる場合には、低い粘度を要するが、通常、溶剤を含有させて粘度を低下させている。しかし、この溶剤も可能な限り含有しないことが望まれている。
(1)炭素数6以上の二塩基酸と炭素数2以上の2価アルコールとが反応されてなる脂肪族ポリエステルポリオールと、ヒマシ油及び/又はヒマシ油系ポリオールと、芳香族ポリオールと、を含有することを特徴とするポリウレタン硬化用ポリオール組成物。
(2)上記芳香族ポリオールは、ビスフェノール系アルキレンオキサイド付加物である上記(1)に記載のポリウレタン硬化用ポリオール組成物。
(3)上記二塩基酸は、ダイマー酸及び炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸のうちの少なく一方である上記(1)又は(2)に記載のポリウレタン硬化用ポリオール組成物。
(4)ジアミノジフェニルメタン系化合物を含有しない上記(1)乃至(3)のうちのいずれかに記載のポリウレタン硬化用ポリオール組成物。
(5)炭素数6以上の二塩基酸と炭素数2以上の2価アルコールとが反応されてなる脂肪族ポリエステルポリオールと、ヒマシ油及び/又はヒマシ油系ポリオールと、芳香族ポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を含有することを特徴とするポリウレタン用組成物。
(6)上記ポリイソシアネート化合物は、ジフェニルメタンジイソシアネートである上記(5)に記載のポリウレタン用組成物。
(7)ジアミノジフェニルメタン系化合物を含有しない上記(5)又は(6)に記載のポリウレタン用組成物。
(8)上記(5)乃至(7)のうちのいずれかに記載のポリウレタン用組成物が硬化されてなることを特徴とするポリウレタン樹脂。
芳香族ポリオールがビスフェノール系アルキレンオキサイド付加物である場合は、可使時間、粘度及び表面性を優れた範囲に保ちつつ、特に優れた伸び及び機械的強度を得ることができる。
二塩基酸がダイマー酸及び炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸である場合には、可使時間、粘度及び伸びを優れた範囲に保ちつつ、特に優れた表面性を得ることができる。
脂肪族ポリエステルポリオールの平均分子量が500〜5000である場合は、可使時間及び伸びを優れた範囲に保ちつつ、特に優れた表面性及び粘度を得ることができる。
ジアミノジフェニルメタン系化合物を含有しない場合は、低い粘度、長い可使時間を確保しつつ、より優れた表面性が得られ、更には、優れた伸び及び機械的強度を得ることができる。
ポリイソシアネート化合物がジフェニルメタンジイソシアネートである場合は、低い粘度及び長い可使時間を得ることができる。
ジアミノジフェニルメタン系化合物を含有しない場合は、低い粘度、長い可使時間を確保しつつ、より優れた表面性が得られ、更には、優れた伸び及び機械的強度を得ることができる。
本発明のポリウレタン樹脂によれば、優れた表面性、伸び及び機械的強度が得られる。
[1]ポリウレタン硬化用ポリオール組成物
本発明のポリウレタン硬化用ポリオール組成物は、炭素数6以上の二塩基酸と炭素数2以上の2価アルコールとが反応されてなる脂肪族ポリエステルポリオールと、ヒマシ油及び/又はヒマシ油系ポリオール(以下、これらをまとめて「ヒマシ油類」ともいう)と、芳香族ポリオールと、を含有することを特徴とする。
また、脂肪族二塩基酸を構成する酸性官能基部以外の構成部は、脂肪族炭化水素であればよく、鎖状であってもよく、環状であってもよい。また、直鎖であってもよく、分岐を有してもよい。更に、不飽和結合を有していてもよく、不飽和結合を有していなくてもよい。また、この脂肪族二塩基酸は、炭素数が6〜45であることが好ましい。この脂肪族二塩基酸としては、ダイマー酸、セバシン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ノナメチレンジカルボン酸、デカメチレンジカルボン酸、ウンデカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸、これら各脂肪族二塩基酸の無水物、これら各脂肪族二塩基酸の誘導体等が挙げられる。これらの脂肪族二塩基酸は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
更に、2価アルコールの炭素骨格は芳香族系でない(即ち、芳香環を有さない)こと以外は特に限定されず、例えば、鎖状構造であってもよく、環状構造であってもよい。また、直鎖構造でもよく、分岐構造でもよい。更に、不飽和結合を有していてもよく、不飽和結合を有していなくてもよい。
上記(2)ポリアルキレングリコールとしては、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコール等が挙げられる。これらの(2)の2価アルコールは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記(3)炭素数4〜36の直鎖アルキレングリコールとしては、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール及びノナンジオール等が挙げられる。これらの(3)の2価アルコールは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記(4)環状構造を有する2価アルコールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらの(4)の2価アルコールは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
尚、2価アルコールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、テトラヒドロフラン−アルキレンオキサイド共重合ポリオール、エポキシ変性ポリオール、炭化水素系ポリオール、アクリルポリオール、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物、難燃ポリオール、キシレン骨格のポリオール、シリコン含有ポリオール、フッ素含有ポリオール及び窒素含有ポリオールなどの汎用又は特殊ポリオールからなる構造部分を有するものであってもよい。
これらの芳香族ポリオールは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの芳香族ポリオールは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのなかでは、ビスフェノール系化合物が好ましい。即ち、芳香族ポリオールとしては、ビスフェノール系アルキレンオキサイド付加物が好ましい。また、上記ビスフェノール系化合物のなかでも、更には、ビスフェノールA及びビスフェノールFが好ましく、特にビスフェノールAが好ましい。これらのジヒドロキシ芳香族化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このアルキレンオキサイドのジヒドロキシ芳香族化合物に対する付加量は特に限定されないが、ジヒドロキシ芳香族化合物1モルに対して、アルキレンオキサイドは1〜30モル(より好ましくは2〜15モル、更に好ましくは2〜10モル)が好ましい。この範囲であれば吸水性を十分に低く抑えながら、イソシアネートに対する反応性を適度に得ることができる。
この芳香族二塩基酸としては、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナンスレンジカルボン酸、これら各芳香族二塩基酸の無水物、及びこれら各芳香族二塩基酸の誘導体等が挙げられる。
一方、多価アルコールしては、前記脂肪族ポリエステルポリオールに用いた2価アルコールをそのまま用いることができる。これらの2価アルコール以外にも3価以上のアルコールを用いてもよいが、2価アルコールが好ましい。
更には、上記芳香族ポリオール全体(100質量%)のうち50質量%以上(より好ましくは50〜90質量%、100質量%であってもよい)がビスフェノール系アルキレンオキサイド付加物であることが好ましい。
上記「ジアミノジフェニルメタン系化合物」とは、ジアミノジフェニルメタン骨格を有する化合物であり、下記一般式(1)で表される化合物である。但し、式中のR1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5の炭化水素基である。また、R1〜R4は同一であっても異なっていてもよい。
本発明のポリウレタン硬化用ポリオール組成物では、このMOCA及びMOCA代替化合物を全く使用せずとも、これらを使用した場合と同等の可使時間、伸び及び表面等を確保できる。即ち、上記各種特性をバランス良く得ることができる。
尚、本発明のポリウレタン硬化用ポリオール組成物にMOCA及びMOCA代替品が含有される場合は、使用上実質的に問題はないが、含有される場合は含有されない場合に比べて可使時間が短くなり、ポリウレタン硬化用ポリオール組成物の粘度が大きくなる場合があると考えられる。このため、安全性以外の面においても含有されないことが好ましい。
尚、このポリウレタン硬化用ポリオール組成物の粘度は、B型粘度計により測定できる。
上記アミン触媒の種類は特に限定されず、公知の各種アミン触媒を用いることができる。このアミン触媒としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジン、N−メチルモルフォリン、ジメチルメチレンジアミン及びジメチルアミノエタノール等が挙げられる。これらのアミン触媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。アミン触媒を用いる場合、その使用量は特に限定されないが、ポリウレタン硬化用ポリオール組成物中に含有される前記ポリオール成分全体を100質量部とした場合に0.01〜3質量部(より好ましくは0.05〜2.5質量部)とすることが好ましい。
上記整泡剤としては、線状又は分枝ポリエーテル−シロキサン共重合体等を用いることができる。整泡剤を用いる場合、その使用量は特に限定されないが、ポリウレタン硬化用ポリオール組成物中に含有される前記ポリオール成分全体を100質量部とした場合に0.5〜2質量部とすることが好ましい。
添加剤等としては、顔料及び充填剤等の無機フィラー、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、油脂類、有機溶剤、希釈剤、脱水剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、離型剤、樹脂類、香料、防黴剤、カップリング剤等が挙げられる。これらは各々1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記無機フィラーとしては、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、カオリン、ベントナイト、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、チタニア、水酸化アルミニウム、カーボンブラック、グラファイト、ガラス繊維及び炭素繊維等が挙げられる。上記可塑剤としては、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、ジオクチルアジペート等のアジピン酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤及びポリエステル系可塑剤等が挙げられる。上記油脂類としては、麻実油、あまに油、ケシ油、桐油、ナタネ油及びトール油等が挙げられる。上記希釈剤としては、メチルアセチル化リシノレート及びリン酸トリメチル等が挙げられる。上記脱水剤としては、ゼオライト及び酸化アルミニウム等が挙げられる。上記難燃剤としては、リン化合物、ハロゲン化合物、金属水酸化物及び酸化アンチモン等が挙げられる。このうちリン化合物としては、リン酸エステル化合物、アンモニウムポリフォスフェート、フォスフィン等が挙げられる。ハロゲン化合物としては、トリス(2,3−ジクロロプロピル)フォスフォネート、ネオペンチル臭化ポリエーテル、ジブロモプロパノール及びジブロモネオペンチルグリコール等が挙げられる。金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらのなかでは、ハロゲンを含有しないリン酸エステル系難燃剤が好ましい。上記樹脂類としては、キシレン樹脂、ロジン、ロジンエステル、テルペン樹脂、ケトン樹脂及び石油樹脂等が挙げられる。これら添加剤等は各々の1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のポリウレタン用組成物は、炭素数6以上の二塩基酸と炭素数2以上の2価アルコールとが反応されてなる脂肪族ポリエステルポリオールと、ヒマシ油及び/又はヒマシ油系ポリオールと、芳香族ポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を含有することを特徴とする。
尚、このポリウレタン用組成物は、各種ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とが反応し始める前の組成物である。
本発明のポリウレタン用組成物に含有されるポリオール成分全体の水酸基価及び粘度等は特に限定されないが、前記本発明のポリウレタン硬化用ポリオール組成物と同様とすることができる。
また、本発明のポリウレタン用組成物は、前記本発明のポリウレタン硬化用ポリオール組成物と同様に、各種ポリオール成分及び各種ポリイソシアネート化合物以外にも、前記本発明のポリウレタン硬化用ポリオール組成物と同様の触媒、架橋剤及び鎖延長剤等の他の成分を含有できる。更に、得られるポリウレンタン樹脂が発泡体であることを目的とする場合は発泡剤及び整泡剤等を配合できる。
更に、本発明のポリウレタン用組成物には、上記以外にも前記本発明のポリウレタン硬化用ポリオール組成物と同様に、用途及び目的等に応じて、顔料及び充填剤等の無機フィラー、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、油脂類、有機溶剤、希釈剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、離型剤、樹脂類、香料、防黴剤、カップリング剤等の各種の添加剤等を配合できる。
本発明のポリウレタン樹脂は、前記本発明のポリウレタン用組成物が硬化されてなることを特徴とする。
本発明のポリウレタン樹脂によれば、A硬度を75〜100A(更には75〜95A、特に77〜94A)とすることができる。また、引張強度を5〜12MPa(更には6〜12MPa、特に8〜12MPa)とすることができる。更に、引裂強度を11〜50N/mm(更には11〜40N/mm、特に11〜35N/mm)とすることができる。また、伸びを180〜400%(更には200〜400%、特に220〜400%)とすることができる。
また、温度30℃且つ湿度80%の環境下で厚さ500μm以下に塗布して24時間以上乾燥させた後に、得られた塗膜(硬化後における塗膜)面の0.1m四方あたりに認められるピンホール(口径100μm以上)を10個以下(更には8個以下、特に6個以下)に抑えることができる。
(1)脂肪族ポリエステルポリオール
EP1; 後述合成1によりセバシン酸と3−メチル−ペンタンジオールとを反応させて得た。
EP2; 後述合成2によりダイマー酸と3−メチル−ペンタンジオールとを反応させて得た。
EP3; 後述合成3によりアジピン酸と3−メチル−ペンタンジオールとを反応させて得た。
(2)ヒマシ油及び/又はヒマシ油系ポリオール
ヒマシ油; 伊藤製油株式会社製、品名「URIC H−30」
(3)芳香族ポリオール
AP1; ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(旭電化株式会社製、品名「アデカポリエーテルポリオール BPX−11」、水酸基価は310mgKOH/g)
AP2; ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(旭電化株式会社製、品名「アデカポリエーテルポリオール BPX−55」、水酸基価は140mgKOH/g)
(4)ジアミノジフェニルメタン系化合物
MOCA; 3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
(5)比較例5;
分子量3000であるポリオキシプロピレントリオール17質量部と、分子量2000であるポリオキシプロピレンジオール68質量部と、トリレンジイソシアネート(2,4−TDI異性体を80%含有)15質量部と、を反応させて得られたNCO含有率3.6%のイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを主剤(100質量部)とした。
一方、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)7.3質量部と、分子量2000のポリオキシプロピレンジオール21.0質量部と、フタル酸ジオクチル7.7質量部と、炭酸カルシウム60質量部と、着色顔料ペースト3重量部と、オクチル酸鉛(鉛含有量24%)1質量部と、を混合した液体を硬化剤とした。
上記主剤と硬化剤とは質量比1:1で混合して用いた。
上記[1]で得られたポリウレタン硬化用ポリオール組成物を50質量部とした場合の配合割合において、硫酸バリウム{体質顔料(増量剤)}25〜45質量部、合成ゼオライト(脱水剤)7質量部、アクリル系ビニルエーテル化合物(消泡剤、共栄社化学株式会社製、品名「フローレン AC−326F」)1.6質量部、着色顔料ペースト2部、の各々を上記[1]で得られたポリウレタン硬化用ポリオール組成物に分散させてポリウレタン用組成物の主剤を得た。
更に、得られたポリウレタン用組成物の主剤に対して、質量比で6(主剤):1(硬化剤)となるように、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI、日本ポリウレタン工業株式会社製、品名「コロネート1130」)を混合(−OHと−NCOとは当量)して、上記表1のポリウレタン用組成物(実施例1〜5及び比較例1〜5)を得た。
(1)可使時間
25℃で静置したポリウレタン用組成物を質量比が主剤:硬化剤=6:1となるように、各々計り(合計117g)取った。その後、計り取った主剤と硬化剤とを混合し、この混合を開始した瞬間からの粘度をB形粘度計(株式会社東京計器製 形式「BM」)を用いて経時的に測定した。測定を開始してから粘度が10000mPa・sに達するまでの時間を測定し、この時間を可使時間とした。この結果を表1に併記した。
この結果、実施例1〜5の可使時間は15〜19分であり、比較例5の従来品と同等程度(71〜90%)の可使時間を確保できることが分かる。特に実施例1〜4では可使時間が18〜19分であり、より長い可使時間を得ることができることが分かる。
JIS K 7215に従って、23℃で、タイプAデュロメータを使用し、押圧力10Nで試験片をニードルに垂直に押し付け、直ちに硬度値を読み取りA硬度を測定した。この結果を表1に併記した。
この結果、実施例1〜5のA硬度は、83〜93であり、十分な柔軟性を有していることが分かる。
JIS K 6251に従って、厚さ3mmのダンベル形状の試験片を用いて行った。この結果を表1に併記した。
この結果、比較例5の従来品では8.0MPaであり、比較例1〜4では2.1〜6.3MPaであった。これに対して、実施例1〜5では5.9〜10.7MPaであった。即ち、実施例2では、引張強度が低目であるものの使用上問題ない範囲であり、それ以外の実施例1及び3〜5では、9.6〜10.7MPaと比較例5の従来品に比べても高い引張強度を示した。
上記(3)の引張強度の測定過程でJIS K 6251に従って行った。この結果を表1に併記した。
この結果、比較例5の従来品では255%であり、比較例1〜4では114〜300%であった。これに対して実施例1〜5では180〜255%であり良好な伸びを示した。特に実施例1〜4では226〜255%であり高い伸びを示した。
JIS K 6252に従って、厚さが3mmの切り込みがないアングル形の引裂試験片を用いて行った。この結果を表1に併記した。
この結果、比較例5の従来品では35.0N/mmであり、比較例1〜4では4.5〜22.1N/mmであった。これに対して、実施例1〜5では12.6〜31.5N/mmであった。即ち、実施例2では、引裂強度が低目であるものの使用上問題ない範囲であり、それ以外の実施例1及び3〜5では、25.6〜31.5N/mmと高い引裂強度を示した。
温度30℃且つ湿度80%の環境下で厚さ500μm以下に各ポリウレタン用組成物を0.1m四方に塗布し、その後、24時間乾燥させて実施例1〜4及び比較例1〜5の塗膜面を得た。得られた塗膜面の0.1m四方あたりに認められるピンホール(口径100μm以上)の個数を数えて表面性を評価し、表1に併記した。評価基準は以下の通りである。
「◎」;上記ピンホールの数が2個以下である。
「○」;上記ピンホールの数が2個以上10個未満である。
「△」;上記ピンホールの数が10個以上50個未満である。
「×」;上記ピンホールの数が50個以上である。
この結果、比較例5の従来品が「△」であるのに対して、実施例5は「△」であり同等であるものの、実施例1〜4は「○」又は「◎」であった。なかでも実施例2は「◎」であり特に優れた表面性を示した。
表1の結果より、ポリオール成分がヒマシ油のみからなり、脂肪族ポリエステルポリオール及び芳香族ポリオールを含有しないポリウレタン用組成物である比較例1のポリウレタン用組成物は可使時間が33分と長く、得られるポリウレタン樹脂の表面性も良好であるものの、伸びは115%と小さく、引張強度及び引裂強度がいずれも低目である。
また、比較例2はポリオール成分が脂肪族ポリエステルポリオールとヒマシ油のみからなり、芳香族ポリオールを含有しないポリウレタン用組成物である。この比較例2のポリウレタン用組成物は可使時間が29分と長く、得られるポリウレタン樹脂の表面性は良好であるものの、伸びは114%と小さく、引張強度及び引裂強度が特に低い。
更に、比較例3はポリオール成分が脂肪族ポリエステルポリオールと芳香族ポリオールのみからなり、ヒマシ油を含有しないポリウレタン用組成物である。この比較例3のポリウレタン用組成物は可使時間が17分であり、得られるポリウレタン樹脂の伸びは300%と大きいものの、表面性が悪い。
また、比較例4はポリオール成分がヒマシ油と芳香族ポリオールのみからなり、脂肪族ポリエステルポリオールを含有しないポリウレタン用組成物である。この比較例4のポリウレタン用組成物は可使時間が46分と非常に長く、得られるポリウレタン樹脂の表面性も良好であるものの、伸びは117%と小さく、引張強度及び引裂強度は低目である。
実施例5は、実施例4のAP2の一部に変えてわずかにMOCAを使用した例である。このようにMOCAを使用することもできるが、得られるポリウレタン樹脂の性能からみてもMOCAは使用されないことが好ましい。
尚、上記表1に示す各成分の合成方法を以下に示す。
(1)合成1(EP1)
撹拌機、温度計、窒素導入管、環流コンデンサを備える反応器に、セバシン酸941g、3−メチルペンタンジオール759g、トリブチルチタネート0.5gを投入し、窒素気流下常圧で加熱し、反応容器内の温度を150℃から220℃へ16時間かけて徐々に昇温し、水を反応容器系外へ留出させた。更に220℃で4時間、反応を継続して、脂肪族ポリエステルポリオールであるEP1を得た。得られたEP1は、酸価0.6、水酸基価113、粘度1500mPa・s/25℃であった。
撹拌機、温度計、窒素導入管、環流コンデンサを備える反応器に、ダイマー酸(ハリマ化成株式会社製、品名「ハリマダイマー200」)1322g、3−メチルペンタンジオール378g、トリブチルチタネート0.5gを投入し、窒素気流下常圧で加熱し、反応容器内の温度を150℃から220℃へ16時間かけて徐々に昇温し、水を反応容器系外へ留出させた。更に220℃で4時間、反応を継続して、脂肪族ポリエステルポリオールであるEP2を得た。得られたEP2は、酸価0.8、水酸基価62mgKOH/g、粘度10000mPa・s/25℃であった。
撹拌機、温度計、窒素導入管、環流コンデンサを備える反応器に、アジピン酸824g、3−メチルペンタンジオール876g、トリブチルチタネート0.5gを投入し、窒素気流下常圧で加熱し、反応容器内の温度を150℃から220℃へ16時間かけて徐々に昇温し、水を反応容器系外へ留出させた。220℃で4時間、反応を継続して、脂肪族ポリエステルポリオールEP3を得た。得られたEP3は、酸価0.8、水酸基価110mgKOH/g、粘度1500mPa・s/25℃であった。
Claims (8)
- 炭素数6以上の二塩基酸と炭素数2以上の2価アルコールとが反応されてなる脂肪族ポリエステルポリオールと、ヒマシ油及び/又はヒマシ油系ポリオールと、芳香族ポリオールと、を含有することを特徴とするポリウレタン硬化用ポリオール組成物。
- 上記芳香族ポリオールは、ビスフェノール系アルキレンオキサイド付加物である請求項1に記載のポリウレタン硬化用ポリオール組成物。
- 上記二塩基酸は、ダイマー酸及び炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸のうちの少なく一方である請求項1又は2に記載のポリウレタン硬化用ポリオール組成物。
- ジアミノジフェニルメタン系化合物を含有しない請求項1乃至3のうちのいずれかに記載のポリウレタン硬化用ポリオール組成物。
- 炭素数6以上の二塩基酸と炭素数2以上の2価アルコールとが反応されてなる脂肪族ポリエステルポリオールと、ヒマシ油及び/又はヒマシ油系ポリオールと、芳香族ポリオールと、ポリイソシアネート化合物と、を含有することを特徴とするポリウレタン用組成物。
- 上記ポリイソシアネート化合物は、ジフェニルメタンジイソシアネートである請求項5に記載のポリウレタン用組成物。
- ジアミノジフェニルメタン系化合物を含有しない請求項5又は6に記載のポリウレタン用組成物。
- 請求項5乃至7のうちのいずれかに記載のポリウレタン用組成物が硬化されてなることを特徴とするポリウレタン樹脂。
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