JP6403160B2 - 塗料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、被塗物上に耐衝撃性を有する塗膜を形成するための塗料組成物、塗膜形成方法及び当該塗料組成物を用いて塗膜が形成された物品に関する。
近年、風力エネルギーは再生可能エネルギーのひとつとして注目されており、それを電気エネルギーに変換し利用するために、陸上及び海上等の多くの場所、環境に風力発電機が設置されており、今後も増加が予想される。
風力発電機に備えられるブレードは、該ブレード自身が回転し、かつ非常に強い雨風や砂塵嵐等にさらされることがあるため、該ブレード上に形成される塗膜は、通常の環境下に設置又は使用される被塗物(例えば、家屋の屋根や外壁、自動車ボディー)上の塗膜よりも著しく高い耐衝撃性を有することが必要であり、さらに、耐水性、基材との密着性にも優れることが求められる。
上記ブレードのような厳しい環境に置かれる被塗物としては、航空機やヘリコプターの翼等が挙げられるが、これらの被塗物上の塗膜も同様に、耐衝撃性、耐水性及び基材との密着性に優れることが要求される。
また、上記耐衝撃性及び耐水性をさらに高め、これに加えて塗膜外観を向上させる方法として、基材上に、耐衝撃性、耐水性及び基材との密着性に特に優れた下塗り塗膜を形成し、該下塗り塗膜上に耐衝撃性、耐水性及び仕上がり性に優れた上塗り塗膜を形成するという方法があるが、ここで形成される下塗り塗膜には、上記耐衝撃性、耐水性、基材との密着性に加え、上塗り塗膜との密着性にも優れることが求められる。
例えば、特許文献1には、エチレンに基づく繰り返し単位とテトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位とを有する含フッ素共重合体(A)と、該含フッ素共重合体(A)の融点以下の温度で該含フッ素共重合体(A)を溶解可能な溶媒とを含有する風力発電機のブレードに用いる表面塗布用塗料組成物が、施工性に優れ、かつ耐擦傷性、耐候性に優れた塗膜を形成できることが記載されている。しかしながら、該塗料組成物によって得られる塗膜は、耐衝撃性、耐水性及び基材との密着性が不十分な場合があった。また、該塗料組成物を用いて下塗り塗膜を形成した場合、上塗り塗膜との密着性が不十分な場合があった。
特開2011−225674号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、得られる塗膜が耐衝撃性及び耐水性に優れ、かつ風力発電機のブレード等の被塗物への密着性に優れ、また下塗り塗料として使用する場合に上塗り塗膜との密着性に優れた塗膜を形成できる塗料組成物及び塗膜形成方法を提供すること、ならびに当該塗料組成物により塗装された物品を提供することである。
かかる状況の下、本発明者らは鋭意研究した結果、特定のポリオール及びポリイソシアネート化合物を含む塗料組成物が上記課題を解決できることを見出した。
本発明は、以下の項に示す塗料組成物、塗膜形成方法及び塗膜を有する物品を提供する。
項1.(A)ポリオール成分ならびに(B)ポリイソシアネート化合物を含有する塗料組成物であって、該ポリオール成分(A)が、(A1)炭素数8以上の脂肪酸由来の構成単位を有するポリオール及び(A2)水酸基価が50〜400mgKOH/gの範囲内であり、数平均分子量が700〜5,000の範囲内であるビスフェノール骨格を有するポリオールを含有し、該ポリオール(A1)の固形分含有量が、ポリオール成分(A)の合計固形分を基準として、30〜90質量%の範囲内であり、該ポリオール(A2)の固形分含有量が、ポリオール成分(A)の合計固形分を基準として、10〜70質量%の範囲内であることを特徴とする塗料組成物。
項2.ポリオール(A1)が、ひまし油及び/又はひまし油の変性物である項1に記載の塗料組成物。
項3.ポリオール(A2)が、下記一般式(I)
Figure 0006403160
[式I中、R、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又はアリール基を示す]
で表されるビスフェノール化合物(a1)、下記一般式(II)
Figure 0006403160
[式II中、R11及びR12は、各々独立して、水素原子、水酸基又はメチル基を表し、mは0〜4の整数を表し、nは1〜20の整数を表し、n個の
Figure 0006403160
は互いに同じであっても又は互いに異なっていてもよい]
で表されるジグリシジルエーテル化合物(a2)及び水酸基含有カルボン酸(a3)の反応生成物である項1又は2に記載の塗料組成物。
項4.ビスフェノール化合物(a1)が、ビスフェノールA及び/又はビスフェノールFである項3に記載の塗料組成物。
項5.ジグリシジルエーテル化合物(a2)が、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル及び/又はポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルである項3又は4に記載の塗料組成物。
項6.さらに、顔料(D)を含む項1〜5のいずれか1項に記載の塗料組成物。
項7.被塗物上に、項1〜6のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装して塗膜を形成する塗膜形成方法。
項8.被塗物上に、項1〜6のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装して下塗り塗膜を形成した後、該下塗り塗膜上に上塗り塗料組成物を塗装して上塗り塗膜を形成する塗膜形成方法。
項9.上塗り塗料組成物が、ひまし油及びひまし油の変性物から選ばれるポリオールならびにポリイソシアネート化合物を含有する塗料組成物である項8に記載の塗膜形成方法。
項10.被塗物が、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を含有する繊維強化プラスチック材料(FRP)である項7〜9のいずれか1項に記載の塗膜形成方法。
項11.被塗物が、風力発電機のブレードである項7〜10のいずれか1項に記載の塗膜形成方法。
項12.被塗物上に、項7〜11のいずれか1項に記載の塗膜形成方法により塗膜が形成された塗装物品。
本発明の塗料組成物を用いると、耐衝撃性及び耐水性に優れ、かつ風力発電機のブレード等の基材への密着性に優れた塗膜を該基材表面上に形成できる。また、本発明の塗料組成物を下塗り塗料として使用する場合に上塗り塗膜との密着性に優れた塗膜を形成できる。
塗料組成物
本発明は、(A)ポリオール成分ならびに(B)ポリイソシアネート化合物を含有する塗料組成物であって、該ポリオール成分(A)が、(A1)炭素数8以上の脂肪酸由来の構成単位を有するポリオール及び(A2)水酸基価が50〜400mgKOH/gの範囲内であり、数平均分子量が700〜5,000の範囲内であるビスフェノール骨格を有するポリオールを含有し、該ポリオール(A1)の固形分含有量が、ポリオール成分(A)の合計固形分を基準として、30〜90質量%の範囲内であり、該ポリオール(A2)の固形分含有量が、ポリオール成分(A)の合計固形分を基準として、10〜70質量%の範囲内であることを特徴とする塗料組成物を提供する。
ポリオール成分(A)
本発明において、ポリオール成分(A)は、(A1)炭素数8以上の脂肪酸由来の構成単位を有するポリオール及び(A2)水酸基価が50〜400mgKOH/gの範囲内であり、数平均分子量が700〜5,000の範囲内であるビスフェノール骨格を有するポリオールを含有し、該ポリオール(A1)の固形分含有量が、ポリオール成分(A)の合計固形分を基準として、30〜90質量%の範囲内であり、該ポリオール(A2)の固形分含有量が、ポリオール成分(A)の合計固形分を基準として、10〜70質量%の範囲内である。
炭素数8以上の脂肪酸由来の構成単位を有するポリオール(A1)
本発明において、「炭素数8以上の脂肪酸由来の構成単位を有するポリオール(A1)(以下、成分(A1)と略称することがある)」とは、脂肪酸由来の構成単位を有するポリオールであって、当該ポリオールを構成する脂肪酸由来の構成単位のうち少なくとも1個が炭素数8以上であるものを示す。
成分(A1)の水酸基価は、形成される塗膜の耐衝撃性、耐水性、基材との密着性等の観点から、50〜350mgKOH/g、好ましくは100〜300mgKOH/g、さらに好ましくは150〜250mgKOH/gの範囲内であることが好適である。
成分(A1)としては、例えば、
(A1−1)炭素数8以上の水酸基含有脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物
(A1−2)炭素数8以上の水酸基含有不飽和脂肪酸の多量体
(A1−3)炭素数8以上の不飽和脂肪酸の多量体を還元したポリオール
(A1−4)炭素数8以上の不飽和脂肪酸(a1−4−1)及び/又は炭素数8以上の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物(a1−4−2)を水酸基変性したポリオール
等が挙げられる。
成分(A1−1)を構成する炭素数8以上の水酸基含有脂肪酸としては、例えば、炭素数8〜28、好ましくは10〜20、の水酸基含有脂肪酸が挙げられ、より具体的には、リシノール酸、リシネライジン酸等の水酸基含有不飽和脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン酸、セレブロン酸等の水酸基含有飽和脂肪酸等が挙げられる。これらの水酸基含有脂肪酸は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
成分(A1−1)を構成する多価アルコールとしては、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
炭素数8以上の水酸基含有脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物(A1−1)としては、上記で列挙した炭素数8以上の水酸基含有脂肪酸と、上記で列挙した多価アルコールとのエステル化物等が挙げられる。また、該エステル化物は変性されていてもよい。
本発明の好ましい実施形態において、成分(A1−1)を含むものとしては、ひまし油、ひまし油の変性物等が挙げられる。なかでも、形成される塗膜の耐衝撃性、耐水性、基材との密着性等の観点から、該ひまし油又はひまし油の変性物が、50〜350mgKOH/g、好ましくは100〜300mgKOH/g、さらに好ましくは150〜250mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが好適である。
上記ひまし油は、トウゴマの種子を原料とする植物油であって、リシノール酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸及びパルミチン酸等の飽和脂肪酸のグリセリドであり、主成分はリシノール酸のグリセリドであることが知られている。
また、上記ひまし油の変性物としては、例えば、水添ひまし油、ポリオキシエチレン変性ひまし油、ポリオキシプロピレン変性ひまし油、芳香族変性ひまし油等が挙げられる。
ここで、上記リシノール酸は炭素数8以上の水酸基含有脂肪酸であるため、塗料組成物に成分(A)としてひまし油、又はその変性物を配合したものは、成分(A1−1)を含むこととなる。これらの成分(A1−1)は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
多量体である成分(A1−2)を構成する炭素数8以上の水酸基含有不飽和脂肪酸としては、例えば、成分(A1−1)を構成する炭素数8以上の水酸基含有不飽和脂肪酸の例として列挙したものを使用することができ、好ましくは、リシノール酸、リシネライジン酸等が挙げられる。
多量体としては、特に限定されないが、ダイマー、トリマー、テトラマー等が挙げられ、ダイマーが好ましい。したがって、成分(A1−2)としては、上記で列挙した炭素数8以上の水酸基含有不飽和脂肪酸のダイマー、トリマー、テトラマー等、好ましくはダイマーが挙げられる。これらの成分(A1−2)は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
成分(A1−3)の原料となる炭素数8以上の不飽和脂肪酸の多量体を構成する炭素数8以上の不飽和脂肪酸としては、例えば、炭素数8〜28、好ましくは10〜20、の不飽和脂肪酸が挙げられ、より具体的には、リシノール酸、リシネライジン酸等の水酸基含有不飽和脂肪酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレイン酸等の水酸基を有さない不飽和脂肪酸等が挙げられる。
成分(A1−3)の原料となる炭素数8以上の不飽和脂肪酸の多量体としては、炭素数8以上の不飽和脂肪酸のダイマー、トリマー、テトラマー等が挙げられ、ダイマーが好ましい。したがって、成分(A1−3)の原料となる炭素数8以上の不飽和脂肪酸の多量体としては、上記で列挙した、炭素数8以上の不飽和脂肪酸のダイマー、トリマー、テトラマー等、好ましくはダイマーが挙げられる。
成分(A1−3)としては、上記炭素数8以上の不飽和脂肪酸の多量体をそれ自体公知の方法で還元したものが挙げられる。該成分(A1−3)としては、具体的には、例えば、リシノール酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸のダイマー酸の還元化物等が挙げられる。
また、上記成分(A1−3)の、炭素数8以上の不飽和脂肪酸の多量体を構成する炭素数8以上の不飽和脂肪酸の多量体としては、市販品を使用できる。市販品としては、例えば、CRODA社のPRIPOL2033等が挙げられる。
これらの成分(A1−3)は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
成分(A1−4)の原料となる炭素数8以上の不飽和脂肪酸(a1−4−1)としては、例えば、炭素数8〜28、好ましくは10〜20の不飽和脂肪酸が挙げられ、より具体的には、リシノール酸、リシネライジン酸等の水酸基含有不飽和脂肪酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレイン酸等の水酸基を有さない不飽和脂肪酸等が挙げられる。成分(a1−4−1)としては、上記炭素数の、水酸基を有さない不飽和脂肪酸を使用することが好ましい。
成分(A1−4)の原料となる多価アルコールとしては、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、成分(A1−4)の原料となる炭素数8以上の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物(a1−4−2)としては、例えば、上記の炭素数8以上の不飽和脂肪酸と上記の多価アルコールとのエステル化物等が挙げられ、より具体的には、炭素数8〜28、好ましくは10〜20の不飽和脂肪酸と多価アルコールのエステル化物等が挙げられ、さらに具体的には、炭素数8以上、好ましくは炭素数8〜28、より好ましくは10〜20の不飽和脂肪酸のグリセリドを好適に使用することができる。
上記炭素数8以上の不飽和脂肪酸のグリセリドは、例えば、油脂に含有される。従って、上記成分(A1−4)の原料として、成分(a1−4−2)を用いる場合、炭素数8以上の不飽和脂肪酸のグリセリドを含有する油脂を使用することができる。
上記炭素数8以上の不飽和脂肪酸のグリセリドを含有する油脂としては、例えば、大豆油、ひまし油、パーム油、菜種油等を好適に使用することができる。
成分(A1−4)における上記炭素数8以上の不飽和脂肪酸(a1−4−1)及び/又は炭素数8以上の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物(a1−4−2)の水酸基変性は、それ自体既知の方法で行うことができる。具体的には、例えば、上記成分(a1−4−1)及び/又は(a1−4−2)中の不飽和基を過酸化物でエポキシ化した後、生成したエポキシドと一価又は多価アルコールとを反応させる方法等が挙げられる。
上記成分(a1−4−1)及び/又は(a1−4−2)中の不飽和基をエポキシ化するための過酸化物としては、例えば、過酢酸、過酸化水素等が挙げられる。
上記エポキシドを水酸基変性するための一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の直鎖状1級アルコール;イソプロパノール等の2級アルコール;アリルアルコール等の不飽和基含有アルコール;イソブタノール、ネオペンチルアルコール等の分岐状アルコール;シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の環状アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル;ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。これらの一価アルコールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。上記エポキシドを水酸基変性するための多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記成分(A1−4)としては、市販品を使用できる。市販品としては、例えば、BASF社のSovermol750、Sovermol760、Sovermol805、Sovermol815、Sovermol819、等が挙げられる。
これらの成分(A1−4)は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、これらの成分(A1−1)、成分(A1−2)、成分(A1−3)及び成分(A1−4)は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ビスフェノール骨格を有するポリオール(A2)
本発明において、ポリオール(A2)は、ビスフェノール骨格を有し、水酸基価が50〜400mgKOH/gの範囲内であり、数平均分子量が700〜5,000の範囲内であるポリオールである。
上記ポリオール(A2)としては、ビスフェノール骨格を有し、水酸基価及び数平均分子量が上記の範囲内であるポリオールを特に制限無く使用することができるが、形成される塗膜の耐衝撃性、耐水性、基材との密着性等の観点から、下記一般式(I)
Figure 0006403160
[式I中、R、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又はアリール基を示す]
で表されるビスフェノール化合物(a1)、下記一般式(II)
Figure 0006403160
[式II中、R11及びR12は、各々独立して、水素原子、水酸基又はメチル基を表し、mは0〜4の整数を表し、nは1〜20の整数を表し、n個の
Figure 0006403160
は互いに同じであっても又は互いに異なっていてもよい]
で表されるジグリシジルエーテル化合物(a2)及び水酸基含有カルボン酸(a3)の反応生成物を好適に使用することができる。
ビスフェノール化合物(a1)
ビスフェノール化合物(a1)は、下記一般式(I)
Figure 0006403160
[式I中、R、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又はアリール基を示す]
で表されるビスフェノール化合物である。
上記ビスフェノール化合物(a1)としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(慣用名:ビスフェノールA)、2,2’−、2,4’−及び4,4’−メチレンジフェノールの混合物(慣用名:ビスフェノールF)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(慣用名:ビスフェノールAP)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(慣用名:ビスフェノールB)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(慣用名:ビスフェノールC)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(慣用名:ビスフェノールE)等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記ビスフェノール化合物(a1)としては、形成される塗膜の基材との密着性等の観点から、ビスフェノールA、ビスフェノールFが好ましく、ビスフェノールAがさらに好ましい。
ジグリシジルエーテル化合物(a2)
ジグリシジルエーテル化合物(a2)は、下記一般式(II)
Figure 0006403160
[式II中、R11及びR12は、各々独立して、水素原子、水酸基又はメチル基を表し、mは0〜4の整数を表し、nは1〜20の整数を表し、n個の
Figure 0006403160
は互いに同じであっても又は互いに異なっていてもよい]
で表される化合物である。
上記ジグリシジルエーテル化合物(a2)としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エチレン(プロピレン)グリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレン(プロピレン)グリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、本明細書において、「ポリエチレン(プロピレン)グリコール」は、エチレングリコールとプロピレングリコールの共重合体を意味し、ブロック共重合体とランダム共重合体のいずれも含むものとする。
また、上記ジグリシジルエーテル化合物(a2)としては、市販品を使用できる。市販品の商品名としては、例えば、「エポライト40E」、「エポライト100E」、「エポライト200E」、「エポライト400E」、「エポライト70P」、「エポライト200P」、「エポライト400P」、「エポライト1500NP」、「エポライト1600」、「エポライト80MF」(以上、共栄社化学社製)等が挙げられる。
上記ジグリシジルエーテル化合物(a2)としては、形成される塗膜の耐衝撃性、特に低温下における耐衝撃性等の観点から、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルを好適に使用することができる。
また、上記ジグリシジルエーテル化合物(a2)の数平均分子量は、形成される塗膜の耐衝撃性、耐水性、塗料中の希釈有機溶剤量の低減等の観点から、150〜3,000、好ましくは200〜2,000、さらに好ましくは250〜1,500の範囲内であることが好適である。
なお、本明細書において、数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G4000HXL」、「TSKgel G3000HXL」、「TSKgel G2500HXL」及び「TSKgel G2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
水酸基含有カルボン酸(a3)
水酸基含有カルボン酸(a3)は、分子内に1個以上の水酸基及び1個以上のカルボン酸を有する化合物である。
上記水酸基含有カルボン酸(a3)としては、例えば、ヒドロキシエタン酸(慣用名:グリコール酸)、2−ヒドロキシプロパン酸(慣用名:乳酸)、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸(慣用名:ヒドロキシピバリン酸)、2,3−ジヒドロキシプロパン酸(慣用名:グリセリン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸(慣用名:ジメチロールプロピオン酸)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸(慣用名:ジメチロールブタン酸)等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記水酸基含有カルボン酸(a3)の数平均分子量は、形成される塗膜の耐衝撃性、耐水性等の観点から、70〜500、好ましくは100〜300の範囲内であることが好適である。
上記水酸基含有カルボン酸(a3)としては、形成される塗膜の耐衝撃性、耐水性等の観点から、分子内に2個以上の水酸基を有する水酸基含有カルボン酸を好適に使用することができる。
上記分子内に2個以上の水酸基を有する水酸基含有カルボン酸としては、例えば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸等が挙げられ、なかでも、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸を好適に使用することができる。
ポリオール(A2)の製造方法
ビスフェノール骨格を有するポリオール(A2)は、例えば、上記ビスフェノール化合物(a1)とジグリシジルエーテル化合物(a2)とを、ジグリシジルエーテル化合物(a2)中のエポキシ基が、ビスフェノール化合物(a1)中の水酸基の量に対して過剰量となる比率で反応させてエポキシ基含有化合物を得た後、該エポキシ基含有化合物中のエポキシ基と、上記水酸基含有カルボン酸(a3)中のカルボキシル基とを付加反応させることにより製造することができる。
上記ビスフェノール化合物(a1)とジグリシジルエーテル化合物(a2)との反応は、例えば、必要に応じて、触媒、溶媒等を適宜配合し、反応温度40〜200℃、好ましくは60〜180℃、反応時間0.2〜20時間、好ましくは0.5〜10時間で好適に行うことができる。
上記触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド等の塩基性金属塩;ジメチルベンジルアミン、トリブチルアミン等のアミン化合物;テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムクロリド等のオニウム塩等を使用することができる。
また、前記溶媒としては、有機溶剤、水等を使用することができる。
上記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の炭化水素系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール等のアルコール系溶剤;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノール等の芳香族アルキルアルコール系溶剤;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール系溶剤等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記ビスフェノール化合物(a1)とジグリシジルエーテル化合物(a2)との反応によって得られるエポキシ基含有化合物中のエポキシ基と、前記水酸基含有カルボン酸(a3)中のカルボキシル基との付加反応は、例えば、必要に応じて、触媒、溶媒等を適宜配合し、40〜200℃の反応温度で行うことができる。特に限定されるものではなく、通常の方法に従って行なうことができる。
本発明において、上記ポリオール(A2)の水酸基価は50〜400mgKOH/gの範囲内である。なかでも、形成される塗膜の耐衝撃性、耐水性等の観点から、150〜300mgKOH/g、好ましくは200〜250mgKOH/gの範囲内であることが好適である。
上記ポリオール(A2)の水酸基価の調整は、例えば、前記ビスフェノール化合物(a1)、ジグリシジルエーテル化合物(a2)及び水酸基含有カルボン酸(a3)の分子量の調整;該成分(a1)、(a2)及び(a3)の配合割合の調整;該成分(a1)、(a2)及び(a3)の反応時間の調整;成分(a3)の水酸基数の調整等により行うことができる。
また、本発明において、上記ポリオール(A2)の数平均分子量は700〜5,000の範囲内である。なかでも、形成される塗膜の耐衝撃性、耐水性等の観点から、900〜2,000、好ましくは1,000〜1,500の範囲内であることが好適である。
上記ポリオール(A2)の数平均分子量の調整は、例えば、前記ビスフェノール化合物(a1)、ジグリシジルエーテル化合物(a2)及び水酸基含有カルボン酸(a3)の分子量の調整;該成分(a1)、(a2)及び(a3)の配合割合の調整;該成分(a1)、(a2)及び(a3)の反応時間の調整等により行うことができる。
本発明の塗料組成物は、ポリオール成分(A)として、上記ポリオール(A1)及び(A2)を含有し、該ポリオール(A1)及び(A2)の固形分含有量は、形成される塗膜の耐衝撃性、耐水性、基材に対する密着性、上塗り塗膜との密着性等の観点から、ポリオール成分(A)の合計固形分を基準として、下記の範囲内であることが好適である。
ポリオール(A1):30〜90質量%、好ましくは40〜80質量%、さらに好ましくは50〜70質量%、
ポリオール(A2):10〜70質量%、好ましくは20〜60質量%、さらに好ましくは30〜50質量%。
本発明においてポリオール成分(A)は、上記ポリオール(A1)及び(A2)以外のポリオールを含んでいてもよい。
上記ポリオール(A1)及び(A2)以外のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、水添ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、ソルビトール、マンニット、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリレートポリオール等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記ポリオール(A1)及び(A2)以外のポリオールは、塗膜性能を損なわない範囲であれば含有することができる。上記ポリオール(A1)及び(A2)以外のポリオールを配合する場合、その配合割合は、ポリオール成分(A)の合計固形分を基準として、30質量%以下であることが好ましい。
ポリイソシアネート化合物(B)
ポリイソシアネート化合物(B)は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であって、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、該ポリイソシアネートの誘導体等を挙げることができる。
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸メチル(慣用名:リジンジイソシアネート)等の脂肪族ジイソシアネート;2,6−ジイソシアナトヘキサン酸2−イソシアナトエチル、1,6−ジイソシアナト−3−イソシアナトメチルヘキサン、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタン等の脂肪族トリイソシアネート等を挙げることができる。
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(慣用名:イソホロンジイソシアネート)、4−メチル−1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート(慣用名:水添TDI)、2−メチル−1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−若しくは1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(慣用名:水添キシリレンジイソシアネート)若しくはその混合物、メチレンビス(4,1−シクロヘキサンジイル)ジイソシアネート(慣用名:水添MDI)、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン等の脂環族トリイソシアネート等を挙げることができる。
前記芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンビス(4,1−フェニレン)ジイソシアネート(慣用名:MDI)、1,3−もしくは1,4−キシリレンジイソシアネート又はその混合物、ω,ω'−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−又は1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(慣用名:テトラメチルキシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼン等の芳香脂肪族トリイソシアネート等を挙げることができる。
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(慣用名:2,4−TDI)もしくは2,6−トリレンジイソシアネート(慣用名:2,6−TDI)もしくはその混合物、4,4'−トルイジンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン等の芳香族トリイソシアネート;4,4'−ジフェニルメタン−2,2',5,5'−テトライソシアネート等の芳香族テトライソシアネート等を挙げることができる。
また、前記ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネートのダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)、クルードTDI等を挙げることができる。
上記ポリイソシアネート及びその誘導体は、それぞれ単独で用いてもよく又は2種以上併用してもよい。
また、前記ポリイソシアネート化合物(B)としては、上記ポリイソシアネート又はその誘導体と、該ポリイソシアネートと反応し得る化合物とを、イソシアネート基過剰の条件で反応させてなるプレポリマーを使用してもよい。該ポリイソシアネートと反応し得る化合物としては、例えば、水酸基、アミノ基等の活性水素基を有する化合物が挙げられ、具体的には、例えば、多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂、アミン、水等を使用することができる。
また、前記ポリイソシアネート化合物(B)としては、イソシアネート基含有重合性不飽和モノマーの重合体、又は該イソシアネート基含有重合性不飽和モノマーと該イソシアネート基含有重合性不飽和モノマー以外の重合性不飽和モノマーとの共重合体を使用してもよい。
上記ポリイソシアネート化合物(B)としては、上記ポリイソシアネート化合物の有するイソシアネート基がブロック化されたブロック化ポリイソシアネート化合物を用いても良い。ブロック化剤としては、例えば、フェノール化合物;ラクタム化合物;アルコール化合物;オキシム化合物;メルカプタン化合物;マロン酸ジメチル;マロン酸ジエチル等の活性メチレン化合物等を好適に使用することができる。ブロック化は、ブロック化していないポリイソシアネート化合物とブロック化剤とを混合することによって容易に行うことができる。これらのポリイソシアネート化合物は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、ブロック化していないポリイソシアネート化合物とブロック化ポリイソシアネート化合物とを併用することもできる。
ポリイソシアネート化合物(B)としては、形成される塗膜の耐水性等の観点から、1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する化合物を使用することが好ましい。
ポリイソシアネート化合物(B)とポリオール(A)との配合割合は、形成される塗膜の耐衝撃性、耐水性、基材に対する密着性、上塗り塗膜との密着性等の観点から、ポリイソシアネート化合物(B)が有するイソシアネート基(NCO)とポリオール(A)が有する水酸基(OH)とのモル比が、NCO/OH=0.5/1.0〜1.5/1.0、好ましくは0.7/1.0〜1.3/1.0の範囲内であることが好適である。
硬化触媒(C)
本発明の塗料組成物は、硬化触媒(C)を含むことができる。
上記硬化触媒(C)としては、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫サルファイト、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫脂肪酸塩、2−エチルヘキサン酸鉛、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、脂肪酸亜鉛類、オクタン酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸ビスマス、オレイン酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、バーサチック酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス、ナフテン酸コバルト、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸銅、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート等の有機金属化合物;第三級アミン;芳香族アミン;イミダゾール化合物等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合せて使用することができる。
本発明の塗料組成物が上記硬化触媒(C)を含有する場合、該硬化触媒(C)の配合量は、形成される塗膜の耐衝撃性、耐水性、基材に対する密着性、上塗り塗膜との密着性等の観点から、本発明の塗料組成物中のポリオール成分(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分100質量部を基準として、0.0001〜5質量部、好ましくは0.001〜2質量部、さらに好ましくは0.005〜1質量部の範囲内であることが好適である。
顔料(D)
本発明の塗料組成物は、顔料(D)を含有することができる。
上記顔料(D)としては、例えば、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料等を挙げることができる。該顔料(D)は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等が挙げられる。なかでも、形成される塗膜の耐衝撃性、特に低温下における耐衝撃性等の観点から、酸化チタンを好適に使用することができる。
前記体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイト等が挙げられる。なかでも、形成される塗膜の耐衝撃性、特に低温下における耐衝撃性等の観点から、クレー、炭酸カルシウム、タルクを好適に使用することができる。
前記光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム(蒸着アルミニウムも含む)、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、ガラスフレーク、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタン及び/又は酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタン及び/又は酸化鉄で被覆された雲母等が挙げられる。アルミニウム顔料には、ノンリーフィング型アルミニウム顔料とリーフィング型アルミニウム顔料があるが、いずれも使用することができる。
上記顔料(D)は直接塗料組成物中に添加してもよく、顔料分散剤、顔料分散樹脂と混合して分散し、ペースト化してから塗料に配合してもよい。顔料分散剤、顔料分散樹脂、分散方法は公知のものを使用することができる。上記顔料(D)は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の塗料組成物が、上記顔料(D)を含有する場合、該顔料(D)の配合量は、形成される塗膜の耐衝撃性、特に低温下における耐衝撃性等の観点から、前記ポリオール成分(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分100質量部を基準として、1〜200質量部、好ましくは20〜150質量部、さらに好ましくは30〜100質量部の範囲内であることが好適である。
その他の成分
本発明の塗料組成物は、さらに、塗膜性能を損なわない範囲で、ポリオール成分(A)以外の樹脂、溶媒、紫外線吸収剤(例えばベンゾトリアゾール系吸収剤、トリアジン系吸収剤、サリチル酸誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤等)、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン類等)、増粘剤、消泡剤、表面調整剤、沈降防止剤、防錆剤、キレート剤(アセチルアセトン等)、脱水剤、可塑剤等の公知の塗料用添加剤を含むことができる。
塗料組成物
本発明の塗料組成物の形態は、特に限定されるものではなく、水性塗料、有機溶剤型塗料及び無溶剤型塗料のいずれの形態であってもよい。なお、本明細書において、水性塗料とは、有機溶剤型塗料と対比される用語であって、一般に、水又は水を主成分とする媒体(水性媒体)に、塗膜形成性樹脂、顔料等を分散及び/又は溶解させた塗料を意味する。
本発明の塗料組成物が水性塗料である場合、該塗料組成物中の水の含有量は、該塗料組成物中の溶媒の合計量を基準として、51〜100質量%、好ましくは60〜95質量%の範囲内であることが好適である。
また、上記有機溶剤型塗料とは、溶媒として実質的に水を含有しない又は溶剤の全て又はほとんどが有機溶剤である塗料である。本発明の塗料組成物は、塗料の貯蔵安定性の観点から、有機溶剤型塗料又は非水分散液型塗料であることが好適である。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールエーテル類;芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等が挙げられる。有機溶剤としては、特に限定されず使用することができるが、人体や環境への影響の観点から、トルエンやキシレン等を含まないことが好ましい。
上記有機溶剤は、粘度の調整、塗布性の調整等の目的に応じて適宜組み合わせて使用することができる。
本発明の塗料組成物は、固形分含有率を30質量%以上、好ましくは50質量%以上の範囲内に調整して塗装することが塗装作業性と排出される有機溶剤量削減の点から好ましい。
本明細書において固形分とは、揮発成分を除いた残存物を意味するものであり、残存物としては常温で固形状であっても液状であっても差し支えない。固形分質量は、乾燥前質量に対する乾燥させた後の残存物質量の割合を固形分含有率とし、固形分含有率を乾燥前の試料質量に乗じることで算出することができる。上記固形分を測定する際の試料の乾燥条件としては、例えば、120℃で30分間加熱する方法が挙げられる。
本発明の塗料組成物は、一液型塗料であってもよいし、二液型塗料等の多液型塗料であってもよい。なかでも、貯蔵安定性及び塗装作業性の観点から、本発明の塗料組成物が、ポリオール(A)を含む主剤と、ポリイソシアネート化合物(B)を含む硬化剤とからなる二液型塗料であることが好ましく、使用直前に両者を混合して使用することが好適である。
また、前記硬化触媒(C);顔料(D);水あるいは有機溶剤等の溶媒;顔料分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、増粘剤、消泡剤、表面調整剤、沈降防止剤、防錆剤、キレート剤、可塑剤等の各種添加剤等は、上記主剤又は硬化剤のいずれか、もしくはその両方に適宜含有させることができる。
また、本発明の塗料組成物が、一液型塗料である場合には、ポリイソシアネート化合物(B)としてブロック化ポリイソシアネート化合物を使用することが好ましい。
塗膜形成方法
本発明は、被塗物に前記塗料組成物を塗装して塗膜を形成する塗膜形成方法を提供する。
被塗物としては、特に制限されないが、金属又はプラスチックの基材、該基材にエポキシ樹脂を含むゲルコート材を積層したものを好適に使用することができる。
<金属基材>
金属基材としては、金属であればとくに制限なく、例えば、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉄、ニッケル、クロム、金、銀、銅、錫、白金、パラジウム、ジルコニウム、タングステン等の金属そのもの及びこれらの金属の少なくとも2種類以上の合金等の金属材料が挙げられる。2種以上の金属材料としては、Zn−Al、Zn−Ni、Zn−Fe等の合金化亜鉛、ステンレス鋼、上記金属材料でメッキした鋼等が挙げられる。
<プラスチック基材>
プラスチック基材としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート等のポリエステル樹脂;スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−アクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート等のスチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、メタキシリレンアジパミド等のポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート・エチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル等の塩化ビニリデン樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂及び各種の繊維強化プラスチック(FRP)等のプラスチック材料を挙げることができる。上記プラスチック基材は、樹脂2種以上のハイブリッド樹脂であっても構わない。
上記繊維強化プラスチック(FRP)とは、強化繊維をプラスチックの中に含めることでその強度を向上させたものを意味する。
FRPに用いる強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、セルロース繊維等任意の公知の強化繊維が使用可能であり、複数種の強化繊維の併用も可能である。特に、ガラス繊維及び炭素繊維を含めることにより、プラスチック基材そのものにくらべ、比強度、比弾性率が優れる。軽量で優れた機械物性をもつFRP材料を得るためには、該強化繊維を単独で、あるいは2種以上の強化繊維を用いることが好ましいが、特に安価で強度が高いことから、ガラス繊維が含まれていることが好ましい。強化繊維中にしめるガラス繊維の比率は10〜100質量%であることが好ましい。
FRPのマトリックス樹脂(基体樹脂ともいい、母材となるプラスチックで、成形後に基材となる樹脂のことである)としては、例えば、上記のプラスチック基材の項で挙げた樹脂等を使用することができる。上記マトリックス樹脂としては、強化繊維との密着性の点からエポキシ樹脂を好適に使用することができる。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスクレゾールフルオレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、t−ブチルカテコール型エポキシ樹脂等の二官能型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ノニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂等の多価エポキシ樹脂、これらエポキシ樹脂を二塩基酸等で変性したエポキシエステル樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂等を挙げることができる。
本発明の塗料組成物は、上記のマトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を含有する繊維強化プラスチック材料(FRP)との密着性に優れた塗膜を形成できるため、被塗物が該マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を含有する繊維強化プラスチック材料(FRP)であることが好ましい。
また、上記マトリックス樹脂はさらに硬化剤を含有してもよい。該硬化剤としては、例えば、アミン化合物、酸無水物化合物、ポリイミド化合物、ポリイソシアネート化合物及びイミダゾール化合物等が挙げられる。
FRPの成形方法としては、公知のものを使用することができ、金型を用いて製造するシートモールディングコンパウンド(SMC)成形法、レジンインフュージョン(RIMP)成形法、プリプレグ/オートクレーブプレス法等が挙げられる。
上記金属基材若しくは各種プラスチック基材、それから成形された部品等は、その表面が洗剤や溶剤を用いた脱脂、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理、洗浄、研磨等の表面処理が施されたものであってもよい。
また、本発明に係る被塗物は、上記金属基材若しくは各種プラスチック基材上に、ゲルコート材が積層されたものであってもよい。
ここで、ゲルコート材とは、金型を用いてFRP基材の表面に成形するための塗料組成物のことをいう。ゲルコート材の積層方法としては、型の内面に予め外板の表面となりうる被膜形成樹脂をコーティングして被膜を形成し、強化繊維基材を該ゲルコート材の上に配して型を閉じ、次に、FRP用樹脂を注入、硬化させ、脱型して、FRP外板の表面に該コーティングを転写する方法や、金型内に予め繊維強化プラスチック材料(以下FRP材料と略すことがある)を加熱・成形せしめ、次いで得られた成形物と金型内壁との間に上記ゲルコート材を注入し、該ゲルコート材を硬化させた後、被覆された成形物を金型から取り出す方法等が挙げられる。
上記ゲルコート材の構成成分としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、硝化綿(ニトロセルロース)系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ビニルエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレア樹脂等の樹脂成分、ポリイソシアネート化合物等の硬化剤、顔料、染料、離型剤等が挙げられる。なかでも、形成される塗膜の耐衝撃性、耐水性等の観点から、上記ゲルコート材がエポキシ樹脂を含有することが好ましい。
<その他の被塗物>
また、上記以外の被塗物としては、密着性が満足する範囲であれば、ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;木材;繊維材料(紙、布等)等であってもよい。
また、これらの被塗物に応じて適宜、脱脂処理や表面処理等をすることができる。
上記被塗物に対する本発明の塗料組成物の塗装方法は、特に制限されるものではなく、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、ローラー塗装、ハケ塗装、流し塗り、浸漬塗装、しごき塗装、型内塗装等の塗装方法が挙げられる。
また、本発明の塗料組成物によって形成される塗膜の厚さは、耐衝撃性等の観点から、硬化塗膜に基づいて50〜1,000μm、好ましくは70〜600μm、さらに好ましくは100〜400μmの範囲内であることが好適である。
本発明の塗膜形成方法においては、通常、所定の膜厚となるように塗装した後に、塗膜を例えば、常温(5〜35℃)で、乾燥硬化することにより硬化塗膜を得ることができる。塗装時における相対湿度(以下RHと略すことがある)は70%RH以下が好ましく、60%RH以下がより好ましい。常温乾燥の硬化時間としては、1日以上が好ましく、3日以上がより好ましい。
また、塗膜の乾燥硬化は加熱によって行ってもよく、加熱の際の温度としては、例えば、30〜100℃が好ましく、35〜90℃がより好ましい。加熱時間としては、例えば、5〜120分が好ましく、10〜100分がより好ましい。
また、本発明の塗膜形成方法としては、被塗物上に、本発明の塗料組成物を塗装して下塗り塗膜を形成した後、該下塗り塗膜上に上塗り塗料組成物を塗装して上塗り塗膜を形成することもできる。
具体的には、例えば、被塗物上に、本発明の塗料組成物を塗装して、耐衝撃性、耐水性及び被塗物に対する密着性に優れた下塗り塗膜を形成した後、該下塗り塗膜上に、耐衝撃性、耐水性及び仕上がり性等に優れた上塗り塗料を塗装して上塗り塗膜を形成することにより、耐衝撃性、耐水性、密着性及び仕上がり性に優れた複層塗膜を形成することができる。
<上塗り塗膜>
上塗り塗膜とは、本発明の塗料組成物により形成される塗膜の上に形成される塗膜であり、通常、耐レインエロージョン性、耐チッピング性等の耐衝撃性、耐水性、仕上がり性等に優れることが求められる。
上記上塗り塗膜を形成するための上塗り塗料組成物の構成成分としては、具体的には、例えば、被膜形成性樹脂、架橋剤、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料、防錆顔料、導電性顔料等を含有する塗料組成物を好適に使用でき、さらに、該上塗り塗料組成物は、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化触媒、可塑剤、付着付与剤、相溶化剤、消泡剤、粘性調整剤、防錆剤、表面調整剤等の塗料添加剤を適宜含有させることができる。
被膜形成性樹脂の種類としては、例えば、ポリオール、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂及びこれらの水酸基含有樹脂等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、架橋剤を配合することによって架橋させてもよく、架橋剤を配合せず実質的に未架橋でもよい。架橋剤としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂等のアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物等を好適に使用することができる。
上記上塗り塗料組成物としては、形成される塗膜の耐衝撃性、耐水性、仕上がり性、本発明の塗料組成物によって形成される下塗り塗膜との密着性等の観点から、ひまし油及びひまし油の変性物から選ばれるポリオールならびにポリイソシアネート化合物を含有する塗料組成物を好適に使用することができる。
上記ひまし油及びひまし油の変性物から選ばれるポリオールは、前記炭素数8以上の水酸基含有脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物(A1−1)または炭素数8以上の不飽和脂肪酸(a1−4−1)及び/又は炭素数8以上の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物(a1−4−2)を水酸基変性したポリオール(A1−4)の説明欄に記載されたポリオールであることができる。
また、上記ポリイソシアネート化合物は、前記ポリイソシアネート化合物(B)の説明欄に記載されたポリイソシアネート化合物であることができる。 上記上塗り塗料組成物としては、有機溶剤型塗料組成物、水性塗料組成物のいずれを用いてもよく、無溶剤型塗料組成物であってもよい。
下塗り塗膜に対する上塗り塗料組成物の塗装方法は、特に制限されるものではなく、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、ローラー塗装、ハケ塗装等の塗装方法が挙げられる。
また、上塗り塗料組成物によって形成される上塗り塗膜の厚さは、耐衝撃性等の観点から、硬化塗膜に基づいて30〜500μm、好ましくは50〜300μmの範囲内であることが好適である。
本発明の塗膜形成方法においては、通常、所定の膜厚となるように上塗り塗料組成物を塗装した後に、塗膜を例えば、常温(5〜35℃)で、乾燥硬化することにより硬化した上塗り塗膜を得ることができる。塗装時における相対湿度は70%RH以下が好ましく、60%RH以下がより好ましい。常温乾燥の硬化時間としては、1日以上が好ましく、3日以上がより好ましい。塗膜の乾燥硬化は加熱によって行ってもよく、加熱の際の温度としては、例えば、30〜100℃が好ましく、35〜90℃がより好ましい。加熱時間としては、例えば、5〜120℃が好ましく、10〜100分がより好ましい。
本発明の塗料組成物が塗装された被塗物の用途としては、特に限定されず、強い雨風・砂等にさらされる物品又はその部品が特に好ましい。例えば、風力発電機のブレード、航空機やヘリコプターの翼、自動車や自転車、建機の車体等が挙げられる。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらにより限定されない。各例において、「部」及び「%」は、特記しない限り、質量基準による。また、塗膜の膜厚は硬化塗膜に基づく。
ポリオールの製造
製造例1
反応容器に、ビスフェノールA 230部、「エポライト200P」(商品名、共栄社化学社製、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量200g/eq、分子量400)800部、ジメチルベンジルアミン0.2部を加え、160℃でエポキシ当量が515g/eqになるまで反応させた。次いで、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸270部を加え、130℃でエポキシ当量が30,000g/eq以上になるまで反応させた後、更に溶媒としてエチレングリコールモノブチルエーテルを加え、固形分80%のポリオール(A2−1)溶液を得た。ポリオール(A2−1)の水酸基価は220mgKOH/g、数平均分子量は1,300であった。
製造例2〜10
製造例1において、配合組成、水酸基含有カルボン酸(a3)添加時のエポキシ当量及び反応終了時のエポキシ当量を表1に示すものとする以外は、製造例1と同様にして、固形分80%のポリオール(A2−2)〜(A2−10)溶液を得た。各ポリオールの水酸基価及び数平均分子量を表1にあわせて示す。なお、ポリオール(A2−1)〜(A2−6)は、本発明に係る水酸基価が50〜400mgKOH/gの範囲内であり、数平均分子量が700〜5,000の範囲内であるビスフェノール骨格を有するポリオール(A2)に該当する。また、ポリオール(A2−7)〜(A2−10)は、比較例用の製造例である。
Figure 0006403160
Figure 0006403160
表1における(注)は下記を意味する。
(注1)「エポライト40E」:商品名、共栄社化学社製、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量133g/eq、分子量265。
(注2)「エポライト1500NP」:商品名、共栄社化学社製、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量150g/eq、分子量300。
(注3)「プラクセル205」:商品名、ダイセル社製、ポリカプロラクトンジオール、水酸基価212mgKOH/g、数平均分子量530。
(注4)「jER 828」:商品名、三菱化学社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量189g/eq。
塗料組成物の製造
実施例1
「URIC H−30」(商品名、伊藤製油社製、ひまし油系ポリオール、水酸基価160mgKOH/g、固形分含有率100%)60部、製造例1で得られたポリオール(A2−1)溶液50部(固形分40部)、「ミリオネート MR−200」(商品名、東ソー社製、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、NCO含有率31.6%、固形分含有率100%)44部及びジブチル錫ジラウレート0.01部を均一に混合し、さらに固形分が80%となるようにメチルエチルケトンで希釈攪拌して、塗料組成物(X−1)を得た。
実施例2〜22、比較例1〜8
実施例1において、配合組成を表2に示すものとする以外は、実施例1と同様にして、固形分80%の塗料組成物(X−2)〜(X−30)を得た。なお、表2に示す配合組成は、各成分の固形分質量による。
Figure 0006403160
Figure 0006403160
Figure 0006403160
Figure 0006403160
Figure 0006403160
表2における(注)は下記を意味する。
(注5)「URIC H−81」:商品名、伊藤製油社製、ひまし油系ポリオール、水酸基価340mgKOH/g、固形分含有率100%。
(注6)「URIC H−1824」:商品名、伊藤製油社製、ひまし油系ポリオール、水酸基価66mgKOH/g、固形分含有率100%。
(注7)「URIC AC−009」:商品名、伊藤製油社製、芳香族骨格含有ひまし油系変性ポリオール、水酸基価225mgKOH/g、固形分含有率100%。
(注8)「デスモジュールN3600」:製品名、住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体(略:HDIヌレート)、NCO含有量23.0%、固形分含有率100%。
(注9)「TIPAQUE CR−95」(商品名、石原産業社製、酸化チタン顔料)
(注10)「タルクMS」(商品名、日本タルク社製、タルク)
(注11)「タンカル200」(商品名、竹原化学工業社製、炭酸カルシウム)
上塗り塗料組成物の製造
製造例11
ひまし油(水酸基価160mgKOH/g)50部、「TIPAQUE CR−95」(商品名、石原産業社製、酸化チタン顔料)100部及び酢酸ブチル37.5部を混合し、サンドミルで分散を行い、分散ペーストを得た。得られた分散ペーストに、「プラクセル410」(商品名、ダイセル社製、ポリカプロラクトンテトラオール、数平均分子量1,000、水酸基価224mgKOH/g、固形分含有率100%)50部、1,2−ジメチルイミダゾール0.5部、「スミジュール N3300」(商品名、住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体、NCO含有量=21.8%、固形分含有率100%)66部を混合し、固形分が80%となるように酢酸ブチルを加えて攪拌することにより、上塗り塗料組成物(Y−1)を得た。
試験板の作製
被塗物
被塗物(a):繊維強化プラスチック(FRP)板
「エピコート828」(製品名、ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、固形分100%) 82部、「セイカキュア−S」(製品名、和歌山精化社製、ジアミノジフェニルスルフォン、固形分100%) 6部、フェニルジメチルウレア(平均粒径 50μm、固形分100%) 5.0部、ジシアンジアミド(平均粒径 7μm)7部加えて、均一になるまで混合し、マトリックス樹脂用のエポキシ樹脂組成物を得た。
このエポキシ樹脂組成物をロールコーターで離型紙上30g/mの塗布量となるように均一に塗布し樹脂層を形成した。ガラス繊維125g/mの両面をこの樹脂層ではさみ、ローラーで100℃、2kg/cmの条件で加圧加熱してプリプレグを得た。
このプリプレグを繊維方向が交互に直交するように16枚積層し、金型で130℃に加熱しながら10kg/cmの圧力を15分間かけて厚さ10mmの成型板を得た。得られた成型板を200mm×100mmに裁断したものをイソプロピルアルコールで脱脂して被塗物(a)とした。
被塗物(b):アルミ板
200mm×100mm×0.6mmのクロメート処理したアルミニウム板を被塗物(b)とした。
被塗物(c):鋼板
200mm×100mm×0.6mmのリン酸亜鉛処理された鋼板を石油ベンジンで脱脂して被塗物(c)とした。
実施例23
前記被塗物(a)上に、実施例1で得た塗料組成物(X−1)を、エアスプレーを用いて膜厚が150μmとなるように塗装し、20℃、60%RHの室内で7日間放置して、乾燥・硬化させることにより、試験板を得た。
実施例24〜46、比較例9〜16
被塗物及び塗料組成物として、表3に記載のものを使用する以外は、実施例23と同様にして、各試験板を得た。
評価試験1
実施例23〜46及び比較例9〜16で得られた各試験板について、下記の試験方法により評価を行なった。評価結果を下記表3に示す。
試験方法
被塗物との密着性(初期密着性):各試験板の塗面に、JIS K 5600−5−6(1990)に準じて2mm×2mmのゴバン目を100個作り、その面に粘着テープを貼着し、急激に剥がした後にゴバン目塗膜の残存状態を調べ、下記基準で密着性を評価した。
A:残存個数/全体個数=100個/100個で、縁欠けしたゴバン目塗膜が0個
B:残存個数/全体個数=100個/100個で、縁欠けしたゴバン目塗膜が1〜5個
C:残存個数/全体個数=100個/100個で、縁欠けしたゴバン目塗膜が6個以上
D:残存個数/全体個数=99個〜90個/100個
E:残存個数/全体個数=89個以下/100個。
被塗物との密着性(耐水密着性):試験板を40℃の温水に240時間浸漬した後、水洗し、室温で12時間乾燥してから、上記初期密着性試験と同様にしてゴバン目試験を行った。評価基準は初期密着性試験の場合と同じである。
常温耐衝撃性:JIS K 5600−5−3(1999)に準拠した方法で塗膜の耐衝撃性試験を行った。おもり落下としてはデュポン式を採用し、以下の測定条件における評価結果から、下記基準にて耐衝撃性を総合評価した。試験板は23℃、50%RHの雰囲気下で24時間静置したものを用いた。
(測定条件)
条件:おもり質量500g、高さ50cm
(評価基準)
◎:塗膜のワレ、ハガレが生じない
〇:塗膜のワレが微小で、ハガレが生じない
△:塗膜に微小なワレとハガレが生じるもの
×:塗膜に著しいワレとハガレが生じるもの。
低温耐衝撃性:JIS K 5600−5−3(1999)に準拠した方法で塗膜の耐衝撃性試験を行った。おもり落下としてはデュポン式を採用し、以下の2つの測定条件における評価結果から、下記基準にて耐衝撃性を総合評価した。試験板は0℃、50%RHの雰囲気下で24時間静置したものを用いた。
(測定条件)
条件I:おもり質量500g、高さ50cm
条件II:おもり質量500g、高さ25cm。
(評価基準)
◎:塗膜のワレ、ハガレが生じない
〇:塗膜のワレが微小で、ハガレが生じない
△:塗膜に微小なワレとハガレが生じるもの
×:塗膜に著しいワレとハガレが生じるもの。
(総合評価基準)
A:条件I:◎、かつ条件II:◎
B:条件I:○、かつ条件II:◎
C:条件I:○、かつ条件II:○
D:条件I:△又は×、かつ条件II:◎又は○
E:条件I:△又は×、かつ条件II:△又は×
Figure 0006403160
実施例47
前記被塗物(a)上に、実施例1で得た塗料組成物(X−1)を、エアスプレーを用いて膜厚が150μmとなるように塗装し、20℃、60%RHで7日間放置して、硬化塗膜を得た。次に、該硬化塗膜上に、製造例11で得た上塗り塗料組成物(Y−1)を、エアレススプレーを用いて膜厚が150μmとなるように塗装し、20℃、60%RHで7日間放置し、乾燥・硬化させることにより、試験板を得た。得られた試験板は、後記上塗り塗料との密着性試験に供した。表4に評価結果を示す。
実施例48〜70、比較例17〜24
被塗物及び塗料組成物として、表4に記載のものを使用する以外は、実施例47と同様にして、各試験板を得た。
評価試験2
実施例47〜70及び比較例17〜24で得られた各試験板について、下記の試験方法により評価を行なった。評価結果を下記表4に示す。なお、前記評価試験1の中の被塗物との密着性(初期密着性)試験において、被塗物との界面で塗膜の剥離が生じたもの(D又はE評価のもの)は、本評価試験2の対象外とした。
試験方法
上塗り塗膜との密着性:各試験板の塗面に、JIS K 5600−5−6(1990)に準じて2mm×2mmのゴバン目100個を作り、その面に粘着テープを貼着し、急激に剥がした後にゴバン目塗膜の残存状態を調べ、下記基準で密着性を評価した。
A:残存個数/全体個数=100個/100個で、縁欠けしたゴバン目塗膜が0個
B:残存個数/全体個数=100個/100個で、縁欠けしたゴバン目塗膜が1〜5個
C:残存個数/全体個数=100個/100個で、縁欠けしたゴバン目塗膜が6個以上
D:残存個数/全体個数=99個〜90個/100個
E:残存個数/全体個数=89個以下/100個
−:本評価の対象外。
常温耐衝撃性:JIS K 5600−5−3(1999)に準拠した方法で塗膜の耐衝撃性試験を行った。おもり落下としてはデュポン式を採用し、以下の測定条件における評価結果から、下記基準にて耐衝撃性を総合評価した。試験板は23℃、50%RHの雰囲気下で24時間静置したものを用いた。
(測定条件)
条件:おもり質量500g、高さ50cm
(評価基準)
◎:塗膜のワレ、ハガレが生じない
〇:塗膜のワレが微小で、ハガレが生じない
△:塗膜に微小なワレとハガレが生じるもの
×:塗膜に著しいワレとハガレが生じるもの。
−:本評価の対象外。
Figure 0006403160

Claims (10)

  1. 被塗物上に、(A)ポリオール成分ならびに(B)ポリイソシアネート化合物を含有する塗料組成物であって、該ポリオール成分(A)が、(A1)炭素数8以上の脂肪酸由来の構成単位を有するポリオール及び(A2)水酸基価が50〜400mgKOH/gの範囲内であり、数平均分子量が700〜5,000の範囲内であるビスフェノール骨格を有するポリオールを含有し、該ポリオール(A1)の固形分含有量が、ポリオール成分(A)の合計固形分を基準として、30〜90質量%の範囲内であり、該ポリオール(A2)の固形分含有量が、ポリオール成分(A)の合計固形分を基準として、10〜70質量%の範囲内であることを特徴とする塗料組成物を塗装して下塗り塗膜を形成した後、該下塗り塗膜上に上塗り塗料組成物を塗装して上塗り塗膜を形成する塗膜形成方法。
  2. ポリオール(A1)が、ひまし油及び/又はひまし油の変性物である請求項1に記載の塗膜形成方法
  3. ポリオール(A2)が、下記一般式(I)
    Figure 0006403160
    [式I中、R、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又はアリール基を示す]
    で表されるビスフェノール化合物(a1)、下記一般式(II)
    Figure 0006403160
    [式II中、R11及びR12は、各々独立して、水素原子、水酸基又はメチル基を表し、mは0〜4の整数を表し、nは1〜20の整数を表し、n個の
    Figure 0006403160
    は互いに同じであっても又は互いに異なっていてもよい]
    で表されるジグリシジルエーテル化合物(a2)及び水酸基含有カルボン酸(a3)の反応生成物である請求項1又は2に記載の塗膜形成方法
  4. ビスフェノール化合物(a1)が、ビスフェノールA及び/又はビスフェノールFである請求項3に記載の塗膜形成方法
  5. ジグリシジルエーテル化合物(a2)が、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル及び/又はポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルである請求項3又は4に記載の塗膜形成方法
  6. 前記塗料組成物が、さらに、顔料(D)を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗膜形成方法
  7. 上塗り塗料組成物が、ひまし油及びひまし油の変性物から選ばれるポリオールならびにポリイソシアネート化合物を含有する塗料組成物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗膜形成方法。
  8. 被塗物が、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を含有する繊維強化プラスチック材料(FRP)である請求項1〜7のいずれか1項に記載の塗膜形成方法。
  9. 被塗物が、風力発電機のブレードである請求項1〜8のいずれか1項に記載の塗膜形成方法。
  10. 被塗物上に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の塗膜形成方法により塗膜が形成された塗装物品。
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