JP4644474B2 - 紙幣処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動販売機、両替機、パチンコ玉貸機、メタル貸機等(以下、「自動販売機等」という。)に使用される紙幣処理装置に関するものである。
一般に紙幣(クーポン券等を含む)を取り扱う自動販売機等の機器本体内には、挿入された紙幣の真偽を判別するとともに、真券と見なされた紙幣のみを蓄積収容するようにした紙幣処理装置が装着されている。
この従来の紙幣処理装置は、紙幣投入口から投入された紙幣を紙幣搬送路に沿って搬送するとともに該紙幣搬送路の途中で紙幣を一時保留する紙幣搬送手段と、該一時保留された紙幣の真偽を判別する紙幣識別部と、該紙幣識別部の判別結果に基づき紙幣搬送路を開閉するシャッター手段と、真券と判別された紙幣を紙幣収納部に収納するスタック手段とを具えている。
また、従来の紙幣処理装置には、特に、上記したシャッター手段とスタック手段とを共通の駆動源によって駆動するものがある(例えば、特許公報1参照。)。
図15(a)及び(b)は、シャッター手段とスタック手段とを共通の駆動源によって駆動する従来の紙幣処理装置の動作を示す概念図であり、特に図15(a)はシャッター手段によって紙幣搬送路の上流が開放されている様子を示す図で、また図15(b)はシャッター手段によって紙幣搬送路の上流が閉塞されている様子を示す図である。
図15(a)で示すように、従来の紙幣処理装置100では、紙幣投入口115に連通して紙幣搬送路116が形成されている。また、この紙幣搬送路116の終端に連通して、紙幣収納通路域110(一点鎖線で図示)が形成されている。
また、紙幣搬送路116の上流には、シャッターレバーであるシャッター手段121が配設されている。
また、紙幣収納通路域110を挟んで紙幣収納部(図示せぬ)と対向する位置には、紙幣を該紙幣収納部へ収納するスタック手段111が配設されている。このスタック手段111は、紙幣収納通路域110に案内された紙幣の紙面を、上記紙幣収納部へ向けて押圧するリフトテーブル112から構成されている。
また、シャッター手段121とスタック手段111とは、互いに連結され、図示せぬ共通のモータによって、連動して駆動する(例えば、特許公報1参照。)。
このような構造の従来の紙幣処理装置100では、図15(a)で示すように、シャッター手段121によって紙幣搬送路116の上流が開放されているとき、リフトテーブル112によって紙幣搬送路116の終端が閉塞されている。
ここで上記モータを駆動すると、図15(b)で示すように、シャッター手段121によって紙幣搬送路116の上流が閉塞されるとともに、リフトテーブル112によって紙幣搬送路116の終端が開放される。
また、図15(b)の状態において上記モータを駆動すると、図15(a)で示すように、シャッター手段121によって紙幣搬送路116の上流が開放されるとともに、リフトテーブル112によって紙幣搬送路116の終端が閉塞される。
また、このような構造の従来の紙幣処理装置100では、待機状態において、図15(a)に示すように、シャッター手段121によって紙幣搬送路116の上流が開放されている。また、紙幣投入口115から紙幣が投入されると、上記紙幣搬送手段によって紙幣が紙幣搬送路116に沿って搬送される。
また、搬送された紙幣が紙幣搬送路116の所定位置に達すると、上記紙幣搬送手段がその駆動を一時停止するので、これにより紙幣搬送路116内に紙幣が一時保留される。またその後、図15(b)で示すように、シャッター手段121によって紙幣搬送路116の上流が閉塞される。
そして、このように紙幣搬送路116の上流が閉塞された後、紙幣識別部によって一時保留された紙幣が真券と判別されると、該紙幣は、上記紙幣搬送手段の駆動によってさらに紙幣搬送路116に沿って案内される。
そして、紙幣が紙幣収納通路域110に案内されると、図15(a)で示すように上記モータを駆動する。すると、リフトテーブル112が、該紙幣の紙面を押圧するので、押圧された紙幣は紙幣収納部に収納される。
特開2002−230621号公報(図1、図7、図8および図9)
上述した従来の紙幣処理装置100では、図15(a)で示すように、待機状態から紙幣を一時保留しようとするまでの間は、シャッター手段121によって紙幣搬送路116の上流が開放されている一方で、リフトテーブル112によって紙幣搬送路116の終端が閉塞されているため、一時保留しようとする紙幣を紙幣収納通路域110に案内することができない。
すなわち、従来の紙幣処理装置では、紙幣を一時保留するための通路の一部として、紙幣収納通路域110を用いることができない。
そのため、紙幣搬送路116の通路長を、紙幣を一時保留するための通路として必要な通路長、すなわち紙幣長手方向の長さ分の通路長Sを少なくとも有する通路長に形成する必要があり、これにより紙幣処理装置100が大型化するという問題があった。
上述した事情に鑑み、本発明は、小型の紙幣処理装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、この発明の紙幣処理装置は、紙幣投入口に連通する紙幣搬送路を開閉し、該紙幣搬送路を開閉するシャッター手段と、前記紙幣搬送路に沿って紙幣を案内する紙幣搬送ベルト及びそれを駆動する紙幣搬送モータと、前記紙幣搬送路の終端に形成された紙幣収納通路域を挟んで紙幣収納部と対向して配置され、前記紙幣搬送路の終端及び前記紙幣収納通路域を横切って紙幣収納部へ移動するリフトテーブルを具え、該紙幣収納通路域に案内された紙幣を紙幣収納部に収納するスタック手段とを具え、前記シャッター手段によって前記紙幣搬送路が開放された後閉塞されたときに、前記紙幣搬送ベルトの駆動を停止し紙幣が前記シャッター手段を通過した位置で一時保留される紙幣処理装置において、前記シャッター手段と前記スタック手段とを一つの駆動部で駆動させる駆動手段を具え、該駆動手段は、前記シャッター手段を駆動する第一の駆動部材と、前記スタック手段を駆動する第二の駆動部材とを有し、前記シャッター手段を駆動する前記第一の駆動部材の動作に対し、前記スタック手段が動作しない不動作域を有し、これにより前記シャッター手段によって前記紙幣搬送路が開放されるとともに前記リフトテーブルによって前記紙幣搬送路の終端が閉塞されないようにしている。
この発明の紙幣処理装置は、紙幣投入口に連通する紙幣搬送路を開閉し、該紙幣搬送路を開閉するシャッター手段と、紙幣搬送路に沿って紙幣を案内する紙幣搬送ベルト及びそれを駆動する紙幣搬送モータと、紙幣搬送路の終端に形成された紙幣収納通路域を挟んで紙幣収納部と対向して配置され、紙幣搬送路の終端及び紙幣収納通路域を横切って紙幣収納部へ移動するリフトテーブルを具え、該紙幣収納通路域に案内された紙幣を紙幣収納部に収納するスタック手段とを具え、シャッター手段によって紙幣搬送路が開放された後閉塞されたときに、紙幣搬送ベルトの駆動を停止し紙幣がシャッター手段を通過した位置で一時保留される紙幣処理装置において、シャッター手段とスタック手段とを一つの駆動部で駆動させる駆動手段を具え、該駆動手段は、シャッター手段を駆動する第一の駆動部材と、スタック手段を駆動する第二の駆動部材とを有し、シャッター手段を駆動する第一の駆動部材の動作に対し、スタック手段が動作しない不動作域を有し、これによりシャッター手段によって紙幣搬送路が開放されるとともにリフトテーブルによって紙幣搬送路の終端が閉塞されないようにしたから、シャッター手段により紙幣搬送路が開放され、かつスタック手段によって紙幣搬送路終端が閉塞されない状態を確保でき、これにより紙幣搬送路終端に連通する紙幣収納通路域を、紙幣を一時保留するための通路の一部として利用することができる。
したがって、紙幣搬送路と該紙幣収納通路域とによって、紙幣を一時保留するための通路として必要な通路長、すなわち少なくとも紙幣長手方向の長さ分の通路長を確保すればよく、これにより、紙幣処理装置の小型化を図ることができる。
以下、この発明の紙幣処理装置の実施例を詳述する。
図1は、この発明の第一実施例の紙幣処理装置の概念断面図であって、特に紙幣処理装置の待機状態を示す図である。
図1で示すように、第一の実施例の紙幣選別装置1は、装置本体2と、該装置本体2の正面にネジ止め固定されるフロントマスク3と、装置本体2の背面に支承される紙幣収納部4から構成されている。
このうちのフロントマスク3には、紙幣投入口5が形成されている。このフロントマスク3は、紙幣投入口5が、図示せぬ自動販売機等の正面を構成する扉に形成されたフロントマスク取付孔から外部へ露出するように取付けられるものである。
また、装置本体2には、紙幣搬送路6が形成されている。
この紙幣搬送路6は、紙幣投入口5に連通するフロントマスク3側の第一の通路7と、該第一の通路7に連通し、紙幣搬送路6の終端を形成する紙幣収納部4側の第二の通路8とから構成されている。
また、紙幣搬送路6の終端、すなわち第二の通路8の終端には、紙幣収納通路域10が鉛直方向に沿って形成されている。この紙幣収納通路域10の幅方向両端には、断面コの字形状のスタックガイド20が形成されている。なお、このスタックガイド20は、その溝内に嵌挿された紙幣を、紙幣収納通路域10に沿って案内する部材である。
図2は、図1の紙幣処理装置の要部概念斜視図であって、特に図1の紙幣処理装置1から紙幣収納部4を取り除いた様子を示す図である。
図2で示すように、装置本体2には、図1の紙幣収納部4と紙幣収納通路域10を挟んで対向する位置に、リフトテーブル12が配置されている。
このリフトテーブル12は、紙幣収納通路域10に案内された紙幣を押圧して紙幣収納部に収納させるスタック手段11を構成するものである。
なお、図2の符号55は、装置本体2内に配置されたキャリアスイッチである。このキャリアスイッチ55は、リフトテーブル12の上端のシャッター12a(図6)を検知するセンサであって、発光素子と受光素子から構成されている。
図3は、図1の紙幣処理装置の要部概念斜視図であって、特に、図2の装置本体から上シュート2aを取り除いた様子を示す図である。
図2の装置本体2に配設される上シュート2aを取り除くと、図3で示すように、装置本体2内に紙幣識別部30が配設されている。この紙幣識別部30および上シュート2aは、装置本体2に着脱自在に支承されており、該紙幣識別部30にはシャッター手段21が配設されている。
このシャッター手段21は、第二の通路8を開閉する手段であって、該シャッター手段21は、先端22aを第二の通路8に出没させるシャッターレバー22と、該シャッターレバー22の支承部22b(図1)を第一の通路7が形成されている側に水平方向に付勢する図示せぬシャッタースプリングとから構成されている。
また、このうちのシャッターレバー22は、図1で示すように先端22aを支承する支承部22bを具えている。
また、この支承部の22bの近傍には、図1で示すように、該支承部22bを検知するシャッタースイッチ31が配置されている。なお、このシャッタースイッチ31は、発光素子と受光素子から構成されている。
また、図3の符号28は、第一の通路7及び第二の通路8に沿って紙幣を搬送する紙幣搬送ベルトである。この紙幣搬送ベルト28は、図1の上シュート2a内の紙幣搬送モータ27によって駆動される。また、図3の符号29は、紙幣の真偽を識別する紙幣識別手段であり、該紙幣識別手段29は磁気センサ等から構成されている。なお、この紙幣識別手段29と紙幣搬送ベルト28は、上記した紙幣識別部30に配設されている。
図4は、図1の紙幣処理装置の要部概念斜視図であって、特に、図2の装置本体から露出するリフトテーブルを取り除いた様子を示す図である。
図4で示すように、装置本体2内には、上記シャッター手段21とスタック手段11とを駆動する駆動手段41が配設されている。
この駆動手段41は、スタックモータ42と、スタックモータ42の図示せぬギアに係合して回転するスタックカム44と、スタックカム44に係合してシャッター手段21(図1)に向け又はその反対方向に向け移動するスタックリンク45と、スタックリンク45の前記移動によって、スタックリンク45の面45cに接する又は僅かに離間する、または突出面45bを昇降するスタックローラ46と、該スタックローラ46を支承して、スタックローラ46の前記昇降によって紙幣収納部4へ向け又はその反対方向へ向け移動するスタックシャフト47と、該スタックシャフト47を嵌挿するとともにスタック手段11の背面に係合し、スタック手段11を紙幣収納部4へ向け又はその反対方向へ向け移動させるパンタグラフ構造のスタックアーム13とから構成されている。
このうち、スタックモータ42は、図1のシャッター手段21とスタック手段11とを駆動する共通の駆動源である。
また、スタックリンク45は、シャッター手段21に向けて配置された先端45aと、紙幣収納部4へ向けた方向に対して垂直な方向に沿って形成された面45cと、紙幣収納部4に向けて突出する突出面45bとを有している。なお、突出面45bと面45cとは連接している。
また、面45cの略中間部には貫通する窓が設けられていて、該窓を貫通して装置本体2に固着されたリブにリフトスプリング19の一端が支承されている。このリフトスプリング19の他端は、図1で示すようにリフトテーブル12に連結されている。該リフトスプリング19は、リフトテーブル12を常時、装置本体2側に付勢している。
また、図4で示すようにスタックリンク45の後端部には、スタックカム44のカム軸44aが嵌挿する長孔45dが形成されている。
また、スタックシャフト47は、スタックローラ46の両端を支承している。また、スタックシャフト47の両端にはガイド50が配設されている。このガイド50は、その溝内にスタックシャフト47を嵌挿している。このガイド50は、スタックローラ46及びスタックシャフト47の移動を、紙幣収納部4へ向けた側及びその反対方向に規制するガイド部材である。
また、パンタグラフ構造のスタックアーム13は、スタックシャフト47の端に配置されている。
このスタックアーム13は、第一のアーム14と第二のアーム15とから構成されており、第一のアーム14と第二のアーム15には、いずれも、スタックシャフト47の一端が嵌挿する長孔16が形成されている。
また、第一のアーム14は、一端側が装置本体2の第一の軸17に支承されており、他端側は、後述する図8で示すようにリフトテーブル12に連結されている。また、第二のアーム15は、一端側が装置本体2の第二の軸18に支承されており、他端側は、図9で示すようにリフトテーブル12に連結されている。
なお、図4の符号55は、前述のとおり装置本体2に配設されたキャリアスイッチである。このキャリアスイッチ55は、リフトテーブル12の一端を検知するものであり、発光素子と受光素子とから構成されている。
このような構成の紙幣処理装置1では、待機状態においては、図4及び図5(a)で示すように、カム軸44aは、鉛直方向の最下点から、カム44が一方向に第一の所定角度(例えば60度)回転した位置に配置されている。
なお、図5(a)乃至図5(d)は、図1の紙幣処理装置のスタックカム44の回転動作を示す図であり、特に図5(a)は待機状態における様子を示す図であり、また図5(b)は紙幣搬送途中の様子を示す図であり、また図5(c)は紙幣を一時保留し、かつ投入紙幣が真券と判別されたときの様子を示す図であり、図5(d)はスタック動作時の様子を示す図である。
図1及び図5(a)で示す待機状態において、スタックリンク45の先端45aは、シャッターレバー22の支承部22bの背面に入り込んで支承部22bを押圧している。そのため、図1で示すように、シャッターレバー22は、図示せぬシャッタースプリングの付勢力に抗し支点24を中心に回転して先端22aを第二の通路8に突出させており、これにより該第二の通路8は閉塞されている。
また、シャッタースイッチ31(図1)は遮光状態にされており、これより第二の通路8の閉塞が検知されている。
また、待機状態では、スタックローラ46は、スタックリンク45の面45cに圧接または僅かに離間している。
また、パンタグラフ構造のスタックアーム13は、第一のアーム14と第二のアーム15によって収縮して、紙幣収納部4から一番離れた位置に配置されており、そのため、第二の通路8の終端はリフトテーブル12によって塞がれることなく開放されている。なお、紙幣収納通路域10も開放されている。
なお、キャリアスイッチ55は、リフトテーブル12の一端によって遮光されており、これにより、リフトテーブル12が、収納動作を行わない待機位置にあることが検知されている。
次に、紙幣が投入されると、図5(b)で示すように、該投入を検知して紙幣搬送モータ27が駆動されることにより紙幣搬送ベルト28(図3)が回動されるとともに、スタックモータ42を駆動してスタックカム44を他方向に回転させる。
すると、紙幣搬送ベルト28の駆動によって、紙幣は紙幣搬送路6の第一の通路7に沿って案内される。そして、その後、紙幣は第二の通路8に沿って案内される。
また、図6で示すように、スタックカム44の回転により、スタックリンク45は、カム軸44aとともに鉛直方向に沿って下動する。また、下動するスタックリンク45は、上記シャッタースプリングの付勢力によって、除々に、先端45aをシャッターレバー22の支承部22bから離間させ、該支承部22bの背面に入り込んで該支承部22bを押圧した状態を除々に解除する。
そして図5(b)で示すように、スタックカム44の回転角度Dが第一の所定角度(例えば60度)に達すると、カム軸44a及びスタックリンク45は、それぞれ鉛直方向最下点に達し、図6で示すように、スタックリンク45の先端45aが、ついにシャッターレバー22の支承部22bから完全に離間して、該支承部22bの背面に入り込んで該支承部22bを押圧していた状態を完全に解除する。
そのため、シャッターレバー22は、上記シャッタースプリングの付勢力により、支点24を中心に回転して、その先端22aを第二の通路8から退避させるので、これにより該第二の通路8が開放される。
なお、この第二の通路8の開放は、シャッタースイッチ31が、シャッターレバー22の支承部22bによって透光されることにより検知される。
また、シャッターレバー22によって第二の通路8が開放された後、
紙幣識別手段29(図3)により、投入された紙幣について紙幣の真偽を判別する。(紙幣を判別する際、投入された紙幣はエスクロ位置で停止される。)
ここで、紙幣が真券と判別された場合には、スタックモータ42を駆動し、スタックカム44をさらに他方向に回転させる。そして、その回転角度Dが図5(c)で示すように第二の所定角度(例えば120度)に達したとき、スタックモータ42の駆動を停止する。
これにより、図7の矢印Aで示すように、スタックリンク45は、カム軸44aとともに、シャッターレバー22へ向け鉛直方向に上動する。また、図7の矢印Bで示すように、上動したスタックリンク45の先端45aは、上記シャッタースプリングの付勢力に抗して除々にシャッターレバー22の支承部22bの背面に入り込もうとし、これにより該支承部22bの背面を押圧する。
そして、図8で示すように、スタックカム44の回転角度Dが第二の所定角度(例えば120度)に達してスタックモータ42が停止したとき、ついにスタックリンク45の先端45aは、支承部22bの背面に入り込んで、支承部22bの背面を押圧する。そのため、支承部22bに押圧されたシャッターレバー22は、支点24を中心に回転して先端22aを第二の通路8に突出させるので、これにより該第二の通路8が閉塞される。なお、この第二の通路8の閉塞は、シャッタースイッチ31が遮光状態となることにより検知される。
また、第二の通路の通路8が閉塞されたとき、第二の通路8に沿って案内されていた紙幣は、すでに、その後端がシャッターレバー22の先端22aを通過しているので、ここで、紙幣搬送ベルト28の駆動を停止する。すると、紙幣は、その後端がシャッターレバー22の先端22aを通過した位置で一時保留されることとなる。
なお、紙幣後端の下流にある第二の通路8は、シャッター22の先端22aによって閉塞されるので、紙幣投入口5から保留紙幣を引き抜く等の悪戯は可及的に防止される。
また、待機状態から一時保留までの間、リフトテーブル12は待機位置から動かない。
すなわち、スタックリンク45の上記下動又は上記上動により、該スタックリンク45の突出面45bはスタックローラ46から除々に離間し、又は接近するが、スタックローラ46は面45cに圧接または僅かに離間しているので、紙幣収納部4へ向けた方向に移動することはない。
そのため、スタックローラ46及びスタックシャフト47は、紙幣収納部4へ向けた方向へ移動することなく待機位置を維持し、これによりパンタグラフ構造のスタックアーム13及びリフトテーブル12も上記待機位置を維持する。
したがって、紙幣を一時保留する場合に、第二の通路8の終端はスタック手段11によって塞がれることなく、開放された状態に維持される。このように投入された紙幣を一時保留する際、第二の通路8の終端は開放されているから、図8で示すように、紙幣先端を紙幣収納通路域10内に案内した位置で、該紙幣を一時保留することができる。
なお、キャリアスイッチ55はリフトテーブル12の一端によって遮光されることによって、待機位置の維持を検知している。
なお、上記した図6は、第一実施例の紙幣処理装置の概念断面図であって、特に、シャッター手段の動作により紙幣搬送路が拡開された場合にスタック手段が動作しない様子を示す図である。なお図6では、キャリアスイッチ55とこれが検知するリフトテーブル12のシャッター12aの様子をより詳しく示した要部概念拡大図も併せて図示している。また、図7は、図3の上シュート2aを取り除いた状態から、さらに紙幣識別部30およびリフトテーブル12を取り除いた様子を示す拡大概念破断面図であって、駆動手段の動作を示す図である。また、図8は、第一実施例の紙幣処理装置の概念断面図であって、特に、紙幣収納通路域に案内した紙幣を一時保留してシャッター手段の動作により紙幣搬送路を閉塞した場合に、スタック手段が動作しない様子を示す図である。
また、一時保留された紙幣は、紙幣処理装置1が配置されている自動販売機等において、商品の購入ボタンが押され、これに基づき商品が排出された後、紙幣搬送ベルト28の駆動により、さらに搬送される。
そして、搬送される紙幣の後端が紙幣収納通路域10に達した場合には、スタックモータ42を駆動し、図5(c)のスタックカム44をさらに他方向に回転させる。そして、図5(d)で示すようにその回転角度Dが第三の所定角度(例えば240度)に達するまで、回転させる。
すると、スタックリンク45は、カム軸44aとともに、鉛直方向に沿って上動する。そしてスタックカム44の回転角度Dが第三の所定角度(例えば240度)に達すると、カム軸44a及びスタックリンク45は、それぞれ鉛直方向最上点に達する。
また、図9で示すように、スタックローラ46は、スタックリンク45の上動によって、該突出面45bに沿って上昇する。そしてスタックカム44の回転角度Dが第三の所定角度(例えば240度)に達すると、スタックローラ46は、その突出面45bの最も高い位置に達する。また、この上昇の際、スタックシャフト47は、突出面45bの傾きによって、紙幣収納部4側へ向けた方向、すなわち、図7の矢印Cで示す方向に案内される。
また、このようにスタックシャフト47が紙幣収納部4へ向けた方向へ移動すると、図9で示すように、パンタグラフ構造のスタックアーム13を構成する第一のアーム14が第一の軸17を中心に一方向に回転してリフトテーブル12を紙幣収納部4側へ移動させるとともに、第二のアーム15が第二の軸18を中心に他方向に回転してリフトテーブル12を紙幣収容部側へ移動させる。そのため、スタックアーム13全体はリフトスプリング19に抗して伸長し、リフトテーブル12は、第二の通路8の終端及び紙幣収納通路域10を横切って紙幣収納部4側へ移動する。そして、スタックカム44の回転角度Dが第三の所定角度(例えば240度)に達したとき、リフトテーブル12は、紙幣収納部4に一番近づいた位置に達する。
また、このリフトテーブル12は、紙幣収納通路域10に配置された紙幣を紙幣収納部4側へ押圧する。そのため、押圧された紙幣は、その幅方向両端を各スタックガイド20の溝から脱出させて紙幣収納部4に収容されることとなる。
なお、リフトテーブル12が待機位置から移動していることは、キャリアスイッチ55が透光状態になることにより検知される。
一方、上記したスタックリンク45の上動により、スタックリンク45の先端45aも鉛直方向に沿って上動するが、依然として、該先端45aがシャッターレバー22の支承部22bの背面に入り込んで支承部22bを押圧する状態を維持する。そのため、図9で示すように、シャッターレバー22は先端22aを第二の通路8に突出させた状態を維持するから、これにより該第二の通路8が閉塞された状態は保持される。なお、この閉塞状態の維持は、シャッタースイッチ31の遮光状態が維持されることにより検知される。
なお、上記図9は、第一実施例の紙幣処理装置の概念断面図であって、特に、スタック手段の動作により紙幣収納動作を行っている場合に、シャッター手段が動作しない様子を示す図である。
また、紙幣が収納された後は、スタックモータ42をさらに駆動し、これにより図5(d)のスタックカム44を、図5(a)で示すように回転角度Dが第四の所定角度(例えば360度)に達するまで、さらに他方向に回転させる。
すると、スタックリンク45は、カム軸44aとともに、鉛直方向に沿って下動する。また、このスタックリンク45の下動により、スタックローラ46は、突出面45bに沿って下降する。
また、このスタックリンク5の下降の際、スタックローラ46及びスタックシャフト47は、突出面45bの傾きによって、紙幣収納部4に向けた側と反対側へ向け案内される。
また、スタックシャフト47が紙幣収納部4に向けた側と反対側へ向けて移動すると、スタックアーム13を構成する第一のアーム14が第一の軸17を中心に他方向に回転してリフトテーブル12を紙幣収納部4に向けた側と反対側へ移動させるとともに、第二のアーム15が第二の軸18を中心に一方向に回転してリフトテーブル12を紙幣収容部4に向けた側と反対側へ移動させる。そのため、スタックアーム13全体はリフトスプリング19の付勢力により収縮し、リフトテーブル12は、第二の通路8の終端及び紙幣収納通路域10を再び横切って紙幣収納部4に向けた側と反対側へ移動する。
そして、スタックカム44の回転角度Dが第四の所定角度(例えば360度)に達すると、スタックローラ46は突出面45bを下降した後、ついに面45cに達し、該面45cを圧接または僅かに離間する(図1参照)。そのため、スタックローラ46及びスタックシャフト47は、紙幣収納部4へ向けた方向へ移動することはなくなる。したがって、スタックローラ46及びスタックシャフト47は、リフトスプリング19の付勢力により待機位置に復帰し、また、パンタグラフ構造のスタックアーム13も紙幣収納部4から一番離れた上記待機位置に復帰する。そのため、リフトテーブル12も待機位置に復帰し、これにより第二の通路8の終端が開放される。
なお、この待機位置への復帰は、キャリアスイッチ50がリフトテーブル12の一端により遮光されることによって検知される。
また、上記したスタックリンク45の下動により、その先端45aも鉛直方向に沿って下動するが、依然として、該先端45aはシャッターレバー22の支承部22bの背面に入り込んで支承部22bを押圧する状態を維持する。そのため、シャッターレバー22は先端12aを第二の通路8に突出させた状態を維持し、これにより該第二の通路8の閉塞状態が維持される。なお、第二の通路8の閉塞状態の維持は、シャッタースイッチ31における遮光状態が維持されていることによって検知される。
また、スタックカム44の回転角度が、図5(a)で示すように回転角度Dが第四の所定角度(例えば360度)に達した場合には、スタックモータ42の駆動を停止する。すると、図1に示す待機状態に復帰することができる。
一方、上記したように紙幣を一時保留した場合において、紙幣識別手段29により紙幣が偽券と判断された場合には、スタックカム44は図5(b)で示す状態を維持して、紙幣搬送ベルト28を逆転駆動する。すると、偽券と判別された紙幣は、第二の通路8に沿って案内された後、第一の通路7に案内され、そして紙幣投入口5から返却される。
また、このように紙幣を返却した後、スタックモータ42を逆転駆動してスタックカムを図5(a)に示す回転位置まで復帰させると、紙幣処理装置1は図1の待機状態に復帰する。
以上からわかるように、紙幣処理装置1は、シャッター手段21を駆動する第一の駆動部材、例えばスタックリンク45の先端45aの動作に対し、スタック手段11が動作しない不動作域、特に待機位置から動作しない不動作域を有している。そのため、シャッター手段21によって第二の通路8が開放されるとともにリフトテーブル12の一端によって第二の通路8の終端が閉塞されない状態(図6)を確保することができる。
また、紙幣処理装置1は、スタック手段11を駆動する第二の駆動部材、たとえば、スタックリンク45の突出面45bの動作に対し、シャッター手段21が動作しない不動作域、特に第二の通路8の閉塞を維持する不動作域を有している。そのため、シャッター手段21によって第二の通路8が開放されるとともにリフトテーブル12の一端によって第二の通路8の終端が閉塞されない状態を確保することができる。
なお、上記説明では、スタック手段11を駆動する第二の駆動部材を、スタックリンク45の突出面45bとして説明したが、この発明の紙幣処理装置の上記第二の駆動部材は、例えば、スタックシャフト47、スタックローラ46、スタックアーム13であっても同様である。
また、このようにシャッター手段21によって第二の通路8を開放するとともに、リフトテーブル12の一端によって第二の通路8の終端、すなわち紙幣搬送路6の終端が閉塞されない状態を確保することができると、図8で示すように、紙幣搬送路6の終端に連通する紙幣収納通路域10を、紙幣を一時保留するための通路の一部として用いることができる。そのため、この紙幣処理装置1では、紙幣を一時保留するための通路として必要な通路長、すなわち少なくとも紙幣長手方向の長さ分の通路長S(図15(b)参照)を、紙幣搬送路6と該紙幣収納通路域10とによって確保すればよく、これにより、紙幣処理装置1の小型化を図ることができる。
以上で説明したように、この発明の第一実施例の紙幣処理装置1は、シャッター手段21とスタック手段11とを一つの駆動部(スタックモータ42)で駆動させる駆動手段41を具え、該駆動手段41を、シャッター手段21を駆動する第一の駆動部材と、スタック手段11を駆動する第二の駆動部材とを有することとし、さらに第一の駆動部材と第二の駆動部材のうち少なくとも一方の駆動部材の動作に対しシャッター手段21またはスタック手段11が動作しない不動作域を有するようにしたから、シャッター手段21により紙幣搬送路6が開放される場合に紙幣搬送路6の終端がスタック手段11によって閉塞される状態を防止でき、そのため紙幣搬送路6終端に連通する紙幣収納通路域を、紙幣を一時保留するための通路の一部として用いることができる。
したがって、紙幣搬送路6と該紙幣収納通路域10とによって、紙幣を一時保留するための通路として必要な通路長、すなわち少なくとも紙幣長手方向の長さ分の通路長Sを確保すればよく、これにより、紙幣処理装置1の小型化を図ることができる。
なお、本発明の紙幣処理装置の駆動手段41は、上記第一の駆動部材と上記第二の駆動部材のうち少なくとも一方の駆動部材の動作に対し、シャッター手段21またはスタック手段11が動作しない不動作域を有するようにしたものであって、紙幣処理装置の駆動手段41が、上記第一の駆動部材、例えば、スタックリンク45の先端45aの動作に対し、シャッター手段21が動作しない不動作域を有する構成であることも可能であり、かかる構成を有する場合でも、シャッター手段21により紙幣搬送路6が開放され、かつスタック手段11によって紙幣搬送路6終端が閉塞されない状態を確保でき、これにより紙幣搬送路6終端に連通する紙幣収納通路域10を、紙幣を一時保留するための通路の一部として利用でき紙幣処理装置の小型化を図ることができる。
また、この紙幣処理装置1では、シャッター手段21をスタックモータ42によって駆動する場合に、該シャッター手段21を、従来の紙幣処理装置のように上シュート2a(図1)に配設するのではなく、装置本体2内に配設され、かつ該装置本体2に着脱自在に装着される紙幣識別部30に配設することとしたから、上記従来の紙幣処理装置に比し、紙幣処理装置の構造がより単純になる。
また、この紙幣処理装置1では、シャッター手段21とスタック手段11とを共通の駆動源であるスタックモータ42によって駆動することとしているから、シャッター手段21を駆動するためのソレノイドと、スタック手段11を駆動するモータとを別個独立に具える従来の紙幣処理装置に比し、部品点数の削減を図ることができ、またこれにより製造コストを低くすることができる。
また、この紙幣処理装置1では、図9で示す紙幣収納動作の際、シャッター手段21によって紙幣投入口3から離れた位置にある第二の通路8が閉塞されるから、紙幣収納動作の際、紙幣投入口5から紙幣を引き抜く等の悪戯を可及的に防止できる。
また、この紙幣処理装置1では、紙幣搬送路6のうち、紙幣投入口5に連通する第一の通路7ではなく、該第一の通路に連通する第二の通路8にシャッター手段21を配設している。そのため、シャッター手段21は、該シャッター手段が第一の通路7に配設される場合に比し、紙幣投入口5から可及的に離れた位置に配置されることとなり、これにより、紙幣投入口5からシャッター手段21を強制的に操作する等の悪戯を可及的に防止できる。
なお、この第一実施例の紙幣処理装置1では、第二の通路8にシャッター手段21を配設することとしたが、この発明の紙幣処理装置ではシャッター手段21の配設位置はこれに限定されず、たとえば、第一の通路7にシャッター手段21が配置されていてもよい。
なお、上記した紙幣処理装置1では、駆動手段41を、スタックモータ42と、スタックモータ42に係合して回動するスタックカム44と、シャッター手段21に向けて配置された先端45aを有し、紙幣収納部4へ向けた方向に対して垂直な方向に沿って形成された面45cと、該面45cに連接し、かつ紙幣収容部4に向けて突出する突出面45bとを有するとともに、スタックカム44に係合し、シャッター手段21へ向け又はその反対方向へ向け移動し、先端45aによってシャッター手段21を動作させるスタックリンク45と、該スタックリンク45の前記移動によって、面45cに接し、または僅かに離間し、又は突出面45bを昇降するスタックローラ46と、該スタックローラ46を支承して、スタックローラ46の前記昇降によって紙幣収納部4へ向け又はその反対方向へ向け移動するスタックシャフト47と、該スタックシャフト47を嵌挿するとともにスタック手段11に係合し、スタック手段11を紙幣収納部4へ向け又はその反対方向へ向け移動させるパンタグラフ構造のスタックアーム13とからなることとし、これによりシャッター手段21を駆動する第一の駆動部材を、例えばシャッター手段21に係合するスタックリンク45の先端45aからなることとし、またスタック手段11を駆動する第二の駆動部材を、例えば、スタックローラ46に接するスタックリンク45の突出面45bからなるものとしていることは前述のとおりであるが、上記した第一実施例の紙幣処理装置1では、特に、上記面45cを平面(鉛直面)とするとともに上記突出面45bを平面であることとしている。しかし、本発明の紙幣処理装置の駆動手段を構成するスタックリンク45の上記面45cは平面に限定されず、曲面から構成してもよいし、また上記突出面45bも平面に限定されず、曲面から構成してもよいことはもちろんである。
以下の他の実施例(実施例2乃至4)の紙幣処理装置については、実施例1の紙幣処理装置1と共通する部分(例えばスタックモータ42等)はその説明及び図面に記載の符号を省略して説明する。
図10は、この発明の第二実施例の紙幣処理装置の要部概念断面図であって、特に、スタッカ手段による紙幣収納動作が行われておらず、かつシャッター手段よって第一の通路が閉塞された状態にある様子を示す図である。また、図11は、図10の紙幣処理装置の要部概念断面図である。なお、図10及び図11は、図1乃至図9と同一部分を同一符号で示している。
この第二の実施例の紙幣処理装置71では、図10で示すように、シャッター手段21は、第一の通路7に配置されているシャッターレバー22から構成される。
なお、図10の符号79は、シャッターレバー22の先端22a側と装置本体2とに係合し、シャッターレバー22の先端22a側を常時紙幣収納部4側へ向け付勢するシャッタースプリングである。
また、図11で示すように、この第二実施例の紙幣処理装置71では、第一実施例の紙幣処理装置1のようにスタックカム44とスタックリンク45とスタックローラ46とからなるリンク構造を用いずに、紙幣収納動作用のギア73に、直接シャッターレバー22を係合させている。
すなわち、この駆動手段41は、第一の実施例の紙幣処理装置1の上記スタックカム44とスタックリンク45とスタックローラ46とに替え、該スタックモータ42のギアに連結されるギア73と、該ギア73の回転面に形成された一対のスタック動作用の突起75と、ギア73の回転面に形成された一対のシャッター動作用の突起74とを具えて構成されている。
また、このうちのギア73の回転面は平面73aとなるように形成されている。
また、シャッター動作用の突起74は、円弧状の突起から構成されている。また各シャッター動作用の突起74の上面(以下、「傾斜面」という。)は、一端74aから他端へ向け、ギア73の平面73aからの高さが徐々に高くなるように、紙幣収納部4へ向けて傾斜している。
また、一方のシャッター動作用の突起74の一端74aと他方のシャッター動作用の突起74の他端との間には、シャッターレバー22の突起77をギア73の平面73aに圧接可能にするスペースが形成されている。
また、スタック動作用の突起75は、シャッター動作用の突起74より内周に形成された円弧状の突起から構成されている。また、各スタック動作用の突起75の上面(以下、「傾斜面」という。)は、一端75aから他端へ向け、ギア73の平面73aからの高さが徐々に高くなるように、紙幣収納部4へ向けて傾斜している。また、一方のスタック動作用の突起75の一端75aと他方のスタック動作用の突起75の他端との間には、スタックシャフト47をギア73の平面73aに圧接可能にするスペースが形成されている。
このような構成の第二の実施例の紙幣処理装置71では、図10及び図11で示すように、待機状態において、シャッターレバー22の突起77は、シャッター動作用の突起74の他端側の傾斜面に圧接されており、そのためシャッターレバー22は、シャッタースプリング79の付勢力に抗して軸78を中心に回転して先端22aを第一の通路7に突出させている。そのため、第一の通路7は閉塞されている。
また、スタックシャフト47は、一対のスタック動作用の突起75間のギア73の平面73aに配置されており、そのためスタックシャフト47にリンクアーム13を介し連結されているリフトテーブル12は、紙幣収納部4から一番離れた位置に配置されている。したがって、第二の通路8の終端は開放されている。なお、紙幣収納通路域10も開放されている。
この待機状態から、スタックモータ42を駆動して、ギア73の回転角度が第一の所定角度に達するまでギア73を回転させる。すると、シャッタースプリング79の付勢力により、シャッターレバー22の突起77はシャッター動作用の突起75の他端の傾斜面から下降して、一対のシャッター動作用の突起75間のギア平面73aに圧接される。そのため、シャッターレバー22は軸78を中心に回転してその先端22aを第一の通路7から脱出させるので、これにより第一の通路7は開放される。
また、このとき、スタックシャフト47は依然として一対のスタック動作用の突起75の間のギア平面73aに圧接された状態に維持されるので、リフトテーブル12は、紙幣収納部4から一番離れた位置に配置されている状態を維持する。そのため、第二の通路8の終端は開放された状態に維持される。
次にスタックモータ42を駆動してギア73を第二の所定角度まで回転させる。すると、シャッターレバー22の突起77は、シャッター動作用の突起74の一端74a側に達し、さらに該シャッター動作用の突起74の傾斜面を上昇する。そのため、シャッターレバー22はシャッタースプリング79の付勢力に抗して軸78を中心に回転する。そしてギア73の回転角度が上記第二の所定角度に達すると、ついに、シャッターレバー22の先端22aが第一の通路7に突出し、これにより第一の通路7は閉塞される。
また、このときスタックシャフト47は、依然として一対のスタック動作用の突起75の間のギア平面73に圧接された状態に維持されるので、リフトテーブル12は、紙幣収納部4から一番離れた位置に配置されている状態を維持する。そのため第二の通路8の終端は開放された状態に維持される。
次にスタックモータ42を駆動し、ギア73の回転角度が第三の所定角度に達するまで回転する。すると、スタックシャフト47がスタック動作用の突起75の一端75a側に達してその傾斜面を上昇する。そして、上記第三の所定角度までギア73が回転したとき、上昇するスタックシャフト47は、リフトスプリング19の付勢力(図1参照)に抗し、リフトテーブル12を第二の通路8の終端及び紙幣収納通路域10を横切らせて紙幣収納部4に一番近い位置に移動させるので、これにより紙幣を紙幣収納部4に収納することができる。
また、このとき突起77はシャッター動作用の突起74の傾斜面を上昇しているので、これによりシャッター22は、依然としてその先端22aを第一の通路7に突出させた状態であり、そのため第一の通路7は閉塞状態に維持されている。
次に、図10及び図11で示すように、スタックモータ42の駆動によりギア73をさらに一方向に回転してその回転角度が第四の所定角度(例えば360度)となる位置、すなわち待機状態の回転位置まで回転させる。
すると、リフトスプリング19の付勢力によって、スタックシャフト47は、スタック動作用の突起75の他端の上記傾斜面から下降して、一対のスタック動作用の突起75の間のギア平面73に圧接される。そのため、リフトテーブル12は、第二の通路8の終端及び紙幣収納通路域10を再び横切って紙幣収納部4から一番離れた待機位置に復帰し、これにより第二の通路8の終端が開放される。
また、このときシャッターレバー22の突起77は、シャッター動作用の突起74の他端側の上記傾斜面に圧接された状態を維持する。そのため、シャッターレバー22の先端22aは第一の通路7から突出し、これにより第一の通路7を閉塞する待機位置に維持され、これにより待機状態に復帰する。
このように、この第二実施例の紙幣処理装置71では、紙幣搬送路6を開閉するシャッター手段21と、該紙幣搬送路6に沿って案内された紙幣を紙幣収納部4に収納するスタック手段11とを具えるとともに、シャッター手段21とスタック手段11とを一つのスタックモータ42で駆動させる駆動手段41を具えている。また、その駆動手段41を、シャッター手段21を駆動する一方の駆動部材、例えばシャッター動作用の突起74と、スタック手段11を駆動する第二の駆動部材、例えばスタック動作用の突起75とを具えるようにしている。
そして、上記第一の駆動部材と上記第二の駆動部材のうち、第一の駆動部材の動作に対しスタック手段11が動作しない不動作域を有しており、また第二の駆動部材の動作に対し、シャッター手段21が動作しない不動作域を有している。
そのため、この紙幣処理装置71では、上記実施例1の紙幣処理装置1と同様に、シャッター手段21によって第一の通路7が開放されるとともに、リフトテーブル12の一端によって第二の通路8の終端、すなわち紙幣搬送路6の終端が閉塞されない状態を確保することができ、これにより、紙幣搬送路6の終端に連通する紙幣収納通路域10を、紙幣を一時保留するための通路の一部として用いることができる。そのため、この紙幣処理装置71では、紙幣処理装置の小型化を図ることができる。
なお、この紙幣処理装置71では、上記不動作域を得るために、図11で示すようにシャッター動作用の突起74のギア73上の配設角度、スタック動作用の突起75のギア73上の配設角度、及びそれらの配置関係が調整されている。
また、この第二の実施例の紙幣処理装置71では、紙幣収納動作用のギア73に直接シャッター手段21のシャッターレバー22を係合させて該シャッター手段21を動作させることとしたので、第一の実施例の紙幣処理装置1のようにスタックカム44とスタックリンク45スタックローラ46とからなるリンク構造を用いない分、第一実施例の紙幣処理装置1に比し、装置本体2内の省スペース化を計ることができる。
なお、第二の実施例の紙幣処理装置71では、第一の通路7をシャッター手段21によって開閉することとしたが、その際、シャッター手段21によって開閉される第一の通路7は装置本体2内に配置されていたものであってもよいし、装置本体2とフロントマスク3との間に形成されたものであってもよいことはもちろんである。
なお、第二の実施例の紙幣処理装置71では、紙幣収納動作用のギア73に直接シャッター手段21を係合させて該シャッター手段21を動作させることとして説明したが、この発明の紙幣処理装置では、ギア73を用いる形態としてはこの構造に限定されず、たとえば、紙幣収納動作用のギア73に、シャッター動作用の別のギアを係合させ、該別のギアにシャッター手段を係合させるようにしてもよい。
図12は、この発明の第三実施例の紙幣処理装置の要部概念断面図であって、特に、スタッカ手段による紙幣収納動作が行われておらず、かつシャッター手段によって第二の通路が閉塞された状態にある様子を示す図である。また、図13は、図12の紙幣処理装置の要部概念断面図である。なお、この図12及び図13では、図1乃至図11と同一部分を同一符号で示している。
図13で示すように、この第三実施例の紙幣処理装置81では、第二実施例の紙幣処理装置71の紙幣収納動作用のギア73に、シャッター動作用の別のギア82を係合させている。また、該別のギア82にはカム83が固定されており、該カム83のシャッター動作用の突起74にシャッター手段21の突起77を係合させている。なお、符号89はスタックモータ42(図1)のギアである。
また、シャッター動作用の突起74は、円弧状の突起から構成されている。
また各シャッター動作用の突起74の上面(以下「傾斜面」という。)は、一端74aから他端へ向け、カム83の回転面からの高さが徐々に高くなるように、紙幣収納部4へ向けて傾斜している。また、シャッター動作用の突起74の一端と他端との間には、シャッター手段21の突起77をカム83の平面83aに圧接可能にするスペースが形成されている。なお、カム83の回転面は平面83aとなるように形成されている。
また、この紙幣処理装置81では、シャッター手段21の先端22aを常時第一の通路7側へ付勢する図示せぬシャッタースプリングが配置されている。
このような構成の第三の実施例の紙幣処理装置81では、図12及び図13で示すように、待機状態において、シャッターレバー22の突起77は、シャッター動作用の突起74の他端側の傾斜面に圧接しており、そのため、シャッターレバー22は、上記シャッタースプリングの付勢力に抗し軸78を中心に回転して、先端22aを第二の通路8に突出させている。したがって、第二の通路8は閉塞されている。
また、スタックシャフト47は、一対のスタック動作用の突起75間のギア73の平面73aに配置されており、そのためスタックシャフト47にリンクアーム13を介し連結されているリフトテーブル12は、紙幣収納部4から一番離れた位置に配置されている。したがって、第二の通路8の終端は開放されている。なお、紙幣収納通路域10も開放されている。
この待機状態から、スタックモータ42を駆動して、ギア73の回転角度が第一の所定角度回転するまで所定方向にギア73を回転させる。すると、このギア73の回転によりカム83がギア82を介して所定方向に回転する。またこれにより、シャッターレバー22の突起77は上記シャッタースプリングの付勢力により、シャッター動作用の突起75の他端の傾斜面から下降して、一対のシャッター動作用の突起75間のカム83の平面83aに圧接される。そのため、シャッターレバー22は軸78を中心に回転して先端22aを第二の通路8から脱出させるので、これにより第二の通路8は開放される。
また、このとき、スタックシャフト47は依然として一対のスタック動作用の突起75の間のギア73の平面73aに圧接された状態に維持されるので、リフトテーブル12は、紙幣収納部4から一番離れた位置にある状態を維持する。そのため、第二の通路8の終端は開放された状態に維持される。
次にスタックモータ42を駆動してギア73を所定方向に第二の所定角度まで回転させる。すると、カム83はギア82を介して所定方向に回転するので、シャッターレバー22の突起77は、シャッター動作用の突起74の一端74a側に達し、さらに該シャッター動作用の突起74の傾斜面を上昇する。そのため、シャッターレバー22は図示せぬ上記シャッタースプリングの付勢力に抗して軸78を中心に回転する。そして回転角度が上記第二の所定角度に達すると、ついに、シャッターレバー22の先端22aが第二の通路8に突出し、これにより第二の通路8は閉塞される。
また、スタックシャフト47は、依然として一対のスタック動作用の突起75間のギア73の平面73aに圧接された状態を維持する。そのため、スタックシャフト47にスタックアーム(リフトアーム)13を介し連結されているリフトテーブル12は、紙幣収納部4から一番離れた位置に配置されている状態を維持する。そのため、第二の通路8の終端は開放された状態に維持される。
次にスタックモータ42を駆動してギア73を所定方向に第三の所定角度まで回転させる。これにより、スタックシャフト47がスタック動作用の突起75の一端75a側に達してその傾斜面を上昇する。そして、上記第三の所定角度までギア73が回転したとき、上昇するスタックシャフト47は、リフトスプリング19の付勢力(図1参照)に抗し、リフトテーブル12を第二の通路8の終端及び紙幣収納通路域10を横切らせて紙幣収納部4に一番近い位置に移動させるので、これにより紙幣を紙幣収納部4に収納することができる。
なお、このとき、突起77はシャッター動作用の突起74の傾斜面を上昇しているので、これによりシャッター22は、依然としてその先端22aを第二の通路8に突出させた状態であり、そのため第二の通路8は閉塞状態に維持されている。
次に、図12及び図13で示すように、スタックモータ42の駆動によりギア73をさらに所定方向に回転してその回転角度が第四の所定角度(例えば180度)となる位置、すなわち待機状態の回転位置まで回転させる。
すると、スタックシャフト47は、リフトスプリング19の付勢力によってスタック動作用の突起75の他端の上記傾斜面から下降して、一対のスタック動作用の突起75の間のギア73の平面73aに圧接される。そのため、リフトテーブル12は第二の通路8の終端及び紙幣収納通路域10を再び横切って紙幣収納部4から一番離れた待機位置に復帰し、これにより第二の通路8の終端は開放される。
また、このときカム83はギア82を介し所定方向に回転するが、シャッターレバー22の突起77は、シャッタースプリング79の付勢力によりシャッター動作用の突起74の他端の上記上面に圧接された状態を維持する。そのため、シャッターレバー22の先端22aは第二の通路8から突出し、これにより第二の通路8を閉塞する待機位置に維持され、これにより待機状態に復帰する。
このように第三実施例の紙幣処理装置81は、第二実施例の紙幣処理装置71と同様に、第一の駆動部材と第二の駆動部材のうち、第一の駆動部材、例えば、シャッター動作用の突起74の動作に対し、スタック手段11が動作しない不動作域を有しており、また第二の駆動部材、例えばスタック動作用の突起75の動作に対し、シャッター手段21が動作しない不動作域を有している。
そのため、この紙幣処理装置81では、シャッター手段21によって第二の通路8を開放するとともにリフトテーブル12によって第二の通路8の終端、即ち紙幣搬送路6の終端が閉塞されない状態を確保することができる。
したがって、紙幣搬送路6の終端に連通する紙幣収納通路域10を、紙幣を一時保留するための通路の一部として用いることができ、これにより、この紙幣処理装置81によると、紙幣処理装置の小型化を図ることができる。
なお、この紙幣処理装置81では、上記不動作域を得るために、図13で示すように、シャッター動作用の突起74のカム83上の配設角度、スタック動作用の突起75のギア73上の配設角度、及びそれらの配置関係が調整されている。
また、この第三実施例の紙幣処理装置81では、紙幣収納動作用のギア73に係合するギア82のカム83のシャッター動作用の突起74にシャッター手段11を圧接させて該シャッター手段11を動作させることとしたので、第二実施例の紙幣処理装置71と同様に、第一の実施例の紙幣処理装置1のようにスタックカム44とスタックリンク45とスタックローラ46とからなるリンク構造を用いない分、第一実施例の紙幣処理装置1に比し、装置本体2内の省スペース化を計ることができる。
図14は、この発明に係る第四実施例の紙幣処理装置の要部概念断面図であって、特に、スタッカ手段による紙幣収納動作が行われておらず、かつシャッター手段によって第一の通路7が閉塞された状態にある様子を示す図である。なお、図14では図1乃至図13と同一部分を同一符号で示している。
上記第一実施例の紙幣処理装置1では、シャッターレバー22とリンクアーム45とを別個独立して設けているが、この第四の実施例の紙幣処理装置91では、第一の通路7に出没して該第一の通路7を開閉するシャッターレバー22を、スタックリンク45と一体に構成している。
この第四実施例の紙幣処理装置91では、第一実施例の紙幣処理装置1と同様に、紙幣搬送路6を開閉するシャッター手段21と、該紙幣搬送路6に沿って案内された紙幣を紙幣収納部4に収納するスタック手段11(図1参照)とを具えるとともに、シャッター手段21とスタック手段11とを一つのスタックモータ42で駆動させる駆動手段41を具えている。またその駆動手段41を、シャッター手段21を駆動する一方の駆動部材、例えばスタックリンク45の先端45a(なお、この先端45aはそれ自体が紙幣搬送路6を開閉するシャッターとして機能する。)と、スタック手段11を駆動する第二の駆動部材、例えばスタックリンクの突出面45bとを具えることとしている。そして、第一の駆動部材と第二の駆動部材のうち、第一の駆動部材に対し、スタック手段11が動作しない不動作域を有し、また第二の駆動部材の動作に対し、シャッター手段21が動作しない不動作域を有している。
そのため、この紙幣処理装置91は、シャッター手段21が第二の通路8を開放するとともにリフトテーブル12の一端が第二の通路8の終端、すなわち紙幣搬送路6の終端が閉塞されない状態を確保することができ、これにより、紙幣搬送路6の終端に連通する紙幣収納通路域10を、紙幣を一時保留するための通路の一部として用いることができる。そのため、この紙幣処理装置91では、紙幣処理装置の小型化を図ることができる。
また、この第四実施例の紙幣処理装置91で、第一実施例の紙幣処理装置1のように、シャッターレバー22とスタックリンク45とを別個独立して配設しないから、その分、部品点数を少なくすることができ、紙幣処理装置の製造コストを低くすることができる。
なお、この第四実施例の紙幣処理装置91では、直線運動するスタックリンク45の先端22aを第一の通路7に突出させやすくするため、第一の通路7を鉛直方向に対し傾斜して配置するようにしている。
また、この第四実施例の紙幣処理装置91では、第一の通路7に、スタックリンク45そのものを配設し、これにより第一の通路7を開閉することとしたが、シャッターレバーでもあるスタックリンク45を第二の通路8に配設し、これにより該第二の通路8を開閉させるようにしてもよい。
本発明に係る紙幣処理装置は、自動販売機等の機器本体内に配置される小型の紙幣処理装置として有用であり、また、自動販売機等の利用者の悪戯を可及的に防止する用途にも適している。
図1は、この発明に係わる第一の実施例の紙幣処理装置の概念断面図であり、特に紙幣処理装置の待機状態を示す図である。 図2は、図1の紙幣処理装置の要部概念斜視図であって、特に図1の装置本体から紙幣収納部を取り除いた様子を示す図である。 図3は、図1の紙幣処理装置の要部概念斜視図であって、特に、図2の装置本体から上シュートを取り除いた様子を示す図である。 図4は、図1の紙幣処理装置の要部概念斜視図であって、特に、図2の装置本体から露出するリフトテーブルを取り除いた様子を示す図である。 図5(a)乃至図5(d)は、図1の紙幣処理装置のスタックカムの回転動作を示す図であり、特に図5(a)は待機状態における様子を示す図であり、また図5(b)は紙幣搬送途中の様子を示す図であり、また図5(c)は紙幣を一時保留し、かつ投入紙幣が真券と判別されたときの様子を示す図であり、図5(d)はスタック動作時の様子を示す図である。 図6は、本願の発明の第一実施例の紙幣処理装置の概念断面図であって、特に、シャッター手段の動作により紙幣搬送路が拡開された場合にスタック手段が動作しない様子を示す図である。なお図6では、キャリアスイッチとこれが検知するリフトテーブルのシャッターの様子をより詳しく示した要部概念拡大図も併せて図示している。 図7は、図3の上シュートを取り除いた状態から、さらに紙幣識別手段及びリフトテーブルを取り除いた様子を示す拡大概念破断面図であって、駆動手段の動作を示す図である。 図8は、本願の発明の第一実施例の紙幣処理装置の概念断面図であって、特に、紙幣収納通路域に案内した紙幣を一時保留してシャッター手段の動作により紙幣搬送路を閉塞した場合に、スタック手段が動作しない様子を示す図である。 図9は、第一実施例の紙幣処理装置の概念断面図であって、特に、スタック手段の動作により紙幣収納動作を行っている場合に、シャッター手段が動作しない様子を示す図である。 図10は、この発明の第二実施例の紙幣処理装置の要部概念断面図であって、特に、スタッカ手段による紙幣収納動作が行われておらず、かつシャッター手段よって第一の通路が閉塞された状態にある様子を示す図である。 図10の紙幣処理装置の要部概念断面図である。 図12は、この発明の第三実施例の紙幣処理装置の要部概念断面図であって、特に、スタッカ手段による紙幣収納動作が行われておらず、かつシャッター手段よって第二の通路が閉塞された状態にある様子を示す図である。 図13は、図12の紙幣処理装置の要部概念断面図である。 図14は、この発明の第四実施例の紙幣処理装置の要部概念断面図であって、特に、スタッカ手段による紙幣収納動作が行われておらず、かつシャッター手段よって第一の通路が閉塞された状態にある様子を示す図である。 図15(a)及び(b)は、シャッター手段とスタック手段とを共通の駆動源によって駆動する従来の紙幣処理装置の動作を示す概念図であり、特に図15(a)はシャッター手段によって紙幣搬送路の上流が開放されている様子を示す図で、また図15(b)はシャッター手段によって紙幣搬送路の上流が閉塞されている様子を示す図である。
符号の説明
1、71、81、91…紙幣処理装置
2…装置本体
4…紙幣収納部
5…紙幣投入口
6…紙幣搬送路
7…第一の通路
8…第二の通路
10…紙幣収納通路域
11…スタック手段
12…リフトテーブル
13…スタックアーム
21…シャッター手段
41…駆動手段
42…駆動部(スタックモータ)
44…スタックカム
45…スタックリンク
45a…第一の駆動部材(スタックリンクの先端)
45b…第二の駆動部材(スタックリンクの突出面)
45c…スタックリンクの面
46…スタックローラ
47…スタックシャフト

Claims (5)

  1. 紙幣投入口に連通する紙幣搬送路を開閉し、該紙幣搬送路を開閉するシャッター手段と、
    前記紙幣搬送路に沿って紙幣を案内する紙幣搬送ベルト及びそれを駆動する紙幣搬送モータと、
    前記紙幣搬送路の終端に形成された紙幣収納通路域を挟んで紙幣収納部と対向して配置され、前記紙幣搬送路の終端及び前記紙幣収納通路域を横切って紙幣収納部へ移動するリフトテーブルを具え、該紙幣収納通路域に案内された紙幣を紙幣収納部に収納するスタック手段とを具え
    前記シャッター手段によって前記紙幣搬送路が開放された後閉塞されたときに、前記紙幣搬送ベルトの駆動を停止し紙幣が前記シャッター手段を通過した位置で一時保留される紙幣処理装置において、
    前記シャッター手段と前記スタック手段とを一つの駆動部で駆動させる駆動手段を具え、
    該駆動手段は、
    前記シャッター手段を駆動する第一の駆動部材と、
    前記スタック手段を駆動する第二の駆動部材
    とを有し、
    前記シャッター手段を駆動する前記第一の駆動部材の動作に対し、前記スタック手段が動作しない不動作域を有し、これにより前記シャッター手段によって前記紙幣搬送路が開放されるとともに前記リフトテーブルによって前記紙幣搬送路の終端が閉塞されないようにしたことを特徴とする紙幣処理装置。
  2. 前記スタック手段を駆動する第二の駆動部材の動作に対し、前記シャッター手段が動作しない不動作域を有することを特徴とする請求項(1)記載の紙幣処理装置。
  3. 前記スタック手段の動作により紙幣収納動作を行っている場合に、前記シャッター手段によって前記紙幣搬送路が閉塞された状態が保持され、
    前記シャッター手段の動作により前記紙幣搬送路が開放された場合に、前記スタック手段が動作せず、
    前記シャッター手段の動作により前記紙幣搬送路が閉塞された場合に、前記スタック手段が動作しない請求項(1)または(2)に記載の紙幣処理装置。
  4. 前記駆動手段は、
    前記一つの駆動部であるスタックモータと、
    前記スタックモータに係合して回動するスタックカムと、
    前記シャッター手段に向けて配置された先端を有し、前記紙幣収納部へ向けた方向に対して垂直な方向に沿って形成された面と、前記紙幣収納部へ向けた方向に対して垂直な方向に沿って形成された面に連接し、かつ前記紙幣収容部に向けて突出する突出面とを有するとともに、前記スタックカムに係合し、前記シャッター手段へ向け又はその反対方向へ向け移動し、前記先端によって前記シャッター手段を動作させるスタックリンクと、
    該スタックリンクの前記移動によって、前記紙幣収納部へ向けた方向に対して垂直な方向に沿って形成された面に接し又は僅かに離間し、又は前記突出面に沿って昇降するスタックローラと、
    該スタックローラを支承して、前記スタックローラの前記昇降によって前記紙幣収納部へ向け又はその反対方向へ向け移動するスタックシャフトと、
    該スタックシャフトを嵌挿するとともに前記スタック手段に係合し、前記スタック手段を前記紙幣収納部へ向け又はその反対方向へ向け移動させるパンタグラフ構造のスタックアーム
    とからなり、
    前記第一の駆動部材は、前記シャッター手段に係合する前記スタックリンクの前記先端からなり、前記第二の駆動部材は、前記スタックローラに接する前記スタックリンクの前記突出面からなることを特徴とする請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の紙幣処理装置。
  5. 前記紙幣収納部を支承する装置本体と、該装置本体に着脱可能に支承される紙幣識別部を具え、
    前記シャッター手段は、
    前記紙幣識別部に配設されていることを特徴とする請求項(1)〜(4)のいずれかに記載の紙幣処理装置。
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