JP4643340B2 - 電池式電気錠 - Google Patents

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Description

本発明は、電気錠、特にロッカー管理システムにおけるICタグ電気錠、さらに詳細にはICタグの電源として電池を用いた電池式電気錠に関する。
従来、この種の電気錠は、ICタグをそれ自身が持つ製造番号である例えばシリアルナンバーを書き換えのできないIDとしてキーとしての意味を付け、ロッカー本体側に扉の施錠を行うロック機構、ICタグの受付部、ICタグにエネルギーを供給してICタグとの間で送受信を行う送受信部、送受信部より接続される管理部およびこれらに対する電源供給部を一体的に構成して成る電気錠として機能させている。例えば、本出願人自身は、先に出願された特許文献1に開示された電気錠として、タグチェッカーの往方向への移動によってオンとなる検知スイッチのオンによって作動するラッチ用ソレノイドによりラッチレバーへの係合解除方向に作動して施錠可能状態とする作動片を備えた技術を提案した。
特願2003−042606号
しかしながら、従来の電池式電気錠においては、錠前装置の施錠・開錠中においても電池の電源が消費されるため、電池の寿命が短くなる。しかも、このように電池の寿命が短くなるため、当該電池を頻繁に取り換えなければならなくなり、余分な手間と費用がかかるという問題があった。
そこで、本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑みなされたもので、錠前装置の施錠・開錠中では電池電源をOFFとしておき、ICタグによる操作時のみ電池の電源がONとなるように改良することで電池の無駄な消耗を極力少なくすることができる電池式電気錠を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、ロッカー扉板の錠前装置の錠ケース表面にバネの付勢力により突出して嵌め込まれ、ICタグで押圧操作可能としたプッシュボタンを備え、前記ICタグによる押圧時に、プッシュボタン裏側中央に設けられた突起で押されることで電池の電源がONとなって、ICタグによるデータの送受信と錠前装置の施錠・開錠作動を行えるスイッチ部が配線基板正面に設けられていることを特徴とする
スイッチ部は、配線基板に付設されている小さな筐体の開口部からスイッチレバーの頭部が常時露出するように揺動付勢され、プッシュボタンの突起によってスイッチレバーが押圧後退されて配線基板の接点とスイッチレバーの接点とが接触することにより配線基板に電池電源が流れ、データの送受信と錠前装置の施錠・開錠作動を行うことを特徴とする。
このように本発明に係る電池式電気錠によれば、使用に際して、錠前装置の正面板に突設したプッシュボタンをいったんICタグで押圧後退させた後に、ICタグによる通常のデータ送受信を行わせる。すなわち、錠ケース表面にバネの付勢力によって突出しているプッシュボタンをICタグで押圧後退させると、プッシュボタン裏面中央に設けられた突起が配線基板正面に設けられたスイッチ部を押すことで電池の電源がONとなって配線基板に電流が流れ、ICタグによる通常のデータ送受信および錠前装置の施錠・開錠が行われるものである。
本発明によれば、錠前装置の施錠・開錠中では電池電源をOFFとしておき、ICタグによる押圧操作時のみ電池の電源がONとなるように改良することで電池の無駄な消耗を極力少なくすることができる。したがって、電池交換の手間が少なくなり、かつ経費の節減にも寄与するものである。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の一形態を説明すると、図において示される符号1は、例えばロッカー管理システムにおけるICタグPの電源として例えば単三乾電池4本の電池Qを用いた電池式電気錠であり、図1、図5および図10等に示すように、ロッカー本体2を開閉するロッカー扉板3に設けられた錠ケース4の正面板下側に錠前装置1Aに連結されたプッシュボタン5を突設し、上側にはキー孔を有する非常用錠前装置6を設けてある。そして、図5に示すように、錠ケース4の背面下方には、電池収納ケース7を配置し、該電池収納ケース7背面に蓋板7Aを着脱自在に嵌合することで電池収納ケース7自体を閉蓋するようにしてある。
また、図2、図9等に示すように、ロッカー本体2のラッチ受け2Aに対向する錠ケース4の側面には、L字枠状のラッチガード2Bによって覆われた状態でラッチ8が一対の取付プレート9の支軸9Cによって回動自在に支持され、施錠中、ラッチ8に形成されている係合凹部8Aにラッチ受け2Aが係合されるようにしてある。
さらに、図8に示すように、このラッチ8の両面側にはピン8Bがそれぞれ突設されており、両取付プレート9に穿設した円弧状のガイド長孔9Aに該ピン8Bが遊嵌されると共に、二股弦巻状のバネ10の一端を取付プレート9に固定し、バネ10の他端をピン8Bに掛架させることによって、開錠中、係合凹部8Aからラッチ受け2Aを外す方向へ当該ラッチ8を回転付勢させてある。
プッシュボタン5は、図6、図7に示すように、この一端面中央にスイッチ押圧用の突起5Aが形成され、該突起5Aに対して上下一対の箇所にはバネ収容部5Bを凹設し、さらにプッシュボタン5の外周部には環状の係止突部5Cを形成してある。そして、錠ケース4表面に穿設された孔部の内側からプッシュボタン5の頭部側が錠ケース4外方へ突き出されるように配置されると共に、錠ケース4内に配された配線基板11とバネ収容部5Bとの間にバネ12を介挿させることで、プッシュボタン5の係止突部5Cを錠ケース4の孔部周縁に常時圧接保持させてある。
また、配線基板11側にはスイッチ押圧用の突起5Aに対向してスイッチ部11Aが配設され、プッシュボタン5を後述するICタグPによって押圧操作させることによってスイッチ部11Aが突起5Aによって押圧されて電池Qの電源がONとなり、ICタグPによるデータの送受信が行えるようにしてある。さらに詳細に説明すると、このスイッチ部11Aは、配線基板11に付設されている小さな筐体の開口部からスイッチレバー11Bの頭部が常時露出するように揺動付勢され、プッシュボタン5の突起5Aによってスイッチレバー11Bが押圧後退されて配線基板11の接点とスイッチレバー11Bの接点とが接触することにより配線基板11に電池電源が流れ、データの送受信と錠前装置1Aの施錠・開錠用のソレノイド14の作動を行うものとなっている。
図10に示すように、錠ケース4内にはラッチ用ロックレバー13が一端の第1の支点部13Aを介して揺動可能に支持されている。このラッチ用ロックレバー13の他端には、前記回転内筒6Aの作動ピン6Bに当接する一対の当接部13Bが形成され、下端には前記ラッチ8の回転を阻止するための段差状の係止部13Cが形成され、さらに上端にはソレノイド14のプランジャー14Aの係止ピン14Bに掛架させるL字形突起状の掛架部が形成されている。
さらにまた、錠ケース4内にはプランジャー14Aを操作する既述ソレノイド14を備えており、該ソレノイド14の係止ピン14Bと前記ラッチ用ロックレバー13の掛架部との間にはプランジャー14Aが突出する方向に付勢するコイル状のバネ15が介在されている。而して、プッシュボタン5が押圧されることでソレノイド14に電流が流れると、プランジャー14Aがバネ15の付勢力とともに伸長するため、ラッチ用ロックレバー13が支点部13Aを介して反時計方向へ回動し係止部13Cによってラッチが係止されて開扉が阻止されるものとなっている。
ICタグPは、図3、図4に示すように、手首に装着されるよう可撓性を有した非磁性の合成樹脂からなるカールコード状のバンドを取り付けた硬質樹脂製のケースに内蔵され、ケース表面にはロッカー番号等のシリアルナンバーを表示してあり、このケース自体でもってプッシュボタン5を押圧操作させる。
一方、非常用錠前装置6は、図11に示すように、錠シリンダーに回転可能に支持されている回転内筒6Aのキー孔6Dに対向する背面側には、差し込まれたキーの回動に伴い該回転内筒6Aと一体となって回動する作動ピン6Bが突設されている。また、回転内筒6Aの周面には凹部6Cが形成され、錠ケース4に形成されたバネ取付部4Aに配されているバネ4Bの一端を該凹部6Cに圧接させてある。
図10に示すように、ラッチ用ロックレバー13における一対の当接部13B側近傍には、突起状の第2の支点部13Eが形成され、電池蓋用ロックレバー16の略中央に設けた長孔16Aに係入され、第1の支点部13Aを介してのラッチ用ロックレバー13の揺動に伴って電池蓋用ロックレバー16自体が上下方向に移動されるようにしてある。また、電池蓋用ロックレバー16の一端には、前記回転内筒6Aの作動ピン6Bに係架させるための上側係止突起16Bが形成され、他端には、電池収納ケース7背面に装着された蓋板7Aの上側縁端部に形成されている係合孔に係合させるための下側係止突部16Cが形成されている。
そして、電池蓋用ロックレバー16の一方の面にはリセットレバー17が、それぞれの長孔16A、17Aに対応して接合され、リセットレバー17一端に形成されたスイッチ接点の当接押部17Bと電池蓋用ロックレバー16の下側係止突起16Cとの間にバネ19を介挿させて、当該電池蓋用ロックレバー16を下降方向に常時付勢させてある。
また、リセットレバー17の上端には、円弧状の押下げ部17Cが形成され、回転する前記回転内筒6Aの作動ピン6Bによって押下げ部17Cを介してリセットレバー17が押圧降下され、前記当接押部17Bによってマイクロスイッチ20のスイッチ接点20Aを押圧して電池の電源がONとなり、ソレノイド14に電流が流れるようにしてある。
而して、ソレノイド14に電流が流れると、プランジャー14Aがバネ15の付勢力に抗して引っ込むとともに、ラッチ用ロックレバー13のラッチとは反対側の当接部13Bが押されるため、ラッチ用ロックレバー13が支点部13Aを介して時計方向へ回動し係止部13Cによるラッチに対する係止が解除され非常開錠が可能となる。
また、非常用錠前装置6のキー孔6Dにキーを差し込み、非常開錠とは反対方向(図1の時計方向)へ回動することによってラッチ用ロックレバー13を上昇して蓋板7Aの係合孔に対する係合を解除するようにしてある。これによって、電池収納ケース7背面の蓋板7Aを容易に外すことができる。
次に、上記した構成による電池式電気錠の使用動作について説明する。
先ず、錠前装置1Aの通常の施錠・開錠の場合について説明する。
開扉状態にあるロッカー本体2内に物品を収納した後、ロッカー扉板3を閉める。この開扉状態にある時には、図8、図10に示すように、ラッチ8とラッチ用ロックレバー13とは互いに干渉しない状態に位置する。つまり、ラッチ8はバネ10によって開錠状態に付勢保持されている。
ロッカー扉板3を閉めると、ロッカー本体2側のラッチ受け2Aにラッチ8が当接して当該ラッチ8をバネ力に抗して回動させる。これによってラッチ8はその係合凹部8Aがラッチ受け2Aに係合する。
しかし、このままではロッカー扉板3を開けると再び開扉可能なため、ラッチ8係合後、数秒でソレノイド14のプランジャー14Aがバネ力で伸長し、ラッチ8に対してラッチ用ロックレバー13の係止部13Cが係止して、ラッチ8の開扉方向への回動を阻止する。このとき、電池Qの電源は切られている。
施錠状態のロッカー扉板3を開扉するには、先ずICタグPを錠前装置1Aに連結されたプッシュボタン5に当ててこれを押す。これはICタグPを手首に装着したままでも可能である。このようにプッシュボタン5が押されるとスイッチレバー11Bが接点と接触し、配線基板11に電池Qの電流が流れる。ちなみに、ICタグP以外のものでプッシュボタン5を押しても電池Qから電流は流れない。
これによってソレノイド14に電流が流れ、プランジャー14Aをバネ力に抗して引っ込ませ、ラッチ用ロックレバー13を反時計方向に回動させ、その係止部13Cによるラッチ8に対する係止状態を解除する。
その後、開扉することができ、以下同様の動作が繰り返される。
本発明を実施するための最良の形態を示す電池式電気錠の要部の正面図である。 図1におけるA−A矢視断面図である。 同じく電池式電気錠の要部の側面図である。 同じくICタグの具体的な構成を示すもので(a)は平面図、(b)は側面図である。 同じく電池式電気錠の要部の背面図である。 図1におけるB−B矢視断面図である。 プッシュボタンをICタグで押圧した状態を示す概略断面図である。 ラッチの開錠状態を示す正面図である。 ラッチの閉錠状態を示す正面図である。 電池収納ケースから蓋板を取り除いた状態を示す全体の正面図である。 非常用錠前装置の一例を示し、(a)は正面図、(b)は背面図である。 非常用錠前装置の側面図である。
P ICタグ
Q 電池
1 電池式電気錠
1A 錠前装置
2 ロッカー本体
3 ロッカー扉板
4 錠ケース
5 プッシュボタン
5A 突起
6 非常用錠前装置
7 電池収納ケース
7A 蓋板
8 ラッチ
11 配線基板
11A スイッチ部
12 バネ
13 ラッチ用ロックレバー
14 ソレノイド
16 電池蓋用ロックレバー
16B 上側係止突起
16C 下側係止突起
17 リセットレバー
20 マイクロスイッチ

Claims (2)

  1. ロッカー扉板の錠前装置の錠ケース表面にバネの付勢力により突出して嵌め込まれ、ICタグで押圧操作可能としたプッシュボタンを備え、前記ICタグによる押圧時に、プッシュボタン裏側中央に設けられた突起で押されることで電池の電源がONとなって、ICタグによるデータの送受信と錠前装置の施錠・開錠作動を行えるスイッチ部が配線基板正面に設けられていることを特徴とする電池式電気錠。
  2. スイッチ部は、配線基板に付設されている小さな筐体の開口部からスイッチレバーの頭部が常時露出するように揺動付勢され、プッシュボタンの突起によってスイッチレバーが押圧後退されて配線基板の接点とスイッチレバーの接点とが接触することにより配線基板に電池電源が流れ、データの送受信と錠前装置の施錠・開錠作動を行うことを特徴とする請求項1記載の電池式電気錠。
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