JP4642361B2 - コンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物およびコンクリート用型枠板 - Google Patents

コンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物およびコンクリート用型枠板 Download PDF

Info

Publication number
JP4642361B2
JP4642361B2 JP2004041709A JP2004041709A JP4642361B2 JP 4642361 B2 JP4642361 B2 JP 4642361B2 JP 2004041709 A JP2004041709 A JP 2004041709A JP 2004041709 A JP2004041709 A JP 2004041709A JP 4642361 B2 JP4642361 B2 JP 4642361B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
acrylic resin
curable
concrete
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004041709A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005232273A (ja
Inventor
正人 山吉
ピュウ アエ キン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Marine Paints Ltd
Original Assignee
Chugoku Marine Paints Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Marine Paints Ltd filed Critical Chugoku Marine Paints Ltd
Priority to JP2004041709A priority Critical patent/JP4642361B2/ja
Priority to PCT/JP2005/002481 priority patent/WO2005078029A1/ja
Publication of JP2005232273A publication Critical patent/JP2005232273A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4642361B2 publication Critical patent/JP4642361B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Forms Removed On Construction Sites Or Auxiliary Members Thereof (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

本発明は、コンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物およびコンクリート用型枠板に関し、さらに詳しくは、上記上塗塗料組成物をコンクリート用型枠板等の表面に塗装すれば、型枠板をコンクリート硬化物から極めて容易に離型(剥離)させて、同一の型枠を多数回繰返して使用でき、いわゆる剥離転用性の良好なコンクリート型枠板用の硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物および該組成物を塗装してなるコンクリート用型枠板に関する。
コンクリート用型枠板としては、塗装などの表面被覆が施されていない木製板材(基板)がそのまま使用される場合もあるが、木材の変質によるコンクリート面の硬化不良、木材からのヤニの滲出によるコンクリート面の着色、木材中の導管が、硬化したコンクリート面にむしり取られて生じた、コンクリート面への導管の食い込み・付着等を防止する目的で、コンクリート用型枠基板には、通常、塗装などの被覆処理が行われることが多い。
コンクリート用型枠基板の被覆方法としては、例えば、コンクリート用型枠基板の表面にフェノール樹脂含浸紙を貼り付ける方法(イ)、プラスチック粉末を溶融圧着する方法(
ロ)、あるいは ポリエステルウレタン樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料、等を塗装する方法(ハ)が挙げられる。
しかしながら、コンクリート用型枠基板の表面に、上記のようにフェノール樹脂含浸紙を貼り付ける方法やプラスチック粉末を溶融圧着する方法では、製造設備や材料費が高価となる。また、コンクリート用型枠基板の表面にポリエステルウレタン樹脂塗料を塗装する方法では、得られたコンクリート用型枠板を用いると、コンクリート(通常、水とセメントと砂と砂利との硬化反応物で大きな強度が得られる。)の硬化不良を生じ易い。また、コンクリート用型枠基板の表面に、エポキシ樹脂塗料を塗装する方法では、得られるコンクリート用型枠板の耐候性や耐クラック性が不充分である。またコンクリート用型枠基板の表面に、アクリルウレタン樹脂塗料を塗装する方法では、耐候性や耐クラック性の点で一応満足しうるコンクリート用型枠板が得られるが、目止め用塗料と着色用塗料の2種類の塗料をコンクリート用型枠基板の表面に塗り重ねた一般的なコンクリート用型枠板では、コンクリートの打設に数回繰り返して用いると、型枠板の塗膜表面に「ノロ」(セメントと水の硬化反応物で、強度は乏しいがきめが細かい。)やコンクリート屑などが付着してしまい離型性が低下し、また型枠基板として用いられている合板自体の割れ、型枠離型時の合板の層間剥離、型枠板表面の塗膜剥離、木質基材の表面の導管などが、硬化したコンクリートに毟り(むしり)取られて生じた基材凹部である「むしれ」や、導管などが毛羽立ったささくれ、などの表面損傷が生ずるため、実際上、繰返して使用可能な回数は、5〜6回程度までに制限されてしまっており、その後は焼却処分等に付されている。
しかしながら、近年、公害問題の抑制等の観点から、建築現場におけるコンクリート用型枠板等の廃材の焼却処分の禁止が法令化されたため、建築業者等にとっては、使用済み型枠用合板の運搬、廃棄コストが大きな負担増となっている。
このような使用済み型枠用合板の運搬、専門業者への廃棄依頼コスト等の削減のため、できるだけ多数回、例えば10回以上繰り返し使用可能なコンクリート用型枠板の出現が望まれている。
なお、これまでにも架橋性不飽和基含有オルガノポリシロキサンなどを含むアクリルウレタン系上塗塗料や、珪素系化合物で変性したアクリルウレタン系上塗塗料などが提案されている(例えば、下記特許文献1〜8、10参照。)。
すなわち、特許第2583230号(特許文献1)には、(i)(イ)活性水素基を有する共重合体及び(ロ)前記共重合体よりも溶解性パラメータが0.7以上大きく、活性水素基を有するアクリル共重合樹脂からなる共重合体混合物と、(ii)前記共重合体よりも溶解性パラメータが0.5〜1.5大きい硬化剤とからなる被覆組成物が開示され、上記共重合体(イ)として、共重合体中に−OH、−COOH、−NH2、>NH、−S
H、−SiOH、−SiHなどの結合を一個又はそれ以上有するフッ素樹脂、含シリコン共重合体等が挙げられ、汎用の上塗塗膜の表面にこの被覆組成物を塗装すると、耐候性、耐溶剤性及び耐汚染性に優れ、しかも外観、下地密着性及びリコート密着性の良好な上塗外装塗膜を得ることができる旨記載されている。
特開平2−261868号公報(特許文献2)には、水酸基を含有した塗料成形用樹脂、レベリング剤、潤滑剤および溶剤等からなる主剤成分と、イソシアネート系硬化剤成分とからなり、主剤成分中に、少なくともアクリル酸及びアクリル酸アルキルエステル重合体が含まれたレベリング剤と、ポリシロキサンポリエーテル共重合体からなる湿潤剤を特定量で含有させた2液塗料組成物が開示されている。また、上記湿潤剤としてのポリシロキサンポリエーテル共重合体としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のノニオン系ポリエーテル(A)とメチルポリシロキサンの共重合体:
Figure 0004642361
(m>1、n≧0、A:ノニオン系ポリエーテル)が挙げられている。該2液塗料組成物は、金属せっけんなどの内部離型剤を含有した自動車バンパー用のRIM(Reaction Injection Molding)成形品の表面に下塗として塗装すると、密着性が良好な塗膜を形成でき、該塗料の塗装時には塗料のハジキが生じない旨記載されている。
特開平10−67844号公報(特許文献3)には、(A)特定のヒドロキシル価および数平均分子量を有するフィルム形成性ポリオール樹脂と、(B)樹脂(A)と反応するブロックイソシアネート硬化剤またはアミノ樹脂と、そして(C)式「(R1 n −Si−(OR2 4-n 」(定義省略)のアルコキシシラン化合物の少なくとも1種の部分加水分解縮合物を、式「R3 Si(R4 m (OR4 3-m 」(定義省略)を有するシランカップリング剤で処理したシランカップリング剤処理シリケート縮合体とを含む熱硬化性樹脂組成物が開示されている。上記ポリオール樹脂(A)としては、(変性)アクリルポリオール樹脂、(変性)シリコーンポリオール樹脂等が挙げられている。また、該熱硬化性樹脂組成物を、ポリエステル系プライマー処理された鋼板の表面に上塗として塗装したところ、硬化性、耐汚染性、硬度、耐酸・アルカリ性が良好で、塗料の貯蔵安定性等も良好である旨記載されている。
特開2001−329214号公報(特許文献4)には、(A)非水系溶剤に溶解および/または分散された重量平均分子量160,000〜1,000,000のポリオール樹脂溶液および/またはポリオール樹脂分散液、(B)上記(A)の水酸基と反応性を有する硬化剤、および、(C)シラン化合物の縮合物を含有する上塗り塗料組成物が開示され、建築内外装用の旧塗膜に対する補修用の上塗塗料として、あるいはコンクリート、金属等の基材に対する上塗塗料として好適である旨記載されている。
特開2001−329223号公報(特許文献5)には、(A)非水系溶剤に溶解および/または分散されたポリオール樹脂溶液および/またはポリオール樹脂分散液、(B)上記(A)の水酸基と反応性を有する硬化剤、および、(C)特定構造を有するシラン化合物の縮合物を含有する上塗り塗料組成物が開示され、補修時等に上塗りされる塗料との層間付着性が良好で、塗膜の雨だれ汚染防止性にも優れる旨記載されている。
特開平11−286648号公報(特許文献6)には、式(1)「(R1O)3-a−Si(R2a−C≡」(R1、R2:H,C1〜10のアルキル基等、a:0〜2の整数)で表される炭素原子に結合した反応性シリル基および水酸基を含有するアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、式(2)「(R3 O)4-b −Si−R4 b 」(R3,R4:C1〜10のアルキル基等、b:0、1)で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(B)2〜70重量部と、架橋剤としてイソシアナート基を2個以上含有する化合物(C)0.1〜50重量部とを配合してなる上塗り塗料用硬化性組成物(イ)が開示されている。該上塗り塗料用硬化性組成物(イ)を、エポキシ系シーラー等にて下塗塗装された金属、セメント等の基材表面に塗装し、あるいは通常上塗塗料として用いられているアクリル塗料、ウレタン塗料等による塗装表面に、さらに上塗としてこの塗料組成物(イ)を塗装すると、耐汚染性と密着性、耐溶剤性、耐衝撃性を同時に有する上塗り塗膜が得られる旨記載されている。
特開平11−315252号公報(特許文献7)には、それぞれ重合性不飽和基を有するポリジアルキルシロキサン、オルガノポリシルセスキオキサン、及び他の重合性不飽和基を有する化合物から製造され分子内に活性水素を有する共重合体樹脂(A)及び所望により他の共重合体樹脂(C)と、活性水素と反応し得る架橋剤(B)、好ましくはイソシアネート化合物を配合し共重合させたコーティング用樹脂組成物が開示され、耐候性、耐油性、マジックインキハジキ性やその持続安定性、剥離力の安定性、粘着剤層への非移行性などに優れた塗膜が得られる旨記載されている。
特開2000−86975号公報(特許文献8)には、特定のオルガノポリシロキサンを分子骨格に組み込み、且つ活性水素と反応して架橋構造を形成し得るような反応性基を分子内に2個以上有する架橋剤及び特定のシリケートを配合したコーティング用樹脂組成物が開示され、基材に対する接着性が良好で、耐候性に優れ、汚染されにくくまた汚染されても容易に汚染除去できる塗膜を形成でき、建物、車両などのトップコートとして好適である旨記載されている。
また、特開昭61−103966号公報(特許文献10)には、基材上に、「CH2
CR−CO2X」(定義省略)で表される(メタ)アクリレートを含むアクリルポリオー
ルと多官能有機イソシアネート化合物からなるプライマー組成物を塗布し、加熱、乾燥して硬化させ、得られたプライマー層上に、式「R1 a2 bSi(OR34-a-b 」(定義省
略)で表される有機ケイ素化合物および/またはその加水分解物からなるコーティング組
成物を被覆硬化する、複合膜の製造方法が開示されている。この複合膜は、ガラス、金属、各種塗料を塗布した基材などの表面に設けると耐すり傷性、表面硬度等が良好である旨記載されている。
しかしながら、これら特許文献1〜8及び10を如何に精査してみても、これらの特許文献には、コンクリート用型枠の表面に離型剤として塗装しようとする技術的思想は存在しない。従って、当然のことながら、これら文献には、これら文献に記載のコーティング組成物、塗料などを塗装すれば、硬化したコンクリートから型枠を容易に剥離させることができ、同一の型枠を多数回繰返して使用し得るか否かの点については、記載も示唆もされていない。
ところで、合板の目止め用ウレタン樹脂塗料などもこれまでに提案されている(特許文献9、11参照。)
すなわち、特開平4−288379号公報(特許文献9)には、分子内に不飽和二重結合2個以上と水酸基1個以上とを含有する不飽和ポリエステル樹脂、ポリイソシアネート化合物、体質顔料、有機過酸化物触媒、反応性希釈剤、乾燥促進剤を含有する塗料を塗付することからなる木材合板の目止め方法が開示され、上記不飽和ポリエステル樹脂は、マレイン酸等の不飽和二塩基酸と、エチレングリコール等の多価アルコールとをエステル化反応(脱水縮合重合)させて得られる旨記載されている。
また、特開2002−102792号公報(特許文献11)には、型枠用合板に、特定粘度の溶剤型浸透性シーラーを塗装し、その上に水分散性樹脂及び/又は水溶牲樹脂と水分散型ポリイソシアネートを含有し、特定粘度の下塗塗料、又は、ヒドロキシル基を有する溶剤型樹脂と溶剤型ポリイソシアネートを含有する下塗塗料を塗装し、さらにその上に、上塗塗料を塗装する型枠用塗装合板の製造方法、及び、型枠用合板に、上記特定粘度の水分散性樹脂及び/又は水溶牲樹脂と水分散型ポリイソシアネートを含有する水性の浸透性シーラーを塗装し、その上に上記と同様の下塗塗料、上塗塗料を順次塗装する型枠用塗装合板の製造方法が開示されている。
しかしながら、これら特許文献9あるいは11に記載の塗膜付き目止め合板では、コンクリート用型枠として用いると、型枠の離型性、転用回数などの点で充分でない。
また、コンクリート型枠や木質基材に塗装可能なウレタンアクリレート系塗料も下記特許文献12〜20に示すように、これまでに種々提案されている。
特公平05−39768号公報(特許文献12)には、特定の分子量と(平均)イソシアネート基数2以上を有する有機ポリイソシアネートと、特定分子量と平均活性水素基数2以上の活性水素基含有化合物と、反応させて得られる、特定の式(省略)で示されるポリウレタン架橋密度CDが特定の範囲にあるポリウレタン塗料100重量部に対して、沸点が250℃以上の可塑剤を10〜300重量部配合したポリウレタンコンクリート剥離塗料および該塗料を板状体の表面に塗装したコンクリート型枠が開示され、該塗料には、シリコーン等の添加が可能である旨記載され、また、該塗料は、木製あるいは金属製型枠表面に塗装すると、剥離効果、耐水性がよく、繰返して使用でき剥離転用性がよい旨記載されている。
特公平05−39767号公報(特許文献13)には、上記特公平05−39768号公報(特許文献12)に記載の活性水素基含有化合物が、ビスフェノール類にオキシアルキレンエーテルを反応させてなるものを必須成分として含むものである態様が開示され、上記特許文献12と同様の効果が記載されている。
特公平7−2931号公報(特許文献14)には、コンクリートと接する木質部材の表面に塗装してコンクリートとの剥離を良くするための塗料において、塗料用樹脂が有機ポリイソシアネートとポリオール等の活性水素基含有化合物とからなり、有機ポリイソシアネートが木質部材に非浸透性のものであるコンクリート剥離塗料および該塗料を板状体の
表面に直接塗装したコンクリート型枠が開示され、該塗料には、シリコーン等の添加が可能である旨記載され、また、塗膜やコンクリート表面の平滑性、剥離容易性、剥離転用性(10回以上)などが良好である旨記載されている。
特公平07−98918号公報(特許文献15)には、ソリッド水酸基価10〜150mgKOH/g、ガラス転位温度20℃〜100℃、重量平均分子量30,000〜100,000の物性を有するアクリル樹脂にポリイソシアネート系硬化剤を配合してなるコンクリート用塗装型枠合板用アクリルウレタン塗料組成物、および合板の素地にアクリル系エマルジョン塗料を塗布し乾燥した後、この上に更に上記アクリルウレタン塗料組成物を塗布し、常温で短時間に乾燥させる、コンクリート用塗装型枠合板の製造方法が開示され、合板上にアクリル系エマルジョン下塗塗装した後、該アクリルウレタン塗料組成物を上塗すると、短時間に常温(20〜25℃)乾燥してコンクリート用塗装型枠合板が得られ、得られた合板を積み重ねても塗装面のブロッキング(粘着)がなく乾燥性がよく、基板との密着性、コンクリート離型性などが良好である旨記載されている。
特開平09−221627号公報(特許文献16)には、水酸基を1分子当たり2個以上有するポリオールと、水酸基を有するアクリル樹脂とからなる、水酸基価が50〜400mg・KOH/gのポリオール変性アクリル樹脂にポリイソシアネート系化合物を含有させてなるコンクリート塗装型枠合板用無溶剤型ウレタン塗料組成物が開示され、この塗料組成物を下地処理された合板上に塗装したところ、コンクリート離型性などが良好であった旨記載されている。
特開平10−120896号公報(特許文献17)には、(A)特定の重量増加率と粘度を有するポリオール、(B)特定の水酸基価の重合体及び(C)分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物を組み合わせてなる硬化性組成物、および、(A′)ポリオキシアルキレンポリオールと、上記重合体(B)と、上記イソシアネート化合物(C)を組み合わせてなる硬化性組成物並びに前記硬化性組成物を含有してなる塗料が開示され、該塗料は、硬化性、塗膜外観がよく、コンクリート型枠合板の塗装用塗料に好適である旨記載されている。
特開平11−116893号公報(特許文献18)には、ビスフェノールA等の両末端に(ポリ)アルキレンオキサイドを付加反応させてなるポリオール類(a)および/またはその他の1分子当たり少なくとも2個の水酸基を含有する化合物(b)と、分子中に反応性基
を有さない、特定の置換基含有キシレン(c)とから成る主剤成分と、ポリイソシアネート類からなる硬化剤成分とを必須の成分とするコンクリート型枠用塗料組成物が開示され、木質合板上に塗装すると、耐ブロッキング性、型枠の離型性、耐候性、省資源等の良好な塗膜が得られる旨記載されている。
特許第2866662号(特許文献19)には、(A)水酸基を有するモノエチレン性不飽和単量体、(B)エチレン性不飽和二重結合を有する一塩基酸及び/又は多塩基酸、並びに(C)その他のエチレン性不飽和単量体を重合させて得られる共重合体と、ポリメチレン・ポリフェニル・ポリイソシアネートとを含有してなる木材用塗料用ポリウレタン樹脂組成物が開示され、ラワン合板等に塗装し室温乾燥させると、従来のポリウレタン系に比べ光沢,耐アルカリ性,ブロツキング性が良好な塗膜が得られ、コンクリート型枠合板用塗料として有用である旨記載されている。
特開2002−97412号公報(特許文献20)には、相異なるポリオール(A1)又は(A2)と、ポリエーテルポリオール(B)と、溶剤(C)とを含む塗料用樹脂組成物であって、該ポリオール(A1)は、水酸基を有する重合性不飽和単量体と環構造を有する重合性不飽和単量体を反応してなり、また、該ポリオール(A2)は、水酸基を有す
る重合性不飽和単量体と特定の直鎖分岐構造を有する重合性不飽和単量体を反応してなる塗料用樹脂組成物が開示され、樹脂例えば、シリコン樹脂、オルガノシリケートの縮合物を含んでいてもよい旨記載され、下塗、中塗りあるいは上塗として使用でき、合板等の基材に塗装でき、光沢、耐候性、可撓性などが良好である旨記載されている。(但し、この特許文献20には、コンクリート型枠用合板に用る旨の記載や型枠に用いた場合の離型性については何ら記載も示唆もない。)
しかしながら、これら特許文献12〜20に記載の塗料などをコンクリート型枠用合板に塗設しコンクリート用型枠として用いると、型枠の剥離性、基材との層間接着強度、耐アルカリ性、耐クラック性、基材表面に対する隠蔽性、塗膜の外観や状態などの何れかの点で充分でない。
特許第2583230号 特開平2−261868号公報 特開平10−67844号公報 特開2001−329214号公報 特開2001−329223号公報 特開平11−286648号公報 特開平11−315252号公報 特開2000−86975号公報 特開平4−288379号公報 特開昭61−103966号公報 特開2002−102792号公報 特公平5−39768号公報 特公平5−39767号公報 特公平7−2931号公報 特公平7−98918号公報 特開平9−221627号公報 特開平10−120896号公報 特開平11−116893号公報 特許第2866662号 特開2002−97412号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、コンクリート用型枠板等の表面に塗装すれば、型枠板をコンクリート硬化物から容易に離型させることができ、同一の型枠を多数回繰返して使用し得るコンクリート型枠板用の硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物および該組成物を塗装してなるコンクリート用型枠板を提供することを目的としている。
本発明に係るコンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物(上塗塗料組成物)は、
硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)、ポリシロキサン系化合物(vi)、およびイソシ
アネート系硬化剤(iv)を含むことを特徴としている。
本発明では、上記上塗塗料組成物が、さらに、消泡剤(xiv)、レベリング剤(xv)な
どを含んでいてもよい。
上記上塗塗料組成物は、硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)(不揮発分)100重量
部に対して、上記ポリシロキサン系化合物(vi)を1〜100重量部の量で含有すること
が好ましい。
本発明に係るコンクリート用型枠板は、基板の表面に、下記(A)、(B)および(C)の各塗膜が、その順序(基板/塗膜(A)/塗膜(B)/塗膜(C))で形成されてなっている。
(A) 硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)、炭酸カルシウム(ii)、タルク(iii)およびイソシアネート系硬化剤(iv)を含む硬化性アクリル樹脂組成物からなる目止め塗膜、(B) 硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)、黄色酸化鉄、酸化チタンおよびカーボン
ブラックからなる群から選ばれた少なくとも1種の顔料成分(v)、およびイソシアネー
ト系硬化剤(iv)を含む硬化性アクリル樹脂組成物からなる中塗り塗膜、
(C) 硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)、ポリシロキサン系化合物(vi)、および
イソシアネート系硬化剤(iv)を含む硬化性アクリル樹脂組成物(C1)、または、
湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)、ポリシロキサン系化合物(vi)、水分吸収剤(viii
)および硬化触媒(ix)を含む湿気硬化型ウレタン樹脂組成物(C2)
からなる上塗りクリヤー塗膜。
本発明に係るコンクリート用型枠板では、上記目止め塗膜(A)用の組成物は、さらにビニル樹脂(x)、黄色酸化鉄(xi)、揺変剤(xii)、沈殿防止剤(xiii)の何れか1種以上を含んでいてもよく、また、上記中塗り塗膜(B)用の組成物は、さらに、沈殿防止剤(xiii)、消泡剤(xiv)の何れか1種以上を含んでいてもよく、また、上記上塗りク
リヤー塗膜(C)用の組成物(C1)または(C2)は、さらに、消泡剤(xiv)、レベ
リング剤(xv)などの何れか1種以上を含んでいてもよい。
上記上塗りクリヤー塗膜(C)用の組成物(C1)は、硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)(溶剤以外の樹脂分すなわち不揮発分)100重量部に対して、上記ポリシロキサ
ン系化合物(vi)を1〜100重量部の量で含有することが好ましい。
本発明に係るコンクリート用型枠板の製法は、基板の表面に、上記(A)、(B)および(C)の各塗膜を、その順序(基板/塗膜(A)/塗膜(B)/塗膜(C))で形成させることを特徴としている。
上記上塗塗料組成物を使用したコンクリート用型枠板は、離型性に優れ、該型枠板を配設してなる型枠内に混練したコンクリートを流し込み、得られたコンクリート硬化物を容易に剥離させることができ、しかも該型枠には、コンクリート硬化物は殆ど残存付着しないため、同一の型枠を再塗装せずに多数回(例:10回以上)繰返して使用でき、経済コスト、省資源、建設/土木作業性等の点で好適である。
以下、本発明に係るコンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物(単に、
上塗塗料、上塗塗料組成物等とも言う。)、およびコンクリート用型枠板並びにその製法
について、具体的に説明する。
<コンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物>
本発明に係るコンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物(上塗塗料)は、下記のような硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)、ポリシロキサン系化合物(vi)、
およびイソシアネート系硬化剤(iv)を含んでいる。
本発明では、上記上塗塗料組成物は、通常配合される有機溶剤の他に、さらに、消泡剤(xiv)、レベリング剤(xv)などを含んでいてもよい。なお、この上塗塗料が適用され
るコンクリート型枠用基板の材質には特に制限はなく、例えば、天然材ではメランティ、
ビンタンゴール、スンタイ、ドリアン、メルサワ、セラパット、レンガス、ラワン、ナラ、カバ、タモ、カエデ、ミズメ、シナ、セン、ブナなどを挙げることができる。本発明では、基板、特に強度、寸法安定性等の点から好ましく用いられる型枠用合板は、「コンクリート型枠用合板の日本農林規格」(農林省告示第932号、昭和42年6月30日)に適合するものであることが望ましい。
以下、上記上塗塗料に含まれる硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)(成分(i))について初めに説明する。
[硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)]
硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)は、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)ア
クリル酸エステルから誘導される成分単位と、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルから誘導される成分単位とを含有するアクリルポリオール樹脂であって、該樹脂(i)中におい
て、各成分単位は、ブロックを形成して存在していてもよく、またランダムに存在していてもよい。また該樹脂(i)は、シリコーン、ポリエーテル、ポリエーテルポリオールなど
通常塗料で用いられる他のセグメントで変性されていてもよく、また、水酸基以外の官能基、例えば、カルボキシル基、アルコキシシリル基、アルコキシフェニル基などを有していてもよい。
このような硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)は、例えば、(a):水酸基含有(メタ)
アクリル酸エステルと共重合可能で水酸基を含有しないビニル系モノマーである、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステル等と、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとを共重合させるか、あるいは
(b):水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを単独重合させる、あるいは
(c):上記(a)の共重合時に、さらに変性用モノマー(例:カルボキシル基含有モ
ノマー、アルコキシシリル基含有モノマー、ポリオキシアルキレン基含有モノマー、シロキサン結合含有モノマーなど)を添加し共重合させる、
など常法により製造することができる。なお、各モノマーの添加・混合順序は特に限定されない。また、上記シリコーン変性された水酸基含有アクリル樹脂を得るには、例えば、片/両末端、側鎖などに水酸基を有するシリコーンと、官能基を有するアクリル樹脂中のカルボキシル基とのエステル化反応を行ってもよい。
(メタ)アクリル酸エステルその他のビニル系モノマー(水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを除く。以下同様。)としては、従来より公知のものが広く使用でき、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)ア
クリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i
−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジブロモプロピル(メタ)アクリレート等の炭化水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の重合性不飽和ニトリル類;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系単量体;
酢酸ビニル等のビニルエステル類;グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有単量体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の塩基性単量体等が挙げられる。これらは単独であるいは二種以上を併用して使用することができるが、中でも(メタ)アクリル酸エステル単量体やスチレンが好ましい。
また水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチル−モノブチルフマレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートへのエチレンオキシドの開環付加物やプロピレンオキシドの開環付加物、
上記水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとε−カプロラクトンとの付加物あるいは、ポリエチレングリコール(および/またはポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート)とε−カプロラクトンとの付加物(「プラクセルFMシリーズ、FAシリーズ」のモノマー、ダイセル化学(株)製のカプロラクトン付加モノマーの商品名)のような、各種のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの二量体や三量体等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体;
などが挙げられる。
本発明では、硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)は、他のセグメントで変性されていて
もよく、そのような変性された硬化性水酸基含有(メタ)アクリル樹脂(i)を得るには、
例えば、変性基含有モノマーを、上記した(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルなどと共重合させればよい。
変性基含有モノマーとしては、カルボキシル基含有モノマー;アルコキシシリル基含有モノマー(すなわちSi原子に重合性不飽和基とアルコキシ基と必要によりアルキル基とが結合したアルコキシシリル基含有モノマー);側鎖にビニル基、(メタ)アクリル基などの重合性不飽和基とアルキル基等を有し、主骨格が梯子状のオルガノポリシロキサンモノマー(数平均分子量Mn:数百〜数万);など、例えば、特開平10−67844号公報(特許文献3)の[0026]〜[0028]欄、特開平11−286648号公報(特許文献6)の[0023]〜[0040]欄、特開平11−315252号公報(特許文献7)の[0018]欄、特開2000−86975号公報(特許文献8)の[0009]欄等に記載のものが挙げられ、具体的には、例えば、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、などが挙げられる。
このような硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)としては、例えば、上記特開平11−286648号公報(特許文献6)に記載の反応性シリル基および水酸基を含有するアクリル系共重合体(Mn:1000〜3万):
Figure 0004642361
(式中、R1 :水素原子、C1〜10のアルキル基、R2 :水素原子、C1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、a:0〜2の整数。)、
特開平11−315252号公報(特許文献7)に記載の共重合体樹脂である、「1分子当たり少なくとも1個の重合性不飽和基を有するポリジアルキルシロキサン(a1)、重合性不飽和基を有するオルガノポリシルセスキオキサン(a2)及び他の重合性不飽和基を有する化合物(a3)とから製造され、かつ分子内に活性水素を2個以上有する共重合体樹脂」などが挙げられる。
硬化性水酸基含有アクリル樹脂として、上市されているものでは、例えば、
「アクリディック 51−302」(大日本インキ化学工業 (株)製、溶剤:ブチルアセ
テート、不揮発分50%)、
「アクリディック A‐850」(大日本インキ化学工業 (株)製、溶剤:トルエン、ブ
チルアセテート、不揮発分70%)、
「ヒタロイド 3018−70B」(日立化成工業(株)製、溶剤:トルエン、メチルエチルケトン、イソブチルアセテート、不揮発分70%)、
「オーラック APO−101」(大竹明新化学(株)製、溶剤:トルエン、メチルイソブチルケトン、不揮発分60%)、「オーラック APO−301」(大竹明新化学(株)製、溶剤:キシレン、不揮発分65%)等が用いられる。
また、この硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)の数平均分子量(Mn)[測定法:GP
C。標準ポリスチレン検量線を用いて換算。]は、通常、500〜50,000、好ましくは1800〜30,000の範囲にあり、
この硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)の重量平均分子量(Mw)[測定法:GPC。
標準ポリスチレン検量線を用いて換算。]は、通常、5,000〜100,000、好ましくは20,000〜70,000の範囲にあることが望ましい。これらの数/重量平均分子量が上記範囲より少ないと乾燥性が低下し、塗膜強度が低下して耐候性が不良となる傾向があり、上記範囲を超えると塗料の粘度が高すぎて塗装性が低下し、塗料中の不揮発分量が低下する傾向がある。
なお、上記GPC測定条件は、以下の通り:
(イ)機器製造社と型番:「Water Asia Limited」、
(ロ)カラム:TSK G2000H,TSK G4000H,TSK GMH−M、
(ハ)溶離液:テトラヒドロフラン、
(ニ)カラム温度:40℃、
(ホ)流量:1ml/分、
(ヘ)検出器:600S Controller。
水酸基価(ヒドロキシル価)が好ましくは50〜180mgKOH/g、さらに好ましくは70〜100mgKOH/gであることが適度の硬化反応性を有し、得られる塗膜中の親水基残量も少なくなり塗膜の耐水性が優れ、耐酸・アルカリ性に優れるなどの点で望ましい。
硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)は、通常、該樹脂の合成の際に用いられた溶剤など
を含むワニスの形態で用いられることが多い。該硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)のT
gは、通常6〜130、好ましくは30〜120程度であり、低くなるに連れて生成した塗膜が軟弱となり、また高過ぎると塗膜が不均一となりやすく、塗膜が硬すぎてクラックが発生しやすい。
この硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)の重合方法としては、溶液重合法、塊状重合法
、乳化重合法等の公知の重合法でもよいが、一般には、溶液重合法が用いられる。
例えば、溶液重合法による場合、有機溶剤及び重合開始剤の存在下に、前記モノマーの混合物を共重合させればよい。有機溶剤としては、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、ブチルセロソルブ、トルエン、キシレン、エッソ社製「ソルベッソ100、ソルベッソ150」等の通常用いられる有機溶剤が使用できる。また、重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の通常用いられる重合開始剤が使用できる。さらに、必要に応じて、2−メルカプトエタノール、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を使用することができる。
[ポリシロキサン系化合物(vi)]
ポリシロキサン系化合物(vi)としては、油(オイル)、ワニス、ゴム、樹脂などの何れの性状を有していてもよいが、中でも油、ワニス等の液体状物が塗料への溶解や分散が容易な点から好ましい。
このポリシロキサン系化合物(vi)としては、特に限定されずストレートシリコーン例えばジメチルポリシロキサンの他、ポリシロキサン誘導体、シリコーン誘導体などと称されるものも広く使用でき、これらは1種または2種以上組合わせて用いてもよい。
ポリシロキサン誘導体あるいはシリコーン誘導体としては、従来より公知のものを広く使用でき、ジメチルポリシロキサン(オリゴマーを含む。)に反応性または非反応性の変性基が結合した構造のものが挙げられる。
変性基としては、フェニル基、水素原子(H)、アルキル基、アミノ基、エポキシ基、ポリエーテル基、アラルキル基、カルボキシル基、水酸基、チオエーテル基(−SH)、カルビノール基、アミド基、アルケニル基などの他、上記のような変性基が2種以上結合した基(例:エポキシポリエーテル基、アルキルアラルキル基、ヒドロキシアルキル基、エポキシアルキル基)などが挙げられる。これらの変性基は、ポリシロキサン系化合物(vi)中に1種または2種以上存在していてもよい。
より具体的には、例えば、「シリコーンハンドブック」(1990年8月31日、日刊工業新聞社刊)の160頁表6.1などに示されているように、メチルスチレン由来の基[−CH2CH(CH3)C65]、長鎖アルキル基[−(CH2nCH3、n:0以上の整数]、ポリエーテル基(ポリオキシアルキレン基)[−C36O(CH2CH2O)nR、
n:0以上の整数、R:C110程度のアルキル基];カルビノール由来の基[−C36O(CH2CH2O)n(C36O)mR、n、m:0以上の整数、R:C110程度のアルキル基]、[−C36OCH2CH2OH];アミン由来の基[−C36NH2]、[−C36
NHC24NH2];エポキシ含有基
Figure 0004642361
、カルボキシル基含有アルキル基[−(CH2nCOOH,n:0以上の整数]、高級脂
肪酸由来の基[−OCO(CH2nCH3,n:0以上の整数]、メルカプト基含有基[−C36SH]、(メタ)アクリル酸由来の基[−C36OCOC(H,CH3)=CH2]等が挙げられる。
これらの変性基は、ジメチルポリシロキサン骨格中に、1種または2種以上存在してもよい。なお、変性部位は、長鎖シリコーンの両/片側側鎖、両/片側末端の何れでもよい。
このような変性基を有するポリシロキサン系化合物(vi)として、具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン(骨格)に、それぞれ上記変性基が結合した構造のポリマーあるいはオリゴマーが挙げられ、具体的には、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイル;
上記ジメチルポリシロキサンまたはストレートシリコーンオイルに、さらに変性基が結合した構造のポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、(メタ)アクリル変性シリコーン、(メタ)アクリル樹脂変性シリコーン、長鎖アルキル変性シリコーンなどが挙げられる。
これらのポリシロキサン系化合物は、1種または2種以上組合わせて用いてもよい。
ポリマーあるいはオリゴマーであるポリシロキサン系化合物として、上市されているものでは、
「DC−57」(ダウコーニング社製、ジメチルポリシロキサン(シリコーンオイル)、
不揮発分100%)、
「BYK−344」(ビックケミー社製、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合体溶液(シリコーンオイル)、溶媒:キシレン/イソブタノール=4/1、不揮発分52%)
「BYK−341」(ビックケミー社製、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合体溶液(シリコーンオイル)、溶媒:ブチルセロソルブ、不揮発分52%)、
「ペレノール S‐4」(サンノプコ(株)製、オルガノポリシロキサン共重合体溶液、溶媒:ソルベントナフサ No.3、不揮発分50%)、
「テゴグライド A‐115」(テゴケム(株)製、オルガノポリシロキサン共重合体、不揮発分100%)、等が用いられる。
[イソシアネート系硬化剤(iv)]
本発明で用いられるイソシアネート系硬化剤(iv)としては、イソシアネート基を2個以上有する化合物(ポリイソシアネート)、ブロック化ポリイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、具体的にはジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1−メチル−2,4−ジイソシアナートシクロヘキサン、ビス(4−イソシアナートフェニル)メタン、4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、6−イソプロピル−1,3−フェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。また、上記ポリイソシアネートのアダクト体、あるいはイソシアヌレートなどの多官能イソシアネート化合物、さらにはこれらの二量体、三量体などの化合物が挙げられる。
なお、型枠合板や木製床材の場合、素材(基材)を通常100℃以上の温度に加熱すると物性低下を招く恐れがあるため、このような温度には通常加熱されないことが多い。そのため、ポリイソシアネートとして、ブロックイソシアネートを使用した高温乾燥方式は、通常、あまり利用されない。
硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)の水酸基含有率に対するイソシアネート系硬化剤(
iv)のイソシアネート基含有率の当量比(NCO/OH)は、通常0.8〜1.6、好
ましくは1.2〜1.5である。この水酸基含有率(ヒドロキシル価)は、試料1g中の水酸基に相当する水酸化カリウムのミリグラム数である。
なお、上記のイソシアネート基含有率および水酸基含有率などは、本願出願人の出願に係る特開平8−157769号公報(特願平6−301039号明細書)の[0020]〜[0026]欄に記載の方法と同様にして求められる値である。
このようなイソシアネート系硬化剤として、上市されているものでは、
「ミリオネート MR−200」(日本ポリウレタン工業(株)製、不揮発分
100%、メチレンジイソシアネート)、
「スミデュール 44V−20」(住化バイエルウレタン(株)製、不揮発分
100%、メチレンジイソシアネート)、
「ディスモデーュル L−75」(バイエル AG社製、溶剤:エチルアセテート、不揮
発分 75%、トリレンジイソシアネートプレポリマー)、
「オレスター P45−75MT」(三井武田ケミカル(株)製、溶剤:トルエン、メチ
ルイソブチルケトン、不揮発分 75%、トリレンジイソシアネートプレポリマー)、な
どが用いられる。
[任意成分]
本発明では、上記上塗塗料には、通常のコンクリート型枠用上塗塗料に配合されるような成分が必要により含まれていてもよく、通常含まれる有機溶剤の他に、例えば、消泡剤(xiv)、レベリング剤(xv)、(水分吸収剤(viii)、タレ止め剤、表面調整剤、粘度調
整剤、つや消し剤、紫外線吸収剤、分散剤、光安定剤、触媒など、前記特開2002−97412号公報(特許文献20)等に記載のものが挙げられる。
例えば、有機溶剤としては、特に限定されず、上記特開2002−97412号公報(特許文献20)の[0069]〜[0072]欄等に記載の炭化水素系、エステル系、ケトン系、アルコール系、エーテル系などの溶剤が挙げられ、例えば、キシロール、ブチルアセテートなどが用いられる。
消泡剤(xiv)としては、シリコーン系、オキシアルキレン系、プロルニック型、鉱物
系などの消泡剤が挙げられ、例えば、「フローレンAC−300」(共栄社油脂(株)製)、「BYK−088、BYK−065、BYK−P104、」(ドイツ、ビックケミー社製)、「ディスパロンOX−70」(楠本化成(株)製)等が用いられる。
本発明では、得られる塗膜の平滑性、塗装時に塗料中に巻き込まれた気泡による塗面の発泡防止を考慮すると消泡剤を含むことが好ましい。
レベリング剤(xv)としては、例えば、
「ポリフロー No.7、ポリフロー No.77」(共栄社油脂(株)製)、
「BYK−354、BYK−360P」(ドイツ、ビックケミー社製)、等が
用いられる。
レベリング剤(xv)を用いると、得られる塗膜は平滑な塗面となる点で好ましい。
水分吸収剤(脱水剤)(viii)は、上塗りクリヤー塗料中に含まれる水分を除去することによって塗料のゲル化を防止し、塗料の優れた貯蔵安定性に寄与する。水分吸収剤としては、コンクリートと反応性を有しない限り、従来より公知のものを広く使用でき、有機系、無機系の何れでもよく、無水石膏(CaSO4)、合成ゼオライト系吸着剤(商品名:
モレキュラーシーブ等)、オルソギ酸メチル、オルソ酢酸メチル等のオルソエステル類、オルソほう酸エステル、シリケート類やイソシアネート類(商品名:アディティブT1)等が挙げられる。これら水分吸収剤は、1種または2種以上組合わせて用いてもよい。上
市されているものとしては、例えば、「アディティブOF」(住友バイエルウレタン社製)等が用いられる。
タレ止め剤としては、溶剤系用増粘剤としても用いられる、有機ベントナイト系、超微粉シリカ系、表面処理炭カル系、アマイドワックス系、水添ヒマシ油ワックス系、ベンジリデンソルビトール系、各種金属石鹸類、酸化ポリエチレン系、重合植物油系、硫酸エステル系アニオン活性剤、ポリエーテル・エステル型界面活性剤、ポリカルボン酸のアミン塩等が挙げられる。
例えば、「ディスパロン6820−20M」(楠本化成(株)製)、「エロジール 200」(日本アエロジル(株)製)、等が用いられ、
紫外線吸収剤としては、例えば、「チヌビンP、328、1130」(スイス、チバ・ガイギー社製)、等が用いられる。
触媒としては、「U−CAT651M」(サンアプロ(株)製)等が用いられる。
本発明に係る上塗塗料は、上記のような硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)(揮発分
である溶剤を除く樹脂分すなわち固形分換算)100重量部に対して、ポリシロキサン系化合物(vi)を好ましくは、1〜100重量部、さらに好ましくは2〜80重量部の量で、および
イソシアネート系硬化剤(iv)を、イソシアネート系硬化剤(iv)中のイソシアネート基数と、硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)中の水酸基数との比([NCO]/[OH
])が、0.8/1.0〜1.2/1.0となるように、塗料中に含んでいることが望ましく、例えば、好ましくは13〜25重量部、さらに好ましくは15〜20重量部の量で含んでいる。
本発明では、上記上塗塗料が、さらに、消泡剤(xiv)を含む場合には、この消泡剤を
好ましくは、0.02〜2.0重量部、さらに好ましくは0.04〜1.3重量部の量で、
さらにレベリング剤(xv)を含む場合には、このレベリング剤を好ましくは、0.3〜4重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量部の量で含んでいてもよい。
また、本発明に係る上塗塗料中(但し、塗料中にあっては溶剤を除く成分、すなわち固形分の合計を100重量%とする。以下同様。)に、上記の硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)(固形分換算)を、好ましくは30〜99重量%、さらに好ましくは40〜98
重量%の量で、
シロキサン系化合物(vi)を好ましくは、1.0〜50重量%、さらに好ましくは1.5〜45重量%の量で、および
イソシアネート系硬化剤(iv)を好ましくは、イソシアネート系硬化剤(iv)中のイソシアネート基数と、硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)中の水酸基数との比([NCO
]/[OH])が、0.8/1.0〜1.2/1.0となるように、塗料中に含んでいることが望ましく、例えば、5〜25重量%、さらに好ましくは8〜20重量%の量で含ん
でいる。
本発明では、上記上塗塗料が、さらに、消泡剤(xiv)を含む場合には、この消泡剤を
好ましくは、0.02〜1.0重量%、さらに好ましくは0.04〜0.8重量%の量で、
さらにレベリング剤(xv)を含む場合には、このレベリング剤を好ましくは、0.2〜4重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%の量で含んでいてもよい。
本発明に係る上塗塗料が、上記の硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)を上記範囲より
少ない量で含むと乾燥塗膜の平滑性が低下し、また塗料コストがアップする傾向があり、また上記範囲より多い量で含むと、隠ぺい力不足となる傾向があり、
上記シロキサン系化合物(vi)を上記範囲より少ない量で含むと十分なスリップ性、離型性、耐擦傷性が得らない傾向があり、また上記範囲より多い量で含むと、乾燥塗膜表面に粘着が残る傾向があり、および
イソシアネート系硬化剤(iv)を上記範囲より少ない量で含むと木材に対する付着性、耐アルカリ性、耐水性が不良の塗膜となる傾向があり、また上記範囲より多い量で含むと、乾燥の遅延が生じ、塗膜が脆くなる傾向がある。
また、本発明では、上記上塗塗料が、さらに、消泡剤(xiv)を含む場合には、この消
泡剤を上記範囲より少ない量で含むと塗装後に塗面に発泡が生じる傾向があり、また上記範囲より多い量で含むと、塗面にクレタリングやはじきが生ずる傾向があり、さらにレベリング剤(xv)を含む場合には、このレベリング剤を上記範囲より少ない量で含むと塗面の平滑性が不良となる傾向があり、また上記範囲より多い量で含むと、塗面にクレタリング、はじきやダレを生じる傾向がある。
このような上塗塗料は、常法により製造され、通常、硬化剤の種類などに応じて1液型、2液型として用いられる。
このような本発明に係る上塗塗料は、硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)などの種類
によっては、常温(20〜30℃)で硬化し、また、上記イソシアネート系硬化剤(iv)の種類(例えば、ブロックイソシアネート)等によっては、加熱硬化型となる。また、この上塗塗料は、通常、溶剤型として用いられる。溶剤としては従来より公知のものが広く使用でき、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルアセテート等の有機溶剤が挙げられる。なお、溶剤の添加量は、特に限定されないが、上塗り塗料(溶剤を含む。)100重量%中に、例えば、10〜60重量%となる量で用いられる。
このような本発明に係る上塗塗料を使用したコンクリート用型枠板は、硬化コンクリートの離型性に優れ、しかも該型枠には、コンクリート硬化物は殆ど残存付着しないため、同一の型枠を再塗装せずに多数回、例えば10回以上、好ましくは12回以上、特に好ましくは15回以上繰返して使用できる。そのため、経済コスト、省資源、建設/土木作業性等の点で好適である。
本発明に係るこの上塗塗料は、コンクリート型枠用基材表面に、好ましくは、下記に詳説するような目止め塗膜(A)、次いで中塗塗膜(B)が形成されていると、その中塗塗膜の表面に、塗設した場合に、基材等との密着性に優れ、しかも上記したようにコンクリート硬化物の離型性、表面平滑性に優れ、転用回数に優れる傾向がある。
次に、本発明に係るコンクリート用型枠板について説明する。
<コンクリート用型枠板>
本発明に係るコンクリート用型枠板は、前述したような基板、好ましくは合板の表面に、下記目止め塗膜(A)、中塗り塗膜(B)および上塗りクリヤー塗膜(C)の各塗膜が、その順序(基板/塗膜(A)/塗膜(B)/塗膜(C))で形成されてなっている。
(A)硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)、炭酸カルシウム(ii)、タルク(iii)およびイソシアネート系硬化剤(iv)を含む硬化性アクリル樹脂組成物(目止め塗料)からなる目止め塗膜、
(B)硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)、黄色酸化鉄、酸化チタンおよびカーボンブ
ラックからなる群から選ばれた少なくとも1種の顔料成分(v)、およびイソシアネート
系硬化剤(iv)を含む硬化性アクリル樹脂組成物(中塗り塗料)からなる中塗り塗膜、
(C)硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)、ポリシロキサン系化合物(vi)、およびイ
ソシアネート系硬化剤(iv)を含む硬化性アクリル樹脂組成物(C1)(上塗りクリヤー塗料(C1))、または、
湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)、ポリシロキサン系化合物(vi)、水分吸収剤(viii
)および硬化触媒(ix)を含む湿気硬化型ウレタン樹脂組成物(C2)(上塗りクリヤー塗料(C2))からなる上塗りクリヤー塗膜。
本発明に係るコンクリート用型枠板では、基材の合板の表面に、上記のように各塗膜(A)、(B)、(C)ともに硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)およびイソシアネート系
硬化剤(iv)を含むもの、すなわち上塗りクリヤー塗膜(C)用として硬化性アクリル樹脂組成物(C1)を用いると、特に層間密着性に優れ、コンクリートからの剥離性に優れた複合塗膜が得られる点で好ましい。
また、上塗りクリヤー塗膜(C)用にウレタン系の湿気硬化型ウレタン樹脂組成物(C2)を用いると得られる複合塗膜は、塗膜硬度が向上する傾向がある。
以下、各塗膜(層)、すなわち目止め塗膜(A)、中塗り塗膜(B)および上塗りクリヤー塗膜(C)を形成する際に用いられる硬化性アクリル樹脂組成物(A)、(B)、(C)、およびそれらの塗膜(層)について順次説明する。
[目止め塗膜(A)]
目止め塗膜(A)は、基材の表面に、上記硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)、炭酸カ
ルシウム(ii)、タルク(iii)、クレー、硫酸バリウム等の不活性顔料(好ましくは炭
酸カルシウムとタルク)、および上記イソシアネート系硬化剤(iv)を含む硬化性アクリル樹脂組成物(目止め塗料)を塗布、硬化して形成されている。
本発明においては、上記目止め塗膜(A)用の組成物には、通常含まれる前記と同様の有機溶剤などの他、さらに下記のビニル樹脂(x)、黄色酸化鉄(xi)、揺変剤(xii)、沈殿防止剤(xiii)、の何れか1種以上が含まれていてもよい。
このような目止め塗膜(A)は、本発明のコンクリート用型枠板において、基材表面および中塗り塗膜(B)との密着性、基材導管の隠蔽性、基材表面の平滑処理(加工)性、耐アルカリ性、耐水性、凹部の充填性、乾燥塗膜の研磨性などに優れる。
炭酸カルシウム(ii)は、塗膜中にあって透明で被塗面(基材表面)を隠さない「体質顔料」として機能し、凹部の充填性、塗料コストの低減などの働きを有している。
この炭酸カルシウムとして、上市されているものとしては、例えば、
「NS−300、400」(日本粉化工業(株)製)、
「CaCO3 スーパーSS 」(九州カルシウム(株)製)、
「CaCO3 サンライト No.300」(竹原工業(株)製)、
「炭酸カルシウム NN−200」(日東粉化(株)製)などが用いられる。
なお、炭酸カルシウムやタルク以外の体質顔料であっても、不活性であり、耐アルカリ性、耐水性、熱安定性などに優れる限り、本発明では使用できる。
このようなその他の体質顔料としては、例えば、上記クレー、硫酸バリウム、白陶土、カオリン等が挙げられ、上記炭酸カルシウムと同様の量で使用できる。また炭酸カルシウムムなどと共に他の体質顔料を併用し、あるいは炭酸カルシウムに代えて他の体質顔料を使用する場合には、それらの合計量が上記と同様となればよい。
タルク(iii)は、上記炭酸カルシウムと同様に耐アルカリ性、充填性、研磨性に優れ
、コンクリートと接しても悪影響を受け難く、白色顔料として使用され、仮に、コンクリート硬化物表面に残存付着等しても、目立ち難いという利点を有している。
なお、タルク以外の着色顔料としては、黄色酸化鉄(xi)、チタン、酸化鉄、シアニンブルー等が好ましく用いられる。
必要により用いられるビニル樹脂(x)としては、具体的には、塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル・ビニルイソブチルエーテル共重合樹脂、塩化ビニル・プロピオン酸ビニル共重合樹脂などの塩化ビニル共重合樹脂;塩化ゴム樹脂;塩素化オレフィン樹脂;上記硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)以外の(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル樹脂あるいは
(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂などのアクリル樹脂;スチレン・ブタジエン共重合樹脂などが挙げられる。これらの中では、特に、硬化性水酸基を有する塩化ビニル/酢
酸ビニル共重合体がイソシアネートと反応性を有し、木材の付着性が良好である点で好ましい。このようなビニル樹脂として、上市されているものとしては、例えば、「ビニライトVAGD」「ビニライト VAGH」「ビニライト VAGC」(何れもダウケミカル(株)製であり、いずれも硬化性水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂。)な
どが用いられる。
黄色酸化鉄(xi)は、必要により用いられる黄色顔料で、天然物と合成物(湿式、乾式)の両者があるが、合成物中でも湿式法による黄色酸化鉄は、目止め塗膜(A)中にあって、分散性、着色力・隠ぺい力、耐候性、耐酸・耐アルカリ性に優れ、塗膜の耐溶剤性の向上に寄与している。この黄色酸化鉄としては、例えば、「タロックス LL−XLO」(チタン工業(株)製、水和酸化第二鉄)、「BAYFERROX 920 」(バイエル社 製、水和酸化第二鉄)などが用いられる。この他に湿式酸化鉄では、黄茶色、赤色(酸化第二鉄)、黒色などを用いても同様の効果が得られる。
揺変剤(チキソトロピー調整剤)(xii)としては、有機、無機、複合系があり、有機
系では水添ひまし油系、アマイド系、酸化ポリエチレン系、植物油重合油系、界面活性剤系があり、複合系ではアマイド/ポリエチレン系などが挙げられ、塗料の貯蔵安定性、塗装時の塗料のタレ防止に寄与し、多すぎると塗膜の刷毛目発生等による塗膜の平坦化へ悪影響を与える。この遥変剤として、上市されているものとしては、例えば、「エロジール200」(日本アエロジル(株)製)、「ディスパロン4200−20」(楠本化成(株)製、酸化ポリエチレン系)などが用いられる。
沈殿防止剤(xiii)としては、Al,Ca,Znのステアレート、有機ベントナイト、ポリエチレンワックス、アミドワックス、レシチン、アルキルスルホン酸塩などが挙げられる。上市されているものとしては、例えば、「ディスパロン4200−20」(楠本産業(株)製)などが用いられる。
目止め塗膜(A)用の組成物(塗料)中に含まれる上記硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)(固形分)は、目止め塗膜(A)用の組成物中に含まれる揮発分である溶剤を除く成
分、すなわち固形分の合計100重量%中に、好ましくは0.5〜60重量%、さらに好ましくは0.8〜45重量%、特に好ましくは30〜45重量%の量で、また、硬化した目止め塗膜(A)中に好ましくは0.5〜50重量%、さらに好ましくは0.8〜45重量%、特に好ましくは15〜45重量%となるような量で、
炭酸カルシウム(ii)およびタルク(iii)に代表される体質顔料は、硬化した塗膜中
に好ましくは20〜85重量%、さらに好ましくは30〜75重量%となる量で、また、上記のアクリル樹脂(i)(固形分)100重量部に対して、合計で70〜800重量部の量で、含まれることが好ましい。
また、イソシアネート系硬化剤(iv)は、イソシアネート基(−NCO)含量が、理論的には、上記のアクリル樹脂(i)中の水酸基(−OH)含量と等量となるような量で用いればよいが、上記のアクリル樹脂(i)(固形分)100重量部に対して、25〜65重量部の量で、換言すれば、イソシアネート系硬化剤(iv)中のイソシアネート基数と、硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)中の水酸基数との比([NCO]/[OH])が、0
.8/1.0〜1.2/1.0となるように、塗料中に含まれていることが望ましい。
目止め塗膜(A)用の組成物中に、上記硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)が上記のよ
うな量で含まれていると、十分な顔料結合力、流動性を有するため好ましく、
炭酸カルシウム(ii)やタルク(iii)などが合計で上記のような量で含まれていると、
木材表面の導管部への充填性が十分なために平滑な塗面が得られ、しかも塗料の流動性も良好で塗装性に優れるため好ましく、また、
イソシアネート系硬化剤(iv)が上記のような量で、例えば、使用直前に混合して得られた目止め塗料中に含まれていると、基材、特に木材への付着性、耐水性や耐アルカリ性が良好となるため好ましい。
また、必要によりこの目止め塗膜(A)用の組成物に上記ビニル樹脂(x)、黄色酸化
鉄(xi)、揺変剤(xii)、沈殿防止剤(xiii)などが含まれる場合には、
ビニル樹脂は、目止め塗料中の硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)(固形分)100重量部に対して、50〜300重量部の量で、
上記黄色酸化鉄は、上記アクリル樹脂(i)(固形分)100重量部に対して、10〜65重量部の量で、
上記遥変剤は、上記アクリル樹脂(i)(固形分)100重量部に対して、0.5〜15重量部の量で、
沈殿防止剤は、上記アクリル樹脂(i)(固形分)100重量部に対して、0.1〜8重量部の量で含まれていてもよい。
また、必要により用いられるビニル樹脂(x)が上記のような量で含まれていると、木
材への付着性と塗膜の可とう性が良好となるため好ましく、
黄色酸化鉄(xi)が上記のような量で含まれていると、十分な隠ぺい性が得られるため好ましく、
揺変剤(xii)が上記のような量で含まれていると、塗料のエッジからの垂れを防止し
うるため好ましく、
沈殿防止剤(xiii)が上記のような量で含まれていると、顔料の沈殿防止効果が得られるため好ましい。
上記のような目止め塗膜(A)用の組成物(目止め塗料、目止め剤)は、常法により製造され、通常、硬化剤の種類などに応じて1液型、2液型として用いられる。
このような目止め塗料は、硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)などの種類によっては
、常温(20〜30℃)で硬化し、また、上記イソシアネート系硬化剤(iv)の種類等(例えば、ブロックイソシアネート)によっては、1液型で加熱硬化性となる。
また、常温で湿気硬化型の目止め塗料では、使用直前に、硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)中の水酸基(−OH)価とイソシアネート系硬化剤(iv)中のイソシアネート基(−
NCO)との反応比([NCO]量/[OH]量)が理論的には等量となるように、通常では、0.8/1.0〜1.2/1.0となるように、2液型の各成分のうちの硬化剤成分である2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネートプレポリマー(例:トリレンジイソシアネート誘導体、あるいはメチレンジイソシアネート単体)などと、樹脂成分である硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)などとを、塗装直前に混合して用い、基材に塗
布、硬化させればよい。
また、この目止め塗料は、通常、溶剤型として用いられることが多い。
溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルアセテート等の有機溶剤が挙げられる。なお、溶剤の添加量は、特に限定されないが、粘度調整し塗工性の向上を図るなどの見地から目止め塗料(溶剤を含む。)100重量%中に、例えば、10〜40重量%となる量で用いられる。
なお、この目止め塗膜(A)用の塗料が2液型として用いられる場合には、互いに反応性の成分が接触しないように、硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)を含む主剤成分(樹脂分)と、イソシアネート系硬化剤(iv)を含む硬化剤成分とからなる。硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)あるいはイソシアネート系硬化剤(iv)と非反応性の成分、例えば、炭酸カルシウム、タルクなどの体質顔料、ビニル樹脂などは、主剤成分(樹脂成分)、硬化剤成分の何れに配合してもよいが、通常では、主剤成分に配合されることが多い。揺変剤、沈殿防止剤も樹脂分、顔料などの沈降・凝集性の成分と共に、通常、主剤成分に配合されることが多い。下記の中塗り塗料、上塗りクリヤー塗料の場合も同様である。[中塗り塗膜(B)]
中塗り塗膜(B)は、目止め塗膜(A)の表面に、中塗り塗料すなわち、「硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)、黄色酸化鉄、酸化チタンおよびカーボンブラックからなる群
から選ばれた少なくとも1種の顔料成分(v)、およびイソシアネート系硬化剤(iv)を
含む硬化性アクリル樹脂組成物(中塗り塗料)」を塗布、硬化して形成されている。
また、上記中塗り塗膜(B)用の組成物は、通常含まれることの多い前記と同様の有機溶剤などの他、さらに、沈殿防止剤(xiii)、消泡剤(xiv)の何れか1種以上を含んで
いてもよい。
この中塗り塗料中に含まれる硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)、イソシアネート系硬化剤(iv)は、上記目止め塗膜(A)あるいは目止め塗料中の対応する成分と同様のものである。
このような中塗り塗料を塗設してなる中塗り塗膜(B)は、本発明のコンクリート用型枠板において、目止め塗膜(A)中および下記上塗りクリヤー塗膜(C)中の皮膜形成成分、特に樹脂分と同様の成分を含んでおり、目止め塗膜(層)(A)と中塗り塗膜(層)(B)との層間接着性に優れ、中塗り塗膜(層)(B)と上塗りクリヤー塗膜(C)との層間接着性(密着性)にも優れる。
上記顔料成分(v)は、黄色酸化鉄、酸化チタンおよびカーボンブラックからなる群から
選ばれた少なくとも1種の成分であり、この顔料成分(v)は、中塗り塗膜(B)中の着
色成分であり、しかも、コンクリート中のアルカリ等の成分に侵されないため変色等が生じにくいという利点を有し、求められるコンクリート用型枠板の色調に応じて選択される。本発明では、このような顔料成分(v)に代えて、またこのような顔料成分(v)と共に、アルカリ等に安定なその他の顔料(v)’を用いてもよく、例えば赤色酸化鉄、シアニンブル
ーなどが挙げられる。
中塗り塗膜(B)用の組成物に含まれる上記硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)は、中
塗り塗膜(B)用の組成物に含まれる溶剤を除く成分、すなわち固形分の合計100重量%中に、好ましくは40〜80重量%、さらに好ましくは60〜70重量%の量で、
黄色酸化鉄、酸化チタンおよびカーボンブラックからなる群から選ばれた少なくとも1種の顔料成分(v)は、同上の基準で組成物中に、好ましくは5〜20重量%、さらに好
ましくは7〜13重量%の量で、また、上記アクリル樹脂(i)(固形分)100重量部に対して、5〜25重量部の量で、
イソシアネート系硬化剤(iv)は、同上の基準で組成物中に、硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)中の水酸基(−OH)価とイソシアネート系硬化剤(iv)中のイソシアネート基(
−NCO)との反応比([NCO]量/[OH]量)が理論的には等量となるように、通常では、0.8/1.0〜1.2/1.0となるように用いればよい。
中塗り塗膜(B)用の組成物中に、上記硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)が上記のよ
うな量で含まれていると、塗装や取扱いに適した粘度となり、耐候性が良好となるため好ましく、
黄色酸化鉄、酸化チタンおよびカーボンブラックからなる群から選ばれた少なくとも1種の顔料成分(v)が上記のような量で含まれていると、合板の素地の隠ぺい性が良好と
なるため好ましく、また、
イソシアネート系硬化剤(iv)が上記のような量で含まれていると、木材に対する付着性、及び耐水性や耐アルカリ性などの塗膜性能が良好となるため好ましい。
また、必要により、この中塗り塗膜(B)用の組成物に上記沈殿防止剤(xiii)、消泡剤(xiv)などが含まれる場合には、
沈殿防止剤(xiii)は、中塗り塗膜(B)中の硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)(固形分)100重量部に対して、0.5〜6重量部の量で、
上記消泡剤(xiv)は、上記アクリル樹脂(i)(固形分)100重量部に対して、0.2〜1.0重量部の量で含まれていてもよい。
また、必要により用いられる沈殿防止剤(xiii)が上記のような量で含まれていると、顔料の沈殿防止に有効となるため好ましく、
消泡剤(xiv)が上記のような量で含まれていると、塗面の発泡防止となるため好まし
い。
上記のような中塗り塗膜(B)用の組成物(中塗り塗料、中塗り剤)は、常法により製造され、通常、硬化剤の種類などに応じて1液型、2液型として用いられる。
このような中塗り塗料は、硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)などの種類によっては
、常温で硬化し、また、上記イソシアネート系硬化剤(iv)の種類(例えば、ブロックイソシアネート)等によっては、加熱硬化型となる。また、この中塗り塗料は、通常、溶剤型として用いられる。なお、溶剤の添加量は、特に限定されないが、中塗り塗料(溶剤を含む。)100重量%中に、例えば、10〜40重量%となる量で用いられる。
[上塗りクリヤー塗膜(C)]
上塗りクリヤー塗膜(C)は、上記中塗り塗膜(B)の表面に、下記のような硬化性ア
クリル樹脂組成物(C1)または湿気硬化型ウレタン樹脂組成物(C2)を塗布、硬化して形成されている。(なお、この組成物(C1)と(C2)をまとめて単に「上塗りクリヤー塗料」、「上塗り塗料」などともいい、また、上記組成物(C1)を「上塗塗料(C1)」、上記組成物(C2)を「上塗塗料(C2)」などともいう。)
この硬化性アクリル樹脂組成物(C1)は、硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)、ポ
リシロキサン系化合物(vi)、およびイソシアネート系硬化剤(iv)を含んでいる。
また、湿気硬化型ウレタン樹脂組成物(C2)は、湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)、
ポリシロキサン系化合物(vi)、水分吸収剤(脱水剤)(viii)および上記湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)用の硬化触媒(ix)を含んでいる。
また、上記上塗りクリヤー塗膜(C)用の組成物(C1)または(C2)は、、通常含まれる前記と同様の有機溶剤などの他、さらに、消泡剤(xiv)、レベリング剤(xv)な
どの何れか1種以上を含んでいてもよい。
これら組成物(C1)、(C2)のうちで、硬化性アクリル樹脂組成物(C1)は、上記したコンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物と同じものである。
このような上塗塗料を塗布硬化してなる上塗りクリヤー塗膜(C)は、本発明のコンクリート用型枠板において、中塗り塗膜(B)との密着性(層間剥離強度)、塗膜の平滑性、コンクリート硬化物の離型性に優れ、該上塗りクリヤー塗膜(C)を有する本発明のコンクリート用型枠板を用いると、得られるコンクリート硬化物は、表面の平滑性に優れ、また型枠表面に固化したコンクリート屑などが残存付着せず、型枠用合板などに損傷が生じ難く、型枠を繰返して使用でき、しかも型枠を繰返して使用可能な回数が多く、例えば、10回以上、好ましくは12回以上、特に好ましくは15回以上であり、さらに、通常の塗装型枠板と比較して使用後の廃棄処理費用大幅な低減が可能であるという効果がある。
特に、これら組成物(C1)、(C2)のうちで、硬化性アクリル樹脂組成物(C1)、すなわち、上記した「コンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物」を用いると、前述したように含まれる樹脂分が同じである中塗り塗膜(B)との層間接着性に優れ、硬化コンクリートの離型性に優れるため好ましい。
また、湿気硬化型ウレタン樹脂組成物(C2)を用いると、上記組成物(C1)を用いた場合と同様に、硬化コンクリートの離型性に優れるため好ましい。
湿気硬化型ウレタン樹脂組成物(C2)は、上記したように湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)、ポリシロキサン誘導体およびシリコーン誘導体からなる群から選ばれた少なくとも
1種のポリシロキサン系化合物(vi)、水分吸収剤(脱水剤)(viii)および湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)用の硬化触媒(ix)を含んでいるが、これら成分のうちで、湿気硬
化型ウレタン樹脂(vii)および硬化触媒(ix)は、通常、1液型(場合により2液型)の湿気硬化型ウレタン樹脂塗料中に含まれるものと同様のものが同様の量で用いられる。
また、ポリシロキサン系化合物(vi)、水分吸収剤(viii)は、上記硬化性アクリル樹脂組成物(C1)中のものと同様のものである。
湿気硬化型ウレタン樹脂(プレポリマー)(vii)としては、従来より公知のものが広く
使用でき、例えば、特開平6−157987号公報、特開平11−116652号公報、特開2000−129115号公報、特開2003−128942号公報、特開2000−37659号公報等に記載のウレタン樹脂組成物、特に湿気硬化型ウレタン樹脂組成物
あるいは塗料等に使用されるものを使用できる。
湿気硬化型ウレタン樹脂(プレポリマー)は、例えば、グリコール類(ポリオール)および/またはポリチオールに、過剰量のジイソシアネート等の前記イソシアネート系硬化剤(iv)を反応させて、分子末端に遊離イソシアナート基を残すことにより得られる。なお、ポリチオールは高価であること、硫黄(メルカプタン)臭が避けられないことから、本発明では、グリコール類(ポリオール)が好適に用いられる。
<ポリオール>
ポリオールとしては、本願出願人が先に提案した特開2000−37659号公報の[0044]〜[0045]欄に記載されているようなものが挙げられる。
すなわち、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、ポリブチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,10- デカンジオール、アルカンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の2価アルコール;グリセロール、トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、2,4-ジヒドロキシ-3- ヒドロキシメチルペンタン、1,1,1-トリス(ビスヒドロキシメチル)プロパン、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタノール-3等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセロール等の4価アルコール;アラビット、リビトール、キシリトール等の5価アルコール(ペンチット);ソルビット、マンニット、ガラクチトール、アロズルシット等の6価アルコール(ヘキシット);ポリグリセロール、ポリテトラメチレングリコール等の多価ヒドロキシ化合物などの炭素原子数10程度までのポリグリコール化合物、および無水フタル酸、セバシン酸、脂肪酸、エポキシ樹脂等から誘導されるポリエステルポリオール、エポキシポリオール(アルカノールアミン変性エポキシ)、ポリエーテルポリオールまたはアクリルポリオールなどが挙げられる。
中でも、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールが好ましい。
<ポリチオール>
本発明で用いられるポリチオール(ポリメルカプト化合物)は、メルカプト基(−SH基)を2個以上有する化合物である。
ポリチオールとしては、具体的には、1,3-プロパンジチオール、1,4-ブタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、2,3-ジメチルカプトプロパノールなど、特開2000−37659号公報の[0046]〜[0051]欄に記載されているようなものが挙げられる。
<イソシアネート系硬化剤(iv)>
本発明でイソシアネート系硬化剤(iv)としては、本願出願人が先に提案した特開2000−37659号公報の[0052]〜[0065]欄に記載されているようなポリイソシアネート系硬化剤から適宜選択して用いてもよいが、前記したイソシアネート系硬化剤(iv)を用いればよい。
本発明においては、ポリオールおよび/またはポリチオール、ポリイソシアネートの各成分は、湿気硬化型となるように、イソシアネート末端のウレタンポリマーが形成されるような量比、すなわち、イソシアネート基量が水酸基量より過剰となる量比[(NCO基)量>(OH基+SH基)量]で反応されていればよい。このような湿気硬化型ウレタン
樹脂(vii)(ウレタンプレポリマー)は、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネー
ト基の当量と、ポリオールに含まれる水酸基の当量およびポリチオールに含まれるチオール基の当量の合計量との比[NCO基/(OH基+SH基)]が通常1を超え、好ましく
は1.5以上であり、上限は、硬化遅延、湿気硬化途中の発泡の増加などの弊害を考慮すると[NCO基/(OH基+SH基)]が10.0以下、好ましくは8.0以下と成るように反応されていることが好ましい。
例えば、水酸基を有するモノマーやプレポリマー(例:ポリエチレングリコール、ポリメチレングリコール、ポリブチレングリコールやその誘導体)と、イソシアネート系硬化剤(iv)(例:トリレンジイソシアネートやそのプレポリマー)とを、水酸基量に比してイソシアネート基量リッチとなるような量比で用いて反応させればよい。
このような湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)(ウレタンプレポリマー)を得る際の重合
温度及び重合時間は特に制限されないが、例えば、通常窒素ガス気流下でポリオールおよび/またはポリチオールと、ポリイソシアネートとを混合後、60〜100℃にて3〜8時間反応させるのがよい。反応に際しては、ジブチル錫ジラウレート等の有機金属塩系ウレタン触媒等を何れの段階でも適量を随時添加してもよい。
このような湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)(あるいは溶剤などを含むもの)として、
上市されているものでは、例えば、
「MT オレスター M95−50A」(三井武田ケミカル(株)製、湿気硬化型ウレタン樹脂ワニス、溶剤:トルエン、キシレン、エチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、不揮発分50%)、
「MT オレスター M75−50E」(三井武田ケミカル(株)製、湿気硬化型ウレタン樹脂ワニス、溶剤:トルエン、キシレン、エチルアセテート、不揮発分 50%)、
「コロネート 2014 」( 日本ポリウレタン工業(株)製 湿気硬化型ウレタン樹
脂ワニス、溶剤:キシレン、不揮発分50%)等が用いられる。
本発明において、使用される湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)用の硬化触媒(ix)とし
ては、従来より公知の湿気硬化用触媒を広く使用でき、例えば、ジブチルスズビストリエトキシシリケート、ジブチルスズジメトキサイド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ブチルスズトリ−2−エチルヘキソエート、鉛−2−エチルオクトエート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、亜鉛−2−エチルヘキソエート、カプリル酸第1スズ、ナフテン酸スズ、オレイン酸スズ、ブチル酸スズ、ナフテン酸スズ、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛などの有機酸カルボン酸の金属塩;アルコキシアルミニウム化合物;ベンジルトリエチルアンモニウムアセテートなどの第4級アンモニウム塩;酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、しゅう酸リチウムなどのアルカリ金属の低級脂肪酸塩;アミン系硬化剤、例えば、ジメチルヒドロキシアミン、ジエチルヒドロキシアミンなどのジアルキルヒドロキシルアミンなどが挙げられる。
これらの硬化触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
ウレタン樹脂(vii)用の硬化触媒(ix)として、上市されているものとしては、例え

「U−CAT 651M」(サンアプロ(株)製、湿気硬化型ウレタン樹脂用の硬化触媒、変性アミン、不揮発分100%)、
「NY‐1」(日本ポリウレタン工業(株)製、3級アミン、不揮発分100%)等が用
いられる。
湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)(固形分、すなわち溶剤を除く不揮発分)は、上塗りクリ
ヤー塗膜(C)用の組成物(C2)中の揮発分である溶剤を除く成分、すなわち固形分の合計100重量%中に、好ましくは30〜99重量%、さらに好ましくは40〜98重量%の量で、
ポリシロキサン系化合物(vi)は、上記組成物(C2)(固形分)中に、好ましくは1.0〜45重量%、さらに好ましくは1.5〜45重量%の量で、また、上記湿気硬化型ウ
レタン樹脂(vii)(固形分)100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、好まし
くは1.5〜10重量部の量で、
水分吸収剤(viii)は、上記の湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)(固形分)100重量部
に対して、好ましくは1.0〜40重量部、さらに好ましくは1.0〜5重量部の量で含まれていることが望ましい。
また、硬化触媒(ix)は、上記の湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)(固形分)100重量
部に対して、0.05〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部の量で、上塗りクリヤー塗膜(C)用の組成物(固形分)中に含まれていることが望ましい。
上塗りクリヤー塗膜(C)用の組成物中に、上記湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)が上記
のような量で含まれていると、塗装や取扱いに適した粘度となるため好ましく、ポリシロキサン系化合物(vi)が上記のような量で含まれていると、塗膜表面に撥水性とスリップ性を付与でき、塗料の乾燥性が良好となるため好ましく、また、水分吸収剤(viii)が上記のような量で含まれていると、空気中の水分の影響の防止に有効となるため好ましく、
また、硬化触媒(ix)が、上記のような量で含まれていると、塗装工程に適した乾燥時間と可使時間となるため好ましい。
また、必要によりこの上塗りクリヤー塗膜(C)用の組成物に上記沈殿防止剤(xiii)、消泡剤(xiv)などが含まれる場合には、
沈殿防止剤(xiii)は、上塗りクリヤー塗膜(C)中の湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)
(固形分)100重量部に対して、1〜6重量部の量で、
上記消泡剤(xiv)は、上記湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)(固形分)100重量部に対して、0.02〜2.0重量部の量で含まれていてもよい。
また、必要により用いられる沈殿防止剤(xiii)が上記のような量で含まれていると、顔料の沈殿防止効果が十分となるため好ましく、
消泡剤(xiv)が上記のような量で含まれていると、塗装時に生ずる発泡防止となるた
め好ましい。
上記のような上塗りクリヤー塗膜(C)用の組成物は、常法により製造され、通常、塗料の組成、温度や湿度などの塗料の貯蔵環境、塗装環境などにも依るが通常1液型として用いられ、場合によっては2液型としても用いられ得る。
このような上塗りクリヤー塗料は、通常、常温で、空気中などの湿気(水分)により硬化する。し、また、上記イソシアネート系硬化剤(iv)の種類(例えば、ブロックイソシアネート)等によっては、加熱硬化型となる。また、この上塗りクリヤー塗料は、通常、溶剤型として用いられる。なお、溶剤の添加量は、特に限定されないが、上塗りクリヤー塗料(溶剤を含む。)100重量%中に、例えば、10〜60重量%となる量で用いられる。
なお、本発明においては、1層目の目止め塗膜(A)、2層目の中塗り塗膜(B)にて十分な着色がなされているので、3層目の上塗り塗膜用の塗料(C1)、(C2)には顔料を添加する必要は無く、通常、クリヤーとして使用されるが、1層目、2層目の塗膜で
は着色不充分な場合には、3層目の上塗り塗料に少量の着色顔料を添加してもよい。
以上詳述してきたように、本発明に係るコンクリート用型枠板では、コンクリート型枠合板の表面被覆物として、1層目にその好ましい態様では、上記のように多量の不活性顔料を含有するアクリルウレタン樹脂塗料を目止め剤として塗装しており、木材表面を平滑にすることができる。また、2層目に上記のような着色顔料を含有するアクリルウレタン樹脂塗料を中塗り塗装して下地を良好に隠蔽している。また、その中塗り塗装の後に、3層目としてポリシロキサン化合物を上記のような多量で含有するアクリルウレタン塗料、または湿気硬化型ウレタン塗料を塗り重ねており、コンクリート打設後の離型を容易にすることが可能となっている。
また、3層目の上塗りクリヤー塗膜(C)用の組成物として、硬化性アクリル樹脂組成物(C1)を用いる場合には、1、2および3層目の全てが、2個以上の水酸基を有するアクリル樹脂含有成分と、2個以上の反応性イソシアネートを有するイソシアネートプレポリマー成分とからなる二液型の組成物よりなることが層間付着性の点から好ましい。
<コンクリート用型枠板の製法>
本発明に係るコンクリート用型枠板の製法は、基板の表面に、上記(A)、(B)および(C)の各塗膜用の塗料を塗布、硬化させ、その順序(基板/塗膜(A)/塗膜(B)/塗膜(C))で形成させることを特徴としている。
より具体的に説明すると、好ましい態様は、以下の通りである。
(1)1層目の目止め塗料の塗装
1層目の目止め塗料の塗装の際には、合板表面の凹凸を埋めて平滑とするために、型枠合板を搬送するコンベヤと、合板の進行方向に対して垂直(直角)に取り付けた薄い鋼鈑よりなるナイフコーターとが用いられる。通常はナイフコーターで1回のみ塗装しても、導管部への目止め塗料の充填が不完全であることが多く、十分な平滑性が得られないことが多い。そこで、通常では、同一の目止め塗料を用いてナイフコーター塗装を2〜3回繰り返し、1平方メートルあたりのトータル塗布量(未硬化物)が80〜150gとなるように塗装することが望ましい。
(2)2層目の中塗り塗料の塗装
2層目の中塗り塗料の塗装では、例えば、ロールコーターにて同一の中塗り塗料を2〜3回繰り返して塗装し、トータル塗布量(未硬化物)が1平方メートル当たり60〜140gとなるように塗装することが望ましい。
(3)3層目の上塗りクリヤー塗料の塗装
3層目の上塗りクリヤー塗料の塗装では、例えば、ロールコーターにて同一の上塗りクリヤー塗料を1〜2回繰り返して塗装し、トータル塗布量(未硬化物)が1平方メートル当たり15〜60gとなるように塗装することが望ましい。
(4)乾燥方法
1層目の目止め塗料、2層目の中塗り塗料、3層目の上塗りクリヤー塗料の乾燥方法は、通常は室温乾燥が採用されるが、成分組成等によっては、60〜80℃の加熱温度下で強制乾燥することも可能である。
室温乾燥の場合は、1層目と2層目を塗り重ねる場合の1層目の乾燥時間は1〜3時間、2層目と3層目を塗り重ねる場合の2層目の乾燥時間は0〜1時間である。
すなわち、2層目と3層目を塗り重ねる場合には、2層目を1時間程度乾燥させ十分乾燥させた後に3層目を塗り重ねても良いが、2層目を塗装した直後(2層目の乾燥時間:0時間)の未硬化状態のうちに、3層目を塗り重ねること(Wet-on-Wet方式)も可能である。
また、3層目を塗装した後、塗装済み型枠合板を積み重ねて保存、運搬等を行うことが可能となるまでの時間としては、未乾燥塗膜同士の付着を防止するために5時間以上の乾燥時間が必要である。
以上の説明においては、主として、コンクリート用型枠板の例について説明したが、本発明は係る態様に限定されず、型枠に限らず、生コンクリートに接する種々の部材の表面に塗装して硬化コンクリートからの当該部材の剥離を容易にすることができる。従って、本発明の上塗塗料は、木質板、金属板の塗装に限定されず、他の部材、例えば、プラスチックにも適用できる。
<発明の効果>
上記上塗塗料組成物を上塗塗装したコンクリート用型枠板は、コンクリート硬化物から容易に剥離させることができ、一回の塗装で多数回(例:10回以上)繰返してコンクリ
ートの打設に使用でき、従来の通常の塗装による型枠合板の2倍以上の回数の使用に絶え得るので、作業性、経済性共に好適である。従って、建設現場でのコンクリート用型枠の使用枚数の低減を図り、外表面が良質の建造物を効率的に建設でき、資源の節約を図ることができる。
本発明のコンクリート用型枠板は、このように多数回繰り返して再利用できるから、本発明のコンクリート用型枠板を使用すれば、コンクリート打設工事に使用されて、コンクリートやノロが付着して使用不可になった型枠枠合板や板の破損、むしれ、割れ等により廃品となった型枠合板等の廃棄費用を従来品を使用する場合に比して、1/2以下に節約
することが可能となる。さらに、本発明のコンクリート用型枠板を用いると、木材資源の保存、資源の有効利用にも大きな効果を及ぼすものである。
[実施例]
以下、本発明について実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は、係る実施例により何ら限定されるものではない。
[塗料組成物の調製]
下記の表3〜5に示す1層目用の目止め塗料A〜C、下記の表6〜7に示す2層目用の中塗り塗料A〜B、下記の表8〜14に示す3層目用の上塗りクリヤー塗料A〜Gを調製した。
なお、下記の表中の各成分の組成、物性等は、以下の表1の通り。
Figure 0004642361
転用試験(本発明では、試験の目的に応じてコンクリート打設試験、離型性試験等とも
言う。)、及びJAS規格試験の試験方法は、以下の通り。
転用試験方法>
各塗装済み試験板より縦×横=15cm×30cmの試験片を複数枚切り出して、これらの試験片の塗装面が内側になるよう縦×横×深さ=15cm×15cm×30cmの底板付きの木箱を作成する。
この木箱にセメント、砂、砂利[セメント:砂:砂利(容積比)=1:3:6で配合。]に水を[セメント+砂+砂利の合計容積/水の容積=(10)/(0.8乃至1.0)]の量で加えて混練してなる生コンクリートを流し込み、4日間コンクリートを硬化させ
る。
次いで、硬化したコンクリートを木箱より取り出し、木箱の内面を水道水で洗浄後、乾燥させる。
木箱内面を乾燥させた後、再度上記と同様の生コンクリートを流し込み、4日間コンクリートを硬化させる。
次いで、硬化したコンクリートを木箱より取り出し、木箱の内面を水道水で洗浄後、乾燥させる。
このように、「木箱への生コンクリート流し込み→コンクリートの硬化→コンクリート取り出し→木箱塗装面洗浄→木箱乾燥」を1サイクルとして10サイクル繰り返した後の塗装面に対するコンクリート屑やノロ付着の有無を観察する。なお、「ノロ」とは、セメントを水で練ったものであり、強度はないがきめが細かい。ノロは、主にタイルの目地やモルタル面のひび割れの補修に使用され、コンクリート離型時に型枠の表面に付着し易い、という特性を有する。
<JAS規格試験>
JAS(コンクリート型枠合板の日本農林規格、「4、板面の品質」)に規定されている平面引張試験法、寒熱繰返し試験法、耐アルカリ試験法を下記の表2に示す。
Figure 0004642361
Figure 0004642361
Figure 0004642361
Figure 0004642361
Figure 0004642361
Figure 0004642361
Figure 0004642361
Figure 0004642361
Figure 0004642361
Figure 0004642361
Figure 0004642361
Figure 0004642361
Figure 0004642361
次に、試験例を以って、本発明について説明する。
以下の試験例のうちで、離型性が良好となったもの(試験例6,10)が本発明の好適な実施例に相当する。
それ以外の試験例は、比較例(試験例1〜5、7〜9)である。
[試験例1]
<コンクリート用型枠板の製造>
上記表に示す、1層目用目止め塗料A用の主剤成分に硬化剤を添加して十分に攪拌してなる目止め塗料Aを、コンクリート型枠用合板に、室温(25℃)下に、ナイフコーターで1時間毎に3回繰り返して塗装して、1平方メートルあたりの塗布量(未硬化物)が約50gとなるように塗装した。
目止め塗料Aを塗装して1時間乾燥させた後、2層目用中塗り塗料A用の主剤成分に硬
化剤を添加してなる中塗り塗料Aを、室温下に、ロールコーターで連続して2回塗装して、1平方メートルあたりの塗布量(未硬化物)が約50gとなるように塗装した。
塗装された型枠合板を室温下に48時間乾燥させ、コンクリート用型枠板を製造した。<試験>
得られたコンクリート用型枠板について、転用試験、及びJAS規格試験を実施した。
結果を表15〜表16に示す。
[試験例2]
<コンクリート用型枠板の製造>
試験例1において、上記表に示す1層目用目止め塗料Aの1平方メートルあたりの塗布量が約90gとなるように塗装し、また2層目用中塗り塗料Aの1平方メートルあたりの塗布量が約90gとなるように塗装した以外は、試験例1と同様にしてコンクリート用型枠板を製造した。
<試験>
得られたコンクリート用型枠板について、上記と同様に転用試験、及びJAS規格試験を実施した。
結果を表15〜表16に示す。
[試験例3]
<コンクリート用型枠板の製造>
試験例1において、1層目用目止め塗料Aに代えて上記表に示す1層目用目止め塗料Bを1平方メートルあたりの塗布量が約90gとなるように塗装し、また2層目用中塗り塗料Aに代えて2層目用中塗り塗料Bを1平方メートルあたりの塗布量が約90gとなるように塗装した以外は、試験例1と同様にしてコンクリート用型枠板を製造した。
<試験>
得られたコンクリート用型枠板について、上記と同様に転用試験、及びJAS規格試験を実施した。
結果を表15〜表16に示す。
[試験例4]
<コンクリート用型枠板の製造>
試験例1において、1層目用目止め塗料Aを1平方メートルあたりの塗布量が約90gとなるように塗装し、また2層目用中塗り塗料Aを1平方メートルあたりの塗布量が約90gとなるように塗装した後、室温下に2時間乾燥させた。
次いで、3層目用の上塗りクリヤー塗料A用の主剤成分に硬化剤を添加して十分に攪拌してなる上塗りクリヤー塗料Aを、ロールコーターで1回塗装して1平方メートルあたりの塗布量が約20gとなるように塗装した後、室温下に48時間乾燥させた以外は、試験例1と同様にしてコンクリート用型枠板を製造した。
<試験>
得られたコンクリート用型枠板について、上記と同様に転用試験、及びJAS規格試験を実施した。
結果を表15〜表16に示す。
[試験例5]
<コンクリート用型枠板の製造>
試験例4において、3層目用の上塗りクリヤー塗料Aに代えて上塗りクリヤー塗料Bを用いた以外は、試験例4と同様にしてコンクリート用型枠板を製造した。
<試験>
得られたコンクリート用型枠板について、上記と同様に転用試験、及びJAS規格試験を実施した。
結果を表15〜表16に示す。
[試験例6]
<コンクリート用型枠板の製造>
試験例4において、3層目用の上塗りクリヤー塗料Aに代えて上塗りクリヤー塗料Cを用い、1平方メートルあたりの塗布量が30gとなるように塗装した以外は、試験例4と同様にしてコンクリート用型枠板を製造した。
<試験>
得られたコンクリート用型枠板について、上記と同様に転用試験、及びJAS規格試験を実施した。
結果を表15〜表16に示す。
[試験例7]
<コンクリート用型枠板の製造>
試験例4において、3層目用の上塗りクリヤー塗料Aに代えて上塗りクリヤー塗料Dを用い、1平方メートルあたりの塗布量が30gとなるように塗装した以外は、試験例4と同様にしてコンクリート用型枠板を製造した。
<試験>
得られたコンクリート用型枠板について、上記と同様に転用試験、及びJAS規格試験を実施した。
結果を表15〜表16に示す。
[試験例8]
<コンクリート用型枠板の製造>
試験例4において、1層目用の目止め塗料Aに代えて目止め塗料Cを、1平方メートルあたりの塗布量が90gとなるように塗装し、
また、2層目用の中塗り塗料Aに代えて中塗り塗料Bを、1平方メートルあたりの塗布量が90gとなるように塗装し、
3層目用の上塗りクリヤー塗料Aに代えて上塗りクリヤー塗料Eを用い、1平方メートルあたりの塗布量が30gとなるように塗装した以外は、試験例4と同様にしてコンクリート用型枠板を製造した。
<試験>
得られたコンクリート用型枠板について、上記と同様に転用試験、及びJAS規格試験を実施した。
結果を表15〜表16に示す。
[試験例9]
<コンクリート用型枠板の製造>
試験例4において、1層目用の目止め塗料Aに代えて目止め塗料Cを、1平方メートルあたりの塗布量が90gとなるように塗装し、
また、2層目用の中塗り塗料Aに代えて中塗り塗料Bを、1平方メートルあたりの塗布量が90gとなるように塗装し、
3層目用の上塗りクリヤー塗料Aに代えて上塗りクリヤー塗料Fを用い、1平方メートルあたりの塗布量が30gとなるように塗装した以外は、試験例4と同様にしてコンクリート用型枠板を製造した。
<試験>
得られたコンクリート用型枠板について、上記と同様に転用試験、及びJAS規格試験を実施した。
結果を表15〜表16に示す。
[試験例10]
<コンクリート用型枠板の製造>
試験例4において、1層目用の目止め塗料Aに代えて目止め塗料Cを、1平方メートルあたりの塗布量が90gとなるように塗装し、
また、2層目用の中塗り塗料Aに代えて中塗り塗料Bを、1平方メートルあたりの塗布量が90gとなるように塗装し、
3層目用の上塗りクリヤー塗料Aに代えて上塗りクリヤー塗料Gを用い、1平方メートルあたりの塗布量が30gとなるように塗装した以外は、試験例4と同様にしてコンクリート用型枠板を製造した。
<試験>
得られたコンクリート用型枠板について、上記と同様に転用試験、及びJAS規格試験を実施した。
結果を表15〜表16に示す。
Figure 0004642361
Figure 0004642361
本発明に係るコンクリート用型枠板は、撥水性、スリップ性、耐擦傷性等に優れ、層間接着性に優れた塗装面を有しており、コンクリート硬化物の離型性が従来品に比して飛躍的に向上しており、マンション、ビルディング、橋梁等のコンクリート構造物を建設する際に、同一の型枠板を再塗装することなく転用可能な回数を大幅に増すことができ、建設コストの削減や産業廃棄物処理コストの削減を図ることができる。

Claims (8)

  1. 基板の表面に、下記(A)、(B)および(C)の各塗膜が、その順序(基板/塗膜(A)/塗膜(B)/塗膜(C))で形成されたコンクリート用木質製型枠板:
    (A)硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)、炭酸カルシウム(ii)、タルク(iii)およびイソシアネート系硬化剤(iv)を含む硬化性アクリル樹脂組成物からなる目止め塗膜、
    (B)硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)、黄色酸化鉄、酸化チタンおよびカーボンブラックからなる群から選ばれた少なくとも1種の顔料成分(v)、およびイソシアネート系硬化剤(iv)を含む硬化性アクリル樹脂組成物からなる中塗り塗膜、
    (C)硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)、ポリシロキサン系化合物(vi)、およびイソシアネート系硬化剤(iv)を含み、硬化性水酸基含有アクリル樹脂(i)(揮発分である溶剤を除く樹脂分すなわち固形分換算)100重量部に対して、ポリシロキサン系化合物(vi)を2〜19重量部の量で含んでいることを特徴とする硬化性アクリル樹脂組成物(C1)、または、湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)、ポリシロキサン系化合物(vi)、水分吸収剤(viii)および硬化触媒(ix)を含み、湿気硬化型ウレタン樹脂(vii)(固形分)100重量部に対して、ポリシロキサン系化合物(vi)を8.9〜50重量部の量で含んでいることを特徴とする湿気硬化型ウレタン樹脂組成物(C2)からなる上塗りクリヤー塗膜。
  2. 上記目止め塗膜(A)が、さらにビニル樹脂(x)を含む硬化性アクリル樹脂組成物から形成された請求項1に記載のコンクリート用木質製型枠板。
  3. 上記目止め塗膜(A)が、さらに黄色酸化鉄(xi)を含む硬化性アクリル樹脂組成物から形成された請求項1または2に記載のコンクリート用木質製型枠板。
  4. 上記目止め塗膜(A)が、さらに、揺変剤(xii)を含む硬化性アクリル樹脂組成物から形成された請求項1〜3の何れかに記載のコンクリート用木質製型枠板。
  5. 上記目止め塗膜(A)が、さらに、沈殿防止剤(xiii)を含む硬化性アクリル樹脂組成物から形成された請求項1〜4の何れかに記載のコンクリート用木質製型枠板。
  6. 上記中塗り塗膜(B)が、さらに、沈殿防止剤(xiii)を含む硬化性アクリル樹脂組成物から形成された請求項1〜5の何れかに記載のコンクリート用木質製型枠板。
  7. 上記中塗り塗膜(B)が、さらに、消泡剤(xiv)を含む硬化性アクリル樹脂組成物から形成された請求項1〜6の何れかに記載のコンクリート用木質製型枠板。
  8. 基板の表面に、上記(A)、(B)および(C)の各塗膜を、その順序(基板/塗膜(A)/塗膜(B)/塗膜(C))で形成させることを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載のコンクリート用木質製型枠板の製法。
JP2004041709A 2004-02-18 2004-02-18 コンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物およびコンクリート用型枠板 Expired - Lifetime JP4642361B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004041709A JP4642361B2 (ja) 2004-02-18 2004-02-18 コンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物およびコンクリート用型枠板
PCT/JP2005/002481 WO2005078029A1 (ja) 2004-02-18 2005-02-17 コンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物、ならびにコンクリート用型枠板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004041709A JP4642361B2 (ja) 2004-02-18 2004-02-18 コンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物およびコンクリート用型枠板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005232273A JP2005232273A (ja) 2005-09-02
JP4642361B2 true JP4642361B2 (ja) 2011-03-02

Family

ID=35015558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004041709A Expired - Lifetime JP4642361B2 (ja) 2004-02-18 2004-02-18 コンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物およびコンクリート用型枠板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4642361B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102158110B1 (ko) * 2019-12-12 2020-09-22 (주)애니폼 거푸집 박리제 조성물

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4654049B2 (ja) * 2005-02-03 2011-03-16 中国塗料株式会社 コンクリート用型枠板およびその製造方法
EP2450193B1 (en) 2010-11-09 2015-05-06 ESSILOR INTERNATIONAL (Compagnie Générale d'Optique) A process for tinting articles, and tintable compositions for use in said process
KR101512311B1 (ko) * 2014-08-19 2015-05-04 삼화페인트공업주식회사 목재 거푸집용 도료 조성물
KR101935103B1 (ko) * 2016-11-08 2019-01-03 주식회사 케이씨씨 도료 조성물
JP6912849B2 (ja) * 2017-04-04 2021-08-04 関西ペイント株式会社 塗料組成物及び複層塗膜形成方法
KR101845358B1 (ko) * 2017-07-17 2018-05-18 대화정밀공업(주) 콘크리트 균열을 제어하는 고부착 고탄성 무발포 주입제 조성물 및 이를 이용한 콘크리트 균열보수공법

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0639843B2 (ja) * 1989-12-28 1994-05-25 株式会社ホーネンコーポレーション コンクリート型枠用塗装木質板およびその製造方法
JPH0726475B2 (ja) * 1990-04-11 1995-03-22 株式会社ホーネンコーポレーション コンクリート型枠用塗装木質板およびその製造方法
JPH0798918B2 (ja) * 1992-12-11 1995-10-25 住友林業株式会社 コンクリート用塗装型枠合板用塗料組成物
JPH09221627A (ja) * 1996-02-16 1997-08-26 Hitachi Kasei Polymer Co Ltd コンクリート塗装型枠合板用無溶剤型ウレタン塗料組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102158110B1 (ko) * 2019-12-12 2020-09-22 (주)애니폼 거푸집 박리제 조성물

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005232273A (ja) 2005-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI630228B (zh) 自由基聚合性樹脂組成物、該硬化方法、該製造方法、自由基聚合性樹脂組成物之用途、及該使用方法
JP7111430B2 (ja) ラジカル重合性樹脂組成物
AU2010200029B2 (en) Ambient cure water-based coatings for writable-erasable surfaces
US20130029048A1 (en) Ambient cure water-based coatings for writable-erasable surfaces
JP6341935B2 (ja) 2種の異なるアルジミンを含む屋根用液体塗布防水膜
US5464680A (en) Plastic-coated concrete form panel
JP4654049B2 (ja) コンクリート用型枠板およびその製造方法
JP2000129073A (ja) 常温硬化性樹脂組成物および該樹脂組成物を塗工した基材
WO2005078029A1 (ja) コンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物、ならびにコンクリート用型枠板およびその製造方法
KR102303024B1 (ko) 코팅 시스템
JP4642361B2 (ja) コンクリート型枠板用硬化性アクリル樹脂上塗塗料組成物およびコンクリート用型枠板
JP3161593B2 (ja) 耐久性に優れる弾性非汚染塗料組成物
KR20220134540A (ko) 유기 바인더 기반 소수성 코팅 조성물
ES2222046T3 (es) Composicion de revestimiento.
JP4451390B2 (ja) 低臭気性溶剤型塗料組成物
JP2010235652A (ja) 無溶剤型硬化性樹脂組成物
JP6931288B2 (ja) 建材用シーラー組成物およびその用途
JPH11302566A (ja) 透湿性塗料組成物
CN115003731B (zh) 基于有机粘合剂的疏水性涂料组合物
KR102602458B1 (ko) 다층 코팅용 도료 조성물
JP3167007B2 (ja) 非汚染塗料組成物
JP2001240805A (ja) 塗料組成物
KR20100055616A (ko) 비가열 급속경화성 박층 포장재
JP3445739B2 (ja) 床被覆用水性塗料組成物の施工方法
KR100778231B1 (ko) 도막 형성 제품

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100615

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100816

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100816

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101022

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101116

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4642361

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250