JP4642286B2 - 合成樹脂微粒子、導電性微粒子及び異方導電性材料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂微粒子、かかる合成樹脂微粒子の表面に導電層が形成されている導電性微粒子、及びかかる導電性微粒子を含む異方導電性材料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧縮方向にのみ導通する異方導電材料組成物が知られている。かかる異方導電材料組成物は、詳しくは、表面に導電材料で被覆した微粒子を練り混んで分散させた接着剤やフィルムなどの形態をとるバインダー組成物である。
【0003】
かかる異方導電材料組成物には、導電材料で被覆された合成樹脂微粒子が用いられている。かかる合成樹脂微粒子は導電材料の芯材として働く。
【0004】
古くから、導電性ペーストが知られている。かかる導電性ペーストは、カーボンや銀等の導電粉末を油状物や接着剤等のバインダー中に大量に練りこんだ材料である。かかる導電性ペーストは電極接合部での仮導通を取る等の場合によく用いられている。
【0005】
また、これとは別に、近年、異方導電材料も用いられている。かかる異方導電材料では、導電粉末の粒子径を均一にし、且つ、各粒子をバインダー中に独立に分散させている。かかる材料は、一対の微小な電極間に挟んで圧縮し、圧縮した部分のみが単粒子層となって前記両電極と接触しこれらの間を導通させる。
【0006】
かかる異方導電材料は、小さな多数の線条状に配置された電極板の一対の間に使用する。したがって、隣接する他の電極対の間隔より大きな粒子は短絡を生じさせる。このため、用いる微粒子の直径はある程度小さく、且つ、全電極対を安定に導通させるよう、均一粒径であることを要する。
【0007】
かかる均一粒径の微粒子は、例えば液晶パネルの透明基板間隔を一定にするために用いられている。かかる微粒子はシリカ製や合成樹脂製のスペーサ用均一微粒子である。
【0008】
各種微粒子の表面には、金属メッキを施す場合がある。かかる金属メッキの技術には、種々のものが開発されている。金属メッキされた合成樹脂微粒子は異方導電材料として用いられる。
【0009】
したがって、従来から用いている異方導電材料用の芯材微粒子は、液晶パネルの透明基板間隔を一定に保つための液晶パネル面内スペーサをそのまま用いている。
【0010】
液晶パネル用スペーサは、ある程度の高硬度が要求される材料である。このため、特にシリカのような硬い微粒子に金属メッキを施してそのまま異方導電材料として用いると、以下の問題があった。電極面と金属メッキ微粒子とが点接点となり、接触面積が小さいうえに、電極面間隔の凹凸による接触のバラツキ、圧縮時の圧力のバラツキ、バインダー粘度のバラツキなど不確定要因が合わさって、導通不良を起こすことが度々であった。
【0011】
現在では、架橋ジビニルベンゼン系樹脂や架橋ベンゾグアナミン系樹脂からなる液晶パネル用スペーサが、そのまま表面メッキ用の原料として用いられる。かかる異方導電微粒子は、導通をより確実にするために、金属メッキ後の微粒子を、平均直径の80〜90%程度にまで電極対間で圧縮・狭窄する。
【0012】
異方導電材料を使用する電気回路基板組み立て業者や液晶表示パネルメーカーから、芯材微粒子を柔軟化して、接触不良を起こさないように、導電性微粒子の接触面積を大きくしたいという要望が古くからある。
【0013】
金属メッキ微粒子に関する技術では、以下のものが知られている。
(1)特開昭61−277105号公報には、ポリ(ペンタエリスリトールテトラアクリレート/ジビニルベンゼン)系合成樹脂微粒子を芯材として、表面に導電材料を被覆した導電性微粒子が記述されている。
【0014】
(2)芯材微粒子の柔軟化を図るために、特公平5−19241号公報には、熱可塑性樹脂や架橋度を低下させたスチレン系樹脂が提案されている。
【0015】
(3)特開平12−319309号公報には、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを主原料とする合成樹脂微粒子が、導電性微粒子の芯材粒子として提案されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上述の樹脂系スペーサを導電性微粒子として用いる場合や、金属メッキ合成樹脂微粒子では、導通不良や経時的安定性に対し、耐え難い問題があることを見出した。
【0017】
本発明の課題は、導電性微粒子の芯材として、導通不良を引き起こさず、しかも経時的安定性に優れた合成樹脂微粒子を得ることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電性微粒子の芯材として用いる合成樹脂微粒子であって、前記合成樹脂微粒子が0.98〜98N/mm2(0.1〜10kgf/mm2を換算式1kgf/mm2=9.80665N/mm2により換算した。以下同じ。)の初期弾性率(M10)及び25%以下の圧砕強度低下率(165℃・1時間熱処理前後)を有することを特徴とする合成樹脂微粒子に係るものである。また、本発明は、かかる合成樹脂微粒子の表面に導電層が形成されている導電性微粒子、及びかかる導電性微粒子を含む異方導電性材料組成物に係るものである。
【0019】
本発明者は、導通不良のない導電性微粒子を得るため、種々の微粒子を試作し検討した。
【0020】
その結果、本発明者は、樹脂系スペーサを導電性微粒子として用いる場合、樹脂系スペーサが樹脂製品として高硬度であり、メッキ後の導電性微粒子も硬く潰れ難く、複数の電極中で導通不良が度々発生する等の不具合を見出した。
【0021】
本発明者の研究によれば、かかる導通不良を避けるためには、理論的にはバインダー中に導電性微粒子を0.1〜1重量%混入すればよいものを、時には5〜20重量%という大量の導電性微粒子の混入を要することが分かった。しかし、多量の導電性微粒子の使用は粒子間の短絡等の別の問題を生じ易い。
【0022】
また、本発明者は、特開昭61−277105号公報記載の技術を追試した。
その結果、この技術で得たメッキ前の微粒子の初期弾性率M10を測定すると、23kgf(230N)/mm2と硬度が高く、これを加工して異方導電接着剤として使用すると、耐久試験中に接触不良が多く発生した。
【0023】
本発明者の研究によれば、その原因は、芯材微粒子が高硬度であり、圧縮変形量を平均直径の10%以下とせざるを得ないことにあった。平均粒子径より小粒子径側に分布する導電性微粒子は、接触しないか、接触応力が小さくなる。そのため、耐久試験等において、導電性微粒子がバインダーの膨張及び収縮変形に追随できなくなり、接触不良を起こすのである。
【0024】
特公平5−19241号公報記載の技術では、熱可塑性樹脂や架橋密度を低下させたスチレン系樹脂が提案されているが、この場合も導通の長期的信頼性が著しく劣り、実用化は困難であった。
【0025】
この原因は、バインダー接着剤の熱硬化やフィルムの溶融硬化のために使用する加熱圧縮の際、微粒子が熱溶融したり、塑性変形してしまうことにあった。かかる導電性微粒子は、常温に戻した後、電極板と導電性微粒子との接触が不完全となる。即ち、この場合は、微粒子の圧縮回復による電極への反発応力が、皆無又は不十分であるためと考えられた。
【0026】
特開平12−319309号公報記載の技術では、導電性微粒子は柔らか過ぎて、バインダー皮膜を加圧によって突き破ることができないためか、接着剤に混合した場合に導通性が上がり難く、他方、高圧で熱圧縮すると、芯材微粒子が破断してしまう等の不具合が発生した。
【0027】
また、ポリアルキレングリコールのエーテル結合は酸化され易く、信頼性試験において満足な結果が得られなかった。
【0028】
かかる知見の下、本発明者は、導通不良を引き起こすことなく、長期的に安定な導通性を発揮することができる最適な芯材微粒子を得るため、更に種々の微粒子を試作し、検討した。
【0029】
その結果、本発明者は、導電材料被覆微粒子を一対の電極で挟んだ際、これを圧縮変形させて接触面積を広くとることができる、平均直径が1〜100μmの範囲にある均一な合成樹脂微粒子を見出した。
【0030】
本発明は、アクリルゴム系材料から、芯材微粒子として最適な物性限界値を有する合成樹脂微粒子が得られたことに基づく。本発明では、合成樹脂微粒子は、物理的及び化学的な耐熱性が高く、且つゴム弾性的な圧縮回復性を安定して示す。
【0031】
本発明では、合成樹脂微粒子は初期弾性率M10が、0.98N/mm2以上、98N/mm2以下である。かかる範囲内では、得られる導電性微粒子は、圧縮されて上下の電極に安定して接触させることができ、導通不良問題を解決することができる。
【0032】
すなわち、10kgf(98N)/mm2を越える高弾性率の微粒子は、硬過ぎて圧縮度を大きくできず、耐久試験中に導通不良となる。また、0.1kgf(0.98N)/mm2未満の微粒子は、柔らか過ぎて、圧縮圧力が小さくなり、電極板と導電粒子との間に存在するバインダーの被膜が容易に破れず、始めから導通がとれない。
【0033】
また、本発明では、合成樹脂微粒子は165℃・1時間の熱処理前後での圧砕強度低下率が25%以下である。かかる強度変化の小さい芯材微粒子は、熱劣化による問題がない。
【0034】
熱処理後、圧砕強度の低下が大きいということは、架橋重合体の分子鎖が著しく切断されていることである。この場合、バインダー硬化処理直後のみならず、電気接続した製品の経時安定性に欠け、信頼性は著しく乏しくなる。
【0035】
本発明によれば、合成樹脂微粒子が0.1〜10kgf(0.98〜98N)/mm2の初期弾性率(M10)及び25%以下の圧砕強度低下率(165℃・1時間熱処理前後)を有しており、かかる合成樹脂微粒子を導電性微粒子の芯材として用いれば、導通不良を引き起こさず、しかも経時的安定性に優れた導電性微粒子を得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
(1)合成樹脂微粒子の各パラメータ
ここで、本発明における、圧砕強度、初期弾性率M10、圧縮回復率の定義を詳しく述べる。
【0037】
(1−1)圧砕強度
まず、圧砕強度は、平松の式〔日鉱誌81、1024、(1965)〕から計算する。平松によると、粒状体の圧縮荷重から引っ張り強度S0への変換は、
S0=2.8P0/πd2
[式中、S0:引っ張り強度(kgf/mm2)、P0:荷重(kgf)、d:粒子径(mm)]で表される。
本発明では、圧砕強度は前記式のS0をもって当てる。即ち、微粒子1個当たりの破壊に要する荷重P0(kgf)を測定し、前記式に代入して求める。
【0038】
(1−2)初期弾性率
次に、初期弾性率M10を求める。上記式の引っ張り強度S0において、25℃で粒子径の10%が変位する時の応力をSとし、上記式の荷重P0において、粒子径の10%が変位する時の荷重(圧縮応力)をPとすると、上記式は、
S=2.8P/πd2
となる。
【0039】
本発明にかかる25℃における粒子径の10%初期変位における弾性率M10は、100%変位に換算するため、上記式を10倍するので次式で示される。
M10=10S
即ち、M10=28P/πd2
[式中、P:25℃における初期10%圧縮変位時の応力(kgf)、d:粒子径(mm)]である。
【0040】
(1−3)圧縮回復率
圧縮回復率は、一定速度で一個の粒子に、0gfから1gfまで圧縮して1g変位を測定し、再び、0gfまで戻して残留歪を求め、1gf変位に対する、1gf変位と残留歪との差の割合とする。
【0041】
(2)初期弾性率
従来から、材料の硬さを表す指標として、弾性率がある。一般に軟質材料微粒子の場合、測定方法のばらつきは多少あるが、機械的性質である弾性率によっても軟らかさを測定することができる。本発明では、かかる弾性率によっても、合成樹脂微粒子の軟質度の範囲を特定することができる。
【0042】
本発明の合成樹脂微粒子は、初期弾性率M10が、熱処理により変化しても、0.1kgf(0.98N)/mm2以上、10kgf(98N)/mm2の範囲を維持している必要がある。熱処理前後の初期弾性率の変化倍率は、熱処理前の0.3〜2倍程度の範囲内であれば実用には差し支えない。熱処理前後の初期弾性率の変化が0.5〜1.5倍の範囲であれば、なお好ましい。
【0043】
初期弾性率の測定は、初期応力が0kgf(0N)/mm2から検知開始するため、測定誤差が大きい。特に、弾性率が10kgf(98N)/mm2以下の軟質材料の場合は、誤差が大きくなり易いが、前記の圧砕強変化率を物性変化の代表として捕らえておけば、実質上、熱劣化の有無を検知することができる。
【0044】
(3)圧砕強度低下率
異方導電接着剤や異方導電フィルムは、そのバインダー成分が熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が多い。このため、導電性微粒子は、ほとんどの場合、加熱圧縮工程を通る。したがって、導電性微粒子の芯材は耐熱性と耐圧縮性が要求される。
【0045】
ここで言う合成樹脂微粒子の耐熱性とは、加熱圧縮工程における芯材の化学的安定性が良好で、バインダーの熱硬化、加熱軟化等の工程で破壊されたり、酸化や加熱分解が起きないことである。
【0046】
バインダーの樹脂の種類にもよるが、導電性微粒子は高温に曝されることがしばしばである。導電性皮膜は金属であることが多いので問題ないが、芯材の樹脂微粒子は、この温度に耐える必要があり、その影響は圧砕強度に顕著に現れる。
【0047】
現実の問題として、圧熱下での形状や物性の測定は困難であり、本発明では、フリーの状態で加熱処理して、その前後の機械的物性の変化を測定する。
【0048】
通常、液晶パネルの周辺シーラー中に導電性微粒子を混入する場合は、バインダー樹脂としてはエポキシ接着剤を用いる。一般に、周辺シーラーの熱硬化条件は150〜180℃及び1〜4時間程度である。
【0049】
また、異方導電フィルムでは、熱硬化条件は、150〜160℃及び20秒、200〜230℃及び5〜10秒であり、シーラーの場合と同程度か、より一層高温で、極めて短い硬化時間が適用される。導電性微粒子はこれらの熱履歴に耐える必要がある。
【0050】
バインダー硬化条件のうち、シーラーの方は、多少低めの温度であるがなお常温より非常に高く、異方導電フィルムより数百〜数千倍ほど加熱時間が長い。微粒子に与える影響は、酸化劣化反応を主とするダメージに基づき、シーラーの方が大きいと考えられる。
【0051】
したがって、本発明では、熱処理条件としてより厳しい、シ−ラーの場合の165℃で1時間という条件を設定した。この熱処理前後での圧砕強度の低下が、少なくとも25%以下、好ましくは20%以下であれば、この間の芯材微粒子の熱劣化は実用的には問題ない。
【0052】
(4)圧縮回復率
次に、本発明の合成樹脂微粒子は、圧縮回復率が少なくとも30%以上、好ましくは40%以上であるのが望ましい。圧縮回復率が30%未満の場合、高分子間の架橋が不十分で、熱圧縮による永久変形が起き易く好ましくない。
【0053】
しかし、架橋重合体であっても完全弾性体であることは、現実では望むべくもなく、圧縮回復測定の回復時間に緩和時間が追随できないため100%にならなくても、前記程度の圧縮回復率で実際上は問題ない。
【0054】
この意味において、熱処理による圧縮回復率の保持特性も重要な物性である。
導電性微粒子が、圧熱により電極間にバインダーで固定された後に、塑性変形し反発応力が低下し、電極と導電性微粒子との接触が阻害されてはならない。
【0055】
(5)合成樹脂微粒子の原料
本発明では、合成樹脂微粒子は、0.1〜10kgf(0.98〜98N)/mm2の初期弾性率(M10)及び25%以下の圧砕強度低下率(165℃・1時間熱処理前後)を実現できる限り、種々の原料から形成することができる。
【0056】
(6)アクリルゴム
本発明の合成樹脂微粒子は、本質的にはアクリルゴムからなることができる。
しかし、かかるアクリルゴムは、一般のアクリルゴムとは異なる。一般のアクリルゴムは、アクリルモノマーを線状高分子に重合させた後、成型中又はその後、アミン等の加硫剤によって架橋させる。これに対して、本発明では、2官能モノマー原料の存在によって、重合と同時に架橋した構造となる。したがって、両者の架橋点の化学構造は全く異なり、本発明にかかるアクリルゴムは特殊アクリルゴムに属する。
【0057】
特に、本発明では、かかる微粒子は、アクリルゴムである架橋アクリル酸アルキルエステル重合体から得ることができる。
【0058】
本発明においては、このような架橋アクリル酸エステル高分子に関しては、軟質度は密度と相関関係が高く、合成樹脂微粒子の密度が1.01〜1.20g/mLまでの範囲が最適である。
【0059】
即ち、密度が1.2g/mLを超えるものは硬くなり過ぎ、これを用いた導電性微粒子の信頼性は従来の高硬度導電材料被覆微粒子と大差なくなり、好ましくない。また、密度が1.01g/mL未満の場合は、柔らか過ぎ、懸濁重合後、粒子径精製工程において水ひ分級法が使用できない等の不具合があり、好ましくない。
【0060】
したがって、各種原料モノマーの組み合わせは、密度が1.01〜1.20g/mLの範囲に設定することが重要である。
【0061】
本発明にかかるアクリル酸エステル架橋重合体は、熱酸化に対する耐性のある重合体を与え、導電体被覆後、異方導電フィルムや異方導電接着剤として応用された場合、その圧熱工程で劣化することが無く、充分信頼性のある芯材微粒子を与える。即ち、かかる微粒子は、165℃及び1時間の空気中での加熱によっても、圧砕強度の低下は25%以下に保つことができるのである。
【0062】
(6−1)2官能モノマー
かかるアクリル酸エステル架橋重合体を得るには、従来の液晶パネル用面内スペーサに比べて架橋度の低い特殊アクリルゴムとするために、2官能モノマーであるアルキレンジオールジアクリレートを原料モノマーとして用いるのが最も好ましい。
【0063】
かかるアルキレンジオールジアクリレートとしては、即ち1,2−エチレングリコールジアクリレート、1,3−プロピレングリコールジアクリレ−ト及びその異性体、1,4−ブタンジオールジアクリレート及びその異性体、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート及びその異性体、1,7−ヘプタンジオールジアクリレート及びその異性体、1,8−オクタンジオールジアクリレート及びその異性体、1,9−ノナンジオールジアクリレート及びその異性体、1,10−デカンジオールジアクリレート及びその異性体、1,11−ウンデカンジオールジアクリレート及びその異性体、1,12−ドデカンジオールジアクリレート及びその異性体、1,13−トリデカンジオールジアクリレート及びその異性体、1,15−ペンタデカンジオールジアクリレート及びその異性体、1,16−ヘキサデカンジオールジアクリレート及びその異性体等から選ばれる1種以上のモノマーを用いることができる。なお、3官能以上の多官能モノマーは、下記単官能モノマーとの組合せ、或いは単独で用いても、硬度が上がり過ぎて柔軟性が失われない限り用いることができる。
【0064】
前記アルキルジアクリレートに代えて、例えば特開平12−309715号公報や特開平12−319309号公報のようにして、ポリプロピレングリコールジアクリレートやポリテトラメチレングリコールジアクリレートを用いると、これらのエーテル結合は酸化されて劣化し易く、165℃及び1時間の空気中での加熱による圧砕強度の低下は30%を超え、好ましくない。
【0065】
スチレン系やジビニルベンゼン系樹脂は、光や熱によって容易に空気酸化され、165℃及び1時間の空気中での加熱によって、30%以上もの強度劣化をもたらすことがあり、好ましくない。また、かかる樹脂は、本来ガラス転移点の高い硬い樹脂であるため、常温において、初期弾性率M10を10kgf(98N)/mm2以下に軟らかくすることは難しい。
【0066】
(6−2)アルキルアクリレート
本発明では、原料モノマーとして、2官能モノマーのアルキレンジオールジアクリレート20〜80重量%を用いる際、原料モノマーの残部にアルキルアクリレートを用いることができる。
【0067】
アルキルアクリレートを用いる利点は、これから得られるポリマーは、光や熱によって空気酸化されることがなく、良好な原料だからである。
【0068】
また、軟質ポリマーは一般にガラス転移点が低く、アルキルアクリレートポリマーはこれを達成することができる。
【0069】
かかるアルキルアクリレートは、原料モノマーの20〜80重量%含有させることができる。本発明では、架橋アクリルゴム材料が好ましく、このため、直線状ポリマーを与えるアルキルアクリレートは原料モノマーの100重量%未満が良い。
【0070】
また、密度を1.01g/mL以上に保持するために、これが80%を超えては困難となる。
【0071】
逆に2官能モノマーのみでは、合成樹脂微粒子の密度が1.20g/mLを超えることがあり、アルキルアクリレートを原料モノマーの20重量%以上加えることによって、かかる微粒子の密度を1.20g/mL以下に保持することができる。
【0072】
かかるアルキルアクリレートとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル及びその異性体、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル及びその異性体、アクリル酸n−ノニル及びその異性体、アクリル酸n−ドデシル及びその異性体、アクリル酸トリデシル及びその異性体等からなる群より選ばれる少なくとも1種のアルキルアクリレートを用いることができる。
【0073】
(6−3)その他のモノマー
本発明では、原料モノマー中、アルキレンジオールジアクリレート及びアルキルアクリレートの残部に、アルキレンジオールジアクリレート及び/又はアルキルアクリレートと共重合可能なモノマーを用いることができる。なお、かかる共重合可能なモノマーは、当然に合成樹脂微粒子の前記M10が0.1〜10kgf/mm2を保てる範囲内で用いる。
【0074】
アルキレンジオールジアクリレート及び/又はアルキルアクリレートと共重合可能なモノマーを用いる利点は、得られる合成樹脂微粒子の耐熱性や耐酸化性を向上させることができる点である。
【0075】
かかるアルキレンジオールジアクリレート及び/又はアルキルアクリレートと共重合可能なモノマーは、原料モノマーの20重量%以下の割合で用いることができる。20重量%以下の理由は、一般に、耐熱性や耐酸化性を与えるモノマーは、それ自体からなるポリマーのガラス転移点が高い場合が多く、原料モノマーの20重量%を越えて共重合させると、柔軟性が失われるおそれがあるからである。
【0076】
アルキレンジオールジアクリレート及び/又はアルキルアクリレートと共重合可能なモノマーとしては、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル及びその異性体、メタアクリル酸n−ブチル及びその異性体、メタアクリル酸アミル及びその異性体、メタアクリル酸n−ヘキシル及びその異性体、メタアクリル酸n−ヘプチル及びその異性体、メタアクリル酸n−オクチル及びその異性体、メタアクリル酸n−ノニル及びその異性体、メタアクリル酸n−デカン及びその異性体、メタアクリル酸n−ウンデカン及びその異性体、メタアクリル酸n−ドデカン及びその異性体、メタアクリル酸n−トリデカン及びその異性体、エチレン(ポリカプロラクトン)ジアクリレート等からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーを用いることができる。
【0077】
(6−4)極性モノマー
本発明では、アルキレンジオールジアクリレート単独と、又はアルキレンジオールジアクリレート及びアルキルアクリレートと共重合可能なモノマーとして、極性モノマーを用いることができる。かかる極性モノマーの利点は、本発明の微粒子とその表面に被覆する金属被膜との間の密着性を上げることができる点にある。
【0078】
かかる極性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
【0079】
かかる極性モノマーは、原料モノマーの1〜20重量%の割合で用いることができる。20重量%以下の理由は、一般に極性モノマーのガラス転移点が高く、20%を超えて共重合させると柔軟性が失われ、好ましくない。1重量%未満では、前述の金属被膜との密着性が得られ難く、好ましくない。
【0080】
かかる割合は、更に好ましくは、2〜10重量%であり、かかる割合で前記密着性を十分に付与することができる。
【0081】
(6−5)重合開始剤
本発明では、かかる原料モノマーの重合開始剤として、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化メチルエチルケトン等の過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスメチルヴァレロニトリル等のアゾ系化合物、その他の公知の物質を用いることができる。
【0082】
これらのうち、アゾ系開始剤は、重合体に酸化物を持ち込まず、加熱による物性劣化の少ない架橋アクリル酸エステル重合体を与え好ましい。
【0083】
(6−7)その他添加剤
この他、モノマーへの添加剤として、過酸化物開始剤に対するレドックス還元剤、オクチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン等の重合末端安定剤、その他の公知の物質を用いることができる。
【0084】
(6−8)重合方法
本発明の微粒子は懸濁重合によって製造することができる。ここで用いられる懸濁安定剤は、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、部分加水分解ポリビニルアルコール、リン酸カルシウム等、その他の公知の物質を用いることができる。
【0085】
(7)導電性微粒子
本発明では、合成樹脂微粒子の表面には、金属等の公知の被覆用導電材料を用いて、導電層を形成することができる。
【0086】
(7−1)導電層
かかる導電層は、特に制限されず、種々の導電材料からなることができる。厚みは、通常0.001〜0.1μmと非常に薄いため、導電性微粒子の硬度にほとんど影響しない。結果として、異方導電性材料の加工工程及び使用環境においては、合成樹脂微粒子の軟質度の影響が最も大きい。
【0087】
通常、かかる導電層は、ニッケル、金等の金属からなることができる。かかる導電層は、電解メッキや無電解メッキ、蒸着等、種々の方法で合成樹脂微粒子の表面に設けることができる。
【0088】
(8)異方導電性材料組成物
本発明では、導電性微粒子をバインダー樹脂中に含ませ、分散させて、異方導電性材料組成物を得ることができる。
【0089】
(8−1)バインダー樹脂
本発明にかかるバインダー樹脂は、特に制限されるものでなく、種々の樹脂を用いることができる。例えば、バインダー樹脂はエポキシ樹脂等からなる接着剤を用いることができる。
【0090】
(9)微粒子の物性値の測定方法
次に、本発明で表示する各種の物性値の測定方法及び測定条件を述べる。
(9−1)密度
50重量%メタノール水中に、合成樹脂微粒子試料を分散させ、25℃でワードン型比重びん法により測定する。
【0091】
(9−2)圧砕強度
島津製作所製MCTM−200型微小圧縮試験機のモード1を用い、25℃における直径、破壊強度を、それぞれ5回測定し、平均化する。圧縮速度は0.27gf/秒とし、表面検出は手動で補正する。
【0092】
軟質材料の場合、自動表面検出法による変位は、このような速い圧縮速度では数μmの誤差が発生してデータがばらつくため、手動で補正する。尚、応力についてはバラツキが少ないため、強度測定にこの速度を採用する。
【0093】
(9−3)初期弾性率M10
島津製作所製MCTM−200型微小圧縮試験機の軟質材料試験モード3で25℃にて直径及び2gfまでの圧縮応力を、それぞれ5回測定し、平均化する。圧縮速度は0.0145gf/秒、表面検出は自動で安定して測定できる。初期弾性率M10の計算方法は、前述の通りである。
【0094】
(9−4)圧縮回復率
島津製作所製MCTM−200型微小圧縮試験機の負荷・徐荷試験モード2で25℃にて5回測定し、平均化する。圧縮速度は0.029gf/秒とし、表面検出は自動とする。この速度で、0gfから1gfまで圧縮した変位に対して、同じ速度で0gfまで徐荷し、全変位に対する荷重0gfに回復した変位の割合を百分率で表す。
【0095】
(9−5)熱処理
165℃で一定の定温乾燥機に試料を入れ、空気中で1時間熱処理する。
【0096】
(9−6)粒子径
合成樹脂微粒子を、ベックマン・コールター社製コールターカウンター・マルチサイザーII型測定器を用い、約3万個を測定して、平均化する。測定に際しては、同社製の標準粒子を用いて較正することができる。
【0097】
(9−7)導電層の厚み
無電解メッキにおいては、金属は100%合成樹脂微粒子上にほぼ均一に付着するので、仕込み金属の重量、金属の比重、合成樹脂微粒子の重量、比重、平均粒径からその厚みを計算することができる。
【0098】
(9−8)体積固有抵抗値
内径10mmのポリエチレン製円筒の底部に、ステンレス捧を内壁に密接して固定し、1.5gの金属被覆微粒子を円筒内にいれ、上部から別のステンレス捧を挿入し、5kgfの荷重をかけた状態で両ステンレス捧間の体積固有抵抗値を測定する。
【0099】
(9−9)導通性
厚さ75μmのポリイミド基材上に、ストライプ状の厚さ25μmのスズメッキされた50μ幅銅パターンを、パターン間50μmとなるように形成する。得られるTAB型端子板上に、そのストライプの端側に幅5mm、長さ20mm程度の異方導電材料を設置する。
【0100】
ここに、透明導電材(酸化スズインジウム=ITO)をパターン間50μmで50μm幅ストライプ状パターンを50本施した、幅30mm×長さ30mm×厚さ0.7mmのガラス板の一端をパターンが重なるようにはすかいに重ね合せ、所定の温度、圧力、時間をかけて貼りあわせる。
【0101】
次に、TAB型端子板上の1本のパターンと他方のガラス基板上の対応するパターンとの間の導通性をテスターの示す抵抗値で測定し、5Ω以下で且つこのパターンの両隣に漏電がないか確認し、合否を判定する。すべてのストライプについてテストし、合格したものの割合で表す。
【0102】
(9−10)信頼性試験
タバイエスペック(株)製の恒温恒湿槽を用いて、85℃、85%の相対湿度の下に、1000時間処理した後、導通性を測定する。信頼性は、処理前と比較し百分率で表す。
【0103】
【実施例】
次に、本発明を、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
撹拌機付き10リットルセパラブルタンクに、5重量%ポリビニルアルコール〔日本合成化学(株)製ゴーセノールGH−17〕水7kgを入れ、モノマー:1,9−ノナンジオールジアクリレート〔大阪有機化学工業(株)製、ビスコート#260)500gと2−エチルヘキシルアクリレート〔東亜合成(株)製〕500gと、重合開始剤:アゾビスイソブチロニトリル〔和光純薬(株)製〕20gとの混合液を添加した。
【0104】
空気存在下、室温で激しく撹拌した後、還流冷却管を取り付け、窒素ガスを導入しながらゆっくり撹拌し、外温を65℃で一定として、16時間重合させた。
その後熱水洗浄した後、水ひ分級し、平均粒径6.2μm、標準偏差0.27μmの微粒子を得た。
【0105】
得られた微粒子10gを30℃の50重量%硫酸に投入し、撹拌しながら2時間エッチング処理した後、濾過洗浄し、0.1重量%塩化第一スズ水溶液中で増感処理し、濾過して洗浄した。
【0106】
次に、0.01重量%の塩化パラジウムを添加した0.01容量%の塩酸水溶液中、触媒のパラジウムイオンを粒子表面に捕捉させ、濾過した後、0.1重量%の次亜リン酸ナトリウム水溶液に浸漬して、パラジウムを微粒子表面に析出させた。
【0107】
得られた微粒子を1重量%のリンゴ酸ナトリウム水溶液中に65℃で撹拌分散させた。ここに、硫酸ニッケル17.92gを80mLの水に溶かした水溶液と、次亜リン酸ナトリウム18.1gと水酸化ナトリウム9.52gとを水80mLに溶かした水溶液とを、同時に90分かけて徐々に添加し、水素ガスの発生が終わるまで撹拌を続けた。
【0108】
その後、濾過水洗を充分行い、80℃で一夜乾燥して、ニッケル無電解メッキ粒子を得た。このニッケルメッキ粒子は、析出ニッケル重量から平均粒径は6.35μmと計算された。無電解メッキ前後の微粒子の物性値を測定し、結果を表1にまとめて示した。
【0109】
得られた合成樹脂微粒子の密度は1.042g/mL、圧砕強度の熱処理による変化はわずか6%、M10は0.3kgf(2.9N)/mm2と好ましい物性であり、また、メッキ後も耐熱性の良い導電性微粒子であった。
【0110】
実施例2
実施例1で得たニッケルメッキ微粒子10gを、1重量%のEDTA−4Na、1重量%のクエン酸2Na及び0.3重量%のシアン化金カリウムを含んだ水溶液150mL中に撹拌しながら投入し、60℃に加熱した。
【0111】
その後、この液に、1重量%のEDTA−4Na及び1重量%のクエン酸2Naを含む水溶液50mLと、3重量%の水酸化ホウ素カリウムと6重量%の水酸化ナトリウムとを含む水溶液50mLとを、同時に約30分かけて徐々に添加した。
【0112】
水素ガスが発生しなくなるまで撹拌加温を続けた後、充分水洗・濾過し、80℃で一夜乾燥して、金メッキ粒子を得た。この金メッキ粒子の平均粒子径は、析出金の重量から、6.40μmと計算された。
【0113】
物性値の測定結果を表1にまとめて示した。この結果から解かるように、金メッキ工程後の耐熱性も良好であった。
【0114】
実施例3
実施例1において、モノマーを1,9−ノナンジオールジアクリレート〔大阪有機化学工業(株)製、ビスコート#260〕1000gに変えた他は、実施例1と同様にして、平均粒径6.0μm、標準偏差0.25μmの合成樹脂微粒子を得た。
【0115】
この粒子10gから、実施例1と同様にして、ニッケルメッキ粒子を製造し、直ちに、実施例2と同様にして、平均粒径6.2μmの金メッキ粒子を得た。物性値の測定結果を表1にまとめて示した。
【0116】
本微粒子は、初期の合成樹脂微粒子の段階で高い強度を示し、熱処理でわずか3%、未処理合成樹脂微粒子から見てニッケル及び金メッキ後熱処理前でも、16%と熱処理においても、メッキ処理においても圧砕強度の劣化が少なく、極めて良好な導電性微粒子が得られた。
【0117】
実施例4
実施例1において、モノマーを1,9−ノナンジオールジアクリレート〔大阪有機化学工業(株)製、ビスコート#260〕500gと2−エチルヘキシルアクリレート〔東亜合成(株)製〕500gとメタアクリル酸〔和光純薬(株)製試薬)50gとに変えた他は、実施例1と同様にして、平均粒径6.0μm、標準偏差0.26μmの微粒子を製造した。
【0118】
この粒子10gから、実施例1のニッケルメッキ工程における硫酸によるエッチングに代えて、界面活性剤「クリーンエース」〔昭和通商(株)製〕の3倍希釈液100mLによる親水化処理を行った以外は、実施例1と同様にして、ニッケルメッキ粒子を製造し、直ちに、実施例2と同様にして、平均粒径6.2μmの金メッキ粒子を得た。
【0119】
物性値の測定結果を表1にまとめて示した。本微粒子は、樹脂微粒子表面と金属層との密着性を上げる目的でカルボン酸モノマー(メタアクリル酸)を共重合し硫酸エッチングをしなかったため、合成樹脂微粒子のみの熱処理で7%の上昇、未処理合成樹脂微粒子から見てニッケル及び金メッキ後熱処理前もわずか5.6%の圧砕強度の劣化であって、良好な導電性微粒子である。
【0120】
実施例5
実施例1において、モノマーを1,6−ヘキサンジオールジアクリレート600gとn−ブチルアクリレート400gとに変えた他は、実施例1と同様にし、平均粒径6.0μm、標準偏差0.24μmの微粒子を製造し、実施例1及び実施例2と同様にし、平均粒子径6.2μmの金メッキ粒子を得た。
【0121】
物性値の測定結果を表1にまとめて示した。本微粒子も、熱処理でもわずか5%、未処理合成樹脂微粒子から見てニッケル及び金メッキ後熱処理前20%の強度劣化であって、良好な導電性微粒子である。
【0122】
実施例6
実施例1において、モノマーを1,6−ヘキサンジオールジアクリレート〔大阪有機化学工業(株)製、ビスコート#230〕1000gに変えた他は、実施例1と同様にして、平均粒径6.8μm、標準偏差0.28μmの微粒子を製造し、実施例1及び実施例2と同様にし、平均粒径6.95μmの金メッキ粒子を得た。物性値の測定結果を表2にまとめて示した。
【0123】
実施例7
実施例4で得た平均6.2μmの金メッキ微粒子を2重量%と直径5.0μmの球状シリカ2重量%とを、エポキシ接着剤(三井化学(株)製ストラクトボンドXN−21−S)に添加混合してよく分散させ、異方導電性接着剤を製造した。この異方導電性接着剤の165℃、10kgf/cm2及び1時間での硬化後の導通性は、信頼性試験の前後とも100%であった。
【0124】
実施例8
実施例4で得た平均6.2μmの金メッキ微粒子4重量部を、フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP50)40重量部、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、EP828)30重量部、イミダゾール系潜在性硬化剤(旭化成社製、HX3741)30重量部とトルエン30重量部、酢酸エチル30重量部とからなるバインダーに混練した。
【0125】
これを剥離剤表面処理ポリエステルフィルム上に乾燥後20μmになるように塗布して、異方導電性フィルムを製造した。このフィルムの170℃、32kgf/cm2及び15秒での硬化後の導通性は、信頼性試験の前後とも100%であった。
【0126】
比較例1
実施例1において、原料モノマーを1,9−ノナンジオールジアクリレート〔大阪有機化学工業(株)製、ビスコート#260〕250gと1−ドデシルアクリレート〔大阪有機化学工業(株)製、ラウリルアクリレート)750gとに代えた以外は、実施例1と同様にして、合成樹脂微粒子の懸濁液を得た。
【0127】
これは数日室温に放置しても沈降せず、比重は明らかに1以下であることが解かった。濾紙上で風乾して得た微粒子を用いて機械的物性を測定し、表2に示したが、水ひ分級できないので、以後の実験をしなかった。
【0128】
比較例2
実施例1において、原料モノマーをペンタエリスリトールテトラアクリレート〔大阪有機化学工業(株)製、ビスコート#400〕500gと55%ジビニルベンゼン(和光純薬製試薬、化学用)500gにし、重合開始剤を再結晶過酸化ベンゾイル20gに変え、重合温度を80℃に変えた他は、実施例1と同様にして合成樹脂微粒子を得、分級をして、平均粒径6.0μm標準偏差0.28μmの均一粒子径微粒子を製造した。
【0129】
以下メッキ工程は、実施例1と実施例2と同様にして、ニッケル金メッキ微粒子を製造した。メッキ層の厚みは、0.1μmであった。各種物性を測定し、表2にまとめて示した。尚、本例は、特開昭61−277105号公報の実施例1に相当し、初期の合成樹脂微粒子から見て、熱処理のみで50%の圧砕強度の低下、メッキ後熱処理前は初期微粒子から見て53%の圧砕強度の低下であった。
更にメッキ後でも、熱処理の前後で48%の圧砕強度の低下があった。
【0130】
【表1】
【0131】
【表2】
【0132】
以上の結果から、本発明の合成樹脂微粒子は、優れた柔軟性と圧縮回復性、即ち弾力性に富んでおり、且つ、高温での熱工程にも耐え、その間、物性の劣化がほとんどない。
【0133】
したがって、本発明の合成樹脂微粒子の表面を金属などの導電性物質で被覆した導電性微粒子は、タッチパネル用接点として応用した場合、その柔軟性のために優れた耐久性を示す。
【0134】
また、本発明の導電性微粒子は、バインダー中に混練して、異方導電性材料組成物に加工して、一対の電極間に狭窄して加熱接着させた場合、芯材である合成樹脂微粒子が狭窄に対する反発力を常に維持するため、半永久的に電気的接続を維持することができ、非常に信頼性が高い。これは、液晶パネル等の透明導電体への接続ばかりでなく、鉛公害のあるハンダに代わって、プリント配線基板へのICその他電子部品のマウントに信頼性高く応用することができる。
【0135】
【発明の効果】
本発明によれば、合成樹脂微粒子が0.1〜10kgf(0.98〜98N)/mm2の初期弾性率(M10)及び25%以下の圧砕強度低下率(165℃・1時間熱処理前後)を有しており、かかる合成樹脂微粒子を導電性微粒子の芯材として用いれば、導通不良を引き起こさず、しかも経時的安定性に優れた導電性微粒子を得ることができる。
Claims (8)
- 導電性微粒子の芯材として用いる合成樹脂微粒子であって、
前記合成樹脂微粒子が0.98〜98N/mm2の初期弾性率(M10)及び25%以下の圧砕強度低下率(165℃・1時間熱処理前後)を有することを特徴とする合成樹脂微粒子。 - 前記合成樹脂微粒子が、1.01〜1.20g/mLの密度(25℃)を有し、且つ、1〜100μmの平均粒径を有する球状粒子であることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂微粒子。
- 前記合成樹脂微粒子が、原料モノマーの水系ラジカル懸濁重合によって得られており、前記原料モノマーがアルキレンジオールジアクリレートからなることを特徴とする請求項1又は2記載の合成樹脂微粒子。
- 前記合成樹脂微粒子が、原料モノマーの水系ラジカル懸濁重合によって得られており、前記原料モノマーが、アルキレンジオールジアクリレートと、アルキレンジオールジアクリレートと共重合可能な極性モノマーとからなり、前記原料モノマー中、前記極性モノマーが1〜20重量%含有されていることを特徴とする請求項1又は2記載の合成樹脂微粒子。
- 前記合成樹脂微粒子が、原料モノマーの水系ラジカル懸濁重合によって得られており、前記原料モノマーが、アルキレンジオールジアクリレート80〜20重量%と残部のアルキルアクリレート20〜80重量%とを含有していることを特徴とする請求項1又は2記載の合成樹脂微粒子。
- 前記原料モノマーがアルキレンジオールジアクリレート及びアルキルアクリレートと共重合可能な極性モノマーを1〜20重量%含有していることを特徴とする請求項5記載の合成樹脂微粒子。
- 合成樹脂微粒子の表面に導電層が形成されている導電性微粒子であって、
前記合成樹脂微粒子が請求項1〜6のいずれか一項記載の合成樹脂微粒子であることを特徴とする導電性微粒子。 - バインダー樹脂中に導電性微粒子を含む異方導電性材料組成物であって、
前記導電性微粒子が請求項7記載の導電性微粒子であることを特徴とする異方導電性材料組成物。
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