JP4641143B2 - 表面検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検面の欠陥を検査する表面検査方法および表面検査装置に関し、詳細には、被検面に光束を照射して、その散乱光の光強度を検出することにより、被検面の欠陥を検査する方法および装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば半導体ウエハ等の被検体の表面(被検面)に異物が付着し、あるいは傷(結晶欠陥を含む)がついている等被検面の欠陥を検査する表面検査装置が知られている。
【0003】
この表面検査装置は、例えば、レーザ光等所定の光束を出射する光源と、この光源から出射した光束を被検面に対して所定の入射角で入射させる照射光学系と、光束が被検面を走査するように被検体を変位させる走査手段と、入射した光の光強度を検出する光強度検出手段と、光束が入射した被検面の部分(照射野)から出射した散乱光を、光強度検出手段に導光する散乱光検出光学系とを備え、光強度検出手段によって検出された散乱光の光強度に応じて、欠陥の有無を検査するものである(特許文献1)。
【0004】
ここで、照射野からの散乱光は、被検面に入射した光束が照射野において正反射する方向以外の方向に散乱した光を意味する。
【0005】
したがって、散乱光検出光学系は、正反射方向以外の方向にその光軸が設定されており、例えば被検面に対して所定の俯角を以て照射野を向くように光軸が設定されている。
【0006】
また、本出願人は、少なくとも一次元方向について散乱光を複数のチャンネルに分解して検出するようにした表面検査方法および装置を提案し、照射野内における欠陥の単複の別、あるいは欠陥の大きさや種別等を識別しうるものとしている(特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】
特開昭56−67739号公報
【特許文献2】
特願2003−165458号(未公開)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、散乱光を複数のチャンネルに分解して検出する場合、各チャンネルごとに散乱光が検出されたか否かのみに基づいて、上述した欠陥の大きさ等を検出することはできるものの、各チャンネルごとに検出された散乱光の光強度の大小に基づいて、欠陥の分析を行う等する場合は、その散乱光の光強度の大きさを精度良く検出する必要がある。
【0009】
一方、被検面に入射する光束は、その横断面内において均一な光強度分布を有しているのではなく、例えばレーザビームでは、ガウス分布を呈しているのが一般的である。
【0010】
そして、このように光強度分布が均一ではない光束が被検面に入射したとき、その入射した被検面の部分は空間的に、当然にその入射光束の光強度分布に依存した光強度分布特性を有することになる。
【0011】
すなわち、レーザビームが入射した被検面の部分のうち、レーザビームのビーム中央部が入射した領域は、レーザビームのビーム周縁部が入射した領域よりも、光強度の強い光が入射していることになり、それぞれの部分に同一の欠陥が存在していたとしても、ビーム中央部が入射した領域に対応するチャンネルで検出された光強度は、ビーム周縁部が入射した領域に対応するチャンネルで検出された光強度よりも大きくなり、検出された光強度の大きさに基づいて、その欠陥の分析等を正確に行うことはできない。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、入射光束を被検面に投影したときの方向に対して略直交する方向であって、被検面に対して所定の俯角をなす方向において検出される散乱光(側方散乱光)を、所定の一次元方向について複数のチャンネルに分解して検出する場合に、光束が入射した被検面における光強度分布の不均一に依存した検出光強度の不均一性を低減し、または解消することができる表面検査方法および表面検査装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る第1の表面検査方法および表面検査装置は、散乱光の検出前に予め、被検面の部分における光の光強度分布を、少なくとも所定の方向(複数チャンネルが並ぶ一次元方向に対応する方向)について均一性を高めて、検出光強度の不均一性を低減したものである。
【0014】
すなわち、本発明の請求項1に係る表面検査方法は、所定の光束を表面検査の対象である被検体の被検面に対して所定の入射角で入射させつつ、前記光束が前記被検面を走査するように、前記光束および前記被検体のうち少なくとも一方を相対的に変位させ、前記光束が入射した前記被検面の部分から出射した散乱光の光強度を、前記光束が入射した被検面の部分における所定の方向に対応した一次元方向について複数のチャンネルに空間的に分解し、分解して得られた各分解散乱光の光強度を各別に検出することにより、被検面の検査を行う表面検査方法であって、前記光束が入射した被検面の部分における少なくとも前記所定の方向についての光の光強度分布の均一性を高めたことを特徴とする。
【0015】
ここで、被検体としては、代表的には半導体ウエハや各種基板などであるが、これらに限定されるものではなく、被検面に付着した異物や被検面に形成された傷の有無あるいはこれらの位置を検出することによって表面検査を行う対象となるものであれば如何なるものであってもよい。
【0016】
また、被検面に入射させる光束としては、可干渉性の高いレーザ光を適用するのが好ましい。
【0017】
「少なくとも一次元方向について」とは、入射面内の一次元方向についてのみ複数のチャンネルに分解して検出するものだけでなく、この一次元方向に直交する直交方向(当該入射面内)についても複数のチャンネルに分解して検出するもの、すなわち二次元マトリクス状に分解して検出するものも含む意味である。
【0018】
これらの説明は、以下の発明においても同様である。
【0019】
「光束が入射した被検面の部分における光の光強度分布の均一性を高める」とは、散乱光の検出対象となる被検面の部分について、入射光束による受光強度の分布の均一性を高めることを意味し、この受光強度の分布を略均一にするのが望ましい。
【0020】
このように構成された本発明の請求項1に係る表面検査方法によれば、光束が入射した被検面の部分における光強度分布の均一性が高められるため、被検面の部分における光強度分布に潜在的に依存する検出散乱光強度は、被検面の部分の中の欠陥が存在する「位置」に拘わらず、略同一値となる。
【0021】
すなわち、被検面の部分における欠陥の存在位置に応じて、その欠陥の存在によって検出される分解散乱光の強度値自体が異なる値となることはなく(強度値の空間依存性がない。)、欠陥の存在位置に応じて検出チャンネルが変わるのみである(検出チャンネルの空間依存性がある。)。
【0022】
もちろん、欠陥の凹凸量等に応じて強度値自体が異なる値となることは、当然あるが、被検面の部分における光強度分布によるものではなく、その欠陥の軽重によるものに過ぎない。
【0023】
したがって、各チャンネルごとの分解散乱光の強度を、精度よく検出することができる。
【0024】
そして、このように分解散乱光の強度を精度よく検出することによって、分解散乱光の強度の大小等に基づいて、欠陥の軽重等欠陥の詳細な分析を行うこともできる。
【0025】
また、本発明の請求項2に係る表面検査方法は、請求項1に係る表面検査方法において、前記所定の方向について複数の光束が並ぶように、該複数の光束を前記被検面の部分に入射させることにより、前記光の光強度分布を略均一に設定することを特徴とする。
【0026】
このように構成された本発明の請求項2に係る表面検査方法によれば、各光束の強度分布は、それぞれガウス分布を呈するが、これらが並んだ光束間では、隣接する光束が重なり合って光強度が高められる。
【0027】
そして、これら複数の光束が並んだマルチビームが照射された被検面の部分において、その複数の光束の配列方向である所定の方向についての光強度の分布が略均一に設定される。
【0028】
したがって、各チャンネルごとの分解散乱光の強度を、精度よく検出することができ、分解散乱光の強度の大小等に基づいて、欠陥の軽重等欠陥の詳細な分析を行うこともできる。
【0029】
なお、マルチビームの各光束間のピッチを調整することによって光束間の重なり程度を調整することができ、これによって、マルチビーム全体の光強度分布を簡単に、略均一に設定することができる。
【0030】
また、本発明の請求項5に係る表面検査装置は、所定の光束を出射する光源と、前記光源から出射した光束を表面検査の対象である被検体の被検面に対して所定の入射角で入射させる照射光学系と、前記光束が前記被検面を走査するように、前記光束および前記被検体のうち少なくとも一方を相対的に変位させる走査手段と、入射した光の光強度を検出する光強度検出手段と、前記光束が入射した前記被検面の部分から出射した散乱光を、前記光強度検出手段に導光する散乱光検出光学系とを備え、前記光強度検出手段は、該光強度検出手段の入射面内の少なくとも一次元方向について、前記散乱光を複数のチャンネルに分解して検出するように設定された表面検査装置であって、前記光束が入射した被検面の部分における少なくとも前記所定の方向についての光の光強度分布の均一性が高められていることを備えたことを特徴とする。
【0031】
ここで、被検体としては、代表的には半導体ウエハや各種基板などであるが、これらに限定されるものではなく、被検面に付着した異物や被検面に形成された傷の有無あるいはこれらの位置を検出することによって表面検査を行う対象となるものであれば如何なるものであってもよい。
【0032】
また、光源としては、可干渉性の高いレーザ光を光束として出射するレーザ光源(半導体レーザ光源(LD)、アルゴンイオンレーザ光源等)を適用するのが好ましい。
【0033】
散乱光検出光学系は、被検面の部分(照射野)から出射した正反射光以外の散乱光のうち少なくとも一部を集光し得るように、その光軸方向が設定されればよく、例えば、被検面に入射する入射光束を被検面上に投影したときの入射光束の進行方向に対して略直交する方向に散乱した散乱光を集光するように、散乱光検出光学系の光軸を設定することができる。
【0034】
光強度検出手段の入射面内における一次元方向は、光束が入射した被検面の部分(照射野)における所定の方向に対応しているため、散乱光を、この一次元方向について複数のチャンネルに分解したとき、これらの分解して得られた各分解散乱光は、照射野を所定の方向について分割した各分割部分からそれぞれ出射した散乱光となる。
【0035】
したがって、各分解散乱光の光強度を各別に検出することによって、光束が入射した照射野内における位置(所定方向に対応した位置)ごとの散乱光強度を検出することができるため、散乱が生じた位置すなわち表面の欠陥位置の検出分解能を向上させることができる。
【0036】
また、一次元方向に並んだ複数のチャンネルによる各検出光強度を、隣接チャンネル間で順次比較することによって、欠陥が、離散している複数の小さい欠陥であるか、または連続した大きい欠陥であるかを識別することができる。
【0037】
なお、入射した散乱光を、入射面内の一次元方向について複数のチャンネルに分解して検出するように設定された光強度検出手段としては、例えば、代表的にはマルチアノード光電子増倍管(PMT:フォトマルチプライヤ)などを用いることができるが、このようなマルチアノードPMTに限定されるものではなくマルチチャンネル型受光器やシングルチャンネルの受光器を各チャンネルに対応させて複数個並べた構成であってもよい。
【0038】
また、「少なくとも一次元方向について」とは、入射面内の一次元方向についてのみ複数のチャンネルに分解して検出するものだけでなく、この一次元方向に直交する直交方向(当該入射面内)についても複数のチャンネルに分解して検出するもの、すなわち二次元マトリクス状に分解して検出するものも含む意味である。
【0039】
「光束が入射した被検面の部分における光の光強度分布の均一性が高められている」とは、散乱光の検出対象となる被検面の部分について、入射光束による受光強度の分布の均一性が高められていることを意味し、この受光強度の分布を略均一にするのが望ましい。
【0040】
そして、このように構成された本発明の請求項5に係る表面検査装置によれば、光束が入射した被検面の部分における光強度分布の均一性が高められているため、被検面の部分における光強度分布に潜在的に依存する検出散乱光強度は、被検面の部分の中の欠陥が存在する「位置」に拘わらず、略同一値となる。
【0041】
すなわち、被検面の部分における欠陥の存在位置に応じて、その欠陥の存在によって検出される分解散乱光の強度値自体が異なる値となることはなく(強度値の空間依存性がない。)、欠陥の存在位置に応じて検出チャンネルが変わるのみである(検出チャンネルの空間依存性がある。)。
【0042】
したがって、各チャンネルごとの分解散乱光の強度を、精度よく検出することができる。
【0043】
そして、このように分解散乱光の強度が精度よく検出されるため、分解散乱光の強度の大小等に基づいて、欠陥の軽重等欠陥の詳細な分析を行うこともできる。
【0044】
また、本発明の請求項6に係る表面検査装置は、請求項5に係る表面検査装置において、前記光源は複数の光束を出射する光源であり、前記照射光学系は、前記光源から出射した複数の光束が前記所定の方向に並ぶように、該複数の光束を前記被検面の部分に入射させることにより、前記所定の方向についての光の光強度分布を略均一に設定することを特徴とする。
【0045】
このように構成された本発明の請求項6に係る表面検査装置によれば、光源から出射され、照射光学系により、被検面の部分において所定の方向に並んで入射された各光束の強度分布は、それぞれガウス分布を呈するが、これらが並んだ光束間では、隣接する光束が重なり合って光強度が高められる。
【0046】
そして、これら複数の光束が並んだマルチビームが照射された被検面の部分において、その複数の光束の配列方向である所定の方向についての光強度の分布が略均一に設定される。
【0047】
したがって、各チャンネルごとの分解散乱光の強度を、精度よく検出することができ、分解散乱光の強度の大小等に基づいて、欠陥の軽重等欠陥の詳細な分析を行うこともできる。
【0048】
なお、マルチビームの各光束間のピッチを、照射光学系または光源によって調整することにより、光束間の重なり程度を調整することができ、これによって、マルチビーム全体の光強度分布を簡単に、略均一に設定することができる。
【0049】
また、本発明に係る第2の表面検査方法および表面検査装置は、あたかも光束が入射した被検面の部分における光強度分布が均一であったかのように、検出された分解散乱光の光強度に対して補正処理(規格化)して、検出光強度の不均一を解消させたものである。
【0050】
すなわち、本発明の請求項3に係る表面検査方法は、所定の光束を表面検査の対象である被検体の被検面に対して所定の入射角で入射させつつ、前記光束が前記被検面を走査するように、前記光束および前記被検体のうち少なくとも一方を相対的に変位させ、前記光束が入射した前記被検面の部分から出射した散乱光の光強度を、前記光束が入射した被検面の部分における所定の方向に対応した一次元方向について複数のチャンネルに空間的に分解し、分解して得られた各分解散乱光の光強度を各別に検出することにより、被検面の検査を行う表面検査方法であって、検出された前記一次元方向についての前記分解散乱光の光強度の分布を、前記光束が入射した被検面の部分における少なくとも前記所定の方向についての光の光強度分布に応じて規格化することを特徴とする。
【0051】
ここで、「被検面の部分における少なくとも前記所定の方向についての光の光強度分布に応じて規格化する」とは、散乱光の検出対象となる被検面の部分において、少なくとも所定方向につき、入射光束による受光強度の分布に応じて、この受光光度の不均一を仮想的に均一と見なせるように補正処理することを意味する。
【0052】
すなわち、被検面の部分における強度分布が不均一であって、その不均一の下で検出された分解散乱光の光強度を、被検面の部分における強度分布が均一であるとしたなら検出されたであろう分解散乱光の光強度に、信号処理や増幅率等の後処理によって、補正するものである。
【0053】
ここで、規格化するための補正係数、増幅率等は、基準となる被検体を用いて、被検面の部分の各領域に対応する分解散乱光ごとに、予め実験的に求めておけばよい。
【0054】
このように構成された本発明の請求項3に係る表面検査方法によれば、検出された分解散乱光の強度を規格化することによって、被検面の部分における光強度分布の不均一性に依存することなく、精度のよい分解散乱光強度を得ることができる。
【0055】
そして、このように精度よく得られた分解散乱光の強度の大小等に基づいて、欠陥の軽重等欠陥の詳細な分析を行うこともできる。
【0056】
また、本発明の請求項4に係る表面検査方法は、請求項1から3のうちいずれか1項に係る表面検査方法において、前記所定の方向が、前記光束が前記被検面を走査する方向に対して略直交する方向であることを特徴とする。
【0057】
ここで、散乱光の検出対象となる領域である「被検面の部分」は、正確には、被検面に光束が入射した「被検面の部分」とは一致しない場合がある。
【0058】
すなわち、被検面に光束が入射した被検面の部分は照射野であるが、従来この照射野では、上述したように受光強度がガウス分布を呈するため、照射野の周縁部近傍では受光強度が極めて小さく、したがって周縁部近傍から出射する散乱光強度も小さくなって、この周縁部近傍から検出された散乱光に基づいた分析は信頼性が低い。
【0059】
このため、照射野全体を散乱光の検出対象領域とはせずに、この周縁部領域からの散乱光は無視し、周縁部よりも光束中心に近い部分からの散乱光のみを検出することが好ましい。
【0060】
例えば、光束中心部による受光強度(ガウス分布の最大強度)をI0としたとき、強度I0/e2以下(または未満)の受光強度の領域を散乱光の検出対象としない場合には、検出対象となる強度I0/e2超(または以上)の領域を、改めて照射野すなわち上記「被検面の部分」と見なして本発明は適用される。
【0061】
しかし、強度I0/e2以下(または未満)の受光強度の領域であっても、本発明によれば、この強度が所定値以下の領域についても、強度分布の均一性を高める対象とすることによって、検出対象領域を拡大することができることになる。
【0062】
一方、走査対象である被検体が例えば半導体ウエハのように円板状のものであり、走査として、回転方向への主走査と半径方向への副走査とを組み合わせた跡螺走査を採用した場合には、螺旋状の走査軌跡が延びる方向が走査の方向であり、これに直交する方向は、走査軌跡のピッチ方向である。
【0063】
そして、上述したように、本発明によって検出対象領域を拡大しつつ、被検面の部分における所定の方向(散乱光を空間的に分解して検出する方向)を、走査方向に対して略直交する方向(ピッチ方向)とすれば、走査軌跡のピッチを拡大しても、被検面の全面を走査することが可能となる。
【0064】
このように、本発明の請求項4に係る表面検査方法によれば、被検面上における散乱光の検出対象領域を実質的に拡大することができ、これによって、走査ピッチを拡大することができ、走査時間の短縮を図ることができる。
【0065】
また、本発明の請求項7に係る表面検査装置は、所定の光束を出射する光源と、前記光源から出射した光束を表面検査の対象である被検体の被検面に対して所定の入射角で入射させる照射光学系と、前記光束が前記被検面を走査するように、前記光束および前記被検体のうち少なくとも一方を相対的に変位させる走査手段と、入射した光の光強度を検出する光強度検出手段と、前記光束が入射した前記被検面の部分から出射した散乱光を、前記光強度検出手段に導光する散乱光検出光学系とを備え、前記光強度検出手段は、該光強度検出手段の入射面内の少なくとも一次元方向について、前記散乱光を複数のチャンネルに分解して検出するように設定された表面検査装置であって、検出された前記一次元方向についての前記分解散乱光の光強度の分布を、前記光束が入射した被検面の部分における少なくとも前記所定の方向についての光の光強度分布に応じて規格化するように設定されていることを特徴とする。
【0066】
このように構成された本発明の請求項7に係る表面検査装置によれば、検出された分解散乱光の強度が規格化されることによって、被検面の部分における光強度分布の不均一性に依存することなく、精度のよい分解散乱光強度を得ることができる。
【0067】
そして、このように精度よく得られた分解散乱光の強度の大小等に基づいて、欠陥の軽重等欠陥の詳細な分析を行うこともできる。
【0068】
また、本発明の請求項8に係る表面検査装置は、請求項7に係る表面検査装置において、前記光強度検出手段は、前記各チャンネルごとに増幅器を備え、前記各チャンネルに対応する増幅器の増幅率が、前記光束が入射した被検面の部分における少なくとも前記所定の方向についての光の光強度分布に応じて前記一次元方向についての前記分解散乱光の光強度の分布を規格化するように設定されていることを特徴とする。
【0069】
このように構成された本発明の請求項8に係る表面検査装置によれば、光強度検出手段の各チャンネルごとに設けられた増幅器の増幅率を、それぞれ予め調整することによって、分解散乱光の光強度の分布を簡単に規格化することができる。
【0070】
また、本発明の請求項9に係る表面検査装置は、請求項5から8のうちいずれか1項に係る表面検査装置において、前記所定の方向が、前記光束が前記被検面を走査する方向に対して略直交する方向に設定されていることを特徴とする。
【0071】
このように構成された本発明の請求項9に係る表面検査装置によれば、被検面上における散乱光の検出対象領域を実質的に拡大することができ、これによって、走査ピッチを拡大することができ、走査時間の短縮を図ることができる。
【0072】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る表面検査方法および表面検査装置の具体的な実施の形態について、図面を用いて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の第2の表面検査装置の一実施形態である表面検査装置100を示す概略構成図、図2(a)は、図1に示した表面検査装置100のうち主として後述する散乱光検出光学系および光強度検出手段についての平面図、同図(b)は、係る散乱光検出光学系および光強度検出手段についての側面図である。
【0073】
図示の表面検査装置100は、レーザ光L0を出射する半導体レーザ光源(以下、LDという。)10と、LD10から出射したレーザ光L0を略真円板であるウエハ(被検体)200の被検面210に対して所定の俯角α(=入射角(90°−α))で入射させる照射光学系20と、レーザ光L0が被検面210を螺旋状(図2(a)参照)に走査するようにウエハ200を変位させる走査手段30と、入射した光の強度を検出する光強度検出手段50と、レーザ光L0が入射した被検面210の部分(以下、照射野という。)220から出射した散乱光L2を、光強度検出手段50に導光する散乱光検出光学系40とを備えた構成である。
【0074】
ここで、光強度検出手段50は、後に詳述するように、この光強度検出手段50の入射面内の一次元方向(Y軸方向)について、散乱光L2を10個のチャンネル(ch)に分解して検出するように設定されている。
【0075】
また、ウエハ200の被検面210内の直交軸をYZ軸とし、被検面210に直交する軸をX軸とすると、被検面210は水平軸であるY軸回りにわずかに回転した傾斜状態に保持されており、この結果、X軸は、水平面についての鉛直軸に対して傾斜している(図1および図2(b)参照)。
【0076】
そして、LD10から出射されたレーザ光L0は、照射光学系20によって、照射野220まで、XY面内を導光される。したがって、レーザ光L0を被検面210上にX軸に沿って投影すると、その投影軌跡はY軸に重なる。なお、図2(a)に示す平面図においては、水平面についての鉛直軸に沿った投影軌跡となるため、レーザ光L0の被検面210上への投影軌跡は、Y軸に重ならない。
【0077】
また、照射野220で正反射したレーザ光L0の反射光L1は仰角α(出射角(90°−α))で、照射野220から出射する。
【0078】
また、被検面210にレーザ光L0が入射して被検面に形成されたレーザスポットである照射野220は、Y軸方向に長径となる略楕円形状を呈する。
【0079】
走査手段30は、ウエハ200を、その中心Oを回転中心(X軸)として回転させる回転ステージ(回転手段)31と、ウエハ200を回転ステージ31ごとY軸方向に直線移動させるリニアモータ(リニア移動手段)32とからなる。
【0080】
そして、回転ステージ31によってウエハ200を回転させつつ、リニアモータ32によってウエハ200を直線変位させることにより、レーザ光L0はウエハ200上を螺旋状に走査することになる。
【0081】
散乱光検出光学系40は、その光軸O2がY軸に対して略直交するとともに、照射野220を向き、かつ被検面210に対して俯角β(本実施形態においてはβ=30°)を為して配設されており、照射野220から出射した反射光L1以外の方向に散乱する散乱光L2を集光するとともに、集光された散乱光L2を光強度検出手段50まで導光する。
【0082】
ここで、散乱光検出光学系40は詳しくは図2に示すように、散乱光L2の進行方向上流側から順に、照射野220から出射した散乱光L2を集光する集光レンズ41と、入射した散乱光L2の波面を整える偏光板42と、散乱光L2の鉛直方向成分に対してはパワーを有さず、Y軸方向成分に対してのみ正のパワーを有するシリンドリカルレンズ43,44と、Y軸方向成分に対してはパワーを有さず、鉛直方向成分に対してのみ正のパワーを有するシリンドリカルレンズ45と、散乱光L2の広がりを後段の光強度検出手段50の入射面の大きさに絞る視野絞り46と、NDフィルタ47とを備えた構成である。
【0083】
なお、上述した3つのシリンドリカルレンズ42,43,44によるY軸方向についてのパワーと鉛直方向についてのパワーとの倍率差によって、Y軸方向についての結像倍率は略70倍、鉛直方向についての結像倍率は略等倍(1倍)となっており、例えば照射野220のY軸方向に沿った長径が0.14mmであるとき、視野絞り46のY軸方向に沿った開口長さは9.8mm(=0.14×70)に設定されている。
【0084】
また、視野絞り46が配置された位置は、散乱光検出光学系40のY軸方向および鉛直方向についての共役位置である。
【0085】
さらに、本実施形態における集光レンズ41は、焦点距離f=21mm、開口数NA=0.3に設定され、シリンドリカルレンズ43は焦点距離f=210mmに設定され、シリンドリカルレンズ44,45はいずれも焦点距離f=21mmに設定されている。
【0086】
なお、各図においては、光跡やレンズの曲率、レンズ間距離等を模式的に表しているため、上述した各レンズ41,43〜45の焦点距離fを正確に表現しているものではない。
【0087】
また、シリンドリカルレンズ43,44は、いわゆるテレセントリック光学系を構成しており、位置Pにおいて、照射野220から出射した散乱光の像が結像している。
【0088】
一方、光強度検出手段50は、入射した散乱光L2を、Y軸方向に沿って並んだ10個のチャンネル(ch)に分解し、この分解して得られた各チャンネルch1,ch2,…,ch10ごとに光強度を検出するマルチアノードPMT51と、各チャンネルch1,…から出力された光強度を表す信号をそれぞれ各別に増幅する10個のアンプ52(ch1に対応するアンプ52a,ch2に対応するアンプ52b,…,ch10に対応するアンプ52j)と、各アンプ52によって増幅された信号から所定のノイズ成分をそれぞれカットする10個のBPF(バンドパスフィルタ)53と、各BPF53を通過した信号をデジタル信号にそれぞれ変換する10個のA/Dコンバータ54と、各A/Dコンバータ54によってデジタル化されたデジタル信号をそれぞれ記憶する10個のメモリ55と、各メモリ55に記憶された各チャンネルごとの光強度に係るデジタル信号に基づいて、照射野220内における被検面210の欠陥の大きさや種別等を判定する分析手段56とを備えた構成である。
【0089】
ここで、マルチアノードPMT51の10個のチャンネルch1,ch2,…,ch10は、散乱光検出光学系40との関係によって図3に示すように、照射野220をY軸方向に沿って分割した10個の領域220a,220b,…,220jに対応しており、第1の領域220aから出射した散乱光La(実線で示す)はch1に入射し、第2の領域220bから出射した散乱光Lbはch2に入射し、以下同様に、第10の領域220jから出射した散乱光Lj(破線で示す)はch10に入射するように設定されている。
【0090】
なお、分析手段56を備える代わりに、各メモリ55に記憶された各チャンネルごとの光強度に係るデジタル信号を、例えばチャンネルごとにグラフ表示し、あるいはデジタル数値として表示する表示手段を備えた構成や、各チャンネルごとの光強度に係るデジタル信号を、例えばチャンネルごとにグラフ印刷し、あるいはデジタル数値として印刷するプリンタ若しくはプロッタを備えた構成としてもよい。
【0091】
また、各チャンネルch1,…に対応して設けられた10個のアンプ52a,52b,…,52jの増幅率は同一ではなく、照射野220の各領域220a,220b,…,220jについてのレーザ光L0の光強度分布を仮想的に均一と見なせるように、各チャンネルch1,…,ch10からの出力値を規格化するように、それぞれ異なる値に設定されている。
【0092】
すなわち、被検面210に入射するレーザ光L0は、その横断面内において均一な光強度分布を有しているのではなく、ガウス分布を呈している。
【0093】
このような光強度分布を有するレーザ光L0が入射した形成された照射野220では、図5(b)に示すように、Y軸方向の各位置ごとの受光強度Iはレーザ光L0の強度分布に依存して、照射野220の中心Oにおいて大きく、かつ周縁に近づくにしたがって小さくなるような略ガウス分布を呈することになる。
【0094】
そして、照射野220の受光強度が、Y軸に沿った領域220a,220b,…,220j(図3参照)間で均一ではない分布を呈している場合、各領域220a,220b,…,220jに同一の欠陥が存在していても、各領域220a,220b,…,220jからそれぞれ検出される分解散乱光の強度は、受光強度Iの分布に依存した分布を呈することとなる。
【0095】
そこで、表面検査を行う場合と同様の条件の下、予め、基準となる被検体に対して、レーザ光L0を入射させ、この基準被検体に形成された照射野220の各領域220a,…,220jからの分解散乱光の強度に対応するものとして、各領域220a,…,220jについての受光強度I1,I2,…,I10をそれぞれ求め、例えば図6に示すような強度分布を呈するものとして求められた受光強度I1,I2,…,I10を、均一な強度I0,I0,…,I0に補正するように、各アンプ52a,52b,…,52jの増幅率を設定すればよい。
【0096】
したがって、照射野220のY軸方向中心Oに近い領域(例えば図3において領域220e,220fなど)に対応するch5,ch6に接続されたアンプ52e,52fの増幅率が最も小さく設定され、照射野220のY軸方向中心Oから離れた領域に対応するchに接続されたアンプ52ほど、その増幅率は大きくなり、照射野220のY軸方向中心Oから最も遠い領域(例えば図3において領域220a,220jなど)に対応するch1,ch10に接続されたアンプ52a,52jの増幅率が最も大きく設定されている。
【0097】
また、シリンドリカルレンズ43,44がテレセントリック光学系を構成しているため、各領域220a,220b,…,220jから出射し、シリンドリカルレンズ43を通過した後の各散乱光La,Lb,…,Ljの主光線は、光軸O2と平行となっている。
【0098】
さらに、分析手段56に代えて表示手段やプリンタ等を備えた構成の光強度検出手段50を有する表面検査装置100においては、照射野220内における被検面210の欠陥の大きさや種別等の判定は、表示手段に表示された情報あるいは紙等の媒体に印刷された情報に基づいて、その出力された情報を観察した分析者が判定することができる。
【0099】
もちろん、分析手段56が、さらに上述した表示手段やプリンタ等を備えた構成としてもよい。
【0100】
次に、本実施形態に係る表面検査装置100の作用について説明する。
【0101】
まず、LD10からレーザ光L0が出射され、この出射されたレーザ光L0は照射光学系20によって、ウエハ200の被検面210におけるY軸上の中心O近傍に、Y軸の負方向から俯角αを以て入射する。
【0102】
このとき、被検面210のレーザ光L0が入射された部分には、Y軸方向に長径を有する楕円形状の照射野220が形成され、この照射野220に、傷や異物の付着等欠陥が存在しない場合には、入射したレーザ光L0のうち、照射野220で吸収された分を除いた残りの光L1が、正反射光として、入射角(90°−α)と同一角度の反射角(90°−α)を以て、Y軸正方向に出射する。
【0103】
したがって、原則的に、正反射光L1が出射する方向以外には、光が出射することはない。
【0104】
これに対して、照射野220に傷が存在する場合には、その傷を形成する微小な凹凸等によってレーザ光L0が乱反射するため、正反射光L1の他に、当該乱反射による散乱光が生じる。
【0105】
これと同様に、照射野220に異物が付着している場合には、その異物の凸壁等によってレーザ光L0が乱反射するため、正反射光L1の他に、当該乱反射による散乱光が生じる。
【0106】
このとき欠陥の存在によって、照射野220の領域220a,…から出射される散乱光の強度Iは、レーザ光L0の光強度分布に依存している。
【0107】
そして、これら傷や異物等欠陥の存在によって生じた散乱光の一部(以下、単に散乱光という。)L2は、Y軸に略直交するとともに、被検面に対して俯角βを以て照射野220を向いた光軸O2を有する散乱光検出光学系40に入射する。
【0108】
一方、LD10からレーザ光L0が出射されると、走査手段30を構成する回転ステージ31が等角速度で矢印R方向に回転するとともに、リニアモータ32が、回転ステージ31を矢印方向(Y軸正方向)に等速変位させる。
【0109】
これによって、回転ステージ31上に設けられたウエハ200の被検面210における照射野220は、図2(a)に示すように、被検面210上を相対的に螺旋状に移動する。したがって、結果的に、レーザ光L0が被検面210を螺旋状に走査することとなる。
【0110】
なお、回転ステージ31の回転角速度およびリニアモータ32の変位速度のうち少なくとも一方を、調整することによって、ウエハ200の半径方向についての走査軌跡のピッチの広狭を調整することができ、照射野220の大きさとともに、走査軌跡のピッチを調整することによって、レーザ光L0は被検面210の全面を走査することができる。
【0111】
照射野220に欠陥が存在し、この欠陥によって生じた散乱光L2は、散乱光検出光学系40の集光レンズ41によって集光され偏光板42によって波面が整えられ、シリンドリカルレンズ43,44,45に入射し、視野絞り46によって、照射野220以外からの光(逆光を含む)の入射が除去され、NDフィルタ47によって減光されて、マルチアノードPMT51に入射する。
【0112】
なお、本実施形態においては説明の簡略化のため、レーザ光L0が被検面に入射した部分である照射野220の全体について、散乱光の検出対象領域としているが、正確には、図5(a)の二点鎖線で示した符号220′の領域が、レーザ光L0が被検面に入射した部分である真の照射野であり、実線で示し照射野220と称している領域は、真の照射野220′のうち、最大光強度I0に対して所定割合(I0/e2)以上の光強度Iの領域であって、散乱光L2の検出対象となる領域である。
【0113】
この照射野220は、真の照射野220′からの散乱光L2を視野絞り46によって絞ることによって形成されるが、特に言及する場合を除き、既述した説明も含めて、照射野220と真の照射野220′とは一致しているものとして説明している。
【0114】
マルチアノードPMT51は、その散乱光L2の入射面が、Y軸方向すなわち照射野220の長径方向について、ch1〜ch10という10個の光強度検出領域に分割されているため、マルチアノードPMT51は、照射野220から出射した散乱光L2を、その長径方向(Y軸方向)について空間分解する。
【0115】
したがって、図3に示すように、マルチアノードPMT51のch1は、照射野220から出射した散乱光L2のうち、照射野220の長径方向において最もY軸負方向に位置する領域220aから出射した散乱光Laの光強度を検出し、以下同様に、ch2は、照射野220から出射した散乱光L2のうち、領域220aに隣接する領域220bから出射した散乱光Lbの光強度を検出し、ch10は、照射野220から出射した散乱光L2のうち、最もY軸正方向に位置する領域220jから出射した散乱光Ljの光強度を検出する。
【0116】
そして、マルチアノードPMT51の各ch1〜10によって照射野220の領域220a〜220jごとに対応してそれぞれ検出された散乱光La〜Ljの光強度は、光電変換されて所定の電気信号として出力される。
【0117】
なお、この段階においては、各散乱光La,…,Ljの光強度は、上述したレーザ光L0の強度分布に依存したものとなっている。
【0118】
これらの出力信号は、各チャンネルch1,…に対応して設けられた各アンプ52にそれぞれ入力されて増幅されるが、各アンプ52a,52b,…,52jの増幅率は、前述したように、散乱光La〜Ljの光強度信号値を、レーザ光L0の光強度分布が均一であったとしたら得られたであろう信号値に規格化するように、それぞれ異なる値に設定されているため、散乱光La〜Ljの光強度信号値は規格化される。
【0119】
この結果、各アンプ52a,52b,…,52jから出力された光強度信号値は、レーザ光L0の強度分布に依存していない、精度の高い値となる。
【0120】
そして、これら規格化された各光強度信号は、それぞれ対応するBPF53に入力されて所定のノイズ成分がそれぞれカットされ、A/Dコンバータ54に入力されてデジタル信号化され、対応するメモリ55に格納される。
【0121】
このように各メモリ55に格納された散乱光La,Lb,…,Ljの各強度Vを表すデジタル信号を、分析手段56によって分析すると、図4(a)に示すように、照射野220の多数の領域に亘って形成された傷が存在する場合には、各チャンネルに対応するメモリ55からそれぞれ読み出された散乱光La,Lb,…,Ljの各強度Vは、同図(d)に示すように、多数のチャンネル間で連続した正の出力Vとして認められる。
【0122】
これに対して、同図(c)に示すように、照射野220のいくつかの領域に異物が点在している場合には、各チャンネルに対応するメモリ55からそれぞれ読み出された散乱光La,Lb,…,Ljの強度Vは、同図(f)に示すように、複数のチャンネルにおいて正の出力Vが認められるものの、その正の出力Vが認められるチャンネルは、連続しておらず離間している。
【0123】
したがって、あるチャンネルで所定レベル以上の光強度Vが検出されているとき、そのチャンネルに隣接するチャンネルにおいても、ある程度同レベルの光強度Vが検出され、そのような光強度Vが検出されたチャンネルが多数連続している場合(同図(d))には、チャンネルの配列方向(Y軸方向)に対応した照射野220内でY軸方向に延びる大きい欠陥(傷等)が存在すると分析、判定することができ、一方、あるチャンネルで所定レベル以上の光強度Vが検出されていても、そのチャンネルに隣接するチャンネルにおいて検出された光強度Vが、所定レベルとは有意な差を呈する光強度Vである場合(同図(f))や、例え隣接するチャンネルにおいて、ある程度同レベルの光強度Vが検出されていても、そのような光強度Vが検出されたチャンネルが高々2〜3チャンネル程度しか連続していない場合(同図(e))には、照射野内での所定方向について連続した欠陥ではなく、同図(c)や同図(b)に示す小さな欠陥(異物の付着等)であると分析、判定することができる。
【0124】
この結果、複数の小さな欠陥と単一の大きな欠陥とを、精度よく、しかも容易に識別することができる。
【0125】
また、照射野220内における欠陥の存在位置を、少なくともチャンネルの配列方向について、正確に検出することが可能となる。
【0126】
さらに、欠陥を、形成された傷と付着した異物とに区分した場合、傷は比較的長く形成されることが多く、異物はそのサイズが小さいことが多いため、そのサイズの長短に応じて、傷と異物とを精度よく識別することも可能である。
【0127】
したがって、図4(d)に示すように、多数のチャンネルに連続して光強度Vが検出されたときは、長いサイズの欠陥すなわち傷であると判定することができ、一方、図4(e),(f)に示すように、隣接する2〜3のチャンネルに連続して光強度Vが検出されたときや、単一のチャンネルのみで光強度Vが検出されたときは、短いサイズの欠陥すなわち異物であると判定することができる。
【0128】
また、本実施形態においては、散乱光L2を、照射野220から出射したものとして説明したが、実際には、真の照射野220′からも散乱光L2が出射しうる。
【0129】
ここで、照射野220を散乱光L2の検出対象領域とした場合、レーザ光L0が被検面210を走査する走査軌跡SのピッチP1は、図7(a)に示すように、少なくとも照射野220のY軸方向に沿った長さ(照射野の長径方向の長さ)よりも小さく設定する必要がある。
【0130】
そして、従来の表面検査装置においては、真の照射野220′のうち照射野220よりも外側の領域については、レーザ光L0の受光強度が他の領域の受光強度に比べて小さすぎる(I0/e2以下)ため、この照射野220を散乱光L2の検出対象領域に設定せざるを得なかった。
【0131】
しかし、本実施形態の表面検査装置100においては、照射野220の受光強度分布を均一化することができるため、真の照射野220′のうち照射野220の外側領域の受光強度分布についても、照射野220の受光強度と同程度に均一化することが可能である。
【0132】
そこで、検出対象領域を真の照射野220′まで拡大させるべく、散乱光検出光学系40の視野絞り46を取り除くとともに、マルチアノードPMT51のチャンネル数を、検出対象領域の拡大に応じて増加させ、アンプ52の増幅率を適切に設定した構成を採用することもできる。
【0133】
このように構成された実施形態の表面検査装置によれば、散乱光L2の検出対象領域を真の照射野220′まで拡大することができるため、レーザ光L0が被検面210を走査する走査軌跡SのピッチP2を、図7(b)に示すように、照射野220を検出対象領域としたときのピッチP1よりも拡大することができる。
【0134】
したがって、Y軸方向への走査速度を増大させることができ、操作時間の短縮を図ることもできる。
【0135】
なお、本実施形態の表面検査方法および表面検査装置100においては、光強度検出手段50のアンプ52の増幅率を調整することによって、各chごとに検出された分解散乱光の強度を規格化するものとしたが、本発明はこの形態に限定されるものではなく、分析手段56やその他の図示しない制御手段などによる画像処理装置等の信号処理によって、規格化処理を行うようにしてもい。
(実施形態2)
図8は、本発明の第1の表面検査装置の一実施形態である表面検査装置100を示す概略構成図である。
【0136】
図示の表面検査装置100は、10本のレーザ光L0(L01,L02,…,L10)を出射するマルチLD10′と、このマルチLD10′から出射した10本のレーザ光L0を、略真円板であるウエハ200の被検面210に対して所定の俯角αで、Y軸方向に一部を重複させつつ並べて入射させる照射光学系20と、このレーザ光L0が被検面210を螺旋状に走査するようにウエハ200を変位させる走査手段30と、入射した光の強度を検出する光強度検出手段50と、10本のレーザ光L01,…が並んで入射することによって細長状に形成された照射野220(図9参照)から出射した散乱光L2を、光強度検出手段50に導光する散乱光検出光学系40とを備えた構成である。
【0137】
ここで、マルチLD10′から出射された10本のレーザ光L01,…は、略同一の光強度に設定されている。
【0138】
また、照射光学系20、散乱光検出光学系40および光強度検出手段50の基本的な構成、作用は、特記する以外は、前述した実施形態1に係る表面検査装置100と同一であるため、説明を省略する。
【0139】
なお、光強度検出手段50は、実施形態1のように、各アンプ52a,…がそれぞれ異なる増幅率を有するものではなく、全てのアンプ52a,…が同一の増幅率を有している。
【0140】
次に本実施形態の表面検査装置100の作用について説明する。
【0141】
まず、マルチLD10′から10本のレーザ光L0が出射され、この出射された10本のレーザ光L0はそれぞれ照射光学系20によって、ウエハ200の被検面210におけるY軸上の中心O近傍に、Y軸の負方向から俯角αを以て、Y軸方向に並べられて入射する。
【0142】
このとき、被検面210の10本のレーザ光L0が入射された部分には、図9の上段に示すように、Y軸方向に延びた細長状の照射野220が形成される。
【0143】
ここで、照射野220における各レーザ光L01,L02,…,L10による受光強度の分布は、それぞれガウス分布を呈しているものの、隣接するレーザ光L01とL02と、L02とL03と、…、L09とL10とは、それぞれ、分布の裾野部分同士が互いに重なり合うため、重ね合わせの原理によって、図9下段に示すように、照射野220のY軸方向についての受光強度分布は、単一のレーザ光のみを入射させたときと比べて、均一性が高められ、本実施形態においては、略均一に設定されているということができる。
【0144】
この結果、照射野220から出射し、散乱光検出光学系40を介してマルチアノードPMT51の各ch1〜10によって光電的に検出された分解散乱光La〜Ljの強度を表す電気信号は、略均一な受光強度分布に基づくものとなるため、従来よりも精度がよく、信頼性の高い信号値となる。
【0145】
よって、分解散乱光の強度の大小等に基づいて、欠陥の軽重等欠陥の詳細な分析を行うこともできる。
【0146】
なお、本実施形態においては、半導体ウエハ200の被検面210に入射させるレーザ光L0の本数を10本とし、マルチアノードPMT51の分解検出チャンネル数である10個と同数としているが、本発明の表面検査方法および表面検査装置においては、必ずしも、両者を同数とする必要はない。
【0147】
すなわち、マルチアノードPMT51の分解検出チャンネル数を、レーザ光L0の本数よりも多く設定してもよいし、反対に、レーザ光L0の本数を、マルチアノードPMT51の分解検出チャンネル数よりも多く設定してもよい。
【0148】
なお、上述した各実施形態は、リニアモータ32が、ウエハ200をY軸方向に沿って等速変位させることによって、照射野220の長径方向が走査軌跡である螺旋の法線方向に沿ったものとなるが、本発明の表面検査方法および表面検査装置は、この形態に限定されるものではない。
【0149】
すなわち、照射野220が被検面210のZ軸上に形成されるように照射光学系20を配置するとともに、リニアモータが、ウエハ200をZ軸方向に沿って等速変位させるように構成してもよく、この場合は、照射野220の長径方向は、走査軌跡である螺旋の接線方向に沿ったものとなる。
【0150】
また、各実施形態において、ウエハ200の被検面210上に形成される走査軌跡は、ウエハ200の中心O側から外周縁側に向かう螺旋であるが、被検面210上における照射野220の初期位置をウエハ200の外周縁側に設定することにより、走査軌跡を、ウエハ200の外周縁側から中心O側に向かう螺旋とすることもでき、このような形態であっても、上述した実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。
【0151】
さらに、走査手段30による走査軌跡は、上述した各実施形態のように、螺旋状であるものに限定されるものではなく、例えば同心円状となるものであってもよい。すなわち、1つの同心円の走査が終了するごとに、半径方向に移動して次の同心円を走査する、という順次トラック走査による走査軌跡を形成するものとしてもよい。
【0152】
もちろん、単なるジグザグ状の走査軌跡を形成するようなものであってもよいことは言うまでもないが、滑らかな螺旋状の走査軌跡を形成することができる上記実施形態における走査手段30によれば、被走査対象(ウエハ200)の慣性力の影響を受けにくく、表面検査装置100の信頼性を向上させることができる。
【0153】
また、上記各実施形態においては、楕円形状の照射野220からの散乱光を、長径方向について空間分解して光強度を検出するものであるが、本発明の表面検査方法および表面検査方法は、楕円形状の短径方向について空間分解して光強度を検出するものとしてもよく、また、照射野を楕円形状ではなく略真円形状としてもよく、この場合、被検面への入射角(あるいは俯角)に応じて、照射光学系による、被検面に直交する方向および被検面に平行な方向についての屈折力をそれぞれ設定すればよい。
【0154】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1に係る表面検査方法によれば、光束が入射した被検面の部分における光強度分布の均一性が高められるため、被検面の部分における光強度分布に潜在的に依存する検出散乱光強度は、被検面の部分の中の欠陥が存在する「位置」に拘わらず、略同一値となる。
【0155】
すなわち、被検面の部分における欠陥の存在位置に応じて、その欠陥の存在によって検出される分解散乱光の強度値自体が異なる値となることはなく(強度値の空間依存性がない。)、欠陥の存在位置に応じて検出チャンネルが変わるのみである(検出チャンネルの空間依存性がある。)。
【0156】
もちろん、欠陥の凹凸量等に応じて強度値自体が異なる値となることは、当然あるが、被検面の部分における光強度分布によるものではなく、その欠陥の軽重によるものに過ぎない。
【0157】
したがって、各チャンネルごとの分解散乱光の強度を、精度よく検出することができる。
【0158】
そして、このように分解散乱光の強度を精度よく検出することによって、分解散乱光の強度の大小等に基づいて、欠陥の軽重等欠陥の詳細な分析を行うこともできる。
【0159】
また、本発明の請求項2に係る表面検査方法によれば、各光束の強度分布は、それぞれガウス分布を呈するが、これらが並んだ光束間では、隣接する光束が重なり合って光強度が高められる。
【0160】
そして、これら複数の光束が並んだマルチビームが照射された被検面の部分において、その複数の光束の配列方向である所定の方向についての光強度の分布が略均一に設定される。
【0161】
したがって、各チャンネルごとの分解散乱光の強度を、精度よく検出することができ、分解散乱光の強度の大小等に基づいて、欠陥の軽重等欠陥の詳細な分析を行うこともできる。
【0162】
なお、マルチビームの各光束間のピッチを調整することによって光束間の重なり程度を調整することができ、これによって、マルチビーム全体の光強度分布を簡単に、略均一に設定することができる。
【0163】
また、本発明の請求項3に係る表面検査方法によれば、検出された分解散乱光の強度を規格化することによって、被検面の部分における光強度分布の不均一性に依存することなく、精度のよい分解散乱光強度を得ることができる。
【0164】
そして、このように精度よく得られた分解散乱光の強度の大小等に基づいて、欠陥の軽重等欠陥の詳細な分析を行うこともできる。
【0165】
また、本発明の請求項4に係る表面検査方法によれば、被検面上における散乱光の検出対象領域を実質的に拡大することができ、これによって、走査ピッチを拡大することができ、走査時間の短縮を図ることができる。
【0166】
また、本発明の請求項5に係る表面検査装置によれば、光束が入射した被検面の部分における光強度分布の均一性が高められているため、被検面の部分における光強度分布に潜在的に依存する検出散乱光強度は、被検面の部分の中の欠陥が存在する「位置」に拘わらず、略同一値となる。
【0167】
すなわち、被検面の部分における欠陥の存在位置に応じて、その欠陥の存在によって検出される分解散乱光の強度値自体が異なる値となることはなく(強度値の空間依存性がない。)、欠陥の存在位置に応じて検出チャンネルが変わるのみである(検出チャンネルの空間依存性がある。)。
【0168】
したがって、各チャンネルごとの分解散乱光の強度を、精度よく検出することができる。
【0169】
そして、このように分解散乱光の強度が精度よく検出されるため、分解散乱光の強度の大小等に基づいて、欠陥の軽重等欠陥の詳細な分析を行うこともできる。
【0170】
また、本発明の請求項6に係る表面検査装置によれば、光源から出射され、照射光学系により、被検面の部分において所定の方向に並んで入射された各光束の強度分布は、それぞれガウス分布を呈するが、これらが並んだ光束間では、隣接する光束が重なり合って光強度が高められる。
【0171】
そして、これら複数の光束が並んだマルチビームが照射された被検面の部分において、その複数の光束の配列方向である所定の方向についての光強度の分布が略均一に設定される。
【0172】
したがって、各チャンネルごとの分解散乱光の強度を、精度よく検出することができ、分解散乱光の強度の大小等に基づいて、欠陥の軽重等欠陥の詳細な分析を行うこともできる。
【0173】
なお、マルチビームの各光束間のピッチを、照射光学系または光源によって調整することにより、光束間の重なり程度を調整することができ、これによって、マルチビーム全体の光強度分布を簡単に、略均一に設定することができる。
【0174】
また、本発明の請求項7に係る表面検査装置によれば、検出された分解散乱光の強度が規格化されることによって、被検面の部分における光強度分布の不均一性に依存することなく、精度のよい分解散乱光強度を得ることができる。
【0175】
そして、このように精度よく得られた分解散乱光の強度の大小等に基づいて、欠陥の軽重等欠陥の詳細な分析を行うこともできる。
【0176】
また、本発明の請求項8に係る表面検査装置によれば、光強度検出手段の各チャンネルごとに設けられた増幅器の増幅率を、それぞれ予め調整することによって、分解散乱光の光強度の分布を簡単に規格化することができる。
【0177】
また、本発明の請求項9に係る表面検査装置によれば、被検面上における散乱光の検出対象領域を実質的に拡大することができ、これによって、走査ピッチを拡大することができ、走査時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第2の表面検査装置についての一実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】(a)は、図1に示した表面検査装置のうち主として散乱光検出光学系および光強度検出手段についての平面図、(b)は、同じく散乱光検出光学系および光強度検出手段についての側面図である。
【図3】照射野の分割領域とマルチアノードPMTが分解するチャンネルとの対応関係を示す図である。
【図4】欠陥の種別または状態((a),(b),(c))と、検出光強度との対応関係を示す図((d),(e),(f))である。
【図5】(a)は照射野と真の照射野との関係を表す模式図、(b)は(a)の照射野におけるY軸方向に沿った受光強度分布を表す図である。
【図6】受光強度分布を均一と見なしての規格化(補正処理)の概念を示す図である。
【図7】被検面上における照射野の大きさと走査軌跡のピッチとの関係を表す図であり、(a)は従来と同様の照射野の場合、(b)は真の照射野まで拡大した場合をそれぞれ表す。
【図8】本発明に係る第1の表面検査装置についての一実施の形態を示す概略構成図である。
【図9】図8に示した表面検査装置の入射レーザ光による照射スポットおよび受光強度の分布を示す図である。
【符号の説明】
10 LD(光源)
20 照射光学系
30 走査手段
31 回転テーブル
32 リニアモータ
40 散乱光検出光学系
50 光強度検出手段
51 マルチアノードPMT
52 アンプ
100 表面検査装置
200 ウエハ(被検体)
210 被検面
220 照射野
L0 レーザ光
L2 散乱光

Claims (5)

  1. 所定の光束を出射する光源と、前記光源から出射した光束を表面検査の対象である被検体の被検面に対して所定の入射角で入射させる照射光学系と、前記光束が前記被検面を走査するように、前記光束および前記被検体のうち少なくとも一方を相対的に変位させる走査手段と、入射した光の光強度を検出する光強度検出手段と、前記光束が入射した前記被検面の部分から出射した散乱光を、前記光強度検出手段に導光する散乱光検出光学系とを備え、前記光強度検出手段は、該光強度検出手段の入射面内の少なくとも一次元方向について、前記散乱光を複数のチャンネルに分解して検出するように設定され、前記散乱光検出光学系は、前記被検面に入射した光束を前記被検面上に投影した方向に対して略直交する方向であって前記被検面に対して所定の俯角をなす方向へ出射した散乱光を、前記光強度検出手段に導光するように配設された表面検査装置であって、
    前記光束が入射した被検面の部分における少なくとも前記一次元方向に対応する所定の方向についての光の光強度分布の均一性が高められているとともに、
    前記散乱光検出光学系が、2つのシリンドリカルレンズを組み合わせたテレセントリック光学系を備えたことを特徴とする表面検査装置。
  2. 前記光源は複数の光束を出射する光源であり、前記照射光学系は、前記光源から出射した複数の光束が前記所定の方向に並ぶように、該複数の光束を前記被検面の部分に入射させることにより、前記所定の方向についての光の光強度分布を略均一に設定することを特徴とする請求項1に記載の表面検査装置。
  3. 所定の光束を出射する光源と、前記光源から出射した光束を表面検査の対象である被検体の被検面に対して所定の入射角で入射させる照射光学系と、前記光束が前記被検面を走査するように、前記光束および前記被検体のうち少なくとも一方を相対的に変位させる走査手段と、入射した光の光強度を検出する光強度検出手段と、前記光束が入射した前記被検面の部分から出射した散乱光を、前記光強度検出手段に導光する散乱光検出光学系とを備え、前記光強度検出手段は、該光強度検出手段の入射面内の少なくとも一次元方向について、前記散乱光を複数のチャンネルに分解して検出するように設定され、前記散乱光検出光学系は、前記被検面に入射した光束を前記被検面上に投影した方向に対して略直交する方向であって前記被検面に対して所定の俯角をなす方向へ出射した散乱光を、前記光強度検出手段に導光するように配設された表面検査装置であって、
    検出された前記一次元方向についての前記散乱光を複数のチャンネルに分解して得られた分解散乱光の光強度の分布を、前記光束が入射した被検面の部分における少なくとも前記一次元方向に対応する所定の方向についての光の光強度分布に応じて規格化するように設定されているとともに、
    前記散乱光検出光学系が、2つのシリンドリカルレンズを組み合わせたテレセントリック光学系を備えたことを特徴とする表面検査装置。
  4. 前記光強度検出手段は、前記各チャンネルごとに増幅器を備え、前記各チャンネルに対応する増幅器の増幅率が、前記光束が入射した被検面の部分における少なくとも前記所定の方向についての光の光強度分布に応じて前記一次元方向についての前記分解散乱光の光強度の分布を規格化するように設定されていることを特徴とする請求項3に記載の表面検査装置。
  5. 前記所定の方向が、前記光束が前記被検面を走査する方向に対して略直交する方向に設定されていることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載の表面検査装置。
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