JP4640887B2 - 流体制御弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体を制御する装置、または流体を制御するための配管経路に用い、特に、半導体製造装置のように各種の流体を制御する必要がある流体制御装置、または流体制御配管経路において用いるのに適する流体制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、前記のような流体制御装置または流体制御配管経路において流体を制御するには、開閉弁と、逆止弁とが別々に構成され、組合わされて用いられている。
【0003】
前記開閉弁の一例について概略説明すると、ピストンおよびピストンロッドがばねの付勢力により前進されて押さえピースが押圧され、押さえピースによりダイヤフラムが弁座に対して押圧されることにより、上流側流路と下流側流路とが遮断される。これとは逆に、空気圧によりピストンおよびピストンロッドがばねの付勢力に抗して後退されて押さえピースが押圧状態から解放され、これに伴ってダイヤフラムに対する押圧力が解放され、ダイヤフラムが自身の弾性力により復元して弁座から離隔することにより、上流側流路と下流側流路とが連通されるように構成されている。
【0004】
前記開閉弁の他の例について概略説明すると、手動レバーの操作によりばねの付勢力と共に進退部材が前進されて押さえピースが押圧され、押さえピースによりダイヤフラムが弁座に対して押圧されることにより、上流側流路と下流側流路とが遮断される。これとは逆に、手動レバーの操作により進退部材がばねの付勢力に抗して後退されて押さえピースが押圧状態から解放され、これに伴ってダイヤフラムに対する押圧力が解放され、ダイヤフラムが自身の弾性力により復元して弁座から離隔することにより、上流側流路と下流側流路とが連通されるように構成されている。
【0005】
前記逆止弁の一例について概略説明すると、弁体(ポペット)がばねの弾性により弁座に押圧されて上流側流路と下流側流路とが遮断され、上流側流路から流入する流体の圧力により弁体がばねの付勢力に抗して弁座から離隔されることにより、上流側流路と下流側流路とが連通されて流体が流れ、何らかのトラブルにより下流側流路に流体が逆流してその流体圧が上流側流路の圧力よりも高くなると、この流体の圧力とばねの付勢力により前記のように弁体が弁座に押圧され、上流側流路と下流側流路とが遮断された状態に保持されて下流側流路から上流側流路へ流体が逆流するのを阻止するように構成されている。
【0006】
従来、他の例として、前記のように別個に構成された開閉弁と逆止弁とを組合わせて用いるのに代えて複合化弁が用いられることもある。この複合化弁としては、前記のように構成された開閉弁と前記のように構成された逆止弁とが上下二段に組合わされて構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来例のように個別に構成された開閉弁と逆止弁とを組合わせて用いると、これらを配置するために多くのスペースを必要とする。特に、半導体製造装置のように各種のガスを制御する必要がある用途においては、多数の開閉弁と逆止弁を必要とするため、組立工数が多く、組立作業能率に劣るばかりでなく、装置全体の設置面積が大きくなる。また、配管、継手による流体の流れに不要なデッドスペースが大きくなり、流体の置換特性に劣り、流路抵抗が大きくなる。更に、開閉弁と逆止弁の二種類をそれぞれ組合わせて用いるため、高価である。
【0008】
一方、前記従来例のような複合化弁を用いることにより、前記のように個別の開閉弁と逆止弁とを組合わせて用いる場合に比べて流路長を短縮して装置全体の設置面積を小さくし、しかも、組立工数を減らして組立作業性を向上させることはできる。しかしながら、複合化弁は高さが高くなり、装置全体の高さ方向における広い設置スペースを必要とし、また、逆止弁と開閉弁の双方に流体が流れるため、流体の置換特性、流路抵抗の改善にはさほど貢献することができるとは言えない。また、複合化弁は開閉弁と逆止弁を上下二段に接続しているため、前記従来例と同様に高価となる。
【0009】
本発明の目的は、前記のような従来の問題を解決しようとするものであって、流路の開閉機能と逆止め機能を1箇所に兼ね備えるようにし、流路長を短縮するので、流体制御装置全体、または流体配管経路全体の小型化を図ることができ、しかも、流体の置換特性、流路抵抗の改善を図ることができ、また、流体制御装置、または流体配管経路における組立工数を減らして組立作業能率を向上させることができ、更には、従来の開閉弁に1つの部品を追加するだけの簡単な構成で開閉機能と逆止機能とを兼ね備えることができ、低コスト化を図ることができるようにした流体制御弁を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の流体制御弁は、上流側流路と下流側流路とを連通するための開口部の上流側流路を中心部に有し、下流側流路を側部に有し、かつ、前記中心部側の開口部の端部周囲に弁座を有する弁本体と、自身の弾性力により前記弁座に圧接して前記上流側流路と前記下流側流路とを遮断することができ、前記上流側流路の圧力が前記下流側流路の圧力より高くなることにより、弾性変形して前記弁座から離隔されて前記上流側流路と前記下流側流路とを連通させることができ、前記下流側流路の圧力が前記上流側流路の圧力より高くなることにより、前記弁座に圧接した遮断状態に保持することができるように設けられ、かつ、弁座の外周側に位置した穴を有するように形成された逆止用ダイヤフラムと、押圧されることにより、弾性変形して前記逆止用ダイヤフラムを前記弁座に押圧させて前記上流側流路と前記下流側流路とを遮断状態に保持することができ、押圧状態から解放されることにより、自身の復元弾性により前記逆止用ダイヤフラムを押圧状態から解放することができるように設けられた開閉用ダイヤフラムと、この開閉用ダイヤフラムを前記弁座側へ押圧し、若しくは押圧状態から解放する開閉手段とを備え、前記弁座シート側に位置させ、かつ、弁座シートに圧接させた逆止用ダイヤフラムと、この逆止用ダイヤフラムの上方外周部に前記開閉用ダイヤフラムの外周部を重ねて両者のダイヤフラムの外周部を弁室内に挟持させ、前記開閉手段を介して開閉用ダイヤフラムを逆止用ダイヤフラムに対して押圧又は離隔させるようにし、この開閉用ダイヤフラムが逆止用ダイヤフラムに対して離隔した状態で、かつ流体の逆流時に、流体が下流側流路から前記穴を介して前記逆止用ダイヤフラムを弁座シートに圧接させて下流側流路から上流側流路への逆流を阻止するようにしたものである。
【0011】
前記構成において、前記開閉手段として、前記弁本体に接続され、流体が供給され、若しくは排出されるシリンダ部材と、このシリンダ部材に対して伸縮可能に設けられ、開閉用ダイヤフラムを押圧し、若しくは押圧状態から解放するための開閉部材と、この開閉部材を前記シリンダ部材内に供給される流体の圧力方向とは逆方向に付勢するばねとを備えることができる。前記開閉部材として、前記開閉用ダイヤフラムを押圧し、若しくは押圧状態から解放し得る押さえピースと、前記シリンダ部材に軸方向に沿って移動可能に設けられたピストンおよびこのピストンと一体的に設けられ、前記押さえピースを押圧し、若しくは押圧状態から解放し得るピストンロッドとを備えることができる。
【0012】
前記開閉手段として、前記弁本体に接続されたケースと、このケース内および前記弁本体内に進退可能に設けられ、前記開閉用ダイヤフラムを押圧し、若しくは押圧状態から解放するための開閉部材と、この開閉部材を前記開閉用ダイヤフラムの押圧方向に付勢するばねと、前記ケースに回転可能に支持されるとともに、回転に伴い、前記開閉部材を前記ばねの付勢力に抗する方向、若しくは前記ばねの付勢方向に移動させるように前記開閉部材に連結される手動レバーとを備えることができる。前記開閉部材として、前記開閉用ダイヤフラムを押圧し、若しくは押圧状態から解放し得る押さえピースと、前記手動レバーの回転に伴って進退可能に設けられ、前記押さえピースを押圧し、若しくは押圧状態から解放し得る進退部材とを備えることができる。
【0013】
前記逆止用ダイヤフラムとしては、円板に前記弁座の外周側に位置して複数箇所に穴を有するように形成する。
【0014】
前記のように構成された本発明によれば、開閉用ダイヤフラムと逆止用ダイヤフラムとを備え、開閉手段により押圧される開閉用ダイヤフラムにより逆止用ダイヤフラムを弁座に圧接させることにより、上流側流路と下流側流路とを遮断することができ、開閉手段により開閉用ダイヤフラムを解放し、弾性復元させて逆止用ダイヤフラムを押圧状態から解放することにより、上流側流路から流入する流体圧力により逆止用ダイヤフラムを押して弁座から離隔させ、上流側流路と下流側流路を連通させて流体を流すことができ、何らかのトラブル等により下流側流路の圧力が上流側流路の圧力よりも高くなると、逆止用ダイヤフラムを弁座に圧接した遮断状態に保持して流体が下流側流路から上流側流路へ逆流するのを阻止することができる。このように流路の開閉機能と逆止め機能を1箇所に兼ね備えるようにし、流路長を短縮することができる。また、開閉弁と逆止弁を1つにまとめて構成しているので、流体制御装置、または流体配管経路における組立工数を減らすことができる。更には、従来の開閉弁に1つの部品、すなわち、逆止用ダイヤフラムを追加するだけの簡単な構成で開閉機能と逆止機能とを兼ね備えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る流体制御弁を示し、流路を連通し得る状態の縦断面図、図2はそのII部の拡大図、図3は同流体制御弁を示し、流路を遮断した状態における図2と同様の拡大図、図4(a)、(b)はそれぞれ同流体制御弁に用いる逆止用ダイヤフラムの一例を示す平面図、中央部断面図である。
【0016】
図1ないし図3に示すように、弁本体(弁箱)1は本体部2と、この本体部2の中央部に互いの軸心が直角方向となるようにして一体に設けられた筒状の連結部3とから構成されている。本体部2の一側と他側に流体が流入する上流側(一次側)流路4と流体が流出する下流側(二次側)流路5とが形成されている。上流側流路4の出口側4aと下流側流路5の入口側5aは連結部3内の空所(弁室)6により連通され、上流側流路4の出口側が空所6の中心部で垂直方向に開口され、下流側流路5の入口側が空所6の側部で垂直方向に開口されている。上流側流路4の出口側開口部の端部には環状溝7が形成され、環状溝7には弁座シート8の基部側が挿入され、環状溝7の外周縁部のかしめ加工により弁座シート8がその先端側周囲を突出した状態で固定されている。
【0017】
空所6には金属製の逆止用ダイヤフラム9と金属製の開閉用ダイヤフラム10が設けられる。逆止用ダイヤフラム9は、その一例として、特に、図4(a)、(b)から明らかなように、全体として円板状で、周縁部において、外周縁から内方側に至るに従い、次第に緩やかに高くなるように傾斜され、円周部、すなわち、傾斜部の内周部において、内周側に至るに従い、次第に緩やかに低くなるように傾斜され、この傾斜部の内方が低い位置で平坦状となるように形成されている。逆止用ダイヤフラム9には弁座シート8の外周部に相当する部分において、同心状に円弧状の穴11が断続して二重に形成され、内周側の円弧状の穴11と外周側の円弧状の穴11とは互いに位相をずらせ、断続部がずれるように配置されている。開閉用ダイヤフラム10は、全体として円板状で周縁より中央部に至るに従い、次第に緩やかに高く突出するように湾曲されている。
【0018】
これらの逆止用ダイヤフラム9と開閉用ダイヤフラム10は、逆止用ダイヤフラム9が弁座シート8側に位置するように配置されている。そして、逆止用ダイヤフラム9と開閉用ダイヤフラム10は、それらの外周部が重ねられ、筒状連結部3に挿入された筒状のボンネット12の底面外周部と、弁本体1における筒状連結部3内方で空所6内の底部より突設された環状突出部3aとにより挟持されている。この状態で、逆止用ダイヤフラム9は、挟持部の内方が少し弾性変形され、自身の弾性力により中央部の低部が弁座シート8に圧接されて上流側流路4の出口側開口部4aが閉塞され、円弧状の穴11が弁座シート8の外周部に位置されている。一方、開閉用ダイヤフラム10は、挟持部の内方において、逆止用ダイヤフラム9から離隔し、逆止用ダイヤフラム9を解放した状態でその外周部がボンネット12の円弧状底面に当接されている。
【0019】
そして、上流側流路4と下流側流路5の圧力が等しいか、若しくは上流側流路4の圧力よりも下流側流路5の圧力の方が高い状態で逆止用ダイヤフラム9が弁座シート8に圧接した状態、すなわち、上流側流路4と下流側流路5とを遮断した状態に保たれるようになっている(図1、図2参照)。この状態から上流側流路4に流入する流体の圧力により上流側流路4側の圧力が下流側流路5側の圧力よりも高くなると、逆止用ダイヤフラム9の中央部が流体圧により押圧されて弁座シート8から離隔され、上流側流路4と下流側流路5とが連通されるようになっている。
【0020】
開閉用ダイヤフラム10は開閉手段13により弁座シート8側へ押圧され、若しくは押圧状態から解放される。その一例について説明すると、開閉手段13は押さえピース14とエアシリンダ15とから構成されている。押さえピース14は、ボンネット12の内側に軸方向に移動可能(昇降可能)に支持され、エアシリンダ15の作動により下方へ押圧されて前進することにより、開閉用ダイヤフラム10を押圧し、弾性変形させて逆止用ダイヤフラム9を押圧させることができる。押さえピース14は、前記とは逆にエアシリンダ15の作動により下方への押圧状態から解放されることにより、開閉用ダイヤフラム10自身の弾性復元力により上方へ押されて後退され、大径部16がボンネット12内の段部17に係合されて抜止めされるようになっている。エアシリンダ15のシリンダ18はシリンダベース19とシリンダカバー20とより構成され、シリンダベース19の筒状部21の下部内周に形成された雌ねじ22が弁本体1における筒状部3の外周に形成された雄ねじ23に螺着されて連結されている。そして、シリンダベース19の底板24がボンネット12の頂部側の環状突部25に当接されてボンネット12が抜止めされ、前記のような逆止用ダイヤフラム9と開閉用ダイヤフラム10の挟持状態に保たれている。シリンダベース19の筒状部21の上部外周に形成された雄ねじ26にシリンダカバー16の下部内周に形成された雌ねじ27が螺着されて連結され、シリンダベース19とシリンダカバー20との連結部にOリング28が圧縮状態に介在され、両者間がシールされている。
【0021】
シリンダ18内にはピストン29およびその下側と上側に一体的に突設されたピストンロッド30と31が軸方向に移動可能に支持される。すなわち、ピストン29はシリンダカバー20の内周面に沿って移動可能に設けられ、ピストンロッド30がシリンダベース19の底板24における中央部に形成された筒状部32に移動可能に挿通され、ピストンロッド31がシリンダカバー20に形成された筒状部33に移動可能に挿入されている。ピストン29、ピストンロッド30、31の外周に形成された環状溝にOリング34、35、36が挿入され、これらのOリング34、35、36がシリンダカバー20、筒状部32、33の内周面に圧接されてシールされている。ピストンロッド30の先端(下端)が押さえピース14の基端(上端)に当接されている。ピストン29とシリンダカバー20の頂部内面との間に圧縮ばね37が介在され、この圧縮ばね37によりピストン29、ピストンロッド30、31および押さえピース14が弁座シート8側へ付勢されている。本実施形態においては、このように開閉用ダイヤフラム10の開閉部材として、押さえピース14、ピストン29、ピストンロッド30、31が用いられている。
【0022】
シリンダカバー20の筒状部33における頂部開放側は空気供給口38となっており、空気供給口38は圧縮空気供給源(図示省略)に接続されている。ピストン29およびピストンロッド30、31には空気供給口38と連通する空気通路39が軸心方向に沿って形成され、空気通路39の閉塞された終端部において直角方向に空気通路40が形成され、空気通路40はピストン29とシリンダベース19との間の室41に開放されている。シリンダ15における圧縮ばね37が収められた室42はシリンダカバー20に形成された空気穴43により外部に開放されている。
【0023】
そして、空気供給口38に対して圧縮空気が供給されていない状態では、前記のように圧縮ばね37の付勢力によりピストン29、ピストンロッド30、31および押さえピース14が弁座シート8側へ押圧(前進)され、これに伴って押さえピース14により開閉用ダイヤフラム10が弾性変形され、この開閉用ダイヤフラム10および逆止用ダイヤフラム9が弁座シート8に押圧される(図3参照)。これとは逆に、空気供給口38に圧縮空気が供給されると、この圧縮空気が空気通路39、40を通って室41内に供給され、これによりピストン29、ピストンロッド30、31が圧縮ばね37の付勢力に抗して後退されるようになっている。これに伴って、前記のように押さえピース14が押圧状態から解放され、押さえピース14は開閉用ダイヤフラム10の復元弾性力により上方へ後退される(図1、図2参照)。また、ピストン29、ピストンロッド30、31の後退時に室42が空気穴43により外部に開放されているので、円滑に作動される。
【0024】
以上の構成において、以下、その動作について説明する。前記構成の流体制御弁は、ノーマルクローズタイプであり、常時、圧縮ばね37の付勢力によりピストン29、ピストンロッド30、31および押さえピース14が下方へ前進され、図3に示すように、押さえピース14により開閉用ダイヤフラム10および逆止用ダイヤフラム9を弁座シート8に圧接させて上流側流路4と下流側流路5とを遮断している。そして、上流側流路4と下流側流路5とが所定の圧力差以内であれば、開閉用ダイヤフラム10および逆止用ダイヤフラム9は弁座シート8に圧接した状態に保持され、弁座シート8から離隔するおそれはなく、上流側流路4と下流側流路5とを遮断した状態に保持することができる。
【0025】
前記遮断状態で空気供給口38から圧縮空気を空気通路39、40を通って室41内に供給すると、その空気圧がピストン29の底面に加わり、圧縮ばね37の付勢力に抗し、図1に示すように、ピストン29、ピストンロッド30、31を上方へ後退させ、押さえピース14を押圧状態から解放する。これに伴い、開閉用ダイヤフラム10が自身の弾性力により押さえピース14を上方へ後退させて逆止用ダイヤフラム9から離隔するように復元する。この状態では、逆止用ダイヤフラム9が自身の弾性力により弁座シート8に圧接し、上流側流路4と下流側流路5とが遮断されている。そして、この状態から上流側流路4から流体が流入し、その圧力が下流側流路5の圧力よりも高くなると、図1、図2では図示していないが、上流側流路4の流体圧力により逆止用ダイヤフラム9はその中央部が上方へ押圧されて弁座シート8から離隔し、上流側流路4と下流側流路5とが連通し、上流側流路4から下流側流路5へ流体が流れる。
【0026】
ここで、何らかのトラブルにより下流側流路5へ流体が逆流するなどにより、下流側流路5の圧力が上流側流路4の圧力よりも高くなっても、この流体は逆止用ダイヤフラム9の外周部の円弧状穴11を通って逆止用ダイヤフラム9と開閉用ダイヤフラム10との間に流入し、逆止用ダイヤフラム9の中央部に上流側流路4の反対側から作用するので、逆止用ダイヤフラム9は下流側流路5の流体圧力により弁座シート8に対して圧接した遮断状態に保持される。したがって、流体が下流側流路5から上流側流路4へ逆流するのを阻止することができる。
【0027】
前記の状態からエアシリンダ15に対する圧縮空気の供給を停止し、圧縮空気の空気供給口38を大気中に開放すると、前記のように圧縮ばね37の付勢力によりピストン29、ピストンロッド30、31が下方へ前進する。これに伴い、押さえピース14を図3に示すように前進させて開閉用ダイヤフラム10を押圧し、逆止用ダイヤフラム9および開閉用ダイヤフラム10を弁座シート8に圧接し、上流側流路4と下流側流路5とを遮断した状態に保持することができる。
【0028】
図示例の流体制御弁は、ノーマルクローズタイプに構成しているが、ノーマルオープンタイプに構成することもできる。この場合、ピストン29、ピストンロッド30、31を圧縮ばねにより上方へ後退させるようにし、圧縮空気の供給によりピストン29、ピストンロッド30、31を圧縮ばねの弾性に抗して下方へ前進させるように構成すればよい。
【0029】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5および図6は本発明の第2の実施形態に係る流体制御弁を示し、図5は流路を連通し得る状態の縦断面図、図6は流路を遮断した状態の縦断面図である。
【0030】
前記第1の実施形態においては、開閉用ダイヤフラム10を開閉操作する開閉手段13が自動式であるのに対し、本実施形態においては手動式となっている。そして、本実施形態においては、前記第1の実施形態とは開閉手段13の構成を異にし、その他の構成については同じであるので、同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略し、主として異なる構成について説明する。
【0031】
弁本体1における筒状部3の雄ねじ23にケース45の接続筒46に形成された雌ねじ47が螺着され、接続筒46の中間部内側に設けられた支持板48によりボンネット12の環状突部25が押さえられている。接続筒46の上部外周に形成された雄ねじ49にケース45の本体50の下部内周に形成された雌ねじ51が螺着されている。ケース本体50の上端部外周に形成された雄ねじ52にケース45のカバー53の内周に形成された雌ねじ54が螺着されている。カバー53の穴55にはホルダー56が取付けられている。
【0032】
本実施形態において、開閉用ダイヤフラム10を開閉する部材として、開閉用ダイヤフラム10を押圧し、若しくは押圧状態から解放する押さえピース14と、押さえピース14を押圧し、若しくは押圧状態から解放し得る進退部材57とを備え、進退部材57は押圧部材58と連結部材59とを備えている。押圧部材58は先端側の軸部60と中間部の大径部61と基部側の連結部62とから構成されている。接続筒46の支持板48における中央部の穴63には押圧部材58の軸部60が挿通状態で軸方向に移動可能に支持され、軸部60の先端面が押さえピース14の基端面に当接されている。軸部60の外周に形成された環状溝にOリング64が挿入され、このOリング64が支持板48の穴63の内周面に圧接されてシールされている。押圧部材58における基部の連結部62には連結部材59の先端部がピン65により回転可能に連結されている。押圧部材58における中間部の大径部61とケース本体50の上端内周に突設されたばね受け66とに圧縮ばね67が介在され、この圧縮ばね67の付勢力により押圧部材58および押さえピース14が弁座シート8側へ押圧されるようになっている。
【0033】
ホルダー56は一方の対向面が円弧面となり、この円弧面を挟む対向面がほぼ平行な平面となる穴68を有している。手動レバー69は中空状に形成され、先端側の係合部70の外側がホルダー56の穴68に対応し得るように円弧面と平面とから成り、この係合部70がホルダー56の穴68に回転可能に挿入されるとともに、両者が回転中心部で平面側と直角方向の回転軸71により回転可能に連結されている。回転軸71はその軸心が軸部60の軸線とピン65の軸心を通る線上に位置するように配置されている。手動レバー69の係合部70の内側に連結部材59の基部が挿入され、連結部材59の基部には手動レバー69における係合部70がその偏心位置で、しかも、手動レバー69の軸線より側方へずらした位置で前記回転軸71と軸心が平行になるように配置された軸72により回転可能に連結されている。
【0034】
そして、手動レバー69が回転軸71を中心として回転することにより、回転軸71に対して軸72が偏心移動し、この軸72を介して連結部材59、押圧部材58、すなわち、進退部材57が短い距離で上下に進退し得るようになっている。進退部材57が下方へ前進することにより、押さえピース14を下方へ前進させて開閉用ダイヤフラム10を押圧することができる。これとは逆に、進退部材57が上方へ後進することにより、押さえピース14の押圧状態を解放することができる。進退部材57を上方へ後退させ、若しくは下方へ前進させた状態で偏心位置の軸72の軸心がピン65と回転軸71の軸心を結ぶ線よりいずれかの方向にずれて安定状態に保持されるようになっている。
【0035】
手動レバー69の基部側の内側には雌ねじ73が形成され、この雌ねじ73に手動レバー69、進退部材57をロックするためのねじ74が進退可能に螺入されている。進退部材57における連結部材59の基端部が円弧状に形成され、この円弧状部の2箇所に開放用の係合凹部75と押圧用の係合凹部76が切欠かれて形成されている。そして、進退部材57の上方への後退位置(開放位置)でロックねじ74を前進させることにより、その先端の係合突部77が連結部材59の開放用係合凹部75に係合されてその状態にロックされ、ロックねじ74を後退させることにより、その先端の係合突部77が開放用係合凹部75から離脱されてロック状態が解除されるようになっている。進退部材57の下方への前進位置(押圧位置)でロックねじ74を前進させることにより、その先端の係合突部77が連結部材59の押圧用係合凹部76に係合されてその状態にロックされ、ロックねじ74を後退させることにより、その先端の係合突部77が押圧用係合凹部75から離脱されてロック状態が解除されるようになっている。
【0036】
以上の構成において、以下、その動作について説明する。図6に示すように、進退部材57、および押さえピース14を下方へ前進させ、開閉用ダイヤフラム10および逆止用ダイヤフラム9を弁座シート8に圧接させ、上流側流路4と下流側流路5とを遮断している状態において、まず、ロックねじ74を回転させて上方へ後退させ、その先端の係合突部77を連結部材59の押圧用係合凹部76から外す。次に、前記状態で図5に示すように、手動レバー69等を回転軸71を中心としてホルダー56に対して回転させる。この手動レバー69等の回転に伴い、圧縮ばね67の付勢力に抗して偏心位置の軸72を介して進退部材57を引き上げる(後退させる)。これにより開閉用ダイヤフラム10は、押さえピース14の押圧力から解放され、自身の復元力により逆止用ダイヤフラム9から離隔し、逆止用ダイヤフラム9の押圧状態を解放する。
【0037】
この状態で軸72の軸心がピン65と回転軸71の軸心を通る線上より僅に側方へずれることにより、手動レバー69が一応、安定状態に保持されるが、不用意な接触により作動するおそれがある。そこで、手動レバー69の内方にロックねじ74を前進させ、その先端の係合突部77を連結部材59の開放用係合凹部75に係合することにより、手動レバー69、進退部材57を作動しないように開閉用ダイヤフラム10の開放位置でロックすることができる。
【0038】
したがって、前記第1の実施形態と同様に、流体圧により逆止用ダイヤフラム9を押圧して弁座シート8から離隔させることにより、上流側流路4から下流側流路5へ流体を流し、また、下流側流路5の圧力が高くなった場合において、逆止用ダイヤフラム9により流体の逆流を阻止することができる。
【0039】
図5に示す状態において、まず、手動レバー69のロックねじ74を逆方向に回転させて上方へ後退させ、その先端の係合突部77を連結部材59の開放用係合凹部75から外す。次に、前記状態で図6に示すように、手動レバー69等を回転軸71を中心としてホルダー56に対して逆方向へ回転させる。この手動レバー69等の回転に伴い、偏心位置の軸72を介して圧縮ばね67の付勢力と共に進退部材57を押し下げる(前進させる)。これにより開閉用ダイヤフラム10は押さえピース14により押圧され、逆止用ダイヤフラム9を弁座シート8に圧接させる。
【0040】
この状態で軸72の軸心がピン65と回転軸71の軸心を通る線上より側方へずれることにより、手動レバー69が一応、安定状態に保持されるが、不用意な接触により作動するおそれがある。そこで、手動レバー69の内方にロックねじ74を前進させ、その先端の係合突部77を連結部材59の押圧用係合凹部76に係合することにより、手動レバー69、進退部材57を作動しないように開閉用ダイヤフラム10および逆止用ダイヤフラム9の閉塞位置でロックすることができる。したがって、前記第1の実施形態と同様に、上流側流路4と下流側流路5とを遮断した状態に保持することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、開閉用ダイヤフラムと逆止用ダイヤフラムとを備え、開閉手段により押圧される開閉用ダイヤフラムにより逆止用ダイヤフラムを弁座に圧接させることにより、上流側流路と下流側流路とを遮断することができ、開閉手段により開閉用ダイヤフラムを解放し、弾性復元させて逆止用ダイヤフラムを押圧状態から解放することにより、上流側流路から流入する流体圧力により逆止用ダイヤフラムを押して弁座から離隔させ、上流側流路と下流側流路を連通させて流出を流すことができ、何らかのトラブル等により下流側流路の圧力が上流側流路の圧力よりも高くなると、逆止用ダイヤフラムを弁座に圧接した状態に保持して流体が下流側流路から上流側流路へ逆流するのを阻止することができる。このように、流路の開閉機能と逆止め機能を1箇所に兼ね備えるようにし、流路長を短縮することができる。したがって、流体制御装置全体、または流体配管系全体の小型化を図ることができ、しかも、流体の置換特性、流路抵抗の改善を図ることができる。また、開閉弁と逆止弁を1つにまとめて構成しているので、流体制御装置、または流体配管経路における組立工数を減らすことができる。したがって、組立作業能率を向上させることができる。更には、従来の開閉弁に1つの部品、すなわち、逆止用ダイヤフラムを追加するだけの簡単な構成で開閉機能と逆止機能とを兼ね備えることができる。したがって、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る流体制御弁を示し、流路を連通し得る状態の縦断面図である。
【図2】同流体制御弁を示し、図1のII部拡大図である。
【図3】同流体制御弁を示し、流路を遮断した状態における図2と同様の拡大図である。
【図4】(a)、(b)はそれぞれ同流体制御弁に用いる逆止用ダイヤフラムの一例を示す平面図、中央部断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る流体制御弁を示し、流路を連通し得る状態の縦断面図である。
【図6】同流体制御弁を示し、流路を遮断した状態の縦断面図である。
【符号の説明】
1 弁本体
4 流入流路
5 流出流路
8 弁座シート
9 逆止用ダイヤフラム
10 開閉用ダイヤフラム
13 開閉手段
14 押さえピース
15 エアシリンダ
29 ピストン
30 ピストンロッド
31 ピストンロッド
57 進退部材
69 手動レバー

Claims (5)

  1. 上流側流路と下流側流路とを連通するための開口部の上流側流路を中心部に有し、下流側流路を側部に有し、かつ、前記中心部側の開口部の端部周囲に弁座を有する弁本体と、自身の弾性力により前記弁座に圧接して前記上流側流路と前記下流側流路とを遮断することができ、前記上流側流路の圧力が前記下流側流路の圧力より高くなることにより、弾性変形して前記弁座から離隔されて前記上流側流路と前記下流側流路とを連通させることができ、前記下流側流路の圧力が前記上流側流路の圧力より高くなることにより、前記弁座に圧接した遮断状態に保持することができるように設けられ、かつ、弁座の外周側に位置した穴を有するように形成された逆止用ダイヤフラムと、押圧されることにより、弾性変形して前記逆止用ダイヤフラムを前記弁座に押圧させて前記上流側流路と前記下流側流路とを遮断状態に保持することができ、押圧状態から解放されることにより、自身の復元弾性により前記逆止用ダイヤフラムを押圧状態から解放することができるように設けられた開閉用ダイヤフラムと、この開閉用ダイヤフラムを前記弁座側へ押圧し、若しくは押圧状態から解放する開閉手段とを備え、前記弁座シート側に位置させ、かつ、弁座シートに圧接させた逆止用ダイヤフラムと、この逆止用ダイヤフラムの上方外周部に前記開閉用ダイヤフラムの外周部を重ねて両者のダイヤフラムの外周部を弁室内に挟持させ、前記開閉手段を介して開閉用ダイヤフラムを逆止用ダイヤフラムに対して押圧又は離隔させるようにし、この開閉用ダイヤフラムが逆止用ダイヤフラムに対して離隔した状態で、かつ流体の逆流時に、流体が下流側流路から前記穴を介して前記逆止用ダイヤフラムを弁座シートに圧接させて下流側流路から上流側流路への逆流を阻止するようにしたことを特徴とする流体制御弁。
  2. 開閉手段が、弁本体に接続され、流体が供給され、若しくは排出されるシリンダ部材と、このシリンダ部材に対して伸縮可能に設けられ、開閉用ダイヤフラムを押圧し、若しくは押圧状態から解放するための開閉部材と、この開閉部材を前記シリンダ部材内に供給される流体の圧力方向とは逆方向に付勢するばねとを備えた請求項1記載の流体制御弁。
  3. 開閉部材が開閉用ダイヤフラムを押圧し、若しくは押圧状態から解放し得る押さえピースと、シリンダ部材に軸方向に沿って移動可能に設けられたピストンおよびこのピストンと一体的に設けられ、前記押さえピースを押圧し、若しくは押圧状態から解放し得るピストンロッドとを備えた請求項2記載の流体制御弁。
  4. 開閉手段が、弁本体に接続されたケースと、このケース内および前記弁本体内に進退可能に設けられ、開閉用ダイヤフラムを押圧し、若しくは押圧状態から解放するための開閉部材と、この開閉部材を前記開閉用ダイヤフラムの押圧方向に付勢するばねと、前記ケースに回転可能に支持されるとともに、回転に伴い、前記開閉部材を前記ばねの付勢方向に抗する方向、若しくは前記ばねの付勢方向に移動させるように前記開閉部材に連結される手動レバーとを備えた請求項1記載の流体制御弁。
  5. 開閉部材が、開閉用ダイヤフラムを押圧し、若しくは押圧状態から解放し得る押さえピースと、手動レバーの回転に伴って進退可能に設けられ、前記押さえピースを押圧し、若しくは押圧状態から解放し得る進退部材とを備えた請求項4記載の流体制御弁。
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