JP4640036B2 - 情報処理装置 - Google Patents

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本発明は、装置ケース内に、略円弧状に湾曲した円弧状搬送部の内面を画成する中間ローラと円弧状搬送部の外面を画成するガイド部とを備え、円弧状搬送部から送り出されてきた被搬送物を挟持して処理位置に向かって搬送する紙送りローラ対が円弧状搬送部の出口端から所定距離離れた位置に設けられている情報処理装置に関するものである。
上記情報処理装置の一例として、パソコン等に接続されるプリンタ(印刷装置)が挙げられる。
プリンタでは、外観を提供する装置ケース内に、被搬送物である用紙を貯留部から一枚ずつ繰り出して所定の搬送経路に沿って搬送する搬送機構や、搬送経路の途中に装備されて搬送されてくる用紙に文字や図形等の画像を記録する記録部や、必要に応じて記録部に所定の移動動作を付与する記録部操作機構等の各種の動作機器が組み込まれている。
また、プリンタには、装置のコンパクト化や省スペース化のために、用紙の給紙部や印刷処理した用紙の排出部をいずれも装置の前面側に配置したフロント給・排紙タイプのものがある。このようなフロント給・排紙タイプのプリンタでは、通常、給紙用に用紙を収容した用紙カセットを装置前面の下部に配置し、印刷処理後の用紙を排出する排紙トレイを用紙カセットの上方に配置した構成で、用紙カセットと排紙トレイとの間を結ぶ略U字状の搬送経路が装置ケース内に構築されるとともに、略U字状の搬送経路の途中に記録部が配置される。
そして、装置ケース内の略U字状の搬送経路は、例えば、用紙を収容した用紙カセットを開始位置として、中間ローラと略円弧状に湾曲したガイド部とによって画成される円弧状搬送部と、円弧状搬送部の出口端から所定距離離れた位置に配置された紙送りローラ対と、紙送りローラ対の下流側に配置された記録部を経て装置前面の排紙トレイに導く排出搬送機構とにより構成される。
ところで、円弧状搬送部内や、円弧状搬送部から紙送りローラ対までの区間は、用紙の先端部の反り返りやスキューのために、紙ジャムが発生し易い。そこで、紙ジャムが発生した時に、これらの搬送部におけるローラ等を用紙から離間させる接触解除機構を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された接触解除機構は、詰まった紙の一端を給紙側又は排紙側から掴んで引っ張り出す際に、ローラの押圧力を解除して、詰まった用紙を引き出し易くするものである。
また、略U字状の搬送経路で発生した紙ジャムにより詰まった用紙を取り除くために、円弧状搬送部のガイド部をその外側のカバー部分とともに回動により開閉可能とし、円弧状搬送部を外部に露呈させる構造も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−154693号公報 特許第2529261号公報
ところで、前述のような略U字状の搬送経路における紙ジャムを防止するには、円弧状搬送部と紙送りローラ対との間において、紙ジャムの発生原因となる用紙の先端部の反り
返りやスキューの発生を抑えることが要求される。しかしながら、円弧状搬送部と紙送りローラ対との間で用紙をガイドするために円弧状搬送部を構成するガイド部を紙送りローラ対まで延ばした場合には、紙ジャムが発生した場合に円弧状搬送部のガイド部を開こうとしたときに、ガイド部材が装置内の他の部材等と干渉してしまうため、円弧状搬送部を外部に露呈させることが困難である。
本発明の目的は、円弧状搬送部から紙送りローラ対に送られる用紙(被搬送物)をガイドする構造を備えつつ、ガイド部を開閉させることにより円弧状搬送部を外部に露呈させることを可能として、略U字状の搬送経路における高い搬送安定性と詰まった被搬送物の除去性を備えた情報処理装置を提供することである。
上記目的を達成することのできる本発明に係る情報処理装置は、装置ケース内に、略円弧状に湾曲した円弧状搬送部を構成する、中間ローラ及び円弧状のガイド面を有するガイド部を備え、前記円弧状搬送部から送り出されてきた被搬送物を挟持して処理位置に向かって搬送する紙送りローラ対が前記円弧状搬送部の出口端から所定距離離れた位置に設けられている情報処理装置であって、前記ガイド部は、前記円弧状搬送部の出口端から前記紙送りローラ対側に突出して前記紙送りローラ対に向けて送られる被搬送物をガイドする補助ガイド部材を備えるとともに、前記ガイド部の外側に位置する前記装置ケースの外壁部とともに前記補助ガイド部材を含め一体的に回動して前記円弧状搬送部を外部に露呈するように開閉可能であり、前記ガイド部が閉じた位置で前記回動を規制する錠止部の施錠及び解錠を操作可能な開閉レバーと、前記開閉レバーによる前記錠止部の解錠操作に連動して前記補助ガイド部材を前記紙送りローラ対から離れる方向に退避させる補助ガイド連動機構とを備えていることを特徴としている。
このような構成の情報処理装置は、円弧状搬送部から紙送りローラ対に送られる被搬送物をガイドする補助ガイド部材を備えているため、円弧状搬送部と紙送りローラ対との間の搬送を安定させることができる。また、開閉レバーにより錠止部を解錠したときにはその解錠操作に連動して補助ガイド部材が紙送りローラ対から離れる方向に退避するため、補助ガイド部材が装置内の他の部材に干渉することなくガイド部を回動して開くことができ、円弧状搬送部を外部に露呈させることが可能となっている。そのため、万が一被搬送物が詰まった場合でも、補助ガイド部材が設けられていない場合と同様にガイド部を開いてその被搬送物を取り出すことが容易である。
また、本発明に係る情報処理装置において、前記補助ガイド部材は、前記錠止部の解錠位置から施錠位置への移動に連動して前記紙送りローラ対へ向かって進退移動することが好ましい。
このような構成の情報処理装置は、ガイド部が閉じた位置で錠止部が施錠されたときに、その動きと連動して補助ガイド部材が円弧状搬送部の出口端から紙送りローラ対側に突出した位置に配置されるため、当該情報処理装置を稼動させて被搬送物を搬送する際には、円弧状搬送部から紙送りローラ対に送られる被搬送物を必ずガイドすることができる。
また、本発明に係る情報処理装置において、前記補助ガイド連動機構は、前記開閉レバーの解錠操作に伴って直線移動する第1ラックと、当該第1ラックに噛合して当該第1ラックの直線移動に伴って回転する第1ピニオンと、前記第1ピニオンと同一方向に回転する第2ピニオンと、前記第2ピニオンに噛合する歯が前記補助ガイド部材の退避方向に沿って配列されて前記第2ピニオンの回転に伴う直線移動によって前記補助ガイド部材を退避させる第2ラックとを備えていることが好ましい。
このような構成の情報処理装置は、第1ピニオンと第2ピニオンとの歯数比を変更する
ことで、第2ラックの直線移動量を任意に調整することが可能であり、施錠及び解錠に必要となる開閉レバーの移動量に規制されずに、補助ガイド部材の直線移動量を自由に設定することができ、必要十分な突出長の補助ガイド部材を円滑に進退移動させることが可能になる。
また、本発明に係る情報処理装置において、前記ガイド部が開いている位置で解錠位置にある前記開閉レバーに当接して、前記錠止部を解錠位置に保持するストッパーが設けられていることが好ましい。
このような構成の情報処理装置は、被搬送物の詰まりを除去するために、開閉レバーを解錠操作してガイド部を開き始めると、錠止部の一端がストッパーによって解錠状態にロックされるため、開閉レバーを解錠操作していた手を開閉レバーから離しても解錠状態が維持され、ガイド部の開閉操作が容易になる。また、ガイド部を開いた状態で補助ガイド部材を退避位置に維持できるため、詰まった被搬送物を除去する際の作業を補助ガイド部材により妨げることもない。そして、詰まっていた被搬送物を除去した後、ガイド部を閉める場合に、ガイド部が正規の閉じた位置に到達するまでは、錠止部がストッパーによって解錠状態に維持されているため、開閉レバーを操作せずとも補助ガイド部材を退避位置に維持でき、補助ガイド部材を他の部材に衝突させることなくガイド部を閉じた位置に戻すことができる。
また、本発明に係る情報処理装置において、前記錠止部は、施錠位置に向けて弾性付勢されていることが好ましい。
このような構成の情報処理装置は、開閉レバーによる解錠操作を行っている時以外には常に錠止部が施錠位置に配置されるため、当該情報処理装置の通常使用時において確実にガイド部を閉じた位置に維持することができる。さらに、上記のストッパーが設けられている場合には、ガイド部を閉じた位置に戻すと、錠止部とストッパーとの係合が外れて、自動的に錠止部が施錠位置になってガイド部が閉じた位置に固定される。すなわち、ガイド部を閉じる際の操作を簡便にすることができる。
また、本発明に係る情報処理装置において、前記補助ガイド部材は、前記紙送りローラ対から離れる方向に退避した際に、前記外壁部とともに一体的に回動する鍔部に格納されることが好ましい。
このような構成の情報処理装置は、補助ガイド部材が鍔部に格納された状態でガイド部の開閉が行われるため、補助ガイド部材が装置の他の部材に接触して破損してしまうことを防止できる。
また、前記補助ガイド連動機構は、前記補助ガイド部材を前記紙送りローラ対から離れる方向に退避させることで前記補助ガイド部材の回動半径を小さくして前記円弧状搬送部を外部に露呈する方向に回動可能とすることが好ましい。
本発明の情報処理装置によれば、円弧状搬送部から紙送りローラ対に送られる被搬送物をガイドする補助ガイド部材を備えているため、円弧状搬送部と紙送りローラ対との間の搬送を安定させることができるとともに、開閉レバーにより錠止部を解錠したときにはその解錠操作に連動して補助ガイド部材が紙送りローラ対から離れる方向に退避するため、ガイド部を開閉させることにより円弧状搬送部を外部に露呈させることができ、詰まった被搬送物を容易に除去することができる。
以下、本発明に係る情報処理装置の実施形態の一例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1〜図7は本発明に係る情報処理装置の一実施形態を示したものであり、図1は本発
明に係る情報処理装置の前面側斜め上方から見た斜視図であり、図2は図1に示した情報処理装置の後面側斜め上方から見た斜視図であり、図3は図1に示した情報処理装置の休止時の用紙繰り出し機構の状態を示す側断面図であり、図4は図1に示した情報処理装置の給紙時の用紙繰り出し機構の状態を示す側断面図であり、図5は図1に示した情報処理装置の印字中の状態を示す側断面図であり、図6は図3に示した開閉カバー及びガイド部との後方から見た分解斜視図であり、図7は図3に示した開閉カバー及びガイド部の前方から見た分解斜視図である。
本実施形態の情報処理装置1は、フロント給・排紙タイプの業務用プリンタであり、図1に示すように、下部ケース3と上部ケース5とから構成される装置ケース7の前面中央に、被搬送物である用紙を装填した略箱形の用紙カセット9が着脱自在に装着されている。また、用紙カセット9の上面開放部を覆うように、印刷が終了した用紙を受ける排紙トレイ11が装備されている。また、装置ケース7の前面の両側には、動作状態を表示する表示部13や、操作部14が設けられている。
装置ケース7内には、図3〜図5に示すように、用紙カセット9に収容されている用紙Pを一枚ずつ装置後方に繰り出す用紙繰り出し機構21と、この用紙繰り出し機構21が繰り出した用紙Pを円弧状の搬送経路に沿って搬送する円弧状搬送部23と、この円弧状搬送部23から搬送されてきた用紙Pを処理位置に挟持搬送する紙送りローラ対25,26と、この紙送りローラ対25,26の下流側の水平搬送部において用紙P上に文字や図形等の画像を記録する処理位置の記録部29と、記録部29によって印刷が済んだ用紙Pを装置前面の排紙トレイ11に排出する排出搬送機構31等が組み込まれている。なお、紙送りローラ対25,26は、一方が駆動ローラ25であり、他方が補助ローラ26である。
装置ケース7内の用紙カセット9、円弧状搬送部23、紙送りローラ対25,26、排出搬送機構31、及び排紙トレイ11は、前面下部の用紙カセット9から一枚ずつ装置後部に繰り出された用紙Pを、円弧状の搬送経路によって装置前面側に方向転換する略U字状の搬送経路を形成している。
用紙繰り出し機構21は、先端に繰り出し用のピックアップローラ33を備えたフレーム34の後端が支持ピン35によって図中上下方向に回動可能に構成されている。この用紙繰り出し機構21は、フレーム34の上下方向の揺動により、用紙カセット9内の最上部の用紙Pに対してピックアップローラ33を接触させることが可能である。用紙繰り出し機構21は、当該情報処理装置1の休止時には図3に示すようにフレーム34が水平に維持されて、ピックアップローラ33が用紙カセット9上の用紙Pから離れた状態に保たれる。そして、情報処理装置1の給紙時には、支持ピン35を中心とするフレーム34の下方への回動によって、図4に示すように、ピックアップローラ33が用紙カセット9上の用紙Pに押し付けられ、ピックアップローラ33の回転によって用紙カセット9上の用紙Pが傾斜した分離パッド36に当接して、その摩擦力と用紙Pのこしの強さによって分離されながら、一枚ずつ円弧状搬送部23側に繰り出される。給紙が済んで、記録部29によって印刷が開始される時には、図5に示すように、フレーム34は元の水平状態に戻される。
円弧状搬送部23は、図3〜図5に示すように、搬送経路の外側(情報処理装置1の背面側)に設けられ略円弧状に湾曲したガイド面37を有するガイド部38と、搬送経路の内側(情報処理装置1の前面側)に設けられガイド面37の下方から上方に向かって用紙Pを送る中間ローラ39とを備えた構成である。また、ガイド部38には、下方側に設けられたリタードローラ22と、上方側に設けられたアシストローラ24を有している。そして、ピックアップローラ33によって送り出された用紙Pは、中間ローラ39とリター
ドローラ22とによって挟持されて搬送され、さらに中間ローラ39とアシストローラ24とによって挟持されて搬送される。これにより、用紙Pは、円弧状の搬送経路に沿って搬送され、その先端部が前面側へ向けられてU字状搬送経路の直線状経路へ送り出される。
紙送りローラ対25,26は、円弧状の搬送経路の出口端(円弧状搬送部23の下流側端部)から装置前面側に所定距離離れた位置に設けられており、図5に示すように、円弧状搬送部23から略直線状の経路で送り出されてきた用紙Pを挟持して処理位置である記録部29の下に搬送する。
本実施形態の場合、図2〜図6に示すように、ガイド部38の後方に位置する装置ケース7の後面の外壁部が、一対の開閉レバー41,42のスライド操作による施錠・解錠操作によって開閉可能な開閉カバー16として形成されている。そして、この開閉カバー16の内側にガイド部38が一体的に取り付けられている。したがって、この開閉カバー16を開くことで、円弧状の搬送経路を外部に露出させることができる。
以下、開閉カバー16の開閉構造と、開閉カバー16に一体的に取り付けられたガイド部38について詳述する。
開閉カバー16は、図6に示すように、湾曲した後面壁16aと、その両側に一体形成された略半月型の側壁16bとを備えていて、側壁16bの下部には、支持ピン16cが突設されている。開閉カバー16は、両側の支持ピン16cを装置ケース7の対応箇所に回転自在に嵌合させることで、図3に示すように、該支持ピン16cを回転支点とする半径R1の回動半径で回動可能な状態で装置ケース7に結合されている。また、開閉カバー16には、図7に示すように装置内に向けて形成された庇状の鍔部16eが一体的に設けられている。
開閉カバー16に取り付けられた開閉レバー41,42は、図6及び図7に示すように、開閉カバー16の裏面に装着されるスライドガイド41a,42aと、これらのスライドガイド41a,42aによって図6及び図7に矢印A,Bで示す装置幅方向に直線移動(スライド)可能に保持されるレバー本体41b,42bと、これらのレバー本体41b,42bを互いに離間する方向に弾性付勢するばね(図示省略)とを備えている。
また、開閉レバー41,42には、開閉カバー16に開口させたレバー操作用の開口部16d(図6参照)から突出するツマミ45,46と、図8に示すように側壁16bの外側に突出することで、装置ケース7側の錠止孔に挿入される錠止部としての錠止棒47,48とが一体的に形成されている。
錠止棒47,48の先端が装置ケース7側の錠止孔に挿入された状態が施錠状態であって、この状態では開閉カバー16を開くことができない。施錠状態では、上記ばねの弾性力により錠止棒47,48が施錠位置に向けて付勢されているため、開閉レバーによる解錠操作を行わない限り常に錠止棒47,48が施錠位置に配置される。そのため、情報処理装置1の通常使用時において確実に開閉カバー16を閉じた位置に維持することができる。
そして、この施錠状態では、開閉カバー16の開口部16dに突出している一対のツマミ45,46は、図8に示すように、一定距離Lだけ離間した状態にある。この状態で、図8に示すように、ツマミ45,46の外側面を矢印A,Bに示すように、互いに接近する方向に押圧すると、前記ばねの弾性力に抗して一対の錠止棒47,48が装置の幅方向の内側にスライド移動する。
図9及び図10に示すようにして、ツマミ45,46が互いに接触するまで押圧されると、それに伴う錠止棒47,48のスライド移動によって、各錠止棒47,48の先端は、開閉カバー16の幅寸法内に収まる位置まで退避した状態になる。これによって、各錠止棒47,48は、装置ケース7側の錠止孔から完全に離脱し、装置ケース7との錠止が解除された解錠状態になる。この解錠状態にすることで、開閉カバー16は後方に開くことが可能になる。
ガイド部38は、図7に示すように、開閉カバー16の裏面に固定されるガイド本体38aと、このガイド本体38a上に装置の幅方向に所定の離間間隔で立設された多数のリブ38bとを備えた構成で、各リブ38bの端縁に形成した湾曲面が、円弧状のガイド面37を形成する。
また、ガイド部38には、図5〜図7に示すように、ガイド面37の出口端から紙送りローラ対25,26側に突出して紙送りローラ対25,26に向けて送られる用紙Pをその自重により押さえて、浮き上がりやスキューの発生を防止する補助ガイド部材51が取り付けられている。この補助ガイド部材51は、図7に示すように、用紙Pの浮き上がりを抑えるための突起51aを、装置の幅方向に適宜間隔で配置した略櫛歯状の構造体である。
本実施形態の情報処理装置1では、開閉レバー41,42の施錠・解錠動作に連動して補助ガイド部材51を紙送りローラ対25,26に対して進行・退避させ、開閉レバー41,42の解錠動作時には補助ガイド部材51を紙送りローラ対25,26から離れる方向に退避させる補助ガイド連動機構53が装備されている。
補助ガイド連動機構53は、第1のラック・ピニオン55と第2のラック・ピニオン57とから構成されている。
第1のラック・ピニオン55は、図7に示すように、開閉レバー41,42の施錠時及び解錠時のスライド操作に伴ってスライド移動する第1ラック61と、この第1ラック61に噛合してこの第1ラック61の移動により回転駆動される一対の第1ピニオン63とからなり、第1ラック61は開閉レバー41のレバー本体41bに一体形成されている。
第2のラック・ピニオン57は、第1ピニオン63と同軸に一体形成されて第1ピニオン63と一体回転する第2ピニオン65と、この第2ピニオン65に噛合する歯が補助ガイド部材51の進退方向に沿って配列されて、第2ピニオン65の回転に伴う直線状の進退動によって補助ガイド部材51に進退移動を付与する第2ラック67とからなる。第2ラック67は、歯が第1のラックの移動方向と直交する方向に並んでいて、第2ピニオン65の回転によって、第1ラック61の移動方向と直交する方向に直線移動する。
開閉レバー41,42のツマミ45,46が解錠操作されないとき、すなわち施錠状態にあるときは、図3に示したように補助ガイド部材51の先端部は、支持ピン16cからの回転半径がR2であり、その状態のまま支持ピン16cを中心に開閉カバー16を回動させると、補助ローラ26を支持している支持機構70に干渉してしまう。しかし、開閉レバー41,42のツマミ45,46を解錠操作して、補助ガイド連動機構53によって補助ガイド部材51が紙送りローラ対25,26から離れる方向に退避した状態では、図11に示すように、補助ガイド部材51の先端部は、支持ピン16cからの回転半径がR3の位置に移動していて、その状態のまま支持ピン16cを中心に回動させても、補助ローラ26を支持している支持機構70に干渉することがなく、開閉カバー16を安全に開くことができる。また、補助ガイド部材51は、その退避した状態では鍔部16eの内側(下側)に格納されるため、補助ガイド部材51の先端が装置内の他の部材に接触して破
損することが防がれる。
図12は開閉レバー41,42を解錠状態にして開閉カバー16を開いている途中の状態の斜視図であり、図13は図12に示した開閉カバー16の裏面のガイド部38から補助ガイド部材51を取り外して、第1のラック・ピニオン55の第1ラック61が露出した状態の斜視図である。図13及び図14に示すように、開閉レバー41,42を解錠状態にして開閉カバー16を開いた時に、解錠位置にスライド移動している開閉レバー41,42の一端41d,42dに当接して、錠止棒47,48を解錠位置にロックするストッパー73,73が、装置ケース7の後端下部に固定装備されている。ストッパー73は、開閉カバー16の下縁が対向する装置ケース7の後端部に形成された係止壁である。
なお、開閉カバー16を閉じた状態では、開閉レバー41,42の一端41d,42dは、ストッパー73,73に係合する位置から外れて、開閉レバー41,42の施錠・解錠動作に影響を与えない。
また、補助ガイド連動機構53は、錠止棒47,48が解錠位置から施錠位置へ移動することに伴って補助ガイド部材51を紙送りローラ対25,26へ向かって進行移動させる。すなわち、開閉カバー16が閉じられた時に錠止棒47,48が施錠位置へ移動する動きと連動して補助ガイド部材51が円弧状搬送部23の出口端から紙送りローラ対25,26側に突出した位置に自動的に配置される。そのため、開閉カバー16が閉じた位置にあり情報処理装置1を稼動させて用紙Pを搬送する際には、円弧状搬送部23から紙送りローラ対25,26に送られる用紙Pを補助ガイド部材51によって必ずガイドすることができる。
以上説明した情報処理装置1では、円弧状搬送部23から紙送りローラ対25,26に送る用紙Pの浮き上がりやスキューの発生を防止する補助ガイド部材51が装備されているため、円弧状搬送部23と紙送りローラ対25,26との間の搬送を安定化、高精度化することができる。そして、補助ガイド部材51は、装置ケース7の開閉カバー16の内面に取り付けられるガイド部38に取り付けられる構成のため、装置ケース7側に補助ガイド部材51を支持する専用の機構等を組み付ける必要がなく、補助ガイド部材51の装備が装置ケース7側への組み付け部品の増加による組み立て工程の煩雑化を招くこともない。
また、紙ジャム等によって円弧状搬送部23内又はその周辺で紙詰まりが発生した場合には、開閉レバー41,42を解錠操作して、図15に示すように開閉カバー16とともにガイド部38を開くことで紙詰まり部位を露出させるが、開閉レバー41,42を解錠操作した時には、開閉レバー41,42の動作に連動して補助ガイド部材51がガイド部38内に退避して、図11に示したように、ガイド部38から紙送りローラ対25,26側への補助ガイド部材51の突出量が小さくなっている。さらに、補助ガイド部材51が鍔部16eに格納され、他の部材との接触から保護されている。そのため、開閉カバー16と一体のガイド部38の開閉操作に際して、補助ガイド部材51が周囲の支持機構70等に干渉することを回避することができ、補助ガイド部材51の干渉を回避するために装置ケース7内の他の機構等のレイアウトが圧迫されることがなく、ガイド部38の開閉構造を無理なく装備することが可能になる。
そして、開閉カバー16を開くことで紙詰まり部位を露出(図15参照)できるため、紙ジャム等による紙詰まりが発生した場合でも、詰まっている紙に直接的にアクセスできて、用紙Pを除去し、紙詰まりを速やかに解消することができる。
また、上記実施形態の情報処理装置1では、紙ジャム等による紙詰まりを解消するために、開閉レバー41,42を解錠操作して、開閉カバー16を開き始めると、開閉レバー41,42の一端41d,42dが装置ケース7側のストッパー73によって解錠状態に
ロックされる。そのため、開閉レバー41,42を解錠操作していた手を開閉レバー41,42から離しても解錠状態が維持され、開閉カバー16の開閉操作が容易になる。また、開閉カバー16を開いた状態で補助ガイド部材51を退避位置に維持できるため、詰まった用紙Pを除去する際の作業を補助ガイド部材51により妨げることもない。
そして、紙詰まりしていた用紙Pを除去した後、開閉カバー16を閉める場合に、開閉カバー16が正規の閉じた位置に到達するまでは、錠止棒47,48がストッパー73によって解錠状態に維持されているため、開閉レバー41,42を操作せずとも、補助ガイド部材51を他の部材に衝突させることなく開閉カバー16を閉じた位置に戻すことができる。さらに、開閉カバー16を閉じた位置に戻すと、開閉レバー41,42とストッパー73との係合が外れて、ばねの弾性力により自動的に開閉レバー41,42が施錠位置に移動して開閉カバー16が装置ケース7に固定される。すなわち、開閉カバー16を閉じる際の操作も簡便にすることができる。
また、上記情報処理装置1では、第1ピニオン63と第2ピニオン65との歯数比を変更することで、第2ラック67の直線移動量を任意に調整することが可能で、施錠・解錠に必要となる開閉レバー41,42の移動量に規制されずに、補助ガイド部材51の直線移動量を自由に設定することができ、必要十分な突出長の補助ガイド部材51を円滑に進退移動させることが可能になる。
また、第1ラック61を開閉レバー41に一体形成しているため、例えば、第2ラック67を補助ガイド部材51に一体形成した構成とすれば、補助ガイド部材51を進退移動させる補助ガイド連動機構53としての独立した部品を削減することができ、組み立てする部品点数の削減により、組み立て工程を単純化することもできる。
なお、本発明に係る情報処理装置は、上記の実施形態として説明したプリンタに限らない。例えば、コピー機、ファックス、紙幣両替機、発券機など、上記実施形態と同様な略U字状の搬送経路、又は上記の円弧状搬送部が複数装備される複雑な搬送経路が被搬送物の搬送路として装置ケース内に装備される各種機器に応用することができる。
本発明に係る情報処理装置の一実施の形態の前面側斜め上方から見た斜視図である。 本発明に係る情報処理装置の一実施の形態の後面側斜め上方から見た斜視図である。 図1に示した情報処理装置の休止時の用紙繰り出し機構の状態を示す側断面図である。 図1に示した情報処理装置の給紙時の用紙繰り出し機構の状態を示す側断面図である。 図1に示した情報処理装置の印字中の状態を示す側断面図である。 図3に示した開閉カバー及びガイド部との後方から見た分解斜視図である。 図3に示した開閉カバー及びガイド部の前方から見た分解斜視図である。 図3に示したガイド部の開閉レバーが施錠状態にある時の正面図である。 図2に示した情報処理装置の開閉レバーを解錠状態にしたときの開閉カバーの後方からの斜視図である。 図3に示したガイド部の開閉レバーが解錠状態にある時の正面図である。 図1に示した情報処理装置の開閉レバーを解錠状態にしたときの補助ガイド部材の退避状態を示す側断面図である。 図2に示した情報処理装置の開閉カバーの開途中の状態の斜視図である。 図12に示した開閉カバーから補助ガイド部材を取り外して、第1のラック・ピニオンのラックが露出した状態の斜視図である。 開閉レバーを解錠状態にロックするストッパーが装備された本体ケースの後端部の上方から見た斜視図である。 図2に示した情報処理装置の開閉カバーを開いた状態の斜視図である。
符号の説明
1:情報処理装置、3:下部ケース、5:上部ケース、7:装置ケース、9:用紙カセット、11:排紙トレイ、16:開閉カバー、21:用紙繰り出し機構、23:円弧状搬送部、25,26:紙送りローラ対、29:記録部、31:排出搬送機構、33:ピックアップローラ、34:フレーム、35:支持ピン、37:ガイド面、38:ガイド部、39:中間ローラ、41,42:開閉レバー、41a,42a:スライドガイド、41b,42b:レバー本体、45,46:ツマミ、47,48:錠止棒、51:補助ガイド部材、53:補助ガイド連動機構、55:第1のラック・ピニオン、57:第2のラック・ピニオン、61:第1ラック、63:第1ピニオン、65:第2ピニオン、67:第2ラック、73:ストッパー

Claims (7)

  1. 装置ケース内に、略円弧状に湾曲した円弧状搬送部を構成する、中間ローラ及び円弧状のガイド面を有するガイド部を備え、
    前記円弧状搬送部から送り出されてきた被搬送物を挟持して処理位置に向かって搬送する紙送りローラ対が前記円弧状搬送部の出口端から所定距離離れた位置に設けられている情報処理装置であって、
    前記ガイド部は、前記円弧状搬送部の出口端から前記紙送りローラ対側に突出して前記紙送りローラ対に向けて送られる被搬送物をガイドする補助ガイド部材を備えるとともに、前記ガイド部の外側に位置する前記装置ケースの外壁部とともに前記補助ガイド部材を含め一体的に回動して前記円弧状搬送部を外部に露呈するように開閉可能であり、
    前記ガイド部が閉じた位置で前記回動を規制する錠止部の施錠及び解錠を操作可能な開閉レバーと、
    前記開閉レバーによる前記錠止部の解錠操作に連動して前記補助ガイド部材を前記紙送りローラ対から離れる方向に退避させる補助ガイド連動機構とを備えていることを特徴とする情報処理装置。
  2. 請求項1に記載の情報処理装置であって、
    前記補助ガイド部材は、前記錠止部の解錠位置から施錠位置への移動に連動して前記紙送りローラ対へ向かって進退移動することを特徴とする情報処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
    前記補助ガイド連動機構は、前記開閉レバーの解錠操作に伴って直線移動する第1ラックと、当該第1ラックに噛合して当該第1ラックの直線移動に伴って回転する第1ピニオンと、前記第1ピニオンと同一方向に回転する第2ピニオンと、前記第2ピニオンに噛合する歯が前記補助ガイド部材の退避方向に沿って配列されて前記第2ピニオンの回転に伴う直線移動によって前記補助ガイド部材を退避させる第2ラックとを備えていることを特徴とする情報処理装置。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
    前記ガイド部が開いている位置で解錠位置にある前記開閉レバーに当接して、前記錠止部を解錠位置に保持するストッパーが設けられていることを特徴とする情報処理装置。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
    前記錠止部は、施錠位置に向けて弾性付勢されていることを特徴とする情報処理装置。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
    前記補助ガイド部材は、前記紙送りローラ対から離れる方向に退避した際に、前記外壁部とともに一体的に回動する鍔部に格納されることを特徴とする情報処理装置。
  7. 請求項1から6の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
    前記補助ガイド連動機構は、前記補助ガイド部材を前記紙送りローラ対から離れる方向に退避させることで前記補助ガイド部材の回動半径を小さくして前記円弧状搬送部を外部に露呈する方向に回動可能とすることを特徴とする情報処理装置。
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