JP4639393B2 - カップ状商品の倒立方法及びその装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、カップ状商品(例えば、ヌードルが充填されたカップ状商品等)の倒立方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記カップ状商品は略円錐状であり、全体を起立状態にして集積すると、無駄な空間が生じ、結果として広いスペースを必要とし、さらに大きな包装用箱が必要となり、しかも、その後の格納及び運搬時におけるスぺース効率が妨げられる等の問題が残されていた。そこで、本件出願人は、前記カップ状商品を前後左右方向交互等に倒立させるカップ状商品の自動集積装置を提案した(特許第2660648号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術に示したカップ状商品の自動集積装置に開示されたカップ状商品の倒立装置は、カップ状商品の各移送路の上方に設けた反転アームをエアーシリンダによって上下揺動させるものであり、該エアーシリンダによる反転アームの正確な上下揺動制御が必要であった。
【0004】
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、制御が容易で、且つ簡単な構造であり、前記カップ状商品の倒立を有効且つ迅速に行うことができる方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の本発明のカップ状商品の倒立方法は、起立状態のカップ状商品を摩擦係数の大きいベルトコンベアにより移送し、カップ状商品の移送方向へ揺動自在であって揺動負荷の調整が可能な揺動杆を前記ベルトコンベアの上方から適時に下降させ、前記揺動杆に前記起立状態で移送されたカップ状商品の移送方向前端上部を当接させ、その後、カップ状商品の移送及び該移送に合わせた前記揺動杆の揺動中心の上昇制御により該カップ状商品を反転させることからなり、好ましくは、前記揺動杆を摩擦係数の大きい素材とするものである(請求項2)。
【0006】
請求項3に記載の本発明のカップ状商品の倒立装置は、カップ状商品が起立状態で移送される摩擦係数の大きいベルトコンベアと、該ベルトコンベアの上方に配設され、前記カップ状商品の移送方向へ揺動自在且つ揺動負荷の調整が可能な揺動杆であって、揺動中心が適時に下降することにより、移送されたカップ状商品の移送方向前端上部に当接するとともに、前記カップ状商品の移送に合わせて前記揺動中心が上昇制御される揺動杆と、を備えてなり、好ましくは、前記揺動杆を摩擦係数の大きい素材とするものである(請求項4)。
【0007】
【発明の実施の形態】
図面は、本発明の一実施の形態を示すもので、図1はカップ状商品の自動集積装置の全体を示す側面図、図2は図1の概略平面図、図3はカップ状商品の搬入部を示す斜視図、図4は本発明の倒立装置の要部斜視図、図5乃至図7は本発明によるカップ状商品の倒立工程を示す側面図、図8はカップ状商品の集積状態を示す斜視図である。
【0008】
カップ状商品Gは、図面に示すごとく、製造ラインLから一列、かつ起立状態で供給され、その後の移送過程に設けられた本発明によって、適時に倒立等させられて、コンパクトに集積されて箱詰包装等される。
【0009】
すなわち、本発明により、カップ状商品Gが、図8に示すように、前後左右方向一つ交互に倒立させて集積することができ、積重ねて箱詰包装等する場合には、それぞれ同一面が突き合わされた状態に倒立集積することができる。
【0010】
本発明のカップ状商品の倒立方法及びその装置へは、カップ状商品Gが起立状態で移送される。図面実施例では、前記製造ラインLから一列、かつ起立状態で供給されたカップ状商品Gが三列の移送路、すなわち、a列、b列及びc列に振り分けられる例が示されている。
【0011】
すなわち、前記製造ラインLから一列、かつ起立状態で搬入ベルトコンベア1上にカップ状商品Gが供給される。そして、該供給されたカップ状商品Gは、振分け装置2によって、順次、a列、b列及びc列へ振分けられる。
【0012】
前記振分け装置2は、前記搬入ベルトコンベア1の上面中央部に供給されたカップ状商品Gを左右の移送路、すなわち、前記a列及びc列に振り分ける振分け杆3とその駆動装置4で構成されている。
【0013】
前記駆動装置4は、前記搬入ベルトコンベア1の上方に設けられた前記カップ状商品Gの上方ガイド板5の上面に支持され、一般にハイロータと言われ、いわゆる、自動車のワイパーのごとく所定角度で往復動する駆動杆6を有する。
【0014】
そして、前記振分け杆3は、前記駆動杆6の先端に下向きに、前記搬入ベルトコンベア1の上面部に向けて設けられる。したがって、前記上面ガイド板5には、前記振分け杆3が弧を描いて移動するための長孔7が設けられている。
【0015】
前記構成の振分け装置2は、前記搬入ベルトコンベア1の上面中央部に供給されたカップ状商品Gを中央の移送路以外、すなわち、b列以外に振り分ける場合に働く。
【0016】
すなわち、前記搬入ベルトコンベア1の上面中央部に供給されたカップ状商品Gを中央の移送路、すなわち、b列に移送する場合には、予め、前記振分け杆3は前記a列側、あるいはc列側に退避させられる。その結果、カップ状商品Gは直進してそのままb列に供給される。
【0017】
つぎに、前記搬入ベルトコンベア1の上面中央部に供給されたカップ状商品Gをa列に振り分ける場合には、予め、前記振分け杆3が反対側のc列に退避させられ、前記搬入コンベア1の中央部に供給されたカップ状商品Gにタイミングを合わせて前記振分け杆3が前記a列側に移動させられ、前記搬入ベルトコンベア1の中央部に供給されたカップ状商品Gを押圧して該カップ状商品Gを前記a列に移動させる。
【0018】
さらにまた、前記搬入ベルトコンベア1の上面中央部に供給されたカップ状商品Gをc列に振り分ける場合には、予め、前記振分け杆3が反対側のa列に退避させられ、前記搬入ベルトコンベア1の中央部に送られてきたカップ状商品Gにタイミングを合わせて前記振分け杆3が前記c列側に移動させられ、前記搬入ベルトコンベア1の中央部に送られてきたカップ状商品Gを押圧して該カップ状商品Gを前記c列に移動させる。
【0019】
前記振分け装置2は、予め、定められたプログラムによってその駆動が制御され、前記搬入ベルトコンベア1上のa列、b列及びc列のそれぞれにカップ状商品Gを均等に振り分け供給する。したがって、前記搬入ベルトコンベア1は摩擦係数を大きくする必要はない。
【0020】
前記本発明の倒立方法を実施する倒立装置は、前記振分け装置の前方に設けられる。まず、前記搬入ベルトコンベア1と連続させて、移送路、すなわち、前記a列、b列及びc列に振り分けられたカップ状商品Gを移送する摩擦係数の大きいベルトコンベア8が設けられる。なお、該ベルトコンベア8の摩擦係数は、予め、ベルトコンベアの素材を選択することにより、あるいは表面を粗面加工等することにより大きくすることができる。
【0021】
さらに、前記摩擦係数を大きくしたベルトコンベア8の上方に、すなわち、前記a列、b列、c列の上方に、それぞれ前記カップ状商品Gの移送方向へ揺動自在で、適時に下降して移送されたカップ状商品Gの移送方向前端上部に当接する昇降自在の揺動杆9が設けられる。
【0022】
前記揺動杆9は、図4に示すごとく、移送されたカップ状商品Gの移送方向前端上部の両側に当接するように二本で構成することが望ましい。もっとも、必ずしも二本に構成する必要はなく、適宜一体化して、移送されたカップ状商品Gの移送方向前端部に均等に当接するように構成してもよい。
【0023】
本発明では、前記揺動杆9は、エアシリンダ10により昇降自在に構成されている。すなわち、前記エアシリンダ10のピストンロッド11の下端部に、水平支持杆12を設け、該水平支持杆12の先端にピン13により揺動自在に吊り下げられている。したがって、ピン13が揺動杆9の揺動中心であり、この揺動中心が前記エアシリンダ10により昇降制御されることになる。
【0024】
そして、前記ベルトコンベア8の上面近くに下降させた場合には、移送されたカップ状商品Gが当接して該カップ状商品Gに押圧されて、その移送方向へ揺動させられる構成になっている。
【0025】
なお、前記揺動杆9も前記ベルトコンベア8と同様に、摩擦係数の大きい素材で構成することが好ましく、具体的には、適宜の硬度及び可撓性をも有する棒状のゴムが使用された。図中、14は前記揺動杆9のカップ状商品Gの移送方向への揺動負荷の調整杆であり、下端に錘14aを有する。
【0026】
図5乃至図7には、前記本発明の装置によるカップ状商品Gの倒立工程が示されている。まず、前記摩擦係数の大きいベルトコンベア8上に起立状態でカップ状商品Gが移送され、その移送方向前端上部が前記揺動杆9に当接させられる(図5参照)。
【0027】
そして、前記ベルトコンベア8の摩擦係数が大きいため前記カップ状商品Gは後方にスリップさせられることなく、前方への移送が継続される。そして、該カップ状商品Gの移送により、前記揺動杆9が少々カップ状商品Gの移送方向に揺動させられた状態となり、同時に前記エアシリンダ10によって上昇制御され、前記カップ状商品Gの移送方向前端上部が上方に徐々に持ち上げられる(図6参照)。そして、さらに前記カップ状商品Gの移送に合わせて前記揺動杆9が上昇制御され、最終的に該カップ状商品Gが反転倒立させられる(図7参照)。
【0028】
なお、該カップ状商品Gの倒立後、前記揺動杆9はカップ状商品Gの移送路より上方に位置させられ、その後に移送されるカップ状商品Gを倒立させる必要がない場合には、そのままの状態が一時的に保持され、倒立が必要とされる場合に再び下降させられる。
【0029】
また、前記カップ状商品Gの倒立は、前記a列、b列、c列において、必ずしも交互に行われるものではなく、段積み等する場合には、起立状態、あるいは倒立状態が連続させられる場合がある。しかしながら、本発明によれば、前記いずれの場合であっても、前記a列、b列、c列にそれぞれ設けた倒立装置の各エアシリンダ10を、予め、定められたプログラムによって制御することにより容易である。
【0030】
前記のごとくして、移送路、すなわち、前記a列、b列及びc列に適時に倒立が行われ、さらにベルトコンベア15、ローラコンベア16により移送され、詳細を図示しないが、ストッパー制御装置17、集積及び段積み装置18、さらには、箱詰め包装装置19等へ移送される。
【0031】
【発明の効果】
本発明の方法及び装置によれば、制御が容易で、簡単な構造で、適時にカップ状商品を倒立させて有効且つ迅速に集積することができ、無駄な空間が省かれ、集積面積を小さくすることができ、したがって、包装用箱の小型化、該小型化に伴う格納及び運搬時におけるスペースの効率化が図られ、しかもガタツキが押さえるためにスペーサを必要としない等、経済的である効果がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カップ状商品の自動集積装置全体の側面図である。
【図2】図1の概略平面図である。
【図3】カップ状商品の搬入部を示す斜視図である。
【図4】本発明の倒立装置の要部斜視図である。
【図5】カップ状商品の倒立工程を示す側面図である。
【図6】カップ状商品の倒立工程を示す側面図である。
【図7】カップ状商品の倒立工程を示す斜視図である。
【図8】カップ状商品の集積状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
8 (摩擦係数の大きい)ベルトコンベア
9 揺動杆
G カップ状商品
Claims (4)
- 移送されてくるカップ状商品を適時に倒立させる、カップ状商品の自動集積方法におけるカップ状商品の倒立方法であって、起立状態のカップ状商品を摩擦係数の大きいベルトコンベアにより移送し、カップ状商品の移送方向へ揺動自在であって揺動負荷の調整が可能な揺動杆を前記ベルトコンベアの上方から適時に下降させ、前記揺動杆に前記起立状態で移送されたカップ状商品の移送方向前端上部を当接させ、その後、カップ状商品の移送及び該移送に合わせた前記揺動杆の揺動中心の上昇制御により該カップ状商品を反転させることを特徴とするカップ状商品の倒立方法。
- 前記揺動杆が摩擦係数の大きい素材であることを特徴とする請求項1に記載のカップ状商品の倒立方法。
- カップ状商品が起立状態で移送される摩擦係数の大きいベルトコンベアと、該ベルトコンベアの上方に配設され、前記カップ状商品の移送方向へ揺動自在且つ揺動負荷の調整が可能な揺動杆であって、揺動中心が適時に下降することにより、移送されたカップ状商品の移送方向前端上部に当接するとともに、前記カップ状商品の移送に合わせて前記揺動中心が上昇制御される揺動杆と、を備えることを特徴とするカップ状商品の倒立装置。
- 前記揺動杆が摩擦係数の大きい素材であることを特徴とする請求項3に記載のカップ状商品の倒立装置。
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