JP3964971B2 - カップ状商品の自動集積装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カップ状、あるいは椀状の商品(例えば、カップ状、あるいは碗状の容器内に乾燥麺等が内蔵され、お湯を注ぐだけで食することができる商品等・・以下「カップ状商品」と言う。)の自動集積装置に関し、箱詰め時に無駄な空間が生ぜず、その結果として箱材料の節約、さらに格納、運送時のスペ−ス効率が高められ、経済的効果が得られることを特徴とする。
【0002】
【従来の技術】
従来、前記のごときカップ状商品は、安定性を有しない略円錐状であるため、箱詰めに際しては、別に薄いプラスチックからなるトレ−が一般に使用されていた。すなわち、あらかじめカップ状商品の下半分が挿入される凹所を構成したトレ−を準備し、その凹所にカップ状商品の下半分を挿入して安定させ、ダンボ−ル等の箱内に適数段に積重ねて箱詰めしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記のごとく、トレ−を使用してカップ状商品を箱詰めした場合には、その集積面積、すなわち、必要とする箱の大きさは少なくともカップ状商品の大径部の広さの総合計となる。
【0004】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、従来のごとくカップ状商品の全てを起立させることなく、それらの間に交互に反転倒立させたカップ状商品を配列して無駄な空間を省き、集積面積を小さくして包装箱の小型化、該小型化に伴う格納、運送時のスペ−ス効率の向上、さらにスペ−サを不要とした経済的効果が得られる自動集積装置を提供することを目的とする。
【0005】
【問題を解決しようとする手段】
本発明は、前記目的を達成するため、起立状態のカップ状商品を適数列に移送するコンベア上方に、移送された横一列分のカップ状商品の交互列のカップ状商品の先端上部に係止して該交互列のカップ状商品を反転倒立させる反転ア−ム、順次移送された各列の先端部の起立及び倒立カップ状商品を適時にしかも間欠的に前方へ移送する個々に制御可能な各列ストッパ−、該各列ストッパ−制御により適時にしかも間欠的に移送された起立及び倒立カップ状商品を所定各列に振り分けるエア−噴射ノズル、一部倒立させられて横一列のカップ状商品を横適数列にして間欠的に前方へ移送する複数列ストッパ−及び該移送された横適数列のカップ状商品を適時に一括昇降させる積重ね装置が設けられてなる構成としたものである。
【0006】
【作用】
本発明の装置によれば、起立状態のカップ状商品の隣には反転倒立させたカップ状商品を位置させて自動集積することができる。すなわち、カップ状商品の大径部に隣接して小径部を位置させて集積することができ無駄な空間が生ぜず、しかも段積みが可能である。
【0007】
したがって、従来のごとくカップ状商品の大径部同士が隣接させられている場合にくらべて集積面積が小さくなり、箱詰め時の包装箱も小さいもので足り、さらに格納、運搬時のスペ−ス効率も向上させられ、しかも箱内におけるガタツキも押さえられ、スペ−サが不要となる等、経済的効果が得られる。
【0008】
本発明では、起立状態で移送されてきたカップ状商品aが、エア−噴射ノズル6a、6bの働きで適数列にされて前方へ移送され、そしてその交互列に設けられた反転ア−ム7により交互列のカップ状商品aが反転倒立させられる。
【0009】
つぎに順次移送された各列の先端部の起立及び倒立カップ状商品aが、適時にしかも間欠的に前方へ移送する個々に制御可能な各列ストッパ−10、11及びエア−噴射ノズル14、15、16、17の制御により、横一列方向及び移送列方向、さらには積重ね方向が交互列となるように所定各列に振り分けられる。
【0010】
つぎに前記のごとくして、積重ね方向まで交互列となるように振り分けられた横一列分のカップ状商品aが順次前方へ移送され、該移送されたカップ状商品aが複数列ストッパ−18、19により一括箱詰めに適した状態、すなわち、横適数列に、しかも間欠的に前方の積重ね装置22へ移送される。
【0011】
前記積重ね装置22は、移送されてきた横適数列のカップ状商品aに吸盤22aが吸着し、適時に一括して昇降させる構成となっており、最初に送り込まれた横適数列のカップ状商品aを前記吸盤22aにより一時的に持ち上げ、その下方に送り込まれたカップ状商品aの上に下降させて適数段に積重ねるように作用する。
【0012】
そして、前記のごとくして積重ねられたカップ状商品aがプッシャ−23により図示しない箱詰装置への移送路24へ送られ、自動包装装置により箱詰めされる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明では、カップ状商品aが図5に示された状態に自動集積される。すなわち、平面的に見た場合には、それぞれ隣接するカップ状商品aが交互に起立、倒立を繰り返す状態とされ、積重ねに際してはそれぞれ同一面が突き合わされる状態とされる。
【0014】
まず、前記カップ状商品aを適数列に移送するコンベア1が構成される。図面実施の形態では、該コンベア1がベルトコンベア1a、ベルトコンベア1b、ベルトコンベア1c及びロ−ラコンベア1dで構成され、カップ状商品aを三列に移送する構成になっている。
【0015】
そして前記各ベルトコンベア1a乃至1c及び前記ロ−ラコンベア1dの後述する積重ね部を除く両側上部には外側ガイド2が設けられ、さらにベルトコンベア1a、ベルトコンベア1cの略中間部及びロ−ラコンベア1dの後述する複数列ストッパ−18、19部を除き移送されるカップ状商品aをガイドする列間ガイド3が設けられ、さらにまた、後述する反転ア−ム7部及び前記ロ−ラコンベア1dの積重ね部を除くカップ状商品aの上方には該カップ状商品aと小間隔をあけて上方ガイド4が設けられる。
【0016】
なお、前記コンベア1へのカップ状商品aの三列送り込みの一例を示せば、カップ状商品aの製造工程の送り出し移送路5から起立状態で一列に送り出されたカップ状商品aを、図1に示すごとく、送り出し移送路5の出口の両側に設けたエア−噴射ノズル6a、6bから交互に圧縮空気を噴射させる等して左右の移送路b、dに振り分け、中央の移送路cにカップ状商品aを供給する際には前記両側のエア−噴射ノズル6a、6bからの圧縮空気の噴射を止め直進させることにより行われる。
【0017】
さらに、本発明では、前記コンベア1の上方、具体的にはベルトコンベア1bの上方に、移送されたカップ状商品aの先端上部に係止して交互列(図面実施の形態では移送路b及びd)のカップ状商品aを反転倒立させる反転ア−ム7が設けられる。すなわち、ベルトコンベア1bと交差する方向にそれぞれ支持杆8を設け、該それぞれの支持杆8に前記それぞれの反転ア−ム7の略中間部を回動自在に支持しいる。
【0018】
前記反転ア−ム7は、その先端部が適当角度下方に折り曲げられ、必要時に移送されたカップ状商品aの先端上部に係止する係止部7aが構成され、後端には押圧片7bが構成され、さらに係止部7aが重く構成されている。
【0019】
さらに前記押圧片7bの上面にはエア−シリンダ9等のアクチュエ−タの押圧杆9aが当接させられる。そして常時はエア−シリンダ9等のアクチュエ−タが作用させられ、その押圧杆9aにより押圧片7bが押されて下降させられ、したがって先端の係止部7aが移送されたカップ状商品aに係止することがないように制御されている。
【0020】
そして移送された交互列のカップ状商品aを反転倒立させる場合には、エア−シリンダ等9のアクチュエ−タの押圧杆9aを上方に所定ストロ−ク復帰させると、自重によって反転ア−ム7の係止部7aがカップ状商品aの先端上部に係止する位置まで下降させられ、しかも上方への逃げが自在になる。
【0021】
したがって、反転ア−ム7の係止部7aが下降させられた状態で、該係止部7aに移送されてきたカップ状商品aの先端上部が係止すると、ベルトコンベア1bの前方移送力により、カップ状商品aの前部が持ち上げられ、同時に反転ア−ム7の係止部7aも上方に移動させられ、最終的にカップ状商品aが外側ガイド2と列間ガイド3間で反転倒立させられるものである。
【0022】
なお、この反転ア−ム7部分のベルトコンベア1bは、摩擦係数の高いベルトコンベアとすることが望ましい。すなわち、カップ状商品aが反転ア−ム7の係止部7aに係止した後、カップ状商品aがベルトコンベア1b上をスリップすると、反転倒立がスム−ズに行われないことがあるためである。
【0023】
つぎに、前記のごとくしてベルトコンベア1cの上面の両側の移送路b及びdにはそれぞれ倒立状態のカップ状商品a、中央の移送路cには起立状態のカップ状商品aが移送される。
【0024】
本発明では、つぎに前記のごとくしてベルトコンベア1c上に移送された各列の先端部の起立及び倒立カップ状商品aを適時にしかも間欠的に前方へ移送する個々に制御可能な各列ストッパ−10、11が各列に設けられる。
【0025】
すなわち、該各列ストッパ−10、11はカップ状商品aの略一個分の前後幅をあけて前記各移送路b、c、dに設けられ、それぞれエア−シリンダ12、13等のアクチュエ−タによって適時に上下動させられる。
【0026】
具体的には、図2及び図3に示されているように、各列ストッパ−10、11は前記外側ガイド2、列間ガイド3及び上方ガイド4の邪魔にならず、しかも下降時に移送されたカップ状商品aを押し潰したりすることがないようにカップ状商品aの前端両側に係止する二本の棒でそれぞれ構成されている。
【0027】
前記構成において、各列ストッパ−10を下降状態としたまま、各列ストッパ−11を上昇させれば、該各列ストッパ−11に係止していたカップ状商品aを前方へ移送することができ、移送後に各列ストッパ−11を下降させ、各列ストッパ−10を上昇させれば、つぎのカップ状商品aが各列ストッパ−11に係止する。さらに、その後各列ストッパ10を下降させれば両各列ストッパ−10、11間にカップ状商品aが係止した状態となり、順次前記同様操作により各列のカップ状商品aを適時にしかも間欠的に前方へ移送することができる。
【0028】
なお、この移送過程においては、各列ストッパ−10、11で止められたカップ状商品aはベルトコンベア1cの上面をスリップしている状態となるため、ベルトコンベア1cは摩擦係数が適度に低いものがよい。すなわち、カップ状商品aが比較的軽い場合にはさほど問題とならないが、重量がある場合には前記スリップに無理が生じるため、ベルトコンベア1aの素材をカップ状商品aに合わせて選定する必要がある。
【0029】
つぎに、前記各列ストッパ−10、11部に隣接させて該各列ストッパ−10、11の制御により適時にしかも間欠的に移送された起立及び倒立カップ状商品aを所定各列に振り分けるエア−噴射ノズル14、15、16、17が設けられる。
【0030】
図面実施の形態においては、前記エア−噴射ノズル14は、移送路bの倒立カップ状商品aを移送路cに振り分ける場合のみ噴射させられ、移送路bを直進させる場合には噴射が止められる。
【0031】
このことは、前記エア−噴射ノズル17も同様であり、該エア−噴射ノズル17は移送路dの倒立カップ状商品aを移送路cに振り分ける場合に噴射させられ、移送路dを直進させる場合には噴射が止められる。
【0032】
また、エア−噴射ノズル15は、移送路cの起立カップ状商品aを移送路dに振り分ける場合に噴射させられ、移送路cを直進させる場合には噴射が止められる。
【0033】
このことは、前記エア−噴射ノズル16も同様であり、該エア−噴射ノズル16は移送路cの起立カップ状商品aを移送路bに振り分ける場合に噴射させられ、移送路cを直進させる場合には噴射が止められる。
【0034】
前記カップ状商品aの振り分けは、前記各列ストッパ−10、11及びエア−噴射ノズル14、15、16、17をマイコン制御してカップ状商品aが交互列、すなわち、最終的に図5の状態になるように起立及び倒立カップ状商品aの供給及び振り分けが制御される。
【0035】
なお、ここで交互列とは横一列及び移送列方向(前後方向)のみならず、積重ね方向をも含む主旨である。
【0036】
さらに前記のごとくして、交互列とされた横一列分のカップ状商品aが前方へ移送され、一括箱詰めに適した状態、すなわち、横適数列、図面実施例では横二列(計6個)にされ、しかも間欠的に前方へ移送される。そのための複数列ストッパ−18、19がロ−ラコンベア1dの上方に設けられる。。
【0037】
この複数列ストッパ−18、19は、前記した各列ストッパ−10、11と同様に各移送路b、c、dに設けられ同様の上下動するものであるが、各移送路b、c、dのカップ状商品aを横二列にして適時にしかも間欠的に前方へ一括移送するものである。すなわち、各移送路b、c、dにおいて個々に上下動を制御されるものではなく、エア−シリンダ20、21等のアクチュエ−タによって移送路b、c、dにあるものが同時に上下動制御させられるものである。
【0038】
図中、26は前記複数列ストッパ−18、19間へのカップ状商品aの供給を確実にする同様構成の複数列ストッパ−であり、エア−シリンダ29等のアクチュエ−タによって上下動制御される。
【0039】
つぎに前記ロ−ラコンベア1dの前部に、横適数列、図面実施の形態では横二列で移送されてきたカップ状商品aを一括してエア−シリンダ27等のアクチュエ−タで昇降させる積重ね装置22が設けられる。
【0040】
前記ロ−ラコンベア1dは、複数列ストッパ−18、19で待機させられるカップ状商品aの底部摩擦の軽減のほか、積重ねた後に横方向に設けた箱詰め装置(図示せず)に滑りよく積重ね状態を崩さずに移送するために有効である。
【0041】
前記積重ね装置22は、具体的には横二列で送られてきたカップ状商品aの個数分の昇降自在の吸着パッド22aで構成され、複数列ストッパ−19を解除してロ−ラコンベア1d上に供給された横二列(計6個)のカップ状商品aのそれぞれに吸着し、一時的に上昇してその全部を持ち上げ、さらに下降して吸着を解除できる構成となっている。
【0042】
すなわち、複数列ストッパ−19を上昇させてロ−ラコンベア1d上に横二列(計6個)のカップ状商品aが供給されると、それを検知して積重ね装置22が下降してその吸着パッド22aが供給された全部のカップ状商品aの上面に吸着し、上昇してその全部を持ち上げる。
【0043】
その間に複数列ストッパ−19の下降及び複数列スッパ−18の上昇が行われ、複数列ストッパ−19につぎの横二列(計6個)が係止させられている。そして複数列ストッパ−18が下降させられて後続のカップ状商品aの移送が押えられ、複数列ストッパ−19を上昇させると、ロ−ラコンベア1d上につぎの横二列(計6個)のカップ状商品aが送り込まれる。
【0044】
この送り込みを検知して、積重ね装置22が下降させられ、その吸着パッド22aの吸着が解除され、カップ状商品aが二段に積重ねられる。その後二段積みとなったカップ状商品aがエア−シリンダ28等のアクチュエ−タによって押し出されるプッシャ23によって、一括して箱詰め装置(図示せず)への移送路24へ送られ、図示しない自動包装装置により箱詰めされる。
【0045】
図中、25は前記カップ状商品aの自動集積装置と平行に設けた同様構成の自動集積装置であり、前記箱詰装置への前記移送路24を共用し、カップ状商品aの自動集積及び箱詰工程の効率化を図る場合に必要に応じて設けられるものである。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、カップ状商品を横一列方向及び移送列方向(前後方向)のみならず積重ね方向も交互列として集積できるため、無駄な空間が省かれ、集積面積を小さくすることができる。したがって、包装箱の小型化、該小型化に伴う格納、運搬時のスペ−ス効率化が図られ、しがもガタツキが押さえられるためスペ−サが不要となる等の経済的効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の集積装置の概略側面図である。
【図2】本発明の集積装置の概略平面図である。
【図3】反転ア−ム部及び各列ストッパ−部の斜視図である。
【図4】複数列ストッパ−部及び積重ね装置部の斜視図である。
【図5】カップ状商品の集積状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 コンベア
7 反転ア−ム
10、11 各列ストッパ−
14、15、16、17 エア−噴射ノズル
18、19 複数列ストッパ−
22 積重ね装置
Claims (2)
- 起立状態のカップ状商品を適数列に移送するコンベア上方に、移送された横一列分のカップ状商品の交互列のカップ状商品の先端上部に係止して該交互列のカップ状商品を反転倒立させる反転ア−ム、順次移送された各列の先端部の起立及び倒立カップ状商品を適時にしかも間欠的に前方へ移送する個々に制御可能な各列ストッパ−、該各列ストッパ−制御により適時にしかも間欠的に移送された起立及び倒立カップ状商品を所定各列に振り分けるエア−噴射ノズル、一部倒立させられて移送された横一列分のカップ状商品を横適数列にして間欠的に前方へ移送する複数列ストッパ−及び該移送された横適数列のカップ状商品を適時に一括して昇降させる積重ね装置が設けられてなることを特徴とするカップ状商品の自動集積装置。
- 複数列ストッパ−部及び積重ね装置部のコンベアをロ−ラコンベアとした請求項1に記載のカップ状商品の自動集積装置。
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