JP4638593B2 - 液晶素子の製造方法及び加圧装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液晶素子およびその製造方法および加圧治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶素子は、電極などが形成された2枚の基板を用いて製造される。すなわち、2枚の基板をシール剤を介して間隙をもって貼り合わせて複数のセルを一体に形成した後、細長い短冊状に切断した後に、液晶の注入と封孔をする。ここで、封孔の工程では、封孔剤を液晶注入口に塗布し、注入口内部に引き込ませる。
すなわち、図7(a)、(b)に示すように2枚の基板101、102が液晶104が充填される液晶室および液晶注入口を残してシール剤103を介して、貼り合わされた状態の前記短冊状部材110の液晶セル105の集合体に対し液晶104を注入した後、次の手順で封孔を行う。
▲1▼短冊状部材110の全体に平板状のアルミ等よりなる加圧治具120を介して略均一な外力を加えて、液晶セル105の内容積を縮小する(図7(b)参照)。
▲2▼この状態で、注入口107付近に光硬化性樹脂等の封孔剤108を塗布する(図7(c)参照)。▲3▼次に、外圧を取り去る(図7(d)参照)。これにより、セルの復元力により、セルの内容積の縮小が回復する。この回復に伴い、塗布された封孔剤108が注入口107内に吸入される。▲4▼その後、光の照射等により封孔剤108を硬化し封孔を終了する。
なお、封孔終了後は、細長い短冊状の基板を切断して、個々の液晶素子を製造している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上記した従来の液晶素子の製造方法においては、封孔の工程における加圧は平板状の加圧治具による均一な加圧であるため、個々のセルの内容積が十分に縮小せず、このため、縮小回復の際の封孔剤108の注入口107内への吸引が不完全となり易い。このため、封孔が不完全となり、その結果、封孔後の液晶素子のセル内に気泡が発生したり、液晶がセルの外部へ漏れたりする場合がある。この傾向はセルが小型になるほど強くなる。
これは小型になるほどセルの剛性が高まるからである。更には、たとえ封孔が完全に行われた場合であっても、封孔後に低温の環境において、液晶組成物の急激な体積収縮によりセル内が負圧化され、気泡を発生する場合がある。
この傾向は液晶素子が小型になり、セルにおける2枚の基板の剛性が増加すると、セルが液晶の収縮に追随できなくなるため、セル内の負圧化が進むので、気泡が発生しやすくなる。
【0004】
気泡が発生すると液晶素子の透過特性が変化し光バルブまたは表示素子として所望の特性が得られず不良品となることが多い。特にDVDの光ピックアップに用いられる液晶チルドレンズ等のように特性仕様の厳しい液晶素子においては、気泡の発生は製品の不良につながる。
又、前記の封孔不完全による液晶の漏れが液晶素子の製品の不良につながることは言うまでもない。
本発明は従来の液晶素子におけるかかる気泡の発生や封孔不完全による液晶の漏れの問題を解決、改善することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明の製造方法は、電極が形成された2枚の基板についてシール剤を介して間隙をもって貼り合わせ、液晶を注入するための液晶注入口を備えた液晶素子の製造方法において、液晶を2枚の基板間に注入した後、液晶注入口付近に封孔剤を塗布する工程と、封孔剤を塗布する工程の後に、液晶注入口における液晶が注入された部分より外側の部分の両側のみを部分的に加圧する工程と、加圧する工程中に封孔剤を硬化させる工程とを有することを特徴とする。
【0006】
また、部分的に加圧する工程では、液晶が注入された部分は凸状に変形していることを特徴とする。
【0009】
また電極が形成された2枚の大型基板について、間隙をもって前記シール剤を介して貼り合わせて前記液晶注入口を有する複数の液晶セルを形成した後、複数の液晶セルが並ぶように、細長い短冊状に2枚の大型基板を切断する工程を備え、加圧する工程では、複数の液晶セルにおける液晶が注入された部分の両側のみを部分的に加圧することを特徴とする。
【0010】
また上記の課題を解決するために本発明の加圧装置は、電極が形成された2枚の基板について、シール剤を介して間隙をもって貼り合わせ、液晶注入口より液晶を注入した後の液晶セルを加圧する加圧装置であって、複数の凸部を直線状に配置したスペーサと、液晶セルを位置決めする機構とを備え、スペーサの複数の凸部は、液晶注入口における液晶が注入された部分の両側のみを加圧する位置に配置されていることを特徴とする
【0011】
また、この凸部は前記スペーサの両側に備えられ、液晶セルとスペーサとを交互に重ねて配置することを特徴とする。
【0012】
また、封孔の際、凸部を有する加圧治具を用い、その凸部により部分的な加圧を行ってもよい。
【0013】
また、封孔の際、凸部を有するスペーサと液晶素子(液晶素子の集合体も含む。)を交互に積層して加圧してもよい。
【0014】
また、液晶素子の封孔の際に用いる加圧治具には凸部を有するスペーサを備えてもよい。
【0015】
また、液晶素子の封孔の際用いる加圧治具には、凸部を有するスペーサと、液晶素子の位置決めをする液晶素子案内手段と、凸部を有するスペーサの位置決めをするスペーサ案内手段とを備えていてもよい。
【0016】
また、液晶素子の位置決めをする液晶素子案内手段と凸部を有するスペーサの位置決めをするスペーサ案内手段が共通であってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、図面に基づいて本発明の第1の実施の形態である液晶素子の製造方法の説明をする。図1は本発明の第1の実施の形態に係る液晶素子の製造方法特に封孔の方法の原理を示す断面図である。液晶素子は、複数個のセル(液晶素子に対応するセル)が得られるように電極などが形成された2枚の大型基板を用いて製造され,多数個取りと称されている製造方法により製造される。
すなわち、2枚の大形基板を液晶を封止するためのシール剤(間隙を一定とするためのスペーサを入れる場合もある。)を介して間隙をもって貼り合わせて複数のセルを大型基板に一体に形成した後、細長い短冊状に切断し、その後に、液晶を注入し、さらに液晶注入口を封孔をする。図1は前記の切断された細長い短冊状のセルの集合体(以下に短冊という。)の封孔の方法を示す図であり、(a)は封孔剤の塗布の状態を示す斜視図、(b)は短冊に外力が加圧される個所を示す断面図、(c)は加圧による短冊の変形を示す断面図である。
図1において、10は複数のセルを有する大板セルから切断された短冊であり、1は上基板、2は下基、3はシール剤、4はセル5内に注入された液晶、17は液晶注入口、18は封孔剤である。上基板1および下基板2には液晶4の透過率を制御するための図示しない電極などが形成されている。
【0018】
ここで、液晶注入後、封孔の工程では、封孔剤18を液晶注入口17に塗布し、注入口内部に引き込ませる。
すなわち、▲1▼前記短冊10に液晶4が注入された状態で、従来のように短冊部材全体に略均一に外圧を加えることをせずに、まず、液晶注入口17の近傍に光硬化性樹脂等の封孔剤18を塗布する(図1(a)参照)。この際、封孔剤18の塗布に先立ち、液晶注入口17の入り口付近に付着した液晶を拭きとる場合もある。
【0019】
▲2▼次に、セル5の液晶4が注入される部分の外側の部分の上基板1bおよび下基板2b(図1(b)に示す個所)に外圧Pを部分的に加える。このとき、図1(c)の点線に示すように上基板1と下基板2は撓み変形によりセル5の液晶4が注入される部分の外側の部分1b、2bにおいて凹状に変形し、セル5の液晶4が注入される部分において凸状に変形する。このため、セル5の容積は増加しその内部の圧力が外気より低下するので、塗布された封孔剤18は前記液晶注入口17の内部に入り込む。封孔剤18が入り込んだ状態では、セル5内の圧力は外気の圧力に近づく。
▲3▼次に、外圧Pを加えたままの状態で、光の照射や熱等により封孔剤18を硬化することにより封孔を行う。
▲4▼次に、外圧Pを取り去ることにより、封孔の工程を終了する。このとき、凸状のセル5は元に戻ろうとして内部の液晶4を加圧する。このため、セル5内の圧力は封孔時より増加し、外気より十分に高くなる。
【0020】
なお、前記の封孔の工程が終了したの後に、セル5の外側の部分1b、2bにおいて短冊10を切断し、個々の液晶素子に切り離す。
【0021】
ここで、本発明の第1の実施形態で得られる単個の液晶素子に関して説明をする。
上記のようにして得られる本実施形態の個々の液晶素子の形状は、下基板が長辺が略13mmで短辺が略5mmの長方形状をなし、下基板の略中央には上基板が液晶を挟持する如く配設されており、その上基板は略正方形をなし下基板の長辺に対向する上基板の辺の寸法は略5mmであり、また下基板の短辺に対向する上基板の辺の寸法は略5mmである。液晶素子の厚みは略1.4mmである。
このように本発明で制作した液晶素子は従来の液晶素子に比べて極めて小型である。本発明は、このような小型の液晶素子に特に有効であるが、一般的寸法を有する液晶素子に用いても同様な効果と作用を得ることができる。
上記説明では、上基板を下基板の略中央に配設したが、下基板に端部にフレキシブル基板を接続する場合や、下基板に集積回路を実装する場合などは、上基板を上基板を下基板の略中央に配設することはなく、適宜上基板の位置を前もって決めればよい。
上基板と下基板の配置関係や大きさ関係は、上記の開示内容に限定されるものではなく、適宜最適な液晶素子を得るように決めるのがよい。
【0022】
また、切り離された液晶素子おいても、セル5は凸状をなし、その復元力により、セル5内の圧力は十分に高く維持されており、このため、液晶4、封孔剤18等に溶存していた気体が気化して気泡となることは阻止され、液晶素子における気泡の発生は効果的に防止される。
また、液晶素子が温度低下により、セル5内の液晶組成物の急激な体積収縮が生じた場合でも、凸状のセル5の復元力により液晶4への加圧は引き続き行われ、セル5内の圧力は高く維持されるので、負圧により気泡を生ずることは効果的に防止される。
なお、本実施の形態においては、セル5の液晶が注入される部分には直接に外力が加圧されることはないので、この部分に加圧によるキズを生ずることはなく、これによる表示等の品質の低下が防止される。
【0023】
上記の説明においては、外力Pを短冊状部材に加えることによりセル5の液晶が注入される部分の基板が変形して凸状となる場合について述べたが、液晶充填部における当該上基板1と下基板2がもともと凹状である場合には、変形により両基板間の平均的間隔は増加するが、変形後の形状はかならずしも凸状とは限らず凹状又は平板状となっている場合がある。
しかし、いずれの場合においても、封孔後には、両基板1,2は復元力により平均的間隔を減少させてセルの内容積を減少させるよう力が働き、セル内の圧力又は液晶の圧力は、外気の圧力より十分に高くなり、気泡の発生を確実に防止することができる。
【0024】
次に、図1(b)、(c)においては部分的な外力Pが上下の基板1,2に加えられ、これらの基板がともに変形することが示されているが、本実施の形態はこれに限らず、これら基板のいずれか一方のみに部分的な外力(P)が加えられ(反対側の基板は平坦な治具で抑える等する。)、当該一方の基板のみが変形をする場合があり、この場合は封孔後は一方の基板の復元力により、セル内の液晶が加圧されて、セル内の圧力が外気より高くなり、気泡の発生が防止される。
【0025】
なお、本第1の実施の形態における加圧は実際には加圧治具を用いて、ある範囲において行われ、図1(d)に示すように加圧の範囲Wが完全にセル5の液晶4が注入される部分から外れた部分1b、2bの範囲にある場合もあるが、図1(e)に示すように加圧の範囲Wの大部分が当該外れた部分1b、2bにあるが、残りの部分はセル5の液晶4が注入される部分に、はみ出ている場合もある。
図1(d)の場合は図1(b)、(c)に示した部分加圧の効果を有するのは勿論であるが、図1(e)の場合も結果的に図1(b)、(c)に示した部分加圧の効果を有する。
すなわち、本出願において、セルの液晶が注入されている部分から外れた部分を加圧すると言う意味には、厳密に当該外れた部分のみを加圧する場合のほか、前記のように主として当該外れた部分を加圧する場合をも含めるものとする。
【0026】
以上に本発明の第1の実施の形態として液晶素子の製造方法における封孔の1つの方法を説明したが、本発明は第1の実施の形態のように、封孔の際に液晶素子の液晶充填部から外れた部分を加圧する方法に限らず、液晶素子の封孔の際に液晶素子を部分的に加圧する方法が広く含まれる。
その一例である本発明の第2の実施の形態として液晶素子の封孔の際に、液晶充填部を加圧する方法を以下に図2を用いて説明する。
【0027】
▲1▼前記短冊10に液晶4が注入された状態で、従来のように短冊部材全体に略均一に外圧を加えることをせずに、セル5の液晶4が注入される部分に外圧Pを部分的に加える(図2(a)参照)。
この結果、図2(b)の点線に示すように上基板1と下基板2は撓み変形によりセル5の液晶4が注入される部分の外側の部分1b、2bにおいて凸状に変形し、セル5の液晶4が注入される部分において凹状に変形する。
▲2▼次に外圧Pの加圧を継続した状態で、液晶の注入口(図1の17に相当)の近傍に封孔剤(図1の18に相当)を塗布する。
▲3▼次に外圧 を取り去ると上基板1と下基板2の変形は解除され復元力により図2(b)の実線で示される位置に戻ろうとしてセルの内容積が拡大し、前記注入口の内部に前記封孔剤を吸い込む。このとき、セル内の圧力は一旦低下するが封孔剤の吸い込みにより、増加に転じ、一旦は外気よりも高くなり、その後、外気と略等しくなる傾向がある。
▲4▼よって、外圧 を取り去った後、適切なタイミングで封孔剤を硬化し封孔の工程を終了する。このとき、封孔後のセル内の圧力を外気よりも高く維持することも可能である。
【0028】
本第2の実施の形態に係る封孔の方法によれば、
工程▲1▼においてセル5の液晶4が注入される部分に外圧Pを部分的に加えることにより、その部分の上下の基板を従来よりも大きく変形させ、セルの内容積の縮小を十分に行うことができる。
これにより、工程▲2▼においてセルの内容積を回復する際に、封孔剤を十分に注入口内に吸い込むことが出来るので、従来問題とされた封孔の不良そのものは確実に防止できる。更に上記したように若干微妙な管理は必要とするが、封孔後のセル内の圧力を外気よりも高く維持することが可能であるので、すでに説明した原理によって、セル内の気泡の発生を防止することが可能である。
よって、液晶素子における気泡の発生率を従来よりも低減させることができる。
なお、本第2の実施の形態においても、実際の加圧は加圧治具により、ある範囲において行われ、加圧の範囲がセル5の液晶4が注入される部分内に限定されている場合は勿論のこと、加圧の範囲の大部分が当該範囲にあって、残りの部分が当該範囲からはみ出している場合であっても、結果的に図2(a)に示す部分的加圧の効果を有するものである。
【0029】
以下、液晶素子の製造方法等において封孔の際に用いられる治具を含む加圧装置について説明する。図3は本第2の実施の形態に係る加圧装置の斜視図であり、図4はその断面図である。
図3、図4に示す加圧装置は、液晶を注入後の封孔工程で使用する。この装置は、複数の液晶セルを有する細長い短冊10を加圧して封孔する際に用いる加圧治具(後述するスペーサ等)を含む。
【0030】
図3、図4において、12は短冊10の液晶セル5の外側を個別に加圧するためのスペーサであり、凸部13をその両面に対向して備えている。ここでスペーサ12の材料はアルミ、ステンレスなどである。また凸部13はゴムである。短冊10とスペーサ12は交互に重ね合わせて配置する。
【0031】
凸部13を本実施例ではゴムとしたが、液晶セルに傷を付けない部材で有れば良く、又この凸部に用いる材質により液晶セルの加圧力を微妙に調整することもできる。
その材質としては、前記のゴム、紙、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル、プラスッチックまたは布等を適宜用いるのがよい。
【0032】
ここで図5は重ね合わせられた短冊10とスペーサ12の長手方向の位置関係を示す断面図である。図5に示すように、スペーサ12の凸部13はセル5の液晶4が注入される部分の外側(1b、2b)と接触し、後述する加圧手段により圧力が加えられると、凸部13により短冊10においてセル5の外側の部分のみが圧縮力を受ける。
【0033】
短冊10は基台20上に設けた一対の短冊位置決めブロック23により位置決めして、スペーサ12を挟んで重ね合わせることができる。短冊位置決めブロック23は凹型の溝を有しており、一対の凹型溝により、短冊10の両端の外形を基準にして合わせる。
【0034】
スペーサ12には位置決めピン用の穴が設けられている。図3に示す実施の形態においては3個の穴が設けられている。そして基台20に設けられた3本のスペーサ位置決めピン14によりスペーサ12は位置決めがなされる。
【0035】
スペーサ12と短冊10は交互に重ね合わされるのであるが、このやり方は、基台20にスペーサ12、短冊10、スペーサ12の順に重ね合わせても良いし、基台20に短冊10、スペーサ12、短冊10の順に重ね合わせてもよい。但し基台20に短冊を重ねる際には、短冊に加わる力のバランスをとるため、図3に示すように基台20に凸部20bを設けることが望ましい。
【0036】
次に、加圧の方法について説明する。加圧は空気圧により行う。すなわち、図4に示すように、基板、スペーサ、ピン等よりなる治具と上基台21の間に設けたエアバッグ9により、加圧ブロック8を介して加圧する。
【0037】
ここで本実施の形態では、エアバックをエアバックの膨らみを考慮し略て25mm×略300mmの大きさのものを用いた。厚みは、エアバックの内部の圧力を調整することで最適な値とした。
このように、エアバックや、エアバックを介した加圧力を調整して加圧条件を設定するのがよい。
上記説明では、エアバックを用いたが、エアバックの代わりにコイルバネでも良く、エアーシリンダのような治具を作りシリンダ内の空気圧で加圧力を調整ても良い。
【0038】
本第2の実施の形態においては、細長い短冊10においてセルの外側の所要の個所に均一に加圧するべく、加圧ブロック8が水平を保つような構成となっている。
すなわち、加圧ブロック8の位置を、交互に重ね合わせたスペーサと短冊の高さと同程度に合わせるために、平行用ブロック6を備えており、また並行用ブロックの上面には弾性部材7を備えている。
【0039】
ここで、交互に重ね合わせたスペーサ12と短冊10の上面の高さと弾性部材7の上面の高さはほぼ同一に設定している。基台20には3本の加圧ブロック位置決めピン16が設けられており、前記加圧ブロックは加圧ブロック位置決めピンに沿って動く構成になっている。
【0040】
加圧の機構にこのようなガイド手段を設けることにより、基板20に対し加圧ブロックが常に水平の状態で移動する。従って、エアバッグを加圧し、加圧ブロックを介して短冊およびスペーサに均一な力を垂直方向に加えることができる。
すなわち、第1の実施の形態において説明した手順により、
▲1▼封孔剤を塗布し、
▲2▼その後、スペーサと短冊を重ね合わせて短冊10においてセルの液晶4が注入される部分の外部にスペーサの12の凸部13により外力を加え、
▲3▼セルを変形させた状態で封孔剤を硬化させる。このとき、加えられる外力はスペーサ12の傾きがないため均一となり、セルの変形も均一となる。
その結果、各セルに最適な変形をさせ、封孔後の内圧を適切に管理して気泡の発生を確実に阻止するとともに凸状に膨らんだセル厚を適切に管理することができる。
【0041】
また、本第2の実施の形態においては、加圧ブロックのかかる安定性により、一度に重ね合わせる短冊とスペーサの数を増やしてもセルに平行に均一に加圧することができ、量産に適している。
【0042】
次に、前記第2の実施の形態で説明した加圧装置の変形例について図面を用いて説明する。
図6は加圧装置の変形例を示す斜視図である。
図6に示すように、この加圧装置においては、スペーサ12と短冊10の平面寸法は略同一であり、共通の位置決めブロック23により外形を位置決めされて交互に重ね合わされる。重ね合わせの長手方向の位置関係は図5に示したのと同様である。基台20には4本のブロック位置決めピン16が設けられており、加圧ブロック8は加圧ブロック位置決めピン16に沿って動く構成になっている。
この加圧装置は比較的簡単な構造であるが、図4と同様のエアバッグにより加圧ブロック8を介してスペーサ12と短冊10に略均一な力を垂直方向に加えることができるのでセルの変形も略均一となる。
その結果、各セルに適切な変形をさせ、封孔後の内圧を管理して気泡の発生を防止するとともにセル厚を適切に管理することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、液晶セルの封孔の工程において、凸部を有する加圧治具等を用いて液晶素子の所定の部分を部分的に加圧することにより、小型の液晶素子においても、封孔の確実性を確保でき歩留まりの居城によるコストダウンや信頼性が向上する効果を有する。
また、封孔後の液晶素子における気泡の発生を従来より効果的に防止することができる効果を有する。
更には、表示素子の外を加圧するときに、ゴムなどにより形成された凸部により加圧したため、加圧のキズを防ぐことができ、傷による表示品質の低下を防ぐことが出来、液晶素子の外観品質が向上することで歩留まりが向上する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液晶素子の製造方法における短冊状のセル集合体の封孔の方法を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る液晶素子の製造方法における短冊状のセル集合体の封孔の方法を示す断面図である
【図3】図1に示した封孔の方法において使用する治具を含む加圧装置を示す斜視図である。
【図4】図3に示す加圧装置を示す断面図である。
【図5】図3に示す加圧装置に用において重ね合わされたスペーサと短冊状のセル集合体の状態を示す断面図である。
【図6】図3に示す加圧装置の変形例を示す斜視図である。
【図7】従来の液晶素子の製造方法における短冊状のセル集合体の封孔の方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 上基板
1b セルの外側
2 下基板
2b セルの外側
3 シール剤
4 液晶
5 液晶セル
6 平行用ブロック
7 弾性部材
8 加圧ブロック
9 エアバッグ
10 短冊
12 スペーサ
13 凸部
14 スペーサ位置決めピン
16 ブロック位置決めピン
17 液晶注入口
18 封孔剤
20 基台
20b 凸部
21 上基台
23 位置決めブロック

Claims (5)

  1. 電極が形成された2枚の基板についてシール剤を介して間隙をもって貼り合わせ、液晶を注入するための液晶注入口を備えた液晶素子の製造方法において、
    前記液晶を前記2枚の基板間に注入した後、前記液晶注入口付近に封孔剤を塗布する工程と、
    前記封孔剤を塗布する工程の後に、前記液晶注入口における前記液晶が注入された部分の両側のみを部分的に加圧する工程と、
    前記加圧する工程中に、前記封孔剤を硬化させる工程とを有する液晶素子の製造方法。
  2. 前記部分的に加圧する工程では、前記液晶が注入された部分は凸状に変形していることを特徴とする請求項1に記載の液晶素子の製造方法。
  3. 前記電極が形成された2枚の大型基板について、間隙をもって前記シール剤を介して貼り合わせて前記液晶注入口を有する複数の液晶セルを形成した後、前記複数の液晶セルが並ぶように、細長い短冊状に2枚の大型基板を切断する工程を備え、前記加圧する工程では、前記複数の液晶セルにおける前記液晶が注入された部分の両側のみを部分的に加圧することを特徴とする請求項1または2に記載の液晶素子の製造方法。
  4. 電極が形成された2枚の基板について、シール剤を介して間隙をもって貼り合わせ、液晶注入口より液晶を注入した後の液晶セルを加圧する加圧装置であって、
    複数の凸部を直線状に配置したスペーサと、前記液晶セルを位置決めする機構とを備え、前記スペーサの前記複数の凸部は、前記液晶注入口における前記液晶が注入された部分の両側のみを加圧する位置に配置されていることを特徴とする加圧装置。
  5. 前記凸部は前記スペーサの両側に備えられ、前記液晶セルと前記スペーサとを交互に重ねて配置することを特徴とする請求項に記載の加圧装置。
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