JPH08304839A - 液晶表示素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子およびその製造方法

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JPH08304839A
JPH08304839A JP10982995A JP10982995A JPH08304839A JP H08304839 A JPH08304839 A JP H08304839A JP 10982995 A JP10982995 A JP 10982995A JP 10982995 A JP10982995 A JP 10982995A JP H08304839 A JPH08304839 A JP H08304839A
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JP
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liquid crystal
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injection port
substrate
crystal display
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JP10982995A
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English (en)
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Kazuyoshi Fujioka
和巧 藤岡
Hiroyuki Ogami
裕之 大上
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各基板間にスペーサを介在しない液晶表示素
子において、高温状態で長時間液晶漏れが発生しない液
晶表示素子とその製造方法とを提供する。 【構成】 一対の基板25,26はシール材27によっ
て貼合わされる。基板の間には注入口30を介して液晶
35が注入される。注入口30には紫外線硬化型樹脂3
6が浸入して注入口30を封止している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子に関し、
特にビデオカメラのビューファインダやプロジェクショ
ン映写装置などに用いられる比較的小形の液晶表示素子
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】典型的な従来の液晶表示素子は、図11
および図12に示すように、まず基板1の一表面に、イ
ンジウム錫酸化物(Indium-Tin Oxide;略称ITO)な
どから成る透明電極8および前記透明電極8に接続され
る液晶の電気的効果を制御する図示しない薄膜トランジ
スタ(Thin Film Transistor;略称TFT)素子を設
け、前記透明電極8およびTFT素子を覆うように配向
膜7aを形成する。前記配向膜7aは液晶の配向を制御
するために設けられ、ラビングによる配向処理が行われ
る。基板2の一表面には、基板2のほぼ全面にITOな
どによる透明である共通電極9を設け、前記共通電極9
を覆うようにブラックマトリクスと称される格子状の図
示しない遮光層を設け、さらに前記遮光層を覆うように
前記配向膜7aと同様の配向膜7bを形成する。そして
一方の基板上にプラスチックスペーサ15を100個/
mm2 程度散布するか、感光性ポリイミドやレジスト材
料で、フォトリソグラフィ工程でスペーサ15を基板上
に直接形成するか、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素
(SiN)などでフォトリソグラフィ工程でパターニン
グしてスペーサ15を基板上に直接形成する。他方の基
板上には図示しないスペーサ(ガラスファイバ等)を混
入した熱硬化型あるいは紫外線硬化型のシール材3を注
入口6として一部を除いて周縁よりやや内側で、周縁に
平行に塗布する。これら両基板を所望の位置に位置決め
した上で貼合わせ、押圧した状態でシール材3を硬化さ
せる。この貼合わせた基板1,2を以下パネル5と記
す。
【0003】図11はパネル5を示す正面図であり、図
12は図11の切断面線XII−XIIから見た断面図
である。このパネル5は、図示しない真空チャンバに入
れられ液晶12が充填される。パネル5に液晶12を充
填するためには、まずパネル5を真空チャンバ内に入れ
真空排気を行い、所定の真空度に達したところでパネル
5のシール材3に予め設けておいた注入口6を液晶12
に浸し、真空チャンバを大気圧に戻す。これにより液晶
注入空間4と外気との圧力差で液晶注入空間4に液晶1
2を充填することができる。液晶12がパネル5の液晶
注入空間4全域に充填されたのを確認した上で注入口6
に付着している余剰な液晶12を除去し、図13のよう
に光硬化型樹脂14を注入口6に塗布する。
【0004】図13は注入口6に光硬化型樹脂を塗布し
た状態を示す正面図であり、図14は図13の切断面線
XIV−XIVから見た断面を簡略化して示す断面図で
ある。液晶注入直後のパネル5は、図14の断面図のよ
うに液晶注入空間4に散布されたプラスチックスペーサ
15が大気圧と液晶12による表面張力とで若干つぶれ
た状態となっているが、このプラスチックスペーサ15
はゆっくり(数分から数時間)と復元しようとするた
め、この復元時の体積変化により液晶注入空間4内の圧
力が低下し、光硬化型樹脂14が注入口6の基板端面1
6より注入口6に浸入する。図15に示すように光硬化
型樹脂14の基板端面16からの浸入量A1が0.2〜
1.0mm程度になったところで光硬化型樹脂14を硬
化させるための光である紫外線を照射し、光硬化型樹脂
14を硬化させ、完全に注入口6を封止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように液晶注入
空間4内に各基板1,2の間の距離であるセルギャップ
17を制御するプラスチックスペーサ15が介在する場
合は注入口6の光硬化型樹脂14は、このスペーサ15
が復元するときの体積変化による液晶注入空間4内の圧
力低下を利用し、光硬化型樹脂14を注入口6の基板端
面16よりおおよそ0.2〜1.0mm程度注入口6に
浸入させる。この状態で光硬化型樹脂14を硬化させた
場合、注入口6の封止信頼性、特に後述する高温信頼性
に関しては、70℃で5000時間液晶漏れの異常は見
られなかった。
【0006】しかし、この典型的な従来の液晶表示素子
では各基板の間にスペーサ15が介在されているため、
以下に示すような問題点を有する。まず、スペーサ15
を散布する際、スペーサ15は数個から数十個の単位で
凝集する傾向があるため、液晶注入空間4のセルギャッ
プ17が不均一になったり、凝集部分の光透化率が低下
して表示不良となる。また、スペーサ15の近傍にある
液晶分子の配向膜7が不均一となり、その部分の光変調
効率が低下したり、スペーサ15自身の透過により光漏
洩が生じ、表示不良やコントラストの低下も生じる。こ
のような問題を解決するために、スペーサ15を介在し
ない液晶表示素子が考えられる。
【0007】図16は、特開平6−75233に示され
るスペーサ15を介在しない他の先行技術のパネル5の
断面図である。なお、図11〜図15に示す各部材に対
応する構成には同一の参照符号を付す。この先行技術で
示されるように、セルギャップ17を制御するスペーサ
15が具備されていない液晶表示素子の場合、従来と同
様に液晶12を真空チャンバにおいて真空注入した場
合、図17のパネル5の断面図に示すように、液晶注入
空間4の中央部が液晶12の表面張力によりシール材3
に隣接するセルギャップ17aより薄くなってしまう。
このため液晶注入空間のセルギャップ17を均一とする
ために、液晶注入空間4内の圧力を液晶注入空間4外部
の圧力(大気圧)より低くなるように各基板1,2の少
なくともどちらか一方の基板表面に物理的、機械的外力
を加え、液晶12を強制的にパネル5の液晶注入空間4
に注入する。現状では図18に示す基板吸引装置20を
用い、各基板表面にOリング19を設けて真空ポンプ2
1によって真空排気し、各基板1,2の外部の圧力を低
下させ、液晶注入空間4内の圧力が見かけ上、外部より
低くなる状態とすることにより強制的に液晶12をセル
ギャップ17が均一となるまでパネル5内部に注入す
る。このためパネル5の液晶注入口6を封止する時点で
は液晶注入空間4内の圧力が大気圧以上となっており、
前述の従来例のように注入口6に光硬化型樹脂14を塗
布しても注入口基板端面16より注入口6内に光硬化型
樹脂14はほとんど浸入せず、このままこの樹脂を硬化
させても、図19および図19の切断面線XX−XXか
ら見た断面図を示す図20のように注入口基板端面16
の表層だけを覆い固めた状態となる。この場合の高温信
頼性を前述のように注入口6内に光硬化型樹脂14が浸
入した場合と比べると、70℃、100時間で液晶漏れ
が発生しており、明らかに封止信頼性は劣る。特に特開
平6−75233に示されるような液晶表示素子は主に
プロジェクション映写機に用いられるために熱に対する
信頼性が重要視される。
【0008】したがって本発明の目的は、各基板間にス
ペーサを介在しない液晶表示素子において、高温状態で
長時間液晶漏れが発生せず封止信頼性の高い液晶表示素
子とその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対の基板
を、周方向に分断されたシール材によって接合して、各
基板間に前記シール材によって外囲される中空の液晶注
入空間が形成され、前記分断されたシール材の周方向両
端部と、この周方向両端部を挟む各基板の相互に対向す
る表面とによって規定される注入口を介して前記液晶注
入空間に液晶が注入され、前記注入口の外部に臨む開口
端が光硬化型樹脂によって封止され、前記シール材によ
って囲まれた領域よりも内側に有効表示領域が形成され
る液晶表示素子において、前記注入口には、この注入口
の外部に臨む開口端から液晶注入空間に向けて予め定め
る距離にわたって前記光硬化型樹脂が充填されることを
特徴とする液晶表示素子である。また本発明は、前記予
め定める距離は、前記注入口の外部に臨む開口端から少
なくとも0.2mm以上でかつ前記有効表示領域から光
硬化型樹脂までの距離が1.0mm以上の範囲に選ばれ
ることを特徴とする。また本発明は、一対の基板間に、
周方向に分断されたシール材を介在して各基板を接合す
る第1工程と、各基板間に形成される液晶注入空間内
に、前記分断されたシール材の周方向両端部と各基板の
相互に対向する表面とによって規定される注入口を介し
て液晶を注入する第2工程と、前記注入口に光硬化型樹
脂を塗布する第3工程と、前記各基板のうち少なくとも
一方の基板に、液晶注入空間の容積を増加させる方向に
外部から外力を作用させて、前記液晶注入空間内の圧力
を低下させて前記液晶注入空間に向けて光硬化型樹脂を
予め定める距離にわたって浸入させる第4工程と、前記
光硬化型樹脂に光を照射して硬化させる第5工程とを含
むことを特徴とする液晶表示素子の製造方法である。ま
た本発明は、前記第4工程において、前記一方の基板の
他方に臨む表面とは反対側の表面を吸引して、前記一方
の基板に外力を作用させることを特徴とする。また本発
明は、前記第4工程において、各基板の相互に対向する
各表面とは反対側の各表面を吸引して、各基板に外力を
作用させることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明に従えば、液晶表示素子に液晶を注入す
るために設けられる注入口には、注入口の開口端から予
め定める距離にわたって光硬化型樹脂が充填されている
ため、高温状態で長時間液晶を封止することが可能であ
る。
【0011】また本発明に従えば、前記予め定める距離
を少なくとも0.2mm以上かつ有効表示領域から光硬
化型樹脂までの距離を1.0mm以上に選ぶことによっ
て、液晶表示素子を高温の保存状態で長時間液晶漏れを
防ぐことが可能である。
【0012】さらにまた本発明に従えば、基板に外力を
作用させて液晶注入空間内の圧力を低下させて光硬化型
樹脂を注入口に浸入させるため、製造工程を大きく変え
ることなしに注入口内に光硬化型樹脂を充填し、確実に
封止することができる。
【0013】さらにまた一方の基板の表面を吸引して液
晶注入空間内の圧力を低下させて光硬化型樹脂を注入口
に浸入させるため、吸引作業が片側だけでよく、工程中
の作業を簡略化することができる。
【0014】さらにまた本発明に従えば、各基板の表面
をそれぞれ吸引して光硬化型樹脂を注入口に浸入させる
ため、吸引力を低下させることができ、また各基板の撓
み量も低下させることができる。
【0015】
【実施例】図1は本発明の一実施例である液晶表示素子
24を示す正面図であり、図2は図1の切断面線II−
IIから見た断面図を厚さ方向に拡大して示す図であ
る。基板25にはインジウム錫酸化物(Indium-Tin Oxi
de;略称ITO)などによる透明電極32および前記透
明電極32に接合される液晶の電気的効果を制御する図
示しない薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;略
称TFT)素子が設けられる。前記透明電極32および
TFT素子を覆うように配向膜31aが形成される。こ
の配向膜31は液晶35の配向を制御するために設けら
れ、ラビングによる配向処理が行われている。基板26
には、基板26のほぼ全面にITOなどによる透明であ
る共通電極33が設けられ、共通電極33を覆うように
前記配向膜31aと同様の配向膜31bが形成される。
前記共通電極33と配向膜31bとの間にはブラックマ
トリクスと称される格子状の図示しない遮光層が設けら
れる。こうして液晶表示素子24の有効表示領域38が
形成される。
【0016】前記基板25,26は、たとえば厚さtが
1.1mmのガラス、たとえばコーニング社製#705
9バリウムホウケイ酸ガラス、厚み1.1±0.030
mm、フラットネス100μm未満、ヤング率6.89
×103kg/mm2、剛性率2.67×103kg/m
2を使用し、シール材27によって貼合わされる。こ
のシール材27は、たとえば紫外線硬化型エポキシアク
リレート系樹脂を使用し、たとえばガラスファイバなど
の図示しないスペーサが混入され所望のセルギャップΔ
Hを設ける。このセルギャップΔHは本実施例では5.
0μmに選ばれる。シール材27の幅W1は本実施例で
はたとえば1.0mmに選ばれる。シール材27は、基
板26の端面よりやや内方で周縁に平行に設けられ、そ
の周方向両端部(図1の右下)には、各基板25,26
とシール材27とによって規定される液晶注入空間28
と外部とを連通する注入口30が形成される。液晶注入
空間28に臨むシール材27の内面によって規定される
領域は、本実施例ではたとえば横Aは7.0cmであ
り、縦Bは5.2cmである。前記液晶注入空間28に
は液晶35が注入され、前記注入口30は光硬化型樹脂
である紫外線硬化型樹脂36によって封止される。本実
施例では紫外線硬化型樹脂36として日本ロックタイト
社製の紫外線硬化型樹脂LID−352を使用し、この
紫外線硬化型樹脂36の25℃での粘度は、11000
cPsである。
【0017】図3は、注入口30付近を示す拡大した正
面図である。注入口30は、図1の右下隅近傍で、シー
ル材27の周方向両端部がそれぞれ外部に向けて垂直に
屈曲し互いに平行に延び、それぞれ基板26の端面37
から距離Dだけ突出している。注入口30に臨むシール
材27の両端部の端面間の距離、すなわち注入口30の
幅W2は、本実施例では2.0mmに選ばれ、シール材
27の液晶注入空間28に臨む端面と基板26の端面3
7との間の距離Iは1.2mmに選ばれる。注入口30
の開口部は外部から紫外線硬化型樹脂36によって完全
に塞がれ、この紫外線硬化型樹脂36は、各基板25,
26とシール材27の両端部によって規定される注入口
30内に予め定める距離、すなわち基板26の端面37
から距離Fにわたって浸入している。この距離Fは0.
2mm未満であれば注入口30のシール材27と紫外線
硬化型樹脂36の界面、または紫外線硬化型樹脂36と
各基板25,26との界面から液晶注入空間内の液晶3
5が外部に漏れるおそれがある。また、紫外線硬化型樹
脂36の液晶注入空間28に臨む端面42と有効表示領
域38の注入口30に臨む端面43との間の距離Gは
1.0mm以上とし、距離Gが1.0mm未満になると
紫外線硬化型樹脂36から液晶35にイオン性の不純物
等が液晶注入空間にしみだし、液晶12の配向乱れや液
晶12の電気伝導度を低下させ、表示品位を低下させる
おそれがある。したがって紫外線硬化型樹脂36の端面
42は、距離Fが0.2mm以上であり、かつ距離Gが
1.0mm以上を満たす位置に形成され、本実施例では
この条件を満たすように距離Fはたとえば0.4mmに
選ばれる。
【0018】図4は、上述の液晶表示素子24の製造方
法を示すフローチャートである。まず第1工程であるス
テップs1では、基板25と基板26とをシール材27
によって貼合わせ、パネル34を形成する。
【0019】次に、第2工程はステップs2から始め
る。ステップs2では、図5に示す真空チャンバ39内
でパネル34に液晶35を注入する。真空チャンバ39
内には、上昇/下降自在の上下移動テーブル40が設け
られ、このテーブル40の上面には液晶35を満たした
容器41が設けられる。この容器41の上方に、注入口
30を容器41の開口部に向けて前記パネル34を配置
し、真空チャンバ39内の空気を図示しない真空ポンプ
によって1×10-3〜1×10-4Torrの真空度に達
するまで真空排気する。ステップs3では、上下移動テ
ーブル40をパネル34の注入口30が容器41内の液
晶35に浸るまで上昇させ、次に真空チャンバ39内に
窒素を徐々に満たし大気圧に戻す。するとパネル34の
液晶注入空間28と外気圧との差によって液晶35が液
晶注入空間28に注入される。しかしながら液晶注入空
間28内にセルギャップΔHを制御するためのスペーサ
が具備されていないため、図6(a)に示すように各基
板25,26の中央部が互いに近接し、液晶注入空間2
8の周縁部と中央部とのセルギャップΔHに差ができて
しまう。このため図7に示す基板吸引装置44によって
各基板25,26を互いに離反させる。基板吸引装置4
4は、各基板25,26の外方に臨む各表面にそれぞれ
Oリング45を介して密閉する密閉部材46と、各密閉
部材46と各基板25,26との間に設けられる各空間
の圧力を低下させる真空ポンプ47とから構成される。
本実施例ではOリング45は、たとえばデュポン社登録
商標のカルレッツを使用する。ステップs4では、まず
パネル34の注入口30に液晶35を塗布する。次にこ
のパネル34を前記基板吸引装置44に装着し、真空ポ
ンプ47を作動させる。すると各基板25,26と各密
閉部材46との間の空間の圧力が大気圧未満に低下し、
各基板25,26が徐々に互いに離反する方向に変位す
る。このため、液晶注入空間28内の圧力が大気圧未満
に下がり、注入口30から液晶35を吸引する。セルギ
ャップΔHのばらつきが±10%以内になるまで液晶3
5を注入させてステップs4および第2工程が終了す
る。図6(b)はこのときのパネル34を示す断面図で
ある。
【0020】次に、注入口30の封止を行うが、上述の
ように液晶35を液晶注入空間28に強制的に注入して
いるため、液晶注入空間28内の圧力が大気圧より高く
なっており、従来のように紫外線硬化型樹脂36を注入
口30に塗布してそのまま硬化させたのでは図8および
その断面図である図9に示すような状態となり、完全に
注入口30を封止することは不可能である。
【0021】そこで、第3工程であるステップs5では
基板吸引装置44に装着されているパネル34の注入口
30に塗布された液晶35を除去し、注入口30に紫外
線硬化型樹脂36を塗布する。
【0022】次に第4工程であるステップs6におい
て、再び基板吸引装置44を作動させて紫外線硬化型樹
脂36を予め定める距離Fにわたって注入口30へ浸入
させる。距離Fの制御は、基板吸引装置44の密閉部材
46内の真空度と吸引時間、そして紫外線硬化型樹脂3
6の粘度とで行うことができる。これらの関係を調べる
ために実験を行い、この実験の結果を図10に示す。図
10のグラフの縦軸は紫外線硬化型樹脂36の浸入距離
F(mm)、横軸は吸引時間T(秒)であり、大気圧に
対して−300mmHgで実験を行った。図10のL1
は粘度11000cPsであり、L2は粘度6000c
Psの場合を示すグラフである。本実施例で使用する紫
外線硬化型樹脂36の粘度は11000cPsであり、
侵入距離Fの目標値を0.4mmとすると、真空度を−
300mmHgで図10のグラフから吸引時間Tを90
秒に選ぶことによって、紫外線硬化型樹脂36の侵入距
離Fを0.4±0.2mmに制御した。
【0023】第4工程に引続き、第5工程であるステッ
プs7で紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂36を硬化
させる。
【0024】本実施例の液晶表示素子24はプロジェク
ション映写機に使用した場合、おおよそ液晶表示素子の
温度は50℃前後まで上がる(冷却ファン有り)。この
環境を想定し、余裕を持たせて70℃での高温信頼性試
験を行った。高温信頼性とは、液晶表示素子24を高温
にしたときに液晶35の体積膨張により液晶注入空間2
8内の圧力が上昇し、注入口30のシール材27と紫外
線硬化型樹脂36の界面、または紫外線硬化型樹脂36
と各基板との界面から液晶漏れを起こさないことを指
す。
【0025】表1に高温信頼性試験の結果を示す。この
試験では本実施例のサンプルとして1−1,1−2,1
−3,1−4,1−5の5つを使用し、第1比較例とし
て典型的な従来技術であるスペーサを有する液晶表示素
子2−1,2−2,2−3,2−4,2−5の5つのサ
ンプルを使用し、第2比較例として他の従来技術である
スペーサが介在しない液晶表示素子3−1,3−2,3
−3,3−4,3−5の5つのサンプルを使用した。各
液晶表示素子が70℃の高温保存状態で液晶漏れが発生
するかしないかを調べた。表1において、符号「○」は
液晶漏れが発生していないことを示し、符号「×」は液
晶漏れが発生したことを示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1から解るように、第2比較例であるス
ペーサの介在しない従来技術の液晶表示素子では、50
0時間以内にほとんどのサンプルから液晶漏れが発生
し、1000時間以上ではすべてのサンプルに液晶漏れ
が発生している。それに対し、第1比較例の典型的な従
来技術であるスペーサを有する液晶表示素子および本実
施例の液晶表示素子24では5000時間以上経過して
もすべてのサンプルから液晶漏れが発生していない。つ
まり、本実施例では従来のスペーサを介在した液晶表示
素子と同様の高温信頼性を有する。
【0028】次に、本発明の液晶表示素子24の浸入距
離Fと高温信頼性の関係を調べる試験を行った。表2に
この試験の結果を示す。この試験では、紫外線硬化型樹
脂36の浸入距離Fが0.07mm,0.09mm,
0.12mm,0.17mm,0.21mm,0.26
mm,0.32mm,0.40mmの8つのサンプルを
使用し、それぞれ70℃での高温保存で液晶漏れが発生
するかしないかを調べた。表2において符号「○」は液
晶漏れが発生していないことを示し、「×」は液晶漏れ
が発生したことを示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2から解るように、浸入距離Fが0.0
7mmおよび0.09mmのサンプルでは100時間以
内に液晶漏れが発生し、0.12mmでは250時間以
内に液晶漏れが発生し、0.17mmでは3000時間
以内に液晶漏れが発生している。それに対し、浸入距離
Fが0.21mm以上のサンプルではすべて5000時
間以上液晶漏れが発生していない。よってこの試験から
浸入距離Fがおよそ0.2mm以上の液晶表示素子24
では充分な高温信頼性が期待できる。
【0031】本実施例の第4工程であるステップs6に
おいて、各基板25,26をそれぞれ基板吸引装置44
によって相互に離反する方向に各基板25,26を吸引
してセルギャップΔHを調整したが、各基板25,26
のうちいずれか一方の基板のみに基板吸引装置44によ
って基板を吸引し、セルギャップΔHを調整してもよ
い。また、各基板25,26を離反させるのに本実施例
では基板吸引装置44を使用したが、それ以外に各基板
25,26の各表面を吸盤で吸着し、この吸盤をエアシ
リンダやモータで機械的に引張ることによって各基板を
離反させてもよい。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、中空の液
晶注入空間に液晶が注入される、すなわちセルギャップ
を制御するスペーサが具備されていない本発明の液晶表
示素子において、注入口には光硬化型樹脂が充填されて
いるため、高温状態で長時間液晶を封止することがで
き、製品レベルでの高信頼性を達成することができる。
【0033】また本発明によれば、注入口の開口端から
0.2mm以上かつ有効表示領域から1.0mm以上の
条件を満たすように光硬化型樹脂が注入口に充填される
ことにより、たとえば液晶表示素子を70℃の高温状態
で5000時間以上の長時間にわたって液晶漏れを防ぐ
ことができる。
【0034】さらにまた本発明によれば、液晶を注入す
る際に液晶注入空間の圧力を低下させるのに使用した装
置を用いて注入口に光硬化型樹脂を注入するため製造工
程を大きく変えることなしに注入口を確実に封止するこ
とができる。
【0035】さらにまた本発明によれば、一方の基板の
表面を吸引して光硬化型樹脂を注入口に浸入させるた
め、両方の基板を吸引するのに比べて吸引作業が片側だ
けでよく、吸引装置の位置決めなどの工程中の作業を簡
略化することができる。
【0036】さらにまた本発明によれば、各基板の各表
面をそれぞれ吸引して光硬化型樹脂を注入口に浸入させ
るため、基板の撓み量が少なくて済む。また、各基板を
同時に互いに離反する方向に等しい力で吸引するので、
各基板を対称に撓ませることができ、高平面性が得られ
る。さらに、基板の撓む量が小さくなるので、各基板の
負担をさらに減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の液晶表示素子24を示す正
面図である。
【図2】図1の切断面線II−IIから見た断面図であ
る。
【図3】注入口30付近を拡大して示す正面図である。
【図4】液晶表示素子24の製造方法を示すフローチャ
ートである。
【図5】真空チャンバ39を示す正面図である。
【図6】(a)はステップs3の段階でのパネル34の
断面図であり、(b)はステップs4の段階でのパネル
34の断面図である。
【図7】基板吸引装置44を示す断面図である。
【図8】注入口30に紫外線硬化型樹脂28を塗布した
状態を示す断面図である。
【図9】図8の切断面線IX−IXから見た断面図であ
る。
【図10】浸入距離Fと吸引時間Tの関係を示すグラフ
である。
【図11】典型的な従来の液晶表示素子のパネル5を示
す正面図である。
【図12】図11の切断面線XII−XIIから見た断
面図である。
【図13】パネル5の注入口に光硬化型樹脂14を塗布
した状態を示す正面図である。
【図14】図13の切断面線XIV−XIVから見た断
面図である。
【図15】パネル5の注入口6に光硬化型樹脂14が浸
入した状態を示す正面図である。
【図16】他の先行技術のパネル5を示す断面図であ
る。
【図17】パネル5に液晶を注入した状態を示す断面図
である。
【図18】基板吸引装置20を示す断面図である。
【図19】他の先行技術の液晶表示素子の一部を示す正
面図である。
【図20】図19の切断面線XX−XXから見た断面図
である。
【符号の説明】
24 液晶表示素子 25,26 基板 27 シール材 28 液晶注入空間 30 注入口 31 配向膜 34 パネル 36 紫外線硬化型樹脂 37 基板端面 39 真空チャンバ 44 基板吸引装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板を、周方向に分断されたシー
    ル材によって接合して、各基板間に前記シール材によっ
    て外囲される中空の液晶注入空間が形成され、前記分断
    されたシール材の周方向両端部と、この周方向両端部を
    挟む各基板の相互に対向する表面とによって規定される
    注入口を介して前記液晶注入空間に液晶が注入され、前
    記注入口の外部に臨む開口端が光硬化型樹脂によって封
    止され、前記シール材によって囲まれた領域よりも内側
    に有効表示領域が形成される液晶表示素子において、 前記注入口には、この注入口の外部に臨む開口端から液
    晶注入空間に向けて予め定める距離にわたって前記光硬
    化型樹脂が充填されることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 前記予め定める距離は、前記注入口の外
    部に臨む開口端から少なくとも0.2mm以上でかつ前
    記有効表示領域から光硬化型樹脂までの距離が1.0m
    m以上の範囲に選ばれることを特徴とする請求項1記載
    の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 一対の基板間に、周方向に分断されたシ
    ール材を介在して各基板を接合する第1工程と、 各基板間に形成される液晶注入空間内に、前記分断され
    たシール材の周方向両端部と各基板の相互に対向する表
    面とによって規定される注入口を介して液晶を注入する
    第2工程と、 前記注入口に光硬化型樹脂を塗布する第3工程と、 前記各基板のうち少なくとも一方の基板に、液晶注入空
    間の容積を増加させる方向に外部から外力を作用させ
    て、前記液晶注入空間内の圧力を低下させて前記液晶注
    入空間に向けて光硬化型樹脂を予め定める距離にわたっ
    て浸入させる第4工程と、 前記光硬化型樹脂に光を照射して硬化させる第5工程と
    を含むことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第4工程において、前記一方の基板
    の他方に臨む表面とは反対側の表面を吸引して、前記一
    方の基板に外力を作用させることを特徴とする請求項3
    記載の液晶表示素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第4工程において、各基板の相互に
    対向する各表面とは反対側の各表面を吸引して、各基板
    に外力を作用させることを特徴とする請求項3記載の液
    晶表示素子の製造方法。
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