JP2001255542A - 基板貼り合わせ方法及び基板貼り合わせ装置、並びに、液晶表示素子の製造方法及び製造装置 - Google Patents

基板貼り合わせ方法及び基板貼り合わせ装置、並びに、液晶表示素子の製造方法及び製造装置

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JP2001255542A
JP2001255542A JP2000069653A JP2000069653A JP2001255542A JP 2001255542 A JP2001255542 A JP 2001255542A JP 2000069653 A JP2000069653 A JP 2000069653A JP 2000069653 A JP2000069653 A JP 2000069653A JP 2001255542 A JP2001255542 A JP 2001255542A
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substrate
liquid crystal
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Yuichi Yamamoto
裕一 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精密なプレス機構を用いることなく、2枚の
基板間の押圧力を基板全体に均一にかけることができ、
精密な基板貼り合わせを容易に且つ短時間に行える基板
貼り合わせ方法、貼り合わせ装置、並びに液晶表示素子
の製造方法、製造装置を提供する。 【解決手段】 まず、上定盤15と下定盤16にそれぞ
れ基板1,2を載置する。上定盤15及び中空部材14
を下定盤16上に降ろし、第1の空間A,第2の空間B
を減圧する。上定盤15の駆動機構を解除し、第2の空
間Bを徐々に加圧することにより、第1の空間Aとの圧
力差により上定盤15を下定盤16に押圧する。セルギ
ャップ12が所定値となったところで、導光路13から
シール材4に紫外線を照射してシール材4を硬化させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノートパソコンや
ディスプレイに用いられる液晶表示素子等における基板
の貼り合わせ方法及び貼り合わせ装置、並びに液晶表示
素子の製造方法、製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的な液晶表示素子の構造を図6に示
す。2枚の基板1,2の間に液晶3がシール材4によっ
て封入された構造をしている。液晶が封入される基板の
間隔(以下セルギャップ)を保持するため、スペーサ5
が基板間に多数分布して挟持されている。更に、2枚の
基板には図示しないTFT素子や透明電極、カラーフィ
ルター、配向膜等が設けられている。
【0003】このような液晶表示素子の一般的な製造方
法について図6,図3を用いて説明する。まず、予めス
ペーサを散布した状態で2枚の基板1,2を貼り合わ
せ、基板1,2間の周囲に設けておいたシール材22を
硬化させて、空セル21を製作する。シール材22には
一部に開口が設けておき、注入口23とする。この空セ
ル21と容器に入れた液晶24を、真空チャンバー20
内に設置する。真空チャンバー20内を真空排気し、空
セル21内を脱気し、液晶24を脱泡する。真空排気を
充分行った後、空セルの注入口23を液晶24に浸漬
し、真空チャンバー20内を大気圧に戻す。セル内外の
圧力差により、液晶24が注入口23よりセル内に浸透
する。液晶がセル内に充填された後、セルを取り出し、
注入口23をUV硬化樹脂で封止し、液晶の封入を完了
する。
【0004】図3の液晶表示素子の製造方法では、基板
間に液晶を封入する方法としては、いわゆる真空注入法
を使用している。すなわち、空セル21内を真空にした
後、液晶を注入口23に接触させ外部を大気圧にするこ
とにより液晶を内外の圧力差によって注入している。し
かしながら、この方法では注入口23からの排気によ
り、セル内部を完全な0気圧すなわち気体分子が存在し
ない状態にすることは不可能であり、セル内面に吸着さ
れた気体分子が存在する。よって、液晶が注入されるに
したがって内部の圧力が上昇し、やがて圧力差が無くな
り大気圧の気泡が残留する。特に、近年の対角15イン
チ以上のモニター用液晶表示素子においては残留する気
体の体積が大きくなり、表示素子の映像表示範囲に及ぶ
ことがあり問題となっている。
【0005】また、2枚の基板の間隔はμmオーダであ
り、このような狭い間隔のセル内部を注入口からの排気
によって真空にするには、非常に長い時間がかかる。同
様に液晶を充填するにも時間がかかり、前述の対角15
インチの液晶表示素子でセル排気から液晶封入完了まで
に10時間程度の長時間を要していた。
【0006】この真空注入法における問題点を解決する
方法として、特開昭63−109413号公報や特公平
8−20627号公報にあげられる滴下注入法がある。
【0007】特開昭63−109413号公報の方法に
ついて図4を用いて説明する。まず、図4(a)に示す
ように、一方の基板2にシール材4及びスペーサ5を設
ける。次に、図4(b)に示すように、減圧下でシール
材4の内側に所要量の液晶3を均一に載せる。続いて、
図4(c)に示すように、他方の基板1をシール材4に
接するよう重ね合わせる。最後に、図4(d)に示すよ
うに、セル内に空間が残らないよう押圧する。しかる後
シールを硬化し、液晶の封入を完了する。
【0008】この滴下注入法によれば、減圧された空間
において液晶を滴下した基板を貼り合せることにより、
セル内部が2枚の基板が貼り合される前に真空引きされ
るため、セル内部を真空にする時間が大幅に短縮され
る。また、貼り合わせと同時に液晶封入が完了する為、
液晶を注入する時間がなくなる。液晶の供給量をセル内
部の空間と同じにすることにより、セル内部に空間が無
いよう減圧下で液晶が充填される。また、セル内面が開
放状態で減圧される為、内面に吸着する気体分子の除去
も効果的に行われる。よってセル内部に残留する気体も
発生し難くなる。
【0009】次に、特公平8−20627号公報の方法
について図5を用いて説明する。まず、図5(a)に示
すように、一方の基板2に液晶3を塗布する。ここで、
液晶3がシール材4に到達する時間がシール材全周にお
いて同じになるよう、液晶の供給形状をシール材4と小
型相似形かつシール材より厚い量とする。次に、図5
(b)に示すように、基板1と上記基板2を重ね合わせ
る。このとき、液晶3が広がってシール材4に到達する
前に、基板1がシール材4に接するようにする。この状
態で基板1はシール材4に接しているが、液晶3の層が
厚いため膨らんでいる。続いて、図5(c)に示すよう
に、基板1,2に加重をかけて基板1を平坦にし、セル
内に空間が無くなるよう液晶3を押し広げる。
【0010】この方法によれば液晶がシール材を流した
り、シール材と基板の密着を妨げることが無い。
【0011】以上説明した液晶表示素子の製造方法(真
空注入法)における基板1,2の貼り合わせ方法の従来
例を、図6を使用して説明する。
【0012】まず、貼り合わせ装置にて、基板1,2を
位置合わせした状態で、その間隔が数μm程度となるま
で、シール材22を押しつぶしながら貼り合わせる。こ
こで、紫外線を照射することでシール材を硬化させて、
両基板1,2を仮固定する。次に、ギャップ成形機によ
り、貼り合わされた基板1,2の間隔がスペーサの粒径
になるまで加熱しながらプレスして、シール材の熱硬化
成分を利用して、シール材を本硬化させる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したような液晶表
示素子において、2枚の基板の間隔はμmオーダであ
り、更に薄型化する傾向にある。このため、上記製造方
法においては、基板を傾きなく平行に位置合わせして貼
り合わせることが非常に重要となってきている。
【0014】上記した真空注入法における液晶表示素子
の製造方法においては、両基板を単に機械的にのみ押圧
するため、両基板の平行度を精密に制御するには、大型
の高価な装置を用いる必要があった。
【0015】また、この方法では、2つの基板間の押圧
を、位置合わせして仮固定する工程と、ギャップがスペ
ーサの粒径になるまでプレスする工程の両方において行
う必要があるが、これらでは基板間に加える圧力が大き
く相違するため、異なる装置を使用する必要があり、製
造時間がかかるとともにコストアップを齎していた。
【0016】また、上述した滴下注入法の場合にも同様
に両基板を単に機械的にのみ押圧するため、両基板の平
行度を精密に制御するには、大型の高価な装置を用いる
必要があった。
【0017】本発明は、以上の課題を解決するものであ
って、2枚の基板を貼り合わせを精密に且つ生産性良く
行える基板の貼り合わせ方法及び貼り合わせ装置、並び
に、液晶表示素子の製造方法及び製造装置を提供するも
のである。
【0018】
【課題を解決する手段】第1の発明の基板貼り合わせ方
法は、一対の基板を所定間隔でシール材を介して貼り合
わせる基板貼り合わせ方法において、前記一対の基板
を、対向して配置された2つの基板支持台に載置し、少
なくとも一方の前記基板支持台の基板搭載側とは反対側
に位置する空間の圧力を、前記一対の基板の間の空間の
圧力に対して徐々に高めていくことにより、前記シール
材を押しつぶして、前記一対の基板間間隔を前記所定間
隔とすることを特徴とする。
【0019】第2の発明の基板貼り合わせ装置は、一対
の基板を所定間隔でシール材を介して貼り合わせる基板
貼り合わせ装置において、前記一対の基板を載置する、
対向して配置された2つの基板支持台を備え、前記2つ
の基板支持台に搭載する基板の間を含む第1の空間、及
び、一方の前記基板支持台の基板搭載側とは反対側の空
間の一部を少なくとも含む第2の空間が密閉可能に形成
されており、且つ、第1の空間の圧力に対する第2の空
間の圧力が可変に形成されていることを特徴とする。
【0020】第3の発明の液晶表示素子の製造方法は、
シール材を介して所定間隔で貼り合わせられた一対の基
板間に、液晶が挿入されてなる液晶表示素子の製造方法
において、前記一対の基板を、対向して配置された2つ
の基板支持台に載置する第1工程と、少なくとも一方の
前記基板支持台の基板搭載側とは反対側に位置する第2
の空間の圧力を、前記一対の基板の間の第1の空間の圧
力に対して徐々に高めていくことにより、前記シール材
を押しつぶして、前記一対の基板の間隔を前記所定間隔
とする第2工程と、を含むことを特徴とする。
【0021】第4の発明の液晶表示素子の製造方法は、
第3の発明の液晶表示素子の製造方法において、前記シ
ール材は紫外線硬化型の樹脂からなり、第2工程におい
て前記一対の基板の間隔が前記所定間隔となったとき
に、前記シール材に紫外線を照射することを特徴とす
る。
【0022】第5の発明の液晶表示素子の製造方法は、
第3または第4の発明の液晶表示素子の製造方法におい
て、第1工程の前に、前記基板の一方に液晶を塗布する
第3工程を含むとともに、第1工程と第2工程の間に、
第1の空間及び第2の空間を減圧する第4工程を含むこ
とを特徴とする。
【0023】第6の発明の液晶表示素子の製造装置は、
シール材を介して所定間隔で貼り合わせられた一対の基
板間に、液晶が挿入されてなる液晶表示素子の製造装置
において、前記一対の基板を載置する、対向して配置さ
れた第1基板支持台、第2基板支持台を備え、前記2つ
の基板支持台に搭載する基板の間を含む第1の空間、及
び、一方の前記基板支持台の基板搭載側とは反対側の空
間の一部を少なくとも含む第2の空間が密閉可能に形成
されており、且つ、第1の空間の圧力に対する第2の空
間の圧力が可変に形成されていることを特徴とする。
【0024】第7の発明の液晶表示素子の製造装置は、
第6の発明の液晶表示素子の製造装置において、第2基
板支持台は、基板を載置する領域を取り囲み第1基板支
持台に当接することで第1の空間を形成し、第1の空間
及び前記第2基板支持台を覆い、第1の基板支持台と当
接することで第2の基板支持台及び第1の基板支持台と
の間に第2の空間を形成する中空部材を有しており、第
2の基板支持台と第1の基板支持台との接触部分、及
び、前記中空部材と第1の基板支持台との接触部分に、
弾性部材を有することを特徴とする。
【0025】第8の発明の液晶表示素子の製造方法は、
シール材を介して貼り合わせられた一対の基板間に、液
晶が挿入されてなる液晶表示素子の製造方法において、
前記基板の一方に液晶を塗布する工程と、前記一対の基
板を、対向して配置された2つの基板支持台に載置する
工程と、前記2つの基板支持台に搭載する基板の間を含
む第1の空間、及び、一方の前記基板支持台の基板搭載
側とは反対側の空間の一部を少なくとも含む第2の空間
と、を減圧する工程と、2つの基板支持台間を押圧する
ことで、前記シール材を押しつぶし、前記一対の基板を
貼り合わせることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明に
おける基板の貼り合わせ方法、貼り合わせ装置、並び
に、液晶表示素子の製造方法及び製造装置の一実施の形
態に関し、図1を用いて説明する。なお、ここでは、上
述した滴下注入法にて液晶表示素子を製造する場合につ
いて説明するが、これに限るものではない。
【0027】まず、本実施の形態で使用する製造装置に
ついて説明する。
【0028】本製造装置は、一方の基板を載置する下定
盤(第1基板支持台)16、他方の基板を載置する上定
盤(第2基板支持台)15、及び、該上定盤15を隙間
を介して覆うように形成された中空部材14を有してい
る。上定盤15及び中空部材は、それぞれ図示していな
い駆動系により下定盤16に対して上下方向に移動可能
となっている。
【0029】上定盤15は、基板を搭載する平坦領域の
周囲に立設部を有しており、その立設部の先端には弾性
部材15aが設けられている。そして、上定盤15を下
定盤16上に押圧したときに、上記弾性部材15aが下
定盤16に当接し、上定盤15と下定盤16との間の空
間(第1の空間)は気密となるようになっている。ま
た、上定盤15は上記のように上下移動可能であるとと
もに、基板の面方向には精密位置調整できるようになっ
ている。
【0030】中空部材14は、上定盤15及び第1の空
間を取り囲む立設部及び平坦部を有し、立設部の先端に
は弾性部材14bが設けられている。中空部材14は下
定盤16上に押圧されたときに、弾性部材14bが下定
盤16に接触し、中空部材14と上定盤15との間の空
間(第2の空間)が気密となるように形成されている。
【0031】下定盤16及び上定盤14には、それぞれ
孔16a,14aが形成されており、それぞれ第1の空
間、第2の空間を真空排気できるようになっている。
【0032】また、上定盤15には、図1(d)に示す
ようにセルギャップ12を計測するためのセル厚計11
が備えられているとともに、光を透過させるための導光
路13が備えられている。
【0033】以下、上記製造装置を用いた基板貼り合わ
せ方法、液晶表示素子製造方法を説明する。
【0034】(ステップ1)図1(a)を参照して、ま
ず、一方の基板1に、封入完了時の液晶層と同じ大きさ
で、規定の液晶層厚(5μm)の矩形膜状に、予め減圧
して脱泡処理を行った液晶を塗布する。もう一方の基板
2には、スペーサ5の散布とシール材4の塗布を行う
(第3工程)。
【0035】シール材4には紫外線硬化樹脂を用い、デ
ィスペンサで幅0.4mm厚さ25μmの線で、内寸が
塗布液晶外形から各辺0.5mm間隔を開けた矩形枠に
描画する。シール材4は液晶3を塗布しない側の基板2
に設けるので液晶3の塗布の妨げとはならない。
【0036】(ステップ2)図1(b)を参照して、こ
の一組の基板1,2を、液晶塗布した面とシール材・ス
ペーサを設けた面を対向させするように、それぞれ上定
盤15、下定盤16に搭載する(第1工程)。
【0037】(ステップ3)図1(c)を参照して、上
定盤15と中空部材14を下降させ、弾性部材15a、
14bを介して下定盤16に押圧し、その状態を保持す
る。そして、上定盤15と下定盤16で密閉された第1
の空間を下定盤に設けられた孔16aから第1の真空ポ
ンプ(図中に示さず)で脱空することで第1の空間を1
Torr以下に減圧する。それと同時に中空部材14と
下定盤16で密閉された第2の空間も中空部材14に設
けられた孔14aから第2の真空ポンプ(図中に示さ
ず)で脱空することで第2の空間を20Torr以下に
減圧する(第4工程)。これにより、塗布時に液晶3に
溶け込んだ気体や基板1,2の表面に吸着された気体分
子を減圧によって除去する。
【0038】なお、上述のように第2の空間をも減圧す
るのは、第1の空間のみ減圧すると、上定盤15から下
定盤16に大きな圧力が急激に生じるため、基板の破損
等が生じる惧れがあり、また後述する位置合わせができ
なくなるからである。
【0039】(ステップ4)弾性部材15a,14bを
押圧して、基板1と基板2の間隔を0.5mmまで接近
させ、2枚の基板を水平面内で位置合わせする。このと
き、シール材4と基板1の間には隙間が開いており、位
置あわせによってシール材4がずれたり、液晶3に接触
したりすることはない。なお、この位置合わせは、弾性
部材15a,14bの変形の範囲内で行う。
【0040】(ステップ5)図1(d)を参照して、液
晶3が存在する部分においてセル厚計11でセルギャッ
プ12を計測しながら、上定盤15の上下方向の駆動部
を解除し、第1の空間と第2の空間の圧力差と上定盤部
の自重で上定盤15を下定盤16に押圧する。
【0041】(ステップ6)そして、孔14aから空気
を流入させて、第2の空間の圧力を徐々に増加させる
(第2工程)。これにより、2枚の基板1,2は全面で
徐々に加圧される。このとき、弾性部材15aも押圧さ
れるが、まだ弾性域にあるため、基板1,2間のシール
材4が押しつぶされ貼り合わせが行われる。シール材4
は25μmから5μmまでつぶされ、線幅が0.4mm
から2mmに広がる。
【0042】つぶれる前のシール材4の内側は液晶3か
ら0.5mm間隔を開けているが、シール材が内外に広
がり液晶とシール材の空間が埋められる。液晶があれば
シール材はその分外側へ広がるので、この広がりの範囲
内であれば、気泡やシール材の押し流しを生じずに、液
晶量のばらつきや上下基板のアライメントによる位置ず
れを吸収することができる。
【0043】液晶3は規定セルギャップ厚で塗布されて
いるが、液晶表面の凹凸やシール材、スペーサの抵抗に
より、加圧しないと基板2と全面で密着しない。このと
きセルギャップを実際に測定しながら徐々に加圧して行
くことにより、押し過ぎや加圧不足によるセルギャップ
誤差をなくすことができる。
【0044】真空注入法では、空セルの貼り合せ時には
液晶が無く、数μmの空気層を精度良く計測することが
できず、注入時にはセル厚を測定するのではなく、注入
時間を経験的に変えてセルギャップを制御していたた
め、空セル個々のばらつきがセルギャップ誤差となって
いたが、本実施の形態で採用した滴下注入法によれば、
上述のようにギャップ誤差をなくすことができる。
【0045】セル厚計11としては従来の注入後のセル
ギャップ計測に用いられる、リタデーションを計測する
機器を適用できる。
【0046】(ステップ7)液晶層が規定厚になった時
点で、シール材4に紫外線を照射し硬化する。紫外線は
液晶3に照射されないよう、導光路13によってシール
材部分のみに基板裏面から照射する。
【0047】(ステップ8)まず、第1の空間の減圧を
リークして大気圧に戻し、第2の空間をリークして大気
圧に戻し、上定盤15及び中空部材14を上方に駆動さ
せ、貼り合わされた基板を取り出して液晶の封入を完了
する。
【0048】なお、シール材に用いた紫外線硬化樹脂は
一般的に短時間の紫外線照射では完全に硬化しないた
め、上記手順により貼り合わせた基板をUV炉に入れ、
液晶部分をマスクして数分から数十分紫外線照射して完
全硬化する。さらに常温より10℃から50℃程度加熱
するとより硬化が促進される。しかし、加熱を過度に行
うと、熱膨張により2枚の基板の位置ずれを生じたり、
基板のそりでシール材が剥離する恐れがあるので、これ
らの問題が生じない範囲で加熱する必要がある。
【0049】以上のように、本実施の形態では、基板間
を圧力差による力を利用して押圧するため、簡単な構成
により、基板を均一に押圧して貼り合わせることがで
き、セル厚むらを防止できる。さらに、圧力差を徐々に
変化させることで、押圧力を徐々に且つ大きく変化させ
ることができるため、基板を破損させずに1つの押圧装
置により基板間のギャップを決めることが可能となる。
よって、生産性を向上できるとともに、コストダウンを
図れる。
【0050】(実施の形態2)次に、本発明の別の実施
の形態について図2に基づいて説明する。なお、本実施
の形態でも、上述した滴下注入法にて液晶表示素子を製
造する場合について説明するが、これに限るものではな
い。
【0051】まず、本実施の形態で使用する製造装置に
ついて説明する。
【0052】本製造装置は、一方の基板を載置する下定
盤(第1基板支持台)46、他方の基板を載置する上定
盤(第2基板支持台)45、及び、該上定盤45を隙間
を介して覆うように形成された中空部材44を有してい
る。上定盤45及び中空部材44は、それぞれ図示して
いない駆動系により下定盤46に対して上下方向に移動
可能となっている。
【0053】上定盤45は、基板を搭載する平坦領域の
周囲に立設部を有しており、その立設部の先端には断面
が三角形状の突起45aが設けられている。また、上定
盤15は上記のように上下移動可能であるとともに、基
板の面方向には精密位置調整できるようになっている。
【0054】中空部材44は、上定盤45を取り囲む立
設部及び平坦部を有し、立設部の先端には断面が三角形
状の突起44bが設けられている。
【0055】下定盤46は、上述の突起45a,44b
それぞれと対応する位置に弾性部材46a,46bを有
している。そして、上定盤45を下定盤46上に押圧し
たときに(すなわち、突起45aを弾性部材46bに押
圧したときに)、上定盤45と下定盤46との間の空間
(第1の空間)は気密となるように形成されている。ま
た、中空部材44を下定盤46上に押圧したときに(す
なわち、突起44bを弾性部材46bに押圧したとき
に)、中空部材44と上定盤45との間の空間(第2の
空間)が気密となるように形成されている。
【0056】下定盤16及び上定盤14には、それぞれ
孔46a,44aが形成されており、それぞれ第1の空
間、第2の空間を真空排気できるようになっている。
【0057】また、上定盤45には、図1(d)に示す
ようにセルギャップ32を計測するためのセル厚計31
が備えられているとともに、光を透過させるための導光
路33が備えられている。
【0058】次に、上記製造装置を用いた、本実施の形
態の基板の貼り合わせ方法、液晶表示素子の製造方法に
ついて説明する。
【0059】(ステップ11)図2(a)を参照して、
まず、一方の基板1に、封入完了時の液晶層と同じ大き
さで、規定の液晶層厚(5μm)の矩形膜状に、予め減
圧して脱泡処理を行った液晶を塗布する。もう一方の基
板2には、スペーサ35の散布とシール材34の塗布を
行う(第3工程)。
【0060】シール材34には紫外線硬化樹脂を用い、
ディスペンサで幅0.4mm厚さ25μmの線で、内寸
が塗布液晶外形から各辺0.5mm間隔を開けた矩形枠
に描画する。シール材34は液晶3を塗布しない側の基
板2に設けるので液晶3の塗布の妨げとはならない。
【0061】(ステップ12)図2(b)を参照して、
この一組の基板1,2を、液晶3を塗布した面とシール
材34・スペーサ35を設けた面を対向させするよう
に、それぞれ上定盤45、下定盤46に搭載する(第1
工程)。
【0062】(ステップ13)図2(c)を参照して、
上定盤45と中空部材44を下降させ、突起45a,4
4bを、下定盤46の弾性部材46b上に押圧し、その
状態を保持する。そして、上定盤45と下定盤46で密
閉された第1の空間を下定盤46に設けられた孔46a
から第1の真空ポンプ(図中に示さず)で脱空すること
で第1の空間を1Torr以下に減圧する。それと同時
に中空部材44と下定盤46で密閉された第2の空間も
中空部材14に設けられた孔44aから第2の真空ポン
プ(図中に示さず)で脱空することで第2の空間を20
Torr以下に減圧する(第4工程)。これにより、塗
布時に液晶3に溶け込んだ気体や基板1,2の表面に吸
着された気体分子を減圧によって除去する。
【0063】(ステップ14)弾性部材46bを押圧し
て、基板1と基板2の間隔を0.5mmまで接近させ、
2枚の基板を水平面内で位置合わせする。このとき、シ
ール材4と基板1の間には隙間が開いており、位置あわ
せによってシール材4がずれたり、液晶3に接触したり
することはない。なお、この位置合わせは、弾性部材4
6bの変形の範囲内で行う。
【0064】(ステップ15)図2(d)を参照して、
液晶3が存在する部分においてセル厚計31でセルギャ
ップ32を計測しながら、上定盤45の上下方向の駆動
部を解除し、第1の空間と第2の空間の圧力差と上定盤
45の自重で上定盤45を下定盤46に押圧する(第2
工程)。
【0065】(ステップ16)そして、孔44aから空
気を流入させて、第2の空間の圧力を徐々に増加させ
る。これにより、2枚の基板1,2は全面で徐々に加圧
される。このとき、弾性部材46bも押圧されるが、ま
だ弾性域にあるため、基板1,2間のシール材34が押
しつぶされ貼り合わせが行われる。シール材34は25
μmから5μmまでつぶされ、線幅が0.4mmから2
mmに広がる。
【0066】つぶれる前のシール材34の内側は液晶3
から0.5mm間隔を開けているが、シール材が内外に
広がり液晶とシール材の空間が埋められる。液晶があれ
ばシール材はその分外側へ広がるので、この広がりの範
囲内であれば、気泡やシール材の押し流しを生じずに、
液晶量のばらつきや上下基板のアライメントによる位置
ずれを吸収することができる。
【0067】液晶3は規定セルギャップ厚で塗布されて
いるが、液晶表面の凹凸やシール材34、スペーサ5の
抵抗により、加圧しないと基板2と全面で密着しない。
このときセルギャップを実際に測定しながら徐々に加圧
して行く(すなわち、徐々に第2の空間の圧力を増加さ
せていく)ことにより、押し過ぎや加圧不足によるセル
ギャップ誤差を無くすことができる。
【0068】(ステップ17)上定盤45の駆動部を連
結させ、上定盤の上下動作を固定する。そして、さらに
第2の空間の圧力を増加させる。そのとき、シール材3
4と液晶33間に減圧空間があれば、シール材34はま
だ未硬化のため流動性があるため、その減圧空間を埋め
るまで流動する。
【0069】(ステップ18)液晶3が規定厚になった
時点で、シール材34に紫外線を照射し硬化する。紫外
線は液晶3に照射されないよう、導光路33によってシ
ール材34のみに基板裏面から照射する。
【0070】(ステップ19)まず、第1の空間の減圧
をリークして大気圧に戻し、第2の空間をリークして大
気圧に戻し、上定盤45及び中空部材44を上方に駆動
させ、貼り合わされた基板を取り出して液晶3の封入を
完了する。
【0071】以上のように、本実施の形態では、基板間
を圧力差による力を利用して押圧するため、簡単な構成
により、基板を均一に押圧して貼り合わせることがで
き、セル厚むらを防止できる。さらに、圧力差を徐々に
変化させることで、押圧力を徐々に且つ大きく変化させ
ることができるため、基板を破損させずに1つの押圧装
置により基板間のギャップを決めることが可能となる。
よって、生産性を向上できるとともに、コストダウンを
図れる。
【0072】また、滴下注入法の場合には、液晶の脱泡
のための第1の空間の減圧時に第2の空間をも減圧する
ため、基板間に急激に圧力がかからず、基板を破損させ
ることを防止できる。また、基板間のギャップを精密に
決めることが可能となる。
【0073】以上説明した実施の形態1,2は本発明の
基板の貼り合わせ方法、貼り合わせ装置、液晶表示素子
の製造方法、製造装置の一例であり様々な変形が可能で
ある。以下に、その変形例の一部を記す。
【0074】(1)本発明の基板の貼り合わせ方法、貼
り合わせ装置は、液晶表示素子における基板の貼り合わ
せのみならず、プラズマディスプレイ等の他の表示素子
の基板の貼り合わせ等、他の用途にも適用可能である。
【0075】(2)液晶表示素子の製造方法、製造装置
としても、滴下注入法によるものに限らず、真空注入法
にも適用できる。
【0076】(3)第1の空間、第2の空間は、実施の
形態1,2のように形成する必要はない。第1の空間
は、2枚の基板の間を含む空間を何らかの形で密閉する
ことで形成すれば良く、第2の空間は、基板支持部材
(上記上定盤、下定盤のどちらか一方)の基板載置側と
は反対側の少なくとも一部を含む空間を何らかの形で密
閉することで形成すれば良い。
【0077】(4)上述した実施の形態1,2の方法は
設計、用途に合わせて如何様にも変形できる。例えば、
上記実施の形態では、シール材と液晶膜を別々の基板に
設けるとしたが、同一の基板に設けるようにしても良
い。また、第1の空間と第2の空間の圧力は、基板に加
える圧力が適当になるように設定すればよく、その減圧
・加圧のタイミングも上記形態に限るものではない。
【0078】
【発明の効果】本発明の基板貼り合わせ方法及び貼り合
わせ装置によれば、精密なプレス機構を用いることな
く、2枚の基板間の押圧力を基板全体に均一にかけるこ
とができ、精密な基板貼り合わせを容易に且つ短時間に
行える。
【0079】本発明の液晶表示素子の製造方法及び製造
装置によれば、精密なプレス機構を用いることなく、2
枚の基板間の押圧力を基板全体に均一にかけることがで
き、セル厚むらや液晶漏れ、気泡のない液晶表示素子の
製造を生産性よく行え、コストダウンを図ることができ
る。
【0080】また、本発明の滴下注入法による液晶表示
素子の製造方法、製造装置では、液晶の脱泡のための第
1の空間の減圧時に第2の空間をも減圧するため、基板
間に急激に圧力がかからず、基板を破損させることを防
止できる。また、基板間のギャップを精密に決めること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る液晶表示素子の製
造方法を説明する工程図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る液晶表示素子の
製造方法を説明する工程図である。
【図3】従来の真空注入法を説明する図である。
【図4】従来の滴下注入法を説明する図である。
【図5】従来の他の滴下注入法を説明する図である。
【図6】一般的な液晶表示素子の構造を示す図である。
【符号の説明】
1,2 基板 3 液晶膜 4,34 シール材 5 スペーサ 11,31 セル厚計 12,32 セルギャップ 13,33 導光路 14,44 中空部材 14a,44a 孔 14b 弾性部材 15,45 上定盤 15a,45a 弾性部材 16,46 下定盤 16a,46a 孔 44b,45a 突起 46b 弾性部材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板を所定間隔でシール材を介し
    て貼り合わせる基板貼り合わせ方法において、 前記一対の基板を、対向して配置された2つの基板支持
    台に載置し、 少なくとも一方の前記基板支持台の基板搭載側とは反対
    側に位置する空間の圧力を、前記一対の基板の間の空間
    の圧力に対して徐々に高めていくことにより、前記シー
    ル材を押しつぶして、前記一対の基板間間隔を前記所定
    間隔とすることを特徴とする基板貼り合わせ方法。
  2. 【請求項2】 一対の基板を所定間隔でシール材を介し
    て貼り合わせる基板貼り合わせ装置において、 前記一対の基板を載置する、対向して配置された2つの
    基板支持台を備え、 前記2つの基板支持台に搭載する基板の間を含む第1の
    空間、及び、一方の前記基板支持台の基板搭載側とは反
    対側の空間の一部を少なくとも含む第2の空間が密閉可
    能に形成されており、 且つ、第1の空間の圧力に対する第2の空間の圧力が可
    変に形成されていることを特徴とする基板貼り合わせ装
    置。
  3. 【請求項3】 シール材を介して所定間隔で貼り合わせ
    られた一対の基板間に、液晶が挿入されてなる液晶表示
    素子の製造方法において、 前記一対の基板を、対向して配置された2つの基板支持
    台に載置する第1工程と、 少なくとも一方の前記基板支持台の基板搭載側とは反対
    側に位置する第2の空間の圧力を、前記一対の基板の間
    の第1の空間の圧力に対して徐々に高めていくことによ
    り、前記シール材を押しつぶして、前記一対の基板の間
    隔を前記所定間隔とする第2工程と、を含むことを特徴
    とする液晶表示素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の液晶表示素子の製造方
    法において、 前記シール材は紫外線硬化型の樹脂からなり、 第2工程において前記一対の基板の間隔が前記所定間隔
    となったときに、前記シール材に紫外線を照射すること
    を特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載の液晶表
    示素子の製造方法において、 第1工程の前に、前記基板の一方に液晶を塗布する第3
    工程を含むとともに、 第1工程と第2工程の間に、第1の空間及び第2の空間
    を減圧する第4工程を含むことを特徴とする液晶表示素
    子の製造方法。
  6. 【請求項6】 シール材を介して所定間隔で貼り合わせ
    られた一対の基板間に、液晶が挿入されてなる液晶表示
    素子の製造装置において、 前記一対の基板を載置する、対向して配置された第1基
    板支持台、第2基板支持台を備え、 前記2つの基板支持台に搭載する基板の間を含む第1の
    空間、及び、一方の前記基板支持台の基板搭載側とは反
    対側の空間の一部を少なくとも含む第2の空間が密閉可
    能に形成されており、 且つ、第1の空間の圧力に対する第2の空間の圧力が可
    変に形成されていることを特徴とする液晶表示素子の製
    造装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の液晶表示素子の製造装
    置において、 第2基板支持台は、基板を載置する領域を取り囲み第1
    基板支持台に当接することで第1の空間を形成し、 第1の空間及び前記第2基板支持台を覆い、第1の基板
    支持台と当接することで第2の基板支持台及び第1の基
    板支持台との間に第2の空間を形成する中空部材を有し
    ており、 第2の基板支持台と第1の基板支持台との接触部分、及
    び、前記中空部材と第1の基板支持台との接触部分に、
    弾性部材を有することを特徴とする液晶表示素子の製造
    装置。
  8. 【請求項8】 シール材を介して貼り合わせられた一対
    の基板間に、液晶が挿入されてなる液晶表示素子の製造
    方法において、 前記基板の一方に液晶を塗布する工程と、 前記一対の基板を、対向して配置された2つの基板支持
    台に載置する工程と、 前記2つの基板支持台に搭載する基板の間を含む第1の
    空間、及び、一方の前記基板支持台の基板搭載側とは反
    対側の空間の一部を少なくとも含む第2の空間と、を減
    圧する工程と、 2つの基板支持台間を押圧することで、前記シール材を
    押しつぶし、前記一対の基板を貼り合わせることを特徴
    とする液晶表示素子の製造方法。
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