JPH10104562A - 液晶ディスプレイの製造方法及び製造装置 - Google Patents
液晶ディスプレイの製造方法及び製造装置Info
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- JPH10104562A JPH10104562A JP25988796A JP25988796A JPH10104562A JP H10104562 A JPH10104562 A JP H10104562A JP 25988796 A JP25988796 A JP 25988796A JP 25988796 A JP25988796 A JP 25988796A JP H10104562 A JPH10104562 A JP H10104562A
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- panel
- chamber
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 製造時間を短縮できる液晶ディスプレイの製
造方法及び製造装置を提供する。 【解決手段】 一対の透明基板を対向配置してシール材
で接合し、基板とシール材とにより囲まれた内部空間
と、該内部空間に液晶を注入するための液晶注入口とを
有するパネルを形成する。このパネルをホットプレス工
程31において加圧及び加熱し、シール材を仮硬化させ
る。このパネルを所定の大きさに切断した後、真空オー
ブン工程33a及び液晶注入工程33bを連続して行な
う。真空オーブン工程33aでは、パネルを加熱してシ
ール材を本硬化させると共に、脱ガス処理を行なう。液
晶注入工程33bでは、減圧されたチャンバ内で前工程
で加熱された状態のパネルの液晶注入口を液晶中に浸漬
し、チャンバ内の圧力を上げてパネル内部に液晶を充填
させる。
造方法及び製造装置を提供する。 【解決手段】 一対の透明基板を対向配置してシール材
で接合し、基板とシール材とにより囲まれた内部空間
と、該内部空間に液晶を注入するための液晶注入口とを
有するパネルを形成する。このパネルをホットプレス工
程31において加圧及び加熱し、シール材を仮硬化させ
る。このパネルを所定の大きさに切断した後、真空オー
ブン工程33a及び液晶注入工程33bを連続して行な
う。真空オーブン工程33aでは、パネルを加熱してシ
ール材を本硬化させると共に、脱ガス処理を行なう。液
晶注入工程33bでは、減圧されたチャンバ内で前工程
で加熱された状態のパネルの液晶注入口を液晶中に浸漬
し、チャンバ内の圧力を上げてパネル内部に液晶を充填
させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の透明基板間
を減圧状態にして前記透明基板間に液晶を注入する液晶
ディスプレイの製造方法及び製造装置に関する。
を減圧状態にして前記透明基板間に液晶を注入する液晶
ディスプレイの製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイは、薄くて軽量である
とともに低電圧で駆動できて消費電力が少ないという長
所があり、各種電子機器に広く使用されている。特に、
近年、TFT(Thin Film Transistor)等の能動素子が
画素毎に設けられたアクティブマトリクス方式の液晶デ
ィスプレイは、表示品質の点でもCRT(Cathode-Ray
Tube)に匹敵するほど優れたものが得られるようにな
り、携帯テレビやパーソナルコンピュータ等のディスプ
レイにも使用されている。
とともに低電圧で駆動できて消費電力が少ないという長
所があり、各種電子機器に広く使用されている。特に、
近年、TFT(Thin Film Transistor)等の能動素子が
画素毎に設けられたアクティブマトリクス方式の液晶デ
ィスプレイは、表示品質の点でもCRT(Cathode-Ray
Tube)に匹敵するほど優れたものが得られるようにな
り、携帯テレビやパーソナルコンピュータ等のディスプ
レイにも使用されている。
【0003】一般的に、液晶ディスプレイは2枚の透明
基板の間に液晶組成物を封入した構造を有している。そ
れらの透明基板の相互に対向する2つの面(対向面)の
うち、一方の面側には対向電極、カラーフィルタ及び配
向膜等が形成され、また他方の面側にはアクティブマト
リクス回路、画素電極及び配向膜等が形成されている。
さらに、各透明基板の対向面と反対側の面には、それぞ
れ偏光板が貼り付けられている。これらの2枚の偏光板
は、例えば偏光板の偏光軸が互いに直交するように配置
され、これによれば、電界をかけない状態では光を透過
し、電界を印加した状態では遮光するモード、すなわち
ノーマリーホワイトモードとなる。その反対に、2枚の
偏光板の偏光軸が平行な場合には、ノーマリーブラック
モードとなる。
基板の間に液晶組成物を封入した構造を有している。そ
れらの透明基板の相互に対向する2つの面(対向面)の
うち、一方の面側には対向電極、カラーフィルタ及び配
向膜等が形成され、また他方の面側にはアクティブマト
リクス回路、画素電極及び配向膜等が形成されている。
さらに、各透明基板の対向面と反対側の面には、それぞ
れ偏光板が貼り付けられている。これらの2枚の偏光板
は、例えば偏光板の偏光軸が互いに直交するように配置
され、これによれば、電界をかけない状態では光を透過
し、電界を印加した状態では遮光するモード、すなわち
ノーマリーホワイトモードとなる。その反対に、2枚の
偏光板の偏光軸が平行な場合には、ノーマリーブラック
モードとなる。
【0004】図8は従来の液晶ディスプレイの製造方法
を示すブロック図である。まず、対向電極、カラーフィ
ルタ及び配向膜が形成された透明基板と、アクティブマ
トリクス回路、画素電極及び配向膜が形成された透明基
板とを用意する。そして、これらの透明基板の少なくと
も一方の表示領域(画素電極又は対向電極の形成された
領域)の外側にシール材として熱硬化性樹脂を塗布した
後、画素電極と対向電極とが対向するように一対の基板
を配置して、基板とシール材とに囲まれた内部空間を有
するパネルを形成する。このとき、基板間の間隔を一定
に維持するために、基板間に例えば球形のセラミックス
粒からなるスペーサを散布しておく。また、基板の縁部
領域の一部にシール材を塗布しない部分を設けておき、
その部分を前記内部空間に液晶を注入するための液晶注
入口とする。
を示すブロック図である。まず、対向電極、カラーフィ
ルタ及び配向膜が形成された透明基板と、アクティブマ
トリクス回路、画素電極及び配向膜が形成された透明基
板とを用意する。そして、これらの透明基板の少なくと
も一方の表示領域(画素電極又は対向電極の形成された
領域)の外側にシール材として熱硬化性樹脂を塗布した
後、画素電極と対向電極とが対向するように一対の基板
を配置して、基板とシール材とに囲まれた内部空間を有
するパネルを形成する。このとき、基板間の間隔を一定
に維持するために、基板間に例えば球形のセラミックス
粒からなるスペーサを散布しておく。また、基板の縁部
領域の一部にシール材を塗布しない部分を設けておき、
その部分を前記内部空間に液晶を注入するための液晶注
入口とする。
【0005】次に、ホットプレス工程41において、ホ
ットプレス装置の一対のプレス板の間にパネルを挟み込
んで押圧し、温度を加えてシール材を仮硬化させる。こ
のホットプレス工程において使用されるプレス装置に
は、大きく分けて2つの形式がある。一つは20枚程度
のパネルを重ね合わせて一度にプレスするバッチ式プレ
ス装置であり、もう一つはパネルを1枚づつプレス処理
する枚葉式プレス装置である。いずれの形式のホットプ
レス装置でもヒータが埋め込まれたプレス板が使用され
ている。
ットプレス装置の一対のプレス板の間にパネルを挟み込
んで押圧し、温度を加えてシール材を仮硬化させる。こ
のホットプレス工程において使用されるプレス装置に
は、大きく分けて2つの形式がある。一つは20枚程度
のパネルを重ね合わせて一度にプレスするバッチ式プレ
ス装置であり、もう一つはパネルを1枚づつプレス処理
する枚葉式プレス装置である。いずれの形式のホットプ
レス装置でもヒータが埋め込まれたプレス板が使用され
ている。
【0006】次に、オーブン工程42において、パネル
をオーブンに入れて約1時間加熱する。これにより、シ
ール材を完全に硬化させる。次に、スクライブ及びブレ
イク工程43において、ダイヤモンドカッターによりパ
ネルの表面にきずを付け、ブレイク装置で衝撃を加えて
きずに沿ってパネルを分割して所定の大きさにする。
をオーブンに入れて約1時間加熱する。これにより、シ
ール材を完全に硬化させる。次に、スクライブ及びブレ
イク工程43において、ダイヤモンドカッターによりパ
ネルの表面にきずを付け、ブレイク装置で衝撃を加えて
きずに沿ってパネルを分割して所定の大きさにする。
【0007】次に、パネル脱ガス工程44において、パ
ネルを例えば真空中で約120℃に加熱して、パネルの
内部空間に残留している水分等の揮発成分を取り除く。
この工程が不完全で完成した液晶ディスプレイ内に水分
が残留していると、熱が加えられたときに液晶ディスプ
レイ内に気泡が突然発生して、部分的に画像が表示でき
なくなるという不具合が発生する。このため、パネルを
十分に脱ガス処理する必要がある。通常、パネルの液晶
注入口の幅は極めて狭いので、この工程には約7時間程
度かかる。
ネルを例えば真空中で約120℃に加熱して、パネルの
内部空間に残留している水分等の揮発成分を取り除く。
この工程が不完全で完成した液晶ディスプレイ内に水分
が残留していると、熱が加えられたときに液晶ディスプ
レイ内に気泡が突然発生して、部分的に画像が表示でき
なくなるという不具合が発生する。このため、パネルを
十分に脱ガス処理する必要がある。通常、パネルの液晶
注入口の幅は極めて狭いので、この工程には約7時間程
度かかる。
【0008】次に、液晶注入工程45において、パネル
内に液晶を注入する。すなわち、チャンバ内にパネルと
液晶が入った容器とを入れて前記チャンバ内を排気す
る。チャンバ内の圧力が十分低くなった後、パネルの液
晶注入口の部分を液晶中に浸漬し、チャンバ内を大気圧
にする。そうすると、液晶は、パネル内の圧力と大気圧
との圧力差及び毛細管現象によってパネル内部に充填さ
れる。
内に液晶を注入する。すなわち、チャンバ内にパネルと
液晶が入った容器とを入れて前記チャンバ内を排気す
る。チャンバ内の圧力が十分低くなった後、パネルの液
晶注入口の部分を液晶中に浸漬し、チャンバ内を大気圧
にする。そうすると、液晶は、パネル内の圧力と大気圧
との圧力差及び毛細管現象によってパネル内部に充填さ
れる。
【0009】次に、注入口封止工程46において、例え
ば加圧治具で液晶が充填されたパネルを挟んで数時間保
持する。これにより、パネル内部に過剰に注入された液
晶が押し出され、セル厚(基板間隔)を均一にすること
ができる。その後、加圧治具によりパネルを加圧したま
まの状態で液晶注入口に封止材としてUV硬化樹脂を塗
布する。そして、加圧治具を外して封止材が液晶注入口
から1mm程度引き込んだ状態で封止材に紫外線を照射
して硬化させる。これにより、パネル内部に液晶が封止
される。
ば加圧治具で液晶が充填されたパネルを挟んで数時間保
持する。これにより、パネル内部に過剰に注入された液
晶が押し出され、セル厚(基板間隔)を均一にすること
ができる。その後、加圧治具によりパネルを加圧したま
まの状態で液晶注入口に封止材としてUV硬化樹脂を塗
布する。そして、加圧治具を外して封止材が液晶注入口
から1mm程度引き込んだ状態で封止材に紫外線を照射
して硬化させる。これにより、パネル内部に液晶が封止
される。
【0010】次いで、アニール工程47において、パネ
ルを液晶のNI相転位点温度以上(通常、120℃以
上)に加熱する。すなわち、液晶注入工程で液晶注入口
からパネル内部に入った液晶分子は、液晶の広がる方向
に配向している。このため、アニール工程において液晶
をNI相転位点温度以上に加熱して液体状態に変態させ
た後、再び室温に戻すことにより、液晶分子が配向膜の
配向方向に配向するようになる。その後、パネルの両側
に偏光板を配置する。これにより、液晶ディスプレイが
完成する。
ルを液晶のNI相転位点温度以上(通常、120℃以
上)に加熱する。すなわち、液晶注入工程で液晶注入口
からパネル内部に入った液晶分子は、液晶の広がる方向
に配向している。このため、アニール工程において液晶
をNI相転位点温度以上に加熱して液体状態に変態させ
た後、再び室温に戻すことにより、液晶分子が配向膜の
配向方向に配向するようになる。その後、パネルの両側
に偏光板を配置する。これにより、液晶ディスプレイが
完成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
液晶ディスプレイの製造方法では、ホットプレス工程4
1からアニール工程47までの処理時間が長い。例え
ば、従来方法では、オーブン工程で約1時間、パネル脱
ガス工程で約7時間、液晶注入工程で約11.5時間、
液晶注入口封止工程で約4時間、アニール工程で約1時
間かかり、これらの工程を完了するのに24時間以上の
時間が必要である。このため、製造に要する時間の短縮
が要望されている。
液晶ディスプレイの製造方法では、ホットプレス工程4
1からアニール工程47までの処理時間が長い。例え
ば、従来方法では、オーブン工程で約1時間、パネル脱
ガス工程で約7時間、液晶注入工程で約11.5時間、
液晶注入口封止工程で約4時間、アニール工程で約1時
間かかり、これらの工程を完了するのに24時間以上の
時間が必要である。このため、製造に要する時間の短縮
が要望されている。
【0012】本発明の目的は、製造時間を短縮できる液
晶ディスプレイの製造方法及びその製造方法において使
用する製造装置を提供することである。
晶ディスプレイの製造方法及びその製造方法において使
用する製造装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、一対の
透明基板の間にシール材を選択的に付着させて前記一対
の基板と前記シール材とにより囲まれた内部空間及び該
内部空間と外部とを連絡する液晶注入口を有するパネル
を形成する工程と、前記パネルを加熱する加熱工程と、
前記加熱工程で加熱された状態の前記パネルを減圧した
チャンバ内に入れ、該チャンバ内で前記液晶注入口を液
晶中に浸漬する工程と、前記チャンバ内の圧力を上げて
前記パネルの前記内部空間に液晶を充填する液晶充填工
程とを有することを特徴とする液晶ディスプレイの製造
方法により解決する。
透明基板の間にシール材を選択的に付着させて前記一対
の基板と前記シール材とにより囲まれた内部空間及び該
内部空間と外部とを連絡する液晶注入口を有するパネル
を形成する工程と、前記パネルを加熱する加熱工程と、
前記加熱工程で加熱された状態の前記パネルを減圧した
チャンバ内に入れ、該チャンバ内で前記液晶注入口を液
晶中に浸漬する工程と、前記チャンバ内の圧力を上げて
前記パネルの前記内部空間に液晶を充填する液晶充填工
程とを有することを特徴とする液晶ディスプレイの製造
方法により解決する。
【0014】また、上述した課題は、パネルを加熱する
加熱手段を備えた第1のチャンバと、液晶を入れる容器
が搭載される第2のチャンバと、前記第1のチャンバと
前記第2のチャンバとの間に設けられた開閉可能な仕切
り扉と、前記第1のチャンバの内部を排気する第1の排
気手段と、前記第2のチャンバの内部を排気する第2の
排気手段とを有することを特徴とする液晶ディスプレイ
の製造装置により解決する。
加熱手段を備えた第1のチャンバと、液晶を入れる容器
が搭載される第2のチャンバと、前記第1のチャンバと
前記第2のチャンバとの間に設けられた開閉可能な仕切
り扉と、前記第1のチャンバの内部を排気する第1の排
気手段と、前記第2のチャンバの内部を排気する第2の
排気手段とを有することを特徴とする液晶ディスプレイ
の製造装置により解決する。
【0015】以下、本発明の作用について説明する。本
発明方法においては、加熱工程で加熱した状態のパネル
を減圧したチャンバ内に入れ、液晶注入口を液晶中に浸
漬した後、前記チャンバ内の圧力を上げる。そうする
と、パネルの内部空間の圧力とパネル外側の圧力との差
及び毛細管現象により、液晶がパネルの内部空間に入
る。このとき、パネルが加熱された状態のため、液晶注
入口の近傍の液晶及びパネル内部に進入した液晶の温度
が上昇し粘度が低下して、比較的短時間でパネル内部に
液晶を充填することができる。また、パネル内部に充填
された液晶の分子はパネルにより加熱されてランダム配
向になり、温度が低下すると配向膜に施された配向処理
方向に配向する。従って、従来方法において必要とされ
ていたアニール工程が不要になる。
発明方法においては、加熱工程で加熱した状態のパネル
を減圧したチャンバ内に入れ、液晶注入口を液晶中に浸
漬した後、前記チャンバ内の圧力を上げる。そうする
と、パネルの内部空間の圧力とパネル外側の圧力との差
及び毛細管現象により、液晶がパネルの内部空間に入
る。このとき、パネルが加熱された状態のため、液晶注
入口の近傍の液晶及びパネル内部に進入した液晶の温度
が上昇し粘度が低下して、比較的短時間でパネル内部に
液晶を充填することができる。また、パネル内部に充填
された液晶の分子はパネルにより加熱されてランダム配
向になり、温度が低下すると配向膜に施された配向処理
方向に配向する。従って、従来方法において必要とされ
ていたアニール工程が不要になる。
【0016】更にまた、本発明方法によれば、比較的短
時間でパネル内部空間への液晶の充填が完了するので、
加熱条件等によっては充填完了時のパネル温度を常温よ
りも高くすることができる。パネル温度が常温よりも高
い状態で液晶注入口を封止すると、温度の低下に伴って
液晶の体積が減少する。従って、余分に充填された液晶
を押し出す工程が不要になると共に、加圧治具等により
パネル表面に傷を付けるおそれも回避できる。
時間でパネル内部空間への液晶の充填が完了するので、
加熱条件等によっては充填完了時のパネル温度を常温よ
りも高くすることができる。パネル温度が常温よりも高
い状態で液晶注入口を封止すると、温度の低下に伴って
液晶の体積が減少する。従って、余分に充填された液晶
を押し出す工程が不要になると共に、加圧治具等により
パネル表面に傷を付けるおそれも回避できる。
【0017】また、本発明装置においては、加熱手段が
設けられた第1のチャンバと、液晶を入れる容器が搭載
される第2のチャンバとの間が仕切り扉により仕切られ
ている。第1のチャンバでは、パネルを加熱することに
よりシール材を本硬化させるとともに脱ガス処理を施
す。このとき、仮に第1のチャンバと第2のチャンバと
の間に仕切扉がないとすると、第1のチャンバでパネル
を加熱しているときに容器内の液晶も加熱され、液晶中
の低分子量成分が蒸発して液晶組成が変化してしまうお
それがある。また、液晶中の成分が蒸発すると、チャン
バ内の真空度が低下してしまうという不具合も発生す
る。本発明装置においては、第1のチャンバと第2のチ
ャンバとの間に仕切り扉が設けられているので、第1の
チャンバでパネルが加熱されている間は該仕切り扉を閉
じておくことにより、第2のチャンバの液晶が加熱され
ることを回避できる。従って、液晶の組成が変化した
り、液晶から蒸発した成分により第1及び第2のチャン
バ内の真空度が低下するという不具合の発生を防止する
ことができる。
設けられた第1のチャンバと、液晶を入れる容器が搭載
される第2のチャンバとの間が仕切り扉により仕切られ
ている。第1のチャンバでは、パネルを加熱することに
よりシール材を本硬化させるとともに脱ガス処理を施
す。このとき、仮に第1のチャンバと第2のチャンバと
の間に仕切扉がないとすると、第1のチャンバでパネル
を加熱しているときに容器内の液晶も加熱され、液晶中
の低分子量成分が蒸発して液晶組成が変化してしまうお
それがある。また、液晶中の成分が蒸発すると、チャン
バ内の真空度が低下してしまうという不具合も発生す
る。本発明装置においては、第1のチャンバと第2のチ
ャンバとの間に仕切り扉が設けられているので、第1の
チャンバでパネルが加熱されている間は該仕切り扉を閉
じておくことにより、第2のチャンバの液晶が加熱され
ることを回避できる。従って、液晶の組成が変化した
り、液晶から蒸発した成分により第1及び第2のチャン
バ内の真空度が低下するという不具合の発生を防止する
ことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照して説明する。図1は、本発明の
実施の形態の液晶ディスプレイ製造装置を示す模式図で
ある。この液晶ディスプレイ製造装置10は、仕切り扉
4により仕切られた第1のチャンバ1及び第2のチャン
バ2と、第1のチャンバ1内を排気する真空ポンプ9a
及び第2のチャンバ2内を排気する真空ポンプ9bとに
より構成されている。
て、添付の図面を参照して説明する。図1は、本発明の
実施の形態の液晶ディスプレイ製造装置を示す模式図で
ある。この液晶ディスプレイ製造装置10は、仕切り扉
4により仕切られた第1のチャンバ1及び第2のチャン
バ2と、第1のチャンバ1内を排気する真空ポンプ9a
及び第2のチャンバ2内を排気する真空ポンプ9bとに
より構成されている。
【0019】第1のチャンバ1には入口扉3が設けられ
ており、パネルはこの入口扉3を介してチャンバ1内に
入る。この第1のチャンバ1にはヒータ6が設けられお
り、このヒータ6によりパネルを加熱する。また、第2
のチャンバ2には液晶7を入れる容器(以下、液晶皿と
いう)8が配置され、この第2のチャンバ2でパネルの
内部に液晶を充填する。液晶が充填されたパネルは、第
2のチャンバ2から出口扉5を介して装置外に取り出さ
れる。
ており、パネルはこの入口扉3を介してチャンバ1内に
入る。この第1のチャンバ1にはヒータ6が設けられお
り、このヒータ6によりパネルを加熱する。また、第2
のチャンバ2には液晶7を入れる容器(以下、液晶皿と
いう)8が配置され、この第2のチャンバ2でパネルの
内部に液晶を充填する。液晶が充填されたパネルは、第
2のチャンバ2から出口扉5を介して装置外に取り出さ
れる。
【0020】図2は本発明の実施の形態に係る液晶ディ
スプレイの製造方法を示すブロック図である。まず、ア
クティブマトリクス回路、画素電極及び配向膜等が形成
された透明基板と、対向電極、カラーフィルタ及び配向
膜等が形成された透明基板とを用意する。ここでは、こ
れらの透明基板は、いわゆる2面取り用基板であり、2
組の液晶ディスプレイを製造するための画素電極及び対
向電極等が形成されているとする。そして、図3に示す
ように、透明基板の表示領域の外側にシール材23を塗
布し、スペーサを散布してシール材を塗布した面を内側
にして一対の透明基板を数μm程度の間隔をおいて対向
配置して、基板とシール材とに囲まれた内部空間を有す
る2面取り用パネル20を形成する。なお、シール材2
3を塗布する際には、後工程で内部空間に液晶を注入す
るために、基板の縁部に数mmの幅でシール材23を塗
布しない部分を液晶注入口24a,24bとして設けて
おく。
スプレイの製造方法を示すブロック図である。まず、ア
クティブマトリクス回路、画素電極及び配向膜等が形成
された透明基板と、対向電極、カラーフィルタ及び配向
膜等が形成された透明基板とを用意する。ここでは、こ
れらの透明基板は、いわゆる2面取り用基板であり、2
組の液晶ディスプレイを製造するための画素電極及び対
向電極等が形成されているとする。そして、図3に示す
ように、透明基板の表示領域の外側にシール材23を塗
布し、スペーサを散布してシール材を塗布した面を内側
にして一対の透明基板を数μm程度の間隔をおいて対向
配置して、基板とシール材とに囲まれた内部空間を有す
る2面取り用パネル20を形成する。なお、シール材2
3を塗布する際には、後工程で内部空間に液晶を注入す
るために、基板の縁部に数mmの幅でシール材23を塗
布しない部分を液晶注入口24a,24bとして設けて
おく。
【0021】その後、ホットプレス工程31において、
プレス装置により2面取り用パネル20を挟んだ状態で
加熱して、次のスクライブ及びブレイク工程32で一対
の基板が剥離しない程度までシール材23を仮硬化させ
る。なお、近年、短時間硬化型シール材が多数開発され
ており、これらの短時間硬化型シール材を使用すると、
4分間程度の加熱で90%以上硬化反応が完了して、次
のスクライブ及びブレイク工程32で基板が剥がれるこ
とを回避できる。従って、スクライブ及びブレイク工程
32の前にシール材を本硬化させる工程が不要になる。
プレス装置により2面取り用パネル20を挟んだ状態で
加熱して、次のスクライブ及びブレイク工程32で一対
の基板が剥離しない程度までシール材23を仮硬化させ
る。なお、近年、短時間硬化型シール材が多数開発され
ており、これらの短時間硬化型シール材を使用すると、
4分間程度の加熱で90%以上硬化反応が完了して、次
のスクライブ及びブレイク工程32で基板が剥がれるこ
とを回避できる。従って、スクライブ及びブレイク工程
32の前にシール材を本硬化させる工程が不要になる。
【0022】次に、スクライブ及びブレイク工程32に
おいて、ダイヤモンドカッターにより2面取り用パネル
20に分割線(図3中に破線で示す)としてきずを入
れ、そのきずに沿って2面取り用パネル20を分割して
2組のパネル21a,21bを得る。次に、真空オーブ
ン工程33a及び液晶注入工程33bを連続して実施す
る。この真空オーブン工程33a及び液晶注入工程33
bでは、図1に示す装置を使用する。つまり、第1のチ
ャンバ1内に1枚又は複数枚のパネルを入れる。ここで
は、2枚のパネル21a,21bを重ねて治具で固定し
て第1のチャンバ1内に入れるとする。
おいて、ダイヤモンドカッターにより2面取り用パネル
20に分割線(図3中に破線で示す)としてきずを入
れ、そのきずに沿って2面取り用パネル20を分割して
2組のパネル21a,21bを得る。次に、真空オーブ
ン工程33a及び液晶注入工程33bを連続して実施す
る。この真空オーブン工程33a及び液晶注入工程33
bでは、図1に示す装置を使用する。つまり、第1のチ
ャンバ1内に1枚又は複数枚のパネルを入れる。ここで
は、2枚のパネル21a,21bを重ねて治具で固定し
て第1のチャンバ1内に入れるとする。
【0023】そして、真空ポンプ9aにより第1のチャ
ンバ1内を排気しつつ、ヒータ6によりパネル21a,
21bを約120℃に加熱して約7時間保持する。これ
により、シール材23が完全に硬化すると共に、パネル
21a,21bに付着した水分等の揮発成分が十分に除
去される。その後、仕切り扉4を開き、パネル21a,
21bを第2のチャンバ2に移動させる。このとき、真
空ポンプ9bにより第2のチャンバ2内も十分に排気し
ておく。そして、仕切り扉4を閉じた後、パネル21
a,21bの液晶注入口24a,24bの部分を液晶皿
8内の液晶7中に浸漬する。その後、第2のチャンバ2
内の圧力を上げて大気圧に戻す。そうすると、パネル2
1a,21bの内部の圧力と大気圧との圧力の差及び毛
細管現象により、液晶皿8の液晶7がパネル21a,2
1bの液晶注入口24a,24bから内部空間内に進入
する。このとき、パネル21a,21bは高温であるの
で、液晶注入口24a,24bの近傍の液晶及びパネル
内部に進入した液晶はNI相転位点以上に加熱され、粘
度が低下して比較的速い速度でパネル内部に液晶が充填
される。また、パネル21a,21bの内部に入った液
晶はパネル21a,21bにより加熱されるので、液晶
分子がランダム配向になる。従って、本実施の形態で
は、常温に戻ると液晶分子が配向膜の配向処理方向に配
向するので、従来方法では必要であったアニール工程が
不要になる。
ンバ1内を排気しつつ、ヒータ6によりパネル21a,
21bを約120℃に加熱して約7時間保持する。これ
により、シール材23が完全に硬化すると共に、パネル
21a,21bに付着した水分等の揮発成分が十分に除
去される。その後、仕切り扉4を開き、パネル21a,
21bを第2のチャンバ2に移動させる。このとき、真
空ポンプ9bにより第2のチャンバ2内も十分に排気し
ておく。そして、仕切り扉4を閉じた後、パネル21
a,21bの液晶注入口24a,24bの部分を液晶皿
8内の液晶7中に浸漬する。その後、第2のチャンバ2
内の圧力を上げて大気圧に戻す。そうすると、パネル2
1a,21bの内部の圧力と大気圧との圧力の差及び毛
細管現象により、液晶皿8の液晶7がパネル21a,2
1bの液晶注入口24a,24bから内部空間内に進入
する。このとき、パネル21a,21bは高温であるの
で、液晶注入口24a,24bの近傍の液晶及びパネル
内部に進入した液晶はNI相転位点以上に加熱され、粘
度が低下して比較的速い速度でパネル内部に液晶が充填
される。また、パネル21a,21bの内部に入った液
晶はパネル21a,21bにより加熱されるので、液晶
分子がランダム配向になる。従って、本実施の形態で
は、常温に戻ると液晶分子が配向膜の配向処理方向に配
向するので、従来方法では必要であったアニール工程が
不要になる。
【0024】パネル21a,21bの内部に液晶が十分
充填された後、液晶注入口封止工程34において、液晶
注入口24a,24bの部分に例えばUV硬化性樹脂を
塗布し、紫外線を照射して樹脂を硬化させて、液晶注入
口24a,24bを封止する。このとき、液晶注入工程
33bに要する時間が比較的短いので、液晶注入が完了
し液晶注入口を封止した時点ではパネル内部の液晶の温
度が常温よりも高く、温度の低下に伴って液晶の体積が
減少する。このため、液晶の押し出し工程を省略して
も、パネル表面を平坦化することができる。
充填された後、液晶注入口封止工程34において、液晶
注入口24a,24bの部分に例えばUV硬化性樹脂を
塗布し、紫外線を照射して樹脂を硬化させて、液晶注入
口24a,24bを封止する。このとき、液晶注入工程
33bに要する時間が比較的短いので、液晶注入が完了
し液晶注入口を封止した時点ではパネル内部の液晶の温
度が常温よりも高く、温度の低下に伴って液晶の体積が
減少する。このため、液晶の押し出し工程を省略して
も、パネル表面を平坦化することができる。
【0025】その後、パネルの両側に偏光板を配置す
る。これにより、液晶ディスプレイが完成する。本実施
の形態においては、第1のチャンバ1内でパネルを加熱
し、シール材23を完全に硬化させると共に、パネル内
部の揮発成分を十分に揮発させる。その後、パネルを第
2のチャンバ2に移動させ、パネルの温度が十分高いう
ちに液晶注入口を液晶中に浸漬してパネル内に液晶を充
填する。このとき、液晶がパネルにより加熱されるの
で、液晶の粘度が低くなり、パネル内に液晶を比較的短
時間で充填することができる。また、パネル内に充填さ
れた液晶の分子は、温度が高いためランダム配向し、従
来必要とされていたアニール工程が不要になる。これら
により、液晶パネルの製造に要する時間が従来に比べて
著しく短縮できる。例えば、本実施の形態では、真空オ
ーブン工程に要する時間が約7時間、液晶注入工程に要
する時間が約2.3時間であり、ホットプレス工程31
から液晶注入口封止工程34まで約10時間以下で済む
ため、従来に比べて製造に要する時間が半分以下にな
る。
る。これにより、液晶ディスプレイが完成する。本実施
の形態においては、第1のチャンバ1内でパネルを加熱
し、シール材23を完全に硬化させると共に、パネル内
部の揮発成分を十分に揮発させる。その後、パネルを第
2のチャンバ2に移動させ、パネルの温度が十分高いう
ちに液晶注入口を液晶中に浸漬してパネル内に液晶を充
填する。このとき、液晶がパネルにより加熱されるの
で、液晶の粘度が低くなり、パネル内に液晶を比較的短
時間で充填することができる。また、パネル内に充填さ
れた液晶の分子は、温度が高いためランダム配向し、従
来必要とされていたアニール工程が不要になる。これら
により、液晶パネルの製造に要する時間が従来に比べて
著しく短縮できる。例えば、本実施の形態では、真空オ
ーブン工程に要する時間が約7時間、液晶注入工程に要
する時間が約2.3時間であり、ホットプレス工程31
から液晶注入口封止工程34まで約10時間以下で済む
ため、従来に比べて製造に要する時間が半分以下にな
る。
【0026】以下、本実施の形態により実際にTFT液
晶ディスプレイを製造し、セル厚のばらつき及び液晶分
子の配向性について調べた結果について説明する。 (第1の実施例)10.4インチの液晶パネル2枚取り
用透明基板として、300mm×400mmの2枚のガ
ラス基板を用意し、一方にアクティブマトリックス回
路、画素電極及び配向膜を形成し、他方に対向電極、カ
ラーフィルタ及び配向膜を形成した。この一対の基板の
表示領域の外側に短時間硬化型シール材を塗布した。但
し、液晶注入口として、幅が8mmの開口部(シール材
を塗布しない部分)を設けた。
晶ディスプレイを製造し、セル厚のばらつき及び液晶分
子の配向性について調べた結果について説明する。 (第1の実施例)10.4インチの液晶パネル2枚取り
用透明基板として、300mm×400mmの2枚のガ
ラス基板を用意し、一方にアクティブマトリックス回
路、画素電極及び配向膜を形成し、他方に対向電極、カ
ラーフィルタ及び配向膜を形成した。この一対の基板の
表示領域の外側に短時間硬化型シール材を塗布した。但
し、液晶注入口として、幅が8mmの開口部(シール材
を塗布しない部分)を設けた。
【0027】この一対の基板間にスペーサを散布し、ス
ペーサを挟んで基板を対向配置し、基板とシール材とに
囲まれた内部空間を有する2面取り用パネルを形成し
た。この2面取り用パネルをホットプレス装置の2枚の
プレス板の間に挟み、各プレス板の温度を145℃と
し、プレス圧を800kgとして4分間プレスしてシー
ル材を仮硬化させた。
ペーサを挟んで基板を対向配置し、基板とシール材とに
囲まれた内部空間を有する2面取り用パネルを形成し
た。この2面取り用パネルをホットプレス装置の2枚の
プレス板の間に挟み、各プレス板の温度を145℃と
し、プレス圧を800kgとして4分間プレスしてシー
ル材を仮硬化させた。
【0028】次に、ホットプレスした2面取り用パネル
を切断して、2組のパネルを得た。そして、これらのパ
ネルを図1に示す装置の第1のチャンバ1内に入れ、チ
ャンバ1内を真空排気すると共に、ヒータ6によりパネ
ルを約120℃に加熱して約7時間保持した。これによ
り、シール材を完全に硬化させると共に、パネルに付着
している揮発成分を十分に除去した。
を切断して、2組のパネルを得た。そして、これらのパ
ネルを図1に示す装置の第1のチャンバ1内に入れ、チ
ャンバ1内を真空排気すると共に、ヒータ6によりパネ
ルを約120℃に加熱して約7時間保持した。これによ
り、シール材を完全に硬化させると共に、パネルに付着
している揮発成分を十分に除去した。
【0029】その後、ヒータ6への給電を停止し、第2
のチャンバ2内にパネルを移動させた。そして、パネル
の液晶注入口を液晶皿8内の液晶7中に浸漬し、チャン
バ2内を大気圧に戻した。このとき、パネルの温度はほ
ぼ120℃であるため、液晶注入口の近傍の液晶及びパ
ネル内部に進入した液晶はパネルにより加熱されて粘度
が下がり、極めて短時間で液晶の充填が完了した。
のチャンバ2内にパネルを移動させた。そして、パネル
の液晶注入口を液晶皿8内の液晶7中に浸漬し、チャン
バ2内を大気圧に戻した。このとき、パネルの温度はほ
ぼ120℃であるため、液晶注入口の近傍の液晶及びパ
ネル内部に進入した液晶はパネルにより加熱されて粘度
が下がり、極めて短時間で液晶の充填が完了した。
【0030】図4は、このとき液晶がパネル内部に進入
していく様子を経時的に調べた結果を示す図、図5は、
比較のために、従来方法で液晶をパネル内に注入したと
きに液晶がパネル内部に進入していく様子を経時的に調
べた結果を示す図である。これらの図4,5に示すよう
に、本実施例では約140分間で液晶の充填が完了した
のに対し、従来方法では240分間経過しても液晶の充
填は完了していなかった。
していく様子を経時的に調べた結果を示す図、図5は、
比較のために、従来方法で液晶をパネル内に注入したと
きに液晶がパネル内部に進入していく様子を経時的に調
べた結果を示す図である。これらの図4,5に示すよう
に、本実施例では約140分間で液晶の充填が完了した
のに対し、従来方法では240分間経過しても液晶の充
填は完了していなかった。
【0031】パネル内に液晶を充填した後、液晶注入口
に封止材として紫外線硬化型樹脂を塗布し、この樹脂が
パネル内部に約1mm進入した時点で紫外線を照射して
硬化させた。このようにして製造した5枚の液晶ディス
プレイについて、セル厚の均一性を調べた。また、比較
のために、図8に示す従来方法により製造した液晶ディ
スプレイについてもセル厚の均一性を調べた。但し、従
来方法においては、液晶注入口封止工程46において、
パネルを治具で挟んで4時間機械的に加圧し、余分の液
晶を押し出した。
に封止材として紫外線硬化型樹脂を塗布し、この樹脂が
パネル内部に約1mm進入した時点で紫外線を照射して
硬化させた。このようにして製造した5枚の液晶ディス
プレイについて、セル厚の均一性を調べた。また、比較
のために、図8に示す従来方法により製造した液晶ディ
スプレイについてもセル厚の均一性を調べた。但し、従
来方法においては、液晶注入口封止工程46において、
パネルを治具で挟んで4時間機械的に加圧し、余分の液
晶を押し出した。
【0032】図6は、横軸にパネル中央部の長辺方向の
位置(ドット単位)をとり、縦軸にセル厚をとって、本
実施例により製造した液晶ディスプレイのセル厚の均一
性を調べた結果を示す図、図7は従来方法により製造し
た液晶ディスプレイのセル厚の均一性を調べた結果を示
す図である。但し、実施例では基板間に散布したスペー
サの直径は4μm、従来例(従来方法)ではスペーサの
直径は5μmである。また、これらの図6,7におい
て、測定点が他の測定点と大幅に離れている部分は測定
誤差によるものと考えられる。これらの図に示すよう
に、本実施例により製造した液晶ディスプレイは、従来
方法により製造した液晶ディスプレイに比べて、セル厚
の面内ばらつきがより一層均一であることが確認でき
た。また、本実施例においては、液晶注入後にアニール
を行なわなかったが、液晶の配向性も良好であった。
位置(ドット単位)をとり、縦軸にセル厚をとって、本
実施例により製造した液晶ディスプレイのセル厚の均一
性を調べた結果を示す図、図7は従来方法により製造し
た液晶ディスプレイのセル厚の均一性を調べた結果を示
す図である。但し、実施例では基板間に散布したスペー
サの直径は4μm、従来例(従来方法)ではスペーサの
直径は5μmである。また、これらの図6,7におい
て、測定点が他の測定点と大幅に離れている部分は測定
誤差によるものと考えられる。これらの図に示すよう
に、本実施例により製造した液晶ディスプレイは、従来
方法により製造した液晶ディスプレイに比べて、セル厚
の面内ばらつきがより一層均一であることが確認でき
た。また、本実施例においては、液晶注入後にアニール
を行なわなかったが、液晶の配向性も良好であった。
【0033】(第2の実施例)シール材として、UV光
又は熱により硬化する樹脂を使用し、ホットプレス装置
に替えてUVプレス装置を使用したこと以外は第1の実
施例と同様にして液晶ディスプレイを製造した。UVプ
レス装置によるシール材の仮硬化工程においては、UV
照射エネルギー密度は1600mJ/cm2 (80mW
/cm2 ×20秒間)である。
又は熱により硬化する樹脂を使用し、ホットプレス装置
に替えてUVプレス装置を使用したこと以外は第1の実
施例と同様にして液晶ディスプレイを製造した。UVプ
レス装置によるシール材の仮硬化工程においては、UV
照射エネルギー密度は1600mJ/cm2 (80mW
/cm2 ×20秒間)である。
【0034】本実施例においても、スクライブ及びブレ
イク工程でガラス基板が剥離することはなかった。ま
た、第1の実施例と同様に、セル厚が均一の液晶ディス
プレイを短時間で形成することができた。なお、上述の
実施の形態においては、TFT液晶ディスプレイの製造
について説明したが、本発明はTFT液晶ディスプレイ
の製造に限定されるものではなく、STN(スーパーツ
イステッドネマティック)やその他の方式の液晶ディス
プレイの製造に適用できることは勿論である。
イク工程でガラス基板が剥離することはなかった。ま
た、第1の実施例と同様に、セル厚が均一の液晶ディス
プレイを短時間で形成することができた。なお、上述の
実施の形態においては、TFT液晶ディスプレイの製造
について説明したが、本発明はTFT液晶ディスプレイ
の製造に限定されるものではなく、STN(スーパーツ
イステッドネマティック)やその他の方式の液晶ディス
プレイの製造に適用できることは勿論である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法によれ
ば、加熱工程で加熱したパネルを減圧したチャンバ内に
入れ、液晶注入口を液晶中に浸漬した後、前記チャンバ
内の圧力を上げる。これにより、液晶注入口の近傍の液
晶及びパネルの内部に進入した液晶の粘度が低下し、比
較的短時間でパネル内部に液晶が充填される。しかも、
パネル内部に充填された液晶の分子はパネルの熱により
加熱されてランダムに配向するので、従来必要とされて
いたアニール工程が不要になる。これらにより、液晶デ
ィスプレイの製造に要する時間を著しく短縮することが
できる。
ば、加熱工程で加熱したパネルを減圧したチャンバ内に
入れ、液晶注入口を液晶中に浸漬した後、前記チャンバ
内の圧力を上げる。これにより、液晶注入口の近傍の液
晶及びパネルの内部に進入した液晶の粘度が低下し、比
較的短時間でパネル内部に液晶が充填される。しかも、
パネル内部に充填された液晶の分子はパネルの熱により
加熱されてランダムに配向するので、従来必要とされて
いたアニール工程が不要になる。これらにより、液晶デ
ィスプレイの製造に要する時間を著しく短縮することが
できる。
【0036】また、本発明装置によれば、加熱手段が設
けられた第1のチャンバと液晶を入れる容器が搭載され
る第2のチャンバとが仕切り扉により仕切られているの
で、パネルを加熱する際に液晶中の低分子量成分が蒸発
して液晶組成が変化したり、チャンバ内の真空度が低下
してしまうことを回避できる。
けられた第1のチャンバと液晶を入れる容器が搭載され
る第2のチャンバとが仕切り扉により仕切られているの
で、パネルを加熱する際に液晶中の低分子量成分が蒸発
して液晶組成が変化したり、チャンバ内の真空度が低下
してしまうことを回避できる。
【図1】本発明の実施の形態の液晶ディスプレイ製造装
置を示す模式図である。
置を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る液晶ディスプレイの
製造方法を示すブロック図である。
製造方法を示すブロック図である。
【図3】2面取り用基板とシール材とにより構成された
パネルを示す平面図である。
パネルを示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態の液晶注入工程において、
液晶がパネル内部に進入していく様子を経時的に調べた
結果を示す図である。
液晶がパネル内部に進入していく様子を経時的に調べた
結果を示す図である。
【図5】従来方法の液晶注入工程において、液晶がパネ
ル内部に進入していく様子を経時的に調べた結果を示す
図である。
ル内部に進入していく様子を経時的に調べた結果を示す
図である。
【図6】本発明方法により製造した液晶ディスプレイの
セル厚の均一性を調べた結果を示す図である。
セル厚の均一性を調べた結果を示す図である。
【図7】従来方法により製造した液晶ディスプレイのセ
ル厚の均一性を調べた結果を示す図である。
ル厚の均一性を調べた結果を示す図である。
【図8】従来の液晶ディスプレイの製造方法を示すブロ
ック図である。
ック図である。
1 第1のチャンバ 2 第2のチャンバ 3 入口扉 4 仕切り扉 5 出口扉 6 ヒータ 7 液晶 8 液晶皿 9a,9b 真空ポンプ 20 2面取り用パネル 21a,21b パネル 23 シール材 24a,24b 液晶注入口
Claims (6)
- 【請求項1】 一対の透明基板の間にシール材を選択的
に付着させて前記一対の基板と前記シール材とにより囲
まれた内部空間及び該内部空間と外部とを連絡する液晶
注入口を有するパネルを形成する工程と、 前記パネルを加熱する加熱工程と、 前記加熱工程で加熱された状態の前記パネルを減圧した
チャンバ内に入れ、該チャンバ内で前記液晶注入口を液
晶中に浸漬する工程と、 前記チャンバ内の圧力を上げて前記パネルの前記内部空
間に液晶を充填する液晶充填工程とを有することを特徴
とする液晶ディスプレイの製造方法。 - 【請求項2】 一対の透明基板の間にシール材を選択的
に付着させて前記一対の透明基板と前記シール材とに囲
まれた内部空間及び該内部空間と外部とを連絡する液晶
注入口を有するパネルを形成する工程と、 前記シール材を仮硬化させるシール材仮硬化工程と、 前記パネルを減圧した第1のチャンバ内に入れて加熱
し、前記シール材を本硬化させるとともに前記内部空間
内に存在する揮発成分を除去する加熱工程と、 前記加熱工程で加熱された状態の前記パネルを減圧した
第2のチャンバ内に入れ、該第2のチャンバ内で前記液
晶注入口を液晶中に浸漬する工程と、 前記第2のチャンバ内の圧力を上げて前記パネルの前記
内部空間に液晶を充填する液晶充填工程とを有すること
を特徴とする液晶ディスプレイの製造方法。 - 【請求項3】 前記シール材仮硬化工程と前記加熱工程
との間に、前記パネルを所定のサイズに切断する工程を
有することを特徴とする請求項2に記載の液晶ディスプ
レイの製造方法。 - 【請求項4】 前記液晶充填工程の後、前記パネルが常
温になる前に前記液晶注入口を封止する工程を有するこ
とを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶ディスプレ
イの製造方法。 - 【請求項5】 前記加熱工程においては、前記パネルを
液晶のNI相転位点以上の温度に加熱することを特徴と
する請求項1又は2に記載の液晶ディスプレイの製造方
法。 - 【請求項6】 パネルを加熱する加熱手段を備えた第1
のチャンバと、 液晶を入れる容器が搭載される第2のチャンバと、 前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間に設け
られた開閉可能な仕切り扉と、 前記第1のチャンバの内部を排気する第1の排気手段
と、 前記第2のチャンバの内部を排気する第2の排気手段と
を有することを特徴とする液晶ディスプレイの製造装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25988796A JPH10104562A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 液晶ディスプレイの製造方法及び製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25988796A JPH10104562A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 液晶ディスプレイの製造方法及び製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10104562A true JPH10104562A (ja) | 1998-04-24 |
Family
ID=17340325
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25988796A Pending JPH10104562A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 液晶ディスプレイの製造方法及び製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10104562A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002207219A (ja) * | 2001-01-05 | 2002-07-26 | Shimadzu Corp | 液晶注入方法 |
JP2006053582A (ja) * | 2000-11-30 | 2006-02-23 | Fujitsu Ltd | 貼り合せ基板製造システム |
JP2008009274A (ja) * | 2006-06-30 | 2008-01-17 | Canon Inc | 液晶表示装置の製造方法 |
US7621310B2 (en) | 2000-11-30 | 2009-11-24 | Fujitsu Limited | Apparatus for manufacturing bonded substrate |
-
1996
- 1996-09-30 JP JP25988796A patent/JPH10104562A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006053582A (ja) * | 2000-11-30 | 2006-02-23 | Fujitsu Ltd | 貼り合せ基板製造システム |
US7621310B2 (en) | 2000-11-30 | 2009-11-24 | Fujitsu Limited | Apparatus for manufacturing bonded substrate |
US7681522B2 (en) | 2000-11-30 | 2010-03-23 | Fujitsu Limited | Apparatus for manufacturing bonded substrate |
US7703494B2 (en) | 2000-11-30 | 2010-04-27 | Fujitsu Limited | Apparatus for manufacturing bonded substrate |
US7819165B2 (en) | 2000-11-30 | 2010-10-26 | Fujitsu Limited | Apparatus for manufacturing bonded substrate |
JP4598641B2 (ja) * | 2000-11-30 | 2010-12-15 | 富士通株式会社 | 貼り合せ基板製造システム |
US8128768B2 (en) | 2000-11-30 | 2012-03-06 | Fujitsu Limited | Apparatus for manufacturing bonded substrate |
JP2002207219A (ja) * | 2001-01-05 | 2002-07-26 | Shimadzu Corp | 液晶注入方法 |
JP4590736B2 (ja) * | 2001-01-05 | 2010-12-01 | 株式会社島津製作所 | 液晶注入方法 |
JP2008009274A (ja) * | 2006-06-30 | 2008-01-17 | Canon Inc | 液晶表示装置の製造方法 |
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