JPH04319915A - 強誘電性液晶パネルの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、強誘電性液晶パネルの
製造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より液晶パネルを製造するには、２
枚の絶縁性基板の各対向面に透明電極膜を形成し、その
透明電極膜上に配向膜を形成し、配向膜を配向処理し、
両基板の間が所定の間隙の液晶封入部になるようにして
その外周部を液晶注入口を残してシールして液晶セルを
形成する。この液晶セルの液晶封入部内を脱気し、液晶
を液晶封入部内に注入し、注入口を封止して液晶パネル
とする。注入口の封止は、まず注入口に封止剤を付着さ
せて外方から押圧部材により封止剤を注入口内にまで圧
入し、或いは封止剤を付けた後で５℃位に冷却して内部
の液晶を収縮させて封止剤を注入口内にまで入り込ませ
、その後で加熱や紫外線照射などによって封止剤を硬化
させて注入口を封止している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の製造
方法では、ネマティック液晶など粘度の低い液晶を注入
して封止する場合には、加圧したり冷却して液晶を収縮
させたりすることによって、封止剤が簡単に注入口内に
入り込むので封止が容易であるが、強誘電性液晶などの
粘度の高い液晶を用いる場合には、粘度が高いために注
入口部の液晶があまり移動せず、封止剤が注入口内に入
って行きにくいので、封止工程が面倒で信頼性に欠ける
。このため、封止の信頼性の高い強誘電性液晶パネルを
安定的に大量生産することは困難である。

【０００４】そこで本発明の目的は、封止の信頼性の高
い強誘電性液晶パネルを安定的に製造できる方法を提供
することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の強誘電性液晶パネルの製造方法は、液晶パ
ネルの液晶封入部内に、液晶の注入口から強誘電性液晶
を注入し、この注入口の外部に封止剤を供給し、上記の
強誘電性液晶を加熱してカイラルネマティック相または
アイソトロピック相にまで相転移させた状態で封止剤を
注入口内へ圧入し、封止剤を硬化させて注入口を封止す
ることを特徴としている。

【０００６】

【作用】強誘電性液晶を加熱してカイラルネマティック
相またはアイソトロピック相にまで相転移させた状態で
は、粘度が低下しているので、押圧部材により封止剤を
注入口へ向けて押圧すると注入口付近の液晶は封止部内
へ圧縮され、封止剤は注入口内へ容易に圧入される。

【０００７】

【実施例】カイラルスメクティックＣ相（ＳｍＣ＊）に
おいて強誘電性を示すいわゆる強誘電性液晶は、温度の
変化によって結晶相（Ｃｒ　）からカイラルスメクティ
ックＣ相（ＳｍＣ＊）へ、またスメクティックＡ相（Ｓ
ｍＡ）へ、さらにカイラルネマティック相（Ｎ＊）へ、
さらに等方性液体相（アイソトロピック相）（Ｉｓｏ）
へと、固体相から液体相まで双方向に相転移する。そし
て高温状態になると粘度が低下することが知られている
。 転移温度は強誘電性液晶の組成によって相違しているの
で、表１には、種々の強誘電性液晶について実験して得
られた転移温度を示している。この表中、「ＣＳ−」と
あるのはチッソ石油化学株式会社の製品番号を示してお
り、「ＳＣＥ−」とあるのはＢＤＨ社の製品番号を示し
ている。

【０００８】

【表１】

【０００９】表１から判るように、大部分の強誘電性液
晶は約７０℃〜１００℃に加熱することにより、カイラ
ルネマティック相またはアイソトロピック相にまで相転
移させることができる。これらの相では液晶は十分に粘
度が低くなっているので、ネマティック液晶パネルの製
造の場合と同様にして注入及び封止をすることが可能で
ある。

【００１０】実施例１◆図１は、強誘電性液晶パネルの
製造工程中の、液晶材料の注入工程と、注入口の封止工
程とを、工程毎に分けて一部を断面して示している。注
入工程に入る前に、２枚のガラス基板（セグメント基板
１，コモン基板２）の対向面に導電膜および配向膜を形
成し、基板間が所定の間隙を保って対向するようにスペ
ーサ７を形成した後その外周のシール部３でシールし、
シール部３の一端部に液晶の注入口３ａおよび液晶封入
部３ｂを有する液晶セルを形成しておくことは従来と同
様である。

【００１１】図１（Ａ）において、液晶セルのシール部
３内の空間である液晶封入部を真空脱気し、注入口３ａ
より製品番号ＣＳ−１０２６の強誘電性液晶４を液晶封
入部内に注入した。液晶４は注入口３ａの外部の基板間
隙部分にも付着した状態となっている。次いで注入口３
ａ付近に、封止剤５として、積水ファインケミカル株式
会社製の製品であるフォトレックＡ−７０４−６０を用
い、これを適当量垂らした。この封止剤５は、紫外線に
よって硬化し、耐薬品性・耐熱性に優れた紫外線硬化型
樹脂である。

【００１２】図１（Ｂ）において、基板１，２の外周部
にヒータ６を配置して１２０℃まで加熱し、同時に注入
口３ａの上部にゴム等で作られた押圧板７を当てて封止
剤５を押圧した。強誘電性液晶４は１２０℃まで加熱さ
れることによってアイソトロピック相に相転移して等方
性液体相となり低粘度になるので、押圧板７による押圧
によって圧縮され、注入口３ａ付近の液晶４は液晶封入
部３ｂ内へ押し込まれるため、封止剤５は容易に注入口
３ａ内にまで入り込むことができる。

【００１３】図１（Ｃ）において、ヒータ６及び押圧板
７を取り除き、封止剤５が内部に進入しているのを確認
し、上部から封止剤５に紫外線を５００ｍｊ／ｃｍ２　
程度照射した。封止剤５は十分に硬化し、注入口３ａが
封止され、強誘電性液晶パネルの製造が完了した。

【００１４】実施例２◆実施例１と同様にして強誘電性
液晶４の注入及び封止剤５の滴下を行ない、ヒータ６に
よる加熱温度を８５℃までとした。強誘電性液晶４はこ
の加熱によってカイラルネマティック相に相転移した。 このカイラルネマティック相においても十分に粘度が低
下するために、押圧板７によって加圧する工程で、封止
剤５の圧入が十分に行われた。封止剤５の硬化工程につ
いては実施例１と同様である。

【００１５】上記の実施例の他に、強誘電性液晶として
ＣＳ−１０２４，１０２５，１０２７〜１０３０，ＳＣ
Ｅ−１３等についても同様にアイソトロピック相又はカ
イラルネマティック相にまで加熱して注入・封止を行な
った。また使用した封止剤として、上記の他にスリーボ
ンド株式会社製の製品であるスリーボンド３０５２，３
０５４等をも用いたが、いずれも良好な結果が得られ液
晶４の確実な封止が行われた。なお、封止剤の圧入が完
了した後は室温に戻され、液晶４が強誘電性を示すカイ
ラルスメクティックＣ相に保たれる。

【００１６】なお液晶４の加熱時は、実施例のように注
入した後に限られるものでなく、封止剤５を圧入する時
に強誘電性液晶がアイソトロピック相又はカイラルネマ
ティック相に相転移していればよい。

【００１７】また、強誘電性液晶の種類については上記
実験に用いられたものに限られず、封止剤についても光
硬化型樹脂など様々な種類のものが使用可能である。

【００１８】

【発明の効果】このように本発明の強誘電性液晶パネル
の製造方法では、粘度の高い強誘電性液晶であっても、
加熱によって液晶をアイソトロピック相又はカイラルネ
マティック相に相転移させることによって粘度が低くな
るので、封止剤が注入口内にまで入り込み易く、容易か
つ確実に注入口を封止することが可能である。従って高
品質の強誘電性液晶パネルは安定的に製造でき、大量生
産を可能にするものである。また単に加熱作業を加える
だけであるので、容易に製造できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を工程毎に示す一部断面正面
図

【符号の説明】

３ａ　　注入口 ４　　　　強誘電性液晶 ５　　　　封止剤

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液晶パネルの液晶封入部内に、液晶の注入
   口から強誘電性液晶を注入し、上記注入口の外部に封止
   剤を供給し、上記強誘電性液晶を加熱してカイラルネマ
   ティック相またはアイソトロピック相にまで相転移させ
   た状態で上記封止剤を上記注入口内へ圧入し、上記封止
   剤を硬化させて上記注入口を封止することを特徴とする
   強誘電性液晶パネルの製造方法。