JPH0950039A - 液晶セルの製造方法及びその装置 - Google Patents

液晶セルの製造方法及びその装置

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JPH0950039A
JPH0950039A JP8172996A JP8172996A JPH0950039A JP H0950039 A JPH0950039 A JP H0950039A JP 8172996 A JP8172996 A JP 8172996A JP 8172996 A JP8172996 A JP 8172996A JP H0950039 A JPH0950039 A JP H0950039A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal cell
cell
heating
manufacturing
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JP8172996A
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Inventor
Kaoru Mori
森  薫
Masaaki Ozaki
正明 尾崎
Koji Ishikawa
幸司 石川
Koichi Miyashita
耕一 宮下
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶セル内へのスメクチック液晶の加圧によ
る注入後、この液晶セルのセルギャップを矯正するよう
にした液晶セルの製造方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 液晶セル加熱加圧工程S4では、所定の
温度プログラム及び圧力プログラムに従い、液晶セルに
対する加熱加圧処理を行う。液晶セルの温度が120℃
になると、この液晶セル内の反強誘電性液晶が液相状態
になりその粘性が低下する。すると、液相状態になった
反強誘電性液晶が、上記加圧状態のために液晶セルの内
部から外部に押し出される。このとき、液晶セルが反強
誘電性液晶の加圧により注入により膨らんだ分に相当す
る反強誘電性液晶が液晶セルの内部から押し出されて、
液晶セルのセルギャップが均一になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置や液
晶スイッチ等の各種液晶装置に採用するに適した液晶セ
ルの製造方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶セルの製造工程における液晶
注入にあたっては、例えば、特開平5−313110号
公報にて示されているように、液晶セル内への強誘電性
液晶の注入を、液晶セルを120℃まで加熱しながら真
空状態にて開始し、その後徐々に加圧してゆき、注入末
期では、2000Torr程度の加圧状態のまま温度を
低下させることにより、液晶セル内への強誘電性液晶の
注入を完了するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような注
入方法では、上述のごとく、液晶セル内への強誘電性液
晶の注入が終局的には加圧により行われる。このため、
液晶セル内への強誘電性液晶の注入量が、強誘電性液晶
注入前の液晶セルの容積に対応する量よりも多くなり、
液晶セルが湾曲状に膨らむ。
【0004】従って、強誘電性液晶注入前には均一であ
った液晶セルのセルギャップが不均一となり、その結
果、このような液晶セルを、例えば、表示装置に採用す
ると、表示むらを招く。そこで、本発明は、このような
ことに対処するために、液晶セル内へのスメクチック液
晶の加圧による注入後、この液晶セルのセルギャップを
矯正するようにした液晶セルの製造方法及びその装置を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、両電極基板(1
1、13)の間にスメクチック液晶(LC)を両電極基
板の内外圧力差により注入する液晶注入工程(S2、S
19)を有する液晶セルの製造方法において、前記注入
工程後前記液晶セルの表面に加圧する加圧工程(S4)
と、前記注入工程後前記液晶セルを加熱する加熱工程
(S4)とを備えることを特徴とする液晶セルの製造方
法が提供される。
【0006】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載の液晶セルの製造方法において、前記加圧工程
における加圧を1時間以上行うことを特徴とする。ま
た、請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載
の液晶セルの製造方法において、前記加熱工程の加熱の
開始に併せ、或いはこの加熱の終了後、前記加圧工程の
加圧を開始することを特徴とする。
【0007】また、請求項4に記載の発明においては、
両電極基板の間にスメクチック液晶を前記両電極基板の
内外圧力差により注入する液晶注入工程(S2、S1
9)を有する液晶セルの製造方法において、前記液晶注
入工程における注入に併せて、前記液晶セルの表面を加
圧する加圧工程(S18)と、この加圧工程に併せて前
記液晶セルを加熱する加熱工程(S16)とを備えるこ
とを特徴とする液晶セルの製造方法が提供される。
【0008】また、請求項5に記載の発明では、請求項
4に記載の液晶セルの製造方法において、前記加熱工程
における加熱を、前記液晶注入工程前に行うことを特徴
とする。また、請求項6に記載の発明では、請求項1乃
至4のいずれか一つに記載の液晶セルの製造方法におい
て、前記加熱工程の加熱を、前記スメクチック液晶が液
相及びコレステリック相の一方の状態になるまで行うこ
とを特徴とする。
【0009】また、請求項7に記載の発明では、請求項
1乃至6のいずれか一つに記載の液晶セルの製造方法に
おいて、前記加圧工程における加圧を0.3kgf/c
2 以上の値にて行うことを特徴とする。また、請求項
8に記載の発明では、請求項1乃至7のいずれか一つに
記載の液晶セルの製造方法において、前記加熱工程にお
ける加熱の終了後、前記加圧工程における加圧状態にて
前記液晶セルを冷却する冷却工程(S5、S21)を備
えることを特徴とする。
【0010】また、請求項9に記載の発明では、請求項
8に記載の液晶セルの製造方法において、前記冷却工程
の冷却を、前記液晶セルにおけるスメクチック液晶の反
注入口側から注入口側にかけて順次行うことを特徴とす
る。また、請求項10に記載の発明では、請求項8又は
9に記載の液晶セルの製造方法において、前記冷却工程
における冷却を終了し、かつ前記加圧工程の加圧を解放
した後、前記液晶セルの内外圧力差を減少させる減少工
程(S7、S24)を備えることを特徴とする。
【0011】また、請求項11に記載の発明では、請求
項10に記載の液晶セルの製造方法において、前記減少
工程における前記液晶セルの内外圧力差の減少を、前記
液晶セル内への加圧により行うことを特徴とする。ま
た、請求項12に記載の発明では、請求項10又は11
に記載の液晶セルの製造方法において、前記減少工程に
おける前記液晶セルの内外圧力差の減少に併せて、前記
液晶セル内の液晶の封止を常温硬化型接着剤により行う
液晶封止工程(S8、S25)を備えることを特徴とす
る。
【0012】また、請求項13に記載の発明では、請求
項5に記載の液晶セルの製造方法において、前記両電極
基板の一方がカラーフィルタ層(42)を有し、前記加
熱工程での加熱の温度が前記カラーフィルタ層の耐熱温
度以下であることを特徴とする。
【0013】また、請求項14に記載の発明では、請求
項3、8又は9に記載の液晶セルの製造装置において、
前記液晶セルを載置する下側部材(21、35、36、
38、37)と、前記液晶セルを前記下側部材上に挟持
する上側部材(22、34)と、前記上下両側部材を介
し前記液晶セルを加圧する加圧手段(34)と、前記上
下両側部材の一方を介し前記液晶セルの温度を制御する
温度制御手段(21a、36a、36b、37)とを備
え、かつ、前記上下両側部材の一方は、前記液晶セルの
前記スメクチック液晶の注入側からその反対側にかけ
て、順次熱容量を減少させるように形成されていること
を特徴とする。
【0014】また、請求項15に記載の発明によれば、
請求項14に記載の液晶セルの製造装置において、前記
上下両側部材の一方が定盤(35)であって、この定盤
の肉厚が、前記液晶セルに対する前記スメクチック液晶
の注入側からその反対側にかけて、順次薄くなっている
ことを特徴とする。
【0015】また、請求項16に記載の発明によれば、
請求項3、8又は9に記載の液晶セルの製造装置におい
て、前記上下両側部材の一方が定盤(36)であって、
この定盤内には、一対の加熱パイプ(36a)及び冷却
パイプ(36b)が、複数対、前記液晶セルに対する前
記スメクチック液晶の注入側からその反対側にかけて並
んで設けられており、前記温度制御手段が、前記複数対
の加熱パイプ及び冷却パイプの制御により、前記液晶セ
ルを加熱し、また、前記液晶セルにおけるスメクチック
液晶の反注入口側から注入口側にかけて順次冷却するよ
うに制御することを特徴とする。
【0016】また、請求項17に記載の発明によれば、
請求項3、8又は9に記載の液晶セルの製造装置におい
て、前記上下両側部材の一方が、前記液晶セルに対する
前記スメクチック液晶の注入側からその反対側にかけて
並べられた複数の長手状ヒータ(37)であり、前記温
度制御手段が、前記複数のヒータの制御により、前記液
晶セルを加熱し、また、前記液晶セルにおけるスメクチ
ック液晶の反注入口側から注入口側にかけて順次冷却す
るように制御することを特徴とする。
【0017】また、請求項18に記載の発明によれば、
請求項17に記載の液晶セルの製造装置において、前記
液晶セルと前記複数のヒータとの間に平面プレート(3
8)が介装されていることを特徴とする。また、請求項
19に記載の発明によれば、請求項14乃至18のいず
れか一つに記載の液晶セルの製造装置において、前記温
度制御手段が、前記液晶セルの冷却開始時には、前記ス
メクチック液晶の注入側の温度を、この注入側とは反対
側の液晶部分の液晶状態への転移前では、等方相の温度
に維持することを特徴とする。
【0018】また、請求項20に記載の発明によれば、
請求項19に記載の液晶セルの製造装置において、前記
温度制御手段が、前記スメクチック液晶の注入側とは反
対側の液晶部分の液晶状態への転移時の冷却速度を1℃
/分以下、好ましくは0.5℃/分以下に制御すること
を特徴とする。
【0019】なお、上記各構成要素のカッコ内の符号
は、後述する実施の形態記載の具体的構成要素との対応
関係を示すものである。
【0020】
【発明の作用効果】請求項1、2、3、6乃至12に記
載の発明によれば、スメクチック液晶の加圧による液晶
セル内への注入後、液晶セルの表面に加圧し、また、加
熱する。これにより、液晶セルの表面に対する加圧がス
メクチック液晶の粘性の上記加熱による低下のもとにな
される。
【0021】従って、液晶セルがその内部へのスメクチ
ック液晶の加圧による注入により膨らんだ状態になって
も、液晶セル内のスメクチック液晶が上記低粘度におけ
る加圧により液晶セルから押し出される。このため、液
晶セルのセルギャップが均一に矯正され得る。その結
果、かかる液晶セルを例えば表示装置に採用しても表示
むらを招くこともない。
【0022】また、上述のごとく、スメクチック液晶の
低粘度にて加圧処理がなされるので、液晶セルからのス
メクチック液晶の押し出し処理が円滑になされる。従っ
て、スメクチック液晶の配向が乱れたりすることもな
い。ここで、請求項2に記載の発明のように、加圧時間
を1時間以上とすれば、液晶セルに対する液晶の注入時
に余分に充填された液晶が液晶セルから外部に十分に押
し出されるので、液晶セルのセルギャップの均一化をよ
り一層確実に達成し得る。
【0023】また、請求項4、5乃至13に記載の発明
によれば、液晶注入工程における液晶注入に併せて、前
記液晶セルの表面を加圧し、この加圧に併せて前記液晶
セルを加熱する。このため、両電極基板間へスメクチッ
ク液晶を注入する際、両電極基板が膨らむことはない。
従って、液晶セルに対するスメクチック液晶の注入前の
セルギャップを、液晶注入過程及びその後において、そ
のまま均一に維持できる。その結果、請求項1に記載の
発明と同様の作用効果を達成できる。
【0024】また、請求項5に記載の発明によれば、前
記加熱工程における加熱を、前記液晶注入工程前に行
う。これにより、スメクチック液晶を低粘度にした状態
でスメクチック液晶の両電極基板間への注入を行うこと
となる。その結果、液晶セルに対するスメクチック液晶
の未充填領域の発生を防止しつつ、液晶注入を行える。
【0025】また、請求項6に記載の発明によれば、前
記加熱工程の加熱を、前記スメクチック液晶が液相及び
コレステリック相の一方の状態になるまで行う。これに
より、上記加圧工程における加圧が、スメクチック液晶
の適正な低粘度にて行える。その結果、上述したスメク
チック液晶の押し出し処理がより一層円滑になされ得
る。よって、液晶セルのセルギャップの均一化がより一
層円滑になされ得る。
【0026】また、請求項7に記載の発明のように、
0.3kgf/cm2 以上にて加圧を行えば、上述の液
晶セルからのスメクチック液晶の押し出しがより一層円
滑になされ、その結果、液晶セルのセルギャップが±
0.05の精度の範囲内でより一層均一に達成され得
る。また、請求項8に記載の発明によれば、前記加熱工
程における加熱の終了後、前記加圧工程における加圧状
態にて前記液晶セルを冷却する。
【0027】これにより、液晶セル内のスメクチック液
晶がその冷却により体積収縮して、液晶セル内に負圧を
発生させる。このため、液晶セルの注入口近傍のスメク
チック液晶が、液晶セル内の負圧により当該液晶セル内
に吸引される。この場合、液晶セルの冷却が上述のよう
な加圧工程での加圧状態にてなされるので、液晶セルの
セルギャップは、スメクチック液晶の吸引によって増大
することなく、均一に維持されたままである。
【0028】また、請求項9に記載の発明によれば、前
記冷却工程の冷却を、前記液晶セルにおけるスメクチッ
ク液晶の反注入口側から注入口側にかけて順次行う。こ
れにより、スメクチック液晶の液相から液晶相への相転
移に伴う体積収縮に対しても、上記加圧工程での加圧に
より両電極基板間にスメクチック液晶を押し込むことが
でき、液晶充填密度を向上させ得る。
【0029】また、請求項10に記載の発明によれば、
上記冷却工程における冷却を終了し、かつ上記加圧工程
における加圧を解放した後、液晶セルの内外圧力差を減
少させる。これにより、液晶セルの内外圧力差の減少に
より液晶セルの内外の圧力が平衡したときには、この液
晶セル内へのスメクチック液晶の充填が十分な状態にな
っている。従って、液晶セル内にスメクチック液晶の未
充填領域の発生を伴うことなく、スメクチック液晶の封
止が的確に行える。
【0030】ここで、請求項11に記載の発明のよう
に、前記減少工程における前記液晶セルの内外圧力差の
減少を、前記液晶セル内への加圧により行えば、請求項
10に記載の発明の作用効果をより一層迅速に行うこと
ができ、減少工程における処理時間の短縮につながる。
また、請求項12に記載の発明によれば、液晶セルの内
外圧力差の減少に合わせて、液晶セル内の液晶の封止を
常温硬化型接着剤により行うので、減少工程及び封止工
程の全体としての処理時間の短縮につながる。
【0031】また、請求項13に記載の発明によれば、
前記両電極基板の一方がカラーフィルタ層を有し、前記
加熱工程での加熱の温度が前記カラーフィルタ層の耐熱
温度以下である。これにより、カラーフィルタ層の退色
及び軟化変形を招くことなく、請求項5に記載の発明の
作用効果を達成できる。
【0032】また、請求項14、19又は20に記載の
発明によれば、液晶セルを挟持する上下両側部材の一方
は、前記液晶セルの前記スメクチック液晶の注入側から
その反対側にかけて、順次熱容量を減少させるように形
成されているから、液晶セルの加熱停止後の冷却時に
は、スメクチック液晶が液晶セルの反注入口側から順次
冷却される。
【0033】これにより、順次反注入口側へ移動して、
液晶セルの外側に押し出されているスメクチック液晶が
液晶セル内に充填される。これにより、請求項3、8又
は9に記載の発明の作用効果を達成できる液晶セルの製
造装置を提供できる。また、請求項15に記載の発明に
よれば、前記上下両側部材の一方である定盤(35)の
肉厚が、前記液晶セルに対する前記スメクチック液晶の
注入側からその反対側にかけて、順次薄くなっている。
【0034】これにより、請求項14に記載の発明と同
様の作用効果を達成できる。また、請求項16に記載の
発明によれば、前記上下両側部材の一方である定盤内に
は、一対の加熱パイプ及び冷却パイプが、複数対、前記
液晶セルに対する前記スメクチック液晶の注入側からそ
の反対側にかけて並んで設けられており、前記温度制御
手段が、前記複数対の加熱パイプ及び冷却パイプの制御
により、前記液晶セルを加熱し、また、前記液晶セルに
おけるスメクチック液晶の反注入口側から注入口側にか
けて順次冷却するように制御する。
【0035】これによっても、加熱パイプ及び冷却パイ
プによる温度調整のもと、請求項14に記載の発明と同
様の作用効果を達成できる。また、請求項17に記載の
発明によれば、前記上下両側部材の一方が、前記液晶セ
ルに対する前記スメクチック液晶の注入側からその反対
側にかけて並べられた複数の長手状ヒータであり、前記
温度制御手段が、前記複数のヒータの制御により、前記
液晶セルを加熱し、また、前記液晶セルにおけるスメク
チック液晶の反注入口側から注入口側にかけて順次冷却
するように制御する。
【0036】これによっても、複数の長手状ヒータによ
る温度調整のもと、請求項14に記載の発明と同様の作
用効果を達成できる。また、請求項18に記載の発明の
ように、前記液晶セルと前記複数のヒータとの間に平面
プレートを介装すれば、当該複数のヒータによる液晶セ
ルの温度調整が平面プレートにより液晶セルの全体に亘
りばらつきなくなされる。このため、請求項17に記載
の発明の作用効果をより一層円滑に達成できる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態を図
面により説明する。 (第1実施の形態)図1は、本発明に係る液晶表示装置
用液晶セルの第1実施の形態の製造工程を示している。
【0038】まず、空セル形成工程S1においては、反
強誘電性液晶LC(図4参照)を注入する前のセル構造
(以下、空セル10という)が、図2及び図3にて示す
ように形成される。ここで、空セル10は、電極基板1
1の内表面上に多数の球状スペーサ12a及び接着性微
粒子12bを散布し、一方、電極基板13の内表面外周
部にシール14を印刷形成し、両電極基板11、13を
スペーサ12a、接着性微粒子12b及びシール14を
介し重ね合わせて形成されている。なお、図2及び図3
において、符号14aは、シール14に形成した空セル
10の液晶注入口を示す。
【0039】ついで、液晶注入工程S2においては、例
えば、特開平5−313110号公報にて示されている
ように、空セル10を120℃まで加熱しながらこの空
セル10内への反強誘電性液晶LCの注入を真空状態に
て開始し、その後徐々に加圧してゆき、注入末期では、
2000Torr程度の加圧状態のまま温度を低下させ
ることにより、空セル10内への反強誘電性液晶LCの
注入を完了する。
【0040】このようにして反強誘電性液晶LCの注入
を完了した空セル(以下、液晶セル10Aという)に
は、上記加圧注入のため、空セル時の容積に相当する量
よりも多くの量の反強誘電性液晶LCが注入される。こ
のため、両電極基板11、13が、図4にて示すごと
く、膨らんだ状態となる。然る後、液晶セルセット工程
S3では、図5にて示すごとく、加圧加熱装置20の下
側定盤21上に液晶セル10Aを載置するとともに、こ
の液晶セル10Aの直上に加圧加熱装置20の上側定盤
22を保持する。なお、下側定盤21の内部には、ヒー
タ21aが設けられている。また、加圧加熱装置20の
加熱限界温度及び加圧限界値は、それぞれ、150℃及
び0.5kgf/cm2 である。
【0041】ついで、液晶セル加熱加圧工程S4におい
ては、図6にて示す温度プログラムT及び圧力プログラ
ムPに従い、次のようにして液晶セル10Aに対する加
熱加圧処理を行う。ここで、温度プログラムTは、温度
と処理時間との関係を示し、一方、圧力プログラムP
は、加圧力と処理時間との関係を示す。しかして、ヒー
タ21aを駆動することにより、定盤21を介して液晶
セル10Aの加熱を開始するとともに、液晶セル10A
に対し、定盤22を介しその上方から加圧力、例えば、
0.3kgf/cm2 を付与する。このような加熱加圧
状態を1時間の間保持する。
【0042】このような状態にて、液晶セル10Aの温
度が120℃になると、この液晶セル10A内の反強誘
電性液晶LCが液相状態(ISO状態)になりその粘性
が低下する。すると、液相状態になった反強誘電性液晶
LCが、上記加圧状態のために液晶セル10Aの内部か
らシール14の液晶注入口14aから外部に押し出され
る。このとき、液晶セル10Aが膨らんだ分に相当する
反強誘電性液晶LCが液晶セル10Aの内部から押し出
されて、両電極基板11、13が各スペーサ12の直径
まで抑え込まれる。
【0043】これにより、反強誘電性液晶の加圧注入に
より膨らんだ液晶セル10Aのセルギャップが、矯正さ
れて上記空セル時の一様なセルギャップまで減少する。
また、上述のごとく、反強誘電性液晶の低粘度において
加圧処理がなされるので、液晶セルからの反強誘電性液
晶の押し出し処理が円滑になされる。従って、反強誘電
性液晶の配向が乱れたりすることもない。
【0044】例えば、6×25.4mm2 の大きさの液
晶セルの場合には、0.3kgf/cm2 以上の圧力及
び一時間以上の加圧でセルギャップの均一化(±0.0
5%以内の精度)が認められた。なお、このような効果
は、液晶セルの大きさに変更があっても、0.3kgf
/cm2 以上の圧力及び一時間以上の加圧でもって、達
成できることも分かった。
【0045】ついで、冷却工程S5において、ヒータ2
1aによる液晶セル10Aの加熱処理を停止した後、3
時間の間、液晶セル10Aをそのまま保持する。これに
より、液晶セル10A全体の温度は、温度プログラムT
に従い、徐々に低下して室温に達する。ついで、液晶セ
ル加圧解放工程S6において、加圧加熱装置20による
液晶セル10Aの加圧状態を解放する。この段階では、
反強誘電性液晶LCの液相状態から液晶状態への変化に
より液晶セル10A内の反強誘電性液晶の体積が収縮し
た状態にあるため、液晶セル10Aの内部が上記加圧状
態の解放に伴い負圧状態となる。
【0046】そして、次の液晶セル内負圧減少工程S7
において、液晶セル加圧解放工程S6の処理後の液晶セ
ル10Aをそのまま3日以上放置する。このため、液晶
セル10Aの液晶注入口14a近傍の反強誘電性液晶L
Cが、液晶セル10A内の負圧の作用を受け、徐々に当
該液晶セル10A内に吸引される。これに伴い、液晶セ
ル10A内外の差圧が減少する。なお、この段階におい
て液晶セル内への反強誘電性液晶LCの充填量が不足し
ないように、上述のごとく加圧加熱装置20に液晶セル
をセットするとき、液晶セルの液晶注入口14a近傍に
は、液晶セルの容積の10乃至20%程度多めの反強誘
電性液晶LCを予め付与しておくのが望ましい。
【0047】その結果、液晶セル10Aの内外の圧力が
平衡したときにこの液晶セル10A内への反強誘電性液
晶の充填が十分な状態となる。従って、反強誘電性液晶
の未充填領域の発生を液晶セル10A内に生ずることな
く、次の液晶封止工程S8における封止が的確に行え
る。液晶封止工程S8では、液晶セル10Aの液晶注入
口14a近傍の余分の液晶部分を拭き取った後、この液
晶注入口14aをエポキシ樹脂系接着剤で封止する。こ
の場合、封止に伴う接着剤の硬化温度は、反強誘電性液
晶が膨張しないように、液相状態に対応する温度よりも
低い温度とするか、接着剤が硬化後加熱する。これによ
り、液晶セルの製造が完了する。
【0048】ちなみに、本第1実施の形態における液晶
セル10Aのセルギャップが、上記各工程S1乃至S8
の処理過程においてどのように変化するかにつき調べて
みたところ、図7にて示すような結果が得られた。ここ
で、曲線L1は、セルギャップの最も大きい変化の例を
示しており、曲線L2は、セルギャップの最も小さい変
化の例を示しており、また、曲線L3は、セルギャップ
の平均的な変化を示している。また、図7において領域
gは、表示むらの発生しないセルギャップの範囲を示
す。
【0049】これらによれば、反強誘電性液晶の空セル
10への加圧注入過程では、セルギャップが領域gから
外れるが、液晶加熱加圧工程S4における処理後は、セ
ルギャップが領域g内に納まる。従って、本第1実施の
形態によれば、液晶セル10Aが空セル10のときの均
一なセルギャップに矯正されるので、表示むらを招くこ
とがない。
【0050】なお、本発明の実施あたり、上記第1実施
の形態にて述べた液晶注入工程S2を廃止するととも
に、液晶セル加熱加圧工程S4の処理後、この工程にお
ける加圧状態を利用して両電極基板間に反強誘電性液晶
を注入した後、冷却工程S5の処理を行うようにして
も、液晶セルの膨らみを未然に防止しつつ液晶の注入が
可能となる。
【0051】また、上記第1実施の形態においては、液
晶セル加熱加圧工程S4にて加熱及び加圧を同時に開始
した例について説明したが、これに代えて、液晶セル1
0Aの加熱を先行して行い、反強誘電性液晶LCが液相
状態になった後に、液晶セル10Aに対する加圧を開始
するようにして実施しても、加圧時間の短縮を可能とし
つつ、上記第1実施の形態と実質的に同様の作用効果を
達成できる。
【0052】また、本発明に実施にあたり、上記第1実
施の形態にて述べた図6の温度プログラムT及び圧力プ
ログラムPは、液晶セルの大きさや液晶材料により、適
宜変更して実施してもよい。また、上記第1実施の形態
においては、図6の温度プログラムTの温度を直線的に
変化する例について説明したが、これに代えて、反強誘
電性液晶を加熱により液相状態にした後この温度状態で
一定時間保持し、その後、SmCA * 温度まで冷却する
ようにして実施してもよい。
【0053】また、上記第1実施の形態においては、液
晶セル10Aに対する加圧にあたり、両電極基板11、
13の重ね合わせ領域全体を一様に加圧するようにした
が、これに代えて、シール14の内側領域を加圧しても
よく、また、液晶セル10Aの表示領域10a(図2参
照)のみを加圧するようにしてもよい。また、本発明の
実施にあたり、上記第1実施の形態における液晶セル内
負圧減少工程S7においては、上述したように3日間放
置するのではなく、液晶セルのセルギャップに影響を与
えない程度の圧力を加えて、反強誘電性液晶を液晶セル
内に強制的に充填するようにしてもよい。
【0054】また、本発明の実施にあたり、上記第1実
施の形態における液晶封止工程S8においては、硬化す
るまでに3日以上かかる常温硬化型エポキシ系接着剤に
より封止するようにしてもよい。この場合、液晶セル1
0Aの液晶注入口近傍における反強誘電性液晶部分に常
温硬化型エポキシ系接着剤を滴下しておけば、反強誘電
性液晶がその収縮に伴い液晶セル10A内へ吸引される
に伴い、常温硬化型エポキシ系接着剤も移動しつつ硬化
していく。
【0055】これにより、常温硬化型エポキシ系接着剤
の硬化と反強誘電性液晶の液晶セル内への吸引が並行し
て実現する。その結果、液晶セル内負圧減少工程S7及
び液晶封止工程S8の全体としての処理時間の短縮を実
現した上で、液晶セル内の反強誘電性液晶の未充填領域
の発生を防止しつつ反強誘電性液晶の封止を達成でき
る。 (第2実施の形態)図8は、本発明の第2実施の形態を
示しており、この第2実施の形態においては、図5の加
熱加圧装置20による加熱加圧処理に代えて、加熱加圧
装置30による加熱加圧処理を行う例が示されている。
【0056】この加熱加圧装置30は、各ロッド33に
より支持された上下両治具31、32を備えており、下
側治具32上には、加熱加圧装置20の定盤21が載置
されている。また、上側治具31の下面には、エアバッ
グ34(耐熱性ゴムからなる)が装着されており、この
エアバッグ34内には、パイプPaを通して窒素ガスN
2 が圧送されるようになっている。
【0057】しかして、上記液晶セルセット工程S3に
おいて、液晶セル10Aを定盤21上に載置する。そし
て、上記液晶セル加熱加圧工程S4における加熱処理と
同様の加熱処理を開始するとともに、エアバッグ34内
に窒素ガスN2 を圧送することにより、液晶セル10A
に対しその上方から加圧力、例えば、0.3kgf/c
2 を付与する。これにより、上記第1実施の形態と同
様の加熱加圧処理がなされる。その結果、上記第1実施
の形態にて述べた上記液晶セル加熱加圧工程S4におけ
る作用効果と同様の作用効果を達成できる。
【0058】図9は、上記第2実施の形態の第1変形例
を示している。この第1変形例では、上記第2実施の形
態における加熱加圧装置30に代えて、加圧装置30A
が採用されている。この加圧装置30Aは、上記加熱加
圧装置30において、下側治具32及び定盤21に代
え、定盤35を各ロッド33に支持した構成を有してい
る。この定盤35の板厚は、図9にて示すごとく、液晶
セル10Aの液晶注入口14aの反対側端部から液晶注
入口14a側にかけて順次テーパ状に増大している。
【0059】これにより、液晶セル10Aの液晶注入口
14aの反対側端部から液晶注入口14a側にかけて順
次徐冷する機能が発揮されるようになっている。しかし
て、上記液晶セルセット工程S3において、液晶セル1
0Aを定盤35上に載置する。そして、上記液晶セル加
熱加圧工程S4においてエアバッグ34内に窒素ガスN
2 を圧送することにより、液晶セル10Aに対しその上
方から加圧力、例えば、0.3kgf/cm2 を付与す
る。
【0060】ついで、このままの状態にて、加圧装置3
0Aをオーブン内に入れて120℃まで加熱する。その
後、この120℃に加熱した液晶セルの状態を約1時間
の間保持する。これにより、上記第1実施の形態と同様
に液晶セルのセル厚矯正の加熱加圧処理がなされる。そ
の結果、上記第1実施の形態にて述べた上記液晶セル加
熱加圧工程S4における作用効果と実質的に同様の作用
効果を達成できる。
【0061】然る後、冷却工程S5において、上記オー
ブンによる加熱を停止し、上記第1実施の形態と同様に
液晶セルの徐冷を行う。この場合、定盤35の板厚は、
上述のごとく、液晶セル10Aの液晶注入口14aの反
対側端部から液晶注入口14a側にかけて順次増大する
ようにテーパ状になっているため、上記オーブンによる
加熱停止時には、定盤35の熱容量は、液晶注入口14
aの反対側端部から液晶注入口14a側にかけて順次大
きくなっている。
【0062】従って、上述のようにオーブンによる加熱
停止後は、定盤35の冷却速度は、液晶注入口14aの
反対側端部から液晶注入口14a側にかけて順次低くな
る。その結果、液晶セル内の反強誘電性液晶LCは、液
晶注入口14aの反対側端部に近い部分から液晶注入口
14a側の部分にかけて順次徐冷されて体積収縮し液晶
セル内に負圧を生じさせる。この徐冷過程では、反強誘
電性液晶LCが、液晶セルの液晶注入口14aの反対側
からこの液晶注入口14a側にかけて徐々にISO相或
いはコレステリック相からSc* 相或いはScA * 相に
転移する。
【0063】これに伴い、液晶セル内の反強誘電性液晶
LCが順次液晶注入口14aの反対側端部側へ移動し、
最終的には、液晶注入口14aの外側に押し出されてい
る液晶部分が液晶セル内に充填される。これにより、液
晶セル内における反強誘電性液晶LCの未充填領域がな
くなる。従って、上記第1実施の形態にて述べた液晶セ
ル内負圧減少工程S7を廃止することも可能である。な
お、本第1変形例では、上記オーブンによる加熱時及び
この加熱停止後の徐冷時には、窒素ガスN2 の圧送によ
る液晶セル10Aに対する加圧力が、0.3kgf/c
2 に保持されている。
【0064】図10は、上記第2実施の形態の第2変形
例を示している。この第2変形例では、上記第2実施の
形態における加熱加圧装置30に代えて、加圧装置30
Bが採用されている。この加圧装置30Bは、上記加熱
加圧装置30において、下側治具32及び定盤21に代
え、定盤36を各ロッド33に支持した構成を有してい
る。この定盤36内には、上下一対加熱パイプ36a及
び冷却パイプ36bが、図10にて示すごとく、液晶セ
ル10Aの液晶注入口14aの反対側端部から液晶注入
口14a側にかけて、複数対、間隔をおいて設けられて
いる。
【0065】また、定盤36の上面には一対の温度セン
サ36c、36cが、図10にて示すごとく、間隔をお
いて配設されている。しかして、上記液晶セルセット工
程S3において、液晶セル10Aを定盤35上に載置す
る。そして、上記液晶セル加熱加圧工程S4において、
各加熱パイプ36aに熱風を送ることにより両温度セン
サ36cの検出温度に基づき定盤36を120℃まで加
熱するとともに、エアバッグ34内に窒素ガスN2 を圧
送することにより、液晶セル10Aに対しその上方から
加圧力、例えば、0.3kgf/cm2 を付与する。
【0066】これにより、上記第1実施の形態と同様に
液晶セルのセル厚矯正の加熱加圧処理がなされる。その
結果、上記第1実施の形態にて述べた上記液晶セル加熱
加圧工程S4における作用効果と実質的に同様の作用効
果を達成できる。然る後、冷却工程S5において、各加
熱パイプ36aに対する熱風及び冷却パイプ36bへの
冷風の各送風量を両温度センサ36cにより制御するこ
とにより、液晶セル10Aの液晶注入口14aの反対側
端部から液晶注入口14a側にかけて順次冷却度を低く
するように冷却勾配をつけて精密に徐冷制御する。
【0067】この温度制御の際、液晶注入口14a側の
反強誘電性液晶LCの温度は、液晶セルの液晶注入口1
4aの反対側にて反強誘電性液晶LCがISO相或いは
コレステリック相からSc* 相或いはScA * 相に転移
する以前では、ISO相の温度を維持するようにする。
この制御により、液晶セルに対する反強誘電性液晶LC
の充填性が向上し、液晶セルの信頼性、特に冷熱の温度
サイクルでの信頼性が向上する。その他の構成及び作用
効果は上記第2実施の形態と同様である。
【0068】図11は、上記第2実施の形態の第3変形
例を示している。この第3変形例では、上記第2実施の
形態における加熱加圧装置30に代えて、加圧装置30
Cが採用されている。この加圧装置30Cは、上記加熱
加圧装置30において、定盤21に代え、複数の断面四
角状のヒータ37、平面プレート38及び複数の温度セ
ンサ39を採用した構成となっている。
【0069】複数のヒータ37は、長手状のもので、図
11にて示すごとく、液晶セル10Aの下側にて下側治
具32上に液晶セルの液晶注入口14a側からその反対
側に並べられている。これら各ヒータ37の加熱エネル
ギーは、温度制御装置(図示しない)により各温度セン
サ39の検出結果に応じて制御される。この場合、液晶
セルの徐冷時に、液晶セルの液晶注入口14aの反対側
から液晶注入口14a側にかけて反強誘電性液晶LCの
冷却度合が順次低くなるように温度制御される。このた
め、各温度センサ39が、平面プレート38を介し各ヒ
ータ37に対向するように配設されている。
【0070】また、平面プレート38は、2乃至3mm
の板厚のもので、この平面プレート38は、ガラス、セ
ラミック或いはアルミニウム等の金属により形成されて
いる。この平面プレート38は、互いに隣接し合う各両
ヒータ37間の温度の不連続な差を緩和する機能を有す
る。しかして、上記液晶セル加熱加圧工程S4におい
て、各ヒータ37が上記温度制御装置により各温度セン
サ39の検出温度に基づき平面プレート38を介し液晶
セル10Aを120℃まで加熱するとともに、エアバッ
グ34内に窒素ガスN 2 を圧送することにより、液晶セ
ル10Aに対しその上方から加圧力、例えば、0.3k
gf/cm2 を付与する。
【0071】これにより、上記第1実施の形態と同様に
液晶セルのセル厚矯正の加熱加圧処理がなされる。その
結果、上記第1実施の形態にて述べた上記液晶セル加熱
加圧工程S4における作用効果と実質的に同様の作用効
果を達成できる。然る後、冷却工程S5において、各温
度センサ39の検出結果に基づき上記温度制御装置によ
る制御のもとで、各ヒータ37による液晶セルの徐冷を
行う。この場合、液晶セル10Aの液晶注入口14aの
反対側端部から液晶注入口14a側にかけて順次冷却度
を低くするように冷却勾配をつけて徐冷制御する。
【0072】この制御により、液晶セルに対する反強誘
電性液晶LCの充填性が向上し、液晶セルの信頼性、特
に冷熱の温度サイクルでの信頼性が向上する。その他の
構成及び作用効果は上記第2実施の形態と同様である。
次に、本発明の第3実施の形態を図12乃至図17に基
づいて説明する。図12のカラーフィルタ基板形成工程
S10では、カラーフィルタ基板40(図13参照)を
形成する。このカラーフィルタ基板40は、ガラス基板
41の内表面に複数条のカラーフィルタ層42、オーバ
ーコート43、複数条の透明電極44、絶縁膜45及び
配向膜46を順次形成して構成される。なお、配向膜4
6にはラビング処理が施される。
【0073】一方、対向基板形成工程S11では、対向
基板50を形成する。この対向基板50は、ガラス基板
51の内表面に、複数条の透明電極52、酸化膜53及
び配向膜54を順次形成して構成される。なお、配向膜
54にはラビング処理が施される。カラーフィルタ基板
形成工程S10の処理後、シール印刷工程S12におい
て、カラーフィルタ基板40の配向膜45の内表面外周
部に沿い、熱硬化性エポキシ系接着剤によりシール60
を帯状に印刷形成する(図13及び図14参照)。な
お、このシール60は、複数の液晶注入口61を有して
おり、これら液晶注入口61の両側には、両防止壁62
が、対向基板50のカラーフィルタ基板40からの延出
板部上に形成される。
【0074】対向基板形成工程S11の処理後、スペー
サ・接着性微粒子散布工程S13において、対向基板5
0の配向膜54の内表面に、粒径1.7μm程度のスペ
ーサ70及び粒径5.5μm程度のエポキシ系接着性微
粒子80を散布する。なお、スペーサ70の散布密度は
500個/mm2 程度とし、接着性微粒子80の散布密
度は50個/mm2 程度とする。
【0075】上述のようにシール印刷工程S12及びス
ペーサ・接着性微粒子散布工程S13の処理を終了した
後、重ね合わせ工程S14にて、カラーフィルタ基板4
0をシール60、スペーサ70及び接着粒子80を介し
対向基板50に重ね合わせ(図13、図14参照)、1
80℃にて1時間の間0.5kg/cm2 の加圧状態に
て加熱してシール60を硬化させる。これにより、空セ
ルが形成される。
【0076】このような重ね合わせ工程S14後の各工
程処理は、図16にて示す空セル処理装置Sを利用して
行う。空セル処理装置Sは、真空、加圧、加熱及び冷却
の各処理を行うためのチャンバ100と、このチャンバ
100内に配設した加圧加熱冷却機110及び液晶滴下
治具130を備えている。
【0077】加圧加熱冷却機110は、上下両定盤11
0a、110bを有しており、これら定盤110a、1
10bは、その間に介装される空セルを加圧するように
なっている。この加圧上限値は、3kg/cm2 程度で
ある。定盤110aは、ヒータ111及び冷却器112
を交互に列状に複数配置して内蔵しており、ヒータ11
1の加熱温度範囲は、0℃乃至200℃の範囲である。
一方、定盤110bも、同様に、ヒータ111及び冷却
器112にそれぞれ相当するヒータ113及び冷却器1
14を交互に列状に複数配置して内蔵している。
【0078】また、液晶滴下治具120は、チャンバ1
00の上壁から垂下する筒体121内にヒータ122を
配設して構成されており、筒体121内には、反強誘電
性液晶が収容されている。また、空セル処理装置Sは、
真空ポンプ130及びガスボンベ150を有しており、
真空ポンプ130は、バルブ140の開状態にてチャン
バ100の内部を10-6Torrの真空度まで減圧す
る。また、ガスボンベ150は、バルブ160の開状態
にて、窒素ガス等の不活性ガスをチャンバ100内に圧
送する。このガスボンベ150は、チャンバ100の内
圧を5kg/cm2 程度まで上昇できる。なお、不活性
ガスを用いるのは、水分等が加圧により反強誘電性液晶
に溶け込むのを防止するためである。
【0079】また、空セル処理装置Sは、真空計17
0、温度計180及び圧力計190を有しており、真空
計170及び圧力計190は、チャンバ100内の圧力
を測定する。また、温度計180は、両定盤110a、
110b間に介装される空セル或いは液晶セルの温度を
測定する。減圧工程S15において、両定盤110a、
110b間に上記空セルを介装する。このとき、カラー
フィルタ基板40を対向基板50の上方に位置させると
ともに、対向基板50の延出板部を、液晶滴下治具12
0の直下に位置させる(図16参照)。
【0080】このような状態にて、バルブ140を開い
て、チャンバ100の内部を真空ポンプ130により減
圧する。この減圧は、圧力と時間との関係を表す圧力−
時間プログラムP1(図15参照)の点Aから点Bにか
けてなされる。この場合、圧力−時間プログラムP1の
点Aから点A’まで、即ち、大気圧から10Torrま
では、30分程度かけて減圧を行う。これにより、急激
な圧力変化が抑制されるので、カラーフィルタ基板40
及び対向基板50からのエポキシ系接着性微粒子の剥が
れによるセルギャップむらの発生を防止できる。なお、
点A’から点Bまでは、減圧速度を特定することなく減
圧を行う。
【0081】その後、チャンバ100内の減圧状態を、
圧力−時間プログラムP1の点Bの真空度にて点Cまで
維持する。このような減圧状態のもと、次の加熱工程S
16において、両定盤110a、110b内の各ヒータ
により上記空セルを150℃まで加熱する。この加熱
は、温度−時間プログラムT1(図15参照)の点a乃
至点bにかけてなされる。
【0082】かかる加熱処理後は、上記空セルを150
℃に3時間程保持する(温度−時間プログラムT1の点
b乃至点c参照)。これにより、空セル内部の吸着ガス
や、カラーフィルタ基板40の使用時にカラーフィルタ
層、保護膜等に残留している溶剤を空セル外に放出でき
る。従って、後述する反強誘電性液晶の注入完了後に液
晶未充填領域が発生することがない。
【0083】また、現段階における空セル保持温度は、
反強誘電性液晶の注入温度よりも高くカラーフィルタ層
耐熱温度よりも低い。これにより、カラーフィルタ層の
褪色変形等を招くことがない。次に、上記減圧状態のも
と、温度降下工程S17において、上記空セルの温度を
液晶注入温度(反強誘電性液晶の液相への転移温度以上
の温度)まで低下させる(温度−時間プログラムT1の
点c乃至点d参照)。
【0084】このような温度降下工程S17の処理後、
セル面加圧工程S18において、両定盤110a、11
0bにより、空セルを約1kg/cm2 にて加圧する。
この加圧状態は、後述するセル面加圧解放工程S23の
前まで維持される。上述のように、空セルの温度が液晶
注入温度になると、液晶滴下治具120において、ヒー
タ122により筒体121内の反強誘電性液晶を、液相
転移温度以上に加熱する。その後、反強誘電性液晶を対
向基板50の延出板部上に滴下する。すると、この滴下
反強誘電性液晶が流動してシール60の液晶注入口を塞
ぐ。
【0085】その後、上述のように空セルの温度を液晶
注入温度に維持しつつ、圧力戻し・加圧工程S20の処
理を行う。まず、この工程においては、チャンバ100
の内部をバルブ140を通して真空ポンプ130により
大気に解放する(圧力−時間プログラムP1の点C乃至
点D参照)。このような戻し過程では、空セルの周囲の
圧力が空セル内の圧力よりも高くなるので、この空セル
の内外圧力差により、液体状態の反強誘電性液晶が上記
空セル内に液晶注入口を介し吸引注入される。
【0086】このような液晶注入状態は、30分程度保
持される(圧力−時間プログラムP1の点D乃至点E参
照)。これにより、反強誘電性液晶のうち空セルへの必
要注入量のうち3分の2程が注入される。その後は、以
下のようにして、両電極基板40、50に対する加圧処
理に移行する。これは、上記大気圧との差による注入の
みでは、両電極基板40、50間に反強誘電性液晶を十
分に充填できず、かつ長い注入時間を要するため、充填
未領域の発生を防止し、かつ注入時間を短縮する必要が
あるからである。
【0087】そこで、バルブ160を開いてガスボンベ
150からチャンバ100内に不活性ガスを圧送するこ
とにより、両電極基板40、50の周囲の圧力を228
0Torrまで上昇させる(圧力−時間プログラムP1
の点E乃至点F参照)。これにより、両電極基板40、
50の内外差圧が上昇するため、これら両電極基板4
0、50間への液晶圧入が、短時間にて、未充填領域の
発生を招くことなく行われる。
【0088】この場合、圧力−時間プログラムP1の点
C乃至点Fにおいて、点D乃至点Eを介しステップ状に
加圧するのは、上述のような液晶注入効果を確保するこ
とのほか、急激に減圧状態から加圧状態にした場合に、
シールの液晶注入口近傍の形状に沿う液晶注入速度がば
らつき、反強誘電性液晶の配向状態が変動するのを防止
するためである。
【0089】その後、上記圧入状態を2時間(圧力−時
間プログラムP1上の点F乃至温度−時間プログラムT
1の点eに対応する点参照)の間維持することにより、
液晶未充填領域を発生することなく反強誘電性液晶の充
填が完了される。ついで、上記圧力戻し・加圧工程S2
0における加圧状態を維持したまま、冷却工程S21に
おいて、両電極基板40、50を次のようにして冷却す
る。
【0090】即ち、この冷却は、両定盤110a、11
0bの各ヒータの通電を、液晶反注入側のヒータから液
晶注入側のヒータにかけて順次遮断することにより行う
(温度−時間プログラムT1の点e乃至点f参照)。ま
た、この冷却は、両定盤110a、110bの各冷却器
により液晶反注入側から液晶注入側にかけて順次冷却す
ることにより行ってもよい。
【0091】このような冷却により、反強誘電性液晶の
液相から液晶相への相転移に伴う体積収縮に対しても、
上記加圧により両電極基板40、50間に反強誘電性液
晶を押し込むことができ、液晶充填密度を向上させ得
る。以上のような冷却状態では、反強誘電性液晶を、液
相及び液晶相にて両電極基板40、50間に共存させな
がら、液晶相を、液晶反注入口側から液晶注入口側にか
けて順次成長させていき、最後に、液晶注入口外部の反
強誘電性液晶が液相から液晶相に変わる。
【0092】これにより、反強誘電性液晶が液相から液
晶相(SmA相)への相転移開始から完全に液晶相にな
るまでの間にて最も大きく体積収縮するという性質をも
っていても、この体積収縮を緩和することができる。そ
の結果、反強誘電性液晶の未充填領域の発生を防止しつ
つ液晶充填密度を向上させながら、両電極基板40、5
0間に反強誘電性液晶を十分に充填できる。
【0093】この場合、反強誘電性液晶の液相から液晶
相への相転移が、この相転移で発生する反強誘電性液晶
の体積収縮量を、隣接する液相の液晶部分で補充しなが
ら、液晶注入口側に向け進行するので、反強誘電性液晶
の体積収縮による液晶未充填領域の再発を防止できる。
上記冷却工程S21の処理後は、反強誘電性液晶が常温
状態にあり、その充填も完了している。このため、圧力
戻し工程S22において、バルブ140を開いて真空ポ
ンプPにより、チャンバ100内の圧力を大気圧に戻す
(圧力−時間プログラムP1上の点G乃至点H参照)。
これにより、反強誘電性液晶の液晶セル内への高密度充
填をより一層高め得る。
【0094】その後、セル面加圧解放工程S23におい
て、加圧加熱冷却機110による両電極基板40、50
の加圧を解放する。この状態では、反強誘電性液晶が液
相から液晶相に変化しているため、液晶セル内の反強誘
電性液晶は、相転移時の大きな体積収縮は緩和されてい
るが、上記加圧解放によりセルが多少膨らむ。このた
め、上記第1実施の形態にて述べた液晶セル加圧解放工
程S6の場合と同様に、両電極基板40、50間が負圧
状態となる。
【0095】そして、液晶セル内負圧減少工程S24に
おいて、上記第1実施の形態にて述べた液晶セル内負圧
減少工程S7と同様の処理により、反強誘電性液晶が両
電極基板40、50内に吸引され、未充填領域の再発を
伴うことなく、両電極基板間に十分に反強誘電性液晶の
充填が十分に確保され得る。以上述べた工程処理では、
セル面加圧工程S18から圧力戻し工程S22まで両電
極基板40、50間に対する面加圧状態が維持されるの
で、上記第1実施の形態にて述べた両電極基板の膨らみ
の発生を未然に防止できる。
【0096】なお、液晶注入工程でセルギャップが膨ら
む原因は、液晶注入温度が120℃に対し接着性微粒子
のガラス転移点が100℃程度であるため、接着性微粒
子が軟化して両電極基板間に注入される液晶がセルを膨
張させるためと考えられる。ちなみに、セル内に液晶が
存在しない150℃の加熱温度前後では、セルギャップ
の変化は殆どない。
【0097】その後、液晶封止工程S25にて、上記第
1実施の形態の液晶封止工程S8にて述べたと同様に封
止を行う。この場合、上記加圧の解放が封止前になされ
るので、加圧したまま封止を行って加圧解放をした場合
に生ずるスプリングバックによるセルギャップ膨張に起
因するセル内負圧の増大はなく、未充填領域が再発する
ことがない。
【0098】ちなみに、本第3実施の形態における液晶
セルのセルギャップが上記重ね合わせ工程S14及び液
晶封止工程S25の処理後に変化する状態を調べたとこ
ろ、図17にて示す結果得られた。ここで、両曲線L
4、L5は、セル面加圧工程S18における加圧処理を
施した液晶セルの場合のセルギャップの変化を示し、両
曲線L4a、L5aは、当該加圧処理を施さない液晶セ
ルの場合のセルギャップの変化を示す。
【0099】ここで、両曲線L4a、L5aは両曲線L
4、L5の場合よりもセルギャップの変化が大きいこと
を示す。また、符号gは、上記第1実施の形態と同様、
表示むらの発生しないセルギャップの範囲を示す。これ
によれば、セル面加圧工程S18における加圧処理を施
さない場合には、空セル時のセルギャップが範囲gにあ
っても封止後はこの範囲から逸脱している。これに対
し、セル面加圧工程S18における加圧処理を施した場
合には、空セル時及び封止後の双方においてセルギャッ
プは範囲gに納まる。
【0100】従って、本第3実施の形態によれば、液晶
セルが空セルの時の均一なセルギャップを維持できるの
で、表示むらを招くことがない。なお、上記第3実施の
形態では、冷却工程S21の処理の後に圧力戻し工程S
22の処理を行うようにしたが、これに代えて、圧力戻
し工程S22の処理の後に冷却工程S21の処理を行っ
ても、上記第2実施の形態と同様の作用効果を達成でき
る。
【0101】また、本発明の実施にあたり、上記第3実
施の形態において、セル面加圧解放工程S23の処理
後、液晶封止工程S25の処理を行い、大気圧下で再
度、加熱工程S16とセル面加圧工程S18の処理を行
い、その後、冷却工程S21の処理を行い、セル面加圧
解放工程S24の処理をするようにしてもよい。これに
より、液晶セル内負圧減少工程S24の処理を廃止する
ことができる。
【0102】これは、液晶セルの封止後、加熱工程S1
6及びセル面加圧工程S18の処理を行うことにより、
液晶セル内の一定量の液晶に対してセル容積を縮小する
こととなる。このため、液晶充填密度が増加してセル内
の負圧が緩和される。その結果、未充填領域の再発を防
止できる。また、上記各実施の形態においては、液晶セ
ル内の反強誘電性液晶を液相状態になるまで加熱する例
について説明したが、これに代えて、液晶セル内の反強
誘電性液晶をコレステリック相状態になるまで加熱する
ようにして実施してもよい。
【0103】ここで、コレステリック相状態になった反
強誘電性液晶の粘度は、液相状態と同様に低いので、加
圧による液晶セルからの反強誘電性液晶の押し出しが容
易に行える。また、本発明の実施にあたっては、反強誘
電性液晶に限らず、強誘電性液晶等のスメクチック液晶
を採用した液晶セルの本発明を適用して実施してもよ
い。
【0104】また、本発明の実施にあたり、液晶表示装
置の液晶セルに限ることなく、液晶スイッチ等の各種液
晶装置用液晶セルに本発明を適用して実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態における液晶セルの製
造工程を示す工程図である。
【図2】上記第1実施の形態における空セルの平面図で
ある。
【図3】図2の空セルの断面図である。
【図4】反強誘電性液晶を加圧により注入した状態にお
ける液晶セルの断面図である。
【図5】液晶セルを加熱加圧装置にセットした状態を示
す要部破断側面図である。
【図6】上記第1実施の形態における温度プログラム及
び圧力プログラムを示すグラフである。
【図7】上記第1実施の形態における処理工程との関係
におけるセルギャップの変化を示すグラフである。
【図8】本発明の第2実施の形態を示す要部破断側面図
である。
【図9】上記第2実施の形態の第1変形例を示す要部破
断側面図である。
【図10】上記第2実施の形態の第2変形例を示す要部
破断側面図である。
【図11】上記第2実施の形態の第3変形例を示す要部
破断側面図である。
【図12】本発明の第2実施の形態における液晶セルの
製造工程を示す工程図である。
【図13】図12の液晶セルの断面図である。
【図14】液晶セルの平面図である。
【図15】上記第2実施の形態における温度プログラム
及び圧力プログラムを示すグラフである。
【図16】上記第2実施の形態における空セル処理装置
の概略断面図である。
【図17】上記第1実施の形態におけるセル面加圧処理
をした場合としなかった場合の処理工程との関係におけ
るセルギャップの変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10・・・空セル、10A・・・液晶セル、11、13
・・・電極基板、14a・・・液晶注入口、21、36
・・・定盤、34・・・エアバッグ、36a・・・加熱
パイプ、36b・・・冷却パイプ、37・・・ヒータ、
30・・・加熱加圧装置、30A、30B、30C・・
・加圧装置、40・・・カラーフィルタ基板、42・・
・カラーフィルタ層、50・・・対向基板、LC・・・
反強誘電性液晶。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 耕一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両電極基板の間にスメクチック液晶を前
    記両電極基板の内外圧力差により注入する液晶注入工程
    を有する液晶セルの製造方法において、 前記液晶注入工程後前記液晶セルの表面を加圧する加圧
    工程と、 前記液晶注入工程後前記液晶セルを加熱する加熱工程と
    を備えることを特徴とする液晶セルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加圧工程における加圧を1時間以上
    行うことを特徴とする請求項1に記載の液晶セルの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱工程の加熱の開始に併せ、或い
    はこの加熱の終了後、前記加圧工程の加圧を開始するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶セルの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 両電極基板の間にスメクチック液晶を前
    記両電極基板の内外圧力差により注入する液晶注入工程
    を有する液晶セルの製造方法において、 前記液晶注入工程における注入に併せて、前記液晶セル
    の表面を加圧する加圧工程と、 この加圧工程に併せて前記液晶セルを加熱する加熱工程
    とを備えることを特徴とする液晶セルの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱工程における加熱を、前記液晶
    注入工程前に行うことを特徴とする請求項4に記載の液
    晶セルの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記加熱工程の加熱を、前記スメクチッ
    ク液晶が液相及びコレステリック相の一方の状態になる
    まで行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一
    つに記載の液晶セルの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記加圧工程における加圧を0.3kg
    f/cm2 以上の値にて行うことを特徴とする請求項1
    乃至6のいずれか一つに記載の液晶セルの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記加熱工程の加熱終了後、前記加圧工
    程の加圧状態にて前記液晶セルを冷却する冷却工程を備
    えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに
    記載の液晶セルの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記冷却工程の冷却を、前記液晶セルに
    おけるスメクチック液晶の反注入口側から注入口側にか
    けて順次行うことを特徴とする請求項8に記載の液晶セ
    ルの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記冷却工程の冷却を終了し、かつ前
    記加圧工程の加圧を解放した後、前記液晶セルの内外圧
    力差を減少させる減少工程を備えることを特徴とする請
    求項8又は9に記載の液晶セルの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記減少工程における前記液晶セルの
    内外圧力差の減少を、前記液晶セル内への加圧により行
    うことを特徴とする請求項10に記載の液晶セルの製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記減少工程における前記液晶セルの
    内外圧力差の減少に併せて、前記液晶セル内の液晶の封
    止を常温硬化型接着剤により行う液晶封止工程を備える
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載の液晶セル
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記両電極基板の一方がカラーフィル
    タ層(42)を有し、 前記加熱工程での加熱の温度が前記カラーフィルタ層の
    耐熱温度以下であることを特徴とする請求項5に記載の
    液晶セルの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記液晶セルを載置する下側部材と、 前記液晶セルを前記下側部材上に挟持する上側部材と、 前記上下両側部材を介し前記液晶セルを加圧する加圧手
    段と、 前記上下両側部材の一方を介し前記液晶セルの温度を制
    御する温度制御手段とを備え、 かつ、前記上下両側部材の一方は、前記液晶セルの前記
    スメクチック液晶の注入側からその反対側にかけて、順
    次熱容量を減少させるように形成されていることを特徴
    とする請求項3、8又は9に記載の液晶セルの製造装
    置。
  15. 【請求項15】 前記上下両側部材の一方が定盤であっ
    て、 この定盤の肉厚が、前記液晶セルに対する前記スメクチ
    ック液晶の注入側からその反対側にかけて、順次薄くな
    っていることを特徴とする請求項14に記載の液晶セル
    の製造装置。
  16. 【請求項16】 前記上下両側部材の一方が定盤であっ
    て、 この定盤内には、一対の加熱パイプ及び冷却パイプが、
    複数対、前記液晶セルに対する前記スメクチック液晶の
    注入側からその反対側にかけて並んで設けられており、 前記温度制御手段が、前記複数対の加熱パイプ及び冷却
    パイプの制御により、前記液晶セルを加熱し、また、前
    記液晶セルにおけるスメクチック液晶の反注入口側から
    注入口側にかけて順次冷却するように制御することを特
    徴とする請求項3、8又は9に記載の液晶セルの製造装
    置。
  17. 【請求項17】 前記上下両側部材の一方が、前記液晶
    セルに対する前記スメクチック液晶の注入側からその反
    対側にかけて並べられた複数の長手状ヒータであり、 前記温度制御手段が、前記複数のヒータの制御により、
    前記液晶セルを加熱し、また、前記液晶セルにおけるス
    メクチック液晶の反注入口側から注入口側にかけて順次
    冷却するように制御することを特徴とする請求項3、8
    又は9に記載の液晶セルの製造装置。
  18. 【請求項18】 前記液晶セルと前記複数のヒータとの
    間に平面プレートが介装されていることを特徴とする請
    求項17に記載の液晶セルの製造装置。
  19. 【請求項19】 前記温度制御手段が、前記液晶セルの
    冷却開始時には、前記スメクチック液晶の注入側の温度
    を、この注入側とは反対側の液晶部分の液晶状態への転
    移前では、等方相の温度に維持することを特徴とする請
    求項14乃至18のいずれか一つに記載の液晶セルの製
    造装置。
  20. 【請求項20】 前記温度制御手段が、前記スメクチッ
    ク液晶の注入側とは反対側の液晶部分の液晶状態への転
    移時の冷却速度を1℃/分以下、好ましくは0.5℃/
    分以下に制御することを特徴とする請求項19に記載の
    液晶セルの製造装置。
JP8172996A 1995-05-30 1996-04-03 液晶セルの製造方法及びその装置 Pending JPH0950039A (ja)

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