JP4638538B2 - プレコートアルミニウム板 - Google Patents

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本発明は、主に産業用電子機器、民生用電子機器、自動車用電装品等に使用される、アルミニウム板を素材としたプレコートアルミニウム板に関する。
アルミニウムは、比重が小さい、熱伝導性が良い等、様々な特長があるため、種々の用途に用いられている。このアルミニウムは、自然環境では耐食性に優れるため、腐食防止のための表面処理を行わない場合も少なくないが、近年では、機能付与を目的とした表面処理を行う場合が増えている。例えば、ノートパソコンや薄型テレビ、カーステレオ等、軽さが必要となる用途において、アルミニウム板を素材とし、このアルミニウム板に予め機能性皮膜(プレコート皮膜)を設けたプレコートアルミニウム板の採用が増えている。プレコートアルミニウム板を利用すると、事前に表面処理がされていないアルミニウム板を、プレス成形後に個別に表面処理するアフターコート法に比べ、生産性やコストに優れるという利点がある。
また、ノートパソコンに搭載されるスリム型の光ディスクドライブ装置のカバー等では、(1)潤滑性(プレス油を洗浄する工程を省略して製造コストを下げるために、洗浄の不要な速乾性プレス油での連続成形を可能とするのがねらい)、(2)耐疵付き性・耐指紋性(外観品質を向上させるのがねらい)、(3)導電性(帯電防止やアースを確保するのがねらい)等が要求される。これらの要求を満たすプレコートアルミニウム板の例として、例えば、特許文献1には、所定の算術平均粗さRaを有するアルミニウム板の少なくとも一面に、所定の耐食性皮膜と所定の樹脂皮膜とを形成し、その表面抵抗値を規定することで導電性を向上させつつ、その他の要求性能も満足した電子機器用アルミニウム板が開示されている。
また、スロットインタイプの光ディスクドライブに使用されるカバーの内面は、光ディスクを出し入れする際にディスクと直接摩擦が生じるため、摩擦によってディスクに疵を与えない特性が求められる。そこで、光ディスクドライブの中でも、スロットインタイプの光ディスクドライブへの適用を想定した発明として、例えば、特許文献2には、プレコート皮膜中に所定の硬さの軟質ビーズを添加し、皮膜にクッション性を持たせることによって、光ディスクの表面に疵を与えることを防ぐ性能を満足させたプレコートアルミニウム金属板が開示されている。
ところで、特許文献1や特許文献2で想定する光ディスクドライブ装置等の民生用電子機器の筐体類(カバー等)は、アルミニウム板を90度曲げ加工にて箱型形状に成形したものが適用されてきた。曲げ加工により箱型筐体を製作する技術は、コイル状の板を使用し、順送金型による連続成形が可能であり、また、速乾性プレス油を使用した連続成形技術も確立していることから、プレス成形後の洗浄工程も不要であり、生産性に優れた方法といえる。しかし一方で、曲げ加工で製作した筐体は、側壁部のコーナーに隙間が必ず存在するため、筐体に密閉性が必要となる場合には、以下のような課題が生じる。
筐体に、高い密閉性が要求される例としては、例えばエンジンルーム等の過酷な環境に設置される自動車制御用電装品(ECU等の制御装置やハイブリッド車・電気自動車の電池、インバーター類等)等が考えられ、これらでは、筐体内部の密閉性を保つことができないと、水分やオイル類、砂埃等が筐体内部に侵入し、故障の原因となるおそれがある。また、リチウムイオン電池や電解コンデンサーのケースにもアルミニウム板の成形品が使用されているが、これらのように、内部に電解液等の液体物を入れて使用する用途では、液漏れを防ぐためにも、ケースには高い密閉性が要求される。さらに、家庭等の室内で利用される民生用電子機器でも、カバーの密閉性を高めることで、電磁波シールド性を高めることが期待できる。これらのように、密閉性の高い筐体を製作するためには、曲げ加工よりも絞り加工によって、隙間のない箱型筐体に成形する方法が有利である。なお、図3(a)に、曲げ加工による箱型筐体の模式図、(b)に、絞り加工による箱型筐体の模式図を示す。
ここで、これらの筐体類にプレコートアルミニウム板を適用する際、素材であるアルミニウム板はもとより、プレコート皮膜にも、絞り加工に伴う大きな変形に追随することが求められる。以下に絞り加工を想定した発明に関する文献として、特許文献3と特許文献4を例示する。
絞り加工に伴うプレコート皮膜の大きな変形を想定したプレコートアルミニウム板として、例えば、特許文献3には、アルミニウム板の表面に形成された熱硬化樹脂の分子間架橋状態として、プレコート皮膜のゲル分率の値を220℃の加熱処理を行った前後で比較した場合に、当該加熱処理後のゲル分率の値が、前記加熱処理前のゲル分率の値から連続的に減ずるようにし、220℃の前記加熱処理を10分間行った時点における当該加熱処理前のゲル分率の値からの減少幅が10%未満であるように制御することによって、高い絞り成形性を満足させたプレコートアルミニウム板が開示されている。
前記に挙げたプレコートアルミニウム材以外の技術としては、電解コンデンサーのケースでは、加工性に優れた熱可塑性樹脂フィルムをラミネートしたフィルムラミネートアルミニウム板が使用されている。フィルムラミネートアルミニウム板は、皮膜を構成する樹脂の分子が架橋されていないため、皮膜は大きな変形が可能であり、絞り加工に対しては有利な特性を有する。また、それらの中には、塩素系溶剤での洗浄薬剤耐久性を高めたものも存在する。例えば、特許文献4には、アルミニウム板の表面に設けられる熱可塑性樹脂フィルムと、この熱可塑性樹脂フィルムの表面に設けられる熱硬化性樹脂塗膜層とを備えることで、成形加工性を維持しつつ、樹脂塗膜層の変色の防止等を図った電子部品ケース用樹脂被覆積層アルミニウム板が開示されている。また、熱可塑性樹脂フィルムとしては、ナイロン等のポリアミド系樹脂や、PET等の飽和ポリエステル系樹脂を使用することが記載されている。
特開2003−313684号公報(段落0020〜0050) 特許第4134237号公報(段落0024〜0042) 特開2006−305841号公報(段落0024〜0051) 特許第4003915号公報(段落0017〜0029)
しかし、従来の技術においては、以下に示すような問題点を有している。
特許文献1および特許文献2に記載の発明は、その用途として光ディスクドライブを想定した発明であるため、前記の通り、曲げ加工による筐体製作を前提とした発明と考えられる。曲げ加工の場合、前記したように、速乾性プレス油による成形のみを想定していると思われるため、沸騰塩素系洗浄薬剤での耐久性は考慮されていないと考えられる。
特許文献3に記載の発明は、絞り加工を想定したものである。アルミニウム板の変形量が大きい絞り加工においては、前記曲げ加工の場合に記載したような、速乾性プレス油を使用した連続成形技術が十分に確立されていない。そのため、高粘度の防錆油やエマルジョン型のワックスを使用して成形した後、洗浄剤を用いて不要なプレス油や磨耗粉の除去を行う方法が依然として多く採用されている。このような方法では、プレコート皮膜は、大きな変形に追従できる成形性を満足するだけでは不十分であり、洗浄工程で使用される薬剤に対して、皮膜の溶解、剥離、変色、くっつきといった問題が生じない、洗浄工程での皮膜の耐久性が不可欠となる。ここで、洗浄工程の中でも、トリクレン等の塩素系溶剤の沸騰液に浸漬させるような過酷な洗浄方法を行う場合には、特許文献3に記載の技術では、成形品の皮膜の溶解、剥離、変色、くっつき等が発生して、外観不良の原因となる場合がある。
特許文献4に記載されているような、熱可塑性樹脂をベース樹脂としてフィルム作製し、このフィルムをアルミニウム板の表面にラミネートしたフィルムラミネート材は、熱可塑性樹脂フィルムを使用するため、耐熱性については自ずと限界がある。例えば、ナイロンに代表されるポリアミド系の熱可塑性樹脂をベース樹脂にする場合は、アルミニウム板との密着性は良く、優れた成形性も得られるが、高温環境では比較的短時間で、熱によりベース樹脂が黄変色あるいは褐変色しやすいという問題がある。さらに、PET等の飽和ポリエステル系の熱可塑性樹脂をベース樹脂にする場合は、アルミニウム板との密着性は良く、優れた成形性を示し、高温環境でも、容易にはベース樹脂が熱変色しない特長があるが、ベース樹脂は加水分解し易いため、高温湿潤雰囲気下での耐久性に劣る傾向がある。
その他、ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン系の樹脂をベース樹脂にすると、ベース樹脂は原則炭素と水素だけから構成されており、窒素や酸素が含まれない。従って水酸基やカルボキシル基、エステル結合、イソシアネート基、ウレタン結合、アミノ基、アミド結合といった官能基や化学結合の起点が無く、アルミニウム板との接着性に劣ることとなる。
そのため、フィルムラミネート材よりも耐熱耐久性の高い熱硬化性樹脂を使用したプレコートアルミニウム板であって、プレス成形後にプレス油や磨耗粉等を洗浄剤中にて洗浄除去する工程の際に、洗浄能力の高い沸騰塩素系洗浄剤中で洗浄する場合においても、プレコート皮膜の溶解、剥離、変色、くっつき等の表面異常となることを防止できる、洗浄工程での皮膜の耐久性に優れたプレコートアルミニウム板の開発が望まれている。さらに、洗浄工程での皮膜の優れた耐久性に加え、絞り加工における成形性に優れると共に、アルミニウム板のもつ美しい光沢外観を損なわないプレコートアルミニウム板が、より望まれている。
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、熱硬化性樹脂を使用したプレコートアルミニウム板において、沸騰塩素系洗浄剤中で、皮膜の溶解、剥離、変色、くっつき等が生じることのない、洗浄工程での皮膜の耐久性に優れたプレコートアルミニウム板を提供することを目的とする。
さらに、より望ましい形態として、洗浄工程での皮膜の耐久性に優れると共に、絞り加工が行われた場合においても、フィルムラミネート材と遜色のない高い成形性や、優れた外観性状を兼ね備えたプレコートアルミニウム板を提供することを目的とする。
請求項1に係るプレコートアルミニウム板は、アルミニウム板の表面に、分子間架橋されたベース樹脂と、微粒子と、を含むプレコート皮膜(以下、適宜、皮膜という)が形成されたプレコートアルミニウム板であって、前記ベース樹脂は、ガラス転移温度が25〜65℃のポリエステル樹脂を、メラミン系硬化剤、または、イソシアネート系硬化剤にて架橋反応させた架橋ポリエステル樹脂であり、前記プレコート皮膜は、ゲル分率が50%以上であり、かつ、表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)で、0.25μm以上であることを特徴とする。
このような構成によれば、プレコート皮膜のゲル分率が50%以上であることにより、プレコート皮膜の架橋密度が高くなり、プレコート皮膜中に添加した微粒子が洗浄工程で脱落するのを防止することができる。また、耐薬品性、耐熱性、耐加水分解性等が向上し、また、洗浄工程での皮膜の耐久性が向上する。さらに、微粒子を添加することで、プレコート皮膜の表面粗さ(算術平均粗さ(Ra))が制御され、この表面粗さRaが0.25μm以上であることにより、プレコート皮膜の表面粗さが十分に大きなものとなり、沸騰塩素系洗浄剤中における皮膜同士のくっつきが抑制される。また、ベース樹脂が、ガラス転移温度が25〜65℃のポリエステル樹脂を、メラミン系硬化剤、または、イソシアネート系硬化剤にて架橋反応させた架橋ポリエステル樹脂であることで、皮膜が適度に柔軟となり、プレコートアルミニウム板の絞り成形性が向上する。
請求項2に係るプレコートアルミニウム板は、前記微粒子が、無機微粒子、または、架橋された有機微粒子であることを特徴とする。
このような構成によれば、ベース樹脂を架橋反応させる際の熱によって、微粒子が溶融することがなく、プレコート皮膜の表面粗さRaを制御しやすくなる。
請求項3に係るプレコートアルミニウム板は、前記微粒子が、架橋された球状の有機微粒子であることを特徴とする。
このような構成によれば、プレコート皮膜の凸部の形態が滑らかとなり、プレス成形用金型の負担が軽減する。
求項に係るプレコートアルミニウム板は、前記ポリエステル樹脂が、ガラス転移温度が35〜60℃であることを特徴とする。
このような構成によれば、皮膜が適度に柔軟となり、プレコートアルミニウム板の絞り成形性が向上する。
請求項に係るプレコートアルミニウム板は、前記プレコート皮膜の表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)で、0.25〜0.55μmであることを特徴とする。
このような構成によれば、プレコート皮膜の表面における可視光の乱反射が抑制され、プレコート皮膜が艶消し状態になることが抑制される。なお、ここでの艶消し状態とは、素材であるアルミニウム板の持つ艶が失われることをいう。
本発明の請求項1に係る発明によれば、過酷な沸騰塩素系洗浄剤中で洗浄を行っても、皮膜の溶解、剥離、変色、くっつき等が生じることのない、洗浄工程での皮膜の耐久性に優れたプレコートアルミニウム板の提供が可能となる。これにより、選択できる製造工程が広がるため、プレコートアルミニウム板の応用分野が広がる。また、皮膜の基本的な耐薬品性が向上しているため、プレス成形後の洗浄工程での皮膜の耐久性向上のみならず、実使用環境下での耐溶剤性や耐薬品性が向上する。また、プレコート皮膜の柔軟性を適度に得ることができ、プレコートアルミニウム板の絞り成形性を向上させることができる。そのため、絞り加工やしごき加工のような変形の大きい成形に追従できるプレコートアルミニウム板の提供が可能となる。これにより、産業用電子機器や民生用電子機器、自動車電装品の筐体に好適な、密閉性に優れた筐体を提供することが可能となる。また、フィルムラミネートアルミニウム板と比較して、耐熱変色性や耐加水分解性等に優れた成形品を提供することが可能となる。
本発明の請求項2に係る発明によれば、プレコート皮膜の表面粗さRaが制御しやすくなり、安定した表面粗さRaのプレコート皮膜を得ることができる。
本発明の請求項3に係る発明によれば、プレス成形用金型の負担を軽減させることができるため、プレス成形用金型の寿命を向上させることができる。
本発明の請求項4に係る発明によれば、プレコート皮膜の柔軟性をより適度に得ることができ、プレコートアルミニウム板の絞り成形性を向上させやすくなる。
発明の請求項に係る発明によれば、アルミニウム板のもつ美しい光沢外観の成形品を提供することが可能となる。
以下、適宜図面を参照して、本発明に係るプレコートアルミニウム板の最良の形態について具体的に説明する。
参照する図面において、図1は、本発明に係るプレコートアルミニウム板の構成を模式的に示す部分断面図である。
≪プレコートアルミニウム板≫
図1に示すように、プレコートアルミニウム板1は、アルミニウム板2の表面に、分子間架橋されたベース樹脂4と、微粒子5と、を含むプレコート皮膜3が形成されたものである。ここで、アルミニウム板2の表面とは、アルミニウム板2の少なくとも一方の面を意味する。以下、各構成について説明する。
<アルミニウム板>
本発明でいうアルミニウム板2は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるものであり、本発明で用いられるアルミニウム板(アルミニウム板またはアルミニウム合金板)2としては、特に制限されるものではなく、製品形状や成形方法、使用時に求められる強度等に基づいて選択することができる。一般的には、非熱処理型のアルミニウム板、すなわち、1000系の工業用純アルミニウム板、3000系のAl−Mn系合金板、5000系のAl−Mg系合金板が好適に使用することができる。特に、しごき加工を伴う深い容器形状の筐体を製作する場合には、JIS H4000に規定されるA1050、A1100、A3003、A3004等のアルミニウム板が推奨される。また、比較的浅い容器形状の筐体を作成する場合には、JIS H4000に規定される、A5052やA5182等のアルミニウム板が推奨される。調質、板厚についても、目的に応じて種々のものを選定して使用することができる。また、後記するように、アルミニウム板2に、反応型下地処理、塗布型下地処理、陽極酸化処理、電解エッチング処理、脱脂処理等を施してもよい。
<プレコート皮膜>
プレコート皮膜3(皮膜3)は、ベース樹脂4と、このベース樹脂4中に分散された微粒子5を含むものであり、アルミニウム板2の表面に形成される。このプレコート皮膜3は、ゲル分率が50%以上、かつ、表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)で、0.25μm以上である。
[ベース樹脂]
ベース樹脂4は、プレコート皮膜3の主成分となるものであり、従来公知のプレコートアルミニウム板やプレコート鋼板に使用される分子間架橋型の樹脂を使用し、後記するように、ゲル分率が50%以上となるように分子間架橋反応させる。
熱硬化反応による分子間架橋を行わないものとして、熱可塑性樹脂をベース樹脂とするフィルムラミネート材もあるが、前記従来技術で説明したとおり、熱可塑性樹脂をベース樹脂にするものは、様々な点で実用上の問題が生じる。しかし、熱硬化反応等による分子間架橋を行う樹脂をベース樹脂4に選定すると、この樹脂は、もともと分子間架橋するための官能基を有しているため、アルミニウム板2との密着性に優れる。また、架橋されることで、耐薬品性や耐熱性が高くなると共に、耐加水分解性についても向上させることが可能となる。
ベース樹脂4に使用する分子間架橋型の樹脂は、プレス後の使用環境や用途に応じて選定することができる。例えば、皮膜3の硬さや耐熱性が求められる用途であれば、ベース樹脂4にエポキシ系樹脂を使用するのが望ましく、耐候性や防汚性等が必要とされる用途の場合は、ベース樹脂4にフッ素系樹脂を使用するのが望ましい。さらに、製品形状が厳しく、複雑形状に成形して使用する場合には、比較的柔軟な皮膜3となるポリエステル系樹脂をベース樹脂4に使用するのが望ましい。
ここで、製品形状を考えた場合、前記したように、曲げ加工にて箱型形状に成形するような場合では、速乾性プレス油を使用した連続成形技術も確立しているため、十分な洗浄状態が必要となる用途で無ければ、プレス成形後の洗浄工程は必ずしも必要ではない。言い換えると、洗浄が必要となるような高粘度の防錆油やエマルジョン型のワックスを使用して成形する製品形状は、深絞り形状等、複雑形状となる場合の方が多いといえる。したがって、プレコートアルミニウム板1における洗浄工程での皮膜3の耐久性の付与は、高い成形性を得ることができるポリエステル系樹脂と組み合わせるのが、より望ましい形態と考えられる。
ポリエステル樹脂としては、多価アルコールと多塩基酸を縮合重合させることによって得られた飽和ポリエステル樹脂を用いるのが望ましい。このうち、多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等の二価アルコールや、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の三価アルコール、さらには、四価以上のアルコール類等を用いることができる。また、多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等の二塩基酸や、無水トリメリット酸等の三塩基酸、さらには、四価以上の多塩基酸等を用いることができる。これらの多価アルコールおよび多塩基酸は、一種類もしくは二種類以上同時に使用して縮合重合させてもよい。また、これらの成分を組み合わせることにより、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が変化する。
ガラス転移温度は樹脂の転移温度の一つであり、一般に、ガラス転移温度以上の温度での樹脂は柔らかいゴム状、ガラス転移温度以下の温度での樹脂は硬いガラス状とされる。従って、深絞り加工やしごき加工のような変形の大きい加工に皮膜3が追従するためには、理論上はガラス転移温度を加工温度以下にすることが必要となる。しかし実際には、高分子物質は、分子量に幅があり、分子内に枝分かれ構造が生じる等、一次構造は均一ではなく、分子同士の配列等、高次構造もミクロに見ると均一とはいえない。したがって、ガラス転移温度はあくまで代表値であり、ある程度幅をもった温度範囲で徐々に転移が生じる。また、ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度以下のガラス状であっても、一部の状態(架橋反応をさせない熱可塑性樹脂の状態で結晶化を促進させた状態)を除き、比較的高い伸びがあるため、ある程度の範囲であれば、高いガラス転移温度を有する樹脂をベース樹脂4としても、成形は可能である。逆に、ガラス転移温度が低すぎる樹脂をベース樹脂4にした場合には、皮膜3が柔らかくなりすぎて、疵が入りやすくなる。
本発明において、ベース樹脂4にポリエステル樹脂を使用する場合、そのガラス転移温度は、25〜65℃の範囲であることが望ましい。ガラス転移温度が25℃未満では、皮膜3が柔らかくなりすぎて疵が入りやすく、一方、65℃を超えると、プレコートアルミニウム板1の加工性が低下し、成形可能な形状が限定されてしまう。なお、ガラス転移温度は、35〜60℃であることがより望ましい。ガラス転移温度を35℃以上とすることで、皮膜3の柔軟性をより適度にしやすくなり、ガラス転移温度を60℃以下とすることで、プレコートアルミニウム板1の加工性を向上させやすくなる。なお、ここでいうガラス転移温度とは、DSC法によって測定されたものをいう。
また、前記のポリエステル樹脂だけでは、架橋反応は起きない。本発明で要求される架橋反応を起こすためには、ポリエステル樹脂が有する水酸基やカルボキシル基と反応する硬化剤を添加するか、ポリエステル樹脂自体に、硬化剤と同様の働きをする成分が生成するように、化学反応を利用してポリエステル樹脂を改質することが必要である。これらの水酸基やカルボキシル基と反応する官能基としては、イソシアネート基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等があり、これらの官能基を3個以上有する物質を硬化剤として添加することで、容易に架橋反応を促進することが可能である。このような硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物や、メラミン化合物、エポキシ化合物、アミノ化合物、フェノール化合物、ウレア化合物等が挙げられる。なお、本発明でポリエステル系樹脂をベース樹脂4に使用する場合、その硬化剤は、メラミン系硬化剤またはイソシアネート系硬化剤であることが望ましい。これらの硬化剤は、塗料化が容易、常温での保存性と焼付け温度での即反応性を兼ね備える、焼付けにより変色が起こりにくい等の利点がある。
[微粒子]
微粒子5は、プレコート皮膜3の表面粗さRaを所定に制御するためのものであり、プレコート皮膜3のベース樹脂4中に含有させる。
プレコート皮膜3中に微粒子5を含有させること無く、表面粗さを制御する方法としては、プレコート皮膜を形成した後に、ブラスト処理等で物理的に表面を粗面化する方法や、凹凸のあるロールを皮膜の表面に押し当てて、ロールの持つ粗さを転写させる方法等が考えられる。しかしながら、これらの方法で表面粗さRaを調整したプレコート皮膜は、洗浄溶剤中に、皮膜表面の凹凸が滑らかとなり、プレコート皮膜における所定の表面粗さを維持することができないという問題がある。その結果、皮膜表面が平滑となり、沸騰塩素系洗浄剤中に、皮膜の表面同士がくっつきやすくなる。しかし、ベース樹脂4中に微粒子5を含有させたプレコート皮膜3では、溶剤洗浄前後で、皮膜表面の凹凸形状は変化しないため、沸騰塩素系洗浄剤を用いた洗浄工程においても、皮膜3同士のくっつきを防ぐことができる。
微粒子5の種類、形態、大きさ、添加量等は、特に制限されるものではなく、ベース樹脂4に微粒子5を含有させることで、プレコート皮膜3の表面粗さRaを所定の範囲に制御できればよい。これにより、沸騰塩素系洗浄剤中での皮膜3同士のくっつきを防ぐことができる。ただし、微粒子5の種類としては、無機微粒子、または、架橋された有機微粒子であることが望ましい。これ以外の微粒子5としては、架橋されていない熱可塑性の微粒子があるが、熱可塑性微粒子を使用した場合には、ベース樹脂4を架橋反応させる際の熱によって、微粒子5が溶融し、微粒子5の形態が安定せず、プレコート皮膜3の表面粗さRaを制御することが難しくなるという問題が生じやすい。無機微粒子や架橋された有機微粒子であれば、プレコート皮膜3のベース樹脂4を架橋反応させる際の熱によって、微粒子5が溶融しないため、安定した(均一な)表面粗さRaのプレコート皮膜3を得ることができる。
なお、微粒子5として、無機系の微粒子を使用した場合、プレコート皮膜3の凸部は硬くなる。そのため、プレス成形用金型の寿命を向上させるため、架橋された有機微粒子であることがより望ましい。さらに、微粒子5の形態が球状であるほうが、ミクロに見た場合のプレコート皮膜3の凸部の形態が滑らかとなるため、金型寿命への影響が少ないといえる。よって、微粒子5は、架橋された球状の有機微粒子であることがさらに望ましい。
このような架橋された球状の有機微粒子としては、例えば、架橋ウレタン微粒子、架橋アクリル系微粒子、シリコーン微粒子、架橋ポリスチレン微粒子等を好適に使用することができる。架橋ウレタン微粒子の例として、大日精化社製のダイミックビーズ(登録商標)(大日精化)、アートパール(登録商標)(根上工業)等が好適に使用することができ、架橋アクリル微粒子の例として、東洋紡製のタフチック(登録商標)AR(東洋紡)、リオスフィア(登録商標)(東洋インキ製造)、アートパール(登録商標)(根上工業)、テクポリマー(登録商標)(積水化成品工業)等が好適に使用することができ、シリコーン微粒子の例として、シリコーンパウダー(信越化学)、トレフィル(登録商標)(東レ・ダウコーニング)等が好適に使用することができる。なお、球状ではない有機微粒子としては、例えば、シリコーンゴムパウダー(X−52−875(信越シリコーン))、PTFE粉末(KT-300M(喜多村))、セルロースパウダー(KCフロック(登録商標)(日本製紙ケミカル))、扁平ポリエチレン粒子(住友精化)等が挙げられる。また、無機微粒子としては、例えば、ニッケル粉やタルク粉等が挙げられ、架橋されていない有機微粒子としては、例えば、熱可塑ウレタンビーズやポリスチレンラテックス等が挙げられる。
微粒子5の配合比率についても、特に制限は無いが、プレコート皮膜3に占める比率が1質量%未満では、表面粗さRaを0.25μm以上とするのが難しくなりやすく、沸騰塩素系洗浄剤中ではプレコート皮膜3の表面同士がくっつきやすくなる。一方、50質量%を超えると、微粒子5をベース樹脂4に固定しておくのが難しくなりやすい。よって、配合比率は、1〜50質量%であることが望ましい。なお、3〜30質量%であることがより望ましく、また、皮膜3の外観が艶消し状態になるのを抑制し、素材であるアルミニウム板2の持つ美しい光沢外観を妨げないことを考慮すると、3〜10質量%であることが望ましい。
微粒子5の粒子径についても特に制限は無いが、一般的なロールコータで塗装できる皮膜厚さが、おおよそ1〜20μm程度であることを考えると、平均粒子径で1μm未満では、プレコート皮膜3の狙い皮膜厚さが1μmと比較的薄い膜厚の場合でも、表面粗さRaを0.25μm以上とするのが難しくなりやすい。一方、平均粒子径で50μmを超えると、狙い皮膜厚さが20μmと比較的厚い膜厚の場合であっても、微粒子5をベース樹脂4に固定しておくのが難しくなりやすい。よって、平均粒子径は、1〜50μmであることが望ましい。なお、皮膜3の外観が艶消し状態になるのを抑制し、素材であるアルミニウム板2の持つ美しい光沢外観を妨げないことを考慮すると、平均粒子径は、1〜30μmであることが望ましく、2〜10μmであることがさらに望ましい。なお、ここでいう平均粒径とは、微粒子5を水に分散させた状態で、レーザー回折式粒度分布測定器等で測定した積算体積50%粒子径である。
[プレコート皮膜のゲル分率:50%以上]
本発明では、プレコート皮膜3のゲル分率を50%以上とする。ここで、プレコート皮膜3は、ベース樹脂4のほかに微粒子5を必須成分として含むため、厳密な意味でのベース樹脂4のみのゲル分率を測定することは難しい。したがって、本発明では、プレコート皮膜3のゲル分率にて代用し、このゲル分率で規定することとする。
プレコート皮膜3のゲル分率を50%以上とすれば、皮膜3の架橋密度が高く、プレコート皮膜3中に添加した微粒子5が洗浄工程で脱落するのを防止することができる。また、耐薬品性、耐熱性、加水分解性に優れた皮膜3を得ることができ、その結果、沸騰塩素系洗浄剤中での皮膜3の溶解、剥離、変色、くっつき等を防ぐことができる。なお、これらの効果を向上させるため、ゲル分率は、65%以上であることが望ましい。さらに、ゲル分率が75%以上となれば、耐薬品性、耐熱性、加水分解性、洗浄工程での皮膜の耐久性等がさらに高まるため、より望ましい。なお、ゲル分率は、大きければ大きいほど望ましいと考えられるため、ゲル分率の上限値は、特に規定する必要はない。また、ゲル分率を50%以上とするため、塗膜を焼き付ける際の焼付け温度は、150〜285℃程度とするのが望ましい。
ゲル分率の測定方法は、JIS K6796に準拠した方法で行うことができる(ただし、抽出溶剤はキシレンではなく、2−ブタノンを使用する)。すなわち、沸騰させた2−ブタノン(MEK)中にプレコートアルミニウム板1の供試材を60分間浸漬し、浸漬前後におけるプレコートアルミニウム板1の質量変化を測定する。その後、プレコート皮膜3のみを完全溶解させたアルミニウム板2の質量を測定することで、プレコート皮膜3だけの質量変化を計算し、MEKへ溶出しなかった成分は架橋反応しているとの仮定のもとで、その比率をゲル分率として算出する。
[プレコート皮膜の表面粗さ]
プレコート皮膜3の表面は、表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)で0.25μm以上となるように形成される必要がある。本発明のプレコートアルミニウム板1の特徴は、沸騰塩素系洗浄剤を用いた洗浄工程においても、プレコート皮膜3の溶解、剥離、変色、くっつき等が生じないことにあるが、このうち、プレコート皮膜3同士のくっつきについては、向かい合った皮膜3同士の表面粗さが大きく影響する。すなわち、表面粗さRaが0.25μm未満では、皮膜3の表面が平滑となるため、皮膜3同士を向かい合わせて沸騰塩素系洗浄剤にて洗浄した場合に、皮膜3間に軽微ながらタック感が生じ始める。さらに、表面粗さRaが0.15μm未満では、プレコート皮膜3の表面がさらに平滑となるため、皮膜3同士を向かい合わせて沸騰塩素系洗浄剤にて洗浄した場合に、皮膜3同士が強固にくっついてしまう。このように、洗浄工程における皮膜3同士のくっつきは、プレコート皮膜3の表面の平滑性が大きく関与しており、表面粗さRaが大きくなればなるほど、ミクロに見た場合の皮膜表面同士の接触面積が小さくなるため、皮膜3同士のくっつきが抑制される。
皮膜3同士のくっつきを抑制するという観点では、表面粗さRaは大きければ大きいほど望ましいと考えられるため、表面粗さRaの上限値は、特に規定する必要はない。しかし、表面粗さRaが大きくなると、皮膜3の表面では、可視光が乱反射されやすくなり、皮膜3の表面状態は、艶消し状態の外観となる。皮膜3の外観が艶消し状態になるのを抑制し、素材であるアルミニウム板2の持つ美しい光沢外観を妨げないことを考慮するには、プレコート皮膜3の表面粗さRaは、0.55μm以下であることが望ましい。なお、表面粗さRaは、微粒子5の粒子径や配合比率、皮膜厚等を適宜調整することにより、制御することができる。また、プレコート皮膜3の表面粗さの測定は、例えば、表面粗さ測定器(小坂研究所社製サーフコーダSE−30D)を使用し、探針を各アルミニウム板2の圧延方向に直交する方向に走査して、JIS B0601に記載の算術平均粗さ(Ra)を測定することにより行うことができる。
[その他]
プレコート皮膜3には、本発明の範囲から外れない範囲で、着色剤や、様々な機能を付与する添加剤を含有させることができる。
例えば、成形性を更に向上させるため、例えば、ポリエチレンワックス、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリン、テフロン(登録商標)ワックス、シリコーン系ワックス、グラファイト系潤滑剤、モリブデン系潤滑剤等の潤滑剤を、1種または2種以上添加することができる。また、電子機器等で要求されるアース確保を目的とした導電性を付与するため、導電性微粒子として、例えば、ニッケル微粒子をはじめとする金属微粒子、金属酸化物微粒子、導電性カーボン、グラファイト等を、1種または2種以上添加することができる。さらに、放熱性を高めたい場合には、例えば、カーボン、グラファイト、酸化チタン等の金属酸化物、セラミック粉等の放熱性添加剤を、1種または2種以上添加することができる。そして、防汚性が要求される場合には、フッ素系化合物やシリコーン系化合物を添加してもよい。
また、後記するように、プレコート皮膜3の厚さは、作業性および生産性の観点から、1〜20μmであることが望ましい。
以上、本発明の最良の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変更することができる。
例えば、アルミニウム板2の表面に、下地処理により、下地処理皮膜(図示省略)を設けてもよい。
<下地処理>
アルミニウム板2の表面は、プレコート皮膜3との密着性を高めるため、下地処理を施すことが望ましい。望ましい下地処理としては、Cr、ZrまたはTiを含有する従来公知の反応型下地処理皮膜および塗布型下地処理皮膜を利用することができる。即ち、リン酸クロメート皮膜、クロム酸クロメート皮膜、リン酸ジルコニウム皮膜、酸化ジルコニウム皮膜、リン酸チタン皮膜、塗布型クロメート皮膜、塗布型ジルコニウム皮膜等を適宜使用することができる。これらの皮膜に有機成分を組み合わせた有機無機ハイブリッド型の下地処理皮膜でもよい。なお、近年、環境対応の流れから六価クロムを嫌う傾向があり、六価クロムを含まないリン酸クロメート皮膜や、リン酸ジルコニウム皮膜、酸化ジルコニウム皮膜、リン酸チタン皮膜、塗布型ジルコニウム皮膜等を使用するのが望ましい。
なお、本発明では下地処理皮膜の膜厚として、下地処理皮膜成分中に含まれるCr、ZrまたはTiのアルミニウム板2への付着量(金属Cr、金属Zrまたは金属Ti換算値)を、例えば、従来公知の蛍光X線法を用いて、比較的、簡便かつ定量的に測定することができるため、生産性を阻害することなくプレコートアルミニウム板1の品質管理を行うことできる。なお、下地処理皮膜の付着量としては、金属Cr、金属Zrまたは金属Ti換算値で10〜50mg/mであることが望ましい。付着量が10mg/m未満では、アルミニウム板2の全面を均一に被覆することができず、耐食性が低下する。また、50mg/mを超えると、プレコートアルミニウム板1を成形した際に、下地処理の皮膜自体に割れが生じやすくなる。
また、生産性を考慮しない場合には、アルミニウム板2の表面に陽極酸化処理や電解エッチング処理等の従来公知の処理を行うこともできる。これらの処理を行うと、アルミニウム板2の表面に微細な凹凸が形成されるため、プレコート皮膜3の密着性が大きく向上する。
さらに、耐食性をそれほど求めず簡易な方法で済ませたい場合には、アルミニウム板2の表面を脱脂処理のみする手法でもかまわない。脱脂の手法としては、有機系薬剤による脱脂、界面活性剤系薬剤による脱脂、アルカリ系薬剤での脱脂、酸系薬剤による脱脂等、従来公知の方法を用いることができる。ただし、有機系薬剤や界面活性剤系薬剤の場合には、脱脂能力がやや劣るため、アルカリ系薬剤や酸系薬剤による脱脂の方が生産性はよくなる。アルカリ系薬剤の脱脂能力は、使用するアルカリの主成分、濃度、処理温度によってコントロールできるが、脱脂能力を強くした場合には、多くのスマットが発生するため、その後の水洗を十分に行わないと、かえってプレコート皮膜3の密着性が低下する場合もある。また、アルミニウム板2に、添加元素としてマグネシウムを多く含む品種を使用する場合には、アルカリ系薬剤では、マグネシウムが表面に残ってプレコート皮膜3の密着性が低下する場合がある。そのため、この場合には、酸系薬剤を使用または併用することが望ましい。
≪プレコートアルミニウム板の製造方法≫
次に、プレコートアルミニウム板1の製造方法の一例について、適宜、図1を参照して説明する。
プレコートアルミニウム板1の製造方法については、特に制限されるものではなく、ベース樹脂4の元となる樹脂、硬化剤および微粒子5を含む塗料を、従来公知の方法にてアルミニウム板2の上に塗布した後、加熱により架橋反応させることによって得ることができる。なお、皮膜3中のゲル分率を50%以上とするため、塗料を焼き付ける際の焼付温度を、150〜285℃程度とするのが望ましい。
ここで塗料の塗布は、はけ、ロールコータ、カーテンフローコータ、ローラーカーテンコータ、静電塗装機、ブレードコータ、ダイコータ等、いずれの手段で行ってもよいが、特に、塗布量が均一となると共に、作業が簡便なロールコータを使用するのが望ましい。ロールコータで塗布する場合、プレコート皮膜3の膜厚の制御は、アルミニウム板2の搬送速度、ロールの回転方向と回転速度、ロール間の押し付け圧(ニップ圧)等を適宜調整することによって行うが、通常の場合、1回の塗布作業によって塗布できる皮膜3の厚さは、1〜20μmとなるのが一般的である。したがって、プレコート皮膜3の厚さは、作業性および生産性を考慮すると1〜20μmであることが望ましい。
次に、本発明のプレコートアルミニウム板について、本発明の要件を満たす実施例と、本発明の要件を満たさない比較例と、を対比させて具体的に説明する。
[第1実施例]
第1実施例では、本発明におけるプレコートアルミニウム板について、本発明の必須の目的である洗浄工程での皮膜の耐久性について調べた。
本発明に係るプレコートアルミニウム板の検討にあたり、素材として使用したアルミニウム板は、合金番号A1100−H24の板厚0.3mm材を使用した。これを弱アルカリ脱脂剤にてアルカリ脱脂した後、下地処理としてリン酸クロメート処理を施した。リン酸クロメート処理の条件はクロム付着量で20mg/mとした。また、使用したアルミニウム板の機械的性質は、引張強さ130MPa、耐力120MPa、伸び8%であった。次に、リン酸クロメート処理を施したアルミニウム板の片面に、表1、2に示す各種樹脂系の塗料に表1に示す微粒子を含有させた塗料を、乾燥皮膜厚さが6μmとなるようにバーコーターで塗布した後、焼付温度が150〜285℃の範囲となるように塗料を焼き付けることによってプレコート皮膜を形成し、供試材とした。なお、微粒子を配合していないNo.20は、バーコーター塗装、焼付けが済んだ後、塗装表面に表面粗さRaが約0.5μmのステンレス製定盤を重ねて、40℃で加温したホットプレスで10分間軽くはさむことにより、定盤の表面粗さを転写させた。
ここで、表1、2に示す塗料のベース樹脂は、ポリエステルメラミンは、ポリエステル系樹脂にメラミン系硬化剤を配合したもの、ポリエステルイソシアネートは、ポリエステル系樹脂にイソシアネート系硬化剤を配合したもの、エポキシウレアは、エポキシ系樹脂にウレア系硬化剤を配合したもの、エポキシフェノールは、エポキシ系樹脂にフェノール系硬化剤を配合したもの、エポキシアクリルは、分子内架橋型アクリル変性エポキシ樹脂を使用したものである。また、表1、2に示すガラス転移温度は、前記の各樹脂におけるガラス転移温度である。
また、表1、2に示す微粒子については、架橋アクリルビーズと架橋ウレタンビーズは架橋された有機微粒子、ニッケル粉とタルク粉は無機微粒子、熱可塑ウレタンビーズとポリスチレンラテックスは架橋されていない有機微粒子である。なお、配合比率は、ベース樹脂と微粒子を含めた乾燥プレコート皮膜の質量に占める微粒子の質量%とした。
以上のようにして製作した供試材について、プレコート皮膜のゲル分率および表面粗さRaを測定した。
(ゲル分率の測定)
供試材を10cm×10cmに切り出した試験材を使用し、皮膜のゲル分率を測定した。試験材は80℃にて60分間乾燥させた後、初期質量(a)を測定し、次に沸騰させたMEK中に供試材を60分間浸漬して未架橋成分を溶出させた後、150℃にて60分間乾燥させて皮膜中の残存MEKを乾燥し、抽出後質量(b)を測定した。最後に発煙硝酸中にて皮膜を完全に溶解し、アルミニウム板だけの質量(c)を測定した。ここで、(a)−(c)がもともとのプレコート皮膜のみの質量であり、(b)−(c)が架橋している皮膜質量とみなせるため、次式で表せるゲル分率が、皮膜の架橋度を表すこととなる。
(ゲル分率)=((b)−(c)/(a)−(c))×100 (単位%)
(表面粗さRaの測定)
プレコート皮膜の表面粗さの測定は、表面粗さ測定器(小坂研究所社製サーフコーダSE−30D)を使用し、探針を各アルミニウム板の圧延方向に直交する方向に走査して、JIS B0601に記載の算術平均粗さ(Ra)を測定した。
次に、前記供試材について、本発明の必須の目的である洗浄工程での皮膜の耐久性(以下、適宜、洗浄工程耐久性という)について調べた。
(洗浄工程耐久性)
塩素系洗浄剤としてトリクレンを使用し、これを沸騰させた。供試材の塗装面同士が向かい合うようにしてクリップで挟み、沸騰トリクレン中に10分間浸漬した後、取り出して外観を確認した。皮膜の溶解、皮膜の剥離、皮膜の変色、皮膜同士のくっつき等の表面異常がないものを、洗浄工程耐久性が良好(○)、表面異常があるものを、不良(×)と判断した。
これらの結果を表1に示す。なお、表1において、本発明の構成を満たさないものについては、下線を引いて示し、微粒子を含有しないものについては、「−」で示す。
Figure 0004638538
表1に示すように、No.1〜16については、本発明の構成を満たすため、いずれも皮膜の溶解、皮膜の剥離、皮膜の変色、皮膜同士のくっつき等の表面異常が発生せず、洗浄工程耐久性が良好であった。
一方、No.17は、微粒子を含まず、表面粗さも本発明の範囲を満たさないため、皮膜同士のくっつき(表中、くっつきと記載)が生じ、洗浄工程耐久性が不良であった。No.18は、表面粗さが本発明の範囲を満たさないため、皮膜同士のくっつきが生じ、洗浄工程耐久性が不良であった。No.19は、皮膜のゲル分率が本発明の範囲を満たさないため、皮膜同士がくっつくと共に、皮膜の色調が白く変色(表中、白化と記載)した。No.20は、表面粗さが、沸騰トリクレン中への浸漬前では本発明の範囲を満たすものの、微粒子を含まないため、沸騰トリクレン中への浸漬中に皮膜表面の凹凸が滑らかになり、皮膜同士のくっつきが生じた。
このように、本発明の構成を満たせば、洗浄工程での皮膜の耐久性に優れたプレコートアルミニウム板となることがわかる。
[第2実施例]
第2実施例では、本発明におけるプレコートアルミニウム板について、さらに望ましい形態について調べるため、絞り成形性、外観性状について調べた。なお、これらの特性は、本発明としてはあくまで望ましい特性に過ぎないため、これらの特性を満たさない場合でも、第1実施例の洗浄工程耐久性を満たしているものは、本発明の最低限の目的は達するものである。
供試材の作製方法、プレコート皮膜のゲル分率、および、表面粗さRaの測定等については、前記第1実施形態と同様であるため、ここでは、説明を省略する。
(絞り成形性)
図2は、供試材を絞り加工、および、しごき加工することで、有底円筒容器を作製する工程を示す模式図である。図2に示す工程により、供試材の絞り成形性を調べた。まず円筒ブランク打ち抜きの後、絞り加工を行った。次に、再絞り加工にて、12mmφ×15mmLの円筒絞り成形品(中間成形品)を得た。この時点で得られた中間成形品での皮膜状態を評価した結果を、表2中の浅絞り成形性とした。次に、中間成形品に、円筒側壁部の板厚減少率が20%となるようにしごきを加え、トリミングをして最終10mmφ×20mmLの円筒容器形状に加工し、最終成形品を得た。この時点で得られた最終成形品での皮膜状態を評価した結果を、表2中の深絞り成形性とした。なお、プレス油には脂肪酸エステルと界面活性剤を主成分とする水系エマルジョンワックスを使用した。また、加工は室温(35℃)のみにて行った。
皮膜状態の評価は、浅絞り成形性については、アルミニウム板からプレコート皮膜が剥がれなかった場合を、浅絞り成形性が良好(○)、剥がれた場合を、浅絞り成形性が不良(×)と判断し、深絞り成形性にいては、アルミニウム板からプレコート皮膜が剥がれなかった場合を、深絞り成形性が良好(○)、剥がれた場合を、深絞り成形性が不良(×)と判断した。そして、浅絞り成形性、深絞り成形性のいずれも、アルミニウム板からプレコート皮膜が剥がれなかった場合を、絞り成形性が良好と判断した。また、浅絞り成形性が良好であるものの、深絞り成形性で不良であったものについては、絞り成形性がやや劣るものと判断した。
(外観性状)
バーコーター塗装、焼付けが済んだプレコート皮膜の外観を目視で観察した。艶消し状態、ムラ、黄変色等が生じなかったものを、外観性状が良好(○)と判断した。また、これらのいずれかが生じたものを、外観性状がやや劣るものと判断し、表2中、艶消し性(艶消しが強いか否か)が強かったものを、艶消×、艶消し性がやや強かったものを、艶消△、ムラが生じたものを、ムラ×、やや黄色く変色したものを、黄変色△と記載した。なお、ここでの外観性状とは、素材であるアルミニウム板の持つ美しい光沢外観に基づくものであり、洗浄工程耐久性での皮膜の変色等とは異なる基準である。
これらの結果を表2に示す。なお、表2において、本発明の好ましい構成を満たさないものについては、下線を引いて示し、微粒子を含有しないものについては、「−」で示す。
Figure 0004638538
(絞り成形性)
表2に示すように、No.1〜7、9〜13、は、ベース樹脂として、より望ましいものを使用しているため、絞り成形性が良好であった。一方、No.8は、ポリエステル系樹脂のガラス転移温度が高すぎるため、浅絞り成形性は良好であったものの、深絞り成形性が不良であり、絞り成形性にやや劣った。No.14、No.15は、エポキシ系樹脂を使用したため、浅絞り成形性は良好であったものの、深絞り成形性が不良であり、絞り成形性にやや劣った。No.16は、分子内架橋型アクリル変性エポキシ樹脂を使用したため、浅絞り成形性は良好であったものの、深絞り成形性が不良であり、絞り成形性にやや劣った。
(外観性状)
表2に示すように、No.1、3、4、6〜9、12、14、16は、皮膜の表面粗さが望ましい範囲であり、また、微粒子として、より望ましいものを使用しているため、外観性状が良好であった。一方、No.2、No.5、No.10、No.11、No.13は、皮膜の表面粗さが望ましい範囲ではないため、艶消し性の強い、あるいは、やや強い外観となった。また、No.11は、微粒子として架橋していない有機微粒子を使用したため、場所によって表面粗さにばらつきがあり、全体としてムラのある外観となった。なお、No.15は、エポキシフェノールを使用したものであるが、エポキシフェノールを使用すると、皮膜に黄変色が起こりやすいため、No.15では、皮膜の外観が黄色く変色した。
このように、本発明の構成を満たす範囲において、さらに望ましい構成とすることで、洗浄工程での皮膜の耐久性に優れる他、成形性、外観性状にも優れたプレコートアルミニウム板となることがわかる。
なお、今回明確なデータは得られていないが、微粒子に無機微粒子を使用すると、プレコート皮膜の凸部は硬くなるため、プレス成形用金型の寿命を低下させることは十分に予想される。同様に粒子の形態としても球状であるほうが、ミクロに見た場合のプレコート皮膜の凸部の形態が滑らかとなるため、金型寿命への影響が少ないと考えることに不合理性は無い。
以上の結果から、プレコートアルミニウム板において、アルミニウム板の表面に形成されたプレコート皮膜が、分子間架橋されたベース樹脂と、微粒子と、を含み、かつ、プレコート皮膜のゲル分率を50%以上、表面粗さRaを0.25μm以上とすることで、本発明の目的である、熱硬化性樹脂を使用すると共に、沸騰塩素系洗浄剤における洗浄工程での皮膜の耐久性に優れるプレコートアルミニウム板とすることができることがわかる。
さらに、ベース樹脂として、より望ましいものを使用することで、前記目的の達成に加え、フィルムラミネート材と遜色のない高い成形性を備えるプレコートアルミニウム板とすることができることがわかる。また、微粒子として、より望ましいものを使用し、表面粗さRaをより望ましい範囲とすることで、前記目的の達成に加え、素材であるアルミニウム板の持つ美しい光沢外観を妨げないプレコートアルミニウム板とすることができることがわかる。
以上、本発明に係るプレコートアルミニウム板について最良の実施の形態および実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されることなく、その権利範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて解釈しなければならない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて改変・変更等することができることはいうまでもない。
本発明に係るプレコートアルミニウム板の構成を模式的に示す部分断面図である。 実施例において、供試材を絞り加工、および、しごき加工することで、有底円筒容器を作製する工程を示す模式図である。 (a)は、曲げ加工による箱型筐体を示す模式図、(b)は、絞り加工による箱型筐体を示す模式図である。
符号の説明
1 プレコートアルミニウム板
2 アルミニウム板
3 プレコート皮膜
4 ベース樹脂
5 微粒子

Claims (5)

  1. アルミニウム板の表面に、分子間架橋されたベース樹脂と、微粒子と、を含むプレコート皮膜が形成されたプレコートアルミニウム板であって、
    前記ベース樹脂は、ガラス転移温度が25〜65℃のポリエステル樹脂を、メラミン系硬化剤、または、イソシアネート系硬化剤にて架橋反応させた架橋ポリエステル樹脂であり、
    前記プレコート皮膜は、ゲル分率が50%以上であり、かつ、表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)で、0.25μm以上であることを特徴とするプレコートアルミニウム板。
  2. 前記微粒子は、無機微粒子、または、架橋された有機微粒子であることを特徴とする請求項1に記載のプレコートアルミニウム板。
  3. 前記微粒子は、架橋された球状の有機微粒子であることを特徴とする請求項1に記載のプレコートアルミニウム板。
  4. 前記ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が35〜60℃であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のプレコートアルミニウム板。
  5. 前記プレコート皮膜の表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)で、0.25〜0.55μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のプレコートアルミニウム板。
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