JP4638332B2 - 空気調和ユニット及び車両用空気調和装置 - Google Patents

空気調和ユニット及び車両用空気調和装置 Download PDF

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Description

本発明は、車室内の冷暖房等に用いられる空気調和ユニット及び車両用空気調和装置に関する。
従来より、乗員に快適な車室内環境を提供するため、冷暖房等の空調運転を行う車両用空気調和装置(以下、「空調装置」と呼ぶ)が普及している。このような空調装置においては、より一層快適な空間を提供するため高機能化が進み、たとえば運転席側及び助手席側に分けて左右独立した空調運転を行うものがある。既存の左右独立空調運転としては、下記のような機能が知られている。
(1)左右独立温度調節機能;左右で異なる吹出温度の設定が可能な機能
(2)左右独立吹出切換機能;左右で異なる吹出モードを選択できる機能
(3)左右独立風量切換機能;左右で異なる風量の設定が可能な機能
(4)上下独立温度調節機能;バイレベルモード時に左右のフェース吹出口及びフット吹 出口で異なる吹出温度の設定が可能な機能
また、従来の空調装置においては、熱交換器を通過した空気が流れる通路と、熱交換器を迂回させて空気を熱交換器下流側に流すバイパス通路とを構成する空調ケーシングを備えたものが提案されている。この従来技術では、たとえば冷媒漏れが生じて空気清浄度検出手段で検出した空気清浄度が所定値以下となった場合、主にバイパス通路を通過した空気を乗員へ近い方向へ吹き出すことにより、漏れた冷媒を含む空調空気により乗員の健康が害されることを防止できるとされる。(たとえば、特許文献1参照)
特開2004−1670号公報
ところで、上述した左右独立空調運転が可能な従来の空調装置は、ダンパ類等の増加により部品点数が多くなってコスト的には高価なものとなる。このため、上述した左右独立空調運転の4つの機能の内、吹出温度を設定する左右独立温度調節機能については比較的広範囲に普及し始めているものの、他の機能(左右独立吹出切換機能、左右独立風量切換機能及び上下独立温度調節機能)については車両全般に広く普及しているとは言えず、車両価格の高い一部の車種にのみ採用されているのが実状である。
なお、左右独立温度調節機能による吹出温度の設定だけでは、たとえば日射を受ける方向等により運転席及び助手席で最適な空調設定が異なることがあるため、乗員が感じる不快感を十分に取り除くことは困難である。
従って、ユーザーの価値観や市場のニーズが多様化している現状を考慮すると、たとえば上述した左右独立空調運転のような多機能化及び高機能化を低コストで実現可能な空気調和ユニット及び車両用空気調和装置の開発が望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低コストで多機能化及び高機能化した空気調和ユニット及び車両用空気調和装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る請求項1の空気調和ユニットは、外気または内気を導入するための空気取入口と、デフロスト吹出口、フェース吹出口、及びフット吹出口からなる空気吹出口と、前記空気取入口及び前記空気吹出口を連通するダクトとが形成された本体カバー内に、前記空気取入口から空気を取り入れるとともに、この空気を前記空気吹出口から吹き出させる送風機と、前記送風機により前記ダクト内を流れる空気を冷却するエバポレータと、前記送風機により前記ダクト内を流れる空気を加熱するヒータコアとを備える空気調和ユニットであって、前記本体カバー内で冷風及び温風が混合されるエアミックス領域から前記フェース吹出口に連通するダクト内を仕切板で分割形成したメイン流路及びバイパス流路と、前記エアミックス領域の近傍で前記メイン流路及び前記バイパス流路の間が連通するよう前記仕切板に形成されたサブ路と、前記バイパス流路及び前記サブ流路を同時に全閉とする第1の位置から全開とする第2の位置まで動作する開閉手段とを備えるとともに、前記エアミックス領域に配設され、開度制御により冷風及び温風の混合割合を調整するエアミックスダンパが、前記エアミックス領域の幅方向にわたって一定の高さで冷風流路側に膨出する山形に形成されていることを特徴とするものである。
このような空気調和ユニットによれば、本体カバー内で冷風及び温風が混合されるエアミックス領域からフェース吹出口に連通するダクト内を仕切板で分割形成したメイン流路及びバイパス流路と、エアミックス領域の近傍でメイン流路及びバイパス流路の間が連通するよう仕切板に形成されたサブ路と、バイパス流路及びサブ流路を同時に全閉とする第1の位置から全開とする第2の位置まで動作する開閉手段とを備えているので、開閉手段の操作によりメイン流路、バイパス流路及びサブ流路の開閉状態が変化し、これらの流路を介してフェース吹出口に導かれる冷風の流路断面積も変化する。このため、開閉手段の操作により、吹出風量や吹出温度の調整、特に、フェース吹出口から吹き出す冷風の吹出風量や吹出温度の調整が可能になる。
また、エアミックス領域に配設され、開度制御により冷風及び温風の混合割合を調整するエアミックスダンパが、エアミックス領域の幅方向にわたって一定の高さで冷風流路側に膨出する山形に形成されているので、エアミックスダンパを中間的な開度にしたとき、エアミックス領域に流れる冷風の流路断面積を絞ることで温度差を大きくすることができる。
上記の空気調和ユニットにおいて、前記バイパス流路は、前記メイン流路より冷風流れ方向の上流側に、すなわちエバポレータに近い位置に配置されていることが好ましく、これにより、低温の冷風を確実に確保してバイパス流路に流すことができる。
上記の空気調和ユニットにおいて、前記山形の面(傾斜面)は、最大暖房運転時及び最大冷房運転時のダンパ位置で、前記仕切板の延長線と略一致していることが好ましく、これにより、温風または冷風がスムーズに流れる流路を形成して圧力損失を低減することができる。
上記の空気調和ユニットにおいて、暖房運転の開始時に、外気温度が所定値以下の低温であり、かつ、エンジン冷却水の水温が所定値以上の高温であれば、予め定めた条件を満たすまで、前記開閉手段を前記第2の位置とする初期暖房運転モードを設けることが好ましく、これにより、車室内温度が低い暖房運転の初期にフェース吹出口から温風を吹き出す運転が可能になる。
なお、このような初期暖房運転モードを停止する予め定めた条件としては、下記の具体例が有効であり、従って、いずれを選択してもよい。
1)初期暖房運転モードの開始から所定時間経過したとき
2)車室内の温度が予め定めた目標温度に到達したとき
3)初期暖房運転モードの開始から所定時間経過するか、あるいは、車室内の温度が予め定めた目標温度に到達するかの内、少なくともいずれか一方の条件を満たしたとき
上記の空気調和ユニットにおいて、前記エアミックス領域から前記フェース吹出口及びフット吹出口に連通するダクト内を仕切部材で空調対象毎に分割し、前記開閉手段を各空調対象毎に分割して設けるとともに各々独立した制御を行うことにより、たとえば空調対象を運転席側と助手席側とに左右2分割とすれば、開閉手段(たとえばバイパスダンパ)のみという少ない部品点数の増加で左右独立した空調運転の制御が可能になる。
上記の空気調和ユニットにおいて、前記バイパス流路は、前記エアミックスダンパよりも後流に配置されるものであって、前記バイパス流路にバイパス用ダンパを設け、前記バイパス用ダンパは、独立して前記バイパス流路を開閉可能であることが好ましい。
また、上記の空気調和ユニットにおいて、前記バイパス流路に、前記バイパス流路を左右に分割する仕切り板を設けることが好ましい。
また、上記の空調ユニットにおいて、前記エバポレータを前記ヒータコアより上流側でかつ車室側となる位置に配置することが好ましく、これにより、エバポレータの下流からフェース吹出口に冷風を導く冷風流路の形成が容易になる。
本発明に係る車両用空気調和装置は、請求項1から9のいずれかに記載の空気調和ユニットと、ガス状の冷媒を圧縮するコンプレッサと、高圧のガス冷媒を外気と熱交換して凝縮させるコンデンサと、高温高圧の液冷媒を低温低圧の液冷媒にする膨張弁とを具備し、前記エバポレータに低温低圧の液冷媒を供給する冷媒系と、エンジン冷却水を前記ヒータコアに導入する加熱源系と、前記空気調和ユニット、冷媒系及び加熱源系の作動制御を行う制御部とを備えていることを特徴とするものである。
このような車両用空気調和装置によれば、上述した構成及ぶ作用の空気調和ユニットを備えているので、部品点数の増加が少ない低コストで多機能化及び高機能化を達成することができる。
上述した本発明によれば、フェース流路に仕切板を設けてフェースメイン流路とバイパス流路とに分割し、かつ、フェースメイン流路とバイパス流路とを連通させるサブ流路を仕切板に設けるとともに、バイパス流路及びサブ流路の開閉操作を行うバイパスダンパ等の開閉手段を設けたので、仕切板によりフェースメイン吹出口及びフェースバイパス吹出口に分割されたフェース吹出口には、冷風流路としてフェースメイン流路、バイパス流路及びサブ流路が連通する。そして、バイパスダンパの開閉状態に応じて冷風流路の流路断面積等が変化するので、冷風の流れを制御して空気調和ユニット及びこれを備えた車両用空気調和装置の高機能化及び多機能化が可能となる。なお、この場合に可能となる高機能化及び多機能化の具体例は、下記の通りである。
1)バイパス流路を全開とすれば、バイパス流路及びサブ流路からフェースメイン吹出口及びフェースバイパス吹出口に流す冷風量重視(風量増加)の運転モードとなる。
2)バイパス流路及びサブ流路を全閉とすれば、通常のバイレベル吹出モードとなる。
3)バイパス流路の開度を調整すれば、風量や温度の調整が可能となる。
また、仕切部材により本体カバー内の各吹出口に連通する流路を分割し、バイパスダンパも同様に分割して独立操作可能とすれば、少ない部品点数の増加で吹出対象毎の独立空調運転が可能になる。なお、この場合に可能となる左右独立運転の具体例は、下記の通りである。
1)フット吹出モードで開閉手段のバイパスダンパ等を開閉操作すれば、フット吹出口から温風を流しながらフェース吹出口に冷風を流すことができるので、左右で異なる独立した吹出モードの選択切換が可能になる。
2)フェース吹出モード及びバイレベルモードで開閉手段のバイパスダンパ等を開閉操作すれば、左右で異なる吹出風量の調整が可能となる。
3)バイレベル吹出モードで開閉手段のバイパスダンパ等を開閉操作すれば、フェース吹出の温度を調整できるので、左右で異なる上下独立温度調節が可能となる。
また、エバポレータを空調ユニット内の車室側に配置したので、同じく車室側に配置されるフェース吹出口まで冷風を直接的に導く冷風流路を容易に形成することができる。このため、部品点数の少ないシンプルな構成で、しかも、フェース吹出口から吹き出す冷風温度の低い空気調和ユニットを提供することができる。
以下、本発明に係る空気調和ユニット及び車両用空気調和装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図12は、車両用空気調和装置の概略の構成を示すブロック図であり、この車両用空気調和装置(以下、「空調装置」と呼ぶ)ACは、大きくは冷暖房などの空気調和を行う空気調和ユニット40と、冷房運転時に空気調和ユニット40内へ冷媒を供給する冷媒系1と、暖房運転時に空気調和ユニット40内へ熱源となるエンジン冷却水を供給する加熱源系2と、装置全体の作動制御を行う制御部3とにより構成されている。
冷媒系1は、エバポレータ11に低温低圧の液冷媒を供給するもので、コンプレッサ12、コンデンサ13、及び膨張弁14を具備している。
コンプレッサ12は、エバポレータ11で車室内の熱を奪って気化した低温低圧のガス冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒としてコンデンサ13へ送り出すものである。乗用車等の車両用空気調和装置の場合、コンプレッサ12は通常エンジン21よりベルト及びクラッチを介して駆動力を受ける。
コンデンサ13は、エンジンルームの前部に配設され、コンプレッサ12から供給された高温高圧のガス冷媒を外気で冷却し、ガス状の冷媒を凝縮液化させるものである。こうして液化された冷媒は、レシーバ(図示せず)へ送られて気液の分離がなされた後、高温高圧の液冷媒として膨張弁14に送られる。この膨張弁14では、高温高圧の液冷媒を減圧及び膨張させることによって低温低圧の液(霧状)冷媒とし、エバポレータ11へ供給する。
加熱源系2は、ヒータコア22に熱源となる高温のエンジン冷却水を供給するもので、エンジン21とラジエタ23との間を循環しているエンジン冷却水系から、温水の一部をウォータバルブ(図示せず)による流量制御を行ってヒータコア22に導入するものである。
制御部3は、空調装置ACを構成している空気調和ユニット40、冷媒系1、及び加熱源系2の作動制御を行うものであり、通常、乗員が各種の設定を行う操作パネルに制御回路を組み込んで、インスツルメントパネルの中央部等に配置されている。この制御部3では、各種ダンパ類の開閉操作による運転モードの選択切り換え、内気/外気切り換えダンパの切り換え操作による導入空気の選択切り換え、送風ファンの風量切り換え操作及び所望の温度設定操作等を行うことができる。
ここで、空気調和ユニット40の構成を図1の断面図及び図2の外観斜視図に基づいて詳細に説明する。
空気調和ユニット40は、通常HVAC(heating ventilation air-conditioning)モジュールと呼ばれており、たとえば図2に示すような外観形状とした中空の本体カバー41をケーシングとし、この本体カバー41内に上述したエバポレータ11及びヒータコア22の他、図示しない送風ファン等を収納設置した構成とされる。
本体カバー41の外表面には、車室外の空気(外気)または車室内の空気(内気)を選択して導入するための空気取入口である外気導入口42及び内気導入口43と、空調した冷風や温風等を選択した運転モードに応じて車室内へ吹き出すための空気吹出口であるデフロスト吹出口44、フェースメイン吹出口45、フェースバイパス吹出口46及びフット吹出口47とが開口している。本体41上部の空気吹出口は、車室側からエンジンルーム(トーボード)側へ、フェースバイパス吹出口46、フェースメイン吹出口45及びデフロスト吹出口44の順に配置され、残るフット吹出口47は車室内の下部に配置されている。なお、以下の説明では、空気取入口から導入する車室外の空気(外気)及び車室内の空気(内気)を総称して「導入空気」と呼ぶ。
本体カバー41の内部には、図示しない内外気切換ダンパを操作し、外気または内気の導入空気を流して空調する流路が形成されている。この流路は、外気導入口42及び内気導入口43の下流に図示省略の送風ファンを備え、さらに、流れ方向上流側から順にエバポレータ11及びヒータコア22が所定の間隔をもって略平行に配置されている。また、本体カバー41内のエバポレータ11及びヒータコア22は、エバポレータ11を車室側に配置してヒータコア22をエンジンルーム側に対向配置した構成とされ、エバポレータ11のさらに車室側には、送風ファンからエバポレータ11に導入空気を供給するための導入路70が形成されている。
図示の例では、エバポレータ11及びヒータコア22の下端を略一致させ、上下方向に短いヒータコア22の上方近傍に形成される空間がエアミックス領域MXに設定されている。このエアミックス領域MXは、エアミックスダンパ48の開度制御により、エバポレータ11を通過した冷風とヒータコア22を通過した温風との混合割合を変化させ、空気吹出口から車室内へ吹き出す空調空気の吹出温度を調整するために設けられている。
エアミックスダンパ48は、ヒータコア22のエアミックス領域MX側となる上端部近傍を支点として動作する板状開閉部材であり、ヒータコア22を導入空気の流路から完全に遮断している最大冷房位置(実線表示)と、導入空気の全量がヒータコア22を通過して流れるように、エバポレータ11からエアミックス領域MXに向けて直接流れる流路を遮断している最大暖房位置(想像線表示)との間を揺動する。
エアミックス領域MXの下流側には、デフロスト吹出口44に連通するデフロスト流路49と、フェースメイン吹出口45に連通するフェースメイン流路50と、フェースバイパス吹出口46に連通するバイパス流路51と、フット吹出口47に連通するフット流路52とが形成されている。
デフロスト流路49及びフェースメイン流路50には、流路切換操作を行うデフロスト/フェースダンパ(以下、「フェースダンパ」と呼ぶ)53が設けられている。このフェースダンパ53は、デフロスト吹出口44を全閉としフェースメイン吹出口45を全開とするフェース吹出位置(実線表示)と、デフロスト吹出口44を全開としフェースメイン吹出口45を全閉とするデフロスト吹出位置(想像線表示)との間を揺動する。
バイパス流路51には、フェースバイパス吹出口46の開閉操作を行うバイパスダンパ54が設けられている。このバイパスダンパ54は、フェースバイパス吹出口46を全開にするバイパス全開位置(実線表示)と、フェースバイパス吹出口46を全閉とするバイパス全閉位置(想像線表示)との間を揺動する。
フット流路52には、フット吹出口47の開閉操作と、デフロスト吹出口44及びフェース吹出口45に至る流路の開閉操作を行うフットダンパ55が設けられている。このフットダンパ55は、フット吹出口47を全閉とし、デフロスト吹出口44及びフェースメイン吹出口45に至る流路を全開にする暖房停止位置(実線表示)と、フット吹出口47を全開とし、デフロスト吹出口44及びフェースメイン吹出口45に至る流路を全閉にする暖房運転位置(想像線表示)との間を揺動する。
上述したフェースメイン流路50とバイパス流路51との間は、バイパス流路51が冷風流れ方向で上流側の配置となるように、ダクト内に仕切板56を形成して分割した構成とされる。この仕切板56は、冷風の流れをスムーズにして圧力損失を最小限に抑えるため、フェースメイン吹出口45及びフェースバイパス吹出口46に向けて流れる冷風の流線に略沿わせた形状に配設されて流路を分割している。この結果、バイパス流路51は、フェースメイン流路50よりもエバポレータ11に近い車室側の配置となり、本体カバー41内に形成されたバイパス流路51及びフェースメイン流路50は、その入口開口がいずれもエバポレータ11の下流近傍となるので、エバポレータ11で冷却された冷風を直接的に導入する冷風流路の形成が可能となる。
そして、上述した仕切板56の下端部側には、エアミックス領域MXの近傍となる位置に、フェースメイン流路50とバイパス流路51との間を連通させるように穿設したサブ路57が形成されている。このサブ路57は、上述したバイパスダンパ54のバイパス全開位置(実線表示)で同様に全開とされ、かつ、バイパスダンパ54のバイパス全閉位置(想像線表示)で全閉とされる。
以下、上述した構成の空気調和ユニット40及び空調装置10について、各運転モード毎にダンパ動作及び作用を説明する。
図1に示すフェース吹出モードは、フェースメイン吹出口45及びフェースバイパス吹出口46から車室内乗員の上半身に向けて冷風を吹き出す運転モードである。このフェース吹出モード時には、エアミックスダンパ48が最大冷房位置に、フェースダンパ53がフェース吹出位置に、バイパスダンパ54がバイパス全開位置に、そして、フットダンパ55が暖房停止位置にあり、導入路70から供給された導入空気は、エバポレータ11を通過することで冷却された冷風となる。この冷風は、図中に矢印Cで示すように、全量が直接的にバイパス流路51及びフェースメイン流路50に導かれ、フェースメイン吹出口45及びフェースバイパス吹出口46から車室内へ吹き出す。この場合の冷風流路は、エアミックス領域MXを通過した後、冷風のメイン流路であるフェースメイン流路50とバイパス流路51とに分流する。また、バイパス流路51に流入した冷風の一部は、サブ流路57を通ってフェースメイン流路50に合流する。
この結果、フェースメイン流路50、バイパス流路51及びサブ流路57の全てが冷風流路として有効になるので、最大の流路断面積を確保することができる。従って、流路抵抗が最小になるので、送風ファンの運転条件が同じであれば、最大風量の冷風をフェースメイン吹出口45及びフェースバイパス吹出口46から吹き出すことができるので、エバポレータ11の冷却能力及び送風ファンの送風能力を最大にすれば、車室内の冷房能力を最大にした最大冷房運転が可能となる。
図3ないし図5に示すバイレベル吹出モードは、乗員の上半身に向けて冷風を吹き出すのと同時に、足元に温風を吹き出す頭寒足熱の運転モードである。このバイレベル吹出モードでは、エアミックスダンパ48が中間的な開度に設定されている。このため、エバポレータ11を通過した冷風(図中の矢印C)は、エバポレータ11の出口付近まで端部が延びているエアミックスダンパ48に分割されて上下に分流し、エアミックスダンパ48の下方を流れる冷風はヒータコア22に導かれて加熱される。こうして温度上昇した温風(図中の矢印H)は、エアミックスダンパ48の上方を流れてヒータコア22を通過しない冷風とエアミックス領域MXで合流し、冷風との混合により空調空気の温度が調整される。
ところで、図3に示すバイレベル吹出モードは、フェースダンパ53がフェース吹出位置に、バイパスダンパ54がバイパス全閉位置に、そして、フットダンパ55が暖房停止位置と暖房運転位置との中間位置にある。このため、エバポレータ11で冷却された冷風は、エアミックスダンパ48の開度及びフットダンパ55の開度に応じて、エアミックス領域MXで温風と混合した後にフェースメイン流路50を通ってフェースメイン吹出口45から吹き出す比較的温度の低い冷風と、ヒータコア22で加熱を受けた温風がエアミックス領域MXで冷風と混合した後にフット流路52を通ってフット吹出口47から吹き出す温風とに分かれる。この場合、冷風及び温風が共にエアミックス領域MXを通過して混合するので、フェースメイン吹出口45から吹き出す冷風の吹出温度は上述したフェース吹出モード時よりも高めになり、フット吹出口47から吹き出す温風の吹出温度も後述するフット吹出モード時よりも低めになる。しかし、ヒータコア22で加熱された温風は、フットダンパ55存在によりフット流路52側へ流れやすいため、比較的温度の高い温風がフット吹出口47に導かれる。
なお、この場合はバイパスダンパ54がバイパス流路51及びサブ流路57を閉じているので、フェースバイパス吹出口46から冷風が吹き出すことはない。
また、図4に示すバイレベル吹出モードでは、バイパスダンパ54の開閉状態がバイパス全開位置とバイパス全閉位置との間の中間位置にある。このため、バイパス流路51及びサブ流路57は、開度は小さいものの開状態となるので、エバポレータ11で冷却された冷風の一部は、エアミックス領域MXを通過することなくフェースメイン吹出口45及びフェースバイパス吹出口46から直接吹き出すことができる。従って、上述した図3のバイレベル吹出モードのように、エアミックス領域MXで温風との混合により温度上昇した冷風が吹き出す場合と比較して、温度の低い冷風を吹き出すことができる。すなわち、フェースバイパス吹出口46及びフェースメイン流路50がエバポレータ11の下流近傍に開口しているので、ヒータコア22を通過して加熱された温風の影響を受けない温度の低い冷風を直接吹き出すことができる。
なお、冷風のメイン流路となるフェースメイン流路50を流れる冷風の一部はエアミックス領域MXを通過して温度上昇するので、サブ流路57から温風との混合がない冷風が合流して緩和されるものの、全く温度上昇のないバイパス流路51を流れる冷風と比較すれば若干温度の高いものとなる。
図9は、仕切板56を設けてフェースメイン流路50とバイパス流路51とに分割した本願構成の作用効果を示す図で、仕切板56のない従来構成と比較してバイパス流路開度と吹出温度との関係を示す試験結果である。なお、図示の試験結果において、エアミックスダンパ48の開度は60%である。
この試験結果によれば、バイパス流路開度が増すことにより、すなわちバイパスダンパ54をバイパス全開位置側へ操作することにより、フェースメイン吹出口45及びフェースバイパス吹出口46から吹き出す冷風の吹出温度が低下していることが分かる。
そして、仕切板56のない従来構成では、バイパス流路開度が0%から100%に変化することにより、Δt1の温度低下が認められる。一方、仕切板56を設けた本願発明の構成では、バイパス流路開度が0%から100%に変化することにより、Δt2の温度低下が認められるので、従来構成と比較すれば、Δteだけ広範囲にわたる冷風温度の調整が可能になっており、バイパスダンパ54の開度制御による冷風吹出温度の調整範囲が広がっている。
また、エアミックスダンパ48の一面には、すなわち、冷風がエアミックス領域MX及びバイパス流路51に導かれる冷風流路側の面には、冷風流路側に膨出する山形の凸部58が形成されている。この凸部58の膨出形状は略三角形とされ、図1に示したエアミックスダンパ48の全閉位置では、膨出する三角形の一辺が仕切板56の下端部を延長して得られる仮想延長線と略一致する同一直線上にある。さらに、凸部58の膨出する三角形の他の一辺も、図7に示す後述のフット吹出モード時のように、仕切板56の下端部を延長して得られる仮想延長線と略一致する同一直線上にある。
このため、図4に示すバイパスダンパ54が中間位置にあるバイレベル吹出モード時には、凸部58がエアミックス領域MXを経由してフェースメイン吹出口45に至る冷風の流路を絞るため、すなわち、仕切板56の下端部と凸部58の頂点との間隔を狭めて流路断面積を小さくすることができるため、エアミックス領域MXを通過する冷風の流路抵抗は増大する。
従って、エバポレータ11で冷却された冷風は、温風の熱影響を受けないサブ流路57やバイパス流路51に流れ込む割合が増加するので、フェースメイン吹出口45及びフェースバイパス吹出口46から吹き出す冷風温度と、フット吹出口47から吹き出す温風温度との温度差を増すことができる。
そして、図5に示すバイレベル吹出モードのように、バイパスダンパ54がバイパス全開位置になれば、図4の中間位置よりさらに、温風の熱影響を受けない冷風が直接フェースメイン吹出口45及びフェースバイパス吹出口46に流れ込みやすくなるので、フェースメイン吹出口45及びフェースバイパス吹出口46から吹き出す冷風温度と、フット吹出口47から吹き出す温風温度との温度差をより一層増すことができる。
このように、エアミックスダンパ48を中間開度としたバイレベル吹出モードでは、図3のバイパス全閉位置、図4の中間位置及び図5のバイパス全開位置のように、バイパスダンパ54の開度を適宜操作することにより、フェースメイン吹出口45及びフェースバイパス吹出口46から吹き出す冷風温度を調整できるようになる。
図10は、上述したバイレベル吹出モードにおいて、仕切板56を設けてフェースメイン流路50とバイパス流路51とに分割した本願構成の作用効果を示す図で、エアミックスダンパ48の開度制御と吹出温度との関係を示す試験結果である。この試験では、エアミックスダンパ48の開度を最大冷房位置側から最大暖房位置側へ30%から70%まで変化させ、フット吹出温度、フェースメイン吹出温度、フェース吹出温度及びフェースバイパス吹出温度の変化を示している。ここでのフェース吹出温度は、フェースメイン吹出温度とフェースバイパス吹出温度とが混合して乗員に供給される吹出温度であり、フェースメイン温度との間にΔTの温度差が生じている。この温度差ΔTの温度低下は、仕切板56を設けた効果であり、フェース吹出口から吹き出す冷風の温度が、温度の低いフェースバイパス吹出温度の冷風と比較的温度の高いフェースメイン吹出温度の冷風とが合流した結果である。すなわち、バイパス流路51の開閉により、乗員へのフェース吹出温度のみを独立して調整可能であることを示した結果である。
次に、図6に示すフット吹出モードでは、エアミックスダンパ48が最大暖房位置にあり、さらに、フェースダンパ53がデフロスト吹出位置に、バイパスダンパ54がバイパス全閉位置に、そして、フットダンパ55が暖房運転位置にある。このため、エバポレータ11で冷却された冷風は、その全量がヒータコア22を通過して加熱を受けた温風となり、フット流路52を流れてフット吹出口47から乗員の足元に吹き出される。
また、このようなフット吹出モードにおいては、図6に示したダンパ位置からバイパスダンパ54を操作してバイパス開位置にすると、エバポレータ11で冷却された冷風の一部については、バイパス流路51を通ってフェースバイパス吹出口46から吹き出すことができる。また、バイパスダンパ54の開度によって、フェース吹出口への吹出風量を制御することが可能となる。
従って、たとえば図11に示すように、仕切部材60を設けてフット流路52、フェースメイン流路50及びバイパス流路51を左右に2分割することにより、左右のフット吹出口47L,47R、フェースメイン吹出口45L,45R及びフェースバイパス吹出口46L,46Rを設け、運転席側及び助手席側のような吹出対象毎に左右2分割して各々独自に開閉操作可能な左右一対のバイパスダンパ54L,54Rを設置すれば、左右独立した吹き出しの切換が可能になる。
すなわち、たとえば運転席側に日射が当たるようなフット吹出モードの運転状態において、右側に配置された運転席側のバイパスダンパ54Rをバイパス開位置とし、助手席側のバイパスダンパ54Lをバイパス全閉位置とすれば、運転席側及び助手席側の両方の足元には左右のフット吹出口47L,47Rから温風を吹き出し、日射の影響を受ける運転席側にはフェースバイパス吹出口46Lから冷風を吹き出すことができるので、バイパスダンパ54L,54Rの左右独立操作により、左右独立した吹出操作(運転)が可能になる。換言すれば、フット吹出モードでバイパスダンパ54L,54Rの異なる操作により、左右のフット吹出口47L,47Rに温風を流しながら左右いずれか一方のフェースメイン吹出口45L,45R及びフェースバイパス吹出口46L,46Rに冷風を流すことができるので、左右で異なる独立した吹出モードの選択切換が可能になる。
また、フェース吹出モード及びバイレベル吹出モードにおいて、左右のバイパスダンパ54L,54Rに異なる操作をすれば、左右で異なる吹出風量の調整が可能となる。
また、バイレベル吹出モードで左右のバイパスダンパ54L,54Rに異なる開閉操作をすれば、左右で異なるフェース吹出温度に調整できるので、左右で異なる上下独立温度調節が可能となる。
また、上述したフット吹出モードには、図7に示すように、暖房運転の開始時にバイパスダンパ54をバイパス開位置とする初期暖房運転モードが設けられている。
この初期暖房運転モードは、暖房運転開始時に外気温度が所定値以下の低温で、かつ、エンジン冷却水の水温が所定値以上の高温であれば、予め定めた条件が満たされるまでバイパスダンパ54を全開位置としてバイパス流路51を開き、ヒータコア22で加熱した温風の一部をサブ流路57から導入してフェースバイパス吹出口46から吹き出す運転モードである。
以下、初期暖房運転モードの制御例を図8のフローチャートに基づいて説明する。
最初のステップS1でスタートし、次のステップS2でエンジン21及び空調装置ACがONとなれば、ステップS3において外気温度を確認する。この結果、外気温度が所定値(たとえば0℃)以下の低温となる「YES」であれば、ステップS4に進んでさらにエンジン冷却水の水温を確認する。そして、エンジン冷却水の水温が所定値(たとえば50℃)以上の高温となる「YES」であれば、すなわち暖房運転に利用できる温度の温水となっていれば、ステップS5に進んで初期暖房運転モードを開始する。この初期暖房運転モードでは、サブ路57を開いて最大暖房運転を実施する。
この最大暖房運転により、導入空気の全量がヒータコア22を通過して加熱された温風は、主流がフット吹出口47から車室内の乗員足元へ向けて吹き出すとともに、一部がサブ流路57を通って分流し、フェースバイパス吹出口46から乗員の上半身へ向けて吹き出す。このため、温度の低い車室内で乗員の手や上半身に向けて温風が吹き出すので、暖房運転開始時における立ち上がりの空調フィーリングが向上する。すなわち、このような初期暖房運転モードは、最大暖房運転時にエアミックスダンパ48にてバイパス流路51を全閉し、かつエアミックスダンパよりも後流にバイパス流路を設置し独立したバイパスダンパの開閉を制御とすることができるため、フット特性(窓晴れ性、暖房性能及び霜取り性)を損なうことなく、バイパスダンパ54を開とすることにより、フェースバイパス吹出口46からの温風吹出が可能となる。
そして、このような初期暖房運転モードは、予め定められた条件が満たされるまで継続され、たとえばステップS6のように、車室内の目標温度を条件として監視する。この結果、車室内の温度が目標値に到達した「YES」の場合には次のステップS7に進み、バイパスダンパ54をバイパス全閉位置に操作して通常の暖房運転(通常運転)に戻る。従って、乗員が火照りによる不快感を感じることを防止できる。
また、上述したステップS3において、外気温度が所定値よりも高い「NO」の場合には、初期暖房運転モードは不要な状況にあると判断してステップS7に進み、通常運転が実施される。
また、上述したステップS4において、エンジン冷却水の水温が所定値まで上昇していない場合には、吹出口から冷風が吹き出して乗員に不快感を与えるため、暖房運転を実施できないと判断してステップS11の空調運転待機に進み、以下エンジン冷却水の温度条件が満たされるまで待機状態を継続する。
また、上述したステップS6において、車室内の温度が目標値に到達しない「NO」の場合には、次のステップS21に進んで初期暖房運転モードの継続時間が所定値以上か否かを判断する。この結果、所定時間継続された「YES」の場合には、ステップS7に進んで通常運転に戻り、所定時間に満たない「NO」の場合には、ステップS5に戻って初期暖房運転モードを継続する。
なお、図8のフローチャートにおいては、予め定めた条件として、車室内の温度が目標値に到達すること、そして、初期暖房運転モードが所定時間継続されたことの二つの条件のうちいずれか一方が満たされた場合に通常運転に戻るようにしたが、いずれか一方のみを条件としてもよいし、あるいは、二つが満たされることを条件としてもよい。
上述した空調ユニット40は、エバポレータ11がヒータコア22より車室側に配置され、かつ、導入路70がエバポレータ11の車室側に形成されているので、通常最も車室側に配置されるフェース吹出口に対して、エバポレータ11を通過して冷却された冷風がスムーズかつ直接的に導かれる冷風流路を形成することができる。
すなわち、ヒータコアが車室側に配置される従来構成では、エバポレータで冷却された冷風がヒータコアの熱影響を受けることなくフェース吹出口から吹き出すためには、たとえばトンネル状の専用ダクトを形成するなど対策が必要となるので、内部構造を複雑にして流路の圧力損失を増したり、部品点数を増すという問題が生じる。しかし、上述した本発明の配置にすれば、エバポレータ11で冷却した冷風は、エアミックス領域MX等で温風と交差することなく直接、フェース吹出口に連通するフェースバイパス吹出口46及びフェースメイン流路50の入口開口へスムーズに流れるので、部品点数の少ない簡単な構造で圧力損失も小さい冷風流路を形成することができる。従って、冷風の風量低下や温度上昇を防止し、吹出温度の低い十分な風量の冷風をフェース吹出口から吹き出すことが可能になる。
以上説明したように、本発明の空気調和ユニット及び車両用空気調和装置によれば、コスト面で有利になる少ない部品点数の増加で高機能化及び多機能化が可能となるので、幅広い車種に採用してより快適な車室内空間を提供することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
本発明に係る空気調和ユニットの一実施形態を示す断面図(図2のA−A断面図)であり、フェース吹出モードの最大冷房運転を示している。 本発明に係る空気調和ユニットの一実施形態を示す外観斜視図である。 図1の空気調和ユニットがバイレベル吹出モードにあり、バイパスダンパをバイパス全閉位置とした状態を示す断面図である。 図1の空気調和ユニットがバイレベル吹出モードにあり、バイパスダンパを中間開度とした状態を示す断面図である。 図1の空気調和ユニットがバイレベル吹出モードにあり、バイパスダンパをバイパス全開位置とした状態を示す断面図である。 図1の空気調和ユニットをフット吹出モードとした最大暖房運転の状態を示す断面図である。 図1の空気調和ユニットが初期暖房運転モードの状態を示す断面図である。 図7に示す初期暖房運転モードの制御例を示すフローチャートである。 本発明の空気調和ユニットについて、フェース流路を分割する仕切板を設けたことによるフェース吹出モード独立特性改良結果を示す図で、エアミックスダンパ開度を60%時におけるバイパス流路開度(%)と吹出温度との関係を示している。 本発明の空気調和ユニットについて、フェース流路を分割する仕切板を設けたことによるバイレベル吹出モード独立特性改良結果を示す図で、エアミックスダンパ開度(%)と吹出温度との関係を示している。 バイパスダンパが2分割されている様子を示すため、図2のB矢視方向から見た斜視図である。 本発明に係る車両用空気調和装置の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1 冷媒系
2 加熱源系
3 制御部
11 エバポレータ
22 ヒータコア
40 空気調和ユニット
41 本体カバー
44 デフロスト吹出口
45,45L,45R フェースメイン吹出口
46,46L,46R フェースバイパス吹出口
47,47L,47R フット吹出口
48 エアミックスダンパ
49 デフロスト流路
50 フェースメイン流路
51 バイパス流路
52 フット流路
53 デフロスト/フェースダンパ(フェースダンパ)
54,54L,54R バイパスダンパ
55 フットダンパ
56 仕切板
57 サブ流路
58 凸部
60 仕切部材
AC 車両用空気調和装置(空調装置)
MX エアミックス領域

Claims (9)

  1. 外気または内気を導入するための空気取入口と、デフロスト吹出口、フェース吹出口、及びフット吹出口からなる空気吹出口と、前記空気取入口及び前記空気吹出口を連通するダクトとが形成された本体カバー内に、
    前記空気取入口から空気を取り入れるとともに、この空気を前記空気吹出口から吹き出させる送風機と、
    前記送風機により前記ダクト内を流れる空気を冷却するエバポレータと、
    前記送風機により前記ダクト内を流れる空気を加熱するヒータコアとを備える空気調和ユニットであって、
    前記本体カバー内で冷風及び温風が混合されるエアミックス領域から前記フェース吹出口に連通するダクト内を仕切板で分割形成したメイン流路及びバイパス流路と、
    前記エアミックス領域の近傍で前記メイン流路及び前記バイパス流路の間が連通するよう前記仕切板に形成されたサブ路と、
    前記バイパス流路及び前記サブ流路を同時に全閉とする第1の位置から全開とする第2の位置まで動作する開閉手段とを備えるとともに、
    前記エアミックス領域に配設され、開度制御により冷風及び温風の混合割合を調整するエアミックスダンパが、前記エアミックス領域の幅方向にわたって一定の高さで冷風流路側に膨出する山形に形成されていることを特徴とする空気調和ユニット。
  2. 前記山形の面が、最大暖房運転時及び最大冷房運転時のダンパ位置で、前記仕切板の延長線と略一致していることを特徴とする請求項に記載の空気調和ユニット。
  3. 前記バイパス流路は、前記メイン流路より冷風流れ方向の上流側に配置されていることを特徴とする請求項に記載の空気調和ユニット。
  4. 暖房運転の開始時に、外気温度が所定値以下の低温であり、かつ、エンジン冷却水の水温が所定値以上の高温であれば、予め定めた条件を満たすまで、前記開閉手段を前記第2の位置とする初期暖房運転モードを設けたことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の空気調和ユニット。
  5. 前記エアミックス領域から前記フェース吹出口及びフット吹出口に連通するダクト内を仕切部材で空調対象毎に分割し、前記開閉手段を各空調対象毎に分割して設けるとともに各々独立した制御を行うことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の空気調和ユニット。
  6. 前記バイパス流路は、前記エアミックスダンパよりも後流に配置されるものであって、前記バイパス流路にバイパス用ダンパを設け、前記バイパス用ダンパは、独立して前記バイパス流路を開閉可能であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の空気調和ユニット。
  7. 前記バイパス流路に、前記バイパス流路を左右に分割する仕切り板を設けたことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の空気調和ユニット。
  8. 前記エバポレータを前記ヒータコアより上流側でかつ車室側となる位置に配置したことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の空気調和ユニット。
  9. 請求項1からのいずれかに記載の空気調和ユニットと、
    ガス状の冷媒を圧縮するコンプレッサと、高圧のガス冷媒を外気と熱交換して凝縮させるコンデンサと、高温高圧の液冷媒を低温低圧の液冷媒にする膨張弁とを具備し、前記エバポレータに低温低圧の液冷媒を供給する冷媒系と、
    エンジン冷却水を前記ヒータコアに導入する加熱源系と、
    前記空気調和ユニット、冷媒系及び加熱源系の作動制御を行う制御部とを備えていることを特徴とする車両用空気調和装置。
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