JP3679965B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、後席の冷房を十分に行うことが可能な車両用空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車室内を空気調和することにより乗員にとって快適な車室環境を提供することができる車両用空気調和装置は、ブロワファン、エバポレータ、ヒータコア及び各種ダンパを備えてなる車両用空気調和ユニットと、低温低圧の液冷媒を車両用空気調和ユニット内のエバポレータへ供給する冷媒系と、高温のエンジン冷却水を車両用空気調和ユニット内のヒータコアへ導入する加熱源系と、温度、湿度、日射量及び乗員の好み等の諸条件に応じて車両用空気調和装置の作動制御を行う制御部とにより構成されている。
【0003】
このうち、図4に示す車両用空気調和ユニット1Aは、内外気箱10、ブロワ部20、クーラ部30、ヒータ部40が一体となったものである。この車両用空気調和ユニットは、一般的なセダン型乗用車の場合、助手席側のダッシュボード下方に配置されている。以下、この車両用空気調和ユニット1Aの構成を空気の流れの順に簡単に説明する。
【0004】
最初の内外気箱10は、外気(車室外の空気)aまたは内気(車室内の空気)bのいずれか一方を選択する機能を有する部分であり、外気導入口11a及び内気導入口11bが設けられている。両導入口11a,11bは、内部に設けられた不図示の内外気切換ダンパの操作によりいずれか一方を閉じて、導入する空気(以下、導入空気と呼ぶ)を選択するようになっている。
内外気箱10の下流にはブロワ部20が接続して設けられ、ブロワファン21の作動により外気aまたは内気bを吸引して後述するクーラ部30へ送風する機能を有している。
クーラ部30およびヒータ部40はケース41内に配設されている。
クーラ部30は、ブロワ部20から送風されてきた導入空気をエバポレータ31で冷却及び除湿する機能を有している。このエバポレータ31は、冷房運転時に冷媒系から低温低圧の液冷媒の供給を受け、通過する導入空気と熱交換して冷却及び除湿する。
【0005】
ヒータ部40は、クーラ部30から送られてきた導入空気を選択的に加熱すると共に、運転モードに対応した吹出口から空調された空気を吹き出す機能を有している。ヒータ部40は、加熱源系から熱源としてエンジン冷却水の供給を受けるヒータコア42を備えている。ヒータコア42を通過する導入空気の流量は、エアミックスダンパ43の開度によって調整され、これにより空調空気の温度が制御される。
また、ケース41には、図5に示すようにデフロスト吹出口44、フェイス吹出口45及びフット吹出口46が設けられ、各吹出口には、それぞれデフロトダンパ44a、フェイスダンパ45a及びフットダンパ46aが取り付けられている。
【0006】
さて、上述した車両用空気調和装置は、車両用空気調和ユニット1Aのヒータ部40に設置された各種ダンパを開閉操作することにより運転を行う。
夏場の冷房時は、フェイス吹出口45から前席の乗員の上半身に向けて冷風を吹き出す。
後席について冷房を行うためには、図5に示すようにフット吹出口46に接続されたフット吹出ダクト60から分岐・延長されたリアコンソール吹出ダクト61に冷気を供給して行う。
なお、車内の配管スペースの関係から、リアコンソール吹出ダクト61をフット吹出ダクト60から分岐させることとしている。
リアコンソール吹出ダクト61は、図6に示すようにリアコンソールにおいて後席に向けリアコンソール開口部61aを備えている。エバポレータ30を通過した導入空気はフット吹出口46を経てリアコンソール吹出ダクト61を通過し、開口部61aから後席の乗員に吹き出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、冷房時にエアミックスダンパ43の開度を変化させて冷房温度を変化させた際、各吹出口44,45,46からの吹出空気の温度は図7で示されるようになる。
この図によれば、エアミックスダンパ43の開度が同じであっても、各吹出口から吹き出される空気の温度に差があることがわかる。以下、この理由について説明する。
図8はフェイス吹出モードの状態である。下方から導入された空気がエバポレータ31を通過して冷却されたのち、上昇直進してフェイス吹出口45から吹き出される。
一方、図9はリアコンソールから冷風を吹き出して後席の冷房を行う場合である。下方から導入された空気はエバポレータ31を通過して冷却された後、ケース41内を旋回して、フット吹出口46から吹き出される。
この時、下方から導入された空気はケース内を旋回する気流を発生し、この気流に乗ってヒータコア42周囲の暖気が多く流出する。
図8と図9とを比較するとわかるように、図8においては冷気が上方に吹き出されるだけであるから、ヒータコア42周囲の暖気は冷気によって遮蔽されている。しかし、図9では旋回流によって暖気が巻き込まれるため、図8と比べて暖気が多く放出されてしまうのである。
このように、前席と比較して後席の空調温度が高くなってしまうため、前席に合わせて空調温度を設定した場合、後席の冷房が不十分となる問題があった。
【0008】
上記事情に鑑み、本発明においては、後席の冷房を十分に行うことができる車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、本発明においては、ヒータコア上流側の導入空気をリアコンソール吹出ダクトに供給する。
すなわち、請求項1記載の車両用空気調和装置は、導入空気と冷媒との間で熱交換するエバポレータと、通過する前記導入空気を加熱するヒータコアと、前記エバポレータとヒータコアとを収容するケースとを備え、該ケースには、前記エバポレータとヒータコアよりも導入空気の流れ方向下流側に複数の吹出口が設けられるとともに、前記エバポレータとヒータコアとの間にバイパス開口部が形成されて、該バイパス開口部が前記複数の吹出口のうちの少なくとも一つに接続されたダクト管に連通し、前記少なくとも一つの吹出口を開閉して該吹出口から吹き出される空気の量を制御する吹出ダンパと、前記ヒータコアを開閉して該ヒータコアを通過する空気の量を制御するエアミックスダンパが設けられ、前記エアミックスダンパを開とするに従って前記吹出ダンパを閉とし、前記エアミックスダンパを閉とするに従って前記吹き出しダンパを開とする制御部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
このバイパス開口部を介することにより、エバポレータを通過した直後の冷気をダクト管に供給することができるので、ダクト管から吹き出される空調空気の温度を低下させることができる。冷気をリアコンソールに吹き出すには、ダクト管にリアコンソール開口部を設ければよい。前記少なくとも一つの吹出口としてはフット吹出口とすることが有効である。上記のように、フット吹出口からはフェイス吹出口より温度の高い空気が吹き出されるため、冷房性能が劣るためである。
但し、バイパス開口部からだけでは風量が少ないため、前記少なくとも一つの吹出口からも空気を吹き出すようにする。このとき、当該吹出口の開度を大きくすると、既述のように空調空気の温度が上がってしまうため、制御部がエアミックスダンパの開度に応じて吹出ダンパの開度を制御する。すなわち、図7に示すように、吹出口から吹き出される空気の温度はエアミックスダンパの開度が大きいほど高くなるため、エアミックスダンパを開とするに従って前記吹出ダンパを閉とし、前記エアミックスダンパを閉とするに従って前記吹出ダンパを開とする。
なお、ケースとしては従来のものにバイパス開口部等を設けるだけでよいので、従来品の転用が容易である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1ないし図4は本発明による車両用空気調和装置の構成を示す図であり、車両用空気調和装置は、ブロワファン21、エバポレータ31、ヒータコア42及び各種ダンパを備えてなる車両用空気調和ユニット1Aと、低温低圧の液冷媒を車両用空気調和ユニット1A内のエバポレータ31へ供給する冷媒系2と、高温のエンジン冷却水を車両用空気調和ユニット1A内のヒータコア42へ導入する加熱源系3と、温度、湿度、日射量及び乗員の好み等の諸条件に応じて車両用空気調和装置の作動制御を行う制御部4とにより構成されている。
【0012】
車両用空気調和ユニット1Aは、図4に示すように、内外気箱10、ブロワ部20、クーラ部30、ヒータ部40が一体となったものである。この車両用空気調和ユニット1Aは、一般的なセダン型乗用車の場合、車室内から見て左側(助手席側)で、しかも、ダッシュボード5の下方に配置されている。以下、この車両用空気調和ユニット1Aを空気の流れの順に説明する。
【0013】
最初の内外気箱10は、車両用空気調和ユニット1Aに導入する空気を外気aまたは内気bのいずれか一方に選択切り換えする機能を有する部分である。ここでは、車室外に連通する外気導入口11aと車室内に連通する内気導入口11bとが設けられており、両導入口11a,11bのいずれか一方を内外気切換ダンパ(不図示)により閉じて、導入する空気(以下、導入空気と呼ぶ)を選択するようになっている。
【0014】
ブロワ部20は、内外気箱10の下流に接続して設けられ、ブロワファン21の作動により外気aまたは内気bを選択的に吸引して後述するクーラ部30へ送風する機能を有している。このブロワファン21は、電動モータ22を駆動源とし、一般的には停止位置の他に、複数の風量切換ができるようになっている。なお、車両の走行中に外気aを導入する場合には、ブロワファン21が停止していても走行風である外気aをクーラ部30へ流すことができる。
【0015】
クーラ部30とヒータ部40は、共にケース41内に配設されている。
クーラ部30は、ブロワ部20から送風されてきた導入空気を冷却して除湿する機能を有している。このクーラ部30は、冷房用の熱交換器であるエバポレータ31を備えている。
エバポレータ31は、冷房運転時に後述する冷媒系2から低温低圧の液冷媒の供給を受け、ブロワ部20から送風されてきてこのエバポレータ31を通過する導入空気と液冷媒との間で熱交換させる。この結果、導入空気は冷媒に熱を奪われて冷却及び除湿された冷風となり、後述するヒータ部40へ導かれる。
【0016】
ヒータ部40は、クーラ部30から送られてきた導入空気を選択的に加熱すると共に、各運転モードに対応した吹出口から空調された空気を吹き出す機能を有している。このヒータ部40は、図1に示すように、ケース41の内部に設置されたヒータコア42と、このヒータコア42を通過する導入空気の流量を調整するエアミックスダンパ43とを備える。
【0017】
また、ケース41には、デフロスト吹出口44、フェイス吹出口45、フット吹出口46、およびバイパス開口部66が設けられ、各吹出口には、それぞれデフロストダンパ44a、フェイスダンパ45a、フット吹出ダンパ46aおよびバイパスダンパ66aが取り付けられている。
フット吹出口46にはフット吹出ダクト(ダクト管)60が接続され、フット吹出ダクト60は前席の乗員の足下に開口するフット吹出部67を備えていると共に、フット吹出ダクト60から分岐するリアコンソール吹出ダクト(ダクト管)61が設けられ、図6に示すようにリアコンソール開口部61aにて開口している。
また、フット吹出部67にはフット吹出ダンパ67aが設けられている。
【0018】
バイパス開口部66はエバポレータ31とヒータコア42との間に位置し、バイパス管65が接続されている。また、バイパスダンパ66aにより、フット吹出ダクト60へバイパスする導入空気量を制御可能になっている。
【0019】
ヒータコア42は、暖房運転時に高温のエンジン冷却水の供給を受け、クーラ部30から送風されてきた導入空気を加熱する熱交換器である。ヒータ部40に送られた導入空気は、エアミックスダンパ43の開度に応じて、ヒータコア42を通過するものと、ヒータコア42を通過しないものとに分類される。
【0020】
上述したデフロスト吹出口44は、冬季走行前のフロントガラスの霜取り及び雨天走行中のフロントガラスの曇りを除去するために、フロントガラスなどの内面に直接当たるよう温風及び除湿した風を吹き出すものである。このようにデフロスト吹出口44から空調空気の全量を吹き出す空調運転モードは、「デフロスト吹出モード」と呼ばれている。
また、フェイス吹出口45は、主として夏季の冷房運転時に乗員の上半身へ向けて冷風を吹き出すものであり、このような空調運転モードは「フェイス吹出モード」と呼ばれている。
そして、フット吹出口46は、冬季の暖房運転時に乗員の足元へ温風を吹き出すものであり、「フット吹出モード」と呼ばれている。この空調運転モードでは、空調空気(温風)の一部を、通常は20%程度の少量を同時にデフロスト吹出口44から吹き出してフロントガラス等の曇りを除去するようになっている。
フット吹出口46はまた、フット吹出ダクト60によりリアコンソールへも連通しており、後席の冷房にも用いられる。すなわち、この空調運転モードでは、夏季の冷房運転時に後席へ冷風を吹き出す。
【0021】
なお、主として春や秋の中間期に用いられ、フェイス吹出口45及びフット吹出口46の両方から空調された空気を吹き出す「バイレベル吹出モード」と呼ばれる空調運転モードもあり、この場合は、フェイス吹出口45からの吹き出し風をフット吹出口46より低温とする頭寒足熱とするのが一般的である。
また、冬季に用いられる、デフロスト吹出口44及びフット吹出口46の両方から空調された空気を吹き出す「ブレンド吹出モード」と呼ばれる空調運転モードもある。
【0022】
次に、冷媒系2の構成を図2に基づいて説明する。この冷媒系2は、エバポレータ31に低温低圧の液冷媒を供給するもので、コンプレッサ51、コンデンサ52及び膨張弁53とを具備している。なお、この冷媒系2は、冷房・除湿機能を必要としない場合は、上述したエバポレータ31と共に設置が省略される。
コンプレッサ51は、エバポレータ31で車室内の熱を奪って気化した低温低圧のガス冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒としてコンデンサ52へ送り出すものである。自動車用空気調和装置の場合、コンプレッサ51は、通常エンジン54よりベルト及びクラッチを介して駆動力を受ける。
コンデンサ52は、エンジンルーム6の前部に配設され、コンプレッサ51から供給された高温高圧のガス冷媒を外気で冷却し、ガス状の冷媒を凝縮液化させるものである。こうして液化された冷媒は、レシーバ(図示省略)へ送られて気液の分離がなされた後、高温高圧の液冷媒として膨張弁53に送られる。この膨張弁53では、高温高圧の液冷媒を減圧・膨張させることによって低温低圧の液(霧状)冷媒とし、エバポレータ31へ供給する。なお、膨張弁53は、一般的にはエバポレータ31と共にクーラ部30内の適所に設置される。
【0023】
続いて、加熱源系3の構成を図2に基づいて簡単に説明する。この加熱源系3は、ヒータコア42(図1参照)に熱源となる高温のエンジン冷却水を供給するもので、エンジン54とラジエタ55との間を循環するエンジン冷却水系から、その一部を空気調和装置に導入するものである。
【0024】
最後に、制御部4の構成を図3に基づいて簡単に説明する。この制御部4は、空気調和装置を構成している空気調和ユニット1A、冷媒系2及び加熱源系3の作動制御を行うもので、通常、乗員が各種の設定を行う操作パネルに制御回路を組み込んで、インスツルメントパネルの中央部に設置されている。この制御部4では、内外気切換ダンパ12の切り換え操作、ダンパ類の開閉操作による各種運転モードの選択切り換え、ブロワファン21の風量切り換え及び所望の温度設定操作などを行うことができる。
【0025】
このように構成された車両用空気調和装置では、ブロワファン21を駆動することにより、外気aまたは内気bが内外気箱10の外気導入口11aまたは内気導入口11bから導入され、この導入空気はブロワ部20を通ってクーラ部30へと送られる。クーラ部30内を流れる導入空気はエバポレータ31を通過するが、ここでは冷媒系2から低温低圧の液冷媒が供給される冷房運転時に冷媒と熱交換して冷却及び除湿され、さらに下流側のヒータ部40へ流れる。
【0026】
冷却及び除湿されてヒータ部40に送られてきた導入空気は、エアミックスダンパ43がヒータコア42側通路を完全に覆っていると、導入空気はその全量がヒータコア42を通過せずに各吹出口44,45,46に向かい、ダンパが開状態にされた吹出口から車室内に冷風が吹き出される。また、エアミックスダンパ43がヒータコア42側通路を全開しているときは、導入空気の全部がヒータコア42を通過して加熱され、ダンパが開状態の吹出口から車室内に温風が吹き出される。さらにまた、エアミックスダンパ43が中間位置にあるときは、ヒータコア42を通過しない冷風とヒータコア42を通過した温風とが、エアミックスダンパ43の下流側でその開度に応じて混合され、所望の温度に空調された空気が運転モードに応じて、ダンパが開状態にある吹出口から車室内に吹き出される。
【0027】
本例の空気調和装置では、前述のようにフット吹出モードとは別に、フット吹出口46およびバイパス開口部66を介してリアコンソールへ冷気を送ることができる。この場合、バイパスダンパ66aを制御し、ヒータコア42上流側に設けられたバイパス管65から冷気をバイパスさせてリアコンソールへ送風する。バイパスダンパ66aおよびフット吹出ダンパ46aの開度により、リアコンソールへの吹出風量が制御される。以下、リアコンソールの冷房モードについて説明する。
(1)
エアミックスダンパ43が全閉状態または、ほぼ全閉に近いときは、フェイス吹出口45、フット吹出口46、および、バイパス開口部66から冷風を吹き出すことができるので、吹出口に設けられたフェイス吹出ダンパ45a、フット吹出ダンパ46a、バイパスダンパ66を全開とすることができる。これにより、前席及び後席ともに、十分に低い温度で、かつ、十分な風量で冷房を行うことができる。
(2)
前席の冷房温度を調節するためにエアミックスダンパ43を半開状態とした場合は、既に記したようにフット吹出口46からは前席よりも温度の高い空調空気が吹き出される。従って、フット吹出口46を全閉とすることで、後席の温度上昇を防止することができる。
しかしながら、この場合はリアコンソールから吹き出される風量が少ないため、後席の快適性を維持したまま風量を増加させたい場合は、エアミックスダンパ43の開度に応じてフット吹出口46の開度を調整する。
具体的には、制御部4が、エアミックスダンパ43を開とするに従って前記フット吹出ダンパ46aを閉とし、エアミックスダンパ43を閉とするに従ってフット吹出ダンパ46aを開とする。これにより、リアコンソールの冷風温度を低く抑えたままで、かつ、十分な風量を得ることができる。
なお、エアミックスダンパ43およびフット吹出ダンパ46aは、それぞれ全閉から全開の間で任意の開度に連続的に設定可能である。
(3)
リアコンソールに吹き出される空調空気の温度を前席とは独立に上昇させたい場合は、エアミックスダンパ43の開度はそのままで、フット吹出ダンパ46aの開度を上げればよい。その制御は制御部4がフット吹出ダンパ46aおよびバイパスダンパ66aを制御して空調空気の混合量を変更することにより行うことができる。
これにより、フェイス吹出口44から吹き出される空調空気の温度を変えずにリアコンソールに吹き出される空調空気の温度を変えることができる。
【0028】
以上のように、フット吹出ダンパ46aの開度をエアミックスダンパ43の開度に応じて制御することにより、リアコンソールの冷風温度を低く抑えたままで、かつ、十分な風量を得ることができる。
【0029】
なお、上記においてはフット吹出口46に接続されたフット吹出ダクト60にバイパス管65を接続したが、他の吹出口(フェイス吹出口45,デフロスト吹出口44)に接続された吹出ダクトに接続しても良い。
また、エアミックスダンパ43およびフット吹出ダンパ46aの開度は全閉から全開の間で任意の開度に連続的に設定可能としたが、全閉から全開の間で複数段階に設定可能としても良い。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、エバポレータとヒータコアとの間に位置してバイパス開口部が設けられ、エバポレータを通過した直後の冷気がこのバイパス開口部を経てダクト管に供給される。したがって、ダクト管から吹き出される空調空気の温度上昇を防止することができる。そして、制御部がエアミックスダンパを開とするに従って吹出口に設けられた吹出ダンパを閉とし、前記エアミックスダンパを閉とするに従って吹出ダンパを開とすることにより、ダクト管から吹き出される空調空気の温度を低く抑えたままで、かつ、十分な風量を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る空気調和ユニットの要部断面図である。
【図2】 空気調和装置の構成及び配置の概要を示す自動車エンジンルームの斜視図である。
【図3】 空気調和ユニットの設置例を車室側から見て示す斜視図である。
【図4】 空気調和ユニットの構成を示す斜視図である。
【図5】 従来の空気調和ユニットの要部断面図である。
【図6】 リアコンソールに連通するリアコンソール吹出ダクトの配設状態を示す図である。
【図7】 エアミックスダンパと、各吹出口から吹き出される空調空気の温度との関係を示すグラフである。
【図8】 従来の空気調和ユニットの要部断面図であり、フェイス吹出モード時の導入空気の流れを示す図である。
【図9】 従来の空気調和ユニットの要部断面図であり、フット吹出モード時の導入空気の流れを示す図である。
【符号の説明】
1A 車両用空気調和ユニット
4 制御部
31 エバポレータ
41 ケース
42 ヒータコア
46 フット吹出口
46a フット吹出ダンパ
60 フット吹出ダクト(ダクト管)
61 リアコンソール吹出ダクト(ダクト管)
66 バイパス開口部
66a バイパスダンパ
Claims (3)
- 導入空気と冷媒との間で熱交換するエバポレータと、通過する前記導入空気を加熱するヒータコアと、前記エバポレータとヒータコアとを収容するケースとを備え、
該ケースには、前記エバポレータとヒータコアよりも導入空気の流れ方向下流側に複数の吹出口が設けられるとともに、前記エバポレータとヒータコアとの間にバイパス開口部が形成されて、該バイパス開口部が前記複数の吹出口のうちの少なくとも一つに接続されたダクト管に連通し、
前記少なくとも一つの吹出口を開閉して該吹出口から吹き出される空気の量を制御する吹出ダンパと、前記ヒータコアを開閉して該ヒータコアを通過する空気の量を制御するエアミックスダンパとが設けられ、
前記エアミックスダンパを開とするに従って前記吹出ダンパを閉とし、前記エアミックスダンパを閉とするに従って前記吹出ダンパを開とする制御部が設けられていることを特徴とする車両用空気調和装置。 - 請求項1記載の車両用空気調和装置において、
前記ダクト管が後席に向けてのリアコンソール開口部を有していることを特徴とする車両用空気調和装置。 - 請求項1または2に記載の車両用空気調和装置において、
前記少なくとも一つの吹出口がフット吹出口であることを特徴とする車両用空気調和装置。
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