JP4636019B2 - キャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータ - Google Patents

キャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータ Download PDF

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Description

本発明は、半導体製造装置や工作機のテーブル送りに使われると共に、リニアモータ本体の温度上昇低減と長期絶縁信頼性が要求されるキャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータに関する。
従来、半導体製造装置や工作機のテーブル送りに用いられると共に、電機子巻線をキャンで覆い、電機子巻線とキャンの間に設けた冷媒通路に冷媒を流すことで、電機子巻線からの発熱量を冷媒で回収し、リニアモータ表面の温度上昇を低減する、キャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータとして、例えば特許文献1、特許文献2に開示されたものがある。このうち、特許文献1のリニアモータについて、以下、図を用いて説明する。
特開2002−27730号公報(第4頁、図1) 特開2000−4572号公報
図16は従来技術を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図である。図16において、10は固定子、11は筐体、12はキャン、13はキャン固定用のボルトねじ、14は押え板、15は端子台、16は冷媒供給口、17は冷媒排出口、18は電機子巻線、25は可動子、26は界磁ヨーク支持部材、27は界磁ヨーク、28は永久磁石である。一方の可動子25は、平板状の二つの界磁ヨーク27と、各界磁ヨーク27の表面に取付けた永久磁石28と、二つの界磁ヨーク27の間に挿入されると共に全体で合計4個の界磁ヨーク支持部材26とから構成され、両端が開口した中空空間部を有している。そして、上記永久磁石28は界磁ヨーク27上に交互に極性が異なるように複数の磁石を隣り合わせに並べて配置したものとなっている。なお、可動子25は、図示しないスライダとガイドレールからなるボールを用いたリニアガイドあるいは静圧軸受案内等によって支持されている。
また、他方の固定子10は、可動子25の中空空間部内に可動子25の永久磁石28と磁気的空隙を介して対向するように電機子が配置されており、詳細は以下の図17で述べる。
図17は、図16のA−A線に沿う本発明におけるキャンド・リニアモータの正断面図である。また、図18は図17のキャン12を除いた固定子内部の構造を示している。図17および図18において、固定子10は、内部を中空とする額縁状を有した金属製の筐体11と、該筐体11の中空部分を覆うために筐体11の外形を象った板状のキャン12と、該キャン12を筐体11に固定するためのボルトねじ13と、該ボルトねじ13の通し穴を有し、キャン12を均等な荷重でもって押えるための押え板14と、筐体11の中空内に配置された電機子を構成する3相の電機子巻線18と、電機子巻線18を固定している巻線固定枠19と、筐体11とキャン12の縁より少し大き目に象られたOリング21と、巻線固定枠19と筐体11を固定するためのボルトねじ23とより構成されている。キャン12および巻線固定枠19の材質は樹脂製を採用しており、ここでは熱硬化性樹脂である例えばエポキシ樹脂や熱可塑性樹脂である例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)を使用している。筐体11の空洞部の形状は、電機子巻線18の外周を囲うように象られている。電機子巻線18は平板状に形成された巻線固定枠19の両面に配置されている。電機子巻線18と一体になった巻線固定枠19は、筐体11の中空内に配置され、ボルトねじ23で筐体11と固定される。筐体11の表裏の縁には、周回した溝が設けられており、そこにOリング21が配置される。そして、筐体11に蓋をするようにキャン12が筐体11の表裏に配置される。キャン12の上から筐体11の縁に沿って押え板14が敷かれ、ボルトねじ13にて締め付けられ、キャン12と筐体11は固定される。電機子巻線18は、集中巻コイルを3相分用意した複数のコイル群で構成され、巻線固定枠19の左右両側に貼り付けられている。電機子巻線18への電力供給は、筐体11に取り付けられた端子台15から行われる。端子台15と電機子巻線18はリード線(図示しない)で各々電気的に接続されている。また、冷媒は筐体11に設けた冷媒供給口16より供給され、冷媒排出口17より排出される。その間に、冷媒は電機子巻線18とキャン12の間にある冷媒通路20を流れ、発熱する電機子巻線18を冷却する。
このように構成されたキャンド・リニアモータは、可動子25と固定子10の電気的相対位置に応じた3相交流電流を電機子巻線18に流すことにより、永久磁石28の作る磁界と作用して可動子25に推力が発生し、可動子10は図16の矢印で示す進行方向に移動することとなる。この際、銅損によって発熱した電機子巻線18は冷媒通路20を流れる冷媒により冷却されるので、キャン12の表面温度上昇を抑えることができる。
ところが、従来技術におけるキャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータは、冷媒通路20を通る冷媒が電機子巻線18の表面を流れることにより、以下のような問題が起きた。
(1) 従来のキャンド・リニアモータは、冷媒にフッ素系不活性冷媒(例えば住友3M製ハイドロフルエーテル(HFE))を使用していた。HFEの導電率は0.002(μS/cm)と極めて小さいので、HFEは電機子巻線を絶縁破壊させることなく直に冷却できる冷媒として有効なものであった。しかし、HFEの熱伝導率が0.07(W/(m・k))であるのに対し、水はHFEの約8倍の0.6(W/(m・k))もあるため、HFEは水に比べ圧倒的に小さく、電機子巻線とHFE間の熱伝達率が小さかった。その結果、電機子巻線から冷媒への熱移動量が少なくなると同時にキャン表面への熱移動量が多くなり、キャン表面の温度上昇が高くなった。
(2) 上記(1)の問題を解決する方策として、熱伝導率の大きい冷媒である水への変更が考えられる。水の熱伝導率は上述したようにHFEの約8倍/(m・k))もあることから、キャン表面温度上昇の大幅な低減が可能である。しかし、冷媒に水を使用すると別の問題が起きた。一般に電機子巻線を構成する導線には絶縁のための被覆層を有するエナメル線を使用するが、巻線作業時や電機子巻線固定時に起こる導線と他物体間との接触により、導線の被服層には微小なキズ(ピンホール)が存在している。冷媒に導電率が1(μS/cm)を超えるような純水を使用した場合、大きなピンホール箇所から絶縁破壊が生じた。さらに、ピンホールの穴径や深さが微小なものであっても、電機子巻線にかかる推力の反作用(機械的ストレス)や電流印加に伴う巻線の発熱(熱的ストレス)、浸水時の電圧印加による水中Tree現象などによって、ピンホールが大きくなり、短期間で絶縁破壊が生じた。
(3)導電率の小さい冷媒(HFE)を使用した上で水に匹敵する冷却能力を得るには、キャンの厚さを薄くして冷媒通路断面積を大きくし電機子巻線からキャン表面までの熱抵抗を小さくするか、冷媒の供給圧力を増大させ流量を増加させるか、の2種類が考えられる。しかし、キャンの厚さを薄くすれば冷媒の圧力によってキャンの変形(空隙側へのキャンの膨らみ量)が大きくなり、キャンの厚さを変えずとも冷媒の供給圧力を増大させれば同じくキャンの変形が増大した。その結果、キャンの厚さも冷媒流量も変えることができず、キャン表面の温度上昇を低減することができなかった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、冷媒に対する電機子巻線の長期絶縁信頼性を高めることで冷却能力の極めて高い水による冷却を可能とし、さらには、可動子と固定子の磁気的空隙へのキャン変形量を抑えることができるキャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータを提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、請求項1記載の発明は、平板状に成形された複数のコイル群よりなる電機子巻線と、前記電機子巻線を額縁状に囲むように設けた金属製の筐体と、前 記筐体の両開口部を密閉する片面もしくは両面に設けられたキャンと、前記電機子巻線と前記キャンとの間に形成された冷媒通路とを具備したキャンド・リニアモータ電機子において、前記電機子巻線をモールド樹脂でモールドし、前記電機子巻線と前記冷媒通路の間に樹脂層を多層に積層してなる絶縁積層体を介在させたものである。
また、請求項2の発明は請求項記載のキャンド・リニアモータ電機子において前記絶縁積層体を構成する樹脂層に金属層を積層させたものである。
また、請求項3の発明は請求項または記載のキャンド・リニアモータ電機子において前記樹脂層がガラス繊維もしくはカーボン繊維を充填したものである。
また、請求項4の発明は請求項記載のキャンド・リニアモータ電機子において前記金属層が、金属箔に接着剤もしくは粘着剤を有する金属箔テープで構成したものである。
また、請求項5の発明は請求項〜請求項までの何れか1項に記載のキャンド・リニアモータ電機子と、前記電機子と磁気的空隙を介して対向配置されると共に交互に極性が異なる複数の永久磁石を隣り合わせて並べて配置した界磁とを備え、前記電機子と前記界磁の何れか一方を固定子に、他方を可動子として、前記界磁と前記電機子を相対的に走行するようにしたものである。
また、請求項6の発明は、請求項記載のキャンド・リニアモータにおいて前記電機子と前記界磁を平板状に形成したものである。
また、請求項7の発明は、請求項記載のキャンド・リニアモータにおいて、前記電機子と前記界磁を円筒状に形成したものである。
本発明におけるキャンド・リニアモータによれば以下の効果がある。
請求項1の発明によると、電機子巻線と冷媒との接触を全く無くすことができる。つまり、導電率の低い冷媒である水を使用したり、あるいは、電機子巻線の導線にピンホールが生じていたとしても、巻線固定枠によって電機子巻線が水と隔離されるため、水による絶縁破壊を防ぐことができる。それから、冷媒を水にすることにより冷却能力が高まるので、キャン表面の温度上昇を低減することができる。
また、巻線固定枠に冷媒が染み込むことによる絶縁抵抗の劣化を防止することができる。
また、請求項2の発明によると、冷媒の圧力による可動子に対向した空隙へのキャンの膨らみ量が小さくなるため、冷媒流量を増加することができ、請求項1記載の構成よりも、さらにキャン表面の温度上昇を低減できる。
また、請求項3の発明によると、絶縁抵抗の劣化を防止することができ、請求項1や請求項2の発明と併用することにより、絶縁性能の信頼性を向上させることができる。
また、請求項4の発明によると、キャンを固定する樹脂製押え板の表面の温度上昇を金属製の場合よりも低減することができる。
また、請求項5の発明によると、キャンを予め湾曲させた形状とすることにより、電機子巻線の冷媒に対する耐絶縁性が高く、冷却能力の高い水を冷媒として使用することでキャン表面温度 上昇の小さい電機子が得られ、これに界磁ヨークを対向配置させることで発熱のないキャンド・リニアモータを得ることができる。
請求項6の発明によると、電機子巻線と冷媒通路との間に樹脂層を多層に積層して介在させることで、樹脂層が耐冷媒絶縁の役割を果たし、導電率の高い水による浸水下での絶縁抵抗の低下を抑え、長期間、絶縁破壊を防ぐことができる。また、樹脂層を多層化することにより、外側の樹脂層が保護する役割を果たし、内側の樹脂層のキズ(ピンホール)への直接の浸水を食い止めることができる。よって、製作時に電機子巻線や内側の樹脂層にピンホールが生じたり、機械的ストレス(推力の反作用)、熱的ストレス(巻線の発熱)、高電圧印加が作用したりしても、ピンホールの亀裂進行を抑え、絶縁信頼性を高めることができる。その結果、冷却能力の高い冷媒である水を使用することができ、リニアモータ表面の温度上昇を低減することができる。
請求項7の発明によると、電機子巻線と冷媒通路との間に樹脂層と金属層を積層して介在させている。電機子巻線と冷媒との間に樹脂層を介在させることで、請求項6記載の発明と同様の効果を得ることができ、さらに金属層が内側への冷媒吸水を遮断するので、樹脂層の冷媒吸水により起こる絶縁抵抗低下を無くすことができる。よって、請求項1記載に比べ絶縁抵抗低下を無くし、長期間にわたる絶縁信頼性を確保することができる。
請求項8の発明によると、樹脂層にガラス繊維もしくはカーボン繊維を充填しているので、樹脂層の機械強度を高めることができる。樹脂層と一体となった電機子巻線に推力の反作用が生じたとしても、樹脂層のクラック発生を防ぎ、クラック発生部からの冷媒浸水に伴う絶縁破壊を防ぐことができる。
請求項9の発明によると、金属層を極めて薄い金属箔テープで構成しているので、樹脂層と金属層の積層厚を薄くすることができる。積層厚が薄くなった分、冷媒通路の厚さを増やすことで、リニアモータ表面の温度上昇を低減することができる。
請求項10の発明によると、冷媒通路内に支柱を設け、キャンと樹脂層を支柱によって機械的に固定しているので、冷媒流量の増加に伴う冷媒通路内の圧力上昇が起きたとしても、キャンの変形量を抑えることができる。よって、冷媒流量を増やすことができ、リニアモータ表面の温度上昇をさらに低減することができる。
請求項11の発明によると、キャンを予め湾曲させて、冷媒通路側に凸面がくるように配置させているので、請求項5記載同様、冷媒通路内の圧力が上昇したとしても、キャンの外側への膨らみ量を抑えることができる。よって、冷媒流量を増やしリニアモータ表面の温度上昇を低減することができる。さらには、請求項10記載のものに比べ、支柱などの部材を用いないので、製作を容易にかつ安価にすることができる。
請求項12の発明によると、請求項6〜11の何れかの電機子と永久磁石を有する界磁とを対向させて、電機子と界磁の何れか一方を固定子、他方を可動子としているので、請求項6〜11の効果を有するリニアモータを提供することができる。
請求項13の発明によると、電機子を構成する電機子巻線と界磁を構成する永久磁石を平板状に形成しているので、請求項6〜11の効果を有した偏平なリニアモータを提供することができる。
請求項14の発明によると、電機子を構成する電機子巻線と界磁を構成する永久磁石を円筒状に形成しているので、請求項6〜11の効果を有した体積の小さいリニアモータを提供することができる。
本発明の第1実施例を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図 図1のA−A線に沿うキャンド・リニアモータの正断面図 図2のキャンを取り除いた固定子内部の構造を示す側面図 図2の巻線固定枠表面を拡大した部分断面図 モータリード結線部を拡大した部分断面図 本発明の第2実施例を示すキャンド・リニアモータの固定子の正断面図 本発明の第3実施例を示すキャンド・リニアモータであって、(a)はその全体斜視図、(b)は(a)のA−A’線に沿って断面を1/4にカットした正断面図 第3実施例を示す図7(b)におけるB部拡大図 第4実施例を示す図7(b)におけるB部拡大図 第5実施例を示す図7(b)におけるB部拡大図 第6実施例を示す図7(b)におけるB部拡大図 第7実施例を示す図7(a)のA−A’線に沿って断面を1/4にカットしたキャンド・リニアモータの正断面図 第8実施例を示す図7(a)のA−A’線に沿って断面を1/4にカットしたキャンド・リニアモータの正断面図 第9実施例を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図 図14のA−A’線に沿って断面を1/4にカットした正断面図 従来技術を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図 図16のA−A線に沿うキャンド・リニアモータの正断面図 図17のキャンを取り除いた固定子内部の構造を示す側面図
符号の説明
1、10 固定子
2、11 筐体
3、3a、12 キャン
4、19 巻線固定枠
5、5a、20 冷媒通路
6、23 ボルトねじ
13 ボルトねじ
14 押え板
15 端子台
16 冷媒供給口
17 冷媒排出口
18 電機子巻線
21 Oリング
22 巻線固定枠支持部材
24 シール材
25 可動子
26 界磁ヨーク支持部材
27 界磁ヨーク
28 永久磁石
29 防水フィルム
31 モータリード
32 シール材
40 絶縁積層体
41 保護樹脂層
42 接着樹脂層
43 主絶縁樹脂層
44 モールド樹脂層
45 金属層
46 金属箔テープ
47 高強度絶縁樹脂層
50 支柱
51 支柱用Oリング
52 支柱固定用ボルト
53 支柱固定用インサートナット
54 支柱用キャン
55 湾曲キャン
60 可動子
61 筐体
62 キャン
63 電機子巻線
64 端子台
65 冷媒供給口
66 冷媒排出口
67 冷媒通路
68 絶縁積層体
70 固定子
71 界磁ヨーク
72 永久磁石
以下、本発明の実施例を図に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明の第1実施例を示すキャンド・リニアモータの斜視図、図2は図1のA−A線に沿う本発明におけるキャンド・リニアモータの正断面図、図3は図2のキャンを除いた固定子の内部構造を示す側面図である。なお、本発明の構成要素が従来技術と同じものについては同一符号を付してその説明を省略し、異なる点のみ説明する。また、可動子25の構造は、従来技術と全く同じである。
図1〜図3において、1は固定子、2は筐体、3はキャン、4は巻線固定枠、5は冷媒通路、6はボルトねじ、22は巻線固定枠支持部材、24はシール材である。
本発明の特徴は以下のとおりである。
すなわち、電機子巻線18の両側面を長手方向に向かって二つの巻線固定枠4で挟み込むように固定してあり、キャン3と巻線固定枠4との間に形成される空間内に冷媒通路5を設けた点である。
また、巻線固定枠4の冷媒通路側と筐体2との間隙には、冷媒通路5に流す冷媒が二つの巻線固定枠4で挟み込んだ電機子巻線18に漏出し、電機子巻線18が浸水しないようにシール材24を設けるようになっている。
また、電機子巻線18の上下部には二つの巻線固定枠4の上下端部と筐体2の内周側を支持固定するための巻線固定枠支持部材22が挿設されている。上記の筐体2と巻線固定枠支持部材22はボルトねじ6を筐体2に設けた通し孔に通した後、巻線固定枠支持部材22の雌ネジにねじ込むことで固定される。そして、上記のキャン3と筐体2はボルトねじ13をキャン3に設けた通し孔に通した後、筐体2の雌ネジにねじ込むことで固定されるようになっている。なお、通し孔および雌ネジの矢視は省略している。
さらに、巻線固定枠表面については図4に示すようになっている。
図4は図2の巻線固定枠表面を拡大した部分断面図を示しており、図4において、18は電機子巻線、22は巻線固定枠支持部材、4は巻線固定枠、29は防水フィルムである。
すなわち、巻線固定枠4の冷媒の接触する表面側に防水フィルム29を貼り付けたものとなっていいる。
またさらに、モータリード結線部については図5に示すようになっている。
図5はモータリード結線部を拡大した部分断面図であり、図5において、2は筐体、4は巻線固定枠、18は電機子巻線、15は端子台、31はモータリード、32はシール材である。
すなわち、電機子巻線18を固定する巻線固定枠4を結線基板で構成し、巻線固定枠4と電機子巻線18のモータリード31を外部へ接続するための端子台15との間におけるる空隙部分に、モータリード31を覆うようにシール材32を充填したものとなっている。
それから、キャン3を固定する押え板14の材質を金属よりも熱伝導率の小さい樹脂製としたものとなっている。
このような構成において、電機子巻線18のコイル構成は従来技術と同じであるため、従来技術同様、本発明のキャンド・リニアモータも可動子25と固定子1の電気的相対位置に応じた所定の電流を電機子巻線18に流すことにより、永久磁石28の作る磁界と作用して可動子に推力が発生する。この際、冷媒がキャン3と巻線固定枠4の間に設けられた冷媒通路5を流れ、発熱する電機子巻線18を冷却する。
したがって、本発明の第1実施例は、電機子巻線18の両側面を長手方向に向かって二つの巻線固定枠4で挟み込むように固定し、キャン3と巻線固定枠4との間に形成される空間内に冷媒通路5を設けた構成、また、巻線固定枠4の冷媒通路側と筐体2との間隙にシール材24を設ける構成にしたので、従来技術で問題となっていた冷媒と電機子巻線18の接触を無くすことができる。つまり、導電率の低い冷媒である水を使用したとしても、巻線固定枠4とシール材24によって電機子巻線18が水と隔離されるため、電機子巻線18の絶縁破壊を防ぐことができる。そして、冷媒を水にすることにより冷却能力が高まるので、キャン3の表面の温度上昇を低減することができる。
また、巻線固定枠4の冷媒の接触する表面側に防水フィルム29を貼り付ける構成にしたので、巻線固定枠に冷媒が染み込むことによる絶縁抵抗の劣化を防止することができる。
また、電機子巻線18と該電機子巻線18のモータリードを外部へ接続するための端子台15との間におけるる空隙部分にモータリード3を覆うようにシール材32を充填する構成にしたので、絶縁抵抗の劣化を防止し絶縁性能の信頼性を向上させることができる。
また、キャンを固定する押え板の材質を金属よりも熱伝導率の小さい樹脂製とすることにより、キャンを固定する樹脂製押え板の表面の温度上昇を金属製の場合よりも低減することができる。
次に本発明の第2実施例について説明する。
図6は、本発明の第2実施例を示すキャンド・リニアモータの固定子の正断面図である。
第2実施例が第1実施例と異なる点は、第1実施例のキャン3が直線状の板であったのに対して、キャンを予め湾曲させて、キャンの湾曲した凸面同士を互いに巻線固定枠4に対向するよう配置したものである。図6において、3aは予め湾曲させたキャン、5aは湾曲したキャン3aと巻線固定枠4との間の空間部に形成された冷媒通路を示している。すなわち、キャン3aは、冷媒通路5aに冷媒が流れていないとき、その中央部が巻線固定枠4側に対してわずかに接触しない程度に湾曲した形状に形成されている。冷媒通路5aに冷媒が流れると、キャン3aはその冷媒による圧力によって中央部が外側(巻線固定枠4と反対側)に張り出すように変形する。
したがって、このようにキャン3aを予め湾曲させた形状としたので、第1実施例を凌ぐ効果として、冷媒の流量による可動子に対向する空隙へのキャン変形を抑えることができる。また、第1実施例よりも冷媒流量を増加でき、温度上昇をより低減することが可能となる。
なお、以上の実施例では、固定子に電機子巻線、可動子に界磁とした永久磁石を持つ構造で説明したが、固定子に永久磁石、可動子に電機子巻線を持つ逆の構造としても良い。
また、可動子の形状を口の字形としたが、凹形や片側に永久磁石を並べるだけの構造としても、本発明が成り立つことは言うまでもない。
図7は本発明の第3実施例を示すキャンド・リニアモータであって、(a)はその全体斜視図、(b)は(a)のA−A’線に沿って断面を1/4にカットした正断面図である。
本発明の構成要素が従来技術と同じものについては、同一符号を付して説明する。
図において、40が樹脂層を多層化して構成した絶縁積層体である。本発明の可動子25の構造は、従来技術と全く同じである。一方、固定子1は、内部を中空とする口の字形の金属製の筐体2と、筐体2の中空部分を覆うため筐体2の外形を象った板状のキャン3と、キャン3を筐体2に固定するためのキャン固定用ボルト13と、キャン固定用ボルト13の通し穴を持ちキャン3を均等な荷重でもって押えるための押え板14と、筐体2の中空内に配置された3相の電機子巻線18および絶縁積層体40と、筐体2の中空部より少し大き目に象られたOリング21により構成されている。キャン3の材質は樹脂製であり、例えば熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂や熱可塑性樹脂のポリフェニレンサルファイド(PPS)を使用している。筐体2の中空部の形状は、電機子巻線18の外周を囲うように象られている。電機子巻線18と一体になった巻線固定部(図示しない)は、筐体2の中空内に配置され、巻線固定部と筐体2とがボルトにより固定されている。筐体2の表裏の縁には、周回した溝が設けられており、そこにOリング21が配置されている。そして、キャン3が筐体2の表裏に配置されている。キャン3の上から筐体2の縁に沿って押え板14が敷かれ、キャン固定用ボルト13にて締め付けられ、キャン3と筐体2は固定されている。電機子巻線18は、複数の集中巻コイルを3相分用意したもので構成されており、絶縁積層体40と一体に樹脂モールドされている。電機子巻線18への電力供給は、筐体2に取り付けられた端子台15から行われる。端子台15と電機子巻線18はリード線(図示しない)で各々電気的に接続されている。また、冷媒は筐体2に設けた冷媒供給口16より供給され、冷媒排出口17より排出される。その間に、冷媒は絶縁積層体40とキャン3の間にある冷媒通路5を流れ、発熱する電機子巻線18を冷却する。
図8は第3実施例を示す図7(b)におけるB部拡大図である。
図において、41が保護樹脂層、42が接着樹脂層、43が主絶縁樹脂層、44がモールド樹脂層である。絶縁積層体40は冷媒通路5側から保護樹脂層41、接着樹脂層42、主絶縁樹脂層43、モールド樹脂層44を積層して構成したものである。保護樹脂層41は主絶縁樹脂層43側への冷媒の吸水を抑制するとともに主絶縁樹脂層43を保護する役割がある。よって、保護樹脂層41には、吸水率が小さく薄肉でも破断することのないポリイミド樹脂やナイロン樹脂などを使用している。接着樹脂層42は保護樹脂層41と主絶縁樹脂層43を接着もしくは粘着する役割がある。よって、接着樹脂層42には、エポキシ系、シリコーン系、アクリル系の接着剤や粘着剤を使用している。主絶縁樹脂層43は冷媒の吸水を抑制し、耐冷媒絶縁を確保するとともに、電機子巻線18の発熱による温度上昇時においても軟化せずに絶縁性を長期確保する役割がある。よって、主絶縁樹脂層43には、吸水率が小さく絶縁抵抗の高い樹脂材であるエポキシ樹脂やポリエチレン樹脂を使用している。モールド樹脂層44は電機子巻線18と主絶縁樹脂層42を一体に固着する役割があることから、モールド材として一般的に用いられるエポキシ樹脂を使用している。
本発明が特許文献1と異なる部分は、固定子の内部にある電機子巻線と冷媒間に樹脂層を多層化して構成した絶縁積層体を備えた部分である。
このような構成により、電機子巻線の導線被覆にピンホールがあったとしても、また、推力の反作用や電機子巻線の発熱、高電圧印加があったとしても、多層の樹脂層が耐冷媒絶縁の役割を果たし、導電率の高い水による浸水下においても絶縁抵抗の低下を抑え、長期間、絶縁破壊を防ぐことができる。また、保護樹脂層が主絶縁樹脂層を保護するので、製作時に主絶縁樹脂層にキズ(ピンホール)が生じたとしても保護樹脂層がピンホール箇所への直接の浸水を食い止めることができ、ピンホールの亀裂進行を抑制し、長期絶縁信頼性を確保することができる。その結果、冷却能力の高い冷媒である水を使用し、リニアモータ表面の温度上昇を低減することができる。
次に本発明の第4実施例について説明する。
図9は第4実施例を示す図7(b)におけるB部拡大図である。図において、125が金属層である。第4実施例が第3実施例と異なる点は、絶縁積層体40の保護樹脂層41を金属層45に置き換えたことである。金属層45は第3実施例で使用した保護樹脂層41と同様に、主絶縁樹脂層43を保護する役割のほかに、主絶縁樹脂層43への冷媒の吸水を遮断する役割がある。よって、金属層45には薄肉のステンレス、珪素鋼板などを使用している。
このような構成により、第3実施例と同様に、導電率の高い水による浸水下においても長期間、絶縁破壊を防ぐことができる。さらに、金属層が内側への冷媒の吸水を遮断するので、主絶縁樹脂層の吸水による絶縁抵抗低下を無くすことができる。その結果、冷媒に導電率の高い水を使用したとしても、電機子巻線の絶縁抵抗低下や絶縁破壊を全く起こさず、リニアモータ表面の温度上昇を低減することができる。
次に本発明の第5実施例について説明する。
図10は第5実施例を示す図7(b)におけるB部拡大図である。図において、46が金属箔テープである。第5実施例5が第3実施例と異なる点は、金属層45と接着樹脂層42を金属箔テープ46に置き換えたことである。金属箔テープ46は、薄肉の金属箔の片面に接着剤もしくは粘着剤が設けられたものである。
このような構成により、金属層と接着樹脂層が極めて薄い金属箔テープに置き換えられ、絶縁積層体の厚さを減らし、冷媒通路の厚さを増やすことで、リニアモータ表面の温度上昇をさらに低減することができる。
次に本発明の第6実施例について説明する。
図11は第6実施例を示す図7(b)におけるB部拡大図である。図において、47が高強度絶縁樹脂層である。第6実施例6が第3実施例〜第5実施例と異なる点は、主絶縁樹脂層43にガラス繊維もしくはカーボン繊維を充填させた高強度絶縁樹脂層47に置き換えたことである。
このような構成により、絶縁積層体の機械強度を高めることができるので、電機子巻線に推力の反作用や発熱が生じたとしても絶縁積層体のクラック発生を防ぎ、クラック部の浸水に伴う絶縁破壊を防ぐことができる。よって、第3実施例〜第5実施例よりも機械的ストレスや熱的ストレスに対して、より絶縁信頼性を高めることができる。
次に本発明の第7実施例について説明する。
図12は第7実施例を示す図7(a)のA−A’線に沿って断面を1/4にカットしたキャンド・リニアモータの正断面図である。
図において、50が支柱、51が支柱用Oリング、52が支柱固定用ボルト、53が支柱固定用インサートナット、54が支柱用キャンである。第7実施例が第3実施例〜第6実施例と異なる点は、冷媒通路5内に支柱50を設けたことである。支柱50は主絶縁樹脂層43もしくは高強度絶縁樹脂層47と一体に形成されており、支柱50の先端に支柱用Oリング51が置かれると共に支柱固定用インサートナット53が埋め込まれ、支柱用固定ボルト52によって支柱用キャン54と機械的に締結されている。
このような構成により、冷媒流量の増加に伴う冷媒通路内の圧力上昇が起きたとしても、キャンの変形量を抑えることができる。よって、冷媒流量を増やすことができ、リニアモータ表面の温度上昇をさらに低減することができる。
次に本発明の第8実施例について説明する。
図13は第8実施例を示す図7(a)のA−A’線に沿って断面を1/4にカットしたキャンド・リニアモータの正断面図である。図において、55が湾曲キャンである。第8実施例が第7実施例と異なる点は、冷媒通路5内に設けていた支柱50を取り除き、予めV字状に湾曲させたキャン55を冷媒通路5側に凸面がくるように配置させたことである。
このような構成により、第7実施例同様、冷媒通路内の圧力が上昇したとしても、キャンの外側への膨らみ量を抑えることができる。よって、冷媒流量を増やしリニアモータ表面の温度上昇を低減することができる。さらには、請求項5記載のものに比べ支柱などの部材を用いないので、製作を容易にかつ安価にすることができる。
次に本発明の第9実施例について説明する。
図14は第9実施例を示すキャンド・リニアモータの全体斜視図である。図15は図14のA−A’線に沿って断面を1/4にカットした正断面図である。
図において、60が可動子、61が筐体、62がキャン、63が電機子巻線、64が端子台、65が冷媒供給口、66が冷媒排出口、67が冷媒通路、68が絶縁積層体、70が固定子、71が界磁ヨーク、72が永久磁石である。固定子70は、ストローク方向に長い円柱状の界磁ヨーク71の外周に多極を構成する複数の永久磁石72が配置されている。一方、可動子60は中間に電機子巻線63が配置され、その内外周に絶縁積層体68、冷媒通路67、キャン62が設けられている。ここで、筐体61とキャン62にはステンレスが使用され、これらは溶接によって接合されている。また、電機子巻線63は巻線固定部(図示しない)と一体にモールドされ筐体61とボルトにより固定されている。冷媒は一方の筐体61に設けられた冷媒供給口65から供給され、筐体61内部の管路を通り冷媒通路67に流れ、その後、他方の筐体61内の管路を通って冷媒排出口66から排出される。可動子60は、その中空空間内に固定子70が挿入され、図示しないリニアガイドや静圧案内軸受等によって支持されている。このような構成において、所定の電流を電機子巻線63に流すことで永久磁石72の作る磁界との作用により可動子60に推力が発生し、可動子60は矢印で示す進行方向に移動する。そのとき電機子巻線に生じる発熱はその表面を通る冷媒によって回収され、キャン表面の温度上昇を極めて小さなものにしている。
また、図15におけるB部を拡大したものは第3実施例〜第6実施例と同様の構造であり、図8から11に示されるものを円弧に形成したものと同じである。このように、第9実施例が第3実施例〜第8実施例と異なる点は、電機子巻線と永久磁石を円筒状に形成したことである。
このような構成により、第3実施例〜第6実施例と同様に、冷却能力の高い水を冷媒として使うことができ、リニアモータ表面の温度上昇を低減することができる。さらには、第3実施例〜第8実施例では電機子を構成する電機子巻線と界磁を構成する永久磁石を平板状に形成し、偏平なキャンド・リニアモータとしていたが、第9実施例では円筒状とすることで、電機子巻線のコイルエンド部を排除でき、体積の小さなキャンド・リニアモータを提供することができる。
なお、第1実施例〜第8実施例では固定子に電機子巻線、可動子に界磁永久磁石を持つ構造とし、第9実施例では可動子に電機子巻線、固定子に界磁永久磁石を持つ構造として説明したが、それが逆の構造であっても良い。また、第3実施例〜第8実施例では可動子の形状を口の字形としたが、凹形や片側に永久磁石を並べるだけの構造としても、本発明が成り立つことは言うまでもない。また、電機子巻線を複数の集中巻コイルで構成される3相の交流リニアモータとして説明したが、集中巻コイルを1個設けたいわゆるボイスコイルモータ(VCM)としたり、複数台の可動子と複数個の集中巻コイルを設けた多自由度動作するVCMとしても良い。また、電機子巻線を筐体に固定するための部材である巻線固定部(図示なし)を用いて説明したが、巻線固定部を主絶縁樹脂層や高強度樹脂層と一体に形成しても良い。さらに、支柱と主絶縁樹脂層や高強度樹脂層を一体に形成したもので説明したが、支柱をこれら樹脂層と別個にしたり、支柱とキャンを一体に形成したりしても、同様の効果が得られることは言うまでも無い。また、湾曲キャンをV字状に形成したもので説明したが、お椀形状としたり、凹状(階段状)としても同様の効果が得られることは言うまでも無い。
本発明は、電機子巻線と冷媒との間に多層の樹脂層や金属層を介在させて構成することによって、導電率の高い水を冷媒として使用しても、絶縁抵抗低下や絶縁破壊が起こさずリニアモータ表面の温度上昇を低減することができる。よって、温度上昇が極めて小さく長期絶縁信頼性が要求される半導体露光装置や検査装置などの用途に適用することができる。

Claims (7)

  1. 平板状に成形された複数のコイル群よりなる電機子巻線と、前記電機子巻線を額縁状に囲むように設けた金属製の筐体と、前記筐体の両開口部を密閉する片面もしくは両面に設けられたキャンと、前記電機子巻線と前記キャンとの間に形成された冷媒通路とを具備したキャンド・リニアモータ電機子において、前記電機子巻線をモールド樹脂でモールドし、前記電機子巻線と前記冷媒通路の間に樹脂層を多層に積層してなる絶縁積層体を介在させたことを特徴とするキャンド・リニアモータ電機子。
  2. 前記絶縁積層体を構成する樹脂層に金属層を積層させたことを特徴とする請求項記載のキャンド・リニアモータ電機子。
  3. 前記樹脂層は、ガラス繊維もしくはカーボン繊維を充填したものであることを特徴とする請求項またはに記載のキャンド・リニアモータ電機子。
  4. 前記金属層は、金属箔に接着剤もしくは粘着剤を有する金属箔テープで構成したものであることを特徴とする請求項に記載のキャンド・リニアモータ電機子。
  5. 請求項ないし請求項までの何れか1項に記載のキャンド・リニアモータ電機子と、前記電機子と磁気的空隙を介して対向配置されると共に交互に極性が異なる複数の永久磁石を隣り合わせて並べて配置した界磁とを備え、前記電機子と前記界磁の何れか一方を固定子に、他方を可動子として、前記界磁と前記電機子を相対的に走行するようにしたことを特徴とするキャンド・リニアモータ。
  6. 前記電機子と前記界磁を平板状に形成したことを特徴とする請求項記載のキャンド・リニアモータ。
  7. 前記電機子と前記界磁を円筒状に形成したことを特徴とする請求項記載のキャンド・リニアモータ。
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