JP2002320374A - キャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータ - Google Patents

キャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータ

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JP2002320374A JP2001122973A JP2001122973A JP2002320374A JP 2002320374 A JP2002320374 A JP 2002320374A JP 2001122973 A JP2001122973 A JP 2001122973A JP 2001122973 A JP2001122973 A JP 2001122973A JP 2002320374 A JP2002320374 A JP 2002320374A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャン板表面がUV光に曝露されても、キャ
ン板表面からの発塵および発ガスの低減できるキャンド
・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータを
提供する。 【解決手段】 芯金16と、芯金16の長手方向に沿っ
て固定される電機子巻線17と、芯金16を額縁状に囲
むように設けた梁19と、梁19の両開口部を密封する
キャン板12と、電機子巻線17の周囲に冷媒を流すこ
とができるように梁19とキャン板12とで構成される
密閉空間内に形成される冷媒通路18とを具備してなる
キャンド・リニアモータ電機子において、キャン板12
は樹脂板材で構成し、かつ樹脂板材の少なくとも外面ま
たは内面にコーティングカバー121を備えた。コーテ
ィングカバーとしては、メッキによる金属膜や、ステン
レスの箔・板を接着によりキャン板12に取り付けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリーンルーム内
で使用される半導体製造装置のリニアステージ等を高精
度・微細送りで駆動するリニアモータの電機子に関する
もので、特にそのキャン板構造に特徴を有するキャンド
・リニアモータ電機子およびそのキャンド・リニアモー
タに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体製造装置に用いられると共
に、低温度上昇と一定速送り精度が要求されるキャンド
・リニアモータとしては、例えば、特開2000−45
72号公報に開示されているようなガラス布をエポキシ
樹脂で固めて構成したキャン板構造を有するリニアモー
タが知られている。図5はその従来技術を示すキャンド
・リニアモータの電機子の正断面図である。図5におい
て、51は可動子、52はヨーク、53は永久磁石、5
4は固定子、55はキャン板、56は多相の電機子巻
線、57は冷媒通路、58は固定ネジ、59は固定ベー
スである。このキャンド・リニアモータは、固定子54
側に電機子巻線56を配設し、可動子51側にヨーク5
2および永久磁石53を配したいわゆる可動磁石型のロ
ングストロークタイプのものである。固定子54側に
は、第1および第2のキャン板55,55が固定ネジ5
8で互いに結合された状態で固定ベース59に固定配設
されている。キャン板55,55は、合成樹脂をシート
状の部材に含浸させて積層し押圧して形成された積層材
によって形成された板状部材である。積層材としてエポ
キシ樹脂を含浸させたガラス布を積層させてプレス成形
した積層材を用いている。この積層材は、まず紙や太糸
布、細糸布、ガラス布などのシート状部材にフェノール
樹脂やエポキシ樹脂、シリコン、メラミン樹脂、ポリエ
ステル等の合成樹脂を含浸させる。そして、このシート
状部材を多数重ねて積層し、これを多段積層プレス機等
により押圧し板状にして形成される。キャン板55,5
5の対向面(内面側)に設けられた巻線収容溝に電機子
巻線56が設けられ、また、冷媒を流通させるための冷
媒通路57が設けられて、電機子巻線56の周囲にまん
べんなく冷媒がまわり、電機子巻線56から発生した熱
を効率よく吸収するようにしている。一方、可動子51
の形状は、想像線で示すように、固定子54の電機子部
を挟み込むようにして凹字形を成している。可動子51
は、固定子54のキャン板55、55の両外側に磁気的
空隙を介して配置された永久磁石53,53と、永久磁
石53,53の作る磁束を通すための磁性体で作られた
界磁ヨーク52により構成されている。また、永久磁石
53は、可動子51の移動方向(紙面と垂直方向)に沿
って極ピッチごとに交互に極性が異なるように複数配置
されている。このように構成されたキャンド・リニアモ
ータは、可動子51と固定子54の電気的相対位置に応
じた所定の電流を電機子巻線56に流すことにより、可
動子51となる永久磁石53の作る磁界と作用して可動
子51に推力が発生する。この際、銅損によって発熱し
た電機子巻線56を冷媒により冷却し、固定子54の表
面の温度上昇を低く抑えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来技術のリニアモータでは、図6に示すように樹脂より
成るキャン板55の表面が滑らかでなくて細かな凹部が
あるため、その凹部に直接もしくは溜まった水分を介し
て0.1μm程度のパーティクルが付着したりすること
があることが判った。そのため、クリーンルーム内で半
導体露光装置のリニアステージ駆動として用いるとき、
キャン板表面が露光用光源からのUV(紫外線)により
曝露されると、付着力が弱まりキャン板表面からパーテ
ィクルが離散し、クリーン度の低下を招くことも判明し
た。また、キャン板表面が光源に曝露されると、図7に
示す樹脂を組成するCとH、および気中のO2がUVに
より励起されCH4、C26、CO2もしくはH2O等と
なり気中に拡散し、ケミカルクリーン度の低下を招く。
ケミカルクリーン度が低下、すなわちCH4、C26
CO2もしくはH2O等が存在すると、シリコンウエハに
これらCH4等が付着し、シリコンチップの製造歩留ま
りが悪化していた。以上のように、上述した従来のリニ
アモータでは露光用光源のUVにより曝露されると、キ
ャン板表面から発塵および発ガスが生じるという問題が
あった。また、キャン板内に流す冷媒の種類によって
は、樹脂中に冷媒が浸透・拡散しキャン板表面から冷媒
がにじみ出ることがあった。更に、樹脂が冷媒によって
次第に侵食され、長期間の使用では最悪の場合、樹脂に
穴があき、液漏れを起こすことも起こり得た。更に、リ
ニアステージに組みつける際に、キャン板表面がステー
ジ等と接触すると樹脂が傷つき、樹脂表面に一層の凹凸
ができるため、樹脂の露出表面積が増え、前記発塵およ
び発ガスが増加するという問題があった。本発明は、こ
れらの問題に鑑みてなされたものであり、露光用の光源
に曝露されても、キャン板表面からの発塵および発ガス
が少なく、また、キャン板内に流す冷媒によりキャン板
の樹脂が侵食されて液漏れすることがなく、更にリニア
ステージに組みつける際に、キャン板表面がステージ等
と接触して樹脂が傷つき露光表面積が増えることによる
発塵および発ガス発生の抑制が可能なキャン板構造を持
つキャンド・モータ電機子およびキャンド・リニアモー
タを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、請求項1記載のキャンド・リニアモータ電機子の発
明は、芯金と、前記芯金の長手方向に沿って固定される
電機子巻線と、前記芯金を額縁状に囲むように設けた梁
と、前記梁の両開口部を密封するキャン板と、前記電機
子巻線の周囲に冷媒を流すことができるように前記梁と
前記キャン板とで構成される密閉空間内に形成される冷
媒通路とを具備してなるキャンド・リニアモータ電機子
において、前記キャン板を樹脂板材で構成し、かつ前記
樹脂板材の少なくとも外面または内面にコーティングカ
バーを備えたことを特徴とする。請求項1記載の構成に
より、キャン板を構成する樹脂板材の少なくとも外面ま
たは内面はコーティングカバーにより覆われることにな
るので、クリーンルーム内で半導体露光装置のリニアス
テージ駆動用として用いるとき、キャン板表面が露光用
の光源に曝露されても、キャン板表面からの発塵および
発ガスを少なくし、発塵・発ガスの問題を低減すること
ができ、また、キャン板内に流す冷媒によりキャン板の
樹脂が侵食されても液漏れを低減することができる。請
求項2記載の発明は、請求項1記載のキャンド・リニア
モータ電機子において、前記コーティングカバーが金属
の膜、箔または板であることを特徴とする。請求項2記
載の構成により、前記コーティングカバーを金属の膜、
箔または板で構成するため、キャン板を構成する樹脂板
材の少なくとも外面または内面は金属の膜、箔または板
により覆われることになり、クリーンルーム内で半導体
露光装置のリニアステージ駆動用として用いるとき、キ
ャン板表面が露光用の光源に曝露されても、キャン板表
面からの発塵および発ガスを少なくし、ケミカルクリー
ンの問題を低減することができ、また、キャン板内に流
す冷媒によりキャン板の樹脂が侵食され液漏れを低減す
ることができると共に、機械的衝撃に対しても強固にす
ることができる。そのため、リニアステージに組みつけ
る際に、キャン板表面がステージ等と接触することによ
り生じるキャン板表面の凸凹が生じることによる露出面
積の増加を押えることができ、発塵または発ガスの増加
を抑制できる。
【0005】請求項3記載の発明は、請求項2記載のキ
ャンド・リニアモータ電機子において、前記金属の膜を
メッキにより構成したことを特徴とする。請求項3記載
の構成により、請求項2記載のコーティングカバーとし
て金属のメッキ膜を用いるため、キャン板を構成する樹
脂板材の少なくとも外面または内面は機械的衝撃に対し
ても強固なメッキにより覆われることになり、クリーン
ルーム内で半導体露光装置のリニアステージ駆動用とし
て用いるとき、キャン板表面が露光用の光源に曝露され
ても、キャン板表面からの発塵および発ガスの問題を低
減することができ、また、キャン板内に流す冷媒により
キャン板の樹脂が侵食されても液漏れを低減することが
できると共に、ステンレスはヤング率が高く皺になり難
いために接着作業が容易に行え、大掛かりな設備が不要
であるので、少量の台数を安価に製作することができ
る。請求項4記載の発明は、請求項2記載のキャンド・
リニアモータ電機子において、前記金属の箔または板を
ステンレスで構成したことを特徴とする。また、請求項
5記載の発明は、請求項4記載のキャンド・リニアモー
タ電機子において、前記ステンレスの箔または板を前記
キャン板に接着により取り付けたことを特徴とする。請
求項4および5記載の構成により、請求項2記載のコー
ティングカバーとしてステンレスよりなる箔または板を
用い、これをキャン板に接着するため、キャン板を構成
する樹脂板材の少なくとも外面または内面は機械的衝撃
に対しても強固なステンレスにより覆われることにな
り、クリーンルーム内で半導体露光装置のリニアステー
ジ駆動用として用いるとき、キャン板表面が露光用の光
源に曝露されても、キャン板表面からの発塵および発ガ
スの問題を低減することができ、また、キャン板内に流
す冷媒によりキャン板の樹脂が侵食されても液漏れを低
減することができると共に、ステンレスはヤング率が高
く皺になり難いために接着作業が容易に行え、大掛かり
な設備が不要であるので、少量の台数を安価に製作する
ことができる。請求項6記載の発明は、請求項1〜5の
いずれか1項記載のキャンド・リニアモータ電機子にお
いて、前記樹脂板材をガラス繊維又はカーボン繊維を充
填した樹脂で構成したことを特徴とする。請求項6記載
の構成により、冷媒の圧力による可動子に対向する空隙
へのキャン板変形を抑えることができるのでキャン板の
弾性疲労がなくなり液漏れを低減することができると共
に、、冷媒流量の増加が図れ、温度上昇を低減すること
ができる。
【0006】請求項7記載のキャンド・リニアモータの
発明は、請求項1〜6の何れか1項に記載の電機子と、
前記電機子と磁気的空隙を介して対向配置されると共に
交互に極性が異なる複数の永久磁石を隣り合わせに並べ
て配置した界磁ヨークとを備え、前記前記電機子と前記
界磁ヨークの何れか一方を固定子に、他方を可動子とし
て、前記界磁ヨークと前記電機子を相対的に走行するよ
うにしたことを特徴とする。請求項7記載の構成によ
り、前記請求項1から4記載のキャン板構造の電機子
は、キャン板を構成する樹脂板材の少なくとも外面また
は内面はコーティングカバーにより覆われることにな
り、クリーンルーム内で半導体露光装置のリニアステー
ジ駆動用として用いるとき、キャン板表面が露光用の光
源に曝露されても、キャン板表面からの発塵および発ガ
スの問題を低減することができ、また、キャン板内に流
す冷媒によりキャン板の樹脂が侵食されても液漏れを低
減することができる。さらに、このようなキャンド・リ
ニアモータにおいて、電機子巻線を有する電気装苛手段
を固定子とし、永久磁石により構成される磁気装荷手段
を移動子とすると、該固定子を覆うキャン板は直接気中
に露出するために、発塵・発ガスの問題を低減する効果
は一層大きい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施例を図
1〜図3を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施
例を示すキャンド・リニアモータ(磁束貫通形)の全体
斜視図である。図において、10は固定子、11は固定
子ベース、12はキャン板、13はヘッダ、14は冷媒
供給口、15は冷媒排出口、20は可動子、21は可動
子ベース、22は界磁ヨーク、23は永久磁石である。
固定子10は、2枚のキャン板12と、この2枚のキャ
ン板12を上部と下部とで互いに結合する梁19と、2
枚のキャン板12と梁19とから成る空間を長さ方向の
先端と後端で密封しているヘッダ13と、このキャン板
12と梁19とヘッダ13とから成る閉じた空間内に配
置される芯金16と、芯金16の長手方向に沿って固定
される3相の電機子巻線17と、キャン板12の中を冷
媒が通過する冷媒通路18とにより構成されている。ヘ
ッダ13はステンレス製鋳物で形成され、キャン板12
の両端のうち、一方端に冷媒を通すための冷媒供給口1
4を持ち、他端に冷媒排出口15を各々持っている。キ
ャン板12および梁19とヘッダ13とは接合面で溶接
によって接合されている。また、冷媒を冷媒供給口14
より供給して、冷媒排出口15より排出することによ
り、冷媒は電機子巻線17とキャン板12の間にある冷
媒通路18を流れる。一方、可動子20の形状は、固定
子10の電機子部を挟み込むようにして逆凹字形を成し
ている。可動子20は、固定子10のキャン板12の両
側に磁気的空隙を介して配置された永久磁石23、永久
磁石23の作る磁束を通すための磁性体で作られた界磁
ヨーク22、それらを支持する可動子ベース21により
構成されている。また、永久磁石23は、可動子の移動
方向(図の矢印方向)に沿って、極ピッチごとに交互に
極性が異なるように複数配置されている。可動子20
は、図示しないリニアガイド等によって固定子10に対
して支持されている。このように構成されたキャンド・
リニアモータは、可動子20と固定子10の電気的相対
位置に応じた所定の電流を電機子巻線17に流すことに
より、可動子20となる永久磁石23の作る磁界と作用
して可動子20に推力が発生し、可動子20は矢印で示
す進行方向に移動する。その際、銅損によって発熱した
電機子巻線17を冷媒により冷却することによって、固
定子10の表面の温度上昇を低く抑えている。
【0008】図2は図1のA−A線に沿うキャンド・リ
ニアモータの正断面図である。図2において、10は固
定子、12はキャン板、16は芯金、17は電機子巻
線、18は冷媒通路、19は梁である。キャン板12
は、基材として樹脂板材122を用い、樹脂板材122
としてはガラス布をエポキシ樹脂で固めた板状のGFR
P、もしくは、カーボン繊維をエポキシ樹脂で固めた板
状のCFRPを用いることができる。これらは流通性が
良く比較的安価に入手できるものである。芯金16はそ
れ自身の強度を要求されるため、ステンレスが使われて
いる。電機子巻線17は、例えば複数の集中巻コイルを
3相分用意したもので構成され、芯金16の左右両側に
貼り付けられている。梁19は固定子10のたわみに対
する強度材となっており、本実施例の場合には、ステン
レス材の機械加工、もしくはアルミ材の機械加工もしく
はダイカスト成形により構成でき、本実施例では、アル
ミ材の機械加工により構成した。このように、芯金16
には長手方向に沿って両面を挟むように電機子巻線17
が貼り付けられ、芯金16は上下の梁19間に固定され
ている。また、梁19には、電機子巻線17の表面と所
望の隙間を保ちながらこれらの電機子巻線17を覆うよ
うにキャン板12を取りつけている。そして、電機子巻
線17とキャン板12の隙間には、電機子巻線17を冷
却するための冷媒が流れるようになっており、そのため
梁19とキャン板12とは図示していないOリング等を
用いて密閉するように固定した。冷媒は、近年オゾン層
破壊の問題から、フロリナートに代わりHFE−720
0等が用いられるようになってきており、樹脂の溶解性
は無視できない。本発明の実施例では、冷媒にHFE−
7200を用いた。そして、121が本発明により設け
られるコーティングカバー(後述)で、キャン板12の
基材である樹脂板材122を覆って、樹脂板材122の
表面から塵やガスの離反を低減している。
【0009】図3は図2のキャン板12の構成を説明す
る拡大正断面図である。図3において、10は固定子、
12はキャン板、121は本発明により設けられたコー
ティングカバー、122はキャン板材(樹脂板材)、1
9は梁である。図3に示すように、キャン板12は、永
久磁石3(図2)と対向する樹脂板材122の外面およ
び電機子巻線17(図2)と対向する内面に、樹脂板材
122を覆うコーティングカバー121を設けるように
構成した。以上のようなキャン板の構造によれば、キャ
ン板材12を構成する樹脂板材122の少なくとも外面
または内面にコーティングカバー121を備えたことに
より、クリーンルーム内で半導体露光装置のリニアステ
ージ駆動用として用いるとき、キャン板表面が露光用光
源のUVに曝露されても、キャン板表面からの発塵およ
び発ガスを少なくし、ケミカルクリーンの問題を低減す
ることができ、また、キャン板内に流す冷媒によりキャ
ン板の樹脂が侵食されても液漏れを低減することができ
る。表1に、コーティングカバーの有無によるパーティ
クル数を表面にUVを照射してカウントした結果を示
す。
【0010】
【表1】 本実施例では樹脂板材に板状のCFRPを用い、コーテ
ィングカバー121は下記の第2の実施例に示すニッケ
ルメッキにより構成した。表1に示すように、コーティ
ングカバーなしの場合だとパーティクルの発生がクラス
15であったものが、コーティングカバー121を設け
るとクラス3と激減した。このように、コーティングカ
バー121を付けることにより、樹脂板材55の表面の
凹凸が少なくなるのでその凹部に直接もしくは水分を介
してパーティクルが樹脂板材55の表面に付きにくくな
るため、発塵は激減した。すなわち、コーティングカバ
ーがあるリニアモータは、光源に曝露されても殆ど発塵
しないことが確認できた。また、本発明のようにコーテ
ィングカバーを用いると、仮に冷媒によって樹脂が侵食
され、樹脂に穴が開いてもコーティングカバーで防止で
きる。更に樹脂の侵食は、樹脂とコーティングカバーの
間を毛細管現象を伴って徐々に進行するため、急激かつ
突然の大量の液漏れは防止できる。
【0011】次に、本発明のコーティングカバーの具体
例について説明する。図4は、コーティングカバーの具
体例を表すキャン板の拡大正断面図で、図4(A)はコ
ーティングカバーの一具体例、図4(B)は別の具体例
を示している。まず、図4(A)において、10は固定
子、12はキャン板、121aは本実施例による金属の
膜、122はキャン板材(樹脂板材)、19は梁であ
る。キャン板材122および梁19は図3で示したもの
と同じであり、キャン板121は図示していないOリン
グ等を用いて密閉するよう固定した。図3で示した樹脂
板材122の外面および内面のコーティングカバー12
1として、金属の膜121aが形成されている。そし
て、この金属の膜121aはメッキにより設ける構成と
している。本実施例ではニッケルメッキで行ったが、そ
の他、亜鉛メッキ、銅メッキまたはアルミメッキにより
行っても良く、その厚さは3〜20μm程度が良い。以
上のキャン板構造によれば、キャン板材12を構成する
樹脂板材122の少なくとも外面または内面にメッキで
構成された金属の膜121aによるコーティングカバー
を備えたことにより、クリーンルーム内で半導体露光装
置のリニアステージ駆動用として用いるとき、キャン板
表面が露光用光源のUVに曝露されても、キャン板表面
からの発塵および発ガスの問題を低減することができ、
また、キャン板内に流す冷媒によりキャン板の樹脂が侵
食されても液漏れを低減することができると共に、樹脂
より成るキャン板をメッキにより構成した金属で覆うた
めに機械的衝撃に対しても強固にすることができる。そ
のため、リニアステージに組みつける際に、キャン板表
面がステージ等と接触することにより生じるキャン板表
面の凸凹が生じることによる露出面積の増加を押えるこ
とができ、発塵または発ガスの増加を抑制できる。ま
た、コーティングカバーをメッキにより構成するため、
コーティングカバーを樹脂板材の表面に設ける作業が大
幅に簡素化でき、大量の台数を安価に製作することがで
きる。
【0012】次に、図4(B)について説明する。図4
(B)において、10は固定子、12はキャン板、12
1bは本実施例による金属の箔、122はキャン板材
(樹脂板材)、19は梁である。キャン板材122およ
び梁19は図3で示したものと同じであり、キャン板1
21は図示していないOリング等を用いて密閉するよう
固定した。図3で示した樹脂板材122の外面および内
面のコーティングカバー121として、金属の箔121
bが形成されている。本実施例では金属の箔121b
を、厚さ5〜20μm程度のステンレスにより構成し、
これを接着によってキャン板材122に貼り付けた。以
上のキャン板構造によれば、キャン板材12を構成する
樹脂板材122の少なくとも外面または内面に機械的衝
撃に対しても強固なステンレスよりなるコーティングカ
バー121bを備えたことにより、クリーンルーム内で
半導体露光装置のリニアステージ駆動用として用いると
き、キャン板表面が露光用光源のUVに曝露されても、
キャン板表面からの発塵および発ガスを少なくし、ケミ
カルクリーンの問題を低減することができ、また、キャ
ン板内に流す冷媒によりキャン板の樹脂が侵食されても
液漏れ低減することができると共に、ステンレスよりな
る箔は、ヤング率が高く皺になり難いため、金属箔とし
てステンレスを用いることは接着作業が容易に行え、少
量の台数を製作する際は大掛かりな設備が不要という利
点を有する。なお、本実施例ではコーティングカバーと
して金属の箔を用いているが、他に金属の板でもかまわ
ない。金属の箔を用いたコーティングカバーの有無によ
るパーティクル数を表面にUVを照射して、カウントし
た結果、表1と同じような結果が得られた。すなわち、
コーティングカバーなしの場合だとパーティクルの発生
がクラス15であったものが、金属の箔を用いたコーテ
ィングカバー121を設けるとクラス3にまで激減し
た。なお、以上の実施例では、固定子に電機子巻線、可
動子に界磁とした永久磁石を持つ構造で説明したが、可
動子に電機子巻線を、固定子に永久磁石を持つ逆の構造
としても良い。
【0013】
【発明の効果】以上説明した本発明の実施例におけるキ
ャン板構造のキャンド・リニアモータ電機子により、以
下のような効果がある。 コーティングカバーを備えたことにより、クリーン
ルーム内で半導体露光装置のリニアステージ駆動用とし
て用いるとき、キャン板表面が露光用の光源に曝露され
ても、キャン板表面からの発塵および発ガスの問題を低
減することができる。 また、コーティングカバーを備えたことにより、キ
ャン板内に流す冷媒によりキャン板の樹脂が侵食されて
も液漏れを低減することができる。 コーティングカバーを金属の膜・箔・板で構成する
ため、上記、の他に、機械的衝撃に対しても強固に
することができる。そのため、リニアステージに組みつ
ける際に、キャン板表面がステージ等と接触することに
より生じるキャン板表面の凸凹が生じることによる露出
面積の増加を押えることができ、発塵または発ガスの増
加を抑制できる。 金属の膜・箔・板よりなるコーティングカバーをメ
ッキにより構成するため、上記、、の他に、大量
の台数を安価に製作することができる。 コーティングカバーとしてステンレスの箔・板を樹
脂板材に接着しているため、ステンレスはヤング率が高
く皺になり難いことから、接着作業が容易に行え、大掛
かりな設備が不要であるので、少量の台数を安価に製作
することができる。 キャンド・リニアモータにおいて、電機子巻線を有
する電気装苛手段を固定子とし、永久磁石により構成さ
れる磁気装荷手段を移動子とすると、固定子を覆うキャ
ン板は直接気中に露出するために、ケミカルクリーンの
問題を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すキャンド・リニア
モータの全体斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿うキャンド・リニアモータ
の正断面図である。
【図3】図2のキャン板12の構成を説明する拡大正断
面図である。
【図4】本発明のコーティングカバーの具体的実施例を
表すキャン板の拡大正断面図で、(A)はコーティング
カバーの一具体例、(B)は別の具体例を示している。
【図5】従来のキャン板の構成を示す構成説明図であ
る。
【図6】樹脂表面と発塵の説明図である。
【図7】樹脂組成と発ガスの説明図である。
【符号の説明】
10 固定子 11 固定子ベース 12 キャン板 121 コーティングカバー 121a 金属膜 121b 金属箔 122 キャン板材(樹脂板材) 13 ヘッダ 14 冷媒供給口 15 冷媒排出口 16 芯金 17 電機子巻線 18 冷媒通路 19 梁 20 可動子 21 可動子ベース 22 界磁ヨーク 23 永久磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H641 BB06 BB19 GG02 GG05 GG07 GG11 HH03 HH05 HH06 JA09 JB05 JB09 JB10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯金と、前記芯金の長手方向に沿って固
    定される電機子巻線と、前記芯金を額縁状に囲むように
    設けた梁と、前記梁の両開口部を密封するキャン板と、
    前記電機子巻線の周囲に冷媒を流すことができるように
    前記梁と前記キャン板とで構成される密閉空間内に形成
    される冷媒通路とを具備してなるキャンド・リニアモー
    タ電機子において、 前記キャン板は樹脂板材で構成し、かつ前記樹脂板材の
    少なくとも外面または内面にコーティングカバーを備え
    たことを特徴とするキャンド・リニアモータ電機子。
  2. 【請求項2】 前記コーティングカバーが金属の膜、箔
    または板であることを特徴とする請求項1記載のキャン
    ド・リニアモータ電機子。
  3. 【請求項3】 前記金属の膜をメッキにより構成したこ
    とを特徴とする請求項2記載のキャンド・リニアモータ
    電機子。
  4. 【請求項4】 前記金属の箔または板がステンレスで構
    成したことを特徴とする請求項2記載のキャンド・リニ
    アモータ電機子。
  5. 【請求項5】 前記ステンレスの箔または板を前記キャ
    ン板に接着により取り付けたことを特徴とする請求項4
    記載のキャンド・リニアモータ電機子。
  6. 【請求項6】 前記樹脂板材がガラス繊維又はカーボン
    繊維を充填した樹脂で構成したことを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか1項記載のキャンド・リニアモータ電
    機子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項に記載の電機
    子と、前記電機子と磁気的空隙を介して対向配置される
    と共に交互に極性が異なる複数の永久磁石を隣り合わせ
    に並べて配置した界磁ヨークとを備え、前記前記電機子
    と前記界磁ヨークの何れか一方を固定子に、他方を可動
    子として、前記界磁ヨークと前記電機子を相対的に走行
    するようにしたことを特徴とするキャンド・リニアモー
    タ。
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