JP4333277B2 - 低騒音リアクトル及びその製造方法 - Google Patents
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このリアクトルを構成するコアは、ワニス含浸された複数の積層鋼板を、直接又はギャップスペーサを介して互いに突き当て、その突き当て面同士を固定用接着剤により接着固定することで得られることが多く、コアの積層鋼板間の電磁吸引力による振動が騒音発生の大きな原因となっている。
従って、騒音を抑制するためには、積層鋼板間の電磁吸引力による振動対策を行うことが必要である。
特許文献1では、ワニス含浸した積層鋼板の突き当て部同士の接着固定、及びコアとコイルとの固定等を、接着強度が100kgf/cm2以上で硬度Hvが50以上の固定用接着剤にて行うことにより、騒音低減を図る技術が開示されている。
つまり、前述の固定用接着剤の接着強度は、金属等に対しては大きいが、積層鋼板に含浸されるワニスに対してはそれほど高くない。
そして、この固定用接着剤により接着される積層鋼板の突き当て部にワニスが付着しているため、積層鋼板の突き当て部同士で大きな接着力を確保することができず、積層鋼板間の電磁吸引力による振動を効果的に抑えることが困難であった。
特に、車載環境や高電圧・大電流による作動の繰り返しといった過酷な使用環境の元では、組立当初は積層鋼板同士が強固に接着されていたとしても、経時的に接着強度が低下し、騒音の増加に繋がる。
即ち、請求項1記載の如く、ワニス含浸された複数の積層鋼板を、直接又はギャップスペーサを介して互いに突き当て、その突き当て面同士を固定用接着剤により接着固定することでコアが構成されるリアクトルにおいて、前記積層鋼板の突き当て面における各鋼板間には段差が生じており、積層鋼板の突き当て面に付着している含浸ワニスのみを選択的に除去し、各積層鋼板の突き当て面に付着しているワニスを除去した状態で、積層鋼板の突き当て面間又は積層鋼板とギャップスペーサとの間に前記固定用接着剤を充填して硬化させて、低騒音リアクトルを構成した。
このように、金属面が露出した突き当て面同士、又は該突き当て面とギャップスペーサとを前記固定用接着剤にて接着することで、両者を強固に固定することができ、磁路を流れる磁束の変化に伴う吸引力や磁歪により、積層鋼板やギャップスペーサに応力がかかって、該積層鋼板及びギャップスペーサが振動したり、両者が接触したりすることを防止でき、騒音低減を図ることができる。
また、熱サイクルや衝撃による劣化を防止して、経時的に騒音が増加することも防ぐことができる。
これにより、突き当て面に、固定用接着剤が略空隙なく充填されることとなり、磁束の変化に伴う吸引力や磁歪によって積層鋼板やギャップスペーサにかかる応力を、該固定用接着剤により緩和・分散して振動を抑制することができる。
このように、含浸ワニスを除去して金属面が露出した突き当て面同士、又は該突き当て面とギャップスペーサとを前記固定用接着剤にて接着することで、両者を強固に固定することができ、磁路を流れる磁束の変化に伴う吸引力や磁歪により、積層鋼板やギャップスペーサに応力がかかって、該積層鋼板及びギャップスペーサが振動したり、両者が接触したりすることを防止でき、騒音低減を図ることができる。
また、熱サイクルや衝撃による劣化を防止して、経時的に騒音が増加することも防ぐことができる。
これにより、研磨部材で積層鋼板を傷付けたり、各鋼板間を短絡させたりすることなく、含浸ワニスのみを選択的に除去することができ、損失の増大や発熱を防止することが可能となる。
そして、各鋼板間の短絡による損失の増大を防止することにより、車両では特に燃費の向上を図ることができる。
また、熱サイクルや衝撃による劣化を防止して、経時的に騒音が増加することも防ぐことができる。
さらに、含浸ワニスの除去時には、各鋼板間の短絡による損失の増大を防止して、車両では特に燃費の向上を図ることができる。
図1には、本発明にかかる低騒音リアクトルのコア1を示している。コア1は、複数の積層鋼板11の突き当て面11aを、平板状のギャップスペーサ12を介して互いに突き当てて構成されている。
なお、各鋼板同士の接着は、含浸ワニスのほか、エポキシ系やアクリル系の含浸接着剤にて行うことも可能である。
積層鋼板11の突き当て面11aと突き当て面11aとの間に介装されるギャップスペーサ12は、セラミックス、ガラス、又はガラスエポキシ基板等といった非磁性体且つ絶縁体の部材にて構成されている。
この、突き当て面11aとギャップスペーサ12とを接着固定する固定用接着剤は、硬化時にショア硬度(Dスケール)で80以上の硬度を有するものを用いることが望ましい。
なお、突き当て面11aと突き当て面11aとの間にギャップスペーサ12を介装せず、該突き当て面11aと突き当て面11aとを直接突き当てて接着することも可能である。
この突き当て面11aに含浸ワニス15が付着した状態で、突き当て面11aとギャップスペーサ12とを接着、又は突き当て面11a同士を接着した場合、含浸ワニス15と固定用接着剤との結合力が弱いため、接着強度は低くなる。
従って、コア1に熱サイクルや衝撃がかかると、固定用接着剤による突き当て面11aとギャップスペーサ12との接着部、又は突き当て面11a同士の接着部が劣化又は破壊して、電磁吸引力による振動により生じる騒音の原因となる。
図3、図4には、突き当て面11aに付着している含浸ワニスを除去するワニス除去装置21を示している。
ローラ部材22は、積層鋼板11の積層方向(図3における上下方向)と直交する方向(図3における水平方向)に回転しており、積層される鋼板の層に沿って金属ワイヤブラシ22aが接触して、含浸ワニスを掻き取っていく。
なお、ローラ部材22の回転数は、例えば1000rpm〜2000rpmに設定されている。
各鋼板間の短絡による損失の増大を防止することにより、車両では特に燃費の向上を図ることができる。
図2(a)に示すように、積層鋼板11の各鋼板間には段差が生じているが、この各鋼板の層に沿って金属ワイヤブラシ22aが回転及び相対的に移動することで、段差部に入り込んでいる含浸ワニスを効率的に短時間で確実に除去することが可能となっている。
なお、前記寸法D1及び寸法D2は、例えば0.1〜0.5mm程度に設定されている。
また、熱サイクルや衝撃による劣化を防止して、経時的に騒音が増加することも防ぐことができる。
これは、以下の理由による。
しかし、固定用接着剤16が突き当て面11a全体に塗布されて空隙なく充填されていると、磁束の変化に伴う吸引力や磁歪によって積層鋼板11やギャップスペーサ12にかかる応力を、固定用接着剤16により緩和・分散して振動を抑制することができる。
図8に示すリアクトルのコア50は、複数の積層鋼板ユニット51を、平板状のギャップスペーサ63を介して互いに突き当てて構成されている。
U字積層鋼板61の突き当て面61a及びI字積層鋼板62の突き当て面62aは、前述のワニス除去装置21により含浸ワニスが除去されて金属面が露出した状態となっており、該突き当て面61aとギャップスペーサ63、及び突き当て面62aとギャップスペーサ63とは、前記固定用接着剤16にて接着されている。
樹脂ボビン64は、ギャップスペーサ63を介して接着されたU字積層鋼板61及びI字積層鋼板62を金型にインサートした状態で一体樹脂成形される。
このように、U字積層鋼板61及びI字積層鋼板62とギャップスペーサ63とを、所定間隔dだけ離れた状態で、固定用接着剤16により接着固定することで、該U字積層鋼板61、I字積層鋼板62、及びギャップスペーサ63の変位を抑制するとともに、これらの部材にかかる応力を緩和することができ、振動を抑えて騒音を大幅に低減することが可能となっている。
また、熱サイクルや衝撃による劣化を防止して、過酷な使用条件下においても経時的に騒音が増加することも防ぐことができる。
11 積層鋼板
11a 突き当て面
12 ギャップスペーサ
15 含浸ワニス
16 固定用接着剤
21 ワニス除去装置 22a 金属ワイヤブラシ
Claims (4)
- ワニス含浸された複数の積層鋼板を、直接又はギャップスペーサを介して互いに突き当て、その突き当て面同士を固定用接着剤により接着固定することでコアが構成されるリアクトルにおいて、
前記積層鋼板の突き当て面における各鋼板間には段差が生じており、
積層鋼板の突き当て面に付着している含浸ワニスのみを選択的に除去し、
各積層鋼板の突き当て面に付着しているワニスを除去した状態で、
積層鋼板の突き当て面間又は積層鋼板とギャップスペーサとの間に前記固定用接着剤を充填して硬化させたことを特徴とする低騒音リアクトル。 - 前記積層鋼板の突き当て面における固定用接着剤の広がり面積が、突き当て面全体の面積の80%以上であることを特徴とする請求項1に記載の低騒音リアクトル。
- 複数のワニス含浸された積層鋼板を、直接又はギャップスペーサを介して互いに突き当て、その突き当て面同士を固定用接着剤により接着固定することでコアが構成されるリアクトルにおいて、
前記積層鋼板の突き当て面における各鋼板間には段差が生じており、
コアの組立時に、
積層鋼板の突き当て面に付着している含浸ワニスのみを選択的に除去した後、
積層鋼板の突き当て面間又は積層鋼板とギャップスペーサとの間に前記固定用接着剤を充填して硬化させることを特徴とする低騒音リアクトルの製造方法。 - 前記積層鋼板の突き当て面のワニス除去は、該突き当て面に研磨部材を当接し、積層鋼板の積層方向と直交する方向へ移動させることで行い、
前記研磨部材は、金属ワイヤブラシにて構成され、
前記金属ワイヤブラシを積層鋼板の積層方向と直交する方向に回転することで前記含浸ワニスを除去し、
前記積層鋼板を、該積層鋼板の突き当て面よりも突出するチャックおよびホルダにより固定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の低騒音リアクトルの製造方法。
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