JP6928531B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、磁路を構成する積層鉄心の脚部にコイルが巻回されたリアクトルに関する。
E型積層鉄心とI型積層鉄心とを組み合わせて閉磁路を構成し、前記閉磁路にスペーサー等を取り付けて、磁気ギャップを設けたコイル部品(以下、EI型リアクトルという)が知られている。このEI型リアクトルは、磁気ギャップによって鉄心を引き付ける力、いわゆる磁化力が強いことから、通電時の振動が大きく、うなり音(騒音)を発生しやすいという問題がある。特許文献1は、前記EI型リアクトルのE型積層鉄心とI型積層鉄心との間にH型スペーサーを設け、ワニス含浸することにより、磁気フリージングによる騒音を低減させるものである。
特許文献2には、EI型リアクトルの磁心の接合部の特性改善を目的として、両先端に三角形のテーパを設けたI型積層鉄心と、それを両外側から挟み込む一対のC形積層鉄心から構成されたコイル部品(以下、CI型リアクトルという)が示されている。このものでは、鉄心組み立て時の作業性改善を目的として、CI型リアクトルのI形積層鉄心として、対をなす薄板状のI形鉄心の間に、長手方向の中央部にギャップが設けられた積層鉄心を挟み込んでブロック化したものを用いている。
特開2010−123650号公報 特開平7−22248号公報
しかしながら、特許文献1のEI型リアクトルは磁気フリージングによる騒音を低減させるものであり、磁気ギャップ部に近接する鉄心そのものから発生する振動を低減するには及ばない。
また、セットを小型化するためにリアクトルの電流容量をアップさせたり、セットの駆動周波数を高くしたりすると、振動が増大し騒音が大きくなる。そのため、騒音低減効果が十分発揮されない。これに対し、鉄心積厚方向の溶接箇所を増やして、鉄心単体の振動を減らす手段をとることも考えられるが、それでも十分な騒音低減効果を得るには及ばない。
また、EI型リアクトルにおいて低騒音化を進めるために、リアクトルのサイズを大きくして磁束密度を下げる方法があるが、コスト面での問題があり、さらにリアクトルが組み込まれる電気機器等の小型化の障害になるという問題がある。
特許文献2のCI型リアクトルは、C型積層鉄心の接合面(特許文献2におけるテーパ面)とI型積層鉄心の接合面(特許文献2におけるテーパ面)とを密着させかつI型積層鉄心の長手方向の中間部分にギャップを設けている。これにより、騒音を低減することはできるが、磁気ギャップを構成する鉄心の一部がつながっているため、インダクタンスの電流に対する飽和特性が悪くなるという問題を有していた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、インダクタンスの電流に対する飽和特性を損なうことなく、低騒音化を実現したリアクトルを提供することを目的とする。
本発明の第1態様に係るリアクトルは、長さ方向の両端部の各々に、長さ方向の端部側に向かって互いに近づくように傾斜する一対の第1傾斜面が設けられたI型の第1積層鉄心と、前記第1積層鉄心の第1傾斜面にそれぞれ対向する第2傾斜面を有し、前記第1積層鉄心と閉磁路を形成するように組み合わされる第2積層鉄心とを備え、前記第1積層鉄心の第1傾斜面と、該第1傾斜面に対向する前記第2積層鉄心の第2傾斜面との間には、スペーサーが介在されて磁気ギャップを構成していることを特徴とする。
本形態によると、第1積層鉄心の両先端(2箇所)に磁気ギャップを設けたことで、リアクトルを駆動した際の、磁気ギャップ部分に近接する鉄心(第1積層鉄心、第2積層鉄心)そのものから発生する振動が分散される。これにより、振動を低減することができ、低騒音を実現することができる。
さらに、第1傾斜面(第2傾斜面)を通過する際に、磁束が略直角に流れるので、磁気フリンジングを起こしにくくなり低騒音化を実現することができる。
上記第1態様のリアクトルにおいて、前記第2積層鉄心は、対をなすC型積層鉄心で構成され、前記第2積層鉄心の開放側端部同士が前記第1積層鉄心を挟み込んだ状態で接合されていてもよい。
このような構成にすることにより、仮にコイルが多少膨らんだとしも組み立てが可能になるとともに、第2鉄心積層鉄心が膨らんだコイルに密着するように組み込むことができる。これにより、リアクトルを駆動する際に発生するコイルの熱が第2鉄心積層鉄心を通じて放熱され、温度上昇が低減される。また、コイル自体の振動を抑えることができるので、更なる低騒音化も可能となる。このように、本態様に係る構成は、リアクトルの組み立て作業がしやすく、温度上昇も小さくできるものである。
さらに、前記第2積層鉄心の開放側端部には、前記第1積層鉄心を挟み込む際に互いを当接させて位置決めするための当接面が形成されていてもよい。
これにより、リアクトルを組み立てる際の位置合わせが容易になる。また、仮に、スペーサーの厚さが第1傾斜面と第2傾斜面との間のエアギャップよりも若干厚かった場合においても、組み立て作業の際に、当接面同士が当接するまで挟み込み方向への力を加え、その状態を保持したまま接合することが容易にできるようになっている。これにより、スペーサーの第1傾斜面/第2傾斜面への密着性を高めることができる。これにより、更なる低騒音化が可能となる。
上記第1態様のリアクトルにおいて、前記第2積層鉄心は、前記第1積層鉄心および前記スペーサーが挿通される収容空間を有し、該収容空間の内壁に前記傾斜面が形成されたO型積層鉄心で構成されていてもよい。
これにより、溶接等による接合作業を必要としないワニス含浸のみで組み立て可能なリアクトルを実現することができる。
上記第1態様のリアクトルにおいて、前記第1積層鉄心の長手方向中間部分には、コイルが巻回されており、前記第1積層鉄心の傾斜面は、前記コイルが巻かれた巻線領域の外側に半分以上形成されていてもよい。
この態様によると、コイルが巻かれた巻線領域外側の磁束密度の低い部分で磁気ギャップを形成することで、より振動を低減して低騒音を実現することができる。
さらに、前記スペーサーの縦弾性係数は、6GPaよりも高い、としてもよい。また、前記スペーサーは、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ガラエポからなる群から選択される1種以上を含有する、としてもよい。
スペーサーの材質として、例えば、ポリフェニレンスルファイド(PPS)のような縦弾性係数の大きいプラスチックを使用することで発生する振動を押さえ込んで、更なる低騒音化が可能となる。
本発明によると、セットの小型化を図るためリアクトルの電流容量アップや、セットの駆動周波数を高くしても、騒音が発生しにくい、低騒音化を実現したリアクトルを提供することができる。
本実施形態に係るリアクトルを斜め上側から見た分解斜視図である。 本実施形態に係るリアクトルの組み立て前の状態を示す正面図である。 本実施形態に係るリアクトルの正面図である。 リアクトルの溶接前後の状態について説明するための拡大正面図である。 リアクトルのインダクタンスと電流の飽和特性を例示した図である。 変形例に係るリアクトルを斜め上側から見た分解斜視図である。 変形例に係るリアクトルの正面図である。 変形例に係るリアクトルの正面図である。 変形例に係るリアクトルの組み立て前の状態を示す正面図である。 変形例に係るリアクトルの正面図である。 コイルが巻回されたI型積層鉄心の一例を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
本実施形態に係るリアクトルAは、例えば、インバータ回路(図示省略)で駆動されるエアコン(図示省略)等の電気機器において、力率改善のために使用される。また、リアクトルAは、概ね15[kHz]以下の駆動周波数で駆動される。なお、リアクトルAの用途は、上記に限定されず、エアコン(インバータ回路)以外の製品、力率改善以外の用途に用いてもよい。また、その駆動周波数について15kHzよりも高く設定することも可能である。
−リアクトルの構成−
図1に示すように、リアクトルAの本体部1は、コイル7が巻回された第1積層鉄心としてのI型積層鉄心2と、I型積層鉄心2と閉磁路を形成するように組み合わされる第2積層鉄心としての一対のC型積層鉄心3,3とを備えている。具体的には、例えば図1〜図3に示すように、本体部1は、一対のC型積層鉄心3,3により、スペーサー4を介して、I型積層鉄心2を両側から挟み込んだ構成になっている。これにより、リアクトルAには、一対のC型積層鉄心3,3とI型積層鉄心2との組み合わせによって、日の字状の磁路が形成される。さらに、本体部1は、取付金具8上に載置された状態で、例えば、取付金具8とC型積層鉄心3,3の下側の隅角部分とを溶接することにより、取付金具8に取付固定される。取付金具8には、リアクトルAをセットシャーシ(図示省略)に乗せて、ビス(図示省略)で取り付け固定するための取付孔81,81が設けられている。
I型積層鉄心2は、同一形状かつ薄板状のI型に形成された電磁鋼板(以下、I型電磁鋼板21,21,…という)を積層化したものである。I型電磁鋼板21の長さ方向(上下方向)の両端部21aは、コイル7が巻かれた巻線領域Rc(図2参照)の上下方向外側において、それぞれ、互いに近づくように傾斜した略三角形状になっている。21bは、I型電磁鋼板21の傾斜部分の外端面(以下、傾斜面21という)を示している。そして、複数のI型電磁鋼板21,21,…が積層されることにより、その積層方向に沿って延びる第1傾斜面22が形成されている。なお、第1傾斜面22の上下方向に対する傾斜角度は、特に限定されないが、磁束の流れを変えることによる磁気フリンジング低減の観点に基づくと、45度であるのが好ましい。
C型積層鉄心3は、同一形状かつ薄板状のC型に形成された電磁鋼板(以下、C型電磁鋼板31,31,…という)を積層化したものである。C型電磁鋼板31の開放側端部31aは、その内壁が外側に向かって傾斜した略三角形状になっている。開放側端部31aの開放側端面は、I型電磁鋼板21の上下の傾斜面21b,21bと対向するように傾斜する傾斜面31b,31bと、その傾斜面31b,31bのそれぞれの開放側端から連続して上下方向に延びる当接面31c,31cとを含んでいる。具体的に、例えば、I型電磁鋼板21の傾斜面21bが上下方向に対して45度傾斜している場合、C型電磁鋼板31の傾斜面31bも上下方向に対して45度傾斜している。そして、このC型電磁鋼板31が積層されることにより、その積層方向に沿って延びる第2傾斜面32および当接面33が形成されている。
I型積層鉄心2の第1傾斜面22と、C型積層鉄心3の第2傾斜面32との間には磁気ギャップを形成するために絶縁性を有する板状のスペーサー4が介在されている。
スペーサー4の材質は、磁束による振動から生じる騒音を低減する観点から、縦弾性係数が高い材料であるのが好ましい。具体的には、縦弾性係数が6[GPa]〜25[GPa]の絶縁性素材が好適に使用できる。具体的なスペーサー材として、例えば、ポリフェニレンスルファイド、ガラエポ等の樹脂が好適に使用できる。
スペーサー4の長さは、特に限定されないが、例えば、I型積層鉄心2(C型積層鉄心3)の積層方向の長さと同等以上にするのが好ましい。また、取付作業の容易性を高める観点から、スペーサー4の端部をI型積層鉄心2(C型積層鉄心3)の積層方向の端面から積層方向外側に突出させるようにするのがより好ましい。これにより、C型積層鉄心3,3でI型積層鉄心2を挟み込む作業をする際に、スペーサー4を把持して位置決めした状態で作業をすることができるようになる。スペーサー4の幅は、I型積層鉄心2およびC型積層鉄心3への当接部分が十分に確保されていればよく、特に限定されないが、I型積層鉄心2の固定安定性を確保する観点から、積層方向と直交する直交方向における第1傾斜面22(第2傾斜面32)の幅の半分以上(例えば、図4(a)において[Ws≧Wc/2])であるのが好ましい。
一対のC型積層鉄心3,3の上端間は、上側の当接面33,33同士が突き合わされた状態でその上側から積層方向の全体にわたって溶接され、接合されている。同様に、一対のC型積層鉄心3,3の下端間は、下側の当接面33,33同士が突き合わされた状態でその下側から積層方向の全体にわたって溶接され、接合されている。このように、C型積層鉄心3の開放側端部に当接面33を設けることにより、C型積層鉄心3,3間を溶接等により接合する際に、その位置合わせが容易になる。さらに、当接面33を設けることにより、スペーサー4の厚さを、I型積層鉄心2の第1傾斜面22とC型積層鉄心3の第2傾斜面32との間に形成されるエアギャップG(図3参照)の間隔よりも少し厚くすることができるようになる。具体的に、スペーサー4の厚さを厚くした場合には、リアクトルAの組み立ての際に、C型積層鉄心3,3の挟み込み方向に対してその当接面33,33同士が当接するまで挟み込み方向の力を加えて、その状態を保持しつつ、前述のとおり両C型積層鉄心3,3間を溶接等で接合するとよい。これにより、スペーサー4とC型積層鉄心3/I型積層鉄心2との密着性を高めることができ、より強くギャップ部(スペーサー4配置部分)の振動を低減し、低騒音化が可能となる。また、上記のC型積層鉄心3の上端間および下端間の溶接部分(以下、溶接部5という)が、C型電磁鋼板31,31,…同士を接合する機能も有しており、このC型電磁鋼板31,31,…同士の接合により、C型電磁鋼板31間の密着性を高めることができ、更なる低騒音化が可能となっている。
ここで、図1では、C型積層鉄心3,3同士を接合させた後も当接面33,33同士が当接している例を示しているが、C型積層鉄心3,3同士を接合させた後に当接面33,33同士が必ずしも当接されていなくてもよい。ただし、図1のように接合後にも互いに当接していた方が振動をより低減させる効果が得られる。
図4(b)に示すように、C型積層鉄心3の当接面33の上下方向の高さHfは、溶接部5の溶接深さDwよりも高くなるように設定されている。これにより、C型積層鉄心3に対して挟み込み方向の力を加えた状態のままで、位置ずれせずに溶接作業を行うことができるようになる。すなわち、溶接作業時の位置安定性を高めることができ、溶接作業が容易になる。
図1のリアクトルAの組み立て方法について、具体的に説明する。まず、I型積層鉄心2の巻線領域Rcにコイルを巻く。次に、I型積層鉄心2の各第1傾斜面22にスペーサー4をあてがった状態で、その両外側からC型積層鉄心3,3により挟み込んで、上下それぞれの当接面33,33同士を、I型積層鉄心2の第1傾斜面22とC型積層鉄心3の第2傾斜面32との間にスペーサー4が介在された状態で当接させる。その後、その当接状態を保ちつつ両者間を溶接により接合し、本体部1の組み立てが完了する。最後に、完成した本体部1を取付金具8に溶接してワニス含浸を実施してリアクトルAが完成する。
−測定結果(騒音の効果)−
本実施形態に係るリアクトルAの効果を確認するため、上記の実施形態に係るリアクトルAと、従来技術に係るEI型リアクトルとを同じエアコン(図示省略)のアクティブフィルタとして適用し、そのエアコンを同一条件で動作させた場合における騒音を測定した。測定に用いたリアクトルは、インダクタンス値が5mH、定格電流が10Aであり、駆動周波数15kHzで駆動させている。測定には、エアコン外部に設置したマイクロフォンを使用した。
なお、比較例に係るEI型リアクトルには、E型積層鉄心の中央脚部とI型積層鉄心との間にスペーサーを取りつけて磁気ギャップを構成したものを使用した(例えば、特許文献1参照)。スペーサーは、上記の実施形態に係るリアクトルAと、EI型リアクトルとで同じ素材(PPS材)のものを使用した。
その結果、発振周波数(15kHz)での騒音は、比較例(EI型リアクトル)が70dBであるのに対し、上記の実施形態のリアクトルAが62dBとなり、顕著な差があることが確認できた。
なお、上記の実施形態では、C型積層鉄心3,3同士の接合について、溶接を用いて接合する例について説明したが、かしめ固定等の他の方法であってもよい。
−実施形態の作用効果−
本実施形態では、リアクトルAとして、騒音が小さくできる構成について、説明した。すなわち、本実施形態では、I型積層鉄心2の上下方向両端部21a,21aに形成された4つの第1傾斜面22,22,…と、それぞれの第1傾斜面22,22,…と対向するようにC型積層鉄心3に形成された4つの第2傾斜面32,32,…との間に、それぞれ、樹脂製のスペーサー4,4,…(合計4つ)を介在させるようにした。これにより、リアクトルAを駆動した際にI型積層鉄心2およびC型積層鉄心3により形成された日の字状の磁路を通過する磁束の流れを略直角に曲げることができるので磁気フリンジング現象による騒音低減するとともに、2箇所にギャップを分散し、かつ磁束密度の小さいコイル外側にて磁気ギャップを設けることで、振動を分散して低騒音を実現した。
また、仮に、積層鉄心2,3が振動した場合においても、スペーサー4でその振動を吸収することができ、振動に起因する騒音を低減させることができる。
また、本実施形態に係るリアクトルAは、I型積層鉄心2の第1傾斜面22とC型積層鉄心3の第2傾斜面32との間に導通部分のない構成としているため、インダクタンスと電流の飽和特性において、特許文献1と同等以上の特性を得ることができる。図5は本実施形態に係るリアクトルAと、従来構成(比較例)として例えば特許文献2に記載されたような構成のリアクトルについて、インダクタンスの電流飽和特性の違いを示すグラフである。図5では、破線により、一般的にインダクタンスの変動幅として許容される範囲(設計目標値)の一例を示している。図5に示すように、本実施形態の構成にすることにより、従来構成よりもインダクタンスの電流飽和特性が優れていることがわかる。
さらに、前述のとおり、上記の実施形態では、スペーサー4の厚さを、I型積層鉄心2の第1傾斜面22とC型積層鉄心3の第2傾斜面32との間に形成されるエアギャップGの間隔よりも少し厚くすることができ、スペーサー4と各積層鉄心2,3との密着性を高めることができる。これに対し、例えば、特許文献1に示されたようなEI型リアクトルの中脚部にスペーサーを挿入する場合には、エアギャップの間隔よりもスペーサーを厚くすると、E型積層鉄心の外脚部とI型積層鉄心との間にも不均一なギャップやがたつきが生じてしまい、インダクタンス値のばらつきの原因となる。そのため、上記EI型リアクトルでは、エアギャップの間隔とスペーサーの厚さは同等以下に揃える必要があり、スペーサーとC型積層鉄心/I型積層鉄心との密着度を高める構成にすることが難しいが、本実施形態の構成では、そのようなことがない。
ここで、例えば、特許文献2のような構成において、C型積層鉄心の接合面(特許文献2におけるテーパ面)とI型積層鉄心の接合面(特許文献2におけるテーパ面)とを、汎用の接着剤(例えば、エポキシ樹脂)を用いて接着し、その接着剤により磁気ギャップを構成する場合について検討する。この場合、リアクトルの駆動時に、エポキシ樹脂が熱により膨張したり、収縮したりするため、特性がばらつくとともに、騒音が十分低減できないことが考えられる。一方で、本開示では、I型積層鉄心2の第1傾斜面22とC型積層鉄心3の第2傾斜面32の間にスペーサー4を介在させるようにしているので、そのようなことがない。
<その他の実施形態>
以上、本発明の好ましい実施形態及びその変形例について説明したが、本開示に係る技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え等を行った実施形態にも適用が可能である。また、上記実施形態説明した構成要素や以下において説明する構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
図6および図7に示すように、第2積層鉄心としてO型積層鉄心6を適用するようにしてもよい。この場合においても、I型積層鉄心2、コイル7およびスペーサー4は、図1と同様のものを適用することができる。以下では、図1との相違点を中心に説明する。
具体的に、O型積層鉄心6は、外形が矩形状であり、かつ、O型(枠状)に形成された薄板状の電磁鋼板(以下、O型電磁鋼板61,61,…という)を積層化したものである。O型電磁鋼板61には、I型電磁鋼板21の両端部21aと対応する位置を三角形状に切り欠いた切欠部63が形成されている。切欠部63は、I型電磁鋼板21およびスペーサー4が収容できるように、I型電磁鋼板21の両端部21aの高さ位置に対して上下に若干余裕を持たせて形成されている。そして、このO型電磁鋼板61が積層されることにより、O型電磁鋼板61の積層方向に沿って延び、I型積層鉄心2およびスペーサー4を収容するための鉄心収容空間Riが形成されている。また、O型電磁鋼板61の切欠部63の内壁面によって、上記積層方向に沿って延びる第2傾斜面62が形成されている。
次に、図6のリアクトルAの組み立て方法について、具体的に説明する。まず、図1のCI型のリアクトルAの場合と同様に、I型積層鉄心2の巻線領域Rcにコイル7を巻く。次に、I型積層鉄心2の各第1傾斜面22にスペーサー4をあてがい、その状態を保ちつつ、それらをO型積層鉄心6の鉄心収容空間Riに挿通または嵌合させる。これにより、本体部1の組み立てが完了する。最後に、完成した本体部1を取付金具8に溶接してワニス含浸で全体を固定することでリアクトルAが完成する。
以上のように、第2積層鉄心としてO型積層鉄心6を適用することにより、溶接工程をなくすことができる。すなわち、リアクトルAの生産性を向上させることができる。
なお、図1および図6の構成では、I型積層鉄心2の第1傾斜面22と、第1傾斜面22に対向する第2傾斜面(図1では32、図6では62)との間に、それぞれ1つずつ、合計4つのスペーサー4を介在させるものとしたが、これに限定されない。例えば、図8に示すように、図1および図6におけるリアクトルAの上側の2つのスペーサー4,4を、I型積層鉄心2の上端の形状に沿ったV字形状のスペーサー41に置き換えてもよい。図8(a)は図1のリアクトルAに対して、図8(b)は図6のリアクトルAに対して、それぞれ、2つのスペーサー4を1つのスペーサー41に置き換えた例を示している。同様に、図1および図6に係るリアクトルAの下側の2つのスペーサー4,4を、I型積層鉄心2の下端の形状に沿ったV字状のスペーサー41に置き換えてもよい。上記のように置き換えても、図1および図6と同様の効果が得られる。また、スペーサー4,4は、板状に限定されず、縦弾性係数の高い接着剤や絶縁シートまたはこれらの組み合わせ等で代用してもよい。
また、図1〜図4のリアクトルAにおいて、図11に示すように、巻線が巻回された状態のコイル7は、その中央部が膨らむ場合がある(図11のLb参照)。そこで、図9,10に示すように、C型積層鉄心3(C型電磁鋼板31,31,…)の挟み込み方向の両外側に絶縁板64を介在させて、リアクトルAを組み立てるようにしてもよい。これにより、C型積層鉄心3によってコイル7を傷つけることなく、成形状態でコイル7の挟み込み方向の幅がLaとなるように、組み立てることができるようになる。
これにより第二積層鉄心3(C型電磁鋼板31,31,…)がコイル7に対して、絶縁板64を介して密着して取り付けられるので、コイル7への通電時における温度上昇の低減効果が得られる。さらに、コイル7がより強固に固定されるため、低騒音化が可能となる。なお、絶縁板64は、コイル7を保護することができるような材料、熱伝導性がよい放熱性の高い材料であるのが好ましい。一例として、コイル保護の観点からノメックス絶縁紙が好適に使用可能であり、温度低減の観点から絶縁性放熱シートが好適に使用可能である。
また、上記実施形態において、I型積層鉄心2、C型積層鉄心3、O型積層鉄心6について、かしめ形状としたり、それぞれの積層鉄心2,3,6を構成する電磁鋼板21,31,61同士を溶接したりすることにより、あらかじめブロック化し、そのブロック化されたものをリアクトルAの組み立てに用いるようにしてもよい。これにより、電磁鋼板21,31,61の1枚1枚の隙間から発生する騒音を低減することができるとともに、組み立て作業を容易にすることができるようになる。
また、上記実施形態では、両開放側端に当接面31c,31cが形成されたC型電磁鋼板31を積層することによりC型積層鉄心3の両開放側端に当接面33,33が形成されているものとしたが、これに限定されない。例えば、組み立ての際に、C型積層鉄心3,3の対向する開放側端同士が係合爪(図示省略)のようなもので互いに係合することで、組み立て状態を保持するように構成されていてもよい。また、例えば、図示を省略するが、上側開放側端または下側開放側端の一方を一体的につないでおき、そのつなぎ部分を支点として他方側をリアクトルAが略W字状となるように開いたり、組み立て状態になるように閉じたりできるように構成してもよい。この場合のリアクトルAの組み立て方法についても、図1と同様に、I型積層鉄心2の各第1傾斜面22にスペーサー4をあてがった状態で、その両外側からC型積層鉄心3,3により挟み込んで、I型積層鉄心2の第1傾斜面22とC型積層鉄心3の第2傾斜面32との間にスペーサー4が介在された状態を保ちつつ、上記C型積層鉄心3,3の他方の開放側端同士を接合すればよい。これにより、C型積層鉄心3の一方または両方の当接面がなくてもリアクトルAを構成することができ、同様の効果を得ることができる。
本発明に係るリアクトルは、低騒音での駆動が求められるような用途、例えば、家庭やオフィス等で使用される電気機器、電源機器、電力変換装置等に用いるリアクトルとして有用である。
A リアクトル
2 I型積層鉄心(第1積層鉄心)
3 C型積層鉄心(第2積層鉄心)
4 スペーサー
6 O型積層鉄心(第2積層鉄心)
7 コイル
22 第1傾斜面
32 第2傾斜面
33 当接面
62 第2傾斜面

Claims (4)

  1. 長さ方向の両端部の各々に、長さ方向の端部側に向かって互いに近づくように傾斜する一対の第1傾斜面が設けられたI型の第1積層鉄心と、
    対をなすC型積層鉄心で構成され、かつ、前記第1積層鉄心の第1傾斜面にそれぞれ対向する第2傾斜面を有し、前記第1積層鉄心と閉磁路を形成するように組み合わされる第2積層鉄心とを備え、
    前記第1積層鉄心の第1傾斜面と、該第1傾斜面に対向する前記第2積層鉄心の第2傾斜面との間には、スペーサーが介在されて磁気ギャップが構成され
    前記第2積層鉄心の開放側端部には、前記第1積層鉄心を挟み込む際に互いを当接させて位置決めするための当接面が形成され、前記第2積層鉄心の開放側端部同士が前記第1積層鉄心を挟み込んだ状態で接合されており、
    前記当接面の前記長さ方向の高さは、当該長さ方向における溶接部の溶接深さよりも高い
    ことを特徴とするリアクトル。
  2. 請求項1に記載のリアクトルにおいて、
    前記第1積層鉄心の長手方向中間部分には、コイルが巻回されており、
    前記第1積層鉄心の第1傾斜面は、前記コイルが巻かれた巻線領域の外側に半分以上形成されている
    ことを特徴とするリアクトル。
  3. 請求項1または2に記載のリアクトルにおいて、
    前記スペーサーの縦弾性係数は、6GPaよりも高い
    ことを特徴とするリアクトル。
  4. 請求項1または2に記載のリアクトルにおいて、
    前記スペーサーは、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ガラエポからなる群から選択される1種以上を含有する
    ことを特徴とするリアクトル。
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