JP4635934B2 - 電動車両の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電動車両の制御装置に関し、特に、複数の電動機を搭載する電動車両の制御装置に関する。
近年、電気自動車(Electric Vehicle)やハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)などの電動車両が注目されている。これらの電動車両としては、インバータとインバータによって駆動される電動機とを動力源として走行するものが実用化されている。
一般に、インバータは、インバータを構成するスイッチング素子が動作する際に電磁ノイズを発生する。そして、多数の装置が密集して搭載される電動車両においては、インバータのノイズ対策が重要である。
特開2001−37248号公報(特許文献1)は、ノイズを減少可能なインバータ装置を開示する。このインバータ装置においては、PWM(Pulse Width Modulation)キャリア周波数の変調係数を電流指令と電流検出との偏差に応じて可変にする。具体的には、定常時はキャリア周波数を下げて低ノイズ化を図り、電流の変化が大きい場合には適切にキャリア周波数を高めることにより電流応答特性の維持を図る。これにより、ノイズを減少させるためにキャリア周波数を低下させても応答性能を維持可能としている(特許文献1参照)。
特開2001−37248号公報 特開平9−224399号公報 特開平5−115106号公報 特開平10−337083号公報 特開平5−184182号公報
いわゆるシリーズ型やシリーズ/パラレル型のハイブリッド自動車においては、エンジンに連結されて発電機として主に動作する電動機と、その電動機により発電された電力を用いて車両の駆動力を発生するもう1つの電動機とが搭載される。そして、2台の電動機に対応してインバータも2つ搭載される。
このような複数の電動機を搭載した電動車両の場合、一方の電動機に対応するインバータから発生するノイズが、他方の電動機に流れる電流を検出する電流センサの検出値に重畳し、その他方の電動機の出力に影響を与えることがある。
上記の特開2001−37248号公報に記載されたインバータ装置は、定常時にキャリア周波数を下げて低ノイズ化を図っているにすぎず、複数の電動機を搭載する電動車両において、一方の電動機に対応するインバータから発生するノイズが他方の電動機の出力に与える影響およびその抑制方法については考慮されていない。
この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数の電動機を搭載する電動車両において、他のインバータから発生するノイズが電動機の出力に与える影響を抑制する電動車両の制御装置を提供することである。
この発明によれば、電動車両の制御装置は、複数の電動機を搭載する電動車両の制御装置であって、複数の電動機にそれぞれ対応して設けられ、各々が所定のキャリア周波数に応じたスイッチング周波数で動作する複数のインバータと、複数の電動機に含まれる第1の電動機に流れる電流を所定のサンプリング周波数で検出する電流検出部と、電流検出部からの検出値に基づいて第1の電動機に対応するインバータを制御するインバータ制御部と、第1の電動機以外の電動機に対応するインバータのキャリア周波数とサンプリング周波数との関係に基づいてサンプリング周波数を変更可能なように構成された周波数変更部とを備える。
好ましくは、第1の電動機の回転軸は、電動車両の駆動軸に連結される。
好ましくは、周波数変更部は、第1の電動機以外の電動機に対応するインバータのキャリア周波数がサンプリング周波数の略整数倍のとき、その関係を回避するようにサンプリング周波数を変更する。
また、好ましくは、サンプリング周波数は、第1の電動機に対応するインバータのキャリア周波数に応じて決定される。周波数変更部は、第1の電動機以外の電動機に対応するインバータのキャリア周波数がサンプリング周波数の略整数倍のとき、その関係を回避するように第1の電動機に対応するインバータのキャリア周波数を変更する。
好ましくは、周波数変更部は、電動車両の速度が所定速度よりも低いとき、サンプリング周波数を変更し得る。
また、好ましくは、電動車両の制御装置は、第1の電動機に対応するインバータの温度を検出する温度センサをさらに備える。周波数変更部は、温度センサによって検出された温度が所定温度よりも低いとき、サンプリング周波数を変更し得る。
また、この発明によれば、電動車両の制御装置は、複数の電動機を搭載する電動車両の制御装置であって、複数の電動機にそれぞれ対応して設けられ、各々が所定のキャリア周波数に応じたスイッチング周波数で動作する複数のインバータと、複数の電動機に含まれる第1の電動機に流れる電流を所定のサンプリング周波数で検出する電流検出部と、電流検出部からの検出値に基づいて第1の電動機に対応するインバータを制御するインバータ制御部とを備える。サンプリング周波数は、第1の電動機以外の電動機に対応するインバータのキャリア周波数との関係に基づいて設定される。
好ましくは、第1の電動機の回転軸は、電動車両の駆動軸に連結される。
好ましくは、サンプリング周波数は、第1の電動機以外の電動機に対応するインバータのキャリア周波数がサンプリング周波数の略整数倍以外の周波数となるように設定される。
また、好ましくは、サンプリング周波数は、第1の電動機に対応するインバータのキャリア周波数に応じて設定される。第1の電動機に対応するインバータのキャリア周波数は、第1の電動機以外の電動機に対応するインバータのキャリア周波数がサンプリング周波数の略整数倍以外の周波数となるように設定される。
複数の電動機が電動車両に搭載されている場合、第1の電動機以外の電動機に対応するインバータのキャリア周波数と第1の電動機に流れる電流を検出する電流検出部のサンプリング周波数との関係によっては、第1の電動機に実際に流れる電流に対して電流検出部からの検出値にオフセットや低周波のうねりが発生し得る。そして、このオフセットや低周波のうねりが発生している検出値に基づいて第1の電動機に対応するインバータをインバータ制御部により制御すると、第1の電動機の出力が不安定化し得る。しかしながら、この発明においては、周波数変更部は、前記キャリア周波数と前記サンプリング周波数との関係に基づいて前記サンプリング周波数を変更可能なように構成されているので、電流検出部からの検出値のオフセットや低周波のうねりの発生を回避し得る。
したがって、この発明によれば、他のインバータから発生するノイズが電動機の出力に与える影響を抑制することができる。その結果、電動機の出力が安定化する。
また、この発明においては、上記のように第1の電動機の出力が不安定化し得るところ、第1の電動機に流れる電流を検出する電流検出部のサンプリング周波数は、第1の電動機以外の電動機に対応するインバータのキャリア周波数との関係に基づいて設定されるので、電流検出部からの検出値のオフセットや低周波のうねりの発生を回避し得る。
したがって、この発明によれば、他のインバータから発生するノイズが電動機の出力に与える影響を抑制することができる。その結果、電動機の出力が安定化する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による制御装置を備えた電動車両の一例として示されるハイブリッド車両の全体ブロック図である。図1を参照して、このハイブリッド車両100は、蓄電装置Bと、電源ラインPLと、接地ラインSLと、コンデンサCと、インバータ10,20と、モータジェネレータ30,40と、エンジン50と、駆動輪60と、ECU(Electronic Control Unit)70と、電圧センサ82と、電流センサ84,86とを備える。
蓄電装置Bは、充放電可能な電池であり、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池から成る。蓄電装置Bは、電源ラインPLおよび接地ラインSLを介してインバータ10,20へ直流電力を供給する。また、蓄電装置Bは、エンジン50の動力を用いてモータジェネレータ30により発電された電力および車両の回生制動時にモータジェネレータ40により発電された電力によって充電される。なお、蓄電装置Bとして、大容量のキャパシタを用いてもよい。
電圧センサ82は、蓄電装置Bの電圧VBを検出し、その検出した電圧VBをECU70へ出力する。コンデンサCは、電源ラインPLと接地ラインSLとの間の電圧変動を平滑化する。
インバータ10,20は、それぞれモータジェネレータ30,40に対応して設けられる。インバータ10は、エンジン50の動力を受けてモータジェネレータ30が発電した3相交流電力をECU70からの信号PWM1に基づいて直流電力に変換し、その変換した直流電力を電源ラインPLへ供給する。また、インバータ10は、エンジン50の始動時、ECU70からの信号PWM1に基づいて、電源ラインPLから供給される直流電力を3相交流電力に変換してモータジェネレータ30を駆動する。
インバータ20は、ECU70からの信号PWM2に基づいて、電源ラインPLから供給される直流電力を3相交流電力に変換してモータジェネレータ40を駆動する。これにより、モータジェネレータ40は、指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ20は、車両の回生制動時、駆動輪60から受ける回転力を用いてモータジェネレータ40が発電した3相交流電力をECU70からの信号PWM2に基づいて直流電力に変換し、その変換した直流電力を電源ラインPLへ出力する。
モータジェネレータ30,40は、3相交流電動機であり、たとえば3相交流同期電動機から成る。モータジェネレータ30は、エンジン50の動力を用いて3相交流電力を発生し、その発生した3相交流電力をインバータ10へ出力する。また、モータジェネレータ30は、インバータ10から受ける3相交流電力によって駆動力を発生し、エンジン50の始動を行なう。モータジェネレータ40は、インバータ20から受ける3相交流電力によって駆動輪60の駆動トルクを発生する。また、モータジェネレータ40は、車両の回生制動時、駆動輪60から受ける回転力を用いて3相交流電力を発生し、その発生した3相交流電力をインバータ20へ出力する。
エンジン50は、モータジェネレータ30によりクランキングされて始動する。そして、エンジン50は、ECU70からの制御指令に基づいて、吸気管に設けられるスロットルバルブや、点火装置、燃料噴射装置など(いずれも図示せず)を動作させて動力を発生する。
電流センサ84は、モータジェネレータ30に流れるモータ電流MCRT1を検出し、その検出したモータ電流MCRT1をECU70へ出力する。電流センサ86は、モータジェネレータ40に流れるモータ電流MCRT2を検出し、その検出したモータ電流MCRT2をECU70へ出力する。
ECU70は、図示されない外部ECUからモータジェネレータ30,40のトルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN1,MRN2を受ける。また、ECU70は、電圧センサ82から電圧VBを受ける。さらに、ECU70は、電流センサ84によって検出されたモータ電流MCRT1をインバータ10のキャリア周波数に応じたサンプリング周波数でサンプリングして取込む。また、さらに、ECU70は、電流センサ86によって検出されたモータ電流MCRT2をインバータ20のキャリア周波数に応じたサンプリング周波数でサンプリングして取込む。
そして、ECU70は、モータジェネレータ30のトルク指令値TR1、モータ電流MCRT1およびモータ回転数MRN1、ならびに電圧VBに基づいて、モータジェネレータ30を駆動するための信号PMM1を後述の方法により生成し、その生成した信号PWM1をインバータ10へ出力する。また、ECU70は、モータジェネレータ40のトルク指令値TR2、モータ電流MCRT2およびモータ回転数MRN2、ならびに電圧VBに基づいて、モータジェネレータ40を駆動するための信号PMM2を後述の方法により生成し、その生成した信号PWM2をインバータ20へ出力する。
図2は、図1に示したECU70の機能ブロック図である。図2を参照して、ECU70は、電流サンプリング部110,140と、モータ制御用相電圧演算部120,150と、PWM信号変換部130,160とを含む。
電流サンプリング部110は、モータ電流MCRT1の検出値を電流センサ84から受け、インバータ10のキャリア周波数fc1をPWM信号変換部130から受ける。そして、電流サンプリング部110は、キャリア周波数fc1に応じたサンプリング周波数で電流センサ84からのモータ電流MCRT1の検出値をサンプリングして取込む。
モータ制御用相電圧演算部120は、モータジェネレータ30のトルク指令値TR1、電圧センサ82からの電圧VB、および電流サンプリング部110からのモータ電流MCRT1に基づいて、モータジェネレータ30の各相コイルに印加する電圧指令を算出し、その算出した各相コイルの電圧指令をPWM信号変換部130へ出力する。
PWM信号変換部130は、インバータ10のキャリア周波数fc1を設定するためのキャリア周波数マップを図示されないROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したキャリア周波数マップを用いてインバータ10のキャリア周波数fc1を設定する。キャリア周波数fc1を設定するためのキャリア周波数マップは、インバータ10によって駆動されるモータジェネレータ30のモータ回転数およびトルクに応じたキャリア周波数がマップ化されており、PWM信号変換部130は、ROMから読出したキャリア周波数マップを用いて、モータジェネレータ30のトルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1に基づいてキャリア周波数fc1を設定する。
そして、PWM信号変換部130は、モータ制御用相電圧演算部120から受ける各相コイルの電圧指令および設定したキャリア周波数fc1を有するキャリア信号に基づいて、インバータ10を駆動するためのPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を信号PWM1としてインバータ10へ出力する。
電流サンプリング部140は、電流センサ86によって検出されるモータ電流MCRT2を受ける。また、電流サンプリング部140は、モータ電流MCRT2の検出値を電流センサ86から受け、インバータ20のキャリア周波数fc2をPWM信号変換部160から受ける。そして、電流サンプリング部140は、キャリア周波数fc2に応じたサンプリング周波数で電流センサ86からのモータ電流MCRT2の検出値をサンプリングして取込む。具体的には、電流サンプリング部140は、キャリア周波数fc2の2倍のサンプリング周波数で電流センサ86からのモータ電流MCRT2をサンプリングする。
モータ制御用相電圧演算部150は、モータジェネレータ40のトルク指令値TR2、電圧センサ82からの電圧VB、および電流サンプリング部140からのモータ電流MCRT2に基づいて、モータジェネレータ40の各相コイルに印加する電圧指令を算出し、その算出した各相コイルの電圧指令をPWM信号変換部160へ出力する。
PWM信号変換部160は、インバータ20のキャリア周波数fc2を設定するためのキャリア周波数マップをROMから読出し、その読出したキャリア周波数マップを用いてインバータ20のキャリア周波数fc2を設定する。キャリア周波数fc2を設定するためのキャリア周波数マップは、インバータ20によって駆動されるモータジェネレータ40のモータ回転数およびトルクに応じたキャリア周波数がマップ化されており、PWM信号変換部160は、ROMから読出したキャリア周波数マップを用いて、モータジェネレータ40のトルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2に基づいてキャリア周波数fc2を設定する。
ここで、上述のように、電流サンプリング部140は、PWM信号変換部160からのキャリア周波数fc2に基づいて、キャリア周波数fc2の2倍のサンプリング周波数でモータ電流MCRT2をサンプリングするところ、このキャリア周波数fc2を設定するためのキャリア周波数マップにおいては、インバータ10のキャリア周波数fc1が電流サンプリング部140のサンプリング周波数の整数倍にならないように、キャリア周波数fc2が設定されている。
以下、このキャリア周波数fc2の設定の考え方について詳しく説明する。
図3は、モータ電流MCRT2の波形を拡大して示した図である。この図3では、インバータ10のキャリア周波数fc1が電流サンプリング部140のサンプリング周波数の整数倍である場合について示されており、たとえば、キャリア周波数fc1が4nHzに設定され、キャリア周波数fc2が仮にnHzに設定されている場合(すなわち、電流サンプリング部140のサンプリング周波数は2nHzとなる。)について示されている。
図3を参照して、モータ電流MCRT2は、インバータ10のスイッチング動作によってインバータ10から発生する電磁ノイズの影響を受ける。その結果、インバータ10のスイッチング周波数に応じたスパイク状のノイズがモータ電流MCRT2に現われている。なお、この図3では、理解を容易にするため、インバータ10のキャリア周波数fc1に応じたノイズがモータ電流MCRT2に現われている場合について示されている。
一方、電流サンプリング部140は、ノイズの発生周期T1の2倍の周期T2でモータ電流MCRT2をサンプリングする。なお、この図3では、電流サンプリング部140は、時刻t1〜t5においてモータ電流MCRT2をサンプリングしており、サンプリングタイミングがノイズのピークに対応している場合が示されている。
この場合、電流サンプリング部140によるモータ電流MCRT2のサンプリング値は、実際のモータ電流MCRT2の出力値に対してオフセットを有する。実際には、電流サンプリング部140のサンプリングタイミングはノイズのピークに対応するとは限らず、また、ノイズの発生周期T1もインバータ10の実際のスイッチング周波数に応じて変動するので、サンプリング値は、実際のモータ電流MCRT2の出力値に対して一方向に常時オフセットを有するとは限らず、大きな周期のうねりになる。
そうすると、モータ制御用相電圧演算部150において、実際のモータ電流MCRT2の出力値に対してオフセットまたはうねりを伴なったサンプリング値に基づいて各相コイルの電圧指令が生成され、その結果、上記の電流オフセットまたは電流のうねりに応じた実トルクがモータジェネレータ20に発生する。そして、モータジェネレータ20は駆動輪60に連結されているので、上記の電流オフセットまたは電流のうねりに応じた実トルクが駆動輪60に発生する。
図4は、モータ電流MCRT2の他の波形を拡大して示した図である。この図4では、インバータ10のキャリア周波数fc1が電流サンプリング部140のサンプリング周波数の整数倍でない場合について示されており、たとえば、キャリア周波数fc1がnHzに設定され、キャリア周波数fc2がnHzに設定されている場合(すなわち、電流サンプリング部140のサンプリング周波数は2nHzとなる。)について示されている。
図4を参照して、電流サンプリング部140は、インバータ10のキャリア周波数fc1に応じたスパイク状のノイズの発生周期T1の1/2倍の周期T2でモータ電流MCRT2をサンプリングする。なお、この図4でも、電流サンプリング部140によるサンプリングタイミングがノイズのピークに対応している場合が示されている。
この場合は、電流サンプリング部140によるモータ電流MCRT2のサンプリング値は、実際のモータ電流MCRT2の出力値を中心にキャリア周波数fc1で上下に変動する。すなわち、モータ電流MCRT2のサンプリング値が実際のモータ電流MCRT2の出力値に対してオフセットやうねりを有することはない。
そして、このような高周波のキャリア周波数fc1での変動に対しては、モータ制御用相電圧演算部150の制御は追従できず、ノイズに応じた実トルクがモータジェネレータ20および駆動輪60に発生することはない。
以上のことから分かるように、電流サンプリング部140のサンプリング周期T2がインバータ10のキャリア周波数fc1に応じたノイズの発生周期T1の整数倍のとき、すなわち、インバータ10のキャリア周波数fc1が電流サンプリング部140のサンプリング周波数fs2の整数倍のとき、インバータ10から発生する電磁ノイズの影響がモータジェネレータ40および駆動輪60の出力に影響を与える。そして、電流サンプリング部140のサンプリング周波数fs2は、インバータ20のキャリア周波数fc2に基づいて決定される。そこで、この実施の形態1においては、インバータ20のキャリア周波数fc2を設定するためのキャリア周波数マップにおいて、インバータ10のキャリア周波数fc1が電流サンプリング部140のサンプリング周波数の整数倍にならないようにキャリア周波数fc2が設定される。
図5,6は、それぞれインバータ10,20のキャリア周波数マップの一例を示す。図5は、インバータ10のキャリア周波数マップの一例を示した図であり、図6は、インバータ20のキャリア周波数マップの一例を示した図である。
図5を参照して、キャリア周波数fc1は、モータジェネレータ30のモータ回転数MRN1およびトルク指令値TR1に応じて4つの領域に分けられる。モータジェネレータ30のモータ回転数MRN1が低く、かつ、トルク指令値TR1が大きい程、キャリア周波数fc1が低くなるように設定される。たとえば、周波数a〜dHzは、それぞれ1.25kHz、2.5kHz、5kHzおよび10kHzに設定される。
なお、低回転域かつ大トルク領域であるほどキャリア周波数が低いのは、電流損失を抑えてインバータの素子を過熱から保護するためであり、高回転域でキャリア周波数を高くしているのは、スイッチングに伴なう電磁音を抑制するためである。
一方、図6を参照して、キャリア周波数fc2は、モータジェネレータ40のモータ回転数MRN2およびトルク指令値TR2に応じて3つの領域に分けられる。モータジェネレータ40のモータ回転数MRN2が低く、かつ、トルク指令値TR2が大きい程、キャリア周波数fc2が低くなるように設定される。そして、インバータ10のキャリア周波数fc1が電流サンプリング部140のサンプリング周波数fs2の整数倍にならないように、たとえば、周波数e〜gHzは、それぞれ1.15kHz、2.3kHzおよび4.6kHzに設定される。
再び図2を参照して、PWM信号変換部160は、モータ制御用相電圧演算部150から受ける各相コイルの電圧指令および設定したキャリア周波数fc2を有するキャリア信号に基づいて、インバータ20を駆動するためのPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を信号PWM2としてインバータ20へ出力する。
図7は、図2に示したPWM信号変換部130,160による信号PWM1,PWM2の生成方法を説明するための波形図である。なお、この図7では、PWM信号変換部130においてU相に対応する信号PWM1の生成方法について代表的に示され、その他のV,W各相およびPWM信号変換部160の各相についても同様にして生成される。
図7を参照して、曲線k1は、モータ制御用相電圧演算部120によって演算されたU相電圧指令信号である。三角波信号k2は、PWM信号変換部130により生成されるキャリア信号であり、キャリア周波数マップを用いて設定されたキャリア周波数fc1を有する。
そして、PWM信号変換部130は、曲線k1を三角波信号k2と比較し、曲線k1と三角波信号k2との大小関係に応じて電圧値が変化するパルス状のPWM信号を生成する。そして、PWM信号変換部130は、その生成したPWM信号を信号PWM1としてインバータ10へ出力し、インバータ10のU相アームを形成するトランジスタは、その信号PWM1に応じてスイッチング動作を行なう。
このように、インバータ10は、キャリア信号(三角波信号k2)のキャリア周波数fc1に応じたスイッチング周波数で動作する。
以上のように、この実施の形態1においては、モータジェネレータ40に対応する電流サンプリング部140のサンプリング周波数fs2は、モータジェネレータ30に対応するインバータ10のキャリア周波数fc1との関係に基づいて設定される。具体的には、サンプリング周波数fs2は、インバータ20のキャリア周波数fc2に応じて決定され、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍にならないようにキャリア周波数fc2が設定される。したがって、この実施の形態1によれば、インバータ10から発生するノイズがモータジェネレータ40の出力に与える影響を抑制することができる。その結果、モータジェネレータ40の出力が安定化する。
なお、上記においては、サンプリング周波数fs2がキャリア周波数fc2に基づいて決定されることを前提に、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍にならないようにキャリア周波数fc2を設定するものとしたが、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍にならないように、サンプリング周波数fs2を直接設定してもよいし、サンプリング周波数fs2を基準としてキャリア周波数fc1を設定してもよい。
[実施の形態2]
実施の形態1では、インバータ10のキャリア周波数fc1が電流サンプリング部140のサンプリング周波数fs2の整数倍にならないように、インバータ20のキャリア周波数マップの設定値をインバータ10のキャリア周波数マップの設定値に対してずらしたが、この実施の形態2では、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍となった場合に、インバータ20のキャリア周波数fc2を変更する。
この実施の形態2におけるハイブリッド車両100Aは、図1に示したハイブリッド車両100の構成においてECU70に代えてECU70Aを備える。
図8は、実施の形態2におけるECU70Aの機能ブロック図である。図8を参照して、ECU70Aは、図2に示したECU70の構成において、キャリア周波数制御部170をさらに含み、PWM信号変換部160に代えてPWM信号変換部160Aを含む。
キャリア周波数制御部170は、モータ電流MCRT2のサンプリング周波数fs2を電流サンプリング部140から受け、インバータ10に対応するPWM信号変換部130からインバータ10のキャリア周波数fc1を受ける。そして、キャリア周波数制御部170は、サンプリング周波数fs2およびインバータ10のキャリア周波数fc1に基づいて、インバータ20のキャリア周波数fc2を変更するか否かを後述の方法により判定し、キャリア周波数fc2を変更すると判定すると、制御信号CTLを活性化してPWM信号変換部160Aへ出力する。
PWM信号変換部160Aは、インバータ20のキャリア周波数fc2を設定するためのキャリア周波数マップをROMから読出し、その読出したキャリア周波数マップを用いてインバータ20のキャリア周波数fc2を設定する。
また、PWM信号変換部160Aは、キャリア周波数制御部170からの制御信号CTLが活性化されると、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍となっている関係を回避するようにキャリア周波数fc2を変更する。
なお、ECU70Aのその他の構成は、ECU70と同じである。
図9は、図8に示したキャリア周波数制御部170の制御構造を示すフローチャートである。なお、このフローチャートによる処理は、一定時間毎または所定の条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
図9を参照して、キャリア周波数制御部170は、インバータ10のキャリア周波数fc1をPWM信号変換部130から取得する(ステップS110)。また、キャリア周波数制御部170は、モータ電流MCRT2のサンプリング周波数fs2を電流サンプリング部140から取得する(ステップS120)。そして、キャリア周波数制御部170は、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍であるか否かを判定する(ステップS130)。
キャリア周波数制御部170は、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍であると判定すると(ステップS130においてYES)、PWM信号変換部160Aへ出力される制御信号CTLを活性化する。そうすると、PWM信号変換部160Aは、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍となっている関係を回避するようにインバータ20のキャリア周波数fc2を変更する(ステップS140)。
一方、ステップS130において、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍ではないと判定されると(ステップS130においてNO)、キャリア周波数制御部170は、制御信号CTLを活性化することなく、一連の処理を終了する。
以上のように、この実施の形態2においては、キャリア周波数制御部170は、モータジェネレータ30に対応するインバータ10のキャリア周波数fc1とモータジェネレータ40に対応する電流サンプリング部140のサンプリング周波数fs2との関係に基づいて、サンプリング周波数fs2を変更させる。具体的には、キャリア周波数制御部170は、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍にならないようにキャリア周波数fc2の変更をPWM信号変換部160Aに指示する。したがって、この実施の形態2によれば、インバータ10から発生するノイズがモータジェネレータ40の出力に与える影響を抑制することができる。その結果、モータジェネレータ40の出力が安定化する。
なお、上記においては、サンプリング周波数fs2がキャリア周波数fc2に基づいて決定されることを前提に、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍にならないようにキャリア周波数fc2を変更するものとしたが、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍にならないように、サンプリング周波数fs2を直接変更してもよいし、キャリア周波数fc1を変更してもよい。
[実施の形態3]
上述のように、インバータ10のキャリア周波数fc1が電流サンプリング部140のサンプリング周波数fs2の整数倍であると、電流サンプリング部140によるモータ電流MCRT2のサンプリング値に実電流にはないうねりが発生する。そして、この検出電流のうねりに応じてモータジェネレータ40の電圧指令が生成されることにより、うねりに応じた実トルクが発生し、その結果、車両振動が発生する。
そして、このような車両振動は、低速走行時や停車時ほど車内快適性を阻害するものであるので、この実施の形態3では、低速走行時または停車時であって、かつ、車両振動が発生し得る条件が成立したとき、インバータ20のキャリア周波数fc2を変更し得るものとする。
また、アクセルペダルとブレーキペダルとが同時に踏込まれると(以下、この状態を「両踏み」と称する。)、インバータ20において電流集中が発生するので、この実施の形態3では、両踏み時、インバータ20の温度上昇を緩和するためにインバータ20のスイッチング周波数を低下させる。具体的には、インバータ20のキャリア周波数fc2を低下させる。
しかしながら、キャリア周波数fc2を低下させると、電流サンプリング部140のサンプリング周波数fs2も低下するので、インバータ10のキャリア周波数fc1との関係において、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍となる状況が増加し得る。
たとえば、キャリア周波数fc1,fc2がいずれも5kHz(すなわち、サンプリング周波数fs2は10kHz)であるときに両踏み状態が発生し、キャリア周波数fc2を1.25kHzに低下させると、サンプリング周波数fs2も2.5kHzに低下し、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍となる関係が成立する。
そこで、この実施の形態3では、両踏みのときにインバータ20のキャリア周波数fc2の変更条件が成立した場合、キャリア周波数fc2を変更する。
この実施の形態3におけるハイブリッド車両100Bは、図1に示したハイブリッド車両100の構成においてECU70に代えてECU70Bを備える。
図10は、実施の形態3におけるECU70Bの機能ブロック図である。図10を参照して、ECU70Bは、図8に示したECU70Aの構成において、両踏み判定部180をさらに含み、キャリア周波数制御部170に代えてキャリア周波数制御部170Aを含む。
両踏み判定部180は、アクセルペダルが踏込まれているときに活性化されるアクセルペダル信号APと、ブレーキペダルが踏込まれているときに活性化されるブレーキペダル信号BPとを受ける。そして、両踏み判定部180は、アクセルペダル信号APおよびブレーキペダル信号BPのいずれもが活性化されているとき、信号ABを活性化してキャリア周波数制御部170Aへ出力する。
キャリア周波数制御部170Aは、PWM信号変換部130からのキャリア周波数fc1、電流サンプリング部140からのサンプリング周波数fs2、両踏み判定部180からの信号AB、およびこのハイブリッド車両100Bの車両速度SVに基づいて、インバータ20のキャリア周波数fc2を変更するか否かを後述の方法により判定し、キャリア周波数fc2を変更すると判定すると、制御信号CTLを活性化してPWM信号変換部160Aへ出力する。
図11は、図10に示したキャリア周波数制御部170Aの制御構造を示すフローチャートである。なお、このフローチャートによる処理も、一定時間毎または所定の条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
図11を参照して、このフローチャートは、図9に示したフローチャートにおいてステップS10,S30,S50をさらに含む。すなわち、キャリア周波数制御部170Aは、メインルーチンから呼出されると、両踏み判定部180からの信号ABに基づいて、アクセルペダルおよびブレーキペダルが両踏み中であるか否かを判定する(ステップS10)。キャリア周波数制御部170Aは、信号ABが不活性化されており、両踏み中でないと判定すると(ステップS10においてNO)、以降の処理を行なうことなく処理を終了する。
信号ABが活性化されており、ステップS10において両踏み中であると判定されると(ステップS10においてYES)、キャリア周波数制御部170Aは、インバータ20のキャリア周波数fc2を通常の設定値よりも低い両踏み時用の周波数に設定する(ステップS30)。
次いで、キャリア周波数制御部170Aは、車両が低速または停車していることを示すしきい値Vthを車両速度SVが下回っているか否かを判定する(ステップS50)。キャリア周波数制御部170Aは、車両速度SVがしきい値Vthを下回っていると判定すると(ステップS50においてYES)、ステップS110へ処理を進める。一方、ステップS50において車両速度SVがしきい値Vth以上であると判定されると(ステップS50においてNO)、キャリア周波数制御部170Aは、その後の処理を行なうことなく一連の処理を終了する。
なお、ステップS110以下の処理は、図9に示される処理と同じであるので説明を繰返さない。
なお、上記においては、ステップS10において両踏み中であると判定されると、ステップS30においてキャリア周波数fc2が通常の設定値よりも低い両踏み時用の周波数に設定されるところ、キャリア周波数制御部170Aは、ステップS130においてキャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍であると判定したとき、キャリア周波数fc2を通常の設定値に戻すようにステップS140においてキャリア周波数fc2を変更してもよい。
以上のように、この実施の形態3においては、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍となり得る状況がアクセルペダルおよびブレーキペダルの両踏み時に多く発生し得るものと想定し、両踏みのときにインバータ20のキャリア周波数fc2の変更条件が成立した場合、すなわち、低速走行時または停車時であって、かつ、車両振動が発生し得る条件が成立した場合、キャリア周波数fc2を変更する。したがって、この実施の形態3によれば、不必要にキャリア周波数fc2を変更するのを防止することができる。
[実施の形態3の変形例]
実施の形態3では、キャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍であると判定されると、アクセルペダルおよびブレーキペダルが両踏み中であっても車両振動の抑制を優先してキャリア周波数fc2を変更し、または、両踏み用の設定値から通常の設定値に戻した。これに対して、この実施の形態3の変形例では、インバータ20の素子温度を検出し、素子温度が低いときのみ、車両振動の抑制を図るためにキャリア周波数fc2を変更し、または、両踏み用の設定値から通常の設定値に戻す。言い換えると、インバータ20の素子温度が高いときは、キャリア周波数fc2を両踏み時用の周波数に維持し、インバータ20の素子保護を優先する。
この実施の形態3の変形例におけるハイブリッド車両100Cは、図1に示したハイブリッド車両100の構成において、温度センサ88をさらに備え、ECU70に代えてECU70Cを備える。温度センサ88は、インバータ20に含まれるスイッチング素子の温度Tを検出し、その検出した温度TをECU70Cへ出力する。
再び図10を参照して、ECU70Cは、実施の形態3におけるECU70Bの構成において、キャリア周波数制御部170Aに代えてキャリア周波数制御部170Bを含む。
キャリア周波数制御部170Bは、PWM信号変換部130からのキャリア周波数fc1、電流サンプリング部140からのサンプリング周波数fs2、両踏み判定部180からの信号AB、車両速度SV、および温度センサ88からの温度Tに基づいて、インバータ20のキャリア周波数fc2を変更するか否かを後述の方法により判定し、キャリア周波数fc2を変更すると判定すると、制御信号CTLを活性化してPWM信号変換部160Aへ出力する。
図12は、実施の形態3の変形例におけるキャリア周波数制御部170Bの制御構造を示すフローチャートである。なお、このフローチャートによる処理も、一定時間毎または所定の条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
図12を参照して、このフローチャートは、図11に示したフローチャートにおいて、ステップS30に代えてステップS40を含み、ステップS60をさらに含む。すなわち、ステップS10においてアクセルペダルおよびブレーキペダルが両踏み中であると判定されると、キャリア周波数制御部170Bは、温度センサ88からの温度Tに基づいて、インバータ20の素子温度がしきい値Tth以上であるか否かを判定する(ステップS40)。なお、このしきい値Tthは、インバータ20に含まれるスイッチング素子の耐熱温度に基づいて決定される。
そして、キャリア周波数制御部170Bは、温度Tがしきい値Tth以上であると判定すると(ステップS40においてYES)、インバータ20のキャリア周波数fc2を通常の設定値よりも低い両踏み時用の周波数に設定する(ステップS60)。その後、キャリア周波数制御部170Bは、一連の処理を終了する。
一方、ステップS40において温度Tがしきい値Tthよりも低いと判定されると(ステップS40においてNO)、キャリア周波数制御部170Bは、ステップS50へ処理を進める。
なお、ステップS50以下の処理は、図11に示される処理と同じであるので説明を繰返さない。
なお、上記においても、ステップS130においてキャリア周波数fc1がサンプリング周波数fs2の整数倍であると判定されたとき、キャリア周波数制御部170Bは、キャリア周波数fc2を通常の設定値に戻すようにステップS140においてキャリア周波数fc2を変更してもよい。
以上のように、この実施の形態3の変形例においては、インバータ20の素子温度がしきい値Tth以上のときは、インバータ20の素子保護を車両振動の抑制よりも優先し、キャリア周波数fc2を両踏み時用のキャリア周波数に設定する。したがって、この実施の形態3の変形例によれば、車両振動の抑制を図りつつ、インバータ20の素子保護を図ることができる。
なお、上記の各実施の形態においては、ハイブリッド車両100,100A〜100Cは、モータジェネレータ30を駆動するためにのみエンジン50を用い、モータジェネレータ30により発電された電力を使うモータジェネレータ40でのみ車両の駆動力を発生するシリーズ型のハイブリッド車両であってもよいし、図示されない動力分割機構によりエンジン50の動力を車軸とモータジェネレータ30とに分割して伝達可能なシリーズ/パラレル型のハイブリッド車両であってもよい。
また、上記においては、この発明による制御装置を備えた電動車両の一例としてハイブリッド車両について説明したが、この発明は、複数の電動機を備えた電動車両全般に適用可能である。
なお、上記において、モータジェネレータ30,40は、この発明における「複数の電動機」に対応し、インバータ10,20は、この発明における「複数のインバータ」に対応する。また、モータジェネレータ40は、この発明における「第1の電動機」に対応し、電流センサ86および電流サンプリング部140は、この発明における「電流検出部」を形成する。さらに、モータ制御用相電圧演算部150およびPWM信号変換部160,160Aは、この発明における「インバータ制御部」を形成し、キャリア周波数制御部170A,170Bは、この発明における「周波数変換部」に対応する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1による制御装置を備えた電動車両の一例として示されるハイブリッド車両の全体ブロック図である。 図1に示すECUの機能ブロック図である。 モータ電流の波形を拡大して示した図である。 モータ電流の他の波形を拡大して示した図である。 インバータ10のキャリア周波数マップの一例を示した図である。 インバータ20のキャリア周波数マップの一例を示した図である。 図2に示すPWM信号変換部による信号の生成方法を説明するための波形図である。 実施の形態2におけるECUの機能ブロック図である。 図8に示すキャリア周波数制御部の制御構造を示すフローチャートである。 実施の形態3におけるECUの機能ブロック図である。 図10に示すキャリア周波数制御部の制御構造を示すフローチャートである。 実施の形態3の変形例におけるキャリア周波数制御部の制御構造を示すフローチャートである。
符号の説明
10,20 インバータ、30,40 モータジェネレータ、50 エンジン、60 駆動輪、70,70A〜70C ECU、82 電圧センサ、84,86 電流センサ、88 温度センサ、110,140 電流サンプリング部、120,150 モータ制御用相電圧演算部、130,160,160A PWM信号変換部、170,170A,170B キャリア周波数制御部。

Claims (8)

  1. 複数の電動機を搭載する電動車両の制御装置であって、
    前記複数の電動機にそれぞれ対応して設けられ、各々が所定のキャリア周波数に応じたスイッチング周波数で動作する複数のインバータと、
    前記複数の電動機に含まれる第1の電動機に流れる電流を所定のサンプリング周波数で検出する電流検出部と、
    前記電流検出部からの検出値に基づいて前記第1の電動機に対応するインバータを制御するインバータ制御部と、
    前記第1の電動機以外の電動機に対応するインバータのキャリア周波数を示す第1のキャリア周波数と前記サンプリング周波数との関係に基づいて前記サンプリング周波数を変更可能なように構成された周波数変更部とを備え
    前記周波数変更部は、前記第1のキャリア周波数が前記サンプリング周波数の略整数倍となるとき、前記第1のキャリア周波数が前記サンプリング周波数の略整数倍とならないように前記サンプリング周波数を変更する、電動車両の制御装置。
  2. 前記第1の電動機の回転軸は、前記電動車両の駆動軸に連結される、請求項1に記載の電動車両の制御装置。
  3. 前記サンプリング周波数は、前記第1の電動機に対応するインバータのキャリア周波数を示す第2のキャリア周波数に応じて決定され、
    前記周波数変更部は、前記第1のキャリア周波数が前記サンプリング周波数の略整数倍となるとき、前記第1のキャリア周波数が前記サンプリング周波数の略整数倍とならないように前記第2のキャリア周波数を変更する、請求項1または請求項2に記載の電動車両の制御装置。
  4. 前記周波数変更部は、前記電動車両の速度が所定速度よりも低い場合に前記第1のキャリア周波数が前記サンプリング周波数の略整数倍となるとき、前記第1のキャリア周波数が前記サンプリング周波数の略整数倍とならないように前記サンプリング周波数を変更する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電動車両の制御装置。
  5. 前記第1の電動機に対応するインバータの温度を検出する温度センサをさらに備え、
    前記周波数変更部は、前記温度センサによって検出された温度が所定温度よりも低く、かつ、前記電動車両の速度が所定速度よりも低い場合に前記第1のキャリア周波数が前記サンプリング周波数の略整数倍となるとき、前記第1のキャリア周波数が前記サンプリング周波数の略整数倍とならないように前記サンプリング周波数を変更する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電動車両の制御装置。
  6. 複数の電動機を搭載する電動車両の制御装置であって、
    前記複数の電動機にそれぞれ対応して設けられ、各々が所定のキャリア周波数に応じたスイッチング周波数で動作する複数のインバータと、
    前記複数の電動機に含まれる第1の電動機に流れる電流を所定のサンプリング周波数で検出する電流検出部と、
    前記電流検出部からの検出値に基づいて前記第1の電動機に対応するインバータを制御するインバータ制御部とを備え、
    前記サンプリング周波数は、前記第1の電動機以外の電動機に対応するインバータのキャリア周波数を示す第1のキャリア周波数との関係に基づいて設定され
    前記サンプリング周波数は、前記第1のキャリア周波数が前記サンプリング周波数の略整数倍以外の周波数となるように設定される、電動車両の制御装置。
  7. 前記第1の電動機の回転軸は、前記電動車両の駆動軸に連結される、請求項6に記載の電動車両の制御装置。
  8. 前記サンプリング周波数は、前記第1の電動機に対応するインバータのキャリア周波数を示す第2のキャリア周波数に応じて設定され、
    前記第2のキャリア周波数は、前記第1のキャリア周波数が前記サンプリング周波数の略整数倍以外の周波数となるように設定される、請求項6または請求項7に記載の電動車両の制御装置。
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