JP4710545B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

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Description

この発明は、モータ駆動装置に関し、特に、モータロック時の過電流から駆動回路を保護可能なモータ駆動装置に関する。
最近、環境に配慮した自動車として、ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が注目されている。ハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、インバータを介して直流電源により駆動されるモータを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。
また、電気自動車は、インバータを介して直流電源によって駆動されるモータを動力源とする自動車である。
このようなハイブリッド自動車または電気自動車においては、走行用のモータが通常回転時には、インバータの各スイッチング素子に交流電流が流れる。ところが、モータがロックされて停止状態または超低速回転速度状態にある場合には、特定のスイッチング素子に大きな直流電流が流れ、その素子の熱損失が急激に増加する。
このようなモータロック時におけるインバータのスイッチング素子の熱破壊を防止する手段として、たとえば特許文献1は、モータに三相交流電圧を印加させるスイッチング手段を有するインバータ部と、モータのロック状態を検出してロック検出信号を発生するロック検出手段と、ロック検出信号に基づいて、モータに流れる電流が最も大きい相の電流の絶対値が減少するようにモータにd軸電機子電流を流す電流制御手段とを備えたモータ制御システムを開示する。
これによれば、電流制御手段は、モータに流れる三相のうち、他の一相よるも大きい二相の電流の絶対値を略同じにするようにモータにd軸電機子電流を流す。そのため、モータがロック状態でも、特定の一相に大きな電流が流れるのが抑制される。
また、特許文献2には、スイッチング素子の検出温度が上昇すると、インバータ主回路のスイッチング素子をオン/オフさせる変調指令の生成に用いるキャリア信号の周波数を設定周波数よりも下げることとする電力変換器の温度保護機構が開示される。
WO2003/032480 特開平9−12595号公報 特開2004−180437号公報
ここで、モータ駆動装置においては、直流電源からの直流電圧を昇圧コンバータによって昇圧し、その昇圧した直流電圧をインバータに供給されることも検討されている。これは、モータの高出力化とエネルギー効率の向上とを図るものである。
これによれば、昇圧コンバータの昇圧動作は、直流電源からの直流電圧と、モータの要求トルクとモータ回転数とから導出されるインバータ入力電圧の目標値との比を昇圧比とし、この昇圧比に従って昇圧コンバータのスイッチング素子のオン/オフ動作を制御することにより実行される。
そのため、上述のように走行用のモータがロック状態となった場合においても、モータの要求トルクに応じた昇圧比で昇圧コンバータが昇圧動作を行なうと、インバータの特定のスイッチング素子には、インバータ入力電圧の大きさに比例して大きな電流が流れて損傷する可能性がある。
一方、モータのロック時には昇圧比を一律に一定値まで低下させる電圧変換制御を行なう構成とすると、モータのトルク不足によってロック状態から脱出することができない場合が起こり得る。
したがって、モータのロック時においては、昇圧コンバータについても、インバータへの熱的影響と車両の走行確保とを考慮し、昇圧比を適正に設定する電圧変換制御を行なうことが必要であることは明らかである。なお、上記の特許文献1〜3において、昇圧コンバータの電圧変換制御についての検討はなされていない。
それゆえ、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、昇圧コンバータの適正な電圧変換制御により、モータロック時のインバータの熱的保護が可能なモータ駆動装置を提供することである。
この発明によれば、モータ駆動装置は、内燃機関に連結された第1のモータジェネレータと、車両の駆動軸に連結された第2のモータジェネレータと、第1および第2のモータジェネレータをそれぞれ駆動制御する第1および第2の駆動回路と、第1および第2の駆動回路に共通に設けられ、電源と第1および第2の駆動回路との間で電圧変換を行なうことにより第1および第2の駆動回路の入力電圧を可変する電圧変換器と、第1および第2の駆動回路の入力電圧が、第1または第2のモータジェネレータの要求出力に基づいた目標値となるように電圧変換を制御する制御装置とを備える。制御装置は、第2のモータジェネレータのロック状態を検出するロック状態検出手段と、第2のモータジェネレータのロック状態検出に応じて、第2の駆動回路を流れる電流が所定値を超えないように、第1のモータジェネレータの要求出力に応じて誘起される第1および第2の駆動回路の入力電圧を制限する電圧制限手段とを含む。
上記のモータ駆動装置によれば、第2のモータジェネレータがロック状態のとき、第1のモータジェネレータの要求出力(内燃機関の要求出力から第1のモータジェネレータに要求される出力)に応じて誘起された高い入力電圧を受けて第2の駆動回路の特定の素子に過大な電流が流れるのを防止することができる。その結果、第2の駆動回路を過熱から保護することができる。
好ましくは、電圧制限手段は、内燃機関において第2のモータジェネレータをロック状態から脱出させるのに必要な駆動力が確保されるように、第1および第2の駆動回路の入力電圧を制限する。
好ましくは、電圧制限手段は、第2のモータジェネレータをロック状態から脱出させるのに必要な駆動力に基づいて算出される第1のモータジェネレータの要求トルクが確保されるように、第1および第2の駆動回路の入力電圧を制限する。
上記のモータ駆動装置によれば、第2の駆動回路を過熱させることなく、第2のモータジェネレータをロック状態から脱出させることができる。
好ましくは、電圧制限手段は、第2の駆動回路に流れる電流が所定値以下となると判断されたとき、電圧変換の目標値を、第1のモータジェネレータの要求出力に基づいて設定する。一方、電圧制限手段は、第2の駆動回路に流れる電流が所定値を越えると判断されたとき、電圧変換の目標値を、第1のモータジェネレータの要求出力に基づいた目標値よりも低電圧であって、かつ第1のモータジェネレータの要求トルクに略等しい出力トルクが得られるように設定する、
上記のモータ駆動装置によれば、第1のモータジェネレータの要求出力と第2の駆動回路への熱的影響とを比較考量して電圧変換の目標値が設定されるため、従来の要求トルクのみに基づいた電圧変換制御に対して、第2の駆動回路の熱的保護が確保される。
好ましくは、電圧制限手段は、第1のモータジェネレータの出力可能な最大トルクと第1の駆動回路の入力電圧との関係を示すマップを予め有し、第2の駆動回路に流れる電流が所定値を越えると判断されたとき、マップから、第1の駆動回路の入力電圧が第1のモータジェネレータの要求出力に基づいた目標値よりも低電圧であって、かつ、第1のモータジェネレータの要求トルクに略等しい出力トルクが得られる関係を選択し、選択した関係に基づいて電圧変換の目標値を設定する。
上記のモータ駆動装置によれば、既知の第1のモータジェネレータの出力性能に基づいて、第1の駆動回路の入力電圧の目標値を第1のモータジェネレータの要求トルクが満たされる範囲で低下させることから、適正かつ効率的な電圧制御が可能となる。
好ましくは、電圧制限手段は、第2のモータジェネレータのロック状態脱出が検出されるまで、電圧変換の目標値を、所定の期間ごとに所定の増加量で増加させる。
上記のモータ駆動装置によれば、電圧変換の目標値を段階的に増加させることにより、第2の駆動回路の特定の素子を流れる電流が急増して熱的破壊されるのが防止される。
好ましくは、所定の増加量は、第2の駆動回路を流れる電流が所定容値を越えないように設定される。
上記のモータ駆動装置によれば、第2の駆動回路の特定の素子の温度上昇を考慮して電圧変換の目標値の増加量が設定されるため、第2の駆動回路を確実に保護することができる。
この発明によれば、第2のモータジェネレータがロック状態のとき、エンジンに連結される第1のモータジェネレータを駆動制御する第1の駆動回路の入力電圧は、第1のモータジェネレータの要求出力と当該入力電圧が第2の駆動回路に及ぼす熱的影響とを比較考量して設定される。これにより、第1のモータジェネレータの要求出力に応じて誘起された高い入力電圧を受けて第2の駆動回路の特定の素子に過大な電流が流れるのを防止することができる。その結果、第2の駆動回路を過熱から保護することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
図1は、この発明の実施の形態によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
図1を参照して、モータ駆動装置100は、ハイブリッド自動車に搭載される。モータ駆動装置100は、バッテリBと、昇圧コンバータ12と、コンデンサC1,C2と、インバータ14,31と、電圧センサ10,20と、電流センサ24,28と、制御装置30とを備える。
エンジンENGは、ガソリンなどの燃料の燃焼エネルギーを源として駆動力を発生する。エンジンENGの発生する駆動力は、図1の太斜線で示すように、動力分割機構60により、2つの経路に分割される。一方は、図示しない減速機を介して車輪を駆動する駆動軸に伝達する経路である。もう一方は、モータジェネレータMG1へ伝達する経路である。
モータジェネレータMG1,MG2は、発電機としても電動機としても機能し得るが、以下に示すように、モータジェネレータMG1は、主として発電機として動作し、モータジェネレータMG2は、主として電動機として動作する。
詳細には、モータジェネレータMG1は、三相交流回転機であり、加速時において、エンジンENGを始動する始動機として用いられる。このとき、モータジェネレータMG1は、バッテリBからの電力の供給を受けて電動機として駆動し、エンジンENGをクランキングして始動する。
さらに、エンジンENGの始動後において、モータジェネレータMG1は、動力分割機構60を介して伝達されたエンジンENGの駆動力によって回転されて発電する。
モータジェネレータMG1の発電した電力は、車両の運転状態やバッテリBの充電量によって使い分けられる。たとえば、通常走行時や急加速時においては、モータジェネレータMG1の発電した電力は、そのままモータジェネレータMG2を駆動させる電力となる。一方、バッテリBの充電量が所定の値よりも低いときには、モータジェネレータMG1の発電した電力は、インバータ14によって交流電力から直流電力に変換されて、バッテリBに蓄えられる。
モータジェネレータMG2は、三相交流回転機であり、バッテリBに蓄えられた電力およびモータジェネレータMG1が発電した電力の少なくともいずれか一方によって駆動される。モータジェネレータMG2の駆動力は、減速機を介して車輪の駆動軸に伝達される。これにより、モータジェネレータMG2は、エンジンENGをアシストして車両を走行させたり、自己の駆動力のみによって車両を走行させたりする。
また、車両の回生制動時には、モータジェネレータMG2は、減速機を介して車輪により回転されて発電機として動作する。このとき、モータジェネレータMG2により発電された回生電力は、インバータ31を介してバッテリBに充電される。
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルL1の一方端はバッテリBの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタQ1,Q2は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタQ1のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2がそれぞれ接続されている。
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。U相アーム15、V相アーム16、およびW相アーム17は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
U相アーム15は、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム16は、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム17は、直列接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
各相アームの中間点は、モータジェネレータMG1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータジェネレータMG1は、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
インバータ31は、インバータ14と同様の構成から成る。
バッテリBは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。他にも、バッテリBは、燃料電池またはキャパシタであっても良い。電圧センサ10は、バッテリBから出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。
コンデンサC1は、バッテリBから供給された直流電圧Vbを平滑化し、その平滑化した直流電圧Vbを昇圧コンバータ12へ供給する。
昇圧コンバータ12は、コンデンサC1から供給された直流電圧Vbを昇圧してコンデンサC2へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMCを受けると、信号PWMCによってNPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じて直流電圧Vbを昇圧してコンデンサC2に供給する。
また、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMCを受けると、コンデンサC2を介してインバータ14および/またはインバータ31から供給された直流電圧を降圧してバッテリBを充電する。
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14,31へ供給する。電圧センサ20は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、昇圧コンバータ12の出力電圧Vm(インバータ14,31への入力電圧に相当する。以下同じ。)を検出し、その検出した出力電圧Vmを制御装置30へ出力する。
インバータ14は、コンデンサC2を介してバッテリBから直流電圧が供給されると制御装置30からの信号PWMI1に基づいて直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータMG1を駆動する。これにより、モータジェネレータMG1は、トルク指令値TR1に従ったトルクを発生するように駆動される。
また、インバータ14は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、モータジェネレータMG1が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMI1に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
インバータ31は、コンデンサC2を介してバッテリBから直流電圧が供給されると制御装置30からの信号PWMI2に基づいて直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータMG2を駆動する。これにより、モータジェネレータMG2は、トルク指令値TR2に従ったトルクを発生するように駆動される。
また、インバータ31は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、モータジェネレータMG2が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMI2に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。
電流センサ24は、モータジェネレータMG1に流れるモータ電流MCRT1を検出し、その検出したモータ電流MCRT1を制御装置30へ出力する。電流センサ28は、モータジェネレータMG2に流れるモータ電流MCRT2を検出し、その検出したモータ電流MCRT2を制御装置30へ出力する。
制御装置30は、図示しない外部ECU(Electrical Control Unit)からトルク指令値TR1,TR2、モータ回転数MRN1,MRN2を受け、電圧センサ10から直流電圧Vbを受け、電圧センサ20から昇圧コンバータ12の出力電圧Vm(すなわち、インバータ14,31への入力電圧)を受け、電流センサ24からモータ電流MCRT1を受け、電流センサ28からモータ電流MCRT2を受ける。
制御装置30は、出力電圧Vm、トルク指令値TR1およびモータ電流MCRT1に基づいて、後述する方法によりインバータ14がモータジェネレータMG1を駆動するときにインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14へ出力する。
また、制御装置30は、出力電圧Vm、トルク指令値TR2およびモータ電流MCRT2に基づいて、後述する方法によりインバータ31がモータジェネレータMG2を駆動するときにインバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ31へ出力する。
さらに、制御装置30は、インバータ14(または31)がモータジェネレータMG1(またはMG2)を駆動するとき、直流電圧Vb、出力電圧Vm、トルク指令値TR1(またはTR2)、モータ回転数MRN1(またはMRN2)に基づいて、後述する方法により昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMCを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
図2は、図1における制御装置30の機能ブロック図である。
図2を参照して、制御装置30は、インバータ制御手段301,302と、コンバータ制御回路303とを含む。
インバータ制御手段301は、トルク指令値TR1、モータ電流MCRT1および入力電圧Vmに基づいて信号PWMI1を生成してインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
より具体的には、インバータ制御手段301は、入力電圧Vm、モータ電流MCRT1およびトルク指令値TR1に基づいて、モータジェネレータMG1の各相コイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果に基づいてインバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMI1を生成する。そして、インバータ制御回路301は、その生成した信号PWMI1をインバータの各NPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
これにより、インバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、モータジェネレータMG1が指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TR1に応じたモータトルクが出力される。
インバータ制御手段302は、入力電圧Vm,モータ回転数MRN2およびトルク指令値TR2に基づいて、モータジェネレータMG2の各相コイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果に基づいてインバータ31の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMI2を生成する。そして、インバータ制御回路302は、その生成した信号PWMI2をインバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
これにより、インバータ31の各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、モータジェネレータMG2が指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG2の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TR2に応じたモータトルクが出力される。
コンバータ制御手段303は、トルク指令値TR1(またはTR2)、モータ回転数MRN1(またはMRN2)、直流電圧Vb、直流電流Ibおよび出力電圧Vmに基づいて、後述する方法によって信号PWMCを生成し、その生成した信号PWMCを昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
図3は、図2におけるインバータ制御手段301,302の機能ブロック図である。
図3を参照して、インバータ制御手段301(または302)は、モータ制御用相電圧演算部40と、インバータ用PWM信号変換部42とを含む。
モータ制御用相電圧演算部40は、昇圧コンバータ12の出力電圧Vm、すなわち、インバータ14(または31)への入力電圧を電圧センサ20から受け、モータジェネレータMG1(またはMG2)の各相に流れるモータ電流MCRT1(またはMCRT2)を電流センサ24(または28)から受け、トルク指令値TR1(またはTR2)を外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部40は、トルク指令値TR1(またはTR2)、モータ電流MCRT1(またはMCRT2)および電圧Vmに基づいて、モータジェネレータMG1(またはMG2)の各相のコイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。
インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた計算結果に基づいて、実際にインバータ14(または31)の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMI1(またはPWMI2)を生成し、その生成した信号PWMI1(またはPWMI2)をインバータ14(または31)の各NPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
これにより、インバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、モータジェネレータMG1が指令されたトルクを出力するように、モータジェネレータMG1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TR1に応じたモータトルクが出力される。
モータジェネレータMG2においても同様に、インバータ31の各NPNトランジスタQ3〜Q8がスイッチング制御されることにより、各相を流れるモータ駆動電流が制御されてトルク指令値TR2に応じたモータトルクが出力される。
しかしながら、ハイブリッド自動車においては、登坂時にアクセルペダルの踏込み量不足などによって、走行駆動用のモータジェネレータMG2が、モータ回転数MRN2が略零となるロック状態となる場合がある。そして、モータジェネレータMG2がロック状態となると、モータジェネレータMG2の各相をモータ駆動電流の大きさおよび方向が固定されるため、モータジェネレータMG2を駆動制御するインバータ31の特定のNPNトランジスタには大きな電流が集中して流れることになる。そのため、特定のNPNトランジスタは、急激な素子温度の上昇により損傷する可能性がある。
さらに、モータジェネレータMG2がロック状態になると、車両の運転者は、アクセルペダルをさらに踏込むことによって車両駆動力を増加させて、ロック状態を脱出しようと試みる場合が生じる。このとき、運転者の操作に応じてアクセル開度が増加するに従って車両の駆動軸に要求される動力が増加すると、これに見合う動力が出力されるようにエンジンENGが運転制御される。
そして、エンジンENGに要求される要求パワーに基づいてエンジンENGの運転ポイント(目標回転数、目標トルク)が設定されると、この設定された運転ポイントでエンジンENGが運転されるようにモータジェネレータMG1が駆動制御される。具体的には、エンジンENGの目標回転数および目標トルクに基づいて、発電機として機能するモータジェネレータMG1の発電すべき電力量が求められると、その発電すべき電力量をモータ回転数で除することにより目標トルク(トルク指令値TR1)が算出される。そして、その算出されたトルク指令値TR1に従ったトルクを出力するように、インバータ14によってモータジェネレータMG1の各相に流れる電流が制御される。
このように、モータジェネレータMG2がロック状態のときには、エンジンENGの要求パワーの増加に伴なってトルク指令値TR1が増加する。そして、トルク指令値TR1とモータ回転数MRN1とに基づいて、モータジェネレータMG1を駆動するのに必要な電圧(モータ駆動電圧)が決定されると、インバータ14の入力電圧Vmをこの決定したモータ駆動電圧と一致させるために、昇圧コンバータ12による昇圧動作が実行される。すなわち、昇圧コンバータ12は、エンジンENGの要求パワーから導出されたモータ駆動電圧と電源電圧との電圧比を昇圧比とし、この昇圧比に基づいてNPNトランジスタQ1,Q2がスイッチング制御される。
ここで、図1から明らかなように、モータジェネレータMG1の駆動電圧であるインバータ14の入力電圧Vmは、同時にインバータ31の入力電圧でもある。そのため、モータジェネレータMG2がロック状態において、高いモータ駆動電圧が誘起されると、インバータ31においては、特定のNPNトランジスタを流れる電流が急増し、過熱による損傷の可能性が高くなる。したがって、インバータ31を過熱から保護するためには、これまで車両の状態(運転者のアクセルペダル操作など)に基づいて決定されていたモータ駆動電圧を、インバータ31に流れる電流量を考慮して決定することが必要となる。
そこで、この発明によるモータ駆動装置100は、モータジェネレータMG2がロック状態のときには、インバータ31の入力電圧Vmが所定のしきい値以下となるように、モータジェネレータMG1の駆動電圧を制限する構成とする。これは、以下に述べるように、コンバータ制御手段303において、昇圧コンバータ12における昇圧比を、モータ駆動電圧の電圧レベルに応じて維持または低下させる制御を行なうことにより実現される。
これによれば、モータジェネレータMG2がロック状態となったときでも、インバータ31の特定のスイッチング素子に過大な電流が流れるのが抑えられるため、インバータ31を過熱から保護することができる。なお、所定のしきい値とは、インバータ31の特定のNPNトランジスタを流れる電流が熱的許容値を下回るときのインバータ31の入力電圧Vmに設定される。
ところが、単に昇圧比を低下させて入力電圧Vmを制限するのみでは、エンジンENGの出力可能なパワーが不足して車両がロック状態から脱出できない可能性が生じる。すなわち、インバータ31の入力電圧Vmは、同時にモータジェネレータMG1を駆動制御するインバータ14の入力電圧に値することから、単に昇圧比を低下させて入力電圧Vmを制限するのみでは、モータジェネレータMG1の要求トルクを満たすことができなくなってしまう。
したがって、コンバータ制御手段303は、上述の電圧制限において、モータジェネレータMG2をロック状態から脱出させるのに必要な駆動力が確保される範囲において、昇圧比を低下させる構成とする。具体的には、後述するように、モータジェネレータMG1の出力可能な最大トルクと入力電圧Vmとの相関を用いることによって、インバータ31の熱的保護および車両の走行を両立し得る最適な昇圧比を設定する。
図4は、図2におけるコンバータ制御手段303の機能ブロック図である。
図4を参照して、コンバータ制御手段303は、電圧指令演算部50と、コンバータ用ディーティ比演算部52と、コンバータ用PWM信号変換部54と、ロック状態判定部56と、電圧制限部58とを含む。
電圧指令演算部50は、外部ECUから電圧制限部58を介して入力されたトルク指令値TR1(またはTR2)とモータ回転数MRN1(またはMRN2)とに基づいて、インバータ入力電圧の最適値(目標値)、すなわち昇圧コンバータ12の電圧指令値Vdc_comを決定し、その決定した電圧指令値Vdc_comをコンバータ用デューティ比演算部52へ出力する。
コンバータ用デューティ比演算部52は、電圧指令演算部60から電圧指令値Vdc_comを受け、電圧センサ10から直流電圧Vbを受けると、直流電圧Vbに基づいて、インバータ14(または31)の入力電圧Vmを電圧指令値Vdc_comに設定するためのデューティ比DRを演算する。そして、コンバータ用デューティ比演算部62は、その演算したデューティ比DRを、コンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティ比演算部62からのデューティ比DRに基づいて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMCを生成し、その生成した信号PWMCを昇圧コンバータ12へ出力する。
ロック状態判定部56は、外部ECUからのモータ回転数MRN2に基づいて、モータジェネレータMG2がロック状態であるか否かを判定する。詳細には、ロック状態判定部56は、零近傍の所定の回転数をしきい値として予め有しており、モータ回転数MRN2が所定の回転数以下のとき、モータジェネレータMG2がロック状態であると判定する。そして、ロック状態判定部56は、モータジェネレータMG2がロック状態であることを示す信号LOCKを電圧制限部58へ出力する。
さらに、ロック状態判定部58は、信号LOCKを車両の運転席近傍に設けられた表示手段(図示せず)へ出力する。したがって、車両の運転者は、表示手段を介して、モータジェネレータMG2がロック状態となったこと、およびエンジンENGの出力パワーに制限が課されることを知ることができる。
一方、ロック状態判定部56は、モータ回転数MRN2が所定の回転数を上回るとき、モータジェネレータMG2がロック状態でないと判定し、その判定結果を指示する信号UNLOCKを電圧制限部58へ出力する。さらに、モータジェネレータMG2のロック状態の判定後に、モータ回転数MRN2が再び所定の回転数を超えたことを検出してロック状態を脱したと判定された場合においても、ロック状態判定部56は、その判定結果を指示する信号UNLOCKを電圧制限部58および図示しない表示手段へ出力する。
電圧制限部58は、ロック状態判定部56からモータジェネレータMG2がロック状態であることを示す信号LOCKを受けると、昇圧コンバータ12における昇圧比を維持または低下させる電圧制限を実行する。
詳細には、電圧制限部58は、外部ECUからのトルク指令値TR1とモータ回転数MRN1とを図5のモータジェネレータMG1の出力特性に照らし合わせる。そして、電圧制限部58は、トルク指令値TR1およびモータ回転数MRNから導出されるモータ駆動電圧(インバータ入力電圧Vmに相当)と同等、もしくはそれを下回る電圧を、制限後のモータ駆動電圧に設定する。
図5は、モータジェネレータMG1の出力特性を示す図である。
図5を参照して、モータジェネレータMG1において、出力可能な最大トルクとモータ回転数MRN1との関係は、モータ駆動電圧(インバータ入力電圧Vmに相当)の大小に対応した複数の曲線LN1〜LN4で表わされる。例えば、曲線LN1は、インバータ入力電圧Vmが入力可能な最大電圧である650Vのときの最大トルクとモータ回転数MRN1との関係を示す。そして、インバータ入力電圧Vmが650Vから下がるに従って、最大トルクとモータ回転数MRN1との関係は、曲線LN2→LN3→LN4で示すように、モータ出力が次第に低くなる方向に遷移する。
ここで、モータジェネレータMG2のロック状態が判定されると、上述したように、運転者の操作に応じてエンジンENGの要求パワーが増加する。そして、エンジンENGの要求パワー(目標回転数および目標トルク)を満たすように、モータジェネレータMG1のトルク指令値TR1が設定される。たとえば図5において、点P0がモータジェネレータMG1の動作点(最大トルクおよびモータ回転数MRN1)に設定された場合を考える。点P0は、図5から明らかなように、高回転領域に存在しており、かつ、曲線LN1〜LN4のいずれの関係上にも位置していない。そのため、モータ駆動電圧としては、最大電圧650Vよりも高いことが予想される。したがって、点P0がモータジェネレータMG1の動作点に設定されると、モータジェネレータMG2側のインバータ31においては、特定のスイッチング素子が過電流によって損傷するおそれがある。
そこで、この発明によるコンバータ制御手段303は、図5の点P0のように高いモータ駆動電圧が必要とされる動作点が設定される場合においては、図5の出力特性の中から、点P0と同等のトルクが維持され、かつ、モータ駆動電圧がより低い動作点(たとえば図5の点P1に相当)を、モータジェネレータMG1の動作点として新たに設定するものとする。
具体的には、コンバータ制御手段303において、電圧制限部58は、トルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1から導出されるモータ駆動電圧が所定のしきい値を上回るときには、図5のモータ出力特性の中から選択された動作点P1に対応するモータ駆動電圧(500V)を制限後のモータ駆動電圧に設定する。そして、この動作点P1に対応する最大トルクおよびモータ回転数MRN1を、電圧制限後のトルク指令値TR1およびモータ回転数MRNとして電圧指令演算部50へ出力する。
ここで、点P0と同等のトルクを維持することとしたのは、点P0に対してモータ駆動電圧を低下させたにも関わらず、トルクを増加させると、インバータ31を流れる電流を却って増加させることとなり、インバータ31を過熱から保護する本来の趣旨に反することによる。
また、動作点を点P0に最も近い曲線LN4上の点P1に設定したのは、モータ駆動電圧を大きく低下させることによって、モータ出力が減少し、エンジンENGにおいてロック状態を脱出するためのパワーを確保できなくなることを考慮したものである。
これに対し、エンジンENGの要求パワーが相対的に小さいために、この要求パワーに基づいて設定されるモータジェネレータMG1の駆動電圧が所定のしきい値以下となるときには、電圧制限部58は、昇圧比を低下させることなく(すなわち、昇圧比を維持する)、外部ECUからのトルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1をそのまま電圧指令演算部50へ出力する。電圧指令演算部50は、エンジンENGの要求パワーから算出されたトルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1から電圧指令値Vdc_comを算出してコンバータ用デューティ比演算部62へ出力する。
そして、エンジンENGの発生した動力によってモータジェネレータMG2がロック状態から脱出すると、ロック状態判定部56は、ロック状態を脱したことを示す信号UNLOCKを電圧制限部58へ出力する。電圧制限部58は、信号UNLOCKを受けると、上述したモータ駆動電圧の電圧制限を解除し、外部ECUからのトルク指令値TR1とモータ回転数MRN1とに基づいて電圧指令値Vdc_comを設定する通常の電圧制御へと復帰する。
一方、エンジンENGの動力によってもモータジェネレータMG2がロック状態から脱出できない場合は、電圧制限部58は、インバータ31に過電流が流れないことに留意しながら、モータ駆動電圧を段階的に増加させる。
図6は、この発明によるモータ駆動電圧の電圧制限を説明するためのタイミングチャートである。
図6を参照して、時刻t0においてモータジェネレータMG2がロック状態になると、モータジェネレータMG2の各相を流れるモータ電流MCRT2は、それまでの正弦波状の交流電流から、定格電流を大きく上回る一定値に固定された直流電流となる。この大電流が継続的にインバータ31の特定のスイッチング素子に流れると、インバータ31が熱的破壊されるおそれがある。
そこで、コンバータ制御手段303は、上述したように、モータ駆動電圧を維持または低下させる電圧制限を行なうことによって、モータ電流MCRT2を低減させる。たとえば図6のように、時刻t0直前のモータ駆動電圧(インバータ入力電圧)Vm*が所定のしきい値Vm_stdよりも高いときには、コンバータ制御手段303は、所定のしきい値Vm_stdよりも低い電圧Vm0となるように昇圧コンバータ12の昇圧比を低下させる。
そして、時刻t0以降の時刻t1においてインバータ入力電圧Vmが電圧Vm0に低下すると、モータ電流MCRT2が減少してインバータ31の過熱が防止される。一方、エンジンENGのパワーが不足して未だロック状態から脱出できないと判断されると、コンバータ制御手段303は、インバータ入力電圧Vmを、モータ電流MCRT2が急増しない範囲において段階的に増加させる。具体的には、電圧制限部58は、一定時間おきに、電流センサ28で検出されたモータ電流MCRT2が所定のしきい値を超えないように、インバータ入力電圧VmをΔVm1だけ増加させる。そして、時刻tnにおいて、モータジェネレータMG2がロック状態から脱出したと判定されると、電圧制限部58は、かかる電圧制限を解除して通常の制御に復帰する。
このような構成とすることにより、インバータ31を過熱から保護しながら、モータジェネレータMG2をロック状態から確実に脱出させることが可能となる。
図7は、この発明の実施の形態によるモータ駆動電圧の電圧制限を説明するためのフローチャートである。
図7を参照して、ロック状態判定部56は、モータ回転数MRN2が所定の回転数を下回ったことを検出してモータジェネレータMG2がロック状態であると判定する(ステップS01)。ロック状態判定部56は、その判定結果を示す信号ROCKを生成して電圧制限部58および表示手段へ出力する。
電圧制限部58は、ロック状態判定部56から信号ROCKを受け、外部ECUからトルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1を受ける。なお、トルク指令値TR1は、運転者の操作(アクセルペダル踏込み量など)から算出されたエンジンENGの要求パワーPe*に基づいて、外部ECUにより設定されたものである(ステップS02)。
電圧制限部58は、外部ECUからのトルク指令値TR1とモータ回転数MRN1とに基づいて、インバータ入力電圧Vmの目標電圧Vm*(昇圧コンバータ12の電圧指令値Vdc_comに相当)を導出する(ステップS03)。
次に、電圧制限部58は、算出した目標電圧Vm*が所定のしきい値Vdc_std以上であるか否かを判断する(ステップS04)。そして、ステップS04において、目標電圧Vm*が所定のしきい値Vdc_com以上であると判断されると、電圧制限部58は、算出した目標電圧Vm*よりも低い電圧Vm0をインバータ入力電圧Vmの目標値(電圧指令値Vdc_com)に設定する(ステップS05)。電圧指令値Vdc_comの設定は、電圧制限部58が図5のモータジェネレータMG1の出力特性をマップとして有しており、マップの中から、トルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1で決まる動作点に対して、同等のトルクが得られ、かつエンジンENGのパワーが確保される動作点を選択すること、および電圧指令演算部50が選択された動作点の最大トルクおよびモータ回転数MRN1に基づいて電圧指令値Vdc_comを算出することにより行なわれる。
一方、ステップS04において導出された目標電圧Vm*が所定のしきい値Vdc_stdよりも小さいと判断されると、電圧制限部58は、上述した電圧制限を行なうことなく、目標電圧Vm*を電圧指令値Vdc_comに設定する(ステップS06)。
そして、ステップS05またはS06において設定された電圧指令値Vdc_comはコンバータ用デューティ比演算部52へ出力される。コンバータ用デューティ比演算部52は、電圧指令演算部50からの電圧指令値Vdc_comおよび電圧センサ10からの直流電圧Vbに基づいて、インバータ14の入力電圧Vmを電圧指令値Vdc_comに設定するためのデューティ比DRを演算する。コンバータ用PWM信号変換部64は、コンバータ用デューティ比演算部62からのデューティ比DRに基づいて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMCを生成し、その生成した信号PWMCを昇圧コンバータ12へ出力する(ステップS07)。
そして、昇圧コンバータ12によって目標電圧Vm*もしくは目標電圧Vm*よりも低い電圧Vm0に制御された入力電圧Vmを受けてインバータ14がモータジェネレータMG1を駆動制御する。エンジンENGからは所定のパワーPeが出力される。
そして、ステップS08において、エンジンENGから出力されるパワーPeが所望の要求パワーPe*を満たしたことに応じて、モータジェネレータMG2がロック状態から脱出したと判定されると(ステップS13)、電圧制限部58は、インバータ入力電圧Vmの電圧制限を解除する(ステップS14)。
一方、ステップS08において、エンジンENGの出力パワーPeが要求パワーPe*を下回ると判定されると、電圧制限部58は、電圧指令値Vdc_comを段階的に増加する(ステップS09)。すなわち、一定期間経過後において、電圧指令値Vdc_comは、所定の電圧ΔVm1を付加された電圧に設定される。これにより、新たに設定された電圧指令値Vdc_comに基づいて生成された信号PWMCにより、昇圧コンバータ12がスイッチング制御される(ステップS10)。なお、電圧制限部58は、電圧指令値Vdc_comに応じた入力電圧Vmによってインバータ31を流れる電流MCRT2が所定の熱的許容値I_stdを超えると判断されると、さらに一定期間経過後において、電圧指令値Vdc_comから所定の電圧ΔVm2だけ減少させた電圧を新たに電圧指令値Vdc_comに設定する(ステップS12)。そして、減少した電圧指令値Vdc_comに基づいて昇圧コンバータ12のスイッチング制御が行なわれる(ステップS07)。
以上のステップS07からS12の動作は、ステップS13において、モータジェネレータMG2がロック状態から脱出したと判定されるまで繰り返し実行される。すなわち、インバータ入力電圧Vmは、モータ電流MCRT2が熱的許容値I_stdを超えない範囲において、段階的に増加または減少される。
以上のように、この発明の実施の形態によれば、走行駆動用のモータジェネレータMG2がロック状態となったときに、モータジェネレータMG2を駆動制御するインバータの特定のスイッチング素子に高電流が流れるのを抑制することができる。その結果、インバータの小型化を図ることが可能となる。
さらに、ロック状態において、エンジンに接続されるモータジェネレータMG1のモータ駆動電圧は車両の走行に影響しない範囲で制限されるため、エンジンパワーの不足によってしてロック状態から脱出できないという不具合が生じることがない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、ハイブリッド自動車に搭載されるモータ駆動装置に適用することができる。
この発明の実施の形態によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。 図1における制御装置の機能ブロック図である。 図2におけるインバータ制御手段301,302の機能ブロック図である。 図2におけるコンバータ制御手段303の機能ブロック図である。 モータジェネレータMG1の出力特性を示す図である。 この発明によるモータ駆動電圧の電圧制限を説明するためのタイミングチャートである。 この発明の実施の形態によるモータ駆動電圧の電圧制限を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10,20 電圧センサ、12 昇圧コンバータ、14,31 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、24,28 電流センサ、30 制御装置、40 モータ制御用相電圧演算部、42 インバータ用PWM信号変換部、50 電圧指令演算部、52 コンバータ用デューティ比演算部、54 コンバータ用PWM信号変換部、56 ロック状態判定部、58 電圧制限部、60 動力分割機構、100 モータ駆動装置、301,302 インバータ制御手段、303 コンバータ制御手段、B バッテリ、Q1〜Q8 NPNトランジスタ、D1〜D8 ダイオード、C1,C2 コンデンサ、ENG エンジン、L1 インダクタ、MG1,MG2 モータジェネレータ。

Claims (7)

  1. 内燃機関に連結された第1のモータジェネレータと、
    車両の駆動軸に連結された第2のモータジェネレータと、
    前記第1および第2のモータジェネレータをそれぞれ駆動制御する第1および第2の駆動回路と、
    前記第1および第2の駆動回路に共通に設けられ、電源と前記第1および第2の駆動回路との間で電圧変換を行なうことにより前記第1および第2の駆動回路の入力電圧を可変する電圧変換器と、
    前記第1および第2の駆動回路の入力電圧が、前記第1または第2のモータジェネレータの要求出力に基づいた目標値となるように前記電圧変換を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記第2のモータジェネレータのロック状態を検出するロック状態検出手段と、
    前記第2のモータジェネレータのロック状態検出に応じて、前記第2の駆動回路を流れる電流が所定値を超えないように、前記第1のモータジェネレータの要求出力に応じて誘起される前記第1および第2の駆動回路の入力電圧を制限する電圧制限手段とを含む、モータ駆動装置。
  2. 前記電圧制限手段は、前記内燃機関において前記第2のモータジェネレータを前記ロック状態から脱出させるのに必要な駆動力が確保されるように、前記第1および第2の駆動回路の入力電圧を制限する、請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記電圧制限手段は、前記第2のモータジェネレータのロック状態における運転者の操作に基づいて算出される前記第1のモータジェネレータの要求トルクが確保されるように、前記第1および第2の駆動回路の入力電圧を制限する、請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記電圧制限手段は、
    前記第2のモータジェネレータのロック状態において前記第2の駆動回路に流れる電流が前記所定値を下回るときの前記第1および第2の駆動回路の入力電圧に基づいて所定のしきい値を設定するとともに、前記第1のモータジェネレータの要求出力に基づいて算出される前記電圧変換の目標値と前記所定のしきい値とを比較し
    前記電圧変換の目標値が前記所定のしきい値を下回ると判断されたとき、前記電圧変換器の電圧指令値を、前記電圧変換の目標値に設定し、
    前記電圧変換の目標値が前記所定のしきい値以上となると判断されたとき、前記電圧指令値を、前記電圧変換の目標値よりも低電圧であって、かつ前記第1のモータジェネレータの要求トルクに略等しい出力トルクが得られるように設定する、請求項3に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記電圧制限手段は、前記第1のモータジェネレータの出力可能な最大トルクと前記第1の駆動回路の入力電圧との関係を示すマップを予め有し、前記電圧変換の目標値が前記所定のしきい値以上となると判断されたとき、前記マップから、前記第1の駆動回路の入力電圧が前記電圧変換の目標値よりも低電圧であって、かつ、前記第1のモータジェネレータの要求トルクに略等しい出力トルクが得られる関係を選択し、前記選択した関係に基づいて前記電圧指令値を設定する、請求項4に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記電圧制限手段は、前記第2のモータジェネレータのロック状態脱出が検出されるまで、前記電圧指令値を、所定の期間ごとに所定の増加量で増加させる、請求項5に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記所定の増加量は、前記第2の駆動回路を流れる電流が前記所定値を越えないように設定される、請求項6に記載のモータ駆動装置。
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