JP2008022640A - 車両駆動装置、車両駆動装置の制御方法、車両駆動装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

車両駆動装置、車両駆動装置の制御方法、車両駆動装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】故障発生時の退避走行を行なう際に距離制限を受けにくい車両駆動装置を提供する。
【解決手段】車両駆動装置は、昇圧コンバータ12の出力ノードの電圧を平滑化するコンデンサC2と、昇圧コンバータ12およびコンデンサC2から電力を受けて回転電機を駆動する駆動部23と、昇圧コンバータ12および駆動部23を制御する制御装置30とを備える。制御装置30は、昇圧コンバータ12に関連する異常が発生したことを示す信号に応じて、所定量のエネルギを消費するように駆動部23を制御する。好ましくは、所定量のエネルギは、コンデンサC2の端子間電圧VHの正常使用範囲内での最大値とバッテリ電圧VBの差に応じて定められる。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両駆動装置、車両駆動装置の制御方法、車両駆動装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
近年、環境に配慮した自動車としてハイブリッド自動車、電気自動車および燃料電池自動車が大きな注目を集めている。
このような車両においては、直流電源から直流電圧を昇圧コンバータによって昇圧し、モータを駆動するインバータに昇圧した直流電圧を供給することも提案されている。
特開2004−222362号公報(特許文献1)には、制御装置が昇圧コンバータの故障を検出すると、交流モータの回生発電を禁止するようにインバータおよび交流モータを制御する旨が開示されている。
特開2004−222362
ハイブリッド自動車において、昇圧コンバータに関する故障が発生したときには、昇圧コンバータの昇圧制御を停止しバッテリ電圧を昇圧せずにそのままインバータに供給して、車両の走行を取り敢えず続行させることが考えられる。
特開2004−222362号公報(特許文献1)に開示された技術では、交流モータの回生発電を禁止したり、消費電力以下になるように発電量を抑えたりして、バッテリに充電がされないように制御が行なわれるので、バッテリの蓄電状態(SOC)が低下すると車両が停止してしまう。
したがって、昇圧コンバータに関する故障が発生すると、長距離の退避走行ができないという問題点があった。
この発明の目的は、故障発生時の退避走行を行なう際に距離制限を受けにくい車両駆動装置、車両駆動装置の制御方法、車両駆動装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することである。
この発明は、要約すると、車両駆動装置であって、直流電源と、直流電源の電圧変換を行なう直流電圧変換部と、直流電圧変換部の出力ノードの電圧を平滑化するコンデンサと、直流電圧変換部およびコンデンサから電力を受けて回転電機を駆動する駆動部と、直流電圧変換部および駆動部を制御する制御部とを備える。制御部は、直流電圧変換部に関連する異常が発生したことを示す信号に応じて、所定量のエネルギを消費するように駆動部を制御する。
好ましくは、所定量のエネルギは、コンデンサの端子間電圧の正常使用範囲内での最大値と直流電源の電圧の差に応じて定められる。
好ましくは、制御部は、駆動部に所定量のエネルギを消費させた後に、直流電圧変換部に直流電源とコンデンサとを電流が双方向に流れ得るように固定的に接続させる。
より好ましくは、直流電圧変換部は、直流電圧変換部の入力ノードに一方端が接続されるリアクトルと、制御部の制御の下で出力ノードとリアクトルの他方端とを導通させる第1のスイッチング素子と、制御部の制御の下でリアクトルの他方端と接地ノードとを導通させる第2のスイッチング素子とを含む。制御部は、駆動部に所定量のエネルギを消費させた後に、第1のスイッチング素子を導通状態に固定し、かつ第2のスイッチング素子を非導通状態に固定する。
好ましくは、駆動部は、回転電機のステータコイルのトルクを発生しない電流成分を増加させることにより所定量のエネルギを消費する。
好ましくは、駆動部は、内燃機関の始動をさせる第1のモータを駆動する第1のインバータと、車輪に連動して回転する第2のモータを駆動する第2のインバータとを含む。制御部は、第1のインバータに所定量のエネルギを消費させる。
好ましくは、駆動部は、内燃機関の始動をさせる第1のモータを駆動する第1のインバータと、車輪に連動して回転する第2のモータを駆動する第2のインバータとを含む。制御部は、車両が走行中であれば、第2のインバータに所定量のエネルギを消費させ、車両が停車中であれば、第1のインバータに所定量のエネルギを消費させる。
好ましくは、制御部は、直流電圧変換部に関連する異常が発生したことを示す信号に応じて、駆動部に対して回転電機の回生動作を禁止し、駆動部に所定量のエネルギを消費させた後に、回生動作を許可する。
この発明は、他の局面に従うと、直流電源と、直流電源の電圧変換を行なう直流電圧変換部と、直流電圧変換部の出力ノードの電圧を平滑化するコンデンサと、直流電圧変換部およびコンデンサから電力を受けて回転電機を駆動する駆動部とを含む車両駆動装置の制御方法であって、直流電圧変換部に関連する異常が発生したことを判断するステップと、直流電圧変換部に関連する異常が発生した場合に、所定量のエネルギを消費するように駆動部を制御するステップとを備える。
好ましくは、所定量のエネルギは、コンデンサの端子間電圧の正常使用範囲内での最大値と直流電源の電圧の差に応じて定められる。
好ましくは、車両駆動装置の制御方法は、駆動部に所定量のエネルギを消費させた後に、直流電圧変換部に直流電源とコンデンサとを電流が双方向に流れ得るように固定的に接続させるステップをさらに備える。
より好ましくは、直流電圧変換部は、直流電圧変換部の入力ノードに一方端が接続されるリアクトルと、制御部の制御の下で出力ノードとリアクトルの他方端とを導通させる第1のスイッチング素子と、制御部の制御の下でリアクトルの他方端と接地ノードとを導通させる第2のスイッチング素子とを含む。接続させるステップにおいて、駆動部に所定量のエネルギを消費させた後に、第1のスイッチング素子は導通状態に固定され、かつ第2のスイッチング素子は非導通状態に固定される。
好ましくは、駆動部を制御するステップは、回転電機のステータコイルのトルクを発生しない電流成分を増加させるサブステップを含む。
好ましくは、駆動部は、内燃機関の始動をさせる第1のモータを駆動する第1のインバータと、車輪に連動して回転する第2のモータを駆動する第2のインバータとを含む。駆動部を制御するステップは、第1のインバータに所定量のエネルギを消費させるサブステップを含む。
好ましくは、駆動部は、内燃機関の始動をさせる第1のモータを駆動する第1のインバータと、車輪に連動して回転する第2のモータを駆動する第2のインバータとを含む。駆動部を制御するステップは、車両が走行中か停車中かを判断するサブステップと、車両が走行中であれば、第2のインバータに所定量のエネルギを消費させるサブステップと、車両が停車中であれば、第1のインバータに所定量のエネルギを消費させるサブステップとを含む。
好ましくは、車両駆動装置の制御方法は、駆動部に対して回転電機の回生動作を禁止するステップと、駆動部に所定量のエネルギを消費させた後に、回生動作を許可するステップとをさらに備える。
この発明は、さらに他の局面に従うと、上記いずれかの車両駆動装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
この発明は、さらに他の局面に従うと、上記いずれかの車両駆動装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
この発明によれば、車両故障が発生した場合に、退避走行を継続可能な距離を延ばせる可能性が高まる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、車両100の主たる構成を示す図である。なお車両100は、モータとエンジンとを車両の駆動に併用するハイブリッド自動車であるが、本発明は、モータで車輪を駆動する電気自動車、燃料電池自動車等に対しても適用することができる。
図1を参照して、車両100は、電池ユニット40と、昇圧コンバータ12と、平滑用コンデンサC1、C2と、電圧センサ13,21と、モータ駆動部23と、エンジン4と、モータジェネレータMG1,MG2と、回転数センサ(レゾルバ)26,27と、動力分割機構3と、車輪2と、制御装置30とを含む。
平滑用コンデンサC1は、電源ラインPL1と接地ラインSL間に接続される。電圧センサ21は、平滑用コンデンサC1の両端間の電圧VLを検知して制御装置30に対して出力する。昇圧コンバータ12は、平滑用コンデンサC1の端子間電圧を昇圧する。平滑用コンデンサC2は、昇圧コンバータ12によって昇圧された電圧を平滑化する。電圧センサ13は、平滑用コンデンサC2の端子間電圧VHを検知して制御装置30に出力する。
モータ駆動部23は、インバータ14および22を含む。インバータ14は、昇圧コンバータ12から与えられる直流電圧を三相交流に変換してモータジェネレータMG1に出力する。
動力分割機構3は、エンジン4とモータジェネレータMG1,MG2に結合されてこれらの間で動力を分配する機構である。たとえば動力分割機構としてはサンギヤ、プラネタリキャリヤ、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。この3つの回転軸がエンジン4、モータジェネレータMG1,MG2の各回転軸にそれぞれ接続される。
なおモータジェネレータMG2の回転軸は、車輪2に図示しない減速ギヤや作動ギヤによって結合されている。また動力分割機構3の内部にモータジェネレータMG2の回転軸に対する減速機をさらに組み込んでもよい。また、この減速機の減速比を切り替え可能に構成しても良い。
電池ユニット40は電源ラインPL1と接地ラインSLに接続されている。電池ユニット40は、バッテリBと、バッテリBの負極と接地ラインSLとの間に接続されるシステムメインリレーSBGと、バッテリBの正極と電源ラインPL1との間に接続されるシステムメインリレーSBPとを含む。システムメインリレーSBP,SBGは、制御装置30から与えられる制御信号SEに応じて導通/非導通状態が制御される。
より具体的には、システムメインリレーSBP,SBGは、H(論理ハイ)レベルの信号SEによりオンされ、L(論理ロー)レベルの信号SEによりオフされる。コンデンサC1は、システムメインリレーSBP,SBGオン時において、バッテリBの端子間電圧を平滑化する。
電池ユニット40は、さらに、バッテリBの端子間の電圧VBを測定する電圧センサ10と、バッテリBに流れる電流IBを検知する電流センサ11とを含む。バッテリBとしては、たとえば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、鉛蓄電池等の二次電池や電気二重層コンデンサのような大容量キャパシタを用いることができる。
昇圧コンバータ12は、一方端が電源ラインPL1に接続されるリアクトルL1と、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に直列に接続されるIGBT素子Q1,Q2と、IGBT素子Q1,Q2にそれぞれ並列に接続されるダイオードD1,D2とを含む。
リアクトルL1の他方端はIGBT素子Q1のエミッタおよびIGBT素子Q2のコレクタに接続される。ダイオードD1のカソードはIGBT素子Q1のコレクタと接続され、ダイオードD1のアノードはIGBT素子Q1のエミッタと接続される。ダイオードD2のカソードはIGBT素子Q2のコレクタと接続され、ダイオードD2のアノードはIGBT素子Q2のエミッタと接続される。
インバータ14は、昇圧コンバータ12から昇圧された電圧を受けてたとえばエンジン4を始動させるためにモータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ14は、エンジン4から伝達される動力によってモータジェネレータMG1で発電された電力を昇圧コンバータ12に戻す。このとき昇圧コンバータ12は、降圧回路として動作するように制御装置30によって制御される。
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とを含む。U相アーム15,V相アーム16,およびW相アーム17は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に並列に接続される。
U相アーム15は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に直列接続されたIGBT素子Q3,Q4と、IGBT素子Q3,Q4とそれぞれ並列に接続されるダイオードD3,D4とを含む。ダイオードD3のカソードはIGBT素子Q3のコレクタと接続され、ダイオードD3のアノードはIGBT素子Q3のエミッタと接続される。ダイオードD4のカソードはIGBT素子Q4のコレクタと接続され、ダイオードD4のアノードはIGBT素子Q4のエミッタと接続される。
V相アーム16は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に直列接続されたIGBT素子Q5,Q6と、IGBT素子Q5,Q6とそれぞれ並列に接続されるダイオードD5,D6とを含む。ダイオードD5のカソードはIGBT素子Q5のコレクタと接続され、ダイオードD5のアノードはIGBT素子Q5のエミッタと接続される。ダイオードD6のカソードはIGBT素子Q6のコレクタと接続され、ダイオードD6のアノードはIGBT素子Q6のエミッタと接続される。
W相アーム17は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に直列接続されたIGBT素子Q7,Q8と、IGBT素子Q7,Q8とそれぞれ並列に接続されるダイオードD7,D8とを含む。ダイオードD7のカソードはIGBT素子Q7のコレクタと接続され、ダイオードD7のアノードはIGBT素子Q7のエミッタと接続される。ダイオードD8のカソードはIGBT素子Q8のコレクタと接続され、ダイオードD8のアノードはIGBT素子Q8のエミッタと接続される。
各相アームの中間点は、モータジェネレータMG1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータジェネレータMG1は、三相の永久磁石同期モータであり、U,V,W相の3つのコイルは各々一方端が中点に共に接続されている。そして、U相コイルの他方端がIGBT素子Q3,Q4の接続ノードに接続される。またV相コイルの他方端がIGBT素子Q5,Q6の接続ノードに接続される。またW相コイルの他方端がIGBT素子Q7,Q8の接続ノードに接続される。
なお、以上のIGBT素子Q1〜Q8に代えてパワーMOSFET等の他の電力スイッチング素子を用いても良い。
電流センサ24は、モータジェネレータMG1に流れる電流をモータ電流値MCRT1として検出し、モータ電流値MCRT1を制御装置30へ出力する。
インバータ22は、電源ラインPL2と接地ラインSLに接続されている。インバータ22は車輪2を駆動するモータジェネレータMG2に対して昇圧コンバータ12の出力する直流電圧を三相交流に変換して出力する。またインバータ22は、回生制動に伴い、モータジェネレータMG2において発電された電力を昇圧コンバータ12に戻す。このとき昇圧コンバータ12に降圧回路として動作するように制御装置30によって制御される。なお、インバータ22の内部の構成は、図示しないがインバータ14と同様であり、詳細な説明は繰返さない。
制御装置30は、トルク指令値TR1,TR2、モータ回転数MRN1,MRN2、電圧VB,VH、電流IBの各値、モータ電流値MCRT1,MCRT2および起動信号IGONを受ける。そして制御装置30は、昇圧コンバータ12に対して昇圧指示PWU,降圧指示PWDおよび動作禁止を指示する信号CSDNを出力する。
さらに、制御装置30は、インバータ14に対して昇圧コンバータ12の出力である直流電圧をモータジェネレータMG1を駆動するための交流電圧に変換する駆動指示PWMI1と、モータジェネレータMG1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12側に戻す回生指示PWMC1とを出力する。
同様に制御装置30は、インバータ22に対してモータジェネレータMG2を駆動するための交流電圧に直流電圧を変換する駆動指示PWMI2と、モータジェネレータMG2で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12側に戻す回生指示PWMC2とを出力する。
図2は、図1の制御装置30の機能ブロック図である。なお、この制御装置30は、ソフトウエアでもハードウエアでも実現が可能である。
図2を参照して、制御装置30は、図1の昇圧コンバータ12を制御する昇圧コンバータ制御部31と、モータジェネレータMG1用インバータ制御部32と、モータジェネレータMG2用インバータ制御部33とを含む。
正常動作時には、昇圧コンバータ制御部31は、昇圧指示PWU、降圧指示PWDを図1の昇圧コンバータに出力する。また、MG1用インバータ制御部32は、トルク目標値TR1とモータ回転数MRN1に基づいて、インバータ14に対して駆動指示PWMI1、回生指示PWMC1を出力する。また、MG2用インバータ制御部33は、トルク目標値TR2とモータ回転数MRN2に基づいて、インバータ14に対して駆動指示PWMI2、回生指示PWMC2を出力する。
一方、昇圧コンバータ制御部31は、フェイル信号FAILが昇圧コンバータ異常を示すときには、昇圧コンバータ12のゲートを遮断する信号CSDNを活性化させた後、MG1用インバータ制御部32およびMG2用インバータ制御部33に対して回生(発電)を禁止する。
そして、昇圧コンバータ制御部31は、MG1用インバータ制御部32、MG2用インバータ制御部33のいずれかに対してコンデンサC2の電荷を消費させて電圧VHがバッテリ電圧VBと同程度に降下させる。電圧VHをバッテリ電圧VBと同程度に降下させるのに十分な電荷が消費された後に、昇圧コンバータ制御部31は、昇圧コンバータ12の上アームのIGBT素子Q1を導通させる。このようにして電源ラインPL2から電源ラインPL1に電流が流れることができるようにした後に、MG1用インバータ制御部32およびMG2用インバータ制御部33に対して回生(発電)を許可する。
図3は、制御装置30が実行する処理の制御構造を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、所定のメインルーチンから一定時間毎または所定の条件が成立する毎に呼び出されて実行される。
図1、図3を参照して、処理が開始されるとまずステップS1において、昇圧コンバータ系異常が発生しているかが判断される。図1では、昇圧コンバータ12の電流センサや電圧センサ等により過熱、過電流が検知された場合にその情報が図示しない統合ECUに送られている。制御装置30は、統合ECUから与えられるフェイル情報を示す信号FAILを監視することによって昇圧コンバータ系の異常が発生したことを知ることができる。
昇圧コンバータ系の異常が発生していなければ処理はステップS7に進み制御はメインルーチンに移される。一方、昇圧コンバータ系の異常が発生したと判断された場合には、処理はステップS2に進む。
ステップS2において制御装置30は、モータジェネレータMG1,MG2の回生(発電)動作を禁止してコンデンサC2が過電圧となることを防止する。すなわち、制御装置30は、後に解除されるまで、インバータ14,22に対して回生指示PWMC1、PWMC2を出力しないように制御を行なう。
そして、ステップS3において、昇圧コンバータ12の上アーム(IGBT素子Q1)および下アーム(IGBT素子Q2)を両方ともOFF状態にする。すなわち、制御装置30は、昇圧コンバータ12に与えるゲート禁止信号CSDNを活性化させる。
次に、ステップS4において、制御装置30は、モータジェネレータMG1またはMG2にコンデンサC2のエネルギを消費させる。昇圧コンバータ異常が発生した場合には、電圧VHを検知する電圧センサ13の異常である場合も考えられるので、この消費させるエネルギ量は、たとえば、電圧VHが使用範囲内の最高値である場合に合わせて設定される。すなわち電圧VHの最大値をVmaxとすると電圧VHを電圧VBに等しくするために消費すべきコンデンサC2のエネルギは1/2×C×(Vmax2−VB2)で表わされる。なお、昇圧コンバータ12の異常時でもバッテリ電圧を検出する電圧センサ10は正常であるので、その都度使用エネルギを定めても良いが、バッテリBの標準的な電圧値を用いて消費するエネルギを定めても良い。また好ましくは、バッテリ電圧の管理値下限を用いて消費するエネルギを定めてもよい。
なお、エネルギが消費された結果、コンデンサC2の電圧は下がるが、ダイオードD1が導通するので電圧VBより大きく降下することはない。
ステップS4で所定量のエネルギが消費された後、制御装置30はステップS5において、昇圧コンバータ12の下アーム(IGBT素子Q2)を両方ともOFF状態に固定したまま、上アーム(IGBT素子Q1)をON状態に設定する。すなわち、制御装置30は、昇圧コンバータ12に与える降圧指示PWDにおいてPWMのデューティー比を100%に設定する。これにより、バッテリBに対してエンジン4を用いて発電した電力を充電することが可能となる。
その後、ステップS6において、制御装置30は、モータジェネレータMG1,MG2の回生動作(発電)を許可し、ステップS7において制御はメインルーチンに移される。
図4は、図3のステップS4の処理を開始した直後の状態を説明するための図である。
図1、図4を参照して、車両駆動装置は、直流電源であるバッテリBと、バッテリBの電圧変換を行なう昇圧コンバータ12と、昇圧コンバータ12の出力ノードの電圧を平滑化するコンデンサC2と、昇圧コンバータ12およびコンデンサC2から電力を受けて回転電機を駆動する駆動部23と、昇圧コンバータ12および駆動部23を制御する制御装置30とを備える。制御装置30は、昇圧コンバータ12に関連する異常が発生したことを示す信号に応じて、所定量のエネルギを消費するように駆動部23を制御する。
この所定量のエネルギは、コンデンサC2の端子間電圧の正常使用範囲内での最大値と直流電源の電圧の差に応じて定められる。たとえば、昇圧コンバータ12の昇圧範囲が最高で650Vであり、バッテリBの通常電圧が200Vである場合には、コンデンサC2の電圧が650Vから200Vまで低下するときに放出されるエネルギを消費すれば、確実にコンデンサC2の電圧は200V以下に低下する。
なお、バッテリの電圧変動はあまり大きくないのでバッテリBの通常電圧でも問題ないが、バッテリBは電圧が上限値と下限値の間に収まるように管理されているので、バッテリBの通常電圧ではなく電圧下限値を使用すれば一層確実にバッテリ電圧付近まで電圧VHを低下させることができる。また、バッテリBの電圧を検知するセンサが正常であれば、電圧センサ10で検出した電圧VBを用いても良い。
所定量のエネルギの消費開始直後は、昇圧コンバータ12で昇圧されていた結果、コンデンサC2の電圧VHはバッテリBの電圧VBよりも高い場合が多い。したがって、図4の矢印に示すように、コンデンサC2から駆動部23に電流I1が供給される。
この段階では、IGBT素子Q1,Q2はOFF状態であり、かつダイオードD1,D2には逆方向の電圧がかかっているので、バッテリBからは電流が供給されない。
図5は、図3のステップS4の処理を完了した状態を説明するための図である。
コンデンサC2のエネルギが駆動部23で消費された結果、コンデンサC2の電圧VHが電圧VBよりも低下すると、ダイオードD1にかかる電圧は順方向に変化する。したがって、バッテリBから電流IBが図5に示す矢印のようにリアクトルL1を流れ、そしてダイオードD1を矢印に示す電流I2(=IB)が流れる。これにより、コンデンサC2の電圧は、ほぼ電圧VBと等しい状態となり、それ以下には電圧は下がらない。
コンデンサC2の電圧VHが十分降下した後には、昇圧コンバータ12の上アームを導通させても、過電流が流れる心配が無くなる。そこで、図3のステップS5に示すように、制御装置30は、駆動部23に所定量のエネルギを消費させた後に、昇圧コンバータ12に直流電源とコンデンサC2とを電流が双方向に流れ得るように固定的に接続させる。
より具体的には、昇圧コンバータ12は、昇圧コンバータ12の入力ノードに一方端が接続されるリアクトルL1と、制御装置30の制御の下で出力ノードとリアクトルL1の他方端とを導通させるIGBT素子Q1と、制御装置30の制御の下でリアクトルの他方端と接地ノードとを導通させるIGBT素子Q2とを含む。制御装置30は、駆動部23に所定量のエネルギを消費させた後に、IGBT素子Q1を導通状態に固定し、かつIGBT素子Q2を非導通状態に固定する。
図6は、図3のステップS4の第1例であるステップS4Aの処理を示すフローチャートである。
図6を参照して、まずサブステップS11において、所定量のエネルギが、コンデンサC2の端子間電圧VHの正常使用範囲内での最大値と直流電源の電圧の差に応じて定められる。
すなわち、電圧VHの正常使用範囲内での最大値をVHmaxとすると、コンデンサC2に蓄積されるエネルギの最大値は1/2×C2×VHmax2である。また、コンデンサC2の電圧VHがバッテリBの電圧VBと等しくなったときのコンデンサC2のエネルギは、1/2×C2×VB2である。したがって、これらの差をE0と定めて駆動部23に消費させるエネルギに設定する。
なお、電圧センサ10で検知した値を用いずにバッテリBの電圧VBを標準電圧や、管理範囲の下限電圧にすれば、エネルギ消費はやや多くなるが、その都度演算する必要がなくなり、予め制御装置30のメモリ等に記憶しておいたE0を読み出せばよい。
図1で説明したように、駆動部23は、内燃機関の始動をさせるモータジェネレータMG1を駆動するインバータ14と、車輪に連動して回転するモータジェネレータMG2を駆動するインバータ22とを含む。
駆動部23を制御してエネルギを消費させるステップS4Aは、車両が走行中か停車中かを判断するサブステップS12と、車両が走行中であれば、インバータ22に所定量のエネルギを消費させるサブステップS13,S14と、車両が停車中であれば、インバータ14に所定量のエネルギを消費させるサブステップS15,S16とをさらに含む。
すなわち、制御装置30は、ステップS12において、たとえば、車輪に連動して回転するモータジェネレータMG2の回転数MRN2をレゾルバ27から得て、これに基づいて車両が走行中か否かを判断する。
回転数MRN2がゼロに近い所定のしきい値以下であれば車両が走行中で無いと判断され処理はステップS15に進む。そうでなければ、処理はステップS13に進む。
車両が走行中であれば、モータジェネレータMG2を回転させてよい。したがってモータジェネレータMG2を駆動させることでコンデンサC2のエネルギを消費させることができる。
ステップS13では、モータジェネレータMG2で消費されるエネルギの積算処理が行なわれる。すなわち、モータジェネレータMG2のロータの回転数をω2とし、指令トルクをT2とすると消費されるパワーはω22であるので、これを時間で積分することによりステップS12からステップS13に遷移した時点からの消費エネルギE1を求めることができる。
ステップS13の次にはステップS14の処理が行なわれる。ステップS14では消費すべきエネルギE0と現時点までに消費したエネルギE1の大きさの比較が行なわれる。E1>E0が成立しなければ再びステップS13に処理が戻り、エネルギの消費と積算が継続される。E1>E0が成立した場合には、コンデンサC2のエネルギは十分消費され、電圧VHは電圧VBにほぼ等しくなっているはずである。したがってステップS17に処理が進み、制御は図3のフローチャートのステップS5に移る。
一方、ステップS12で車両が走行中でなければ、モータジェネレータMG2を駆動させると車両が運転者の意図に反して動いてしまう。したがってモータジェネレータMG2を駆動させることはできないので、代わりにモータジェネレータMG1を使用してコンデンサC2のエネルギを消費させる。
車両停止中でエンジン停止時にモータジェネレータMG1を駆動させると、エンジンを回転させるようにトルクが働く。エンジンは、燃料を供給していない停止状態では摩擦等のため回転させるのに力を要するので、MG1を回転させるとエネルギが消費される。なお、停車中でエンジンに燃料が供給されて運転しているアイドリング状態であっても、エンジン回転数を加速または減速させるようにモータジェネレータMG1からトルクを与えれば、やはりエネルギを消費させることができる。
ステップS15では、モータジェネレータMG1で消費されるエネルギの積算処理が行なわれる。すなわち、モータジェネレータMG1のロータの回転数をω1とし、指令トルクをT1とすると消費されるパワーはω11であるので、これを時間で積分することによりステップS12からステップS15に遷移した時点からの消費エネルギE1を求めることができる。
ステップS15の次にはステップS16の処理が行なわれる。ステップS16では消費すべきエネルギE0と現時点までに消費したエネルギE1の大きさの比較が行なわれる。E1>E0が成立しなければ再びステップS15に処理が戻り、エネルギの消費と積算が継続される。E1>E0が成立した場合には、コンデンサC2のエネルギは十分消費され、電圧VHは電圧VBにほぼ等しくなっているはずである。したがってステップS17に処理が進み、制御は図3のフローチャートのステップS5に移る。
図7は、図3のステップS4の第2例であるステップS4Bの処理を示すフローチャートである。
図6の例では、走行中であれば車輪の駆動にエネルギを消費させ、停車中であればエンジンを強制回転させたりエンジン回転を加速または減速したりしてエネルギを消費させた。この場合は、走行中である場合に、エネルギを有効に活用することができる。これに対し、図7では、走行中であるか否かにかかわらず、エンジンを強制回転させたりエンジン回転を過速または減速したりしてエネルギを消費させる。
図1、図7を参照して具体的に説明すると、駆動部23は、エンジン4の始動をさせるモータジェネレータMG1を駆動するインバータ14と、車輪2に連動して回転するモータジェネレータMG2を駆動するインバータ22とを含む。駆動部23を制御する図3のステップS4の第2例であるステップS4Bは、コンデンサC2の端子間電圧VHの正常使用範囲内での最大値と直流電源の電圧の差に応じて所定量のエネルギを定めるサブステップS21と、インバータ14に所定量のエネルギを消費させるサブステップS22,S23とを含む。
サブステップS21の処理の詳細は、図6のサブステップS11と同様であり説明は繰返さない。
ステップS22では、モータジェネレータMG1で消費されるエネルギの積算処理が行なわれる。すなわち、モータジェネレータMG1のロータの回転数をω1とし、指令トルクをT1とすると消費されるパワーはω11であるので、これを時間で積分することによりステップS21からステップS22に遷移した時点からの消費エネルギE1を求めることができる。
ステップS22の次にはステップS23の処理が行なわれる。ステップS23では消費すべきエネルギE0と現時点までに消費したエネルギE1の大きさの比較が行なわれる。E1>E0が成立しなければ再びステップS22に処理が戻り、エネルギの消費と積算が継続される。E1>E0が成立した場合には、コンデンサC2のエネルギは十分消費され、電圧VHは電圧VBにほぼ等しくなっているはずである。したがってステップS24に処理が進み、制御は図3のフローチャートのステップS5に移る。
図7に示す処理の場合、車両停止中であればモータジェネレータMG1を駆動させるとエンジンを回転させるようにトルクが働く。エンジン4は、燃料を供給していない停止状態では摩擦等のため回転させるのに力を要するので、MG1を回転させるとエネルギが消費される。なお、停車中でエンジン4に燃料が供給されて運転しているアイドリング状態であっても、エンジン回転数を加速または減速させるようにモータジェネレータMG1からトルクを与えれば、やはりエネルギを消費させることができる。
一方、車両が走行中であっても、エンジンブレーキのようにエンジン4を用い、モータジェネレータMG1を回転させればエネルギを消費させることができる。
図7に示した第2例の処理によれば、車両が走行中か否かの判断が不要となり、制御が簡単になるという利点がある。
図8は、図3のステップS4の第3例であるステップS4Cの処理を示すフローチャートである。
図6,図7に示した第1、第2例では、いずれもモータジェネレータでトルクを発生させ、このトルクで車輪やエンジンを回すことでエネルギを消費させていた。しかし、トルクを発生させずにモータジェネレータで熱としてエネルギを消費させることもできる。
すなわち、駆動部23を制御する図3のステップS4の第3例であるステップS4Cは、コンデンサC2の端子間電圧VHの正常使用範囲内での最大値と直流電源の電圧の差に応じて所定量のエネルギを定めるサブステップS31と、回転電機のステータコイルのトルクを発生しない電流成分を増加させるサブステップS32,S33とを含む。
サブステップS31の処理の詳細は、図6のサブステップS11と同様であり説明は繰返さない。
ステップS32では、モータジェネレータMG1またはMG2で消費されるエネルギの積算処理が行なわれる。ここで、モータジェネレータで発生するトルクは、次式で表わされる。
T=P(IqΨ+(Ld−Lq)Idq
ここで、Pは極対数、Idはd軸の電流、Iqはq軸の電流、Ψは界磁による電機子巻線の磁束鎖交、Ldはd軸のインダクタンス、Lqはq軸のインダクタンスを示す。
この式からわかるように、Iq=0であればトルクTもゼロになる。したがって、Idのみを流すことにより、銅損Iq 2Rによってエネルギを消費させれば車両の走行に影響を与えず済む。なお、損失には銅損以外にも鉄損もあるので走行中であれば鉄損(角速度ωに比例)も考慮しても良い。しかし、銅損のみでコンデンサC2のエネルギを電圧VHが電圧VBに等しくなるくらいエネルギを消費すれば、鉄損分がどの程度であっても、電圧VHを電圧VBにほぼ等しくすることができる。
すなわち、モータジェネレータMG1またはMG2のq軸電流をゼロに設定し、d軸電流によって発生する銅損Id 2Rを時間で積分することによりステップS31からステップS32に遷移した時点からの消費エネルギE1を求めることができる。
ステップS32の次にはステップS33の処理が行なわれる。ステップS33では消費すべきエネルギE0と現時点までに消費したエネルギE1の大きさの比較が行なわれる。E1>E0が成立しなければ再びステップS32に処理が戻り、エネルギの消費と積算が継続される。E1>E0が成立した場合には、コンデンサC2のエネルギは十分消費され、電圧VHは電圧VBにほぼ等しくなっているはずである。したがってステップS34に処理が進み、制御は図3のフローチャートのステップS5に移る。
図9は、電圧VHと回生禁止から回生許可に切換えるタイミングとの関係を説明するための動作波形図である。
図1、図9を参照して、時刻t1までは、昇圧コンバータ12は通常の制御を行なっており、IGBT素子Q1、Q2は車両状況に応じてスイッチングされ、バッテリ電圧VBを電圧VHまで昇圧する動作、または電圧VHをバッテリ電圧VBに降圧してバッテリの充電を行なう動作のいずれかが行なわれている。
このとき電圧VHは、管理上限値VHmaxと管理下限値VHminとの間の値になっている。
時刻t1において、昇圧コンバータ12の故障が発生したことを示す信号FAILが活性化し、これに応じてモータジェネレータMG1,MG2の回生が禁止され、そして昇圧コンバータの上アーム、下アームにそれぞれ相当するIGBT素子Q1、Q2は共にOFF状態に制御される。
さらに、時刻t1以降、制御装置30の制御によってモータジェネレータMG1またはMG2においてコンデンサC2に蓄えられたエネルギが消費される。これにより電圧VHは次第に低下する。このエネルギ消費は、走行中であればモータジェネレータMG2でエネルギ消費がされているので問題ない。停車中であっても、モータジェネレータMG1を回転させることでエネルギを消費されることができる。また、モータジェネレータMG1,MG2のいずれに対してもトルクを発生させない電流成分を増加させて銅損としてエネルギを消費させることもできる。
時刻t1で電圧VHが管理下限値VHminであったときには時刻t2において電圧VHはバッテリ電圧VBにほぼ等しくなる。一方、時刻t1で電圧VHが管理上限値VHmaxであったときには時刻t3において電圧VHはバッテリ電圧VBにほぼ等しくなる。実際には、電圧VHは時刻t2とt3の間においてバッテリ電圧VBに等しくなる。
先にも述べたように、電圧VHが十分降下していないときにIGBT素子Q1を導通状態に固定すると、昇圧コンバータ12やバッテリBに過電流が流れてしまう恐れがある。したがって、制御装置30は、電圧VHが十分降下したと考えられる時刻t3まで、モータジェネレータの回生を禁止し、かつIGBT素子Q1をOFF状態にしておく。このことが、十分な所定量のエネルギを消費させることに相当する。
そして時刻t3において、制御装置30は、IGBT素子Q1をON状態に遷移させ、モータジェネレータの回生を許可する。これにより、バッテリに対する充電が可能となり昇圧コンバータ異常時であっても長距離の退避走行を行なうことが可能となる。
以上説明したように、制御装置30は、昇圧コンバータ12に異常が発生したことを示す信号FAILに応じて、駆動部23に対して回転電機の回生動作を禁止し、駆動部23に所定量のエネルギを消費させた後に、回生動作を許可する。
つまり、やや多めのエネルギを消費させその消費エネルギ量を観測することによって、昇圧コンバータ周辺のセンサ等に異常が生じていても電圧VHをバッテリ電圧VB付近まで下げることができる。そして昇圧コンバータの上アームを導通して回生許可を行なうことで、エンジンを回してモータジェネレータMG1で発電を行ないバッテリBに充電をすることが可能となるので退避走行の距離制限を受けにくくなる。
また、以上の実施の形態で開示された制御方法は、コンピュータを用いてソフトウエアで実行可能である。この制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体(ROM、CD−ROM、メモリカードなど)から車両の制御装置中のコンピュータに読み込ませたり、また通信回線を通じて提供したりしても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
車両100の主たる構成を示す図である。 図1の制御装置30の機能ブロック図である。 制御装置30が実行する処理の制御構造を示すフローチャートである。 図3のステップS4の処理を開始した直後の状態を説明するための図である。 図3のステップS4の処理を完了した状態を説明するための図である。 図3のステップS4の第1例であるステップS4Aの処理を示すフローチャートである。 図3のステップS4の第2例であるステップS4Bの処理を示すフローチャートである。 図3のステップS4の第3例であるステップS4Cの処理を示すフローチャートである。 電圧VHと回生禁止から回生許可に切換えるタイミングとの関係を説明するための動作波形図である。
符号の説明
2 車輪、3 動力分割機構、4 エンジン、10,13,21 電圧センサ、11,24 電流センサ、12 昇圧コンバータ、14,22 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、23 モータ駆動部、26,27 回転数センサ、30 制御装置、31 昇圧コンバータ制御部、32 MG1用インバータ制御部、33 MG2用インバータ制御部、40 電池ユニット、100 車両、B バッテリ、C1,C2 平滑用コンデンサ、D1〜D8 ダイオード、L1 リアクトル、MG1,MG2 モータジェネレータ、PL1,PL2 電源ライン、Q1〜Q8 IGBT素子、SBP,SBG システムメインリレー、SL 接地ライン。

Claims (18)

  1. 直流電源と、
    前記直流電源の電圧変換を行なう直流電圧変換部と、
    前記直流電圧変換部の出力ノードの電圧を平滑化するコンデンサと、
    前記直流電圧変換部および前記コンデンサから電力を受けて回転電機を駆動する駆動部と、
    前記直流電圧変換部および駆動部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記直流電圧変換部に関連する異常が発生したことを示す信号に応じて、所定量のエネルギを消費するように前記駆動部を制御する、車両駆動装置。
  2. 前記所定量のエネルギは、前記コンデンサの端子間電圧の正常使用範囲内での最大値と前記直流電源の電圧の差に応じて定められる、請求項1に記載の車両駆動装置。
  3. 前記制御部は、前記駆動部に前記所定量のエネルギを消費させた後に、前記直流電圧変換部に前記直流電源と前記コンデンサとを電流が双方向に流れ得るように固定的に接続させる、請求項1に記載の車両駆動装置。
  4. 前記直流電圧変換部は、
    前記直流電圧変換部の入力ノードに一方端が接続されるリアクトルと、
    前記制御部の制御の下で前記出力ノードと前記リアクトルの他方端とを導通させる第1のスイッチング素子と、
    前記制御部の制御の下で前記リアクトルの他方端と接地ノードとを導通させる第2のスイッチング素子とを含み、
    前記制御部は、前記駆動部に前記所定量のエネルギを消費させた後に、前記第1のスイッチング素子を導通状態に固定し、かつ前記第2のスイッチング素子を非導通状態に固定する、請求項3に記載の車両駆動装置。
  5. 前記駆動部は、前記回転電機のステータコイルのトルクを発生しない電流成分を増加させることにより前記所定量のエネルギを消費する、請求項1に記載の車両駆動装置。
  6. 前記駆動部は、
    内燃機関の始動をさせる第1のモータを駆動する第1のインバータと、
    車輪に連動して回転する第2のモータを駆動する第2のインバータとを含み、
    前記制御部は、前記第1のインバータに前記所定量のエネルギを消費させる、請求項1に記載の車両駆動装置。
  7. 前記駆動部は、
    内燃機関の始動をさせる第1のモータを駆動する第1のインバータと、
    車輪に連動して回転する第2のモータを駆動する第2のインバータとを含み、
    前記制御部は、車両が走行中であれば、前記第2のインバータに前記所定量のエネルギを消費させ、車両が停車中であれば、前記第1のインバータに前記所定量のエネルギを消費させる、請求項1に記載の車両駆動装置。
  8. 前記制御部は、前記直流電圧変換部に関連する異常が発生したことを示す信号に応じて、前記駆動部に対して前記回転電機の回生動作を禁止し、前記駆動部に前記所定量のエネルギを消費させた後に、前記回生動作を許可する、請求項1に記載の車両駆動装置。
  9. 直流電源と、前記直流電源の電圧変換を行なう直流電圧変換部と、前記直流電圧変換部の出力ノードの電圧を平滑化するコンデンサと、前記直流電圧変換部および前記コンデンサから電力を受けて回転電機を駆動する駆動部とを含む車両駆動装置の制御方法であって、
    前記直流電圧変換部に関連する異常が発生したことを判断するステップと、
    前記直流電圧変換部に関連する異常が発生した場合に、所定量のエネルギを消費するように前記駆動部を制御するステップとを備える、車両駆動装置の制御方法。
  10. 前記所定量のエネルギは、前記コンデンサの端子間電圧の正常使用範囲内での最大値と前記直流電源の電圧の差に応じて定められる、請求項9に記載の車両駆動装置の制御方法。
  11. 前記駆動部に前記所定量のエネルギを消費させた後に、前記直流電圧変換部に前記直流電源と前記コンデンサとを電流が双方向に流れ得るように固定的に接続させるステップをさらに備える、請求項9に記載の車両駆動装置の制御方法。
  12. 前記直流電圧変換部は、
    前記直流電圧変換部の入力ノードに一方端が接続されるリアクトルと、
    前記制御部の制御の下で前記出力ノードと前記リアクトルの他方端とを導通させる第1のスイッチング素子と、
    前記制御部の制御の下で前記リアクトルの他方端と接地ノードとを導通させる第2のスイッチング素子とを含み、
    前記接続させるステップにおいて、
    前記駆動部に前記所定量のエネルギを消費させた後に、前記第1のスイッチング素子は導通状態に固定され、かつ前記第2のスイッチング素子は非導通状態に固定される、請求項11に記載の車両駆動装置の制御方法。
  13. 前記駆動部を制御するステップは、
    前記回転電機のステータコイルのトルクを発生しない電流成分を増加させるサブステップを含む、請求項9に記載の車両駆動装置の制御方法。
  14. 前記駆動部は、
    内燃機関の始動をさせる第1のモータを駆動する第1のインバータと、
    車輪に連動して回転する第2のモータを駆動する第2のインバータとを含み、
    前記駆動部を制御するステップは、
    前記第1のインバータに前記所定量のエネルギを消費させるサブステップを含む、請求項9に記載の車両駆動装置の制御方法。
  15. 前記駆動部は、
    内燃機関の始動をさせる第1のモータを駆動する第1のインバータと、
    車輪に連動して回転する第2のモータを駆動する第2のインバータとを含み、
    前記駆動部を制御するステップは、
    車両が走行中か停車中かを判断するサブステップと、
    車両が走行中であれば、前記第2のインバータに前記所定量のエネルギを消費させるサブステップと、
    車両が停車中であれば、前記第1のインバータに前記所定量のエネルギを消費させるサブステップとを含む、請求項9に記載の車両駆動装置の制御方法。
  16. 前記駆動部に対して前記回転電機の回生動作を禁止するステップと、
    前記駆動部に前記所定量のエネルギを消費させた後に、前記回生動作を許可するステップとをさらに備える、請求項9に記載の車両駆動装置の制御方法。
  17. 請求項9〜16のいずれか1項に記載の車両駆動装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  18. 請求項9〜16のいずれか1項に記載の車両駆動装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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JP2010241268A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Toyota Motor Corp ハイブリッド自動車およびその制御方法
JP2014125053A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Toyota Motor Corp 電動車両および電動車両の制御方法

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