JP2008125225A - モータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの高効率化と安定した制振制御とを実現可能なモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】昇圧コンバータの電圧指令の演算に用いるトルク指令は、目標駆動トルクに制振トルクTcctを加算して生成される。制振トルクTcctは、目標値Tcct*がモータ回転数に含まれる回転数変動成分とは無関係に、車両各部からの入力信号に基づいて検出した車両の状態に応じて設定される。そして、車両の状態の変化に応じて制振トルク目標値Tcct*が増加した場合には、制振トルクTcctは、車両の振動の変動幅の変化率に応じて設定された増加率に従って増加する。これによれば、出力トルク不足を回避しつつ、電圧指令が車両の振動の抑制に必要なモータ駆動電圧よりも無駄に高く設定されるのを防止することができる。その結果、制振制御の安定性を確保しつつ、電圧変換器の電力損失を低減することができる。
【選択図】図9

Description

この発明は、モータ駆動装置に関し、特に、出力トルクの制振制御機能を備えたモータ駆動装置に関する。
最近、環境に配慮した自動車として、ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が注目されている。ハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。
また、電気自動車は、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。
このようなハイブリッド自動車または電気自動車に搭載されるモータ駆動装置においては、たとえば特開2005−184999号公報(特許文献1)および特開2006−136184号公報(特許文献2)に開示されるように、モータの出力トルクをトルク指令に高精度に合致させ、トルク制御のずれによって生じる車両の振動を抑える制振制御技術が採用されている。
これによれば、モータ駆動装置に与えられるトルク指令は、本来モータが要求される出力トルクに対して、モータ回転数のうねり成分等に基づいて生成した制振トルクを加算したものとされる。この加算結果を最終的なトルク指令としてモータを駆動制御することにより、トルクの脈動成分が相殺され、結果として車両の振動を抑えることができる。
特開2005−184999号公報 特開2006−136184号公報
ところで、一部のタイプのハイブリッド自動車においては、モータを高効率で駆動するために、モータを駆動制御するモータ駆動装置に入力された直流電圧のレベル変換機能を持たせて、モータ駆動のための印加電圧(以下、「モータ駆動電圧」とも称する)をモータの動作状態(回転数・トルク等)に応じて調節可能とした構成が採用されている。特に、昇圧機能を持たせて、モータ駆動電圧を入力直流電圧よりも高くすることにより、直流電圧源としてのバッテリの小型化および、高圧化に伴なう電力損失低減によって、モータの高効率化が可能となる。
詳細には、バッテリからの直流電圧を昇圧コンバータによって昇圧してモータ駆動電圧を発生し、その発生したモータ駆動電圧をインバータで交流電圧に変換して車両走行用のモータを駆動制御する構成が採用されている。この構成において、モータ駆動電圧の目標値、すなわち、昇圧コンバータの電圧指令は、モータ回転数およびトルク指令に基づいて決定される。
ここで、上述した制振制御の実行時において、トルク指令に基づいて昇圧コンバータの電圧指令を決定する場合を考える。制振制御におけるトルク指令は、本来の要求トルクに制振トルクが加算されたものであるため、回転数のうねり成分を反映して振動している。
そのため、かかるトルク指令を基に決定された電圧指令は、トルク指令と同様に振動することになる。そして、電圧指令が振動することによって、昇圧コンバータにおいては、昇圧動作と降圧動作とが頻繁に繰り返されることになる。この結果、昇圧コンバータに生じる電力損失が増加し、モータ駆動装置のシステム効率が低下してしまう。
また、昇圧コンバータを具備した構成では、昇圧コンバータの出力側には、モータ駆動電圧を安定化させるための平滑用のコンデンサを設ける必要がある。このため、電圧指令が振動すると、平滑用コンデンサの保持電圧も変動し、その蓄積電力も変動する。したがって、電圧指令の振動に応じて昇圧動作と降圧動作とが頻繁に繰り返されると、昇圧コンバータには、モータの消費/発電電力のみならず平滑用コンデンサの蓄積電力変動分が授受されることとなる。この結果、昇圧コンバータには比較的大きな電流が通過することになる。このような電流が過大となると、昇圧コンバータを構成するスイッチング素子を破壊するおそれがある。また、昇圧コンバータにおける通過電流の増大は、電力損失を増加させるため、モータの高効率化を阻む要因となり得る。
それゆえ、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、モータの高効率化と安定した制振制御とを実現可能なモータ駆動装置を提供することである。
この発明によれば、モータ駆動装置は、車両の駆動トルクを発生するモータを駆動する駆動回路と、モータの出力トルクが目標トルクに一致するように駆動回路を制御するモータ駆動制御回路と、電源からの電力を電圧変換して駆動回路に入力する電圧変換器と、出力電圧が電圧指令に一致するように電圧変換器を制御する電圧変換制御回路とを備える。モータ駆動制御回路は、モータの回転数の変動成分に基づいてモータの出力トルクの脈動を抑制するための第1の制振トルクを生成し、その生成した第1の制振トルクを目標駆動トルクに加算して目標トルクとする第1の制振制御部を含む。電圧変換制御回路は、モータの回転数の変動成分とは独立に、目標トルクの脈動を抑制するための第2の制振トルクを生成し、その生成した第2の制振トルクと目標駆動トルクとの加算値に基づいて電圧指令を設定する第2の制振制御部を含む。第2の制振制御部は、車両の各部からの入力信号に基づいて判定された車両の状態に応じて、第2の制振トルクを可変に設定する制振トルク設定手段と、車両の振動を検出し、その検出した振動の変動幅の変化率を算出する車両振動検出手段と、制振トルク設定手段によって設定された第2の制振トルクが第1の設定値から第2の設定値に増加するときの変化率を、車両振動検出手段によって算出された振動の変動幅の変化率に応じて可変とする制振トルク制御手段とを含む。
上記のモータ駆動装置によれば、電圧変換器における電圧指令の設定に用いられる制振トルクは、モータ回転数の変動成分とは独立に、車両の状態に応じて制振制御に必要十分なトルクに適宜設定される。さらに、制振トルクは、車両の状態が変化したときには、増加率が、車両の振動の変動幅の変化率に応じた可変値となるように設定される。これによれば、振動を含まない制振トルクに基づいて電圧指令が設定されるため、電圧変換器の出力電圧が振動するのが抑えられる。また、電圧指令が車両の振動の大きさに応じた増加率で増加するため、車両の振動の抑制に必要なモータ駆動電圧よりも無駄に高く設定されるのが防止される。したがって、制振制御の安定性を確保しつつ、電圧変換器の電力損失を低減することができる。その結果、モータ駆動装置を搭載した車両の燃費向上と快適な乗り心地とが実現される。
好ましくは、制振トルク制御手段は、第2の制振トルクが第2の設定値から第1の値に減少するときの変化率を、車両振動検出手段によって算出された振動の変動幅の変化率に応じて可変に設定する。
上記のモータ駆動装置によれば、電圧指令の設定に用いられる制振トルクは、さらに、車両の状態が変化したときの減少率についても、車両の振動の変動幅の変化率に応じた可変値となるように設定される。これによれば、車両の振動の抑制に必要なモータ駆動電圧よりも無駄に高く設定されるのを抑制して電圧変換器の電力損失を低減できるとともに、電圧指令の急峻な減少に伴なって電源に過電圧が印加されるのを防止できる。また、モータの出力トルクに不連続部分が生じることによって車両が振動するのを抑制することができる。
好ましくは、車両振動検出手段は、車両に搭載された加速度センサの出力値に基づいて車両の振動を検出する。
上記のモータ駆動装置によれば、既存の加速度センサを利用して車両の振動を検出するため、簡易な装置構成で制振制御を実行することができる。
好ましくは、車両振動検出手段は、モータの回転数に基づいて車両の振動を検出する。
上記のモータ駆動装置によれば、モータ回転数に基づいて車両の振動を検出するため、簡易な装置構成で制振制御を実行することができる。
好ましくは、制振トルク設定手段は、車両の状態が、車両の速度が相対的に低い状態であると判定されたとき、第2の制振トルクを相対的に大きいトルクに設定する。
上記のモータ駆動装置によれば、トルク脈動の大小は、車両の速度に左右されることから、制振トルクを常にトルク脈動の抑制に適当なトルクに設定することができる。これによれば、車両の振動を抑制しつつ、電圧変換器の電力損失を低減することができる。
好ましくは、制振トルク設定手段は、車両の状態が、目標駆動トルクの時間的変化率が相対的に高い状態であると判定されたとき、第2の制振トルクを相対的に大きいトルクに設定する。
上記のモータ駆動装置によれば、トルク脈動の大小は、目標駆動トルクの時間的変化率に左右されることから、制振トルクを常にトルク脈動の抑制に適当なトルクに設定することができる。これによれば、車両の振動を抑制しつつ、電圧変換器の電力損失を低減することができる。
好ましくは、車両は、モータとは独立の駆動源によって車両の駆動トルクを発生する内燃機関を有する。制振トルク設定手段は、車両の状態が、内燃機関を始動または停止させている状態であると判定されたとき、第2の制振トルクを相対的に大きいトルクに設定する。
上記のモータ駆動装置によれば、トルク脈動の大小は、内燃機関の運転状態に左右されることから、制振トルクを常にトルク脈動の抑制に適当なトルクに設定することができる。これによれば、車両の振動を抑制しつつ、電圧変換器の電力損失を低減することができる。
この発明によれば、出力トルクの制振制御機能を備えたモータ駆動装置において、モータの高効率化と安定した制振制御とを実現することができる。その結果、モータ駆動装置を搭載した車両の燃費向上と快適な乗り心地とを両立することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
図1を参照して、モータ駆動装置100は、バッテリBと、電圧センサ10,13と、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、昇圧コンバータ12と、インバータ14と、電流センサ24と、回転位置センサ26と、制御装置30とを備える。
交流モータM1は、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。また、交流モータM1は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえばエンジンを始動し得るようなモータである。
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。
リアクトルL1の一方端はバッテリBの電源ラインに接続され、他方端はIGBT素子Q1とIGBT素子Q2との中間点、すなわち、IGBT素子Q1のエミッタとIGBT素子Q2のコレクタとの間に接続される。
IGBT素子Q1,Q2は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。IGBT素子Q1のコレクタは電源ラインに接続され、IGBT素子Q2のエミッタはアースラインに接続される。また、各IGBT素子Q1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側に電流を流すダイオードD1,D2がそれぞれ配されている。
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とからなる。U相アーム15、V相アーム16およびW相アーム17は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
U相アーム15は、直列接続されたIGBT素子Q3,Q4からなる。V相アーム16は、直列接続されたIGBT素子Q5,Q6からなる。W相アーム17は、直列接続されたIGBT素子Q7,Q8からなる。また、各IGBT素子Q3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通に接続されて構成される。U相コイルの他端がIGBT素子Q3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がIGBT素子Q5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がIGBT素子Q7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
なお、昇圧コンバータ12およびインバータ14にそれぞれ含まれるスイッチング素子は、IGBT素子Q1〜Q8に限定されず、MOSFET等の他のパワー素子で構成しても良い。
バッテリBは、充放電可能な二次電池であり、例えば、ニッケル水素またはリチウムイオンなどからなる。また、バッテリBに代えて、二次電池以外の充放電可能な蓄電器、例えばキャパシタを用いても良い。電圧センサ10は、バッテリBから出力される直流電圧Vbを検出し、検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。
システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオン/オフされる。
コンデンサC1は、バッテリBから供給された直流電圧Vbを平滑化し、その平滑化した直流電圧Vbを昇圧コンバータ12へ出力する。
昇圧コンバータ12は、バッテリBから供給された直流電圧Vbを昇圧してコンデンサC2へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMCを受けると、信号PWMCによってIGBT素子Q2がオンされた期間に応じて直流電圧を昇圧してコンデンサC2に供給する。
また、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMCを受けると、コンデンサC2を介してインバータ14から供給された直流電圧を降圧してバッテリBを充電する。
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。電圧センサ13は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、昇圧コンバータ12の出力電圧Vh(インバータ14への入力電圧に相当する。以下同じ。)を検出し、その検出した出力電圧Vhを制御装置30へ出力する。
インバータ14は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると、制御装置30からの信号PWMIに基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定された要求トルクを発生するように駆動される。
また、インバータ14は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMIに基づいて直流電圧に変換し、変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。
なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車または電気自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合との回生発電を伴なう制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車速を減速(または加速を中止)させることを含む。
電流センサ24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRTを検出し、その検出したモータ電流MCRTを制御装置30へ出力する。
回転位置センサ26は、交流モータM1の回転軸に取り付けられており、交流モータM1の回転子の回転角度θnを検出して制御装置30へ出力する。
制御装置30は、外部に設けられたECU(Electric Control Unit)から交流モータM1が要求される駆動トルクの目標値(以下、目標駆動トルクとも称する)Tbtおよびモータ回転数Nmを受け、電圧センサ13から出力電圧Vhを受け、電圧センサ10から直流電圧Vbを受け、電流センサ24からモータ電流MCRTを受ける。そして、制御装置30は、出力電圧Vh、目標駆動トルクTbt、モータ電流MCRTに基づいて、後述する方法によりインバータ14が交流モータM1を駆動するときにインバータ14のIGBT素子Q3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIをインバータ14へ出力する。
また、制御装置30は、インバータ14が交流モータM1を駆動するとき、直流電圧Vb、出力電圧Vh、目標駆動トルクTbtおよびモータ回転数Nmに基づいて、後述する方法により昇圧コンバータ12のIGBT素子Q1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMCを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
さらに、制御装置30は、システムリレーSR1,SR2をオン/オフするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
図2は、図1の制御装置30の機能ブロック図である。
図2を参照して、制御装置30は、インバータ制御回路301と、コンバータ制御回路302とを含む。
インバータ制御回路301は、目標駆動トルクTbt、モータ電流MCRTおよび出力電圧Vhに基づいて、交流モータM1の駆動時、後述する方法によりインバータ14のIGBT素子Q3〜Q8をオン/オフする信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIをインバータ14へ出力する。
また、インバータ制御回路301は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、目標駆動トルクTbt、モータ電流MCRTおよび出力電圧Vhに基づいて、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMIを生成してインバータ14へ出力する。
コンバータ制御回路302は、目標駆動トルクTbt、モータ回転数Nm、出力電圧Vh、直流電圧Vbに基づいて、後述する方法により昇圧コンバータ12のIGBT素子Q1,Q2をオン/オフするための信号PWMCを生成し、その生成した信号PWMCを昇圧コンバータ12へ出力する。
また、コンバータ制御回路302は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、目標駆動トルクTbt、モータ回転数Nm、出力電圧Vhおよび直流電圧Vbに基づいて、インバータ14からの直流電圧を降圧するための信号PWMCを生成し、その生成した信号PWMCを昇圧コンバータ12へ出力する。
図3は、図2のインバータ制御回路301の機能ブロック図である。
図3を参照して、インバータ制御回路301は、インバータ用制振制御部40と、モータ制御用相電圧演算部42と、インバータ用PWM信号変換部44とを含む。
インバータ用制振制御部40は、交流モータM1の出力トルクに生じる脈動を抑えるために、外部ECUからの目標駆動トルクTbtにトルクの振れを相殺するためのトルク(以下、制振トルクとも称する)Tcを加算する。
制振トルクTcは、一例として、モータ回転数Nmの検出結果から回転数の変動成分を抽出し、この抽出した変動成分と逆位相となるトルク(制振トルク)を求めることにより生成される。そして、生成された制振トルクTcは、外部ECUからの目標駆動トルクTbtに加算され、その加算結果がトルク指令Tcmdとして、モータ制御用相電圧演算部42へ出力される。
モータ制御用相電圧演算部42は、インバータ14の入力電圧Vhを電圧センサ13から受け、交流モータM1の各相に流れるモータ電流MCRTを電流センサ24から受け、トルク指令Tcmdをインバータ用制振制御部40から受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部42は、これらの入力信号に基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧の操作量Vu*,Vv*,Vw*を出力する。
インバータ用PWM信号変換部44は、モータ制御用相電圧演算部42からの電圧の操作量Vu*,Vv*,Vw*に基づいて、実際にインバータ14の各IGBT素子Q3〜Q8をオン/オフする信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIを各IGBT素子Q3〜Q8へ出力する。
これにより、各IGBT素子Q3〜Q8は、スイッチング制御され、交流モータM1が指令されたトルクを出力するように交流モータM1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流MCRTが制御され、トルク指令Tcmdに応じたモータトルクが出力される。
図4は、図2のコンバータ制御回路302の機能ブロック図である。
図4を参照して、コンバータ制御回路302は、コンバータ用制振制御部50と、電圧指令演算部52と、コンバータ用デューティ比演算部54と、コンバータ用PWM信号変換部56とを含む。
コンバータ用制振制御部50は、外部ECUからの目標駆動トルクTbtに制振トルクTcctを加算して、昇圧コンバータ12における電圧指令Vhtの演算に用いるトルク指令Thtを生成する。
詳細には、コンバータ用制振制御部50は、車両各部からの入力信号を受ける。入力信号には、車速センサによって検出される車速V、アクセルペダルポジションセンサによって検出されるアクセル踏込み量、イグニッションの操作状態を示す信号IG、および目標駆動トルクTbtが含まれる。コンバータ用制振制御部50は、これらの入力信号に基づいて車両の状態を判定し、その判定した車両の状態に応じて制振トルクTcctを可変に設定する。そして、設定された制振トルクTcctは、式(1)により外部ECUからの目標駆動トルクTbtに加算され、その加算結果がトルク指令Thtとして、電圧指令演算部52へ出力される。
Tht=Tbt+Tcct (1)
電圧指令演算部52は、コンバータ用制振制御部50からのトルク指令Thtおよび外部ECUからのモータ回転数Nmに基づいて、式(2)によりインバータ入力電圧Vhの最適値(目標値)、すなわち電圧指令Vhtを演算する。そして、電圧指令演算部52は、その演算した電圧指令Vhtをコンバータ用デューティ比演算部54へ出力する。
Vht=F(Tht,Nm) (2)
ただし、F(Tht,Nm)は、交流モータM1の目標動作状態(Tht,Nm)に最適なモータ駆動電圧Vhを算出するための関数である。
すなわち、本実施の形態によれば、電圧指令Vhtの演算に用いられる制振トルクTcctは、図3で示したインバータ用制振制御部40で生成される制振トルクTcとは異なり、モータ回転数Nmに含まれる回転数変動成分とは独立に設定される。さらに、制振トルクTcctは、車両の状態に応じて可変に設定される。その結果、電圧指令演算部52で演算される電圧指令Vhtは、振動が抑えられるとともに、車両の状態に応じて制振制御の実行に必要十分な電圧に設定される。
コンバータ用デューティ比演算部54は、電圧センサ10から直流電圧Vbを受け、電圧センサ13から電圧Vh(=インバータ入力電圧)を受け、電圧指令演算部52から電圧指令Vhtを受ける。そして、コンバータ用デューティ比演算部54は、直流電圧Vbに基づいて、インバータ入力電圧Vhを電圧指令Vhtに設定するためのデューティ比DRを演算し、その演算したデューティ比DRをコンバータ用PWM信号変換部56へ出力する。
コンバータ用PWM信号変換部56は、コンバータ用デューティ比演算部54からのデューティ比DRに基づいて昇圧コンバータ12のIGBT素子Q1,Q2をオン/オフするための信号PWMCを生成し、その生成した信号PWMCを昇圧コンバータ12へ出力する。
[コンバータ用制振制御部の制御構造]
図5は、図4のコンバータ用制振制御部50の機能ブロック図である。
図5を参照して、コンバータ用制振制御部50は、制振トルク指標決定部502と、コンバータ用制振トルク目標値設定部504、コンバータ用制振トルク制御部506と、加算器508とを含む。
本実施の形態において、コンバータ用制振制御部50は、制振トルクTcctの目標値(以下、制振トルク目標値Tcct*とも称する)を設定する手段と、設定された制振トルク目標値Tcct*と一致するように制振トルクTcctを制御する手段とを含んで構成される。制振トルク指標決定部502およびコンバータ用制振トルク目標値設定部504が制振トルク目標値Tcct*の設定手段を構成し、コンバータ用制振トルク制御部506が制振トルクTcctの制御手段を構成する。
以下では、最初に、制振トルク目標値Tcct*の設定手段について説明し、次に、制振トルクTcctの制御手段について説明する。
(制振トルク目標値Tcct*の設定手段)
制振トルク指標決定部502は、外部ECUを介して車両各部からの入力信号を受ける。入力信号には、例えば、車速センサによって検出される車速V、アクセルペダルポジションセンサによって検出されるアクセル踏込み量、イグニッション(IG)の操作状態を示す信号IG、および目標駆動トルクTbtが含まれる。
そして、制振トルク指標決定部502は、これらの入力信号に基づいて車両の状態を判定する。具体的には、車速Vに基づいて、車両が極低速走行を行なっているか否かが判定される。また、アクセル踏込み量に基づいて、車両が加速時か否かが判定される。さらに、信号IGに基づいて、車両がエンジン始動または停止状態か否かが判定される。
次に、制振トルク指標決定部502は、判定された車両の状態に基づいて制振トルク指標Kcを決定する。制振トルク指標Kcは、制振トルクTcctの目標値(以下、制振トルク目標値Tcct*とも称する)の設定に用いられる。詳細には、制振トルク目標値Tcct*は、式(3)のように制振トルク指標Kcの関数で表わされる。
Tcct*=Tccv_tbl(Kc) (3)
ただし、Tccv_tbl(x)は、xに対応する制振トルク目標値Tcct*を算出するための関数である。
ここで、制振トルク指標Kcの決定は、図6に示す車両の状態と制振トルク指標Kcとの関係を予めテーブルとして備えておき、判定された車両の状態に対応する制振トルク指標Kcを当該テーブルから選択することにより行なわれる。
図6は、車両の状態と制振トルク指標との関係を示す図である。
図6を参照して、複数の車両の状態の各々に対応して制振トルク指標Kcが設定される。一例として、車両が極低車速時のときの制振トルク指標Kcは“0”に設定される。これに対して、車両が極低車速時以外のとき、すなわち、低中車速および高車速時のときの制振トルク指標Kcは“1”に設定される。
他の例として、車両がエンジン始動時およびエンジン停止時のいずれかであるときには、制振トルク指標Kcは“2”に設定される。また、目標駆動トルクTbtの急変時、またはアクセル踏込み量の急変時には、制振トルク指標Kcは“3”に設定される。
なお、設定される車両の状態はこれらに限定されるものではなく、例えば、ナビゲーション装置等から得られる車両の走行路の状態(路面凸凹情報など)に対応して、路面凹凸が相対的に大きいときの制振トルク指標Kcを“4”に設定しておくことも可能である。
制振トルク指標決定部502は、図6のテーブルの中から、各種入力信号に基づいて判定された車両の状態に対応する制振トルク指標Kcを選択すると、その選択した制振トルク指標Kcをコンバータ用制振トルク目標値設定部504へ出力する。コンバータ用制振トルク目標値設定部504は、選択された制振トルク指標Kcを受けると、制振トルク指標Kcを上記の式(1)に代入して制振トルク目標値Tcct*を算出する。
図7は、制振トルク指標Kcと制振トルク目標値Tcct*との関係を示す図である。
図7を参照して、制振トルク指標Kcに基づいて算出された制振トルク目標値Tcct*は、制振トルク指標Kcごとに異なる値を示す。すなわち、制振トルク目標値Tcct*は、車両の状態に応じて異なる値に設定される可変値となる。
図8は、図6および図7に基づいて生成された制振制御フラグ、制振トルク指標Kcおよび制振トルク目標値Tcct*のタイミングチャートである。
図8を参照して、車両がエンジン始動時・エンジン停止時(制振トルク指標Kc=“2”)における制振トルク目標値Tcct*が最も高く、車両が極低速時(Kc=“0”)と、目標駆動トルク急変時およびアクセル踏込み量急変時(Kc=“3”)とにおける制振トルク目標値Tcct*が次に高く、車両が低中車速時または高車速時(Kc=“1”)における制振トルク目標値Tcct*が最も低い。
これによれば、エンジン回転数の急変によってモータ回転数Nmが変化し、駆動トルクの脈動が相対的に大きくなるエンジン始動時・エンジン停止時において、制振トルク目標値Tcct*は最も高い値に設定される。また、エンジン始動時・エンジン停止時よりもトルク脈動が小さいものの、モータ回転数Nmにうねりが生じ易い極低車速時や、目標駆動トルクまたはアクセル踏込み量が急変する加速時には、制振トルク目標値Tcct*は、2番目に高い値に設定される。そして、トルク脈動が相対的に小さい低中車速時・高車速時のような定常走行時には、制振トルク目標値Tcct*は最も低い値に設定されることとなる。
図8から明らかなように、本実施の形態によるコンバータ用制振制御部50は、制振トルク目標値Tcct*を、モータ回転数Nmの変動成分とは無関係に設定するとともに、その大きさを車両の状態に応じて可変に設定することを特徴的な構成としている。なお、各々の車両の状態において、制振トルク目標値Tcct*は、駆動トルクの脈動を抑制するのに必要十分な値に設定される。かかる構成によって、本実施の形態によるモータ駆動装置100は、以下のような効果を奏する。
第1に、トルク指令Thtは、インバータ用制振制御部40(図3)において設定されるトルク指令Tcmdとは異なり、モータ回転数Nmの変動成分とは無関係に設定されて振動を含まないことから、電圧指令Vhtの振動に起因して昇圧コンバータ12の通過電流が増大するのを防止することができる。その結果、昇圧コンバータ12の電力損失の低減により交流モータM1の高効率化を図ることができる。また、昇圧コンバータ12を素子破壊から保護することができる。
詳細には、コンバータ制御回路302においても同様に、トルク指令Tcmdに基づいて電圧指令Vhtを演算したとすれば、演算された電圧指令Vhtは、本来の目標駆動トルクTbtに対応する電圧指令に対して増減を繰り返すように振動することとなる。そして、この振動的な電圧指令Vhtに従って昇圧コンバータ12の電圧変換制御を行なうと、昇圧コンバータ12においては、電圧指令Vhtの増減に応じて昇圧動作と降圧動作とが頻繁に繰り返されることになる。
このとき、昇圧コンバータ12の出力側とインバータ14の入力側との間に設けられた平滑用のコンデンサC2においては、電圧指令Vhtの増加に応じて昇圧動作が行なわれると、交流モータM1の出力電力のみならずコンデンサC2での蓄積電力増加分が昇圧コンバータ12から供給されることになる。この結果、昇圧コンバータ12の出力電力が過大となり、昇圧コンバータ12を構成するIGBT素子Q1,Q2の通過電流が増大するおそれが生じる。逆に、電圧指令Vhtの減少に応じて降圧動作が行なわれた場合においても、コンデンサC2での蓄積電力減少分が昇圧コンバータ12に回生されることになる。この結果、IGBT素子Q1,Q2には過大な電流が通過するおそれがある。
このように振動的な電圧指令Vhtにより昇圧コンバータ12には過大電流が流れることにより、昇圧コンバータ12を構成するIGBT素子Q1,Q2が破壊されてハード故障を生じるという問題が起こる。
さらには、昇圧コンバータ12における電力損失が増大することにより、交流モータM1を高効率運転させることが困難となる。これは、バッテリBからの直流電圧のレベル変換機能を持たせて、モータ駆動のためのインバータ14への印加電圧であるモータ駆動電圧をモータの動作状態(回転数・トルク等)に応じて調整可能とすることにより、交流モータM1を高効率運転させるという本来の趣旨に背反する結果となる。
これに対して、本実施の形態によれば、トルク指令Thtは振動を含まないことから、電圧指令Vhtが振動せず、IGBT素子Q1,Q2に過大な電流が流れるのを防止することができる。その結果、昇圧コンバータ12の電力損失の低減により交流モータM1の高効率化を図ることができる。また、昇圧コンバータ12を素子破壊から保護することができる。
第2に、制振トルク目標値Tcct*を車両の状態に応じて可変としたことにより、制振トルクTcctが、制振制御の実行に必要十分な値を上回って設定されるのを防止することができる。したがって、あらゆるトルク脈動の大きさに対して制振制御を保証するように制振トルクTcctを設定可能な上限値に固定して設定する場合と比較して、電圧指令Vhtが無駄に高く設定されるのを防止することができる。
すなわち、車両の状態に応じて制振制御の実行に必要十分な制振トルクが適宜設定されて電圧変換が行われるため、インバータ入力電圧Vhは、制振制御に必要十分なモータ駆動電圧に保たれる。この結果、車両の乗り心地を損なうことなく、昇圧コンバータ12の電力損失を低減させて車両の燃費向上を図ることができる。
以上に述べたように、本実施の形態によるコンバータ制御回路302は、制振トルク目標値Tcct*を車両の状態に応じて可変に設定することによって、制振制御の安定性を確保しながら、昇圧コンバータ12の素子保護および電力損失の低減を図ることができる。
(制振トルクTcctの制御手段)
ここで、図8にて説明したように、車両の状態に応じて制振トルク目標値Tcct*を設定し、その設定された制振トルク目標値Tcct*と一致するように制振トルクTcctを変化させた場合には、車両の状態が変化したことに応じて、制振トルクTcctがステップ状に変化することになる。そのため、トルク指令Thtもステップ状に変化し、その結果、トルク指令Thtに基づいて演算される電圧指令Vhtもステップ状に変化することになる。
しかしながら、昇圧コンバータ12における昇圧動作は、所定の時定数を持って行なわれるため、実際には、昇圧コンバータ12の出力電圧Vhを電圧指令Vhtの急峻な増加に追従させることが困難となる。そのため、出力電圧Vhが電圧指令Vhtに満たない場合には、交流モータM1がトルク指令Thtに指定されたトルクを出力できず、制振制御が不安定になるという問題が生じる。
このような不具合を解消するための方策としては、制振トルクTcctが増加するときの変化率(以下、増加率とも称する)を、所定の増加率に予め設定しておき、その設定した増加率で制振トルク目標値Tcct*に向かって制振トルクTcctを増加させる方法が考えられる。
この方法によれば、電圧指令Vhtも、制振トルクTcctの増加率に比例した増加率で増加するため、昇圧コンバータ12の出力電圧Vhを電圧指令Vhtに追従させることが可能となり、制振制御の安定性が確保される。しかしながら、一方で、制振制御を実行する必要性の高低によらず、すなわち、車両の振動の大小によらず、常に一定の増加率で制振トルクTcctを増加させることから、制振制御の必要性が低い場合、すなわち、車両の振動が小さい場合には、昇圧コンバータ12の出力電圧Vhが、制振制御に必要十分なモータ駆動電圧を上回ってしまう可能性がある。このような場合には、昇圧コンバータ12の電力損失を無駄に増加させることとなり、交流モータM1の効率を低下させるという問題が生じる。
また、制振制御の必要性が高い場合、すなわち、車両の振動が大きい場合には、昇圧コンバータ12の出力電圧Vhが、制振制御に必要なモータ駆動電圧に及ばない可能性がある。このような場合には、交流モータM1のトルク不足によって制振制御が不安定となるおそれがある。
そこで、本発明の実施の形態においては、コンバータ用制振トルク制御部506(図5)が、制振トルクTcctの増加率を、車両の振動の大きさに応じて可変に設定する構成とする。本構成において、制振トルクTcctの増加率は、以下に述べるように、車両の振動の変動幅の変化率に応じて設定される。
図9は、制振トルクTcctの増加率の設定方法を説明するためのタイミングチャートである。
図9を参照して、制振トルク目標値Tcct*がタイミングt10において、0Nmから20Nmに増加した場合には、制振トルクTcctが20Nmを目標値として増加する。このとき、制振トルクTcctの増加率は、コンバータ用制振トルク制御部506によって、車両の振動の変動幅の変化率が演算され、その演算した変化率に応じて設定される。
詳細には、コンバータ用制振トルク制御部506は、車両に搭載された加速度センサ(Gセンサ)の出力値(以下、Gセンサ値とも称する)に基づいて、車両の振動の変動幅の変化率を演算する。図9に示すように、Gセンサ値には、車両の振動を反映した振動が含まれる。そして、このGセンサ値に含まれる振動は、車両の振動が大きくなるに従って、その変動幅が増加する。コンバータ用制振トルク制御部506は、所定の制御タイミングごとに、当該制御タイミング以前の所定期間におけるGセンサ値の振動の変動幅の時間的変化を抽出する(図中のラインLN1に相当)。そして、コンバータ用制振トルク制御部506は、その抽出した変動幅の時間的変化から変動幅の変化率を演算する。演算された変化率は、図中のラインLN1の傾きに相当する。
そして、コンバータ用制振トルク制御部506は、Gセンサ値に基づいて車両の振動の変動幅の変化率を演算すると、その演算した変化率を制振トルクTcctの増加率に設定する。これにより、制振トルクTcctは、図9に示すように、タイミングt10を起点として、設定された増加率で、制振トルク目標値Tcct*(=20Nm)まで増加する。
コンバータ用制振トルク制御部506は、制御タイミングごとに、設定した増加率に基づいて制振トルクTcctを設定する。そして、その設定した制振トルクTcctを加算器508(図5)へ出力する。これにより、目標駆動トルクTbtと制振トルクTcctとの加算結果がトルク指令Thtとして電圧指令演算部52(図4)へ出力される。
同様に、図9において、タイミングt11にて制振トルク目標値Tcct*が20Nmから40Nmに増加した場合においても、コンバータ用制振トルク制御部506は、Gセンサ値に基づいて演算した車両の振動の変動幅の変化率に一致した増加率で、制振トルクTcctを増加させる。図9の例では、タイミングt11以降において車両の振動の変動幅の変化率が増加しており、この増加に応じて制振トルクTcctの増加率も増加している。
すなわち、本実施の形態によれば、車両の振動が大きくなるに従って、制振トルクTcctの増加率が高くなる。これによれば、図10に示すように、制振トルクTcctを常に一定の増加率で増加させる場合と比較して、車両の振動が小さいときの昇圧コンバータ12の電力損失を低減できるとともに、車両の振動が大きいときの制振制御の安定性を確保することができる。
図10は、制振トルクTcctの増加率の設定方法を説明するためのタイミングチャートである。
図10を参照して、ラインLN10は、本実施の形態に係る制振トルクTcctの時間的変化を示す。なお、ラインLN10で示される制振トルクTcctは、図9で説明した制振トルクTcctと同じである。すなわち、制振トルクTcctは、タイミングt10からタイミングt11までの期間においては、車両の振動の変動幅の変化率が低いことに応じて低い増加率で増加し、タイミングt11以降においては、車両の振動の変動幅の変化率が高いことに応じて高い増加率で増加する。
ラインLN11は、比較のために、増加率を所定値に固定したときの制振トルクTcctの時間的変化を示したものである。両者を比較すると、タイミングt10からタイミングt11までの期間においては、増加率を固定としたときの制振トルクが増加率を可変としたときの制振トルクを上回っていることが分かる。なお、図中の領域RG1は、2つの制振トルクの差分を表わしている。
この制振トルクの差分は、電圧指令Vhtを介して、昇圧コンバータ12の出力電圧Vhにおける電圧差に反映される。すなわち、制振トルクTcctの増加率を固定とした場合には、制振制御に必要なモータ駆動電圧に対して、この電圧差相当分だけ無駄に昇圧動作が行なわれていることになる。
これに対して、本実施の形態によれば、制振トルクTcctの増加率を可変とすることにより、車両の振動が小さい場合における昇圧コンバータ12の電力損失をさらに低減することができる。その結果、交流モータM1を高効率運転でき、車両の燃費をより一層向上することができる。
また、本実施の形態によれば、タイミングt11以降においては、車両の振動が大きくなるのに応じて制振トルクTcctの増加率を高めることにより、増加率を固定とした場合と比較して、より迅速に、昇圧コンバータ12の出力電圧Vhを制振制御に必要なモータ駆動電圧にまで昇圧することができる。その結果、交流モータM1が出力トルク不足に陥ることなく、制振制御を安定して行なうことができる。
図11は、この発明の実施の形態1における電圧変換制御を説明するためのフローチャートである。
図11を参照して、交流モータM1の駆動制御が開始されると、運転者のアクセル操作等に応じて交流モータM1の目標駆動トルクTbtが算出される。算出された目標駆動トルクTbtは、モータ回転数Nmとともに、インバータ制御回路301およびコンバータ制御回路302にそれぞれ入力される(ステップS01)。
コンバータ制御回路302においては、コンバータ用制振制御部50が、最初に、制振制御の実行/停止を指示する制振制御フラグがオン状態に設定されているか否かを判定する(ステップS02)。
なお、制振制御フラグは、外部ECUから入力される目標駆動トルクTbtが急変した、あるいはモータ回転数Nmが急変したときには、制振制御の実行を指示するオン状態に設定される。一方、制振制御フラグは、目標駆動トルクTbtおよびモータ回転数Nmが急変しないときには、制振制御の停止を指示するオフ状態に設定される。
ステップS02において、制振制御フラグがオン状態に設定されている場合には、コンバータ用制振制御部50は、各種入力信号に基づいて車両の状態を検出し(ステップS03)、その検出された車両の状態に対応する制振トルク指標Kcを図16のテーブルから選択して制振トルク指標Kcに決定する(ステップS04)。そして、コンバータ用制振制御部50は、決定された制振トルク指標Kcに基づいて制振トルク目標値Tcct*を算出する(ステップS05)。
一方、ステップS02において、制振制御フラグがオフ状態に設定されている場合には、コンバータ用制振制御部50は、制振トルク目標値Tcct*を零(Tcct*=0)に設定する(ステップS11)。
次に、コンバータ用制振制御部50は、ステップS05において算出された制振トルク目標値Tcct*、または、ステップS11において設定された制振トルク目標値Tcct*が前回の制御タイミングにおける制振トルクTcctよりも上回っているか否かを判定する(ステップS06)。制振トルク目標値Tcct*が前回の制御タイミングにおける制振トルクTcctを上回っていると判定された場合には、コンバータ用制振制御部50は、Gセンサ値に基づいて、今回の制御タイミング以前の所定期間における車両の振動の変動幅の変化率を演算する(ステップS07)。そして、コンバータ用制振制御部50は、その演算した変化率に応じて制振トルクTcctの増加率を設定するとともに(ステップS08)、その設定した増加率に従って増加するように、今回の制御タイミングにおける制振トルクTcctを設定する(ステップS09)。ステップS09にて設定された制振トルクTcctは、外部ECUからの目標駆動トルクTbtと加算されてトルク指令Thtに設定される(ステップS10)。
一方、ステップS06において、制振トルク目標値Tcct*が前回の制御タイミングにおける制振トルクTcctを上回っていないと判定された場合には、コンバータ用制振制御部50は、制振トルク目標値Tcct*を直接的に、今回の制御タイミングにおける制振トルクTcctに設定する(ステップS12)。そして、設定された制振トルクTcctは、外部ECUからの目標駆動トルクTbtと加算されてトルク指令Thtに設定される(ステップS10)。
なお、設定されたトルク指令Thtと外部ECUからのモータ回転数Nmとに基づいて電圧指令Vhtが演算されると、その演算された電圧指令Vhtに基づいて昇圧コンバータ12のIGBT素子Q1,Q2のスイッチング制御が行なわれる。これにより、インバータ14には、トルク指令Tcmdに指定されたトルクを出力するのに十分なモータ駆動電圧Vhが安定して入力される。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、車両の状態に応じて、コンバータ制御用の制振トルクを可変とするとともに、当該制振トルクが増加するときの増加率を、車両の振動の変動幅の変化率に応じて可変に設定することにより、昇圧コンバータの電力損失を低減してモータ駆動装置を搭載した車両の燃費を向上することができる。さらに、安定した制振制御に基づく快適な車両の乗り心地を確保することができる。
[実施の形態2]
図12は、この発明の実施の形態2によるモータ駆動装置におけるコンバータ用制振制御部の機能ブロック図である。なお、本発明の実施の形態によるモータ駆動装置は、図1のモータ駆動装置100に対して、制御装置30におけるコンバータ制御回路302(図4)を、コンバータ制御回路302Aに置き換えたものである。そして、コンバータ制御回路302Aは、コンバータ制御回路302におけるコンバータ用制振制御部50(図5)を、図12のコンバータ用制振制御部50Aに置き換えたものである。よって、重複する部分についての詳細な説明は省略する。
図12を参照して、コンバータ用制振制御部50Aは、制振トルク指標決定部502と、コンバータ用制振トルク目標値設定部504と、コンバータ用制振トルク制御部506Aと、加算器508とを含む。
コンバータ用制振制御部50Aは、図5のコンバータ用制振制御部50におけるコンバータ用制振トルク制御部506を、コンバータ用制振トルク制御部506Aに置き換えたものである。よって、重複する部分についての詳細な説明は省略する。
コンバータ用制振トルク制御部506Aは、コンバータ用制振トルク制御部506と同様に、車両の振動の変動幅の変化率に応じて制振トルクTcctの増加率を設定する。
詳細には、コンバータ用制振トルク制御部506Aは、車両の振動の変動幅の変化率を、外部ECUからのモータ回転数Nmに基づいて演算する。なお、この発明において、車両の振動の変動幅の変化率は、先述したGセンサ値のほかに、モータ回転数Nmに基づいて行なうことも可能である。あるいは、回転位置センサ26(図1)にて検出される交流モータM1の回転子の回転角度θnに基づいて行なうように構成してもよい。
具体的には、コンバータ用制振トルク制御部506Aは、所定の制御タイミングごとに、当該制御タイミング以前の所定期間におけるモータ回転数Nmの変動幅の時間的変化を抽出し、その抽出した変動幅の時間的変化から変動幅の変化率を演算する。そして、コンバータ用制振トルク制御部506Aは、モータ回転数Nmに基づいて車両の振動の変動幅の変化率を演算すると、その演算した変化率を制振トルクTcctの増加率に設定する。
このように、コンバータ用制振トルク制御部506Aは、モータ回転数Nmに基づいて車両の振動の変動幅の変化率を演算し、その演算した変化率に応じて制振トルクTcctの増加率を可変とする。
さらに、本実施の形態において、コンバータ用制振トルク制御部506Aは、制振トルクTcctが減少するときの変化率(以下、減少率とも称する)についても、車両の振動の変動幅の変化率に応じて可変とする。
図13は、制振トルクTcctの減少率の設定方法を説明するためのタイミングチャートである。
図13を参照して、タイミングt15において、制振制御フラグがオン状態からオフ状態に切換えられたことに応じて、制振トルク目標値Tcct*が40Nmから0Nmに減少するものとする。この場合、制振トルクTcctは、制振トルク目標値Tcct*の減少に従い、40Nmから0Nmに向かって減少する。本実施の形態では、このときの制振トルクTcctの減少率を、モータ回転数Nmに基づいて演算された車両の振動の変動幅の変化率に応じて設定する。
図13においては、図中に示されるラインLN2が、コンバータ用制振トルク制御部506Aによって抽出されたモータ回転数Nmの変動幅の時間的変化に相当する。そして、ラインLN2の傾きが、モータ回転数Nmの変動幅の時間的変化から演算された変化率に相当する。
そして、コンバータ用制振トルク制御部506Aは、モータ回転数Nmの変動幅の変化率を制振トルクTcctの減少率に設定する。これにより、制振トルクTcctは、図13に示すように、設定された減少率で、制振トルク目標値Tcct*(=0Nm)まで減少する。
このように、本実施の形態においては、制振トルクTcctの増加率のみならず、制振トルクTcctの減少率においても車両の振動の変動幅の変化率に応じて可変とする。これによれば、制振トルクTcctを瞬時に減少させる場合と比較して、昇圧コンバータ12の出力電圧Vhの減少分に相当するコンデンサC2の蓄積エネルギーが、コンデンサC2からバッテリBに一度に流れ込むのを抑制することができる。また、交流モータM1の出力トルクに制振トルクTcctの減少分の変動が生じて車両に振動を与えるのを防止することができる。
すなわち、図13を参照して、タイミングt15において、制振トルク目標値Tcct*が40Nmから0Nmに切換えられたことに応じて、制振トルクTcctを40Nmから0Nmに急激に減少させた場合には、昇圧コンバータ12の出力電圧Vh、すなわち、コンデンサC2の両端の電圧Vhが制振トルクTcctの減少分だけ急激に降圧するため、コンデンサC2の蓄積エネルギーに急激な変動が生じる。このときの蓄積エネルギーの減少分は、昇圧コンバータ12を介してコンデンサC1およびバッテリBに一度に供給される。そのため、図9に示すように、コンデンサC1の両端の電圧Vlには、瞬間的に電圧サージVs(図中のラインLN21に相当)が発生し、バッテリBに過電圧が印加されるおそれがある。特に、バッテリBの電池温度が低いときには、バッテリBに入力可能な電力が著しく制限されるため、この入力可能な電力を上回る電力が一度に充電されることによってバッテリBを損傷する可能性がより顕著となる。
なお、モータ駆動装置100(図1)において、システムリレーSR1,SR2と昇圧コンバータ12との間に、コンデンサC1および昇圧コンバータ12と並列にDC/DCコンバータ(図示せず)が接続されている場合には、DC/DCコンバータを構成するスイッチング素子の耐圧を上回る過電圧がDC/DCコンバータに瞬間的に印加されることとなり、当該素子を耐圧破壊する可能性が生じてしまう。
さらに、制振トルクTcctを40Nmから0Nmに急激に減少させた場合には、交流モータM1の出力トルクには制振トルク分の変動が生じることになる。この変動は、出力トルクにおける不連続部分となり、車両に振動を与えることとなる。
これに対して、本実施の形態によれば、制振トルクTcctを、車両の振動の変動幅の変化率に応じた減少率で減少させることから、コンデンサC2の蓄積エネルギーの急激な変動が抑えられる。その結果、コンデンサC1の両端の電圧Vlにおいては、図中のラインLN20で示すように、電圧サージVsの発生が抑えられる。その結果、バッテリBおよびDC/DCコンバータに過電圧が印加されるのを防止することができる。
さらに、交流モータM1の出力トルクに不連続部分が発生するのが抑えられるため、車両の振動を防止することができる。
なお、本実施の形態を、制振トルクTcctの減少率を固定とした場合と比較すると、車両の振動が小さくなるのに従って電圧指令Vhtも低下するため、車両の振動が小さいにも拘らず電圧指令Vhtが無駄に高く設定されるのを防止することができる。その結果、昇圧コンバータ12の電力損失を低減することができる。
図14は、この発明の実施の形態2における電圧変換制御を説明するためのフローチャートである。なお、図14のフローチャートは、図11のフローチャートに対して、ステップS01〜ステップS05およびステップS011を共通とし、かつ、ステップS06以降をステップS06〜ステップS17に変更したものである。よって、共通するステップについての図示および説明は省略する。
図14を参照して、コンバータ用制振制御部50Aは、図示しないステップS04にて決定された制振トルク指標Kcに基づいて制振トルク目標値Tcct*を算出する(ステップS05)。
また、コンバータ用制振制御部50Aは、図示しないステップS02において、制振制御フラグがオフ状態に設定されている場合には、制振トルク目標値Tcct*を零(Tcct*=0)に設定する(ステップS11)。
次に、コンバータ用制振制御部50Aは、ステップS05において算出された制振トルク目標値Tcct*、または、ステップS11において設定された制振トルク目標値Tcct*が前回の制御タイミングにおける制振トルクTcctよりも上回っているか否かを判定する(ステップS06)。
ステップS06にて、制振トルク目標値Tcct*が前回の制御タイミングにおける制振トルクTcctを上回っていると判定された場合、コンバータ用制振制御部50Aは、外部ECUからのモータ回転数Nmに基づいて、今回の制御タイミング以前の所定期間におけるモータ回転数Nmの変動幅の変化率を演算する(ステップS071)。そして、コンバータ用制振制御部50Aは、その演算した変化率に応じて制振トルクTcctの増加率を設定するとともに(ステップS08)、その設定した増加率に従って増加するように、今回の制御タイミングにおける制振トルクTcctを設定する(ステップS09)。ステップS09にて設定された制振トルクTcctは、外部ECUからの目標駆動トルクTbtと加算されてトルク指令Thtに設定される(ステップS10)。
一方、ステップS06において、制振トルク目標値Tcct*が前回の制御タイミングにおける制振トルクTcctを上回っていないと判定された場合には、コンバータ用制振制御部50Aは、続いて、制振トルク目標値Tcct*が前回の制御タイミングにおける制振トルクTcctを下回っていないか否かを判定する(ステップS13)。そして、制振トルク目標値Tcct*が前回の制御タイミングにおける制振トルクTcctを下回っていると判定された場合、コンバータ用制振制御部50Aは、外部ECUからのモータ回転数Nmに基づいて、今回の制御タイミング以前の所定期間におけるモータ回転数Nmの変動幅の変化率を演算する(ステップS14)。そして、コンバータ用制振制御部50Aは、その演算した変化率に応じて制振トルクTcctの減少率を設定するとともに(ステップS15)、その設定した減少率に従って減少するように、今回の制御タイミングにおける制振トルクTcctを設定する(ステップS16)。ステップS16にて設定された制振トルクTcctは、外部ECUからの目標駆動トルクTbtと加算されてトルク指令Thtに設定される(ステップS10)。
一方、ステップS13において、制振トルク目標値Tcct*が前回の制御タイミングにおける制振トルクTcctを下回っていないと判定された場合、すなわち、制振トルク目標値Tcct*が前回の制御タイミングにおける制振トルクTcctと等しいと判定された場合には、コンバータ用制振制御部50Aは、制振トルク目標値Tcct*を直接的に、今回の制御タイミングにおける制振トルクTcctに設定する(ステップS17)。そして、設定された制振トルクTcctは、外部ECUからの目標駆動トルクTbtと加算されてトルク指令Thtに設定される(ステップS10)。
なお、設定されたトルク指令Thtと外部ECUからのモータ回転数Nmとに基づいて電圧指令Vhtが演算されると、その演算された電圧指令Vhtに基づいて昇圧コンバータ12のIGBT素子Q1,Q2のスイッチング制御が行なわれる。これにより、インバータ14には、トルク指令Tcmdに指定されたトルクを出力するのに十分なモータ駆動電圧Vhが安定して入力される。
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、車両の状態に応じてコンバータ制御用の制振トルクを可変とするとともに、当該制振トルクが増加するときの増加率および制振トルクが減少するときの減少率を、車両の振動の変動幅の変化率に応じて設定する。これにより、モータ駆動装置を搭載した車両の燃費向上と快適な乗り心地とが実現されるとともに、バッテリに過電圧が印加されるのを防止することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、出力トルクの制振制御機能を備えたモータ駆動装置に利用することができる。
この発明の実施の形態1によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。 図1の制御装置の機能ブロック図である。 図2のインバータ制御回路の機能ブロック図である。 図2のコンバータ制御回路の機能ブロック図である。 図4のコンバータ用制振制御部の機能ブロック図である。 車両の状態と制振トルク指標との関係を示す図である。 制振トルク指標と制振トルク目標値との関係を示す図である。 制振制御フラグ、制振トルク指標および制振トルク目標値のタイミングチャートである。 制振トルクの増加率の設定方法を説明するためのタイミングチャートである。 制振トルクの増加率の設定方法を説明するためのタイミングチャートである。 この発明の実施の形態1における電圧変換制御を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態2によるモータ駆動装置におけるコンバータ用制振制御部の機能ブロック図である。 制振トルクの減少率の設定方法を説明するためのタイミングチャートである。 この発明の実施の形態2における電圧変換制御を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10,13 電圧センサ、12 昇圧コンバータ、14 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、24 電流センサ、26 回転位置センサ、30 制御装置、40 インバータ用制振制御部、42 モータ制御用相電圧演算部、44 インバータ用PWM 信号変換部、50,50A コンバータ用制振制御部、52 電圧指令演算部、54 コンバータ用デューティ比演算部、56 コンバータ用PWM信号変換部、100 モータ駆動装置、301 インバータ制御回路、302,302A コンバータ制御回路、502 制振トルク指標決定部、504 コンバータ用制振トルク目標値設定部、506,506A コンバータ用制振トルク制御部、508 加算器、B バッテリ、C1,C2 コンデンサ、D1〜D8 ダイオード、L1 リアクトル、M1 交流モータ、Q1〜Q8 IGBT素子SR1,SR2 システムリレー。

Claims (7)

  1. 車両の駆動トルクを発生するモータを駆動する駆動回路と、
    前記モータの出力トルクが目標トルクに一致するように前記駆動回路を制御するモータ駆動制御回路と、
    電源からの電力を電圧変換して前記駆動回路に入力する電圧変換器と、
    出力電圧が電圧指令に一致するように前記電圧変換器を制御する電圧変換制御回路とを備え、
    前記モータ駆動制御回路は、前記モータの回転数の変動成分に基づいて前記モータの出力トルクの脈動を抑制するための第1の制振トルクを生成し、その生成した前記第1の制振トルクを目標駆動トルクに加算して前記目標トルクとする第1の制振制御部を含み、
    前記電圧変換制御回路は、前記モータの回転数の変動成分とは独立に、前記目標トルクの脈動を抑制するための第2の制振トルクを生成し、その生成した前記第2の制振トルクと前記目標駆動トルクとの加算値に基づいて前記電圧指令を設定する第2の制振制御部を含み、
    前記第2の制振制御部は、
    前記車両の各部からの入力信号に基づいて判定された前記車両の状態に応じて、前記第2の制振トルクを可変に設定する制振トルク設定手段と、
    前記車両の振動を検出し、その検出した前記振動の変動幅の変化率を算出する車両振動検出手段と、
    前記制振トルク設定手段によって設定された前記第2の制振トルクが第1の設定値から第2の設定値に増加するときの変化率を、前記車両振動検出手段によって算出された前記振動の変動幅の変化率に応じて可変とする制振トルク制御手段とを含む、モータ駆動装置。
  2. 前記制振トルク制御手段は、前記第2の制振トルクが前記第2の設定値から前記第1の値に減少するときの変化率を、前記車両振動検出手段によって算出された前記振動の変動幅の変化率に応じて可変に設定する、請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記車両振動検出手段は、前記車両に搭載された加速度センサの出力値に基づいて前記車両の振動を検出する、請求項1または請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記車両振動検出手段は、前記モータの回転数に基づいて前記車両の振動を検出する、請求項1または請求項2に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記制振トルク設定手段は、前記車両の状態が、前記車両の速度が相対的に低い状態であると判定されたとき、前記第2の制振トルクを相対的に大きいトルクに設定する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記制振トルク設定手段は、前記車両の状態が、前記目標駆動トルクの時間的変化率が相対的に高い状態であると判定されたとき、前記第2の制振トルクを相対的に大きいトルクに設定する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記車両は、前記モータとは独立の駆動源によって前記車両の駆動トルクを発生する内燃機関を有し、
    前記制振トルク設定手段は、前記車両の状態が、前記内燃機関を始動または停止させている状態であると判定されたとき、前記第2の制振トルクを相対的に大きいトルクに設定する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
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