JP4635187B2 - 半導体光検出器 - Google Patents

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Description

この発明は、半導体光検出器に関し、特に、紫外光あるいはより短波長の光の検出に適用して好適な半導体光検出器に関する。
従来、半導体光検出器として2つの方式のものが知られている。第1の方式の半導体光検出器では、pinダイオードまたはショットキーダイオードが用いられ、光吸収により生成された電子・正孔を出力電流として取り出す。第2の方式の半導体光検出器では、npnトランジスタまたはpnpトランジスタの構成を有するフォトトランジスタが用いられ、ベース層による光吸収によって生成されたキャリアによりベース層のバンドエネルギーを制御して障壁高さを低下させ、コレクタ電流を取り出す。第1の方式の半導体光検出器は、光吸収によって生成されたキャリアから電流を取り出すため、増幅率は原理的に1以下である。これに対し、第2の方式の半導体光検出器は、光注入キャリアによってベース層の障壁高さを低下させ、コレクタ電流として出力を取り出すため、一般に、第1の方式の半導体光検出器よりも大きい増幅率を有している。
第2の方式の半導体光検出器の一例としてnpnフォトトランジスタを図17に示す。図17に示すように、このnpnフォトトランジスタにおいては、n型コレクタ層101上にp型ベース層102が積層され、その上にn型エミッタ層103が積層されている。n型コレクタ層101の裏面にはコレクタ電極104が形成されている。n型エミッタ層103上には透明電極105を介してエミッタ電極106が形成されている。
このnpnフォトトランジスタの動作原理について説明する。コレクタ電極104にエミッタ電極106に対して正のバイアス電圧(Vc )を印加した場合の暗時(光が照射されていない時)および光照射時のエネルギーバンド図を図18に示す。図18において、Ev は価電子帯の上端のエネルギー、Ec は伝導帯の下端のエネルギー、EF はフェルミ準位を示す。まず、暗時には、n型エミッタ層103の電子(黒丸で示す)は、p型ベース層102の伝導帯の障壁によって遮断されているため、n型コレクタ層101には到達できない。次に、エミッタ電極106側に光が照射された時を考える。この光のエネルギーが、n型エミッタ層103、p型ベース層102およびn型コレクタ層101を構成する半導体のバンドギャップ以上の場合、それらの全領域で光吸収が生じ、電子・正孔対が生成される。このとき、p型ベース層102中に生成された正孔はそのままこのp型ベース層103に蓄積され、このp型ベース層102の近傍に生成された正孔は拡散およびドリフトによりこのp型ベース層102に移動して蓄積される。この正孔の蓄積によりp型ベース層102のバンドエネルギーが低下し、このp型ベース層102の伝導帯の障壁の高さが低下するため、n型エミッタ層103からの電子がこの障壁を乗り越えてn型コレクタ層101に流れるようになる。こうしてコレクタ電極104とエミッタ電極106との間に流れる電流を測定することにより光を検出することができる。
このnpnフォトトランジスタの増幅率を向上させるためには、正孔がp型ベース層102に効率的に蓄積されるとともに、n型エミッタ層103側から到来する電子のp型ベース層102における再結合ロスを最小にすることが重要である。このために、例えば、p型ベース層102の厚さを大きくするとともに、p濃度を低くすることが考えられる。しかしながら、p型ベース層102のp濃度が低下すると伝導帯の障壁の高さも低下するため、このnpnフォトトランジスタの半導体としてSiのようなバンドギャップが小さいものを用いると、n型エミッタ層103側から到来する電子を遮断できず、暗時の電流が増加してしまう。
この問題を克服するために、図19に示すような構造を有する電界効果型フォトトランジスタが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この電界効果型フォトトランジスタにおいては、絶縁基板201上に、ソース電極202およびドレイン電極203が互いに分離して形成されている。これらのソース電極202およびドレイン電極203はそれぞれオーミックコンタクトをとるためのn型非晶質シリコン膜204、205によって被覆されている。これらのソース電極202およびドレイン電極203の間にはn型非晶質シリコン膜204、205に跨がるようにチャネル層206が形成され、その上にゲート絶縁膜207が積層されている。チャネル層206のチャネル領域に対応する部分のゲート絶縁膜207上にゲート電極208が形成されている。このゲート電極208は、p型非晶質シリコン層208aとノンドープのi型非晶質シリコン層208bとn型非晶質シリコン層208cとがこの順で積層されることにより形成されているpin型非晶質シリコン層(フォトダイオード)である。この電界効果型フォトトランジスタの動作原理については次のように説明されている。光はn型非晶質シリコン層208c側から入射し、i型非晶質シリコン層208b中で吸収され、電子・正孔対が生成される。このi型非晶質シリコン層208bは、ビルトインポテンシャルにより空乏化しており、エネルギーバンドが傾斜しているため、電子はn型非晶質シリコン層208cに、正孔はp型非晶質シリコン層208aにそれぞれ移動することでそれぞれあるポテンシャルを有するようになり、開放端電圧となる正の起電力が生じる。この起電力により、ゲート絶縁膜207との界面の近傍のチャネル層206に電子が誘起されてチャネルが形成される。このとき、チャネル層206の両端に配置されたソース電極202とドレイン電極203との間に予め電圧が印加されていれば、ゲート電極208に印加される起電力がトリガとなって、ソース電極202とドレイン電極203との間に電流を流すことができる。
一方、GaN系ワイドギャップ半導体を用いた半導体光検出器が注目されている。この半導体光検出器は、例えば、火災センサーや太陽光に含まれる紫外線のモニターなど、さまざまな用途における需要が高く、pinダイオードまたはショットキーダイオードの形態において提案がなされている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平5−48142号公報 特開2005−235910号公報
しかしながら、特許文献1で提案された電界効果型フォトトランジスタには、以下のような問題がある。第1に、この電界効果型フォトトランジスタにおいては、光吸収層としてi型非晶質シリコン層208bが用いられているが、このi型非晶質シリコン層208bは可視光も紫外光も吸収するため、紫外光だけを検出したい用途には適しておらず、紫外光だけを検出する場合には可視光カットフィルターなどの高コストの多層膜フィルターを用いる必要がある。第2に、この電界効果型フォトトランジスタにおいては、i型非晶質シリコン層208bのエネルギーバンドが傾斜し、n型非晶質シリコン層208cからp型非晶質シリコン層208aに向かう電界がかかっているため、電子はn型非晶質シリコン層208cに、正孔はp型非晶質シリコン層208aにそれぞれ移動するとされているが、実際にはこのような理想的な電界分布を得ることは難しく、期待どおりの動作をすることは難しいと考えられる。
第2の問題について詳細に説明する。図20はこの電界効果型フォトトランジスタのエネルギーバンド図を示す。上述のようなpin型非晶質シリコン層からなるフォトダイオードでは、自由電子や正孔のない空乏層が広いほど感度が高くなるため、i型非晶質シリコン層208bの厚さを大きくすることによって空乏層を広くする方法がとられている。さらに、i型非晶質シリコン層208bは、ビルトインポテンシャルにより空乏化しており、エネルギーバンドが傾斜しているため、電子はn型非晶質シリコン層208cに、正孔はp型非晶質シリコン層208aにそれぞれ移動するとされている。しかしながら、実際には、i型非晶質シリコン層208bにおけるエネルギーバンドは、図20の点線や一点鎖線で示すように、ほぼフラットとなる。これは、残留電子や正孔の濃度で決まるi型非晶質シリコン層208bの抵抗に比べ、p型非晶質シリコン層208aとi型非晶質シリコン層208bとのpi接合またはn型非晶質シリコン層208cとi型非晶質シリコン層208bとのni接合のいずれかにおいて抵抗が非常に高くなる場所があり、この場所において大きな電圧降下が生じるためである。このため、i型非晶質シリコン層208bには、実質的にはあまり電界がかからず、エネルギーバンドはほぼフラットとなる。ところで、半導体中では、キャリアである電子および正孔が同時に流れる。ここで議論を単純にするために、電子および正孔のキャリア移動度が等しいと考えると、抵抗が高くなるのは両キャリアが同時に低濃度になる状況である。電子濃度をn、正孔濃度をp、真性キャリア濃度をni とすると、熱平衡においてはnp=ni 2 となるため、抵抗が最も高くなるのはn=p=ni の場合である。つまり、i型非晶質シリコン層208bにおける不純物濃度、したがってキャリア濃度をni 以下にしなければ、電界効果型フォトトランジスタの高感度を実現するために、i型非晶質シリコン層208bにおいて、n型非晶質シリコン層208cからp型非晶質シリコン層208aに向かう電界を得ることはできないが、i型非晶質シリコン層208bのキャリア濃度をni 以下にすることは必ずしも容易ではない。さらに、p型非晶質シリコン層208aは、正孔の空乏化でアクセプタによる負電荷領域を形成するので、i型非晶質シリコン層208bの抵抗率で決まる光感度の低い電位分布が確実に実現されてしまう。
特許文献1では、pin型非晶質シリコン層を用いた電界効果型フォトトランジスタについてしか記載されておらず、pin型非晶質シリコン層の代わりにワイドギャップ半導体層を用いることについては一切記載されていないが、ni の値はバンドギャップに依存して大きく変化し、ワイドギャップ半導体においては極めて小さな値となるため、たとえpin型非晶質シリコン層の代わりにワイドギャップ半導体層を用いたとしても、この電界効果型フォトトランジスタの構成では、上記と同様に理想の電界分布は得られず、期待どおりの動作をすることは難しい。
一方、上記のように、GaN系ワイドギャップ半導体を用いた半導体光検出器としてpinダイオードまたはショットキーダイオードの形態のものの提案がなされているが、フォトトランジスタ型の形態では未だ実現されておらず、これは、従来のnpnフォトトランジスタの形態での作製が困難であるためであると考えられる。すなわち、GaN系半導体を用いてnpnフォトトランジスタを作製する場合には、p型GaNベース層の上にn型GaNエミッタ層を成長させる必要がある。ところが、GaN系半導体のアクセプタ準位は非常に深く(0.25〜0.3eV)、活性化率は1%程度であるため、このp型GaNベース層のp濃度を上昇させるためには不純物を大量にドープしなくてはならない。例えば、1017cm-3のp濃度を得るには、約1019cm-3もの大量のMgのドープが必要である。このような大量のMgを、シクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2 Mg)などの有機金属化合物を原料に用いて一般的なMOCVD法によってドープしてp型GaNベース層を成長させると、次に成長させるn型GaNエミッタ層の品質が、Mg原料供給の大きなメモリー効果のために著しく低下する。また、仮に1017cm-3のp濃度を有するp型GaNベース層が実現されたとしても、約1019cm-3もの大量の中性アクセプタにより、n型GaNエミッタ層からの電子がp型GaNベース層において再結合捕獲されてしまうため、増幅効果は期待できない。さらに、GaNの紫外光の吸収係数は105 cm-1であると報告されており、非常に大きいため、例えば、n型GaNエミッタ層の厚さが0.3μmの場合、このn型GaNエミッタ層に入射する紫外光はp型GaNベース層に到達するよりも前に95%減衰してしまうことから、光注入キャリアによるp型GaNベース層の障壁高さの低下は期待できない。
この発明は、従来技術が有する上記の課題を一挙に解決することを目的とするものである。
すなわち、この発明が解決しようとする課題は、紫外光あるいはより短波長の光だけを極めて高い受光感度で検出することができ、しかもp型層を用いないで済むことにより製造も容易な半導体光検出器を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、上述の課題を解決するためには、半導体光検出器の半導体として可視光を吸収しないGaN系半導体などのワイドギャップ半導体を用いるとともに、光吸収を行う表面層の下に障壁層を設け、さらにその下に電子放出層(電子供給層)あるいはチャネル層を設けた構造とし、表面層で光吸収によって生成された正孔を障壁層との界面あるいはこの障壁層に蓄積することを利用して光電流を得るようにすることが最も有効であることを見出し、この発明を案出するに至った。この半導体光検出器は、バイポーラトランジスタまたは電界効果トランジスタ(FET)と類似の動作をするが、p型層は一切用いないで済むものであり、新規な動作原理に基づくものである。図17に示す従来のnpnフォトトランジスタでは、内部に位置しているp型ベース層102が光吸収およびバンドエネルギー低下(障壁の高さの低下)の2つの役割を担っていたのに対し、この半導体光検出器では、表面層に光吸収の役割を担わせ、バンドエネルギー低下を表面層の下の障壁層に担わせる点で大きく異なる。この半導体光検出器はトランジスタと同様な動作をするため増幅作用を有しており、紫外光あるいはそれよりも短波長の光を極めて高い受光感度で検出することができる。
この発明は、本発明者らによる上記の研究に基づいて案出されたものである。
すなわち、上述の課題を解決するために、第1の発明は、
第1の半導体層と、
上記第1の半導体層上の、上記第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2の半導体層と、
上記第2の半導体層上の、上記第2の半導体層よりもバンドギャップが小さく、かつ、このバンドギャップは可視光の最短波長に対応する光子エネルギーよりも大きく、かつ、上記第2の半導体層とタイプIのヘテロ接合を形成する第3の半導体層と、
上記第1の半導体層に電気的に接続された第1の電極と、
上記第3の半導体層に電気的に接続された第2の電極とを有し、
動作時に上記第3の半導体層による光吸収によって生成される正孔が上記第3の半導体層と上記第2の半導体層との界面に蓄積されることを特徴とする半導体光検出器である。
この第1の発明において、第1の半導体層と第2の半導体層との界面には、典型的には電子が存在する。この半導体光検出器の動作時には、第2の電極に第1の電極に対して正のバイアス電圧を印加することにより、第3の半導体層のエネルギーバンドは、第1の半導体層と第2の半導体層との界面側が高く、第3の半導体層と第2の電極との界面側が低くなるように傾斜し、第3の半導体層と第2の電極との界面から第2の半導体層と第3の半導体層との界面に向かって電界がかかった状態となっている。この状態で第3の半導体層により光吸収が行われると、それによって生成された電子・正孔対はこの電界により直ちに分離され、正孔が第2の半導体層と第3の半導体層との界面に蓄積される。この正孔の蓄積により、第2の半導体層による障壁の高さが低下する結果、第1の半導体層から電子がこの障壁を乗り越えて第3の半導体層に流れやすくなる。この時の電流を測定することにより光を検出することができる。
第1の半導体層、第2の半導体層および第3の半導体層の材料としては種々の半導体を用いることができ、必要に応じて適宜選択されるが、例えば、GaN系半導体、ダイヤモンド(C)、ZnOなどの各種のワイドギャップ半導体が用いられる。特に、光吸収層である第3の半導体層は、検出しようとする光の波長の上限の波長に対応する光子エネルギーと等しいバンドギャップを有するものが用いられる。例えば、GaNのバンドギャップは3.4eVであるから、光吸収層として用いられる第3の半導体層をGaNで形成することにより、波長365nm以下の紫外光やより短波長の光(X線、γ線など)を選択的に検出するのに適している。タイプIのヘテロ接合の例を挙げると、第2の半導体層がAlGaN層、第3の半導体層がGaN層であるものや、第2の半導体層がAlGaN層、第3の半導体層がこのAlGaN層よりもAl組成が小さいものなどである。典型的な一つの例では、第1の半導体層がアンドープまたはn型Alx Ga1-x N層(1≧x≧0)、第2の半導体層がアンドープAly Ga1-y N層(y>x、1≧y>0)、第3の半導体層がアンドープAlz Inw Ga1-z-w N層(1≧z≧0、1≧w≧0、1≧z+w≧0)である。
第1の半導体層、第2の半導体層および第3の半導体層を成長させる基板としては種々の基板を用いることができ、必要に応じて適宜選択されるが、具体的には、サファイア基板、SiC基板などである。また、これらの半導体層の成長には、典型的には、有機金属化学気相成長(MOCVD)法が用いられるが、これに限定されるものではなく、例えば分子線エピタキシー(MBE)法などを用いてもよい。
半導体光検出器の特性のばらつきの影響を抑えるために、必要に応じて、半導体光検出器を一対用意して差動アンプを構成し、一方の半導体光検出器には配線用の金メッキ層などを用いて光が照射されないようにしてもよい。
第2の発明は、
n型の第1の半導体層と、
上記第1の半導体層上の、上記第1の半導体層よりも高い電気抵抗を有し、かつ、深いアプセプタ準位を含む第2の半導体層と、
上記第2の半導体層上の、バンドギャップが可視光の最短波長に対応する光子エネルギーよりも大きく、かつ、空乏化した第3の半導体層と、
上記第1の半導体層に電気的に接続された第1の電極と、
上記第3の半導体層に電気的に接続された第2の電極とを有し、
動作時に上記第3の半導体層による光吸収によって生成される正孔が上記第2の半導体層に蓄積されることを特徴とする半導体光検出器である。
この第2の発明においては、半導体光検出器の動作時には、第2の電極に第1の電極に対して正のバイアス電圧を印加することにより、第3の半導体層のエネルギーバンドは、第1の半導体層と第2の半導体層との界面側が高く、第3の半導体層と第2の電極との界面側が低くなるように傾斜し、第3の半導体層と第2の電極との界面から第2の半導体層と第3の半導体層との界面に向かって電界がかかった状態となっている。また、第2の半導体層は深いアプセプタ準位を含むためエネルギーバンドは上に凸の形状になっている。この状態で第3の半導体層により光吸収が行われると、それによって生成された電子・正孔対はこの電界により直ちに分離され、正孔が第2の半導体層に蓄積される。この正孔の蓄積により、第2の半導体層による障壁の高さが低下する結果、第1の半導体層から電子がこの障壁を乗り越えて第3の半導体層に流れやすくなる。この時の電流を測定することにより光を検出することができる。
典型的な一つの例では、第1の半導体層がn型Alx Ga1-x N層(1≧x≧0)、第2の半導体層がC(カーボン)ドープAly Ga1-y N層(y≧x、1≧y≧0)、第3の半導体層がアンドープAlz Inw Ga1-z-w N層(1≧z≧0、1≧w≧0、1≧z+w≧0)である。ここで、第2の半導体層として用いられるCドープAly Ga1-y N層については、一般に、カーボンは、GaN中で深いアクセプタ準位を形成することが分かっている。このCドープAly Ga1-y N層は、MOCVD法により第2の半導体層を成長させる際に、原料ガスに混入するカーボンの量を調整することにより、成長結晶のカーボン濃度が所定値以上になるように容易に成長させることができる。このカーボン濃度は、現代の技術では桁単位での制御が可能である。
上記以外のことについては、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
第3の発明は、
第1の半導体層と、
上記第1の半導体層上の、上記第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2の半導体層と、
上記第2の半導体層上の、上記第2の半導体層よりもバンドギャップが小さく、かつ、このバンドギャップは可視光の最短波長に対応する光子エネルギーよりも大きく、かつ、上記第2の半導体層とタイプIのヘテロ接合を形成する第3の半導体層と、
上記第1の半導体層の一端および他端にそれぞれ電気的に接続された第1の電極および第2の電極と、
上記第3の半導体層に電気的に接続されている第3の電極とを有し、
動作時に上記第3の半導体層による光吸収によって生成される正孔が上記第3の半導体層と上記第2の半導体層との界面に蓄積されることを特徴とする半導体光検出器である。
この第3の発明においては、半導体光検出器の動作時には、第3の電極に所定のバイアス電圧を印加することにより、第3の半導体層のエネルギーバンドは、第1の半導体層と第2の半導体層との界面側が高く、第3の半導体層と第3の電極との界面側が低くなるように傾斜し、第3の半導体層と第3の電極との界面から第2の半導体層と第3の半導体層との界面に向かって電界がかかった状態となっている。この状態で第3の半導体層により光吸収が行われると、それによって生成された電子・正孔対はこの電界により直ちに分離され、正孔は第2の半導体層と第3の半導体層との界面に蓄積される。この結果、第1の半導体層と第2の半導体層との界面のチャネル領域にこの正孔とほぼ同量の電子が誘起され、このチャネル領域の電気伝導度が変調される。この時に第1の電極および第2の電極の間に流れる電流(チャネル電流)を測定することにより光を検出することができる。
上記以外のことについては、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
この発明によれば、光吸収層である第3の半導体層は、障壁層である第2の半導体層と分離して設けられているため、この半導体光検出器の動作時に、第3の半導体層のエネルギーバンドが理想的な傾斜を有し、電界が理想的な形でかかった状態にすることができ、この第3の半導体層による光吸収によって生成される電子・正孔対を確実に分離することができ、高い受光感度を得ることができる。また、光吸収層である第3の半導体層は表面層として設けられているため、第3の半導体層の材料としてGaN系半導体などの吸収係数の非常に大きな半導体を用いても高効率な増幅効果を得ることができる。また、この半導体光検出器は、光吸収層である第3の半導体層は可視光を吸収しないため、可視光カットフィルターなどの高コストな多層膜フィルターを用いることなく、明るいところでも、紫外光あるいはより短波長の光だけを選択的に検出することができる。さらに、この半導体光検出器は、障壁層としてp型層を設ける必要がないため、GaN系半導体などを用いて従来のnpnフォトトランジスタを製造する場合の問題がなく、容易に製造することができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の第1の実施形態(第1の発明の実施形態)による半導体光検出器を示す。図1に示すように、この半導体光検出器においては、基板1上に、GaNやAlNなどの低温バッファ層(図示せず)を介して、アンドープまたはn型GaN層2、アンドープAlGaN層3およびアンドープGaN層4が順次積層されている。アンドープAlGaN層3およびアンドープGaN層4はメサ形状に形成されている。アンドープまたはn型GaN層2は電子放出層として用いられ、アンドープAlGaN層3は障壁層として用いられ、アンドープGaN層4は光吸収層として用いられる。基板1としては、例えばサファイア基板、特にc面サファイア基板が用いられるが、これに限定されるものではない。メサ部の外側のアンドープまたはn型GaN層2上には負電極5が形成され、このアンドープまたはn型GaN層2と電気的に接続されている。アンドープGaN層4上には正電極6が形成され、このアンドープGaN層4と電気的に接続されている。負電極5および正電極6の材料としては、例えば、Ti/Al/Ni/Auなどの多層金属が用いられるが、これに限定されるものではない。なお、アンドープAlGaN層3は一般的にはフローティングとし、電極を形成する必要はない。
次に、この半導体光検出器の製造方法について説明する。
まず基板1を用意し、この基板1上に従来公知の方法によりGaNやAlNなどの低温バッファ層(図示せず)を形成した後、例えばMOCVD法により、アンドープまたはn型GaN層2、アンドープAlGaN層3およびアンドープGaN層4を順次エピタキシャル成長させる。次に、アンドープGaN層4上にリソグラフィーにより所定の形状のレジストパターン(図示せず)を形成した後、このレジストパターンをマスクとして例えば塩素系ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)法によりアンドープAlGaN層3およびアンドープGaN層4を選択的にエッチングしてメサ形状にパターニングするとともに、アンドープまたはn型GaN層2の一部を露出させる。この後、レジストパターンを除去する。次に、リソグラフィーにより所定の形状のレジストパターン(図示せず)を形成し、例えば真空蒸着法により負電極形成用の金属膜を形成した後、レジストパターンをその上の金属膜とともに除去する(リフトオフ)。これによって、アンドープまたはn型GaN層2上に負電極5が形成される。次に、必要に応じて、アンドープまたはn型GaN層2に対する負電極5のオーミック接触特性を改善するために例えば700〜900℃程度の温度で熱処理を行う。次に、同様な方法によりアンドープGaN層4上に正電極6を形成する。
次に、この半導体光検出器の動作原理について説明する。
図2はこの半導体光検出器の3つの異なる状態におけるエネルギーバンド図を示す。ただし、アンドープまたはn型GaN層2はn型GaN層であるものとする。この半導体光検出器に光が照射されておらず(暗時)、バイアス電圧も印加されていない状態(無バイアス)におけるエネルギーバンドは図2の点線で示すようになっている。この場合、障壁層であるアンドープAlGaN層3の伝導帯および価電子帯はアンドープまたはn型GaN層2およびアンドープGaN層4に対してそれぞれ、上に凸、下に凸の形状となっている。
動作時には、正電極6に負電極5に対して正のバイアス電圧Vc を印加する。この半導体光検出器に光が照射されておらず(暗時)、バイアス電圧Vc が印加されている状態におけるエネルギーバンドは図2の実線で示すようになる。この正のバイアス電圧Vc の印加により、アンドープGaN層4の伝導帯のエネルギーは低下し、これによりアンドープAlGaN層3の伝導帯のピークのエネルギーも低下する。このピークの位置(エネルギー)が、アンドープまたはn型GaN層2としてのn型GaN層からアンドープGaN層4への電子移動を支配している。このアンドープAlGaN層3の伝導帯のピークのエネルギーは、アンドープまたはn型GaN層2としてのn型GaN層のフェルミ準位EF からの高さを基準として、暗時のリーク電流を許容できる値に抑えるのに十分な高さを有する必要がある。例えば、熱電子放出理論で計算される電流値は、アンドープまたはn型GaN層2としてのn型GaN層のフェルミ準位から見た、アンドープAlGaN層3による障壁の高さが約0.71eVのとき1×10-6A/cm2 となり、暗時のリーク電流として許容できる値に抑えられることが分かる。仮にこの障壁が存在しない場合、暗時において、ショットキー順方向電流として大電流が流れることになる。アンドープGaN層4のエネルギーバンドは、アンドープAlGaN層3とアンドープGaN層4との界面側が高く、アンドープGaN層4と正電極6との界面側が低くなるように傾斜しており、アンドープGaN層4には、アンドープGaN層4と正電極6との界面からアンドープAlGaN層3とアンドープGaN層4との界面に向かって電界がかかっている。
正電極6に負電極5に対して正のバイアス電圧Vc が印加された状態で、半導体光検出器に365nm(GaNのバンドギャップに相当する波長)以下の波長の光が照射された場合を考える。このときのエネルギーバンドは図2の一点鎖線で示すようになる。この光は光吸収層であるアンドープGaN層4で吸収され、光励起により価電子帯に正孔(○で示す)、伝導帯に電子(●で示す)が生成される。この正孔は価電子帯のエネルギー勾配に沿って移動し、アンドープAlGaN層3とアンドープGaN層4との界面の近傍に蓄積する。この蓄積された正孔の電荷により、アンドープAlGaN層3のバンドエネルギーが低下し、したがってこのアンドープAlGaN層3の伝導帯の障壁の高さが低下するため、アンドープまたはn型GaN層2としてのn型GaN層からアンドープAlGaN層3への電子の流れが生じる。正電極6および負電極5を外部回路に接続することによりこの電子の流れを電流として測定することで光を検出することができる。
〈実施例1〉
基板1としてc面サファイア基板を用いた。アンドープまたはn型GaN層2として厚さ2000nmのアンドープGaN層を用いた。アンドープAlGaN層3の厚さは30nm、Al組成は0.25とした。アンドープGaN層4の厚さは30nmとした。負電極5としてTi/Al/Ni/Auからなるオーミック電極を形成し、窒素ガス雰囲気中において800℃で1分間の熱処理を施した。アンドープAlGaN層3およびアンドープGaN層4からなるメサ部の平面形状は直径150μmの円形とし、このメサ部の上面の中央に正電極6として直径144μmのNi/Au電極を形成した。この場合、このメサ部の上面のうち端面から3μm幅の、正電極6が形成されていないドーナツ形状の部分が光の入射窓(直径200μm、幅3μm)であり、受光面積は3.14×200×3μm2 である。
この半導体光検出器にバイアス電圧Vc を印加した状態で、ブラックライトによる波長360nm付近の光(紫外光)を照射した状態と照射しない状態(暗時)とにおける、バイアス電圧Vc に対する出力電流値の変化を測定した結果を図3に示す。図3に示すように、順方向では、バイアス電圧Vc が4V以上で、暗時に比べて光照射時は電流値が大幅に増加している。このように高い電流値が得られるのは、順方向では電流増幅効果が得られるためである。一方、逆方向では、光照射時にも暗時に比べて電流値は全く変化がなかった。これは、入射光強度が、逆方向で電流が得られるほどには強くないことを示している。
なお、この実施例においては、光吸収層であるアンドープGaN層4の厚さは30nmと非常に薄いため、入射光の一部(約20〜25%)が吸収されているだけであるが、このアンドープGaN層4の厚さを大きくすることにより光電流を増加させることができ、例えば300nm程度とすれば入射光の約95%が吸収され、光電流を最大にすることができる。また、この実施例では、アンドープまたはn型GaN層2としてアンドープGaN層を用いたので、アンドープAlGaN層3とこのアンドープGaN層とのAlGaN/GaNヘテロ界面の2次元電子ガス(2DEG)が光電流として寄与しているが、アンドープまたはn型GaN層2としてn型GaN層を用いれば、抵抗はより低くなり、電流が大幅に増加することは明らかである。
以上のように、この第1の実施形態によれば、GaN系半導体を用いて大きな増幅作用を有する半導体光検出器を実現することができる。この半導体光検出器は、光吸収層としてアンドープGaN層4を用いているので、可視光に対する受光感度は全くなく、波長360nm以下の光(紫外光あるいはそれよりも短波長の光)だけを極めて高い受光感度で検出することができる。このため、可視光カットフィルターなどの高コストの多層膜フィルターを用いることなく、明るいところでも紫外光あるいはそれよりも短波長の光だけを選択的に検出することができる。また、この半導体光検出器は、p型GaN系半導体層を用いておらず、従来のnpnフォトトランジスタの形態の半導体光検出器とは全く異なる新規な構造を有する。この半導体光検出器は、電子の流れを制御するという意味でユニポーラ素子であるが、その制御に正孔を用いていることにより、あたかもバイポーラトランジスタのように動作する。この場合、アンドープまたはn型GaN層2がエミッタ、アンドープAlGaN層3がベース、アンドープGaN層4がコレクタに対応すると考えることができる。このようにp型GaN系半導体層を用いていないため、この半導体光検出器は、従来のnpnフォトトランジスタの形態の半導体光検出器と異なり、エピタキシャル成長時のメモリー効果の問題がなく、製造が容易である。
次に、この発明の第2の実施形態(第2の発明の実施形態)による半導体光検出器について説明する。
図4にこの半導体光検出器を示す。図4に示すように、この半導体光検出器は、電子放出層としてアンドープまたはn型GaN層2の代わりにn型GaN層7、障壁層としてアンドープAlGaN層3の代わりにC(カーボン)ドープGaN層8を用いていることを除いて、第1の実施形態による半導体光検出器と同様な構造を有する。ここで、CドープGaN層7においては、ドープされたCにより、深いアクセプタライクの準位が生じている。
この半導体光検出器の製造方法は、n型GaN層7を成長させた後にカーボンが例えば1×1017cm-3以上ドープされる条件でGaN層を成長させることによりCドープGaN層7を成長させることを除いて、第1の実施形態による半導体光検出器の製造方法と同様である。
次に、この半導体光検出器の動作原理について説明する。
図5はこの半導体光検出器の3つの異なる状態におけるエネルギーバンド図を示す。この半導体光検出器に光が照射されておらず(暗時)、バイアス電圧も印加されていない状態(無バイアス)におけるエネルギーバンドは図5の点線で示すようになっている。CドープGaN層8はn型GaN層7と接しているため、CドープGaN層8中の深いアクセプタライクの準位はこのn型GaN層7からの電子をトラップして負イオン化アクセプタとなり、バンドエネルギーを増大させる。
動作時には、正電極6に負電極5に対して正のバイアス電圧Vc を印加する。この半導体光検出器に光が照射されておらず(暗時)、バイアス電圧Vc が印加されている状態におけるエネルギーバンドは図5の実線で示すようになる。この正のバイアス電圧Vc の印加により、アンドープGaN層4の伝導帯のエネルギーは低下し、これによりCドープGaN層8の伝導帯のエネルギーも低下するが、このCドープGaN層8の伝導帯は負イオン化アクセプタ準位の存在により上に凸の形状となり、これが電子に対する障壁となる。この障壁が、n型GaN層7からアンドープGaN層4への電子移動を支配している。このCドープGaN層8の伝導帯のピークのエネルギーは、n型GaN層7のフェルミ準位EF からの高さを基準として、暗時のリーク電流を許容できる値に抑えるのに十分な高さを有する必要がある。例えば、熱電子放出理論で計算される電流値は、n型GaN層7のフェルミ準位から見た、CドープGaN層8による障壁の高さが約0.71eVのとき1×10-6A/cm2 となり、暗時のリーク電流として許容できる値に抑えられる。アンドープGaN層4のエネルギーバンドは、CドープGaN層8とアンドープGaN層4との界面側が高く、アンドープGaN層4と正電極6との界面側が低くなるように傾斜しており、アンドープGaN層4には、アンドープGaN層4と正電極6との界面からCドープGaN層8とアンドープGaN層4との界面に向かって電界がかかっている。
正電極6に負電極5に対して正のバイアス電圧Vc が印加された状態で、半導体光検出器に365nm以下の波長の光が照射された場合を考える。このときのエネルギーバンドは図5の一点鎖線で示すようになる。この光は光吸収層であるアンドープGaN層4で吸収され、光励起により価電子帯に正孔(○で示す)、伝導帯に電子(●で示す)が生成される。この正孔は価電子帯のエネルギー勾配に沿って移動し、CドープGaN層8中に蓄積されて深い負イオン化アクセプタ準位にトラップされる。すると、この負イオン化アクセプタが中性化されることでバンドエネルギーが低下し、CドープGaN層8の伝導帯の障壁の高さが減少する。その結果、n型GaN層7からCドープGaN層8への熱電子放出量が増大し、正電極6に向かって電子の流れが生じる。したがって、正電極6および負電極5を外部回路に接続することによりこの電子の流れを電流として測定することで光を検出することができる。
〈実施例2〉
基板1としてc面サファイア基板を用いた。n型GaN層7として、厚さが1500nmでSiを2×1018cm-3ドープしたn型GaN層を用いた。CドープGaN層8の厚さは200nm、アンドープGaN層4の厚さは300nmとした。負電極5としてTi/Al/Ni/Auからなるオーミック電極を形成し、窒素ガス雰囲気中において800℃で1分間の熱処理を施した。CドープGaN層8およびアンドープGaN層4からなるメサ部の平面形状は直径200μmの円形とし、このメサ部の上面の中央に正電極6として直径194μmのNi/Au電極を形成した。この場合、このメサ部の上面のうち端面から3μm幅の、正電極6が形成されていないドーナツ形状の部分が光の入射窓(直径200μm、幅3μm)であり、受光面積は3.14×200×3μm2 である。
n型GaN層7、CドープGaN層8およびアンドープGaN層4からなる積層構造のカーボン濃度および酸素濃度を2次イオン質量分析(SIMS)によって測定した結果を図6に示す。ここで、図6の縦軸は検出対象の原子(カーボンまたは酸素)の濃度、横軸は積層構造の最表面からの深さ(アンドープGaN層4の表面からの深さ)を表す。曲線(a)はカーボン濃度、曲線(b)は酸素濃度を示す。図6から分かるように、n型GaN層7およびCドープGaN層8のカーボン濃度は約1017cm-3であるのに対し、アンドープGaN層4のカーボン濃度はSIMS検出限界値である1016cm-3という低い値であった。また、別に行った実験で、このCドープGaN層8の成長条件で成長させた厚さ2μmのGaN層のシート抵抗は、渦電流方式のシート抵抗測定器による測定で測定限界(20kΩ/□)以上の高い抵抗値を有していることを確認した。一方、アンドープGaN層4の成長条件で成長させた厚さ2μmのGaN層はシート抵抗が約5kΩ/□のn型を示した。
この半導体光検出器にバイアス電圧Vc を印加した状態で、ブラックライトによる波長360nm付近の光(紫外光)を照射した状態と照射しない状態(暗時)とにおける、バイアス電圧Vc に対する出力電流値の変化を測定した結果を図7に示す。図7に示すように、バイアス電圧Vc が1Vの時、暗時の電流値は約5μAであるのに対し、光照射時の電流値は約700μAと100倍以上も増加している。比較のために、標準Siショットキー検出器(浜松フォトニクス社製、S1336−5QB、受光面積2.4×2.4mm2 (2400×2400μm2 ))に対して同様の条件で光照射を行った時の電流値を調べたところ、0.1μAであった。以上より、この半導体光検出器では、優れた光増幅作用が得られていることが分かる。また、この半導体光検出器は、光照射時の電流が標準Siショットキー検出器と比較して7000倍も大きい。
この半導体光検出器の分光感度特性の測定結果を図8に示す。測定に際しては、光源に500Wのキセノンランプを用い、このキセノンランプからの光を分光した後、光ファイバーを介して半導体光検出器に照射した。ここで、図8の横軸は入射光の波長、縦軸は光電流(対数目盛)を表す。なお、入射光強度が波長に対して一定値となるように補正を行っている。図8には、比較のために、上述の標準Siショットキー検出器を用いて同様の測定を行った結果も併せて示した。図8から分かるように、標準Siショットキー検出器では、波長400nm以上の可視光領域では5×10-4mAのほぼ一定な電流値が得られた。この電流値を用いて、メーカーのデータシートに基づいて算出される実効的励起光強度は、約3.3×10-5W/cm2 であった。また、波長400nm以下の紫外光領域では受光感度が大幅に落ちていることが分かる。これに対し、この半導体光検出器は、受光可能な波長の領域は全体的に標準Siショットキー検出器と比較して狭いものの、紫外光領域における受光感度は標準Siショットキー検出器と比較して非常に高い。例えば、波長350nmの光に対する電流値は標準Siショットキー検出器よりも4桁大きく、波長300nmの光に対する電流値は標準Siショットキー検出器よりも6桁以上大きい。
この標準Siショットキー検出器の可視光に対する電流/光子変換量子効率は、メーカーのデータシートによると65%である。また、この標準Siショットキー検出器の可視光照射時の電流値は概ね5×10-4mAである。したがって、この標準Siショットキー検出器の量子効率1(増幅率1)のときの電流値は5×10-4/0.65=7.7×10-4mAである。この半導体光検出器と標準Siショットキー検出器との受光面積の比は(3.14×200×3)/(2400×2400)=1/3030であるので、波長350nmの点(電流値1mA)の増幅率は[1mA/(7.7×10-4mA)]×3030=3.9×106 と非常に大きな値となっている。すなわち、この半導体光検出器では、量子効率1の標準Siショットキー検出器と比較して、390万倍の大きさの電流を取り出すことができる。
次に、この半導体光検出器のビジブルブラインド(visible blind)特性を見るために、図8の縦軸の光電流値をリニアプロットしたものを図9に示す。図9より、この半導体光検出器は、波長350nmよりも長波長の光に対しては殆ど感度がないことが分かる。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第3の実施形態(第3の発明の実施形態)による半導体光検出器について説明する。この半導体光検出器はヘテロ接合電界効果トランジスタ(HFET)の形態を有するものである。
図10にこの半導体光検出器を示す。図10に示すように、この半導体光検出器においては、基板51上に、GaNやAlNなどの低温バッファ層(図示せず)を介して、アンドープGaN層52、アンドープAlGaN層53およびアンドープGaN層54がそれぞれc軸配向で順次積層されている。ここで、アンドープGaN層52とアンドープAlGaN層53との界面には正のピエゾ電荷または自発分極電荷が存在し、アンドープAlGaN層53とアンドープGaN層54との界面には負のピエゾ電荷または自発分極電荷が存在する。アンドープGaN層52はチャネル層として用いられ、アンドープAlGaN層53は障壁層として用いられ、アンドープGaN層54は光吸収層として用いられる。アンドープAlGaN層53の上部およびアンドープGaN層54にはリセス部55、56が形成されている。これらのリセス部55、56におけるアンドープAlGaN層53上にそれぞれソース電極57およびドレイン電極58が形成されている。また、これらのリセス部55、56の間の部分のアンドープGaN層54上にゲート電極59が形成されている。このゲート電極59はアンドープGaN層54に対してショットキー接触するものでもオーミック接触するものでもよい。基板51としては、例えば、c面サファイア基板、a面サファイア基板などが用いられる。ソース電極57およびドレイン電極58の材料としては、例えば、Ti/Al/Ni/Auなどの多層金属が用いられるが、これに限定されるものではない。ゲート電極59の材料としては、アンドープGaN層54に対してショットキー接触するものとしては例えばNi/Auなどの多層金属が用いられ、アンドープGaN層54に対してオーミック接触するものとしてはTi/Al/Ni/Auなどの多層金属が用いられるが、これに限定されるものではない。
次に、この半導体光検出器の製造方法について説明する。まず基板1として例えばc面サファイア基板やa面サファイア基板を用意し、その上に従来公知の方法によりGaNやAlNなどの低温バッファ層(図示せず)を形成した後、例えばMOCVD法により、アンドープGaN層52、アンドープAlGaN層53およびアンドープGaN層54を順次エピタキシャル成長させる。このとき、アンドープGaN層52とアンドープAlGaN層53との界面には正のピエゾ電荷または自発分極電荷が発生し、アンドープAlGaN層53とアンドープGaN層54との界面には負のピエゾ電荷または自発分極電荷が発生する。次に、アンドープGaN層54上にリソグラフィーにより所定の形状のレジストパターン(図示せず)を形成した後、このレジストパターンをマスクとして例えば塩素系ガスを用いたRIE法によりアンドープGaN層54およびアンドープAlGaN層53の上部を選択的にエッチング(リセスエッチング)してリセス部55、56を形成する。この後、レジストパターンを除去する。次に、リソグラフィーにより所定の形状のレジストパターン(図示せず)を形成し、例えば真空蒸着法によりソース電極およびドレイン電極用の金属膜を形成した後、レジストパターンをその上の金属膜とともに除去する(リフトオフ)。これによって、リセス部55、56におけるアンドープAlGaN層53上にそれぞれソース電極57およびドレイン電極58が形成される。次に、必要に応じて、アンドープGaN層52に対するソース電極57およびドレイン電極58のオーミック接触特性を改善するために例えば700〜900℃程度の温度で熱処理を行う。次に、同様な方法によりアンドープGaN層54上にゲート電極59を形成する。
次に、この半導体光検出器の動作原理について説明する。
図11はこの半導体光検出器に光が照射されておらず(暗時)、バイアス電圧も印加されていない状態(無バイアス)におけるエネルギーバンド図を示す。アンドープGaN層52とアンドープAlGaN層53との界面の近傍のチャネル領域に2DEG60が形成されている。アンドープGaN層54のエネルギーバンドは、アンドープAlGaN層53とアンドープGaN層54との界面側が高く、アンドープGaN層54とゲート電極59との界面側が低くなるように傾斜しており、アンドープGaN層54には、アンドープGaN層54とゲート電極59との界面からアンドープAlGaN層53とアンドープGaN層54との界面に向かって電界がかかっている。
動作時には、ゲート電極59に所定のゲート電圧VG を印加し、ドレイン電極58にソース電極57に対して所定の正の電圧を印加する。この状態で半導体光検出器に365nm以下の波長の光が照射された場合を考える。この光は光吸収層であるアンドープGaN層54で吸収され、光励起により価電子帯に正孔、伝導帯に電子が生成される。このうち正孔は価電子帯のエネルギー勾配に沿って移動し、アンドープAlGaN層53とアンドープGaN層54との界面の近傍に蓄積する。この蓄積された正孔の電荷により、アンドープAlGaN層53およびアンドープGaN層54の厚さ方向にかかっている電界が変化し、この蓄積された正孔の電荷とほぼ同量の電子がチャネル領域に誘起され、2DEG60の濃度が増加する。このときのエネルギーバンド図は図12に示すようになる。こうして誘起された電子によりチャネル領域の電気伝導度が変調され、これがドレイン電流ID の変化をもたらすため、ソース電極57およびドレイン電極58を外部回路に接続することによりドレイン電流ID を測定することで光を検出することができる。なお、図12の二点鎖線は正孔の擬フェルミ準位を示す。
ワイドギャップ半導体であるアンドープGaN層54には正孔と再結合する電子は殆ど存在しないため、アンドープAlGaN層53とアンドープGaN層54との界面の近傍に蓄積された正孔を排出する動作を行わないと、入射光の変化を測定することができなかったり、光量と光電流との線形性を保てないおそれがある。そこで、負のパルス信号をゲート電極59に印加し、正孔をゲート電極59に引き抜く動作、すなわちリフレッシュ動作を行うことが望ましい。図13はこのリフレッシュ動作を示す。リフレッシュ動作を効率的に行うにはアンドープGaN層54の表面全域に負バイアスがかかることが望ましいので、表面全域を透明電極で覆うか、表面をn型にすることが望ましい。
〈実施例3〉
基板51としてc面サファイア基板を用いた。アンドープGaN層52の厚さは3μmとした。アンドープAlGaN層53の厚さは30nm、Al組成は0.25とした。アンドープGaN層54の厚さは30nmとした。リセス部55、56はSiCl4 ガスを用いたICP(inductively coupled plasma)RIEによりアンドープGaN層54およびアンドープAlGaN層53をエッチングすることにより形成した。ソース電極57およびドレイン電極58としてTi/Al/Ni/Au=50/200/40/40nmからなるオーミック電極を形成し、窒素ガス雰囲気中において850℃で30秒間の熱処理を施した。ゲート電極59としてNi/Au=90/30nmからなる電極を形成した。Ni/Auの形成には電子ビーム蒸着法を用いた。リセス部55、56の間のメサ部の大きさは長さ12μm、幅(WG )50μmとし、このメサ部の上面の中央に長さ(ゲート長LG )2μmのゲート電極59を形成した。この場合、受光面積は12×50=600μm2 である。ゲート電極59とソース電極57との間隔LSGおよびゲート電極59とドレイン電極58との間隔LDGはそれぞれ8μmとした。
この半導体光検出器の暗時と波長350nmの紫外光を照射した状態とにおけるID −VG 特性を測定した結果を図14に示す。測定に際しては、光源に500Wのキセノンランプを用い、このキセノンランプからの光をモノクロメーター(出力光の帯域幅8nm)に通すことにより得られた紫外光を光ファイバーを介して半導体光検出器に照射した。ドレイン電圧VD は0.1Vとした。図14に示すように、光照射時には暗時に比べてしきい値電圧が約0.4Vシフトし、それに伴ってドレイン電流ID が増加した。
この半導体光検出器の分光感度特性の測定結果を図15に示す。測定に際しては、光源に500Wのキセノンランプを用い、このキセノンランプからの光を分光した後、光ファイバーを介して半導体光検出器に照射した。ここで、図15の横軸は入射光の波長、縦軸は光電流(対数目盛)を表す。なお、入射光強度が波長に対して一定値となるように補正を行っている。ゲート電圧VG =−2V、ドレイン電圧VD は0.1Vとした。図15には、比較のために、上述の標準Siショットキー検出器(受光面積5.7mm2 )を用いて同様の測定を行った結果も併せて示した。図15から分かるように、標準Siショットキー検出器では、波長360nm以下の紫外光領域では光電流が大幅に増加しており、受光感度が大幅に増加している。ピーク波長は異なるが、この半導体光検出器は、受光面積が10000倍以上も大きい標準Siショットキー検出器と比較して、最大光電流が100倍以上も高い。この著しく高い受光感度はこの半導体光検出器の高い増幅作用により得られるものである。
この半導体光検出器の時間応答特性の測定結果を図16に示す。測定に際しては、光源に500Wのキセノンランプを用い、このキセノンランプからの光をモノクロメーター(出力光の帯域幅8nm)に通すことにより得られた紫外光をシャッターによりパルス状とし、これを光ファイバーを介して半導体光検出器に照射した。ゲート電圧VG =−3.5V、ドレイン電圧VD は0.1Vとした。図16に示すように、立ち上がり時間は十分に短いが、立ち下がり時間は100秒程度と長かった。この結果は、アンドープAlGaN層53とアンドープGaN層54との界面の近傍の正孔蓄積領域からのリーク電流およびこの正孔蓄積領域へのリーク電流がいずれも極めて少ないことを示す。このため、既に述べたように、適切な応答時間および線形性を維持するためには、蓄積された正孔をアンドープGaN層54からゲート電極59に引き抜くリフレッシュ動作が必要である。
この第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の第1〜第3の実施形態において挙げた数値、材料、構造、形状、基板などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、材料、構造、形状、基板などを用いてもよい。また、例えば、必要に応じて、上述の第1〜第3の実施形態のうちの二以上を組み合わせてもよい。
また、例えば、第3の実施形態による半導体光検出器において、ソース電極57およびドレイン電極58を同電位とし、これらのソース電極57およびドレイン電極58に対して正の電圧をゲート電極59に印加することにより、第1の実施形態による半導体光検出器と同様な動作を行わせることが可能である。
この発明の第1の実施形態による半導体光検出器を示す断面図である。 この発明の第1の実施形態による半導体光検出器の3つの異なる状態におけるエネルギーバンド図である。 この発明の第2の実施形態による半導体光検出器の電流電圧特性の測定結果を示す略線図である。 この発明の第2の実施形態による半導体光検出器を示す断面図である。 この発明の第2の実施形態による半導体光検出器の3つの異なる状態におけるエネルギーバンド図である。 この発明の第2の実施形態による半導体光検出器を構成する各層のカーボンおよび酸素のSIMS分析の結果を示す略線図である。 この発明の第2の実施形態による半導体光検出器の電流電圧特性の測定結果を示す略線図である。 この発明の第2の実施形態による半導体光検出器の分光感度特性の測定結果を示す略線図である。 この発明の第2の実施形態による半導体光検出器の分光感度特性の測定結果を示す略線図である。 この発明の第3の実施形態による半導体光検出器を示す断面図である。 この発明の第3の実施形態による半導体光検出器の無バイアスおよび暗時のエネルギーバンド図である。 この発明の第3の実施形態による半導体光検出器のバイアス時および光照射時のエネルギーバンド図である。 この発明の第3の実施形態による半導体光検出器のリフレッシュ動作時のエネルギーバンド図である。 この発明の第3の実施形態による半導体光検出器のドレイン電流特性の測定結果を示す略線図である。 この発明の第3の実施形態による半導体光検出器の分光感度特性の測定結果を示す略線図である。 この発明の第3の実施形態による半導体光検出器の時間応答特性の測定結果を示す略線図である。 従来のnpnフォトトランジスタを示す断面図である。 従来のnpnフォトトランジスタの2つの異なる状態におけるエネルギーバンド図である。 特開平5−48142号公報に開示された電界効果型フォトトランジスタを示す断面図である。 特開平5−48142号公報に開示された電界効果型フォトトランジスタの問題点を説明するためのエネルギーバンド図である。
符号の説明
1…基板、2…アンドープまたはn型GaN層、3…アンドープAlGaN層、4…アンドープGaN層、5…負電極、6…正電極、7…n型GaN層、8…CドープGaN層、51…基板、52…アンドープGaN層、53…アンドープAlGaN層、54…アンドープGaN層、55、56…リセス部、57…ソース電極、58…ドレイン電極、59…ゲート電極

Claims (6)

  1. 第1の半導体層と、
    上記第1の半導体層上の、上記第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2の半導体層と、
    上記第2の半導体層上の、上記第2の半導体層よりもバンドギャップが小さく、かつ、このバンドギャップは可視光の最短波長に対応する光子エネルギーよりも大きく、かつ、上記第2の半導体層とタイプIのヘテロ接合を形成する第3の半導体層と、
    上記第1の半導体層に電気的に接続された第1の電極と、
    上記第3の半導体層に電気的に接続された第2の電極とを有し、
    動作時に上記第3の半導体層による光吸収によって生成される正孔が上記第3の半導体層と上記第2の半導体層との界面に蓄積されることを特徴とする半導体光検出器。
  2. n型の第1の半導体層と、
    上記第1の半導体層上の、上記第1の半導体層よりも高い電気抵抗を有し、かつ、深いアクセプタ準位を含む第2の半導体層と、
    上記第2の半導体層上の、バンドギャップが可視光の最短波長に対応する光子エネルギーよりも大きく、かつ、空乏化した第3の半導体層と、
    上記第1の半導体層に電気的に接続された第1の電極と、
    上記第3の半導体層に電気的に接続された第2の電極とを有し、
    動作時に上記第3の半導体層による光吸収によって生成される正孔が上記第2の半導体層に蓄積されることを特徴とする半導体光検出器。
  3. 第1の半導体層と、
    上記第1の半導体層上の、上記第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2の半導体層と、
    上記第2の半導体層上の、上記第2の半導体層よりもバンドギャップが小さく、かつ、このバンドギャップは可視光の最短波長に対応する光子エネルギーよりも大きく、かつ、上記第2の半導体層とタイプIのヘテロ接合を形成する第3の半導体層と、
    上記第1の半導体層の一端および他端にそれぞれ電気的に接続された第1の電極および第2の電極と、
    上記第3の半導体層に電気的に接続された第3の電極とを有し、
    動作時に上記第3の半導体層による光吸収によって生成される正孔が上記第3の半導体層と上記第2の半導体層との界面に蓄積されることを特徴とする半導体光検出器。
  4. 上記第1の半導体層がアンドープまたはn型Alx Ga1-x N層(1≧x≧0)、上記第2の半導体層がアンドープAly Ga1-y N層(y>x、1≧y>0)、上記第3の半導体層がアンドープAlz Inw Ga1-z-w N層(1≧z≧0、1≧w≧0、1≧z+w≧0)であることを特徴とする請求項1記載の半導体光検出器。
  5. 上記第1の半導体層がn型Alx Ga1-x N層(1≧x≧0)、上記第2の半導体層がカーボンがドープされたAly Ga1-y N層(y≧x、1≧y≧0)、上記第3の半導体層がアンドープAlz Inw Ga1-z-w N層(1≧z≧0、1≧w≧0、1≧z+w≧0)であることを特徴とする請求項2記載の半導体光検出器。
  6. 上記第1の半導体層がアンドープAlx Ga1-x N層(1≧x≧0)、上記第2の半導体層がアンドープAly Ga1-y N層(y>x、1≧y>0)、上記第3の半導体層がアンドープAlz Inw Ga1-z-w N層(1≧z≧0、1≧w≧0、1≧z+w≧0)であることを特徴とする請求項3記載の半導体光検出器。
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