JP4634927B2 - クランクシャフト用動釣合い試験機およびクランク軸押さえ装置 - Google Patents
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Description
このうち、単気筒エンジンのクランクシャフトは、その長さ(全体の軸長)が短く、しかも軸方向中心に一対のクランクアームおよびそれらアーム間に設けられたクランクピンを有している。このため、かかるクランクシャフトの不釣合い測定を行う場合には、クランクシャフトの軸方向一端側および他端側をそれぞれ一対の軸受ローラで受け止めるとともに、受け止められたクランクシャフトが不釣合い測定時に回転されたときに、装置から外れないように、受け止められた一端側および他端側の軸を押さえる押さえローラが必要である。
この発明は、かかる背景のもとになされたもので、不釣合い測定をすべきクランクシャフトが良好に回転されるように、不釣合い測定時にクランクシャフトを確実に押さえることのできる押さえ装置を備えたクランクシャフト用動釣合い試験機を提供することを主たる目的とする。
一方、支持部材の中心には、貫通孔が形成されていて、その貫通孔にクランクシャフト押さえ装置の回転軸が貫通(挿通)されている。それゆえ回転軸とスピンドルとは同心に配置されているが、互いに干渉することなく回転する。そして、回転軸には、リンク機構を介して偏心軸が連結されている。偏心軸はクランクシャフトの回転中心から偏心している。偏心軸には、偏心軸が回転することにより押さえ位置および解放位置に変位する押さえローラが備えられている。これらリンク機構、偏心軸および押さえローラは、フックドライブ機構の回転軌跡内に位置し、突出部材および軸受ローラ対の近傍に配置されている。よって、これらリンク機構、偏心軸および押さえローラは、フックドライブ機構と干渉しない。
そして、支持部材の他端側に備えられた駆動装置、たとえばエアシリンダ等によって、回転軸を所定の角度範囲内で回転させることができる。
図1を参照して説明すると、動釣合い試験機1は、無振動基台に固定されるベース板2と、ベース板2の上面に立設された4本の棒ばね3(図1では棒ばね3は3本だけが現れている)と、4本の棒ばね3によって振動可能に保持された振動ブリッジ4とを備えている。
そのために、係合板12には、一対の支柱11間をつなぐ長さ方向中央部に、クランクピンが係合される凹欠孔13が形成されている。
支持部材8には、その左端下方から水平方向に突出する突出部材14が一体的に設けられている。そして突出部材14の突出端側(図1において左側)には、クランクシャフト60の一端側(図1において右側)の軸62を回転自在に受け止めるための一対の軸受ローラ対15(図1では片方のローラだけが現れている。)が取り付けられている。
なお、支持フレーム17は、クランプ18を弛めることによって、左右方向フレーム6に沿って左右に移動させることができ、被試験体であるクランクシャフト60の長さが変わっても、それに合わせて位置調整をし、軸受ローラ対60が確実にクランクシャフト60の軸63を受け止められるようになっている。
クランクシャフト60の左端側の軸63も、軸受ローラ対16で受け取められ、上から押さえローラ21によって押さえられる。押さえローラ21は、フックドライブ機構、すなわち円板10、一対の支柱11および係合板12の回転軌跡の外に位置するため、フックドライブ機構とは無関係に、支持フレーム17に取り付けられている。
なお、図1において、22は、クランクシャフト60が水平に左方に移動するのを防止するための移動防止ローラであり、クランクシャフト60の軸左端面に対向している。また、23は、同じく、クランクシャフト60が水平に右方へ移動するのを規制するための移動防止ローラであり、軸の右端面に対向している。移動防止ローラ23は、突出部材14に立設された支柱24に取り付けられている。
図2および図3では、図1と同様に、押さえローラ35はクランクシャフト60の軸62を押さえない解放位置になっている状態が示されており、それに連動して押さえローラ21も解放位置の状態が示されている。
さらに、図5は、押さえローラ35がクランクシャフト60の軸62を押さえている状態の斜視図である。図5では、押さえローラ21も、押さえローラ35と連動して、クランクシャフトの軸63を押さえている。
押さえローラ35は、このように、クランクシャフトの一端側の軸62を回転自在に押さえる押さえ位置および押さえを解放する解放位置に変位可能であるが、以下では、それを実現するための、押さえ装置20の具体的な構成を説明する。
図6および図7を参照して、軸受ヘッド7には支持部材8が備えられている。支持部材8は、軸25方向に貫通する貫通孔26を、その中心に有している。また、支持部材8は、貫通孔26と同心状の円形の外周面27を有している。そして、外周面27には、ボールベアリング28を介してスピンドル9が回転自在に外嵌されている。
回転軸29の一端(図6、7において右端)には、回転軸29の長さ方向と直交方向に延びるリンク機構31の一端が連結されている。リンク機構31の他端には、回転軸29と平行で、かつ、回転軸29の回転中心である軸25に対して偏心している偏心軸32が連結されている。偏心軸32は、取付部材33によって、回動可能に保持されているが、その軸位置は変位しないように取り付けられている。そして、偏心軸32の右端には、アーム34を介して偏心軸32の長さ方向に直交方向に突出するように押さえローラ35が設けられている。
このような構成であるから、支持部材8に対してその外周面27周りをスピンドル9が回転自在である。そして、スピンドル9の回転とは無関係に、かつ、干渉しないように、エアシリンダ36によって回転軸29を回転させることができる。より具体的には、エアシリンダ36によって、回転軸29を所定の角度範囲内で一方向および逆方向に回転(回動)させることができる。そして、回転軸29の回転(回動)に伴い、リンク機構31を介して偏心軸32が所定の角度範囲内で回転(回動)する。その結果、押さえローラ35が、押さえ位置および解放位置に変位する。
なお、クランクシャフト60のもう一端側の軸63を押さえるための押さえローラ21は、エアシリンダ41により駆動されるので、エアシリンダ41の駆動と、エアシリンダ36の駆動とを連動させることによって、押さえローラ35と押さえローラ21との押さえ位置および解放位置の変位を、同時にかつリンクさせて行うことができる。
4 振動ブリッジ
7 軸受ヘッド
8 支持部材
9 スピンドル
10 円板
11 支柱
12 係合板
13 凹欠孔
14 突出部材
15、16 軸受ローラ対
20 押さえ装置
21、35 押さえローラ
25 軸
26 貫通孔
27 外周面
29 回転軸
31 リンク機構
32 偏心軸
33 取付部材
34 アーム
36 エアシリンダ
60 クランクシャフト
61 クランクピン
62、63 軸
Claims (2)
- 中心に所定の軸方向に貫通する貫通孔が形成されており、スピンドルを支持するために、前記貫通孔と同心状の円形の外周面を有する支持部材と、
前記支持部材の一端から前記軸方向と平行に突出している突出部材と、
前記突出部材の突出端に設けられ、不釣合い測定をすべきクランクシャフトが前記軸方向を中心に回転するように、当該クランクシャフトの一端側を回転自在に受け止めるための軸受ローラ対と、
前記支持部材の前記円形の外周面に対して回転自在に外嵌された略円筒形状をしたスピンドルと、
前記スピンドルに連結され、スピンドルの回転によって、前記突出部材および軸受ローラ対を囲むように前記軸方向を中心に回転する機構であって、前記軸受ローラ対で一端側が受け止められた不釣合い測定をすべきクランクシャフトのクランクピンと係合して、当該クランクシャフトを回転させるための係合板を有するフックドライブ機構とを有するクランクシャフト用動釣合い試験機において、
前記支持部材の前記貫通孔に挿通された回転軸と、
前記回転軸の一端側に設けられ、回転軸と平行な偏心位置で、かつ前記突出部材および軸受ローラ対ならびにフックドライブ機構と干渉しないように配置された偏心軸と、
回転軸の回転に応じて偏心軸を回転させるためのリンク機構と、
偏心軸に連結され、偏心軸の回転に伴って、前記軸受ローラ対に受け止められた不釣合い測定をすべきクランクシャフトの一端側を回転自在に押さえる押さえ位置および押さえを解放する解放位置に変位する押さえローラと、
前記回転軸の他端に連結され、回転軸を所定の角度範囲内で回転させ、前記押さえローラを押さえ位置および解放位置に変位させるための駆動装置と、
を含む押さえ装置を有することを特徴とする、クランクシャフト用動釣合い試験機。 - 回転軸と、
回転軸の一端側に備えられ、回転軸と平行でかつ回転軸に対して偏心した偏心軸と、
回転軸の一端側および偏心軸の一端側を連結し、回転軸の回転に伴って偏心軸を回転させるためのリンク機構と、
偏心軸の他端側に備えられ、偏心軸の回転に伴って変位する押さえローラと、
回転軸の他端側に連結された回転軸を回転させるための駆動装置と、
を含むことを特徴とするクランクシャフト用動釣合い試験機用の軸押さえ装置。
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