JP4230952B2 - 動釣合い試験機の回転体支持装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、動釣合い試験機の回転体支持装置(ローラ軸受装置)が開示されている。この公報に開示のローラ軸受装置は、試験する回転体の軸径に合わせて、ローラ軸受の位置を上下に変位可能になっている。ローラ軸受の位置は、作業者により手動で変更される。ローラ軸受の位置を上下に変位させ、試験する回転体の軸線が水平に一定高さになるように設定することにより、種類の異なる回転体に対して、適切な支持が可能になる。
この発明は、かかる背景のもとになされたもので、動釣合い試験機における回転体支持装置において、試験をする回転体の種類が変わったときに、回転体の種類変更に応じて簡単かつ迅速に軸受位置を変更できる回転体支持装置を提供することを目的とする。
この構成によれば、軸受機構は、軸受フレームの中心軸に対して半径方向に配置され、軸受フレームは、駆動手段により、水平な回転軸を中心に回転させられる。軸受機構は、上方から載置された回転軸を受け止めるので、軸受フレームを所定角度回転させて軸受機構を上方に位置させることで、その軸受機構が、回転軸を受け止め得る状態とされる。すなわち、軸受フレームに回転体の種類に応じた少なくとも2組の軸受機構を配置し、軸受フレームの回転によって所望の軸受機構を上方に位置させることができるので、回転体の種類の変更に迅速に対応できる。
請求項2に記載の発明は、上記少なくとも2組の軸受機構(11,12)は、それぞれ、回転体(2A,2B)の回転軸(22,25)を回転自在に受け止めるための一対のローラ(111,122)と、この一対のローラで受け止められた上記回転軸の軸端面に対向し、上記回転体が軸端面方向へ移動するのを規制するための規制ローラ(112,123)とを含むことを特徴とする請求項1に記載の動釣合い試験機(1)の回転体支持装置(7)である。
この構成によれば、回転体支持装置は、軸受フレームをスライド変位させるためのスライド手段を備えている。たとえば、回転体の回転軸が内方に窪んだ構成である場合、すなわち、軸受機構が受け止めるべき回転軸が外部に露出していない場合には、単に回転体を上方から軸受機構に載置しても、軸受機構は、回転軸を受け止めることはできない。そこで、上記の構成とすることで、軸受フレームを、当初、退避位置に移動させておき、回転軸を所定の高さに保った状態で測定位置に変位させることで、軸受機構を、回転体の窪んだ空間に挿通することができる。そして、その状態から、さらに、回転体を所定寸法だけ下降させることで、軸受機構が回転軸を受け止める。
請求項4に記載の発明は、上記スライド手段(16)により、上記軸受フレーム(9)が上記測定位置にスライドされたときに、上記軸受フレームを上記測定位置で固定するために、上記軸受フレームと係合するテーパー状位置決め部材(41)が備えられていることを特徴とする、請求項3に記載の動釣合い試験機(1)の回転体支持装置(7)である。
さらにこの構成によれば、修正装置と組合せることにより、多品種の回転体の動釣合い試験および不釣合い修正を連続して行うことができる。つまり、自動化になじみ易い装置を提供できる。
一方、後方(図1において左側)の振動架台4には、この実施形態に係る回転体支持装置7が備えられている。回転体支持装置7は、振動架台4の上に取り付けられ、水平な中心軸8を中心に回転変位し得る軸受フレーム9を含む。軸受フレーム9には、中心軸8を中心にして半径方向に180度異なる角度位置に、第1軸受機構11および第2軸受機構12という2組の軸受機構が配置されている。そして軸受フレーム9は、その後方(図1において左側)に連結された駆動源13によって、中心軸8を中心に回転変位される。
動釣合い試験機1が図1(b)に示すように、図1(a)に示す回転体2Aとは異なる種類の回転体2Bの動釣合い試験をする場合には、軸受フレーム9が180度反転される。すなわち、駆動源13により、軸受フレーム9は中心軸8を中心に180度回転される。これにより、第2軸受機構12が軸受のために上位置になる。
そこでこの実施形態では、軸受フレーム9を、図1(a),(b)に示す測定位置と、その位置から後方(図1(a),(b)において左方)へ一定量変位した退避位置とにスライド移動させるためのスライド手段16が付加されている。
しかし、動釣合い試験する回転体の種類によっては、前方の振動架台5に取り付ける軸受機構6を、この発明の実施形態に係る回転体支持装置7に換えてもよい。
同様に、回転体2Bは、上述した回転軸の前方側に位置する前回転軸24と後方側に位置する後回転軸25と、回転軸(前回転軸24および後回転軸25)と一体的に構成される外縁部26とを備えている。前回転軸24の軸径はD3であり、後回転軸25の軸径はD4である。
図3は、図1で示す回転体支持装置7を前方側から見た正面図であり、図4は、図1(a)に示す動釣合い試験機1を前後方向に沿った垂直面で切断して右方から見た状態を詳細に示す断面図であり、図5は、図1(a)に示す動釣合い試験機1を前後方向に沿った水平面で切断して上方から見た状態を詳細に示す断面図である。
軸受93の下端部には、下方に向かって突出する突出片95が備えられており、突出片95がスライド手段16に接続されている。スライド手段16は、たとえば、エアシリンダを含んでおり、突出片95を介して、軸受93(軸受フレーム9)に対して前後方向への進退制御を行う。
円盤部91の周面に形成されたテーパー形状部分と、位置決め部材41に形成されたテーパー形状部分とは、互いに係合し得る形状とされており、軸受フレーム9が測定位置に移動した状態では、円盤部91のテーパー形状部分と、位置決め部材41に形成されたテーパー形状部分とが係合している。
回転体2Aは、前回転軸21の下端が振動架台5の第3ローラ対61に載置され、後回転軸22の下端が第1軸受機構の第1ローラ対111に載置されることで、回転可能に支持される。また、この状態では、回転体2Aの前回転軸21の前端の下部が第3規制ローラ51に接するもしくはわずかに離される状態とされ、回転体2Aの後回転軸22の後端の下部が第1規制ローラ112に接するもしくはわずかに離される状態とされている。
次いで、回転体2Bがリフター装置に載置される。そして、スライド手段16によって、軸受フレーム9が前方に変位させられ、軸受フレーム9の円盤部91のテーパー形状部分が、位置決め部材41のテーパー形状部分と係合すると、軸受フレーム9の前方への移動が停止させられて、軸受フレーム9が測定位置に配置される。
第1軸受機構11および第2軸受機構12では、受け止める回転体の回転軸の軸径に基づいて、第1ローラ対111および第2ローラ対122が配置されている。すなわち、第1ローラ対111が回転体2Aの後回転軸22を受け止めたときの軸線と、第2ローラ対122が回転対2Bの後回転軸25を受け止めたときの軸線とが同じ高さになるようにされている。よって、回転体2Aを回転させたときの軸線2Cと、回転体2Bを回転させたときの軸線2Dとは、同一線上(同じ高さ)に位置することとなる。
また、各軸受機構11および12が回転体2Aおよび2Bを受け止めたときの軸線2Cおよび2Dは、常に一定の高さに保たれるので、動釣合い試験機1においての動釣合い試験の精度を高めることができる。
また、回転体2Aおよび2Bの回転軸の軸端面方向への移動が第1規制ローラ112、第2規制ローラ123および第3規制ローラ51により規制されるので、回転体2Aおよび2Bの位置が一定に保たれる。よって、動釣合い試験においての精度を高めることができる。
また、軸受フレーム9が測定位置にスライドされたときには、円盤部91のテーパー形状部分と位置決め部材41のテーパー形状部分とが係合することで、軸受フレーム9の位置が決められるので、軸受フレーム9を正確に測定位置に変位させることができる。これにより、軸受フレーム9の位置ずれを防ぐことができるので、動釣合い試験の精度を高めることができる。
ところで、動釣合い試験に際し、回転体にベルトを掛けて回転体を回転させる機構が採用されている場合は、回転体に掛け渡すベルト長さが決まっていることがある。かかる場合、回転体の機種が変わり、その直径が大小変化すると、ベルト長さが足りず、ベルトを回転体に掛けられなかったり、逆にベルト長さが余ったりすることがある。この発明を用いると、回転体の両側を支持するローラ支持位置を上下させることができる。よって、回転体の回転位置を上下に調整して、回転体にベルトが所定の緊張状態で掛かるようにすることができる。
2A 回転体
2B 回転体
4 振動架台
7 回転体支持装置
8 中心軸
9 軸受フレーム
11 第1軸受機構
12 第2軸受機構
13 駆動源
16 スライド手段
22 後回転軸
25 後回転軸
41 位置決め部材
111 第1ローラ対
112 第1規制ローラ
122 第2ローラ対
123 第2規制ローラ
Claims (4)
- 振動架台に取り付けられ、水平な中心軸を中心に回転変位し得る軸受フレームと、
上記軸受フレームの上記中心軸に対して半径方向に異なる角度位置に配置され、互いに異なる形状の回転軸を受け止めるための少なくとも2組の軸受機構と、
上記少なくとも2組の軸受機構のうちの所望の軸受機構が上記回転軸を受け止める位置にくるように、上記軸受フレームを回転させる駆動手段と、を含むことを特徴とする動釣合い試験機の回転体支持装置。 - 上記少なくとも2組の軸受機構は、それぞれ、
回転体の回転軸を回転自在に受け止めるための一対のローラと、
この一対のローラで受け止められた上記回転軸の軸端面に対向し、上記回転体が軸端面方向へ移動するのを規制するための規制ローラと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の動釣合い試験機の回転体支持装置。 - 上記軸受フレームを、上記回転軸を受け止めるための測定位置と、上記測定位置から水平に所定距離離れた退避位置とにスライド変位させるためのスライド手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の動釣合い試験機の回転体支持装置。
- 上記スライド手段により、上記軸受フレームが上記測定位置にスライドされたときに、上記軸受フレームを上記測定位置で固定するために、上記軸受フレームと係合するテーパー状位置決め部材が備えられていることを特徴とする、請求項3に記載の動釣合い試験機の回転体支持装置。
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