JP4634647B2 - 踏切板ボックス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、陸上競技場などの走り幅跳びや三段跳びの競技フィールドに埋設状態に配設され、上部に踏切板とファール判定板とを前記フィールド面と略面一状態で接地し得る踏切板ボックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
陸上競技場などに設備されている走り幅跳びや三段跳びの競技フィールドには、図11に示すように砂場21の手前に踏切板22と,この踏切板22より砂場21側にファール判定板23(ゴム板)とが並設状態に配設されており、競技者はこの踏切板22を超えないように(ファールにならないように)踏切って跳躍する。
【0003】
また、一般に、この踏切板22とファール判定板23とは、フィールドに埋設された所謂踏切板ボックス24と称されるボックス24内に設置されており(図12参照)、この踏切板ボックス24は、競技を行わない場合には踏切板22とファール判定板23とを取り外して(倉庫などに収納して)おくことができ、代わりにこの踏切板ボックス24には蓋25(ウレタン蓋)を入れておくことができる構造となっている(図13参照)。図中符号26は踏切板22を踏切板ボックス24内に固定するためのジャッキ、27はファール判定板23の載置用土台となる角材である。
【0004】
本発明は、この踏切板ボックスの改良に係るもので、踏切板とファール判定板とがフィールド面に露出する使用状態と、蓋がフィールド面に露出する不使用状態とを極めて簡単に切り替えることができる画期的な踏切板ボックスを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0006】
走り幅跳び若しくは三段跳びの競技フィールドに埋設状態に配設され、上部に踏切板1とファール判定板2とを前記フィールド面3と略面一状態で設置し得る上部開口型の踏切板ボックスにおいて、ボックス体4の上部に、フィールド面3と略面一状態となる前記踏切板1と前記ファール判定板2とを備えた支承部材5を設けるか、若しくは踏切板1とファール判定板2とをフィールド面3と略面一状態となるようにして設置支承し得る支承部材5を設け、この支承部材5は、ボックス体4の上部に略水平に配した支軸6を介してボックス体4内で回動自在に設けると共に、前記踏切板1と前記ファール判定板2とがフィールド面3に露出した使用状態から支承部材5を180度反転させた際に,この支承部材5の裏側に付設した蓋部材7が前記フィールド面3と略面一状態で露出するよう構成し、前記ボックス体4の一側に固定機構8を配設する空間部aを設け、この空間部aに配設して前記支承部材5を回動不能状態に固定する固定機構8を備え、前記支承部材5の対向両側部に前記支軸6として回動ローラ6Aを設け、この回動ローラ6Aを前記ボックス体4の対向両側内面に設けたガイド部9に支持することでこの支承部材5をボックス体4に対して回動自在に設け、前記ガイド部9は、前記回動ローラ6Aを水平方向に移動可能に支持し得るように構成して、このガイド部9に対して回動ローラ6Aを水平方向に移動させることにより支承部材5の支軸6がボックス体4に対して水平方向に移動するように設け、この支軸6を移動させることで前記固定機構8を取り外したボックス体4内の空間部a側に支承部材5を移動して、この支承部材5をボックス体4に対して接触しない位置で回動反転し得るように構成したことを特徴とする踏切板ボックスに係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0008】
踏切板1とファール判定板2とがフィールド面3と略面一状態で設置された使用状態から、固定機構8を解除して支承部材5を180度反転させると、この支承部材5の裏側に設けた蓋部材7が前記フィールド面3と略面一状態で露出するか、若しくはフィールド側に露出した支承部材5の裏側にボックス体4を閉塞する蓋部材7をフィールド面3と略面一状態で設置することができ、この状態(不使用状態)を前記固定機構8により固定して維持することができる。
【0009】
この際、踏切板1とファール判定板2とが支承部材5から取り外せるように構成されている場合には、この支承部材5から踏切板1とファール判定板2とを取り外してから支承部材5を回動反転させても良い。
【0010】
また、この蓋部材7がフィールド面3に露出した不使用状態から、固定機構8を解除して支承部材5を180度反転させると、この支承部材5の表側に備えられた踏切板1とファール判定板2とが前記フィールド面3と略面一状態で露出するか、若しくはフィールド側に露出した支承部材5の表側に踏切板1とファール判定板2とをフィールド面3と略面一状態となるように設置することができ、この状態(使用状態)を前記固定機構8により固定して維持することができる。
【0011】
この際、蓋部材7が支承部材5から取り外せるように構成されている場合には、この支承部材5から蓋部材7を取り外してから支承部材5を回動反転させても良い。
【0012】
従って、単に支承部材5を180度反転させることで、踏切板1とファール判定板2とがフィールド面3に露出する使用状態と、蓋部材7がフィールド面3に露出する不使用状態とを切り替えできる極めて切り替え作業性に秀れ、実用性に秀れた画期的な踏切板ボックスとなる。
【0013】
また、例えば、前記支承部材5の裏側部に前記蓋部材7を付設して、この蓋部材7が前記フィールド面3と略面一状態で露出するように構成すれば、従来、踏切板22使用時にボックス24から取り外した蓋25は、競技場の隅に仮置きしておくことが多く、通行の邪魔になってしまっており、また、蓋25を邪魔にならないところに動かすことも蓋25が非常に重い(30〜40kg)ために大変厄介な作業でなかなかできないという問題があったが、この構成によると蓋部材7が支承部材5に付設されているために重い蓋25を持ち運びする厄介な作業は全く不要となり、一層実用的となる。
【0014】
また、例えば、前記支承部材5は、ボックス形状に構成してこのボックス形の支承部材5内に前記踏切板1と前記ファール判定板2とを並設状態にして設置支承し得るように構成し、少なくともこの支承部材5に支承された踏切板1は支承部材5に固定されてこの支承部材5と共に回動し得るように構成すれば、従来、踏切板22とファール判定板23とは、競技を行う際に倉庫などの収納場所から出してきて、競技終了後は再び収納場所に持ち帰らなければならず、特に踏切板22は重いためにこの作業が非常に厄介であったが、この構成によると少なくとも踏切板1は支承部材5に固定されているために重い踏切板1を持ち運びする厄介な作業が全く不要となり、一層実用的となる。
【0015】
【実施例】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0016】
本実施例は、走り幅跳び若しくは三段跳びの競技フィールドに埋設状態に配設され、上部に踏切板1とファール判定板2とを前記フィールド面3と略面一状態で設置し得る上部開口型の踏切板ボックスに係るものであって、ボックス体4の上部に、踏切板1とファール判定板2とをフィールド面3と略面一状態となるようにして設置支承し得る支承部材5を設け、この支承部材5は、ボックス体4の上部に略水平に配した支軸6を介してボックス体4内で回動自在に設けると共に、前記踏切板1と前記ファール判定板2とがフィールド面3に露出した使用状態から支承部材5を180度反転させた際に,この支承部材5の裏側に付設した蓋部材7が前記フィールド面3と略面一状態で露出するように構成し、この支承部材5は、ボックス形状に構成してこのボックス形の支承部材5内に前記踏切板1と前記ファール判定板2とを並設状態にして設置支承し得るように構成し、少なくともこの支承部材5に支承された踏切板1は支承部材5に固定されてこの支承部材5と共に回動し得るように構成し、前記支承部材5の対向両側部に前記支軸6として回動ローラ6Aを設け、この回動ローラ6Aを前記ボックス体4の対向両側内面に設けたガイド部9に支持することでこの支承部材5をボックス体4に対して回動自在に設け、前記ガイド部9は、前記回動ローラ6Aを水平方向に移動可能に支持し得るように構成して、このガイド部9に対して回動ローラ6Aを水平方向に移動させることにより支承部材5の支軸6がボックス体4に対して水平方向に移動するように設け、この支軸6を移動させることで支承部材5をボックス体4に対して接触しない位置で回動反転し得るように構成し、このボックス体4内に、支承部材5を回動不能状態に固定する固定機構8を備えたことを特徴とする踏切板ボックスに係るものである。
【0017】
具体的に説明すると、図1〜図4は第一実施例、図5〜図10は第二実施例を示している。
【0018】
第一実施例について説明する。
【0019】
本実施例のボックス体4は、従来の踏切板ボックスよりも底を深くすると共に、図1における左右方向の幅を広くして、支承部材5がこのボックス体4内で回動可能且つ水平左右方向に移動可能となるように構成している。
【0020】
支承部材5は、ボックス形状に構成してこのボックス形の支承部材5内に前記踏切板1と前記ファール判定板2とを並設状態にして設置支承し得るように構成している。
【0021】
また、この支承部材5に対する踏切板1,ファール判定板2の設置構造は、従来の踏切板ボックスへの設置構造と同様で、ジャッキ10により踏切板1を支承部材5に固定し、このジャッキ10が配された踏切板1脇の空間部分にファール判定板2の設置用土台となる角材11を設置し、この角材11の上面にファール判定板2を載置する構成としている。また、角材11は、支承部材5に対してネジ止めするなどして固定している。
【0022】
即ち、踏切板1とジャッキ10と角材11とは支承部材5に固定される構成としている。
【0023】
また、この支承部材5の裏側部に、フィールド面3と同質のウレタン製であって、平板状の前記蓋部材7を付設して、支承部材5を180度反転させるとこの蓋部材7が前記フィールド面3と略面一状態で露出するように構成している。
【0024】
また、この支承部材5の図面手前側と奥側の両側面部に、前記支軸6としての回動ローラ6Aを設けている。この回動ローラ6Aは、支承部材5の両側面部の、図面左右方向の中間部であって且つこの支承部材5に固定した前記踏切板1及び前記蓋部材7も含めた高さ方向の中間部に位置させ、これにより支承部材5をこの回動ローラ6Aを軸に回動させると、踏切板1も蓋部材7も前記フィールド面3と略面一状態で露出するように構成している。
【0025】
この支承部材5の支軸6を介したボックス体4への軸支構造は、この回動ローラ6Aを前記ボックス体4の対向両側内面に設けたガイド部9に支持する構造としている。
【0026】
具体的には、ボックス体4の図面手前側と奥側の対向する両側面に、上方が開口する軸支凹部9Aを外方へ突出状態にして設け、この軸支凹部9Aに上方から前記回動ローラ6Aを嵌挿して支持した構造としている。
【0027】
尚、図示していないが、この軸支凹部9Aの上方開口部には、前記フィールド面3と略面一状態となる支軸用蓋体を着脱開閉自在に閉塞した構成としている。即ち、この支軸用蓋体を取り外すことで支承部材5をボックス体4内から取り外すことができ、メンテナンスを行えるようにしている。
【0028】
また、この支承部材5の支軸6は、前記ボックス体4に対して水平方向に移動可能に設け、この支軸6を移動させることで支承部材5をボックス体4に対して接触しない位置で回動反転し得るように構成している。
【0029】
具体的には、前記軸支凹部9Aを図面左右方向に長さを有する形状に形成し、この左右に長い軸支凹部9A内を回動ローラ6Aが転動移動することで、支承部材5の支軸6(回動ローラ6A)がボックス体4に対して水平方向に移動可能となるように設けている。
【0030】
また、本実施例では、この支承部材5の左右両端部に球状の操作ハンドル12を突設して、この操作ハンドル12を持ちながら支承部材5を回動反転操作し得るように構成している。
【0031】
一方、ボックス体4の図面右側の内面には前記操作ハンドル12が嵌合挿入可能な嵌合凹所13が形成され、この支承部材5をボックス体4内で図面右側に移動させて嵌合凹所13に操作ハンドル12が嵌合係止すると、支承部材5が回動不能状態となって略水平状態に維持され、この状態から支承部材5を回動ローラ6Aを介し図面左側に移動させて嵌合凹所13から操作ハンドル12を嵌脱すると、支承部材5がボックス体4に対して接触することなく回動反転可能な状態となるように構成している。
【0032】
本実施例の固定機構8は、前記ボックス体4内に、前記支承部材5を回動不能状態に固定するジャッキ装置8Aを設けて構成している。
【0033】
このジャッキ装置8Aは、図1,図4に示すようにボックス体4の左側の空間部aに配されて、この左側の空間部a内で左右方向に突っ張ることで支承部材5の左側面を押圧し、これにより支承部材5をボックス体4内の右側内面に押圧して支承部材5を回動不能状態に固定する。
【0034】
図中符号14はジャッキ装置8Aの一側(左側)を支承係止する係止突起、15はジャッキ装置8Aの他側(図面右側)を支承係止するジャッキ支承底であって、この係止突起14とジャッキ支承底15とでジャッキ装置8Aを空間部a内で位置決めする構成とした場合を示している。尚、このジャッキ支承底15はジャッキ装置8Aの高さの都合上、ボックス体4の底部よりも一段高く形成してある。
【0035】
また、このジャッキ装置8Aの押圧面には、図1,図4に示すように前記支承部材5の底部,及びこの支承部材5を180度反転させた際の上縁部を係止する係止突部17を形成し、一方、前記ボックス体4の右側内面にも支承部材5の底部及び上縁部を係止する支承突部18を形成して、この係止突部17と支承突部18とで支承部材5を極めて安定的な水平状態に保持する構成としている。
【0036】
また、このボックス体4内のジャッキ装置8Aが配される空間部aの上部は、空きスペースとなっているため、前記フィールド面3と略面一状態となる補助蓋体16を着脱自在に設けている。
【0037】
次に、本実施例の使用方法について具体的に説明する。
【0038】
図1は、フィールド面3に蓋部材7が略面一状態で露出する不使用状態を示している。尚、この際、ジャッキ装置8Aが配置されているボックス体4内の空間部a内にファール判定板2を収納している。
【0039】
この状態から、前記補助蓋体16を取り外し、ジャッキ装置8Aを緩めてこのジャッキ装置8Aとファール判定板2とをボックス体4内から取り出す。
【0040】
次いで、図2に示すように図面左側の操作ハンドル12を持つなどして支承部材5を図面左側にスライド移動させ、図面右側の操作ハンドル12を嵌合凹所13から嵌脱させると共に、支承突部18に対する支承部材5の上縁部の係止を解除させる。
【0041】
次いで、図3に示すように操作ハンドル12を持ちながら支軸6(回動ローラ6A)を介して支承部材5を回動移動させ、180度反転させて踏切板1をフィールド面3上に露出させる。
【0042】
そして、この支承部材5を図面右側にスライド移動させて操作ハンドル12を嵌合凹所13に嵌合係止させ、前記ジャッキ装置8Aを再びボックス体4内の左側の空間部aに配して突っ張り支承部材5が回動しないように保持する。
【0043】
次いで、前記補助蓋体16を設置し、角材11上にファール判定板2を載置すれば、図4に示した使用状態となる。
【0044】
この使用状態から、不使用状態に戻す場合には、補助蓋体16とファール判定板2とを取り外し、ジャッキ装置8Aを緩めてこのジャッキ装置8Aをボックス体4から取り出す。
【0045】
次いで、上記と同様に、図面左側の操作ハンドル12を持つなどして支承部材5を図面左側にスライド移動させた後、操作ハンドル12を持ちながら支軸6(回動ローラ6A)を介して支承部材5を回動移動させ、180度反転させて踏切板1をフィールド面3上に露出させる。
【0046】
支承部材5を図面右側にスライド移動させて操作ハンドル12を嵌合凹所13に嵌合係止させ、ボックス体4内の図面左側の空間部aにファール判定板2と前記ジャッキ装置8Aとを配し、ジャッキ装置8Aを突っ張って支承部材5が回動しないように保持した上で前記補助蓋体16を設置すると、フィールド面3に蓋部材7が露出する不使用状態となる。
【0047】
従って、本実施例では、支承部材5の裏側部に前記蓋部材7を付設して、この蓋部材7が前記フィールド面3と略面一状態で露出するように構成したから、従来、踏切板使用時にボックスから取り外した蓋は、競技場の隅に仮置きしておくことが多く、通行の邪魔になってしまっており、また、蓋を邪魔にならないところに動かすことも蓋が非常に重い(30〜40kg)ために大変厄介な作業でなかなかできないという問題があったが、本実施例によると蓋部材7が支承部材5に付設されているために重い蓋を持ち運びする厄介な作業は全く不要となる極めて実用性に秀れた踏切板ボックスとなる。
【0048】
また、支承部材5は、ボックス形状に構成してこのボックス形の支承部材5内に前記踏切板1と前記ファール判定板2とを並設状態にして設置支承し得るように構成し、この支承部材5に支承された踏切板1は支承部材5に固定されてこの支承部材5と共に回動し得るように構成したから、従来、踏切板とファール判定板とは、競技を行う際に倉庫などの収納場所から出してきて、競技終了後は再び収納場所に持ち帰らなければならず、特に踏切板は重いためにこの作業が非常に厄介であったが、本実施例によると少なくとも踏切板1は支承部材5に固定されているために重い踏切板1を持ち運びする厄介な作業が全く不要となる一層実用性に秀れた踏切板ボックスとなる。
【0049】
また、支承部材5の支軸6は、前記ボックス体4に対して水平方向に移動可能に設け、この支軸6を移動させることで支承部材5をボックス体4に対して接触しない位置で回動反転し得るように構成したから、確実に支承部材5をボックス体4に対して接触しない状態で回動操作できることになる極めて実用性に秀れた踏切板ボックスとなり、しかも支承部材5の対向両側部に前記支軸6として回動ローラ6Aを設け、この回動ローラ6Aを前記ボックス体4の対向両側内面に設けたガイド部9に支持することでこの支承部材5をボックス体4に対して回動自在に設け、前記ガイド部9は、前記回動ローラ6Aを水平方向に移動可能に支持し得るように構成して、このガイド部9に対して回動ローラ6Aを水平方向に移動させることにより支承部材5の支軸6がボックス体4に対して水平方向に移動するように設けたから、水平方向に移動可能な支軸6の構造を簡易に設計実現可能となる極めて実用性に秀れた構成の踏切板ボックスとなる。
【0050】
また、前記ボックス体4内に、前記支承部材5を回動不能状態に固定するジャッキ装置8Aを設けて前記固定機構8を構成したから、この固定機構8は簡易に設計実現可能となる極めて実用性に秀れた踏切板ボックスとなる。
【0051】
第二実施例について説明する。
【0052】
本実施例は、前記第一実施例において、前記回動ローラ6Aを、前記支承部材5の対向両側部に片側二個ずつ設け、この片側二個の回動ローラ6Aが前記ガイド部9に支持されることにより、前記ボックス体4に対して支承部材5が自重で回動作動しないように構成した場合である。
【0053】
具体的には、図示したように、支承部材5の図面手前側と奥側の両側面部の左右部に回動ローラ6Aを設けている。
【0054】
また、本実施例のガイド部9(軸支凹部9A)は、支承部材5の片側に二個ある前記回動ローラ6Aの双方を支承でき、且つこの二個の回動ローラ6Aが図面左右方向にスライド移動可能となる左右横幅を有することとなるように、前記第一実施例の軸支凹部9Aよりも左右方向に長く形成している。また、この軸支凹部9Aは、図面左側の側壁面部を上部程左側へ傾斜する傾斜面に形成している。
【0055】
また、本実施例では、この軸支凹部9Aの図面右寄り途中部に山型の乗越え突起19を設けている。
【0056】
更に詳しくは、支承部材5を図面左側に移動させることで、図面右側の回動ローラ6Aがこの乗越え突起19を乗越えた際に、操作ハンドル12が嵌合凹所13から係脱して支承部材5が回動操作可能となるようにこの乗越え突起19の形成位置を設定構成している。
【0057】
また、本実施例においても前記第一実施例と同様に、軸支凹部9Aの上方開口部には、前記フィールド面3と略面一状態となる図示省略の支軸用蓋体を着脱開閉自在に閉塞した構成としている。尚、支軸6を支承部材5の片側に二個ずつ設けている本実施例の構成上、支承部材5を反転させる際には軸支凹部9Aから、どうしても回動軸とならない方(図面では左側)の回動ローラ6Aが上方へ出てしまうことになるので、支承部材5を回動反転させる際には、この支軸用蓋体を取り外して行う構成としている。
【0058】
また、このように支承部材5の片側の左右部に設けられた二個の回動ローラ6Aのうちの一方の回動ローラ6Aを支軸6として回動させるため、第一実施例のような深底のボックス体4である必要はなく、本実施例では、ボックス体4の底の深さを前記ジャッキ支承底15と略同じ位の深さとなる浅底に形成している。
【0059】
また、本実施例では、支承部材5の左右両端部にU字杆を付設して、このU字杆を前記操作ハンドル12とした場合を示している。
【0060】
次に、本実施例の使用方法について具体的に説明する。
【0061】
図5は、フィールド面3に蓋部材7が露出する不使用状態を示している。尚、本実施例では、補助蓋体16の下部にファール判定板2を収納するための収納部16Aを設けた場合を示しており、この図面では、この収納部16Aにファール判定板2を収納した構成としている。
【0062】
この状態から、図6に示すように前記補助蓋体1と図示省略の支軸用蓋体とを取り外し、ジャッキ装置8Aを緩めてこのジャッキ装置8Aもボックス体4の空間部aから取り出す。
【0063】
次いで、例えば、図7に示すように図面左側の操作ハンドル12(U字杆)に手鉤20を引っ掛けてこの手鉤20によって支承部材5を図面左側にスライド移動させると、図面右側の操作ハンドル12が嵌合凹所13から嵌脱すると共に、前記軸支凹部9Aの左側の壁面部が傾斜面に形成されているため、この傾斜面に図面左側の回動ローラ6Aが乗り上げて図中矢印のように移動し、この支承部材5の図面左側が上方へ位置する斜設状態となる。
【0064】
次いで、図8に示すように手鉤20を上方へ持ち上げることで図面右側の支軸6(回動ローラ6A)を介して支承部材5を上方へ回動させるが、この際、前記乗越え突起19が、この乗越え突起19を図面左側に乗越えた図面右側の回動ローラ6Aを右側へ移動しないように阻止する仮のストッパーとなり、これにより支承部材5を容易に回動反転させることができることになる。その後支軸6となっている図面右側の回動ローラ6Aを図中矢印のように図面左側に移動させて180度反転させると、図9に示すように踏切板1がフィールド面3上に露出することなる。
【0065】
そして、この支承部材5を図面右側にスライド移動させて操作ハンドル12を嵌合凹所13に嵌合係止させ、前記ジャッキ装置8Aを再びボックス体4内の左側の空間部aに配して突っ張り、支承部材5が回動しないように保持する。
【0066】
次いで、前記補助蓋体16を設置すると共に図示省略の支軸用蓋体を設置し、角材11上にファール判定板2を載置すれば、図10に示した使用状態となる。
【0067】
この使用状態から、不使用状態に戻す場合には、補助蓋体16と支軸用蓋体とファール判定板2とを取り外し、ジャッキ装置8Aを緩めてこのジャッキ装置8Aをボックス体4の空間部aから取り出す。
【0068】
次いで、上記と同様に、支承部材5を図面左側にスライド移動させて図面右側の操作ハンドル12を嵌合凹所13から嵌脱させ、支軸6(回動ローラ6A)を介して支承部材5を回動移動させ、180度反転させて踏切板1をフィールド面3上に露出させる。
【0069】
支承部材5を図面右側にスライド移動させて操作ハンドル12を嵌合凹所13に嵌合係止させ、ボックス体4内の図面左側の空間部aに前記ジャッキ装置8Aを配し、ジャッキ装置8Aを突っ張って支承部材5が回動しないように保持した上で前記収納部16Aにファール判定板2を収納した補助蓋体16を設置すると、フィールド面3に蓋部材7が露出する不使用状態となる。
【0070】
従って、本実施例では、前記回動ローラ6Aは、前記支承部材5の対向両側部に少なくとも片側二個以上設け、この片側二個以上の回動ローラ6Aが前記ガイド部9に支持されることにより、前記ボックス体4に対して支承部材5が自重で回動作動しないように構成したから、ボックス体4に対して支承部材5が自重で勝手に回動作動することがない極めて操作性に秀れ作業性に秀れた構成の踏切板ボックスとなる。
【0071】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【0072】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したから、単に支承部材を180度反転させることによって踏切板とファール判定板とがフィールド面に露出する使用状態と、蓋部材がフィールド面に露出する不使用状態とを切り替えできる極めて切り替え作業性に秀れ、実用性に秀れた画期的な踏切板ボックスとなる。
【0073】
また、本発明は、支承部材の裏側部に前記蓋部材を付設して、この蓋部材が前記フィールド面と略面一状態で露出するように構成したから、従来、踏切板使用時にボックスから取り外した蓋は、競技場の隅に仮置きしておくことが多く、通行の邪魔になってしまっており、また、蓋を邪魔にならないところに動かすことも蓋が非常に重い(30〜40kg)ために大変厄介な作業でなかなかできないという問題があったが、本発明によると蓋部材が支承部材に付設されているために重い蓋を持ち運びする厄介な作業は全く不要となる極めて実用性に秀れた踏切板ボックスとなる。
【0074】
また、本発明は、支承部材の支軸は、前記ボックス体に対して水平方向に移動可能に設け、この支軸を移動させることで支承部材をボックス体に対して接触しない位置で回動反転し得るように構成したから、確実に支承部材をボックス体に対して接触しない状態で回動操作できることになる極めて実用性に秀れた踏切板ボックスとなり、しかも支承部材の対向両側部に前記支軸として回動ローラを設け、この回動ローラを前記ボックス体の対向両側内面に設けたガイド部に支持することでこの支承部材をボックス体に対して回動自在に設け、前記ガイド部は、前記回動ローラを水平方向に移動可能に支持し得るように構成して、このガイド部に対して回動ローラを水平方向に移動させることにより支承部材の支軸がボックス体に対して水平方向に移動するように設けたから、水平方向に移動可能な支軸の構造を簡易に設計実現可能となる極めて実用性に秀れた構成の踏切板ボックスとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施例の不使用状態を示す説明図である。
【図2】 図1の状態から補助蓋体とジャッキ装置とを取り外し、支承部材をスライド移動させた状態を示す説明図である。
【図3】 図2の状態から、支承部材を回動させた状態を示す説明図である。
【図4】 第一実施例の使用状態を示す説明図である。
【図5】 第二実施例の不使用状態を示す説明図である。
【図6】 図5の状態から補助蓋体を取り外し、ジャッキ装置を緩めた状態を示す説明図である。
【図7】 図6の状態からジャッキ装置を取り外し、支承部材をスライド移動させた状態を示す説明図である。
【図8】 図7の状態から支承部材を回動させた状態を示す説明図である。
【図9】 図7の状態から更に支承部材を回動させて、図6の状態から支承部材を180度反転させた状態を示す説明図である。
【図10】 第二実施例の使用状態を示す説明図である。
【図11】 従来例の踏切板ボックスを備えた競技フィールドを示す説明図である。
【図12】 従来例の使用状態を示す説明図である。
【図13】 従来例の不使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 踏切板
2 ファール判定板
3 フィールド面
4 ボックス体
5 支承部材
6 支軸
6A 回動ローラ
7 蓋部材
8 固定機構
9 ガイド部
a 空間部
Claims (1)
- 走り幅跳び若しくは三段跳びの競技フィールドに埋設状態に配設され、上部に踏切板とファール判定板とを前記フィールド面と略面一状態で設置し得る上部開口型の踏切板ボックスにおいて、ボックス体の上部に、フィールド面と略面一状態となる前記踏切板と前記ファール判定板とを備えた支承部材を設けるか、若しくは踏切板とファール判定板とをフィールド面と略面一状態となるようにして設置支承し得る支承部材を設け、この支承部材は、ボックス体の上部に略水平に配した支軸を介してボックス体内で回動自在に設けると共に、前記踏切板と前記ファール判定板とがフィールド面に露出した使用状態から支承部材を180度反転させた際に,この支承部材の裏側に付設した蓋部材が前記フィールド面と略面一状態で露出するよう構成し、前記ボックス体の一側に固定機構を配設する空間部を設け、この空間部に配設して前記支承部材を回動不能状態に固定する固定機構を備え、前記支承部材の対向両側部に前記支軸として回動ローラを設け、この回動ローラを前記ボックス体の対向両側内面に設けたガイド部に支持することでこの支承部材をボックス体に対して回動自在に設け、前記ガイド部は、前記回動ローラを水平方向に移動可能に支持し得るように構成して、このガイド部に対して回動ローラを水平方向に移動させることにより支承部材の支軸がボックス体に対して水平方向に移動するように設け、この支軸を移動させることで前記固定機構を取り外したボックス体内の空間部側に支承部材を移動して、この支承部材をボックス体に対して接触しない位置で回動反転し得るように構成したことを特徴とする踏切板ボックス。
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