JP4634272B2 - 光学用保護フィルム - Google Patents

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本発明は、液晶ディスプレーに使用される偏光板などの製造時に使用される光学用保護フィルムに関する。さらに詳しくは、帯電防止性、透明性および傷付き防止機能が具備された光学用保護フィルムに関する。
一般的な光学用保護フィルムは、表面保護層/耐水層/帯電防止層/基材フィルム/帯電防止層/粘着層/セパレートフィルム層の構成であり、基材フィルムの一方の面(セパレートフィルム層側)は偏光板に貼り合わせる側で、セパレートフィルム層、粘着層および帯電防止層からなっており、粘着層には糊残りの少ない粘着剤が使用され、帯電防止層は帯電防止機能が付与されている。光学用保護フィルムの他方の面は、帯電防止層、耐水層および表面保護層からなっており、帯電防止層は前記の通りであり、耐水層は、帯電防止層を外部環境(湿度)からの影響を最小限にする機能があり、表面保護層には多くの機能が付与されている。
液晶ディスプレーなどに使用される偏光板の製造時には、偏光板表面に光学用保護フィルムを貼り合わせて、偏光板に汚れや傷が付かないようにし、使用時には光学用保護フィルムを偏光板から剥離するものである。
光学用保護フィルムの粘着層側に帯電防止機能を付与させる理由は、偏光板を製造する過程で発生する静電気によるごみの付着や偏光板から光学用保護フィルムを剥離する際に発生する静電気で不良品が生起することがあるので、それを防止するためである。
また、光学用保護フィルムの粘着層とは異なる他の面の外側の表面保護層には、帯電防止性、透明性および傷付き防止性などが付与されている。それぞれを付与する必要性は次の通りである。帯電防止機能については前記の通りであり、傷付き防止機能については、偏光板を製造する過程で発生する傷付きを防止することを目的とし、特に、偏光板と光学用保護フィルムとをロールで貼り合わせる時、偏光板としての必要スペックに合わせて裁断し、積層して保管している時、或いは保管中に抜き取りをする時などに傷付きが発生し易いので、これらに対応するためのものである。
上記光透過率が60%以上である光学用表面保護フィルムは透明性が高く、偏光板などの光学フィルムの表面に該保護フィルムを貼付したまま光学検査を行うことができる。
光学用保護フィルムとしては、基材フィルムの少なくとも一方の面に、金属酸化物やイオン性重合体を含む帯電防止層を有する光学用保護フィルム(特許文献1参照)や、チオフェンおよび/またはチオフェン誘導体を重合して得られる導電性重合体を含む帯電防止層を設け、その層の上に汚れ防止層を設けた光学用保護フィルム(特許文献2参照)が提案されている。また、表面保護層にポリビニルアルコールやポリエチレンイミンを長鎖アルキル化した共重合体などを塗布し、裁断面からはみ出した粘着剤が光学用保護フィルムの表面に付着するのを防止する機能を付与した例(特許文献3参照)が提案されている。光学用保護フィルムの表面保護層には、前記した帯電防止性、透明性および傷付き防止の他に、汚染物易洗浄性、印刷適性(工程管理する際に使用するプリンターインキ適性)、フィルム基材との密着性および耐スクラッチ性なども求められている。
特開平6−123806号公報 特開2000−26817公報 特開平11−256115号公報
しかしながら、前記の提案技術では、前記した全ての機能を満足しているわけではない。そのうえ、従来よりもさらに高性能である光学用保護フィルムの表面保護層形成材料が要望されている。また、現行の表面保護層の構成システムである3コートシステム(表面保護層/耐水層/帯電防止層/基材フィルム)から2コートシステム(表面保護層/帯電防止層/基材フィルム)へ、さらには、製法の簡略化を目的として(帯電防止性表面保護層/基材フィルム)という1コートシステムへの構成システムの変更についても要望されている。
従って、本発明の目的は、帯電防止性、透明性、傷付き防止性、汚染物易洗浄性(有機溶剤で洗浄することもあるため耐溶剤性も必要となる)、印刷適性(工程管理する際に使用するプリンターインキ適性)および基材フィルムとの密着性などに優れた光学用保護フィルムを提供することである。
さらに、本発明の目的は、表面保護層の構成として帯電防止性表面保護層/基材フィルムという1コートシステムが可能な光学用保護フィルムを提供することである。
上記目的は以下の構成の本発明によって達成される。
1.基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に設けた粘着層と、該基材フィルムの他方の面に設けた帯電防止性表面保護層(以下単に「表面保護層」という場合がある)とからなる、液晶ディスプレーに使用される偏光板の表面に貼り合わせて使用される光学用保護フィルムにおいて、上記表面保護層が、分子内に活性水素基を有する樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とポリイソシアネート(C)とカーボンナノチューブ(D)とを被膜形成成分として1コートで被膜が形成されていることを特徴とする光学用保護フィルム。
2.分子内に活性水素基を有する樹脂(A)の活性水素基が、アミノ基、エポキシ基、水酸基、メルカプト基およびカルボキシル基から選ばれた少なくとも1種である前記1に記載の光学用保護フィルム。
3.ポリウレタン樹脂(B)が、ポリエステル−ウレタン樹脂、ポリカーボネート−ウレタン樹脂またはポリエーテル−ウレタン樹脂であって、その重量平均分子量が5,000〜500,000である前記1に記載の光学用保護フィルム。
4.表面抵抗値が、1012Ω/□〜105Ω/□である前記1に記載の光学用保護フィルム。
5.光透過率が、60%以上である前記1に記載の光学用保護フィルム。
6.鉛筆硬度が、HB〜2Hである前記1に記載の光学用保護フィルム。
7.上記いずれかに記載の光学用保護フィルムの帯電防止性表面保護層形成用塗料であって、分子内に活性水素基を有する樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とカーボンナノチューブ(D)とを有機溶剤に溶解または分散してなり、更に使用前にポリイソシアネート(C)が添加されるか、或いは安定化ポリイソシアネート(C)が含有されており、上記樹脂(A)と上記樹脂(B)とカーボンナノチューブ(D)とポリイソシアネート(C)とを被膜形成成分としていることを特徴とする帯電防止性表面保護層形成用塗料。
8.樹脂(A)が、樹脂(A)と樹脂(B)とカーボンナノチューブ(D)の合計量(100質量%)のうちの15〜95質量%であり、樹脂(B)が60〜5質量%であり、カーボンナノチューブ(D)が25〜0.1質量%である前記7に記載の帯電防止性表面保護層形成用塗料
本発明によれば、光学用保護フィルムの表面保護層の構成システムが、表面保護層/基材フィルムといった1コートシステムからなり、帯電防止性、透明性、傷付き防止性、汚染物易洗浄性、印刷適性および基材フィルムとの密着性などに優れた光学用保護フィルムが得られる。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に設けた粘着層と、該基材フィルムの他方の面に設けた表面保護層とからなる光学用保護フィルムにおいて、上記表面保護層を、分子内に活性水素基を有する樹脂とポリウレタン樹脂とポリイソシアネートとカーボンナノチューブとを被膜形成成分として形成することで、優れた機能を有する光学用保護フィルムが得られることを見出し、本発明に至った。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に述べる。
本発明の光学用保護フィルムは、基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に設けた粘着層と、該基材フィルムの他方の面に設けた表面保護層とからなっている。すなわち、光学用保護フィルムの表面保護層側の構成は、表面保護層/基材フィルムといった1コートシステムの構成からなることを特徴としており、従来の3コートシステムの構成(表面保護層/耐水層/帯電防止層/基材フィルム)或いは2コートシステムの構成(表面保護層/帯電防止層/基材フィルム)の製法をより簡略化したものである。すなわち、製造時のコート回数が削減されコストパフォーマンスに優れた表面保護層となっている。
次に表面保護層について詳しく説明する。
表面保護層は、分子内に活性水素基を有する樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とポリイソシアネート(C)とカーボンナノチューブ(D)とを被膜形成成分として形成されているものであり、これらを溶剤などに溶解させて或いは無溶剤で表面保護層形成用塗料として基材フィルムの上に塗布および乾燥して表面保護層とするのが好ましい。この場合の表面保護層形成用塗料は、分子内に活性水素基を有する樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とポリイソシアネート(C)とカーボンナノチューブ(D)からなる組成物である。
分子内に活性水素基を有する樹脂(A)は活性水素基として、アミノ基、エポキシ基、水酸基、メルカプト基およびカルボキシル基から選ばれた少なくとも1種を分子中に有する樹脂であり、樹脂分子内に活性水素基を有している場合は、そのまま樹脂(A)として使用できるが、樹脂分子内に活性水素基を有していない場合は変性などの処理を行って活性水素基を付与することにより使用できる。
好ましい樹脂(A)としては、ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、アセタール基変性ポリビニルアルコール、ブチラール基変性ポリビニルアルコール、シラノール基変性ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ系樹脂、フェノキシ樹脂、変性フェノキシ系樹脂、フェノキシエーテル樹脂、フェノキシエステル樹脂、フッ素系樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテル、ポリエステル、セルロース類、キトサンおよびウレタン樹脂などが使用できる。この中で特に好ましいのは、エチレン−ビニルアルコール共重合体、部分けん化ポリビニルアルコールおよびフェノキシ樹脂である。
さらに、アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ブチラール基変性ポリビニルアルコールなどをフッ素変性シリコーン基または長鎖アルキル基で変性した樹脂も使用できる。これらは単独で或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
分子内に活性水素基を有する樹脂(A)中の活性水素基は、アミノ基、エポキシ基、水酸基、メルカプト基、およびカルボキシル基であり、これらの中では水酸基が好ましく使用される。
ポリウレタン樹脂(B)は従来公知のポリウレタン樹脂であり、該ポリウレタン樹脂の製造に使用されるポリオールとしては、好ましくはポリウレタンの製造に従来から使用されている短鎖ジオール、多価アルコール系化合物および高分子ポリオールなどの従来公知のものが、また、ポリアミンとしてはポリウレタンの製造に従来から使用されている短鎖ジアミンなどが使用できるが、これらは特に限定されない。ここで「ポリウレタン」とは、ポリウレタン、ポリウレア、およびポリウレタン−ポリウレアの総称である。上記のポリウレタン樹脂は、1種または2種以上を組合せて使用することができる。以下に使用するそれぞれの化合物について説明する。
前記短鎖ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコールおよびネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール類およびそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満)、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサンおよび2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式系グリコール類およびそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満)、キシリレングリコールなどの芳香族グリコール類およびそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満)、ビスフェノールA、チオビスフェノールおよびスルホンビスフェノールなどのビスフェノール類およびそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満)、およびC1〜C18のアルキルジエタノールアミンなどのアルキルジアルカノールアミン類などの化合物が挙げられる。
また、多価アルコール系化合物としては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,1,1−トリメチロールエタンおよび1,1,1−トリメチロールプロパンなどが挙げられる。これらは単独或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
前記高分子ポリオールとしては、例えば、以下のものが例示される。
(1)ポリエーテルポリオール、例えば、アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなど)および/または、複素環式エーテル(テトラヒドロフランなど)を重合または共重合して得られるものが例示され、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール(ブロックまたはランダム)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびポリヘキサメチレングリコールなど、
(2)ポリエステルポリオール、例えば、脂肪族系ジカルボン酸類(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸およびアゼライン酸など)および/または芳香族系ジカルボン酸(例えば、イソフタル酸およびテレフタル酸など)と低分子量グリコール類(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールおよび1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサンなど)とを縮重合したものが例示され、具体的にはポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレン/ブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペートジオール、ポリ−3−メチルペンタンアジペートジオールおよびポリブチレンイソフタレートジオールなど、
(3)ポリラクトンポリオール、例えば、ポリカプロラクトンジオールまたはポリカプロラクトントリオールおよびポリ−3−メチルバレロラクトンジオールなど、
(4)ポリカーボネートジオール、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールなど、
(5)ポリオレフィンポリオール、例えば、ポリブタジエングリコールおよびポリイソプレングリコール、または、その水素化物など、
(6)ポリメタクリレートジオール、例えば、α,ω−ポリメチルメタクリレートジオールおよびα,ω−ポリブチルメタクリレートジオールなどが挙げられる。
これらのポリオールの分子量は特に限定されないが、通常数平均分子量は500〜2,000程度が好ましい。また、これらのポリオールは単独或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
前記ポリアミンとして好ましいポリアミンは、例えば、短鎖ジアミン、脂肪族系、芳香族系ジアミン類およびヒドラジン類などが挙げられる。短鎖ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよびオクタメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン化合物、フェニレンジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(フェニルアミン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ジアミン化合物、シクロペンタンジアミン、シクロヘキシルジアミン、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサンおよびイソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン化合物などが挙げられる。また、ヒドラジン、カルボヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドおよびフタル酸ジヒドラジドなどのヒドラジン類が挙げられる。これらは単独で或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。ポリオールおよびポリアミンとしては、ジオール化合物およびジアミン化合物が好ましい。
ポリウレタン樹脂(B)の合成に使用するポリイソシアネート化合物としては、従来公知のポリウレタンの製造に使用されているものがいずれも使用でき特に限定されない。ポリイソシアネート化合物として好ましいものは、例えば、トルエン−2,4−ジイソシアネート、4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−イソプロピル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−クロル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−ブトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアネートジフェニルエーテル、4,4’−メチレンビス(フェニレンイソシアネート)(MDI)、ジュリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ベンジジンジイソシアネート、o−ニトロベンジジンジイソシアネートおよび4,4’−ジイソシアネートジベンジルなどの芳香族ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートおよび1,10−デカメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添MDIおよび水添XDIなどの脂環式ジイソシアネートなど、或いはこれらのジイソシアネート化合物と低分子量のポリオールやポリアミンを末端がイソシアネートとなるように反応させて得られるポリウレタンプレポリマーなども当然使用することができる。
ポリウレタン樹脂(B)において、上記の原料を用いたポリウレタン樹脂の製造方法については特に限定されず、従来公知のポリウレタンの製造方法を用いることができる。
なお、ポリウレタン樹脂については、無溶剤で合成しても、有機溶剤を用いて合成してもよい。有機溶剤として好ましいのは、例えば、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルおよびシクロヘキサノンなどが挙げられる。また、アセトン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、パークロルエチレン、トリクロルエチレン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテートおよびN−メチル−2−ピロリドンなども使用することができる。
本発明で使用するポリウレタン樹脂(B)としては、ポリエステル−ウレタン樹脂、ポリカーボネート−ウレタン樹脂またはポリエーテル−ウレタン樹脂が好ましく、それらの分子量は、重量平均分子量(GPCで測定、標準ポリスチレン換算)で5,000〜500,000の範囲が好ましい。
本発明で使用するカーボンナノチューブ(D)としては特に限定されず、例えば、炭素六角網面が円筒状に閉じた単層構造または円筒構造が入子状に配置された多層構造を有する材料などが挙げられる。形状としては中空円筒状で直径が1〜100nm、長さが1〜50μmのものである。該カーボンナノチューブの製法は特に限定されず、化学蒸着堆積法、触媒気相成長法、化学気相成長法、アーク放電法、レーザー蒸発法などにより得られるものであって、従来公知のカーボンナノチューブはいずれも本発明で使用することができる。
上記したような中空円筒状のカーボンナノチューブを用いることにより、塗膜の透明性や成膜性が向上する。また、従来のカーボンブラックを使用した帯電防止保護層に比べ、極細且つ高い導電性を有するカーボンナノチューブを使用した帯電防止保護層は、少ない含有量で帯電防止効果を発揮することができる。
前記樹脂(A)、前記樹脂(B)および前記カーボンナノチューブ(D)の使用量は、(A)、(B)および(D)の合計量(100質量%)のうち、(A)が15〜95質量%、(B)が60〜5質量%および(D)が25〜0.1質量%である。(A)の使用量が95質量%を超えると塗料の可使時間および表面保護層の基材フィルムへの密着性が低下するので好ましくなく、15質量%未満では表面保護層の架橋密度および耐溶剤性が低下するので好ましくない。(B)の使用量が60質量%を超えると表面保護層の耐溶剤性の低下を招くので好ましくなく、5質量%未満では光学用保護フィルム同士が環境湿度の影響を受け易くなるので好ましくない。一方、(D)の使用量が25質量%を超えると表面保護層の耐溶剤性やスクラッチ性が低下したり、塗料溶液が不安定になるので好ましくなく、0.1質量%未満では表面保護層の帯電性能が低下するので好ましくない。
上記ポリイソシアネート(C)においては、従来から使用されている公知のものが使用でき特に限定されない。例えば、2,4−トルイレンジイソシアネートの二量体、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス−(p−イソシアネートフェニル)チオフォスファイト、多官能芳香族イソシアネート、多官能芳香族脂肪族イソシアネート、多官能脂肪族イソシアネート、脂肪酸変性多官能脂肪族イソシアネート、ブロック化多官能脂肪族イソシアネートなどのブロック型ポリイソシアネート、ポリイソシアネートプレポリマーなどが挙げられる。これらのうち、芳香族系或いは脂肪族系のどちらでも使用可能であり、好ましくは芳香族系ではジフェニルメタンジイソシアネートおよびトリレンジイソシアネート、脂肪族系ではヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートなどの変性体であり、分子中にイソシアネート基を3個以上含むものが好ましく、前記ポリイソシアネートの多量体や他の化合物との付加体、さらには低分子量のポリオールやポリアミンとを末端イソシアネートになるように反応させたウレタンプレポリマーなども好ましく使用される。それらを下記に構造式を挙げて例示するが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004634272
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これらのポリイソシアネート(C)の使用量は、前記の(A)、(B)および(D)合わせて100質量部に対して5〜60質量部、好ましくは5〜40質量部である。60質量部を超えると塗料の可使時間の低下などが起きるので好ましくなく、5質量部未満では表面保護層の架橋密度が低下するので好ましくない。なお、上記ポリイソシアネート(C)が安定化ポリイソシアネートでない場合には、塗料の使用直前に添加することが好ましく、安定化ポリイソシアネートの場合には塗料の使用前に塗料中に添加しておいてもよい。
表面保護層形成用材料には、必要に応じて、さらに硬化触媒、反応抑制剤やその他の添加剤を適宜使用することができる。硬化触媒としては、例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、スタナスオクトエート、オクチル酸鉛、テトラ−n−ブチルチタネートおよびビスマスなどの金属と有機または無機酸の塩および有機金属誘導体、トリエチルアミンなどの有機アミンおよびジアザビシクロウンデセン系触媒などが挙げられる。反応抑制剤としては、例えば、燐酸、酢酸、酒石酸、フタル酸およびギ酸エステルなどが挙げられる。
さらに滑り性付与や耐水化を目的として、例えば、シリコーンオイルおよび/または変性シリコーンオイル(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンおよびアラルキル変性ポリジメチルシロキサンなど)、各種ワックス、アクリル系ポリマー、長鎖アルキル変性ポリマー、フッ素変性ポリマーおよびシロキサン変性ポリマーなどの添加剤を加えることができる。
さらに他の帯電防止剤の併用を目的として、例えば、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アルカリ金属塩含有ポリエーテル、アルカリ金属塩含有シロキサン変性ポリエーテル、アルカリ金属塩含有エーテル系ポリウレタン、ポリアミン、4級カチオン塩含有アクリル系樹脂、特殊変性ポリエステル、特殊カチオン系樹脂、セルロース誘導体、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンおよびスルホン化ポリアニリンなどの有機導電性材料、カーボンブラック、酸化スズ、酸化亜鉛および酸化チタンなどの金属酸化物および各種金属アルコキシドおよびITO粉末などの導電性フィラー含有高分子などの添加剤を加えることができる。
前記化合物のうち、アルカリ金属塩含有ポリエーテル、アルカリ金属塩含有シロキサン変性ポリエーテルおよびアルカリ金属塩含有エーテル系ポリウレタン中のアルカリ金属塩としては、例えば、過塩素酸リチウム、リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、ホウフッ化リチウム、六フッ化リン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸リチウム、リチウムビスペンタフルオロエタンスルホンイミド、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、六フッ化リン酸テトラエチルアンモニウムおよびカリウムビストリフルオロメタンスルホンイミドなどを挙げることができる。
なお、本発明の表面保護層を形成する場合には、前記の分子内に活性水素基を有する樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とポリイソシアネート(C)とカーボンナノチューブ(D)からなる表面保護層形成用塗料を使用する。該塗料は、無溶剤で調製したものでもよいし、有機溶剤を用いて調製したものでもよい。有機溶剤として好ましいのは、例えば、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどが挙げられる。また、アセトン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン、ジオキサン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、パークロルエチレン、トリクロルエチレン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブおよびセロソルブアセテートなども使用することができる。有機溶剤を用いて調製した塗料の固形分は、特に限定されないが、3〜95質量%程度が好ましい。
本発明の光学用保護フィルムの基材フィルムとしては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものが好ましい。基材フィルムの材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどが挙げられる。
また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミドなどのアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーのブレンド物なども前記基材フィルムを形成するポリマーの例として挙げられる。
好ましくは、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを成分とするフィルムが用いられ、特に好ましくは、二軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムであり、光学用保護フィルムに適合した適正かつ必要な強度を有している。基材フィルムの膜厚は、好ましくは20〜100μmであり、より好ましくは、25〜40μmである。これらの基材フィルムは、必要に応じて、コロナ処理、帯電防止処理、易接着処理などを施してもよい。
本発明の光学用保護フィルムは、上記の表面保護層形成用塗料を用い、従来公知の方法で製造することができ、製造方法自体は特に限定されない。また、基材フィルム、粘着層形成材料などの表面保護層形成用材料以外の材料は、いずれも公知の材料が使用でき、特に限定されない。本発明の光学用保護フィルムの表面保護層の形成に際しては、本発明の表面保護層形成用塗料を、従来公知の方法によって、基材フィルムの表面(裏面は粘着層)に、乾燥厚さが0.01〜1μm程度となるように塗布して被膜を形成させる。
このようにして得られた表面保護層は、分子内に活性水素基を有する樹脂(A)の活性水素基は親水性のため基材フィルム表面に配向して表面保護層の基材フィルムに対する密着性を向上させる。
表面保護層を形成する前記ポリイソシアネート(C)は、表面保護層形成用材料内の成分を架橋するので、表面保護層の汚染除去に耐え得る耐溶剤性および耐スクラッチ性(表面硬度アップ)をさらに向上させることができる。帯電防止機能については、表面保護層形成用塗料中にカーボンナノチューブ(D)を含有させることでその機能は保たれている。また、表面保護層の表面抵抗値は、1012Ω/□〜105Ω/□であること;光学用保護フィルムの光透過率が60%以上であること;および表面保護層の鉛筆硬度がHB〜2Hであることが好ましい。
以下に合成例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の文中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
[合成例1〜3]
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管およびマンホールを備えた反応容器を窒素ガスで置換した後、ポリオール化合物、鎖伸長剤化合物および溶剤を所定量加え、均一に溶解させ、溶液濃度を30%に調節した。続いてジイソシアネート化合物を所定量(活性水素基1モルに対して等モル)加えて80℃で反応を行い、赤外吸収スペクトルで2,270cm-1の遊離イソシアネート基による吸収が認められなくなるまで反応を行った。配合および得られたポリウレタン樹脂の原料組成、性状および物性を表1に示す。
[合成例4]
配合
a)ウレタンプレポリマー化反応
・ポリカプロラクトンジオール
(ダイセル化学工業社製、商品名プラクセル220、平均分子量2,000)
2,000部
・イソホロンジイソシアネート(NCO/OH≒2) 336部
・オクチル酸亜鉛(触媒) 0.02部
・MEK(溶剤−1)反応溶剤 779部
・MEK(溶剤−2)希釈溶剤 1,557部
10リットルのポリウレタン樹脂反応釜にポリカプロラクトンジオール、イソホロンジイソシアネートの全量、MEK779部(溶剤−1)および触媒を仕込み、温度常温(約25℃)から1時間かけて温度約90℃まで上げ、この状態で、約4時間反応させ末端NCO基含有ウレタンプレポリマーのMEK75%溶液を得た。このウレタンポリマー溶液にMEK1,557部を添加し固形分50%にしたプレポリマーのイソシアネート含有量は約1.71%であった。
b)鎖伸長化反応
・上記ウレタンポリマー溶液(固形分50%) 1,000部
・IPDA(鎖伸長剤);NH2/NCO=0.8 68.5部
・IPA(反応停止溶剤);OH/NCO=0.2 12.0部
・MEK(溶剤) 854.5部
別の2リットルのポリウレタン樹脂反応釜に、上記ウレタンプレポリマー溶液(固形分50%)の全量を仕込み温度約25〜30℃に調整する。一方、別な容器にIPDA、IPA(イソプロピルアルコール)およびMEKの全量を仕込み温度約25〜30℃に調整して均一に混合したものを、ウレタンプレポリマー溶液の入った反応釜に滴下しながら、温度約30℃以下で鎖伸長反応と同時に、過剰のイソシアネート基をマスクした。得られたポリウレタン樹脂の原料組成、性状および物性を表1に示す。
Figure 0004634272
PCD:ポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業社製、商品名CD−220、平均分子量2,000)
PCL:ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業社製、商品名プラクセル220、平均分子量2,000)
1,3−BD:1,3−ブタンジオール
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
IPDI:イソホロンジイソシアネート
IPDA:イソホロンジアミン
MEK:メチルエチルケトン
[実施例1〜4、比較例1〜3]
実施例および比較例の表面保護層形成用塗料(固形分5%)を表2および表3の組成により作製した。
Figure 0004634272
Figure 0004634272
・熟成条件;40℃、2日
・EVOH;エチレンビニルアルコール、商品名:F104(エチレン共重合比率=32mol%、メルトインデックス=4.5g/min.;190℃、2,160g)、(株)クラレ製)
・PVA;部分けん化ポリビニルアルコール、商品名:PVA−217(けん化度=87〜89、重合度=1,700)、(株)クラレ製)
・YP−50S;フェノキシ樹脂、商品名:フェノトートYP−50S(重量平均分子量=40,000)、東都化成工業(株)製)
・BL−S;ブチラール基・アセチル基含有ポリビニルアルコール共重合体、商品名:BL−S(水酸基=22mol%、アセチル基=3〜5mol%、ブチラール化度=70mol%以下)、積水化学工業(株)製)
・PHDI;HDIのビウレット型、商品名:デュラネート24A−100(旭化成ケミカルズ(株)製)
・CNT;カーボンナノチューブ
・DMF:ジメチルホルムアミド
・アノン:シクロヘキサノン
・MEK:メチルエチルケトン
本発明の光学用保護フィルムに使用する前記塗料は、分子内に活性水素基を有する樹脂(A)と、ポリウレタン樹脂(B)とカーボンナノチューブ(D)を有機溶剤に溶解または分散して作成する表面保護層形成用塗料である。溶解または分散方法としては、公知のいずれの分散方法を使用してもよく、特に限定されない。例えば、ボールミル、バスケットミル、サンドミル、ロールミル、アトライター、湿式ジェットミル、ディゾルバー、ペイントシェーカー、押出混合機、ホモジナイザー、超音波分散機などで分散して塗料を作成する。塗料作成後、ポリイソシアネート系架橋剤を加えて本発明の表面保護層形成用塗料として使用した。なお、比較例3ではポリイソシアネートは使用しなかった。
各実施例および比較例で得られた各塗料を用い、グラビア印刷により、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ製)の表面に、乾燥後の厚みが0.5μmになるように塗布した後、乾燥機中で溶剤を乾燥させた。実施例1〜4および比較例1、2の塗料を用いた場合は塗布および乾燥後、40℃のオーブンにて48時間熟成させて表面保護層を形成させた。比較例3はPHDIを使用していないので熟成を行わずに溶剤を乾燥したもので試験した。
次に、下記の配合処方で粘着剤組成物を作製した。上記の表面保護層を形成した各PETフィルムの裏面にグラビアロールにより乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布して粘着層を形成し、実施例および比較例の光学用保護フィルムを得た。
〔粘着剤組成物〕
・SKセイカダイン1491H(綜研化学(株)製) 100部
・硬化剤L−45(綜研化学(株)製) 0.9部
[試験例]
上記で得られた実施例および比較例の表面保護層の塗膜および光学用保護フィルムの性能を以下の項目について試験し、表4の結果を得た。
<表面抵抗値>
三菱化学(株)製のMCP−HT450を使用して光学用保護フィルムの表面保護層側の表面抵抗値を測定した。測定条件は、温度23℃、湿度65%RH、印加電圧100V、30秒で行った。
<透明性>
スガ試験機(株)製直読ヘーズコンピューターHGM−2DPを使用し、光学用保護フィルムの全光線透過率を測定した。
<鉛筆硬度>
光学用保護フィルムの表面保護層側を表面性試験機HEIDON(新東科学製)を用いて評価した。
<耐酢酸エチル性>
光学用保護フィルムの表面保護層側に1gの酢酸エチルを垂らし、荷重50g/cm2でラビングした際の表面保護層の塗膜の外観を観察した。
○:表面保護層の塗膜外観の変化がない
△:表面保護層の塗膜外観がやや変化している
×:表面保護層の塗膜外観が変化している
<汚染物易洗浄性>
1gの粘着剤組成物(SKセイカダイン1491H(綜研化学(株)製)/硬化剤L−45(綜研化学(株)製)=100/0.9)を光学用保護フィルムの表面保護層側に擦り付け、キムワイプ(登録商標)(乾拭きまたは酢酸エチルを用いて)にて拭取り時の易洗浄性を確認した。
○:粘着剤付着物が容易に洗浄できる(乾拭き)
△:粘着剤付着物が洗浄できる(酢酸エチル使用)
×:粘着剤付着物が洗浄できない
<耐傷付き性>
光学用保護フィルムの表面保護層側を約10g/cm2の荷重にてスコッチブライト(住友スリーエム(株)製)で擦り、表面の傷付きを目視にて確認した。
○:確認できる傷が0本以上5本未満
△:確認できる傷が5本以上10本未満
×:確認できる傷が10本以上
<密着性>
光学用保護フィルムの表面保護層と基材PETフィルムとの接着性を碁盤目試験(セロハンテープ剥離クロスカット法)にて行った。
<印刷適性>
寺西化学工業(株)製マジックインキNo.500を使用して光学用保護フィルムの表面保護層側に記載し、インキの筆記状況を観察した。
○:マジックインキの筆記状況が良好である
△:ややインキのハジキがあるが問題ないレベルである
×:インキがはじき筆記できない
Figure 0004634272
Figure 0004634272
以上のように、本発明によれば、帯電防止性、透明性、傷付き防止性、汚染物易洗浄性、印刷適性(工程管理する際に使用するプリンターインキ適性)および基材フィルムとの密着性などに優れた光学用保護フィルムを、帯電防止性表面保護層/基材フィルムという1コートシステムで提供することができる。上記本発明の光学用保護フィルムは、偏光板(フィルム)および位相差板(フィルム)などの各種光学機能を有する光学フィルム単体の表面保護用途の他、これらを構成材料とする液晶表示装置の各種画像表示装置の表面保護用途にも適用することができる。

Claims (8)

  1. 基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に設けた粘着層と、該基材フィルムの他方の面に設けた帯電防止性表面保護層とからなる、液晶ディスプレーに使用される偏光板の表面に貼り合わせて使用される光学用保護フィルムにおいて、上記帯電防止性表面保護層が、分子内に活性水素基を有する樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とポリイソシアネート(C)とカーボンナノチューブ(D)とを被膜形成成分として1コートで被膜が形成されていることを特徴とする光学用保護フィルム。
  2. 分子内に活性水素基を有する樹脂(A)の活性水素基が、アミノ基、エポキシ基、水酸基、メルカプト基およびカルボキシル基から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の光学用保護フィルム。
  3. ポリウレタン樹脂(B)が、ポリエステル−ウレタン樹脂、ポリカーボネート−ウレタン樹脂またはポリエーテル−ウレタン樹脂であって、その重量平均分子量が5,000〜500,000である請求項1に記載の光学用保護フィルム。
  4. 表面抵抗値が、1012Ω/□〜105Ω/□である請求項1に記載の光学用保護フィルム。
  5. 光透過率が、60%以上である請求項1に記載の光学用保護フィルム。
  6. 鉛筆硬度が、HB〜2Hである請求項1に記載の光学用保護フィルム。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学用保護フィルムの帯電防止性表面保護層形成用塗料であって、分子内に活性水素基を有する樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とカーボンナノチューブ(D)とを有機溶剤に溶解または分散してなり、更に使用前にポリイソシアネート(C)が添加されるか、或いは安定化ポリイソシアネート(C)が含有されており、上記樹脂(A)と上記樹脂(B)とカーボンナノチューブ(D)とポリイソシアネート(C)とを被膜形成成分としていることを特徴とする帯電防止性表面保護層形成用塗料。
  8. 樹脂(A)が、樹脂(A)と樹脂(B)とカーボンナノチューブ(D)の合計量(100質量%)のうちの15〜95質量%であり、樹脂(B)が60〜5質量%であり、カーボンナノチューブ(D)が25〜0.1質量%である請求項7に記載の帯電防止性表面保護層形成用塗料。
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