JP4257610B2 - 光学用易接着性ポリエステルフィルム及び光学用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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本発明は、タッチパネル、液晶表示板(LCD)、テレビやコンピューターのブラウン管(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出ディスプレイ(FED)、表面電界ディスプレイ(SED)、電子ペーパー等の表示画面の前面に装着して、外光の写り込み、ぎらつき、虹彩状色彩等を抑制することができる、反射防止性を付与した反射防止フィルムの基材として用いられる、光学用易接着性ポリエステルフィルム及び該フィルムの塗布層の少なくとも片面にハードコート層を積層してなる光学用積層ポリエステルフィルムに関する。
タッチパネル、コンピューター、テレビ、液晶表示装置等のディスプレイ、装飾材等の前面には、透明プラスチックフィルムからなる基材に、電子線、紫外線または熱硬化系の樹脂からなるハードコート層を積層させたハードコートフィルムが使用されている。また、基材の透明プラスチックフィルムとしては、透明な二軸配向ポリエステルフィルムが一般的に用いられ、基材のポリエステルフィルムとハードコート層との密着性を向上させるために、これらの中間層として易接着層を設けられる場合が多い。しかしながら、近年のハードコート層に求められる機能として、傷つき防止の点から硬度が高くなってきている。しかし、高硬度のハードコート層では、硬化時の歪みまたは加工時の折り曲げ等の応力が易接着層にかかるため、密着性の維持の点で、易接着層への要求レベルは強くなっている。
また、前記のハードコートフィルムには、温度、湿度、光に対する耐久性、透明性、耐薬品性、耐擦傷性、防汚性等が求められている。また、ハードコートフィルムには、ディスプレイや装飾材などに用いられることから、視認性や意匠性が要求されている。そのため、任意の角度から見たときの反射光によるぎらつきや虹彩状色彩等を抑えるため、ハードコート層の上層に、高屈折率層と低屈折率層を相互に積層した多層構造の反射防止層を設けることが一般的に行われている。
しかしながら、ディスプレイや装飾材などの用途では、近年、さらなる大画面化(大面積化)及び高級性が求められ、それにともなって特に蛍光灯下での虹彩状色彩(干渉縞)の抑制に対する要求レベルが高くなってきている。また、蛍光灯は昼光色の再現性のため3波長形が主流となってきており、より干渉縞が出やすくなっている。さらに、反射防止層の簡素化によるコストダウン要求も高くなってきている。そのため、ハードコートフィルムのみでも干渉縞をできるだけ抑制することが求められている。
ハードコートフィルムの虹彩状色彩(干渉縞)は、基材のポリエステルフィルムの屈折率(例えば、PETでは1.62)とハードコート層の屈折率(例えば、アクリル樹脂では1.49)との差が大きいため発生すると考えられている。この屈折率差を小さくして干渉縞の発生を防止するために、ハードコート層に金属酸化物微粒子を添加することにより、ハードコート層の屈折率を高くする方法が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、ハードコート層への金属酸化物微粒子の添加により、ハードコート層本来の機能である透明性、耐薬品性、耐擦傷性、防汚性等が低下する。また、係るハードコート層の上にさらに反射防止層を設けた場合は、ハードコート層の屈折率の変化に合わせた、反射防止層の最適化が必要になる。
また、ハードコート層の干渉縞を抑制する他の方法として、フィルムの局所的な厚みのバラツキに着目し、易接着フィルムを製造した後、該フィルムにカレンダー処理を行ってフィルムの局所的な厚みのバラツキを小さくする方法が開示されている(例えば、特許文献2を参照)。しかしながら、前記方法はフィルム単独で干渉縞を評価しており、ハードコート層を積層した際の界面の屈折率の差に基づく干渉縞に関しては何ら検討がされていないし、さらに工程も増加するため生産性の点で問題がある。
また、ハードコートフィルムを構成する層の厚さ斑に着目し、干渉縞の面積比を規定した発明が開示されている(例えば、特許文献3を参照)。しかしながら、厚さ斑の程度や低減方法が明細書中に具体的に記載されていない。例えば、各層の厚さ斑を低減するためには、各層の厚みを厳密に制御することが必要であり、生産性または歩留まりの点から問題がある。
さらに、フィルム自体の裏面反射率に着目して、裏面反射率を抑えて、特定の硬度のハードコート層を積層する方法も開示されている(例えば、特許文献4を参照)。しかしながら、特許文献4に記載の方法では、ハードコートフィルムのハードコート層の反対面に特定屈折率と特定厚みを有するコート層を設け、かつ裏面反射率を0.1%以下となるように制御しなければならない。そのため、裏面までを含めたフィルムの設計が必要である。しかも、フィルム製造時に裏面反射率が常に0.1%以下となるように、裏面反射率を測定しながら、裏面反射率が範囲外となる場合には条件変更を行うなど裏面反射率の制御が煩雑である。
特開平7−151902号公報 特開2001−71439号公報 特開2002−241527号公報 特開2002−210906号公報
本発明の目的は、蛍光灯下での虹彩状色彩を抑制し、かつ、高硬度のハードコート層との密着性、高温高湿下での密着性(耐湿熱性)に優れる光学用易接着性ポリエステルフィルム及び該フィルムに特定のハードコート層を積層してなる光学用積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明では、易接着層の屈折率に着目し、基材のポリエステルフィルムと易接着層との屈折率差、易接着層とハードコート層の屈折率差をそれぞれ小さくなるように、易接着層を構成する樹脂と添加剤の種類と含有量で易接着層の屈折率を制御することにより、高硬度のハードコート層との密着性、及び高温高湿下での密着性(耐湿熱性)を維持しながら、蛍光灯下での虹彩状色彩を抑制できることを見出したものである。
すなわち、本発明は、二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水性ポリウレタン樹脂(A)と、水溶性のチタンキレート化合物、水溶性のチタンアシレート化合物、水溶性のジルコニウムキレート化合物、または水溶性のジルコニウムアシレート化合物の少なくとも1種(B)とを主たる構成成分とし、(A)/(B)の混合比(質量比)が10/90〜95/5である樹脂組成物を含む水系塗布液を塗布、乾燥した後、少なくとも一方向に延伸された塗布層を積層してなることを特徴とする光学用易接着性ポリエステルフィルムである。また、前記の易接着性ポリエステルフィルムの塗布層の少なくとも片面に、電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層を積層してなる光学用積層ポリエステルフィルムである。
本発明の光学用易接着ポリエステルフィルムは、該フィルムの易接着層にハードコート層を積層した際に、外光の写り込み、ぎらつき、虹彩状色彩等を抑制する反射防止性に優れ、かつハードコート層との密着性及び高温高湿下での密着性(耐湿熱性)に優れる。
(基材フィルム)
本発明で基材として用いる二軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂より構成されるフィルムであり、主に、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの少なくとも1種を構成成分とする。これらのポリエステル樹脂の中でも、物性とコストのバランスからポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。また、ポリエステルフィルムは二軸延伸することで、耐薬品性、耐熱性、機械的強度などを向上させることができる。
また、前記の二軸延伸ポリエステルフィルムは、単層であっても複層であってもかまわない。これらの各層には、必要に応じて、ポリエステル樹脂中に各種添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐光剤、ゲル化防止剤、有機潤滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤などが挙げられる。
また、フィルムの滑り性、巻き性、耐ブロッキング性などのハンドリング性や、耐摩耗性、耐スクラッチ性などの摩耗特性を改善するために、基材のポリエステルフィルム中に不活性粒子を一般的に含有させている。しかしながら、本発明のフィルムは光学用部材の基材フィルムとして用いるため、高度な透明性を維持しながらハンドリング性に優れていることが要求される。具体的には、光学用部材として使用する場合、透明性は易接着性ポリエステルフィルムの全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上が特に好ましい。全光線透過率は高いほど透明性に優れるが(100%が理想)、ハンドリング性は低下し、工業レベルでの生産が困難となる。したがって、全光線透過率の上限値は96%とすることが好ましい。
そのため、基材フィルム中への不活性粒子の含有量はできるだけ少ないほうが好ましい。したがって、フィルムの表層のみに粒子を含有させた多層構成にするか、あるいは、フィルム中に実質的に粒子を含有させず、塗布層にのみ微粒子を含有させることが好ましい。
特に、透明性の点から、ポリエステルフィルム中に不活性粒子を実質上含有させない場合は、フィルムのハンドリング性を向上させるために、無機及び/または耐熱性高分子粒子を水系塗布液中に含有させ、塗布層表面に凹凸を形成させることが重要である。なお、「不活性粒子が実質上含有されていない」とは、例えば、無機粒子の場合、蛍光X線分析で粒子に由来する元素を定量分析した際に、検出限界以下となるような含有量を意味する。
本発明の易接着性ポリエステルフィルムにおいて、塗布層は水性ウレタン樹脂(A)と、水溶性のチタンキレート化合物、水溶性のチタンアシレート化合物、水溶性のジルコニウムキレート化合物、または水溶性のジルコニウムアシレート化合物の少なくとも1種(B)とを主たる構成成分とし、(A)/(B)の混合比(質量比)が10/90〜95/5である樹脂組成物からなる。
この樹脂組成物は基材フィルムの延伸工程中の熱で加熱することにより、チタンキレート化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、またはジルコニウムアシレート化合物の少なくとも1種(B)が、ポリウレタン樹脂との架橋反応により均一な膜を生成する。すなわち、前記の金属キレート化合物または金属アシレート化合物は加熱処理することにより分解するため、塗布層中には塗布液に添加した状態では存在しない。
そこで、熱処理後の塗布層中の金属元素(TiまたはZr)の含有量から、塗布液中の金属キレート化合物または金属アシレート化合物の含有量は、以下のように算出する。
(1)まず、塗布層中のキレートまたはアシレートの残渣から塗布液中に含有させたキレートまたはアシレートの種類を同定する。
(2)次いで、塗布層中の金属元素(TiまたはZr)の含有量から、塗布液中の前記の金属キレート化合物または金属アシレート化合物の含有量を算出する。
塗布層の屈折率は、チタンキレート化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、またはジルコニウムアシレート化合物の少なくとも1種(B)の組成比を大きくすることにより、ポリウレタン樹脂(A)単独の場合よりも高くすることができる。
塗布層の屈折率を高くすることは、金属微粒子を含有させることでも達成することができるが、金属微粒子を含有させることにより塗布層の延伸性およびハードコート層と基材フィルム間の密着性は低下する。
本発明で使用するポリウレタン樹脂(A)は、その分子鎖に水酸基やカルボキシル基等の活性部位を導入してもよいが、特に導入しなくとも高温でウレタン結合部位が可逆反応を起こすため、任意の場所で架橋反応が起こり、結果として緻密な膜が得られる。
また、アクリル樹脂で同様な架橋性を持たせるためには、架橋性官能基を導入する必要がある。しかしながら、アクリル樹脂自体の屈折率が低いために、チタンキレート化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、またはジルコニウムアシレート化合物を併用しても、本発明の塗布層と同様な屈折率に制御することは困難である。
さらに、塗布層の構成成分であるポリウレタン樹脂(A)は基材ポリエステルフィルムとの密着性に関与するため、水性ポリウレタン樹脂(A)と前記化合物(B)との組成比(A/B)が10/90未満の場合、基材フィルムとの密着性が低下し、かつ塗布層としての延伸性が低下し、延伸時に均一にならない。そのため、光学用として必要な透明性が低下し、塗布層の上に形成させるハードコート層との密着性が問題となる。一方、水性ポリウレタン樹脂(A)と前記化合物(B)との組成比(A/B)が95/5を越える場合、水溶性のチタンアシレート化合物、水溶性のジルコニウムキレート化合物、または水溶性のジルコニウムアシレート化合物(B)による架橋が乏しくなるとともに、屈折率も低下する。そのため、高温高湿下での密着性(耐湿熱性)が低下し、かつ蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分となる。
本発明の水性ポリウレタン樹脂(A)とは、水、または水溶性の有機溶剤(例えば、アルコール、アルキルセロソルブ、ケトン系、エーテル系を50質量%未満含む水溶液)に対して、溶解または分散することが可能なポリウレタン樹脂を意味する。ポリウレタン樹脂に水性を付与するためには、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、スルホニル基、リン酸基、エーテル基等の親水性基をポリウレタン樹脂の分子鎖に導入することが重要である。前記の親水性基のなかでも、塗膜物性及び密着性の点からカルボン酸基またはスルホン酸基が好ましい。
前述の親水性基をポリウレタンに導入する場合、親水性基を有し、かつイソシアネート基と反応する活性水素基、例えば水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基等を2官能以上有する化合物を使用する。
例えば、本発明で塗布層の構成成分である水性ポリウレタン樹脂を得るための原料として用いられるポリオールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコールなどに代表されるポリアルキレンエーテル鎖を有する親水性高分子ポリオールが挙げられる。
水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等を分子鎖中に有するポリオールとしては、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチロールエタン酸、ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールヘプタン酸、ジメチロールヘキサン酸などが挙げられる。また、これらに対応するスルホン酸、2−アミノエチルスルホン酸、リン酸基を有する活性水素基含有化合物として、2,3−ジヒドロキシプロピルフェニルホスフェートが挙げられる。
また、これらの親水性ポリオールを原料とするか、親水性基を含有する、ポリカルボン酸、ポリエポキシ化合物、アクリル酸エステル等から重合された親水性基含有ポリオール化合物でも良い。これらの親水性基は1種または2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明で塗布層に用いる水性ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基と反応する活性水素基を2官能以上有する親水性基含有化合物以外に、下記に示す一般にポリウレタン樹脂に使用される化合物を使用することができる。
[ポリヒドロキシ化合物]
ポリヒドロキシ化合物としては、通常、数平均分子量が50〜10000であり、一般にポリウレタン樹脂製造用として使用される公知のポリヒドロキシ化合物、例えば、低分子グリコール類、ポリエーテル類、ポリエステル類、ポリエーテルエステル類、ポリカーボネート類、ポリオレフィン類、ポリチオエーテル類、ポリブタジエングリコール類、ケイ素含有ポリオールおよびこれら2種類以上の混合物および共重合物などが使用可能である。
低分子グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロビレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンダメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、N−アルキルジエタノールアミン、ビスフェノールAなどが使用される。さらに、ジメチロールプロピオン酸等のカルボキシル基を有するジオール類あるいはグリコールのうちの一部を、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールに置換することができる。この場合、用いる3価以上の多価アルコールは、グリコールを20モル%以下とするのが望ましい。用いる3価以上の多価アルコールが20モル%を越える場合には、得られるポリウレタンウレアの溶解性が低下するなどの問題を生じることがある。
ポリエーテル類としては、アルキレンオキシドを単独または共重合させて得られるもの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール、ポリオクタメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
ポリエステル類としては、ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セパシン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等)またはそれらの無水物とグリコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル2,5−ヘキサンジオール、2−プチルー2−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族グリコール、ビスビドロキシメチルシクロヘキサン等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、ビスビドロキシエトキシベンゼン等の芳香環を有するグリコールが挙げられる。
また、C1〜18のアルキルジエタノールアミン等のアルキルジアルカノールアミン等)とを重縮合させて得られるポリエステルジオール、例えば、ポリエチレンアジペート、ボリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレンプロピレンアジペートが挙げられる。さらに、前記グリコール類を開始剤として用いた1種または2種以上のラクトンを開環重合して得られるポリラクトンジオール、例えば、ポリカプロラクトンジオール、ポリメチルバレロラクトンジオール等も挙げられる。
ポリエーテルエステル類としては、エーテル基含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合物を前記ジカルボン酸またはそれらの無水物と反応させるか、またはポリエステルグリコールにアルキレンオキシドを反応させることによって得られるポリエーテルエステルジオール、例えばポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート等が挙げられる。
ポリカーボネート類としては、前記グリコールまたは各種高分子ジオール類とジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート等とから、脱アルコール反応または脱グリコール反応によって得られるポリカーボネートジオール、例えば、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等が挙げられる。
ポリオレフィン類としては、水素添加型ポリブタジエンポリオール、水素添加型ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。ポリチオエーテル類としては、チオグリコール単独又はそれと他のグリコール類との縮合生成物の使用が特に好適である。また、上記ポリヒドロキシ化合物として、3官能以上のポリオールを一部混合使用することも可能である。
[ポリイソシアネート化合物]
水性ポリウレタン樹脂を得るために使用されるポリイソシアネート化合物としては、2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(水添TDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4′−ジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が例示される。これらは単独使用でも2種以上の併用でもよい。
[鎖延長剤]
水性ポリウレタン樹脂を合成する際に使用される鎖延長剤としては、イソシアネート基と反応する活性基を2個以上有するものであれば特に制限はないが、活性基が3個以上のものは系の粘度が著しく上昇するため、添加量は限定される。一般には、水酸基またはアミノ基を2個有する鎖延長剤を主に用いることができる。
水酸基を2個有する鎖延長剤としては、ポリエステルポリオールの原料として用いられる数平均分子量が500未満の低分子ジオール化合物、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等の脂肪族グリコール、キシリレングリコール、ビスビドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート等のエステルグリコールといったグリコール類を挙げることができる。
また、アミノ基を2個有する鎖延長剤としては、低分子ジアミン化合物、例えば2,4−もしくは2,6−トリレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4′−ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン等の脂肪族ジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(IPDA)、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジアミン(水添MDA)、イソプロビリチンシクロヘキシル−4,4′−ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂環族ジアミン等が挙げられる。
[末端停止剤]
水性ポリウレタン樹脂を合成する際に、反応を停止するために用いられる末端停止剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のモノアルゴール、モノエチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルテミン、ジ−n−ブチルアミン等のモノアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノエチルプロパンジオール等のアルカノールアミン等が挙げられる。
本発明において、塗布層を形成させるために塗布液に配合される水性ポリウレタン樹脂は、自己架橋性を有するものでもよい。自己架橋性とは、分子鎖中または末端に架橋性の反応性基を有することである。架橋性の反応性基とは、アクリル、メタアクリレート基、エポキシ基等が例示される。なかでも、ポリウレタン樹脂中のイソシアネート基を、下記に示す活性水素含有化合物と反応させ(ブロック化)、加熱により容易に脱離して(脱ブロック化)、イソシアネートが再生するブロックイソシアネートを含有するポリウレタン樹脂が好ましい。
<活性水素含有化合物>
イソシアネート基をブロック化するために用いる活性水素含有化合物(以下、ブロック化剤という)としては、イソシアネート基に付加し、加熱により容易に脱離して(脱ブロック化)、イソシアネートが再生するものであるか、または脱ブロック化をしなくてもエステル交換により容易にポリウレタン化反応が進行するものであれば、使用できる。
このようなブロック化剤としては、ホルムアミドオキシム、メチルエチルケトオキシム、アセトキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等のオキシム類、フェノール、クレゾール、キシレノール、p−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、チモール、p−ナフトール、p−ニトロフェノール、p−クロロフェノール等のフェノール類、メタノール、エタノール、ブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルセルソルブ、メチレンカルビトール、ベンジルアルコール、フェニルセルソルブ、フルフリルアルコール等のアルコール類、ε−カプロラクタム、アセトアニリド、アセトアニシジド、酢酸アミド、ベンズアミド、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等の酸アミド類が挙げられる。
さらに、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル等のエステル類、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等のジケトン類、ブチルメルカプタン、チオフェノール、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素類、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール類、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等の酸イミド類、ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、アニリン、カルバゾール等のアミン類、エチレンイミン、プロピレンイミン、ポリエチレンイミン等のイミン類、フェニルカルバミン酸フェニル、2−オキサゾリジン等のカルバメート系、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩系等のブロック剤も挙げることができる。これらのなかで、酸アミド類、ジケトン類、エステル類、アルコール類及びカルバメート類が好ましく、さらに好ましくは酸アミド類である。酸アミド類のなかでも、ラクタム類が特に好ましい。ラクタム類としては、γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタムが特に好適である。
[ポリウレタン樹脂の製造方法]
ポリウレタン樹脂は、目的とするポリウレタン樹脂の重合度、使用する原料の種類などを考慮して、公知の製造法から適宜選ばれる。例えば、必要に応じて、イソシアネート基に不活性な溶媒を用い、さらに必要であれば、ウレタン化触媒を用いて10〜150℃、好ましくは20〜130℃の温度範囲で、活性水素を有するポリヒドロキシ化合物と化合量論的に過剰のポリイソシアネート化合物とを反応させてイソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、次いで鎖延長剤であるジオール、ジアミン、トリオール等を反応させ、必要に応じて末端停止剤を用いポリウレタン樹脂を得る方法が挙げられる。また、化学量論的に水酸基が過剰になる仕込量で、ポリヒドロキシ化合物と、必要に応じて鎖延長剤とポリイソシアネート化合物を同時に反応させて、未端水酸基のポリウレタン樹脂を得る方法などが挙げられる。さらには、ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させてポリウレタン樹脂を得た後、さらにポリイソシアネート化合物で鎖延長し、末端水酸基のポリウレタン樹脂を得る方法なども採用することができる。
水性ポリウレタン樹脂を製造する際の溶媒としては、イソシアネート基に不活性であり、水溶性の溶剤が好ましい。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が用いられる。ポリウレタン重合後、水を添加して水分散またはポリウレタン水溶液を作成し、必要に応じて、蒸留または減圧により、溶剤を系から除去する。水溶性以外の溶剤は、重合後の水分散または水溶解に問題のない範囲で、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤等を用いても特に問題はない。また、溶媒を用いずにバルク重合を行ない、冷却粉砕し、粉末状樹脂とした後、水分散または水溶解することにより水性ポリウレタンを得る方法も採用することができる。
合成反応時には触媒を用いることも可能である。ポリウレタン反応は触媒を用いることも可能である。ポリウレタン樹脂を製造する際の触媒としては、一般的なウレタン化反応触媒である、スズ系、鉄系、三級アミン系の触媒が用いられる。スズ系触媒としては、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナズオクトエート等が挙げられる。また、鉄系触媒としては、鉄アセチルアセトネード、塩化第一二鉄等が挙げられる。さらに、三級アミン系触媒としてはトリエチルアミン、トリエチレンジアミンが挙げられる。
親水性基を有する水性ポリウレタン樹脂の場合、ポリウレタン成分中の親水性基の量を100〜10000eq/tとすることがより好ましい。ポリウレタン成分中の親水性基量は、既知の方法で算出することができる。ポリウレタン成分が溶剤に溶解可能であれば、NMRにより構造を解析して算出することができる。また、ポリウレタン成分が溶剤に不溶の場合であっても、親水性基の元素を蛍光X線分析等により算出することは可能である。ポリウレタン成分中の親水性基の量が100eq/t未満の場合、ポリウレタン樹脂が水性を示さなくなり、水溶性のチタンキレート化合物、水溶性のチタンアシレート化合物、水溶性のジルコニウムキレート化合物、または水溶性のジルコニウムアシレート化合物の少なくとも1種(B)との相溶性も低下するため、均一かつ透明な塗布層が得られにくくなる。また、親水性基量が10,000eq/tを超える場合には、高温高湿下での密着性(耐湿熱性)に劣りやすくなる。
さらに、前記の水性ポリウレタン樹脂(A)は、ガラス転移温度が20℃以上であることが好ましい。そのため、ポリウレタン樹脂(A)の主鎖成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系を主成分とするポリエステル系が好ましい。また、ポリウレタン樹脂(A)の原料として、ナフタレン環、ビフェニル等の剛直な成分、または臭素、イオウ等の屈折率の高い原子を有するポリオール成分をフィルムの物性が低下しない範囲で使用してもよい。ポリウレタン樹脂(A)のガラス転移温度が20℃未満であると、高温高湿下での密着性(耐湿熱性)が不十分となりやすくなる。さらに、ポリウレタン樹脂(A)の屈折率も低下するために塗布層の屈折率も低下する。その結果、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制が不十分となりやすくなる。
塗布層の他の主成分は、水溶性のチタンキレート化合物、水溶性のチタンアシレート化合物、水溶性のジルコニウムキレート化合物、または水溶性のジルコニウムアシレート化合物の少なくとも1種(B)である。前記の水溶性とは、水、または水溶性の有機溶剤を50質量%未満含む水溶液、に対して溶解することを意味する。
水溶性のチタンキレート化合物としては、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、イソプロポキシ(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、ヒドロキシビス(ラクタト)チタンのアンモニウム塩、チタンベロキソクエン酸アンモニウム塩等が挙げられる。
また、水溶性のチタンアシレート化合物としては、オキソチタンビス(モノアンモニウムオキサレート)等が、また水溶性のジルコニウム化合物としては、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムアセテート等が挙げられる。
前記の塗布層には、前記の主成分以外の樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコールなどのビニル樹脂、を本発明の効果に影響を与えない範囲で併用してもかまわない。また、架橋剤の併用も本発明の効果に影響を与えない範囲で特に限定されない。使用できる架橋剤としては、尿素、メラミン、ベンゾグアナミンなどとホルムアルデヒドとの付加物、これらの付加物と炭素原子数が1〜6のアルコールからなるアルキルエーテル化合物などのアミノ樹脂、多官能性エポキシ化合物、多官能性イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、多官能性アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、などが挙げられる。
本発明において、塗布層形成のために使用する塗布液は、水性ポリウレタン樹脂(A)と、水溶性のチタンキレート化合物、水溶性のチタンアシレート化合物、水溶性のジルコニウムキレート化合物、または水溶性のジルコニウムアシレート化合物の少なくとも1種(B)と、水系溶剤から主としてなる水系塗布液である。上記水系塗布液をポリエステルフィルム表面に塗布する際には、フィルムへの濡れ性を向上させ、塗布液を均一にコートするために、公知のアニオン性界面活性剤やノニオン性界面活性剤を適量添加することが好ましい。
また、水系塗布液中には、ハンドリング性、帯電防止性、抗菌性など、他の機能性をフィルムに付与するために、無機及び/または耐熱性高分子粒子、帯電防止剤、紫外線吸収剤、有機潤滑剤、抗菌剤、光酸化触媒などの添加剤を含有させることができる。
塗布液に用いる溶剤は、水以外にエタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類を、全塗布液に対し50質量%未満の範囲で混合しても良い。さらに、10質量%未満であれば、アルコール類以外の有機溶剤を溶解可能な範囲で混合してもよい。但し、塗布液中のアルコール類とその他の有機溶剤との合計量は、50質量%未満とすることが好ましい。
本発明の光学用積層ポリエステルフィルムは、前記易接着性ポリエステルフィルムの塗布層の少なくとも片面に、電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層を設けることにより得られる。
電子線または紫外線により硬化する樹脂として、アクリレート系の官能基を有するものであり、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を含有するものが使用できる。
但し、紫外線硬化型樹脂の場合には、前記の樹脂中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチラウムモノサルファイド、チオキサントン類、また、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。
(易接着性ポリエステルフィルムの製造)
本発明の易接着性ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する)フィルムを例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。
PET樹脂を十分に真空乾燥した後、押出し機に供給し、Tダイから約280℃の溶融PET樹脂を回転冷却ロールにシート状に溶融押出しし、静電印加法により冷却固化せしめて未延伸PETシートを得る。前記未延伸PETシートは、単層構成でもよいし、共押出し法による複層構成であってもよい。また、PET樹脂中に不活性粒子を実質的に含有させないことが好ましい。
得られた未延伸PETシートを、80〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍に延伸して、一軸延伸PETフィルムを得る。さらに、フィルムの端部をクリップで把持して、70〜140℃に加熱された熱風ゾーンに導き、幅方向に2.5〜5.0倍に延伸する。引き続き、160〜240℃の熱処理ゾーンに導き、1〜60秒間の熱処理を行ない、結晶配向を完了させる。
このフィルム製造工程の任意の段階で、PETフィルムの少なくとも片面に、前記の水系塗布液を塗布する。塗布層はPETフィルムの両面に形成させてもよい。水系塗布液中の樹脂組成物の固形分濃度は、2〜35質量%であることが好ましく、特に好ましくは4〜15質量%である。
この水系塗布液をPETフィルムに塗布するための方法は、公知の任意の方法を用いることができる。例えば、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ダイコーター法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、含浸コート法、カーテンコート法、などが挙げられ、これらの方法を単独で、あるいは組み合わせて塗工する。
本発明においては、塗布層は、未延伸あるいは一軸延伸後のPETフィルムに前記水系塗布液を塗布、乾燥した後、少なくとも一軸方向に延伸し、次いで熱処理を行って形成させることが重要である。前記塗布液が塗布されたフィルムは、横延伸及び熱処理のためにテンターに導かれ、加熱される。その際、キレート化合物またはアシレート化合物は、熱架橋反応により安定な架橋塗布層を形成することができる。それに対して、二軸延伸PETフィルムに前記塗布液を塗布、乾燥させて得た塗布層の場合には、熱処理による基材フィルムの透明性の悪化、物性の変動を小さくするため、熱量を抑制せざるを得ない。そのため、熱架橋反応を行うのに熱量が不足し、均一な架橋塗布層を形成することができない。
本発明において、最終的に得られる塗布層の塗布量は、0.02〜0.5g/m2 であることが好ましい。塗布層の塗布量が0.02g/m2 未満であると、接着性に対する効果がほとんどなくなるばかりでなく、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分となりやすくなる。一方、塗布量が0.5g/m2 を越える場合も、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分となりやすくなる。
本発明で得られた易接着性ポリエステルフィルムの塗布層は、電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層に対して良好な接着性を有するだけでなく、光学用途以外でも良好な接着強度が得られる。具体的には、写真感光層、ジアゾ感光層、マット層、磁性層、インクジェットインキ受容層、ハードコート層、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、印刷インキやUVインキ、ドライラミネートや押し出しラミネート等の接着剤、金属あるいは無機物またはそれらの酸化物の真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD、プラズマ重合等で得られる薄膜層、有機バリアー層等が挙げられる。
(光学用積層ポリエステルフィルムの製造)
本発明の光学用積層ポリエステルフィルムの製造方法について、PETフィルムを例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。
前記の易接着性ポリエステルフィルムの少なくとも片面の塗布層に、前記の電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂を含むハードコート層形成用塗布液を塗布する。塗布液は特に希釈する必要はないが、塗布液の粘度、濡れ性、塗布層の厚み等に応じて、有機溶剤により希釈してもよい。ハードコート層は、前記の易接着ポリエステルフィルムの少なくとも片面の塗布層上に前記ハードコート層形成用塗布液を塗布後、必要に応じて乾燥させた後、硬化型樹脂の硬化条件に合わせて、電子線または紫外線を照射し、及び加熱することにより塗布層を硬化させることにより、ハードコート層を形成する。
本発明において、ハードコート層の厚みは、1〜15μmであることが好ましい。ハードコート層の厚みが1μm未満であると、ハードコート層としての耐薬品性、耐擦傷性、防汚性等に対する効果がほとんどなくなる。一方、厚みが15μmを越えるとハードコート層のフレキシブル性が低下し、亀裂等が発生する可能性が増加する。
本発明で得られた光学用積層ポリエステルフィルムは、広範囲の用途に使用できるが、特にさらにハードコート層の上に反射防止層を形成することにより、良好な反射防止フィルムとすることができる。このような反射防止層の形成には、高屈折率のZnO、TiO2 、CeO2 、SnO2 、ZrO2 等または低屈折率のMgF2 、SiO2 等の無機質材料や、金属材料を単層または多層設けることにより行われる。これらの層は、蒸着、スパッタリング、プラズマCVD等か、高屈折率または低屈折率の無機質材料や金属材料等を含有する樹脂組成物からなる塗布層を、単層または多層で形成される。
次に、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は当然以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた評価方法は以下の通りである。
(1)全光線透過率
JIS K7105に準拠し、濁度計(日本電色工業株式会社製、NDH2000)を使用して、フィルムの全光線透過率を求めた。
(2)ガラス転移温度
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製、DSC6200)を使用して、25〜300℃の温度範囲にわたって20℃/minで昇温させ、DSC曲線から得られた補外ガラス転移開始温度をガラス転移温度とした。
(3)硬度
ハードコートフィルムをJIS−K5600の5.4記載に準拠し、ハードコートフィルムの硬度を求める。
具体的には、鉛筆(三菱鉛筆製、Hi−uni;4H〜H)を使用し、鉛筆を研磨紙に垂直に当てることにより、芯先端部を平らにした後、平らな面にハードコートフィルムのハードコート層を上面にして置き、その面に45°の角度で鉛筆を置き、750gfの加重下で1mm/sの速度でハードコート層に水平に1cmの距離を移動させた。次いで、ハードコート層の鉛筆芯の粉を脱脂綿で拭き取った後、蛍光灯下で45°の角度より該当部を観察し、5mm以上の傷の有無について確認した。
4HからHまでの鉛筆の硬度が異なる4種類の鉛筆を用い、評価するハードコート層の面を移動させてこの操作を順次実施し、傷が認められない時の鉛筆の硬度をハードコートフィルムの硬度とした。
(4)密着性
ハードコートフィルムをJIS−K5400の8.5.1記載に準拠し、ハードコート層と基材フィルム(易接着性ポリエステルフィルム)との密着性を求める。
具体的には、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて、ハードコート層を貫通して基材フィルムに達する100個のマス目状の切り傷をハードコート層面につける。次いで、セロハン粘着テープ(ニチバン製、405番;24mm幅)をマス目状の切り傷面に貼り付け、消しゴムでこすって完全に付着させる。その後、垂直にセロハン粘着テープをハードコートフィルムのハードコート層面から引き剥がして、ハードコートフィルムのハードコート層面から剥がれたマス目の数を目視で数え、下記式からハードコート層と基材フィルムの塗布層との密着性を求める。なお、マス目の中で部分的に剥離しているものも剥がれたマス目として数える。この操作を3回、同じマス目状の切り傷面に行い、3回目後の剥がれたマス目の数を数えた。
密着性(%)=(1−剥がれたマス目の数/100)×100
(5)耐湿熱性
前記のハードコートフィルムを、高温高湿槽中で60℃、95RH%の環境下500時間放置し、次いで、ハードコートフィルムを取りだし、室温で12時間放置した。
その後、前記(4)と同様の方法でハードコート層と基材フィルムとの密着性を求め、下記の基準でランク分けをした。
◎:100%
○:96%以上100%未満
△:80%以上96%未満
×:80%未満
(6)干渉縞改善性(虹彩状色彩)
前記のハードコートフィルムを10cm(フィルム幅方向)×15cm(フィルム長手方向)の面積に切り出し、試料フィルムを作成した。得られた試料フィルムのハードコート層面とは反対面に、黒色光沢テープ(日東電工株式会社製、ビニルテープ No21;黒)を貼り合わせた。この試料フィルムのハードコート面を上面にして、3波長形昼白色(ナショナル パルック、F.L 15EX-N 15W)を光源として、斜め上から目視でもっとも反射が強く見える位置関係(光源からの距離40〜60cm、15〜45°の角度)で観察した。
目視で観察した結果を、下記の基準でランク分けをする。なお、観察は該評価に精通した5名で行ない、最も多いランクを評価ランクとする。仮に、2つのランクで同数となった場合には、3つに分かれたランクの中心を採用した。例えば、◎と○が各2名で△が1名の場合は○を、◎が1名で○と△が各2名の場合には○を、◎と△が各2名で○が1名の場合には○を、それぞれ採用する。
◎:あらゆる角度からの観察でも虹彩状色彩が見られない
○:ある角度によっては僅かに虹彩状色彩が見られる
△:僅かに虹彩状色彩が観察される
×:はっきりとした虹彩状色彩が観察される
(ポリエステル樹脂の重合)
撹拌機、温度計、および部分還流式冷却器を具備するステンレススチール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート133.7質量部、ジメチルイソフタレート47.8質量部、ジメチル 5−ナトリウムスルホイソフタレート14.8質量部、ネオペンチルグリコール23質量部、エチレングリコール123質量部、およびテトラ−n−ブチルチタネート0.5質量部を仕込み、160℃から220℃まで、4時間かけてエステル交換反応を行った。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、29Paの減圧下で1時間反応させ、共重合ポリエステル樹脂(A−1)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂は、淡黄色透明であった。
同様の方法で、表1に記載のモノマー組成を有する、他の共重合ポリエステル樹脂(A−2、A−3、A−4)を得た。これらの共重合ポリエステル樹脂に対し、NMRで測定した組成および重量平均分子量の結果を表1に示す。
Figure 0004257610
(1)ポリウレタン水分散液(B−1)の調整
撹拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、ポリエステル樹脂(A−1)20質量部、テトラヒドロフラン80質量部を添加し、撹拌下、60℃で加熱しながら、樹脂を溶解させた。樹脂が完全に溶解した後、イソシアネート基の量がポリエステルの数平均分子量から計算される水酸基量の2.2倍となるように、メチレンジフェニルイソシアネート2.2質量部と、触媒としてトリエチルアミン0.001質量部を添加し、60℃で3時間反応させた。
その後、鎖延長剤として、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート0.8質量部を添加した。次いで、60℃で2時間反応させた後、末端停止剤としてのジエチルアミン0.03質量部を添加した。添加30分後に、水100質量部をポリエステル溶液に、攪拌下、徐々に添加した。添加後、反応器の環流装置を蒸留装置に付け替えて、攪拌下、液を加熱して、テトラヒドロフランを蒸留により液中から除去した。液温度が90℃に達する時点で加熱を止めて、室温まで冷却することにより、乳白色のポリウレタン水分散液(B−1)を作成した。
ポリウレタン水分散液(B−1)の濃度は、留去分の質量を測定し、テトラヒドロフランと一緒に留去された水分量を求めて、反応器中の液の固形分濃度が20質量%になるように調整した。
得られたポリウレタン分散液(B−1)中の溶剤を、40℃以下200Paの減圧下で蒸発させて、ポリウレタンの固形分(b−1)を得た。得られたポリウレタンの固形分(b−1)は、ガラス転移温度が75℃であり、NMRから求められた極性基(スルホン酸基)の量が210eq/tであった。
(2)ポリウレタン水分散液(B−2)の調整
撹拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、ポリエステル樹脂(A−2)20質量部、テトラヒドロフラン80質量部を添加し、撹拌下、60℃で加熱しながら、樹脂を溶解させた。樹脂が完全に溶解した後、イソシアネート基の量がポリエステルの数平均分子量から計算される水酸基量の2.2倍となるように、ヘキサメチレンジイソシアネート1.2質量部と、触媒としてトリエチルアミン0.001質量部を添加し、60℃で4時間反応させた。
次いで、カルボン酸を有するジオールとして、ジメチロールプロピオン酸0.4質量部を添加し、60℃で2.5時間反応させた。さらに、カルボン酸基の中和のため、トリエチルアミン0.36質量部を添加し、30分後に、末端停止剤としてのジエチルアミン0.03質量部を添加した。添加30分後に、水100質量部をポリウレタン溶液に、攪拌下、徐々に添加した。添加後、ポリウレタン水分散液(B−1)と同様に、溶剤の除去と濃度調整を行って、乳白色の固形分濃度が20質量%のポリウレタン水分散液(B−2)を作成した。
得られたポリウレタン分散液(B−2)中の溶剤を、40℃以下200Paの減圧下で蒸発させて、ポリウレタンの固形分(b−2)を得た。得られたポリウレタンの固形分(b−2)は、ガラス転移温度が65℃であり、NMRから求められた極性基(カルボン酸基)の量が135eq/tであった。
(3)ポリウレタン水分散液(B−3)の調整
撹拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、ポリエステル樹脂(A−3)20質量部、ブタンジオール0.3質量部、テトラヒドロフラン80質量部を添加し、撹拌下、60℃で加熱しながら、樹脂等を溶解させた。樹脂等が完全に溶解した後、トリレンジイソシアネート1.2質量部と、触媒としてトリエチルアミン0.001質量部を添加し、60℃で5時間反応させた。次いで、末端停止剤として、ジエチルアミン0.03質量部を添加した。添加30分後に、水100質量部をポリウレタン溶液に、攪拌下、徐々に添加した。添加後、ポリウレタン水分散液(B−1)と同様に溶剤の除去と濃度調整を行って、乳白色の固形分が20質量%のポリウレタン水分散液(B−3)を作成した。
得られたポリウレタン分散液(B−3)中の溶剤を、40℃以下200Paの減圧下で蒸発させて、ポリウレタンの固形分(b−3)を得た。得られたポリウレタンの固形分(b−3)は、ガラス転移温度が70℃であり、NMRから求められた極性基の量が230eq/tであった。
(4)ポリウレタン水分散液(B−4)の調整
撹拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、ポリエステル樹脂(A−4)20質量部と、ポリエチレングリコール(ナカライテスク製、PEG#4000;数平均分子量2700〜3500)1質量部、テトラヒドロフラン80質量部を添加し、撹拌下、60℃で加熱しながら、樹脂を溶解させた。樹脂が完全に溶解した後、イソシアネート基の量がポリエステルの数平均分子量から計算される水酸基量の2.2倍となるように、キシリレンジイソシアネート1.3質量部と、触媒としてトリエチルアミン0.001質量部を添加し、60℃で4時間反応させた。次いで、ブタンジオール0.3質量部を添加した。60℃で2.5時間反応させた後、末端停止剤として、ジエチルアミン0.03質量部を添加した。添加30分後に水100質量部をポリウレタン溶液に、攪拌下、徐々に添加した。添加後、ポリウレタン水分散液(B−1)と同様に、溶剤の除去と濃度調整を行って、乳白色の固形分が20質量%のポリウレタン水分散液(B−4)を作成した。
得られたポリウレタン分散液(B−4)中の溶剤を、40℃以下200Paの減圧下で蒸発させて、ポリウレタンの固形分(b−4)を得た。得られたポリウレタンの固形分(b−4)は、ガラス転移温度が77℃であり、NMRから求められた極性基(エーテル基+スルホン酸基)の量が1,200eq/tであった。
(5)ポリウレタン水分散液(B−5)の調整
撹拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、ポリエステル樹脂(A−1)20質量部、テトラヒドロフラン40質量部を添加し、撹拌下、60℃で加熱しながら、樹脂を溶解させた。樹脂が完全に溶解した後、イソシアネート基の量がポリエステルの数平均分子量から計算される水酸基量の2.2倍となるように、メチレンジフェニルイソシアネート2.2質量部と、触媒としてトリエチルアミン0.001質量部を添加し、60℃で3時間反応させた。その後、鎖延長剤として、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート0.4質量部を添加した。60℃で2時間反応させた後、40℃に冷却し、ブロック化剤としての重亜硫酸ナトリウム0.65質量部を添加した。添加1時間後に、水53質量部をポリウレタン溶液に、攪拌下、徐々に添加し、乳白色の固形分が20質量%のポリウレタン水分散液(B−5)を作成した。
得られたポリウレタン分散液(B−5)中の溶剤を、40℃以下200Paの減圧下で蒸発させて、ポリウレタンの固形分(b−5)を得た。得られたポリウレタンの固形分(b−5)は、ガラス転移温度が69℃であり、NMRより求めた極性基(分子中のスルホン酸基+末端のアニオン性基)の量が700eq/tであった。
(6)ポリウレタン水分散液(B−6)の調整
撹拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、ポリエチレングリコール(ナカライテスク製、PEG#4000、数平均分子量2700〜3500)5質量部、ポリエステル樹脂(A−2)15質量部と、数平均分子量2000のポリエチレングリコール1質量部、テトラヒドロフラン80質量部を添加し、撹拌下、60℃で加熱しながら、樹脂を溶解させた。樹脂が完全に溶解した後、ヘキサメチレンジイソシアネート1.4質量部と、触媒としてトリエチルアミン0.001質量部を添加し、60℃で4時間反応させた。その後、ヘキメチレングリコール0.2質量部を添加した。60℃で2.5時間反応させた後、末端停止剤として、ジエチルアミン0.03質量部を添加した。添加30分後に、水100質量部をポリウレタン溶液に、攪拌下、徐々に添加した。添加後、ポリウレタン水分散液(B−1)と同様に溶剤の除去と濃度調整を行って、乳白色の固形分が20質量%のポリウレタン水分散液(B−6)を作成した。
得られたポリウレタン分散液(B−6)中の溶剤を、40℃以下200Paの減圧下で蒸発させて、ポリウレタンの固形分(b−6)を得た。得られたポリウレタンの固形分は、ガラス転移温度が25℃であり、NMRより求めた極性基(エーテル基)の量が5,000eq/tであった。
前記で得られたポリウレタンの固形分(b−1)〜(b−6)のガラス転移温度と極性基の量を表2にまとめた。
Figure 0004257610
実施例1
(1)塗布液の調整
得られたポリウレタン水分散液(B−1)40質量部、ヒドロキシビス(ラクタト)チタンの44質量%溶液(松本製薬(株)製、TC310)20質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン性界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー;ドデシルベンゼンスルホン酸塩)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、球状コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−1)と略記する)。
(2)ハードコート剤の調整
アクリレート類および光重合開始剤を下記質量部で混合することにより、2種類のハードコート剤を調整した。
〔ハードコート剤A〕
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 82質量部
(日本化薬製、DPHA)
・ポリエステルアクリレート 12質量部
(東亜合成製、M−7100)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 6質量部
(チバガイギー製、イルガキュア184)
〔ハードコート剤B〕
・アクリル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 65質量部
(日本化薬製、D−310)
・ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート 10質量部
(大日本インキ化学製、DTA−400)
・ポリエステルアクリレート 20質量部
(東亜合成製、M−7100)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5質量部
(チバガイギー製、イルガキュア184)
(3)塗布層を有する易接着性ポリエステルフィルムの製造
フィルム原料ポリマーとして、固有粘度が0.62dl/gで、かつ粒子を実質上含有していないPET樹脂ペレットを、133Paの減圧下、135℃で6時間乾燥した。その後、二軸押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しして、表面温度20℃に保った回転冷却金属ロール上で静電印加法により急冷密着固化させ、厚さ1400μmの未延伸PETシートを得た。
この未延伸PETシートを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍延伸して、一軸延伸PETフィルムを得た。
次いで、前記塗布液(C−1)をリバースロール法でPETフィルムの片面に乾燥後の塗布量が0.5g/m2 になるように塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。乾燥後、引続いてテンターで、120℃で幅方向に4.0倍に延伸し、フィルムの幅方向の長さを固定した状態で、230℃で0.5秒間加熱し、さらに230℃で10秒間3%の幅方向の弛緩処理を行ない、厚さ100μmの片面に塗布層を有する二軸延伸PETフィルムを得た。
(4)ハードコートフィルムの製造
前記の易接着性ポリエステルフィルムの塗布面に、ハードコート剤A(5質量部)にメチルエチルケトン(5質量部)を加えた溶液を、#8ワイヤバーを用いて塗布し、70℃で1分間乾燥し溶剤を除去した。次いで、ハードコート層を塗布したフィルムを送り速度5m/分で走行させながら、高圧水銀灯を用いて照射エネルギー500mJ/cm2 、照射距離15cmの条件下で、ハードコート層面に紫外線を照射し、厚み3μmのハードコート層を有するハードコートフィルムAを得た。次いで、ハードコート剤Aをハードコート剤Bに変更し、前記と同様の方法でハードコートフィルムBを得た。
実施例2
ポリウレタン水分散液(B−2)44質量部、ヒドロキシビス(ラクタト)チタンの45質量%溶液(松本製薬(株)製、TC310)15質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン性界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー;ドデシルベンゼンスルホン酸塩)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、球状コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−2)と略記する)。
実施例1において、塗布液のみを塗布液(C−2)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で、片面に塗布層を有する二軸延伸PETフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
実施例3
ポリウレタン水分散液(B−3)14質量部、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタンの78質量%溶液(松本製薬(株)製、TC400)17質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン性界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー;ドデシルベンゼンスルホン酸塩)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、球状コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−3)と略記する)。
実施例1において、塗布液のみを塗布液(C−3)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で、片面に塗布層を有する二軸延伸PETフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
実施例4
ポリウレタン水分散液(B−4)25質量部、ジイソプロポキシビス(アセチルアセナト)チタン13質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン性界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー;ドデシルベンゼンスルホン酸塩)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、球状コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−4)と略記する)。
実施例1において、塗布液のみを塗布液(C−4)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で、片面に塗布層を有する二軸延伸PETフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
実施例5
ポリウレタン水分散液(B−4)30質量部、ジルコニウムアセテート15質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン性界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー;ドデシルベンゼンスルホン酸塩)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、球状コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−5)と略記する)。
実施例1において、塗布液のみを塗布液(C−5)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で、片面に塗布層を有する二軸延伸PETフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
実施例6
ポリウレタン水分散液(B−5)38質量部、ヒドロキシビス(ラクタト)チタンの44質量%溶液(松本製薬(株)製、TC310)22質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー;ドデシルベンゼンスルホン酸塩)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、球状コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−6)と略記する)。
実施例1において、塗布液のみを塗布液(C−6)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で、片面に塗布層を有する二軸延伸PETフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
実施例7
ポリウレタン水分散液(B−6)30質量部、ヒドロキシビス(ラクタト)チタンの44質量%溶液(松本製薬(株)製、TC310)29質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン性界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー;ドデシルベンゼンスルホン酸塩)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、球状コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして3質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−7)と略記する)。
実施例1において、塗布液のみを塗布液(C−7)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で、片面に塗布層を有する二軸延伸PETフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
比較例1
ポリウレタン水分散液(B−1)80質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン性界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー;ドデシルベンゼンスルホン酸塩)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、球状コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−8)と略記する)。
実施例1において、塗布液のみを塗布液(C−8)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で、片面に塗布層を有する二軸延伸PETフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
比較例2
ポリウレタン水分散液(B−1)60質量部、ブロックイソシアネート基を有する自己架橋型ポリウレタン樹脂(第一工業製薬製、エラストロンH−3)15質量部、エラストロン用触媒(第一工業製薬製、Cat64)1質量部、さらにアニオン性界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー;ドデシルベンゼンスルホン酸塩)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、球状コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−9)と略記する)。
実施例1において、塗布液のみを塗布液(C−9)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で、片面に塗布層を有する二軸延伸PETフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
比較例3
ヒドロキシビス(ラクタト)チタンの44質量%溶液(松本製薬(株)製、TC310)40質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン性界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー;ドデシルベンゼンスルホン酸塩)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、球状コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−10)と略記する)。
実施例1において、塗布液のみを塗布液(C−10)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で、片面に塗布層を有する二軸延伸PETフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
比較例4
ポリウレタン水分散液(B−2)30質量部、ブロックイソシアネート基を有する自己架橋型ポリウレタン樹脂(第一工業製薬製、エラストロンH−3)7質量部、エラストロン用触媒(第一工業製薬製、Cat64)0.5質量部、酸化ニオブゾル10質量%水溶液(多木化学(株)製、SAM−0)65質量部、さらにアニオン性界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー;ドデシルベンゼンスルホン酸塩)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、球状コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−11)と略記する)。
実施例1において、塗布液のみを塗布液(C−11)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で、片面に塗布層を有する二軸延伸PETフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
比較例5
固形分濃度20質量%のアクリル樹脂エマルジョン(メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸/N−メチロールアクリルアミド=60/40/2/4;質量比)80質量部、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン3.2質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン性界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー;ドデシルベンゼンスルホン酸塩)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、球状コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−12)と略記する)。
実施例1において、塗布液のみを塗布液(C−12)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で、片面に塗布層を有する二軸延伸PETフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
比較例6
固形分濃度20質量%のアクリル樹脂エマルジョン(メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸/N−メチロールアクリルアミド=25/75/4/2:質量比)48質量部、チタン変性水性樹脂(松本製薬(株)製、オルガチックスWS680)6.4質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン性界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー;ドデシルベンゼンスルホン酸塩)をそれぞれ塗布液に対し1質量%、球状コロイダルシリカ微粒子(触媒化成工業製、カタロイドSI80P;平均粒径80nm)水分散液を樹脂固形分に対しシリカとして2質量%添加し、塗布液を調製した(以下、塗布液(C−13)と略記する)。
実施例1において、塗布液のみを塗布液(C−13)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で、片面に塗布層を有する二軸延伸PETフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
比較例7
実施例1において、塗布層(易接着層)を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして、未コートの二軸延伸PETフィルムを得た。この未コートフィルムの片面に、実施例1と同様の方法でハードコート層を形成させたハードコートフィルムを作成した。
比較例8
電子顕微鏡で観察した粒子径(幅/長さ)が0.01-0.02μm/0.05-0.1μmである、酸化チタン超微粒子(石原産業製、TTO−S−1)10質量部に水90質量部を加え、分散器(AUTO CELL MASTER CM-200)を用いて、5000rpmで30分間分散し、固形分濃度が10質量%の酸化チタン粒子の水分散液Aを作成した。
次いで、ポリウレタン水分散液(B−4)30質量部、水150質量部およびイソプロピルアルコール100質量部をそれぞれ混合し、さらにアニオン性界面活性剤(花王株式会社製、ネオペレックス No6Fパウダー;ドデシルベンゼンスルホン酸塩)を塗布液に対し1質量%添加し、ポリウレタンの水性分散液Bを調整した。前記で調整した酸化チタン粒子の水分散液Aを、ポリウレタンの水性分散液Bに対し30質量部添加し、塗布液を調整した。しかしながら、前記塗布液中で酸化チタン微粒子がゲル状になって沈降したため、基材フィルムへの塗布を止めた。
塗布層の樹脂組成物の構成を表3に、易接着性ポリエステルフィルム及びハードコートフィルムの特性を表4に示す。
Figure 0004257610
Figure 0004257610
本発明の光学用易接着ポリエステルフィルムは、該フィルムの易接着層にハードコート層を積層した際に、外光の写り込み、ぎらつき、虹彩状色彩等を抑制する反射防止性に優れ、かつハードコート層との密着性及び高温高湿下での密着性(耐湿熱性)に優れるため、タッチパネル、液晶ディスプレイ(LCD)、テレビやコンピューターのブラウン管(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出ディスプレイ(FED)、表面
電界ディスプレイ(SED)、電子ペーパー、装飾材等の表示画面の前面に装着して、外光の写り込み、ぎらつき、虹彩状色彩等を抑制する反射防止性を付与する反射防止フィルムの基材フィルムとして好適である。さらに、易接着層に被覆される機能層との密着性及び高温高湿下での密着性(耐湿熱性)に優れるため、易接着層に被覆される機能層として、光学用途で使用されるハードコート層のみならず、写真感光層、ジアゾ感光層、マット層、インキ層、接着剤層、熱硬化樹脂層、UV硬化樹脂層、金属あるいは無機酸化物の蒸着層、等の広範囲な素材を有する用途にも使用可能である。

Claims (6)

  1. 二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水性ポリウレタン樹脂(A)と、水溶性のチタンキレート化合物、水溶性のチタンアシレート化合物、水溶性のジルコニウムキレート化合物、または水溶性のジルコニウムアシレート化合物の少なくとも1種(B)とを主たる構成成分とし、(A)/(B)の混合比(質量比)が10/90〜95/5である樹脂組成物を含む水系塗布液を塗布、乾燥した後、少なくとも一方向に延伸された塗布層を積層してなることを特徴とする光学用易接着性ポリエステルフィルム。
  2. 前記の易接着性ポリエステルフィルムは、全光線透過率が85%以上であることを特徴とする請求項1記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
  3. 前記の水性ポリウレタン樹脂(A)が、親水性基を100〜10,000eq/t含有することを特徴とする請求項1または2記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
  4. 前記の水性ポリウレタン樹脂(A)は、ガラス転移温度が20℃以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
  5. 前記の水性ポリウレタン樹脂(A)は、ポリエステル系ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の光学用易接着性ポリエステルフィルムの塗布層の少なくとも片面に、電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層を積層してなる光学用積層ポリエステルフィルム。
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