JP5174592B2 - 光拡散シート用積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムは単層構成であっても多層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
あらかじめ、ポリエステルフィルムの測定裏面に黒テープ(ニチバン株式会社製ビニールテープVT―50)を貼り、分光光度計(日本分光株式会社製 紫外可視分光光度計 V−570 および自動絶対反射率測定装置 AM−500N)を使用して同期モード、入射角5°、N偏光、レスポンス Fast、データ取区間隔1.0nm、バンド幅10nm、走査速度1000m/minで、塗布層表面を波長範囲300〜800nmの絶対反射率を測定し、その極小値における波長(ボトム波長)と絶対反射率を評価した。
光拡散層用塗布液として、アクリルポリオール(大日本インキ化学工業製 アクリディック A−801)60部、ポリイソシアネート(三井化学ポリウレタン製、タケネートD110N)15部、平均粒径15μmのアクリル樹脂粒子(積水化成品工業製 MBX−15)25部、トルエン 100部、メチルエチルケトン 100部を調製し、塗布・加熱硬化させることにより、厚さ15g/m2光拡散層を形成した。また、光拡散層とは反対面側にスティッキング防止層として、上記光拡散層用塗布液に用いた平均粒径15μmのアクリル樹脂粒子を、平均粒径5μmのアクリル樹脂粒子(積水化成品工業製 MBX−5)7部に変えて、厚さ3g/m2の層を形成した以外は同様な方法で、両面加工品を作成した。得られたフィルムに対して、光拡散層側に黒テープ(ニチバン株式会社製ビニールテープVT―50)を貼り付け、スティッキング防止層側から3波長光域型蛍光灯下で目視にて、干渉ムラを観察し、干渉ムラが確認できないものを◎、色が不明瞭な干渉ムラが確認されるものを○、色を判別できる干渉ムラが確認されるものを△、色を判別できる強い干渉ムラが確認され、白色蛍光灯下においても干渉ムラ確認されるものを×として評価した。通常の光拡散層の場合は、上記の光拡散層と同様に光拡散性が高いため、ほとんど干渉ムラは観察されない。ところが、光拡散性が低い光拡散層の場合は、干渉ムラが観察される可能性があるため、塗布層の屈折率調製がより重要となる。一方、スティッキング防止層は、光拡散層と同様、粒子とバインダーにより形成されているが、光拡散層に比べて、粒子の配合量が少なく、かつ膜厚が薄いのが一般的である。そのため、光拡散性が低くなり、干渉ムラが観察される場合があるので、塗布層の屈折率調製が非常に重要となる。
干渉ムラの評価方法と同様な方法により、積層ポリエステルフィルムの片面に光拡散層、他方面にスティッキング防止層を形成した。その後、恒温恒湿槽中で、80℃、85%RHの環境下で50時間放置した後、光拡散層、およびスティッキング防止層各々に対して、18mm幅のテープ(ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)CT−18)を貼り付け、180度の剥離角度で急激にはがした後、剥離面を観察し、より剥離面積が大きい方に対して、剥離面積が0%ならば◎、0%を超え5%以下なら○、5%を超え20%以下ならば△、20%を超えるならば×とした。通常は、スティッキング防止層の方が、表面凹凸が少ないため、剥離するテープとの接着が良いので、光拡散層に比べて剥離面積が大きくなる傾向にある。
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を層厚さとした。
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた後、4時間重縮合反応を行った。
すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.63のポリエステル(A)を得た。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、正リン酸を添加した後、二酸化ゲルマニウム加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.65に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.65のポリエステル(B)を得た。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.0μmのシリカ粒子を0.2部を加えて、極限粘度0.66に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いて、極限粘度0.66のポリエステル(C)を得た。
(化合物例)
縮合多環式芳香族を有する化合物:(I)下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)2,6−ナフタレンジカルボン酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ジエチレングリコール=84/13/3//80/20(mol%)
ウレタン樹脂:(IIA)DMSネオレジン社製 ネオレッツ R−960
ウレタン樹脂:(IIB)DIC社製 ハイドラン AP−40
ポリエステル樹脂:(III)
下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(mol%)
エポキシ化合物:(IV)エチレングリコールジグリシジルエーテル
粒子:(V) 平均粒径65nmのシリカゾル
金属キレート化合物:(VI) チタントリエタノールアミネート
ポリエステル(A)、(B)、(C)をそれぞれ85%、5%、10%の割合で混合した混合原料を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ95%、5%の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々290℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの両面に、下記表1に示す塗布液1を塗布し、テンターに導き、横方向に120℃で4.0倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、塗工量(乾燥後)が0.10g/m2の塗布層を有する厚さ188μm(表層9μm、中間層170μm)のポリエステルフィルムを得た。
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおりであり、スティッキング防止層を形成後の干渉ムラを評価したところ、視認性は良好であり、また、密着性も良好であった。
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表2に示すとおりであった。
Claims (1)
- ポリエステルフィルムの両面に、縮合多環式芳香族を有するポリエステル樹脂とウレタン樹脂とを含有する塗布層を有し、当該塗布層の絶対反射率について、横軸に波長、縦軸に反射率を示すグラフを描いたとき、波長350nm以上550nm未満の範囲に極小値が存在する場合は該極小値の値が、3.0〜4.5%の範囲であり、波長550nm以上750nm以下の範囲に極小値が存在する場合は該極小値の値が、2.8〜4.3%の範囲であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
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