JP4632555B2 - ゴム製品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はゴム組成物及び該ゴム組成物を用いたゴム製品の製造方法、特に加工性を低下することなく加硫速度を速くした、タイヤ用ゴム組成物及びタイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴム組成物の加硫時間を短くする為に加硫速度の速い加硫促進剤を配合することが行なわれていた。かかる加硫促進剤は、加硫前の加工工程において、部分的に加硫を開始しゴム焼けを生ずる問題があった。そこで加硫剤あるいは加硫促進剤を熱可塑性樹脂などで被覆したマイクロカプセルを配合することにより、加硫時の加熱温度で熱可塑性樹脂を融解し、加硫剤及び加硫促進剤を放出し加硫を開始させる技術が提案されている(特開昭48−25042号公報、特開平10−17706号公報、特開平10−17707号公報)。
【0003】
従来技術における、加硫時の加熱温度でマイクロカプセルの被覆材である熱可塑性樹脂を融解し、加硫剤及び加硫促進剤を放出し加硫を開始させる方法では、被覆材が融解するための時間、加硫剤及び加硫促進剤が拡散するための時間がかかり、加硫時間の短縮に効果的な手段とはいえない。更に加硫剤及び加硫促進剤のゴム組成物での均一な分散が達成できないという問題があった。したがってゴム組成物のマイクロカプセルの周辺では加硫が充分起こるが、マイクロカプセルから離れた領域では架橋密度が低下するといった問題が生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題を解決するもので、加工性を低下することなく加硫速度を速くし、しかも加硫剤及び加硫促進剤のゴム組成物中での分散を均一化ならしめ、ゴム製品の強度及び伸び率等の基本特性を改善したゴム組成物及び該ゴム組成物を用いたゴム製品の製造方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は加硫剤および/または加硫促進剤を芯剤とし、ラジカル崩壊型樹脂で被覆したマイクロカプセルを含むゴム組成物である。ここでラジカル崩壊型樹脂は、好ましくは二級以上の炭素原子を主鎖に有する樹脂である。
【0006】
他の発明は加硫剤および/または加硫促進剤を芯剤とし、ラジカル崩壊型樹脂で被覆したマイクロカプセルを含むゴム組成物を混練りする工程、混練して得られたゴム組成物に電子線を照射する工程、その後加硫する工程からなるゴム製品の製造方法である。ここでゴム製品として、好ましくはタイヤが適用される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム組成物に用いられるゴム成分は、特に制限はなく各種ゴムが採用できる。例えば、天然ゴム(NR)もしくはジエン系合成ゴムのうち少なくともいずれか一方を含むゴム成分を使用することができ、ジエン系合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などをゴム成分中に1種類または2種類以上含まれていてもよい。なお、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)とは、エチレン−プロピレンゴム(EPM)に第三ジエン成分を含むものであり、ここで第三ジエン成分とは、炭素数5〜20の非共役ジエンであり、たとえば1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンおよび1,4−オクタジエンや、たとえば1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエンなどの環状ジエン、例えば5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネンおよび2−イソプロペニル−5−ノルボルネンなどのアルケニルノルボルネンなどが挙げられ、特にジエンの中では、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどが使用できる。
【0008】
本発明のゴム組成物で配合されるマイクロカプセルは芯材として加硫剤又は加硫促進剤を用い、該芯材はラジカル崩壊型樹脂で被覆されている。
【0009】
加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシロキサン、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレートなどを使用することができる。これらの中で、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼンおよびジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用できる。加硫剤として硫黄が好ましい。
【0010】
加硫剤はゴム成分100重量部に対して、0.3〜5.0重量部、特に1.0〜2.5重量部配合されることが好ましい。
【0011】
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。
【0012】
スルフェンアミド系としては、たとえばCBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物などを使用することができる。
【0013】
チアゾール系としては、たとえばMBT(ベンゾチアジルジスルフィド)、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾールなどのチアゾール系化合物などを使用することができる。
【0014】
チウラム系としては、たとえばTMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどのチウラム系化合物を使用することができる。
【0015】
チオウレア系としては、たとえばチアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチオ尿素などのチオ尿素化合物などを使用することができる。
【0016】
グアニジン系としては、たとえばジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレートなどのグアニジン系化合物を使用することができる。
【0017】
ジチオカルバミン酸系としては、たとえばエチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘキサデシル(またはオクタデシル)イソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カドミウムなどのジチオカルバミン酸系化合物などを使用することができる。
【0018】
アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系としては、たとえばアセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド−アンモニア反応物などのアルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系化合物などを使用することができる。
【0019】
イミダゾリン系としては、たとえば2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系化合物などを使用することができる。キサンテート系としては、たとえばジブチルキサントゲン酸亜鉛などのキサンテート系化合物などを使用することができる。
【0020】
ゴム組成物中の加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対して、0.5〜6重量部、好ましくは1.0〜3.0重量部の範囲である。そして加硫剤に硫黄を使用する場合、硫黄(S)と加硫促進剤(A)の割合(S/A)は0.1〜3.0、好ましくは0.6〜1.5の範囲である。硫黄と加硫促進剤の割合を上記範囲とすることにより、モノサルファイド架橋を効果的に形成でき、加硫ゴム組成物の耐熱性、耐疲労性が改善できる。
【0021】
本発明においてマイクロカプセルの膜材にはラジカル崩壊型樹脂が使用される。ここでラジカル崩壊型樹脂は樹脂の分子主鎖に二級以上の炭素原子を有するものを意味する。即ち、樹脂の分子主鎖の炭素原子に一個以上の水素以外の置換基を有する樹脂である。ここで置換基はメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、芳香族基、ハロゲン等で電子線を照射した場合、置換基が結合する炭素が容易にラジカルを生成し、樹脂分子の主鎖の分解を誘発するものをいう。
【0022】
ラジカル崩壊型樹脂は、たとえば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ナイロン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、ブタジエン樹脂、ブテン樹脂、ポリカーボネート、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアセタール、ポリエステルなどで上記置換基を有する樹脂を使用することができる。
【0023】
前記ラジカル崩壊型樹脂は、その軟化点が60〜250℃、好ましくは100〜200℃、特に120〜160℃の温度範囲にあるものが好ましい。軟化点が60℃よりも低いとゴム組成物の混練の際にマイクロカプセルが破壊する可能性がある。一方軟化点が250℃を超えると、電子線照射によるマイクロカプセルの膜剤の分解が不充分な場合、ゴム組成物の通常の加硫温度において、該膜材樹脂が融解せずマイクロカプセルから加硫剤及び加硫促進剤が放出されない。したがって膜材樹脂の種類は加硫温度との関係で選定されることが好ましい。
【0024】
加硫剤と加硫促進剤をラジカル崩壊型樹脂で被覆してマイクロカプセルを製造する方法としては、一般に知られるマイクロカプセル化の手法が採用される。好適には、液中乾燥法すなわち水中や油中をカプセル化の媒体とし、その中に、芯物質を含有する膜材物質溶液を滴状に分散し、溶剤を飛ばして固いカプセル膜を形成する方法が採用される。この方法では、まず沸点が水のそれより低く、蒸気圧が大きく、しかも水と混和しない溶剤を選び、この溶剤中に壁材ポリマーを溶かす。この溶液中に芯物質となる水溶液を分散して(W/O)型の乳化物をつくる。
【0025】
別にカプセル化媒体として保護コロイドを含む水溶液を用意し、これを攪拌しながら先の乳化物を入れて分散し、〔(W/O)/W〕型の複合エマルジョンを作る。この系は水溶液滴がポリマー溶液で囲まれた形のたまが、水中に浮遊している。この系に加温、減圧、溶媒抽出などの操作を施してポリマーの溶媒を乾燥させると、ポリマーの固い膜が形成され、マイクロカプセルができる。
【0026】
また他の方法として採用し得る気中懸濁法では芯物質(粉末)を気流によって流動化し懸濁させて、懸濁粒子表面に熱可塑性樹脂の膜材を乳化させた乳液として噴霧する。そして懸濁化空気を加熱して溶媒を蒸発させてカプセル膜を形成させることができる。また噴霧乾燥法では、樹脂の膜材を乳化させた乳液に芯材を懸濁させて、その懸濁液を噴霧、微粒子化して瞬間的に乾燥させて、カプセル化膜を形成させることができる。さらに粉体どうしを乾式でカプセル化する方法(芯材粒子とそれより細かい膜材粒子を混合後、遠心力などにより衝撃を与え芯材の表面に膜剤を埋め込むようにしてカプセル化する方法)などが採用でき、マイクロカプセルの製造方法は特に限定されない。
【0027】
上記方法で得られたマイクロカプセルは加硫剤又は加硫促進剤をそれぞれ30〜95重量%、また加硫剤又は加硫促進剤を同時に芯材として用いる場合は、両者の合計が30〜95重量%含有することが好ましい。好ましくは40〜80重量%である。30重量%未満の場合、電子線照射時の被覆材樹脂の分解、あるいは加硫時の被覆材樹脂の融解が不充分であり、加硫剤及び加硫促進剤の放出、分散が不充分となる。一方95重量%を超えると、均一なマイクロカプセルの製造が困難になる。
【0028】
本発明のゴム組成物では、各種充填剤及び添加剤が使用できる。例えば充填剤としてゴム成分100重量部に対してカーボンブラックを配合することができ、その配合量は通常10〜120重量部である。カーボンブラックの種類としてはFEF、SRF、HAF、ISAF、SAFなどが使用できる。
【0029】
また老化防止剤(劣化防止剤)としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系、カルバミン酸金属塩、ワックスなどを適宜選択して使用することが可能である。
【0030】
更に、本発明のゴム組成物では練り加工性を向上させるために軟化剤を併用することもできる。軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤;トール油;サブ;蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリンなどのワックス類;リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸などが挙げられる。
【0031】
さらに本発明では必要に応じて可塑剤、例えばDMP(フタル酸ジメチル)、DEP(フタル酸ジエチル)、DBP(フタル酸ジブチル)、DHP(フタル酸ジヘプチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、DLP(フタル酸ジラウリル)、DCHP(フタル酸ジシクロヘキシル)、無水ヒドロフタル酸エステル等が配合できる。
【0032】
また白色充填剤として、シリカ、クレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタンなどが使用でき、これらは単独あるいは2種以上混合して用いることができる。特にシリカ、クレー、水酸化アルミニウム、アルミナが好ましい。
【0033】
また、ゴム組成物に白色充填剤を配合する場合、カップリング剤を含有させることが好ましい。カップリング剤としては、アルミネート系カップリング剤、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤などを使用できる。
【0034】
本発明のゴム組成物を用いて、ゴム製品を製造するには次の方法で行なう。
ゴム成分に硫黄または加硫促進剤を含むマイクロカプセルと共に、カーボンブラック等の充填剤及び可塑剤その他の添加剤を配合し、バンバリーあるいはニーダーで混練する。そして混練りしたゴム組成物をタイヤ構成部材に使用する場合、ロール等で、厚さが0.3〜5mmの範囲のシートに形成する。シートの厚さが0.3mm未満の場合、タイヤ構成部材に適性な寸法安定性が得られず、一方5mmを超えると、電子線がゴムシートの内部まで透過しない。したがって電子線照射によってマイクロカプセルの被覆材樹脂の分解が不充分となり、加硫工程での昇温による被覆材樹脂の融解をまって、加硫が始まることとなり本発明の効果が充分達成できないことがある。好ましくはシートの厚さは0.5〜1.2mmの範囲である。
【0035】
本発明ではゴム組成物のシートに電子線を照射するには、タイヤ業界で一般に用いられている電子線照射装置が使用できる。そして電子線照射の加速電圧は、通常0.1MeV〜5MeVの範囲で、照射線量は40Mrad以下、好ましくは3〜20Mradの範囲である。電子線照射によりマイクロカプセルの被覆材樹脂が崩壊、即ちゴム分子主鎖の分解とともにゴム分子主鎖間の架橋も同時進行する。したがって電子線照射の量を調整することで、マイクロカプセルの被覆材樹脂の崩壊を優先しておこさせることが可能となる。
【0036】
上記電子線照射をしたゴム組成物のシートは単体として、あるいは他のシートと積層して、あるいは所定の形状に成形して、通常の加硫工程におかれる。加硫は製品の用途によってプレスあるいは、金型で行なわれる。加硫は通常130〜180℃で5〜60分間行なわれる。
【0037】
本発明は各種ゴム製品に適用でき、ゴム製品の種類によってゴム組成物の配合、シート厚さおよび形状、更に電子線照射条件を任意に選定される。本発明はゴム組成物を所定の厚さに構成し、これに電子線を照射し、これを積層又は成形し得るゴム製品に適用できる。例えばタイヤの構成部材であるトレッド部、サイドウオール部、カーカスプライ、ベルトプライ、ビードフィラー等、更にオフセットブランケット、転写ローラー等に好適に採用し得る。なお前記シート状のゴム組成物は補強コード例えば、スチールコード、ポリエステルコード、ナイロンコード、ケブラーコード及びレーヨンコードが所定の密度で埋設された複合材であってもよい。これらのタイヤの構成部材は電子線を照射した後、積層成形し、金型内で加硫することによりタイヤを製造することができる。
【0038】
【実施例】
(1) マイクロカプセルの製造
ポリスチレン(軟化点100℃)7.5gをジクロロメタン150mlに溶解し、この溶液に硫黄15gを加えて攪拌する。このとき少量の界面活性剤を添加する。次に上記硫黄を含む溶液をPVA水溶液(PVA12gを水1200ccに溶解したもの)に滴下する。その後攪拌を1時間続け、濾過、乾燥してマイクロカプセルを得た。マイクロカプセルは硫黄を43.5重量%含んでいる。
【0039】
(2)ゴム組成物の作製及び電子線照射
上記(1)の方法で作製したマイクロカプセルを用いて、表1の配合で混練して、厚さ1mmのシート状のゴム組成物を製造した。このゴムシートに加速電圧を1MeVで、表1に示す条件ように照射量を変えて電子線を照射した後にキュラスト試験をすると共に、電子線照射をしたゴムシートを150℃で20分間加硫して、その物性評価をした。その結果を表2に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004632555
【0041】
【表2】
Figure 0004632555
【0042】
(3)試験方法
<キュラスト試験>
JIS K6300に従い、振動式加硫試験機(キュラストメーター)を用いて、ML(トルクの最小値)、Tc(10)、Tc(90)を測定した。
【0043】
<引張試験>
JIS K6251に従い、ダンベル状3号系試験片を用い、引張速度500mm/minで引張強度及び破断時伸びを測定した。
【0044】
<硬さ(Hs)>
JIS K6253に従い、タイプAのデュロメーターで測定した。
【0045】
(4)評価結果
実施例および比較例の評価結果を表2に示す。実施例1及び実施例2は硫黄のマイクロカプセルを配合したゴム組成物のシートを電子線照射したものであるが、スコーチ時間の指標である130℃でのTc(10)が10分以上あり、スコーチ時間が十分確保されている。更に、引張強度(Tb)及び破断時伸び(Eb)にほとんど影響を与えず、100%モジュラス(M100)および硬度を下げ、逆に300%モジュラス(M300)を上げることができた。これらの特性はタイヤ用のゴム組成物として使用した場合、屈曲疲労性や耐摩耗性が改善されるため有利である。なお、実施例3のように20Mrad以上の電子線を照射するとスコーチ時間は短くなると共に、電子線照射時に加硫が進行すると共に加硫ゴム物性も低下する傾向が認められるため、電子線照射量は40Mrad以上に上げると不利となる。その為、物性重視の配合では20Mrad以下、加硫時間の短縮を意図する配合では40Mrad以下で適宜、照射量を選択する。
【0046】
なお、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0047】
【発明の効果】
上述のごとく、本発明では加硫剤又は加硫促進剤をラジカル崩壊型樹脂で被覆したマイクロカプセルとしてゴム組成物に配合した為、加硫前工程の任意の時間に電子線を照射し、加硫剤及び加硫促進剤をマイクロカプセルから放出させることができ、効果的にスコーチ時間を調整しながら加硫時間を短縮できる。更に100%モジュラス及び硬度を下げることができ、逆に300%モジュラスを上げることができる。係るゴム組成物をタイヤの構成部材に適用した場合、タイヤの屈曲疲労性および耐摩耗性が向上する。

Claims (5)

  1. 加硫剤および/または加硫促進剤を芯剤としてラジカル崩壊型樹脂で被覆し、前記加硫剤および/または加硫促進剤を30〜95重量%含むマイクロカプセルが配合されたゴム組成物を混練りする工程、混練して得られたゴム組成物を、厚さが0.3〜5mmのシートに形成する工程、該シートに電子線を照射する工程、その後加硫する工程からなるゴム製品の製造方法
  2. 加硫剤はゴム成分100重量部に対して、0.3〜5.0重量部、加硫促進剤は0.5〜6重量部である請求項1記載の製造方法
  3. ラジカル崩壊型樹脂は、二級以上の炭素原子を主鎖に有する樹脂である請求項1記載の製造方法
  4. ゴム製品はタイヤの構成部材である請求項1記載の製造方法
  5. シートは電子線照射する工程の後、単体または他のシートに積層して加硫する工程におかれることを特徴とする請求項1記載の製造方法
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