JP4632151B2 - 懸濁重合用分散剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする懸濁重合用分散液に関するものである。
従来より、ポリビニルアルコール系樹脂は、塩化ビニルの懸濁重合用分散剤として広く利用されており、得られる塩化ビニルの粒子径、嵩密度、ポロシティー分布、可塑剤吸収性、脱モノマー性等の改善にも寄与しているものである。
しかしながら、その製造時(懸濁重合時)に泡が生じて、スケールの原因となり得られる塩化ビニルの物性低下に繋がる恐れがあり、かかる発泡を抑制する方法として、懸濁重合時に消泡剤を併用することが提案されている。例えば、シリコーン系消泡剤、ポリアルキレングリコール系消泡剤、アマイド系消泡剤等を併用することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−256008号公報
しかしながら、上記の消泡剤を用いた場合には、懸濁重合中の発泡やスケールを防止することはできるものの、重合系(缶)に仕込む前のポリビニルアルコール系樹脂の分散剤(液)の発泡抑制までは考慮されていない。
すなわち、ポリビニルアルコール系樹脂等の分散剤を重合系に仕込むにあたっては、予めポリビニルアルコール系樹脂等を水に溶解させて水溶液として仕込むことが一般的に行われており、この溶解過程において攪拌等により水溶液が発泡して作業効率を下げたり(消泡するまで待つ必要がある等)、あるいは十分に消泡できないときには溶解缶上部に泡が上がって溶解缶上部の異物をポリビニルアルコール水溶液に混入させる恐れがあり、水溶液の調製時に泡立ちが少なく、かつ塩化ビニルの懸濁重合時の泡立ちや脱モノマー時の泡立ちも少なく、品質の優れたポリ塩化ビニルの得ることのできる懸濁重合用分散剤が望まれるところである。
そこで、本発明者は、かかる事情に鑑みて鋭意検討した結果、JIS K6726に準拠して測定される平均重合度が300〜5000であり、ケン化度が60モル%以上であるポリビニルアルコール系樹脂(A)及び下記一般式(1)で示される化合物(B)を含有してなる懸濁重合用分散剤が、上記の目的に合致することを見出して本発明を完成するに至った。

(Rは2−エチルヘキシル基、nは0〜4の整数、mは1〜6の整数)
また、本発明においては、上記一般式(1)で示される化合物(B)の含有量がポリビニルアルコール系樹脂(A)に対して0.01〜5重量%であることが好ましい実施態様である。
本発明の懸濁重合用分散剤は、特定の化合物を含有しているため、重合系に仕込む前の分散剤水溶液の調製時に発泡を抑制することができ、効率よく該水溶液の調製ができ、重合時の初期における発泡も抑制することができ、さらには塩化ビニルの懸濁重合に用いたときには成形時にフィッシュアイの非常に少ない品質の良いポリ塩化ビニルを効率よく生産することが可能となる。
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いられるポリビニルアルコール系樹脂(A)としては、特に限定されず、ポリビニルエステル系樹脂をケン化するという公知の方法で製造することができ、後述のように本発明の目的を阻害しない範囲で、ビニルエステルと他のビニル系化合物の共重合体をケン化したり、得られるポリビニルアルコール系樹脂に官能基を有する化合物を後反応で付加したりしても良い。
かかるビニルエステル系化合物としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、バーサティック酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が単独又は併用で用いられるが、実用上は酢酸ビニルが好適である。
また、他のビニル系化合物は、好ましくは10モル%以内で使用することが可能で、かかる化合物としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン、ビニルエチレンカーボネート、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン等を挙げることができる。
ビニルエステル系化合物および他のビニル化合物を重合あるいは共重合するに当たっては、特に制限はなく公知の重合方法が任意に用いられるが、通常は、メタノール、エタノールあるいはイソプロピルアルコール等のアルコールを溶媒とする溶液重合が実施される。勿論、乳化重合、懸濁重合も可能である。
また、重合反応は、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの公知のラジカル重合触媒を用いて行われ、重合触媒は限定されない。また、反応温度は35℃〜沸点(さらには50〜80℃)程度の範囲から選択され、さらには耐圧反応缶を用いて反応温度を70〜120℃とすることも可能である。
得られたビニルエステル系重合体をケン化するにあたっては、該重合体をアルコールに溶解してアルカリ触媒の存在下に行なわれる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。アルコール中の重合体の濃度は、20〜65重量%の範囲から選ばれる。さらに、アルコールに酢酸メチル、酢酸エチル、ベンゼン等の誘電率の低い溶媒を共存させてケン化することにより、残存酢酸基のブロック性を上げることも可能である。また、水等を共存させてケン化反応を行うことにより残存酢酸基のブロック性を下げることも可能である。
ケン化触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒を用いることができる。かかる触媒の使用量はビニルエステルに対して1〜100ミリモル当量にすればよい。なお、場合によっては、硫酸やp−トルエンスルホン酸等の酸触媒によりケン化することも可能である。
かくしてポリビニルアルコール系樹脂(A)が得られるのであるが、本発明では、かかるポリビニルアルコール系樹脂(A)のJIS K6726に準拠して測定される平均重合度が300〜5000(さらには300〜4500、特には300〜4000)であり、かかる平均重合度が300未満では粗粒化の抑制作用が低下し、逆に平均重合度が5000を超えるときは得られるポリ塩化ビニルのポロシティが低下して好ましくない。
また、ポリビニルアルコール系樹脂(A)のJIS K6726に準拠して測定されるケン化度が60モル%以上(さらには65〜99.5モル%、特には68〜99モル%)であり、かかるケン化度が60モル%未満では粗粒化の抑制作用が低下して好ましくない。
さらに、ポリビニルアルコール系樹脂(A)の1,2−グリコール結合量を1.5〜2.5モル%(さらには1.6〜2.2モル%、特には1.6〜1.8モル%)とすることが好ましく、かかる結合量が1.5モル%未満では水溶液の安定性が低下する傾向にあり、逆に2.5モル%を越えると塩化ビニルモノマーへの吸着が不良となり好ましくない。
また、ポリビニルアルコール系樹脂(A)の13C−NMRで測定されるブロックキャラクターは、0.1〜0.7(さらには0.2〜0.6、特には0.3〜0.5)とすることが好ましく、かかるブロックキャラクターの範囲外では得られるポリ塩化ビニルの粒子が粗粒化する傾向にあり好ましくない。
本発明に用いられる化合物(B)は、下記一般式(1)で示されるものである。

(Rは2−エチルヘキシル基、nは0〜4の整数、mは1〜6の整数)
かかる化合物(B)を含有する商品としてはサンノプコ社製『SNデフォーマ485』等を例示することができる。
本発明の懸濁重合用分散剤は、上記の如きポリビニルアルコール系樹脂(A)及び化合物(B)を含有するもので、その含有割合については特に限定されないが、ポリビニルアルコール系樹脂(A)に対して、化合物(B)を0.01〜5重量%(さらには0.05〜3重量%、特には0.1〜2重量%)含有させることが好ましく、かかる含有割合が0.01重量%未満では本発明の作用効果を十分に得られない恐れがあり、逆に5重量%を超えるとポリビニルアルコール系樹脂の界面活性能に悪影響を及ぼす虞があり好ましくない。
なお、本発明の懸濁重合用分散剤には、上記の化合物(B)以外に、ポリジメチルシロキサン等のシロキサン化合物を含むことも好ましく、その含有量は、ポリビニルアルコール系樹脂(A)に対して、0.00001〜0.005重量%(さらには0.0001〜0.003重量%、特には0.0002〜0.001重量%)含有させることが好ましく、かかる含有割合が0.00001重量%未満では十分な消泡効果が得られない虞があり、逆に0.005重量%を超えると得られるポリ塩化ビニルの諸物性に悪影響を及ぼす虞があり好ましくない。
さらには、ジエチレングリコール、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤を含んでいても良い。
かくして得られた本発明の懸濁重合用分散剤を用いた懸濁重合について説明する。
本発明の懸濁重合用分散剤を重合系(缶)に仕込むにあたっては、予め水溶液とするのであるが、このときは所定量の脱イオン水に懸濁重合用分散剤を攪拌下で加えて十分に分散後、70〜90℃まで昇温し、そのままの温度で1〜3時間程度攪拌を続けて溶解し、その後攪拌しながら室温まで冷却して水溶液を調製することができ、このときの水溶液の濃度は、水溶液の粘度や曇点等によっても一概に言えないが、通常は0.5〜12重量%(さらには1〜10重量%、特には2〜8重量%)とすることが好ましく、かかる濃度が0.5重量%未満ではホットウォーターチャージの効果に乏しく、逆に12重量%を超えると水溶液の粘度が上がりすぎて作業性が低下したり、また仕込み量の精度が低下して好ましくない。
なお、本発明の懸濁重合用分散剤は、予め水溶液として重合系に仕込んだ方がより顕著に本発明の効果を得ることができるが、水溶液とせずにそのまま仕込むことも可能である。
また、対象とする懸濁重合は、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等の各種ビニル化合物の懸濁重合に有用で、中でも塩化ビニルの懸濁重合に特に有用であり、以下その用途について説明するが、これに限定されるものはない。
懸濁重合を行うにあたっては、常温又は加熱した本発明の懸濁重合用分散剤(好ましくは水溶液状態)を重合系に添加して、塩化ビニルを分散させて油溶性触媒の存在下で重合を行う。
このときのかかる分散剤の仕込み量としては、塩化ビニル100重量部に対して0.01〜0.15重量部使用するのが好ましく、さらには0.01〜0.1重量部、特には0.01〜0.08重量部が有利である。該仕込み量が0.01重量部未満では、重合時に保護コロイド性が不足して粒子径のコントロールが困難となり、逆に0.15重量部を超えると粒子径が小さくなりすぎたり、可塑剤の吸収性が低下したりして好ましくない。
該分散剤は、重合の初期に一括仕込みしても、又重合の途中で分割して仕込んでもよい。
重合はリフラックスコンデンサー(RC)を装備した重合缶で除熱しながら実施するのが好ましい。重合中は、RCの冷却水温度及び反応缶ジャケット温度を制御し、重合反応熱をRCと反応缶ジャケットで除熱する。
重合反応終了後は、例えば以下のような後処理がなされる。まず未反応塩化ビニルモノマーが回収される。該モノマーはポリ塩化ビニルスラリーの移送中あるいは移送後に行われる。より具体的に移送は通常反応缶の圧力より未反応塩化ビニルモノマー回収容器の圧力をより減圧下にして実施され、移送中あるいは移送後に未反応塩化ビニルモノマーは、反応缶や未反応塩化ビニルモノマー回収容器に接続したガスホルダーに回収される。脱モノマーされたポリ塩化ビニルスラリーは、さらに脱水、乾燥され、ポリ塩化ビニル粒子を得る。
なお、本発明の懸濁重合用分散剤を主分散剤と分散助剤に分けて使用する場合は、これらのどちらとしても使用可能であるが、主分散剤としての方が好ましく、このときの分散剤としては、例えば、重合度1800〜3000、ケン化度78〜82モル%のポリビニルアルコール系樹脂、または重合度1800〜4500、ケン化度88〜99モル%のポリビニルアルコール系樹脂、さらに重合度500〜1000、ケン化度68〜73モル%のポリビニルアルコール系樹脂やこれらの熱処理品等を用いることができる。
また、主分散剤と分散助剤の使用量の重量比(主分散剤/分散助剤)は100/0〜30/70(さらには90/10〜50/50)の範囲とするのが好ましく、かかる重量比が30/70未満では懸濁時の粗粒化の抑制作用が低下して好ましくない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
なお、例中「%」、「部」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
実施例1
〔分散剤の調製〕
溶解缶(200リットル)に、ケン化度79モル%、平均重合度2000のポリビニルアルコール(A)100部とサンノプコ社製『SNデフォーマー485』〔上記(1)式において、n=2、m=3の化合物〕(B)1部を2400部の室温水に添加して、約1.5時間で80℃に昇温し、その後約1.5時間混合攪拌し、室温に冷却して分散剤水溶液を得た。
<調製時の発泡状態>
かかる分散剤水溶液の調製時の発泡状態を溶解缶ののぞき窓から観察して以下のように評価した。
◎・・・水面から泡上面までの距離(泡の厚み)が5cm未満
○・・・ 〃 5cm以上30cm未満
×・・・ 〃 30cm以上
〔懸濁重合〕
リフラックスコンデンサー(RC)を装備した1.5m反応缶とRC内部を共に脱気した後、反応缶に塩化ビニル500部、脱気したイオン交換水500部を供給し、さらに塩化ビニル100部に対して上記分散剤水溶液を1.5部(固形分換算0.06部)導入して、重合缶内温度を57℃に昇温した後、重合開始剤としてジー2ーエチルヘキシル−オキシジカーボネート及びt−ブチルパーオキシネオカーボネートを各々塩化ビニル100部に対して0.03部仕込み、これと同時にRCを稼働させて、400rpmで撹拌しながら4時間重合を行ってポリ塩化ビニルを得た。
重合中は、RCの冷却水温度及び反応缶ジャケット温度を制御し、重合反応熱をRCと反応缶ジャケットで除熱した。
重合反応終了後、反応缶と同じ大きさの未反応モノマー回収容器にポリ塩化ビニルを移送した。かかる移送は反応缶の圧力より回収容器の圧力をより減圧下にして実施した。移送時に反応缶中に発泡はほとんどなく、移送は25分未満で終了した。移送中と移送後に反応缶及び未反応モノマー回収容器に接続したガスホルダーに未反応モノマーを回収し、移送したポリ塩化ビニルスラリーは脱水、乾燥し、ポリ塩化ビニルを得た。
上記の懸濁重合時の発泡性及び得られたポリ塩化ビニルのフィッシュアイについて下記の要領で評価を行った。
<発泡性>
(1)ウエットフォーミング
重合開始1時間後の泡立ちの状況を重合缶側面の覗き窓より観察し、液面からの泡の高さを測定した。
評価基準は以下の通り。
◎・・・7cm未満
○・・・7〜10cm未満
×・・・10cm以上
(2)ポリ塩化ビニル移送時間
重合終了後の未反応塩化ビニルモノマーを回収する時の発泡性を評価するため、回収容器にポリ塩化ビニルスラリーを移送する時間を測定した。即ち、発泡が激しい程該スラリーの移送に時間がかかる。
評価基準は以下の通り。
◎・・・40分未満
○・・・40〜60分未満
×・・・60分以上
<フィッシュアイ>
得られたポリ塩化ビニル100部、ジオクチルフタレート30部、アジピン酸系エステル可塑剤(三菱化学社製『ダイヤサイザーD409』)30部、鉛系粉末安定剤4.5部、カーボン0.15部を155℃で5分間ロール練りして0.3mm厚のシートを作製し50mm×50mm当たりのフィッシュアイの数を測定した。評価基準は以下の通り。
◎・・・ 0〜4個
○・・・5〜19個
×・・・ 20個以上
実施例2
実施例1において、サンノプコ社製『SNデフォーマー485』(B)の添加量を0.1とした以外は同様に分散剤水溶液を得て、同様に懸濁重合を行い、実施例1と同様の評価を行った。
実施例3
実施例1において、ポリビニルアルコール(A)として、ケン化度72モル%、平均重合度800〕のポリビニルアルコールを用いた以外は同様に分散剤水溶液を得て、同様に懸濁重合を行い、実施例1と同様の評価を行った。
実施例4
実施例1において、ポリビニルアルコール系樹脂(A)100部に対して、分散助剤としてケン化度42モル%、平均重合度250のポリビニルアルコール系樹脂を17部併用した以外は同様に分散剤水溶液を得て、同様に懸濁重合を行い、実施例1と同様の評価を行った。
実施例5
実施例4において、分散助剤としてケン化度48モル%、平均重合度250のポリビニルアルコール系樹脂を用いた以外は同様に分散剤水溶液を得て、同様に懸濁重合を行い、実施例1と同様の評価を行った。
実施例6
実施例4において、分散助剤としてケン化度58モル%、平均重合度250のポリビニルアルコール系樹脂を用いた以外は同様に分散剤水溶液を得て、同様に懸濁重合を行い、実施例1と同様の評価を行った。
比較例1
実施例1において、サンノプコ社製『SNデフォーマー485』(B)を添加せずに分散剤水溶液を調製した以外は同様に分散剤水溶液を得て、同様に懸濁重合を行い、実施例1と同様の評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
〔表1〕
調製時の発泡状態 発泡性
(1) (2) フィッシュアイ
実施例1 ◎ ○ ○ ○
〃 2 ○ ○ ○ ○
〃 3 ◎ ○ ○ ◎
〃 4 ◎ ○ ○ ◎
〃 5 ◎ ○ ○ ◎
〃 6 ◎ ○ ○ ○
比較例1 × × × ×
本発明の懸濁重合用分散剤は、水溶液調製時の発泡抑制効果に優れ、さらには懸濁重合時の発泡抑制効果やスケール防止効果にも優れ、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等の各種ビニル化合物の懸濁重合に有用で、中でも塩化ビニルの懸濁重合に特に有用であり、このときは得られるポリ塩化ビニルのフィッシュアイ抑制効果も発揮することができる。

Claims (3)

  1. JIS K6726に準拠して測定される平均重合度が300〜5000であり、ケン化度が60モル%以上であるポリビニルアルコール系樹脂(A)及び下記一般式(1)で示される化合物(B)を含有してなることを特徴とする懸濁重合用分散剤。

    (Rは2−エチルヘキシル基、nは0〜4の整数、mは1〜6の整数)
  2. 上記一般式(1)で示される化合物(B)の含有量がポリビニルアルコール系樹脂(A)に対して0.01〜5重量%であることを特徴とする請求項1記載の懸濁重合用分散剤。
  3. 塩化ビニルの懸濁重合用途に用いることを特徴とする請求項1または2記載の懸濁重合用分散剤。
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