JP2002256008A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JP2002256008A JP2001060158A JP2001060158A JP2002256008A JP 2002256008 A JP2002256008 A JP 2002256008A JP 2001060158 A JP2001060158 A JP 2001060158A JP 2001060158 A JP2001060158 A JP 2001060158A JP 2002256008 A JP2002256008 A JP 2002256008A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合中及び未反応単量体の回収に際し、重合
体スラリーの発泡、上昇、飛散の現象を確実に防止する
ことが可能な塩化ビニル系重合体の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 還流コンデンサーを付設した重合器を用
いて塩化ビニル又はこれを主体とする単量体混合物を水
性媒体中で重合して塩化ビニル重合体を製造する方法に
おいて、重合系に(A) シリコーン系消泡剤、ポリアルキ
レングリコール系消泡剤およびアマイド系消泡剤から選
ばれる少なくとも1つの消泡剤と、(B−1) SH基、OH
基またはOCOCH3基を有する少なくとも1種のビニル系重
合体および(B−2)セルロース系誘導体から選ばれる
少なくとも1種の第2添加剤との添加を前記還流コンデ
ンサーの稼働時に開始し、かつその添加を前記重合器か
らの未反応単量体回収終了まで継続して行なうことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、還流コンデンサー
を付設した重合器中で塩化ビニル又はこれを主体とする
単量体混合物を重合して塩化ビニル系重合体を製造する
方法に関し、特に還流コンデンサーによる反応熱を除去
する際や未反応単量体回収の際に発生する泡を防止する
ために反応系の組成および添加剤の添加の時期を改良し
た塩化ビニル系重合体の製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】近年、塩化ビニル系重合体の製造方法に
おいて、その製造効率を高めるため、重合器の大型化と
重合時間の短縮が進められている。重合時間短縮の一方
法として重合器に還流コンデンサーを付設して除熱を効
率化し、時間短縮を図ること、別の方法として重合終了
後の未反応単量体回収速度を高めて該回収時間を短縮す
ることが図られている。
【0003】しかしながら、還流コンデンサーによる除
熱量の増大や未反応単量体回収速度の増大は重合器内気
相部の真空度を高める結果となるので、スラリー中に溶
存している塩化ビニル単量体等の気化が促進され、それ
に伴って発泡が増大し、液面上部に泡が蓄積され、泡が
上昇し、その結果として重合体粒子が重合器上部に到達
する現象(キャリーオーバー)が起こるという問題があ
った。このキャリーオーバーは、著しい時は還流コンデ
ンサー内部や重合器に設けられている未反応単量体回収
配管等まで到達し、重合体粒子が重合器上部のみなら
ず、還流コンデンサー内部や未反応単量体回収配管の入
口(回収口)付近にスケールを付着する原因となる。こ
のようなスケールの付着は、重合後の整備など製造工程
に大きな支障をきたすだけでなく、このまま次の重合を
行なってしまうと、得られる重合体製品のフィッシュア
イ(FE)が増大する原因となるなど、品質的にも悪影
響を与えていた。
【0004】このように還流コンデンサーの使用にはか
なりの制約があり、還流コンデンサーの機能を十分活用
しているとはいえないものであった。そこで、従来、重
合器内の気相部における消泡を目的に、該重合器の気相
部を回転翼で攪拌しながら重合するという方法(特公昭
60−42804号公報参照)、或いは泡に水又は抑泡
剤の水溶液をフラットノズルやフルコーンノズル等のス
プレーノズルを使用して噴霧する方法(特公昭50−3
0106号公報参照)が提案されている。しかしなが
ら、これらの方法はある程度の消泡効果はあるものの、
その効果は十分とはいえずさらなる強力な消泡技術の確
立が望まれている。
【0005】その一つとして、重合中にシリコーン系消
泡剤を添加する方法が知られている。しかしながら、シ
リコーン系消泡剤だけではその消泡効果が不十分であ
り、消泡効果を高めるために使用量を増大しても、スケ
ールが付着するという問題を生じ、使用には自ずと制限
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、重合中及び
未反応単量体の回収に際し、重合体スラリーの発泡、上
昇飛散現象を確実に防止し、還流コンデンサーのもつ除
熱効果の機能を充分に発揮し、さらに未反応単量体の回
収を効率良く行なうことができる塩化ビニル系重合体の
製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる塩化ビニ
ル系重合体の製造方法は、還流コンデンサーを付設した
重合器を用いて塩化ビニル又はこれを主体とする単量体
混合物を水性媒体中で重合して塩化ビニル重合体を製造
する方法において、重合系に(A)消泡剤と、(B)平均重合
度100〜500、ケン化度75〜85モル%の部分ケン化ポリビ
ニルアルコールとを前記還流コンデンサーの稼働時に添
加し始め、かつその添加を前記重合器からの未反応単量
体回収終了まで継続して行なうことを特徴とするもので
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる塩化ビニル
系重合体の製造方法を詳細に説明する。従来公知の方法
により塩化ビニル又はこれを主体とする単量体混合物を
水性媒体中において還流コンデンサーを付設した重合器
を用いて重合する。この重合法としては、例えば懸濁重
合法、乳化重合法等があるが、本発明の方法は、特に懸
濁重合法に適用した場合に大きな効果がもたらされる。
【0009】前記単量体としては、塩化ビニル単量体単
独に限られず、塩化ビニルを主体とし、これと共重合可
能なビニル系単量体(コモノマー)との混合物(塩化ビ
ニルが50重量%以上、特に70重量%以上)であって
もよい。前記塩化ビニルと共重合されるコ単量体として
は、例えば酢酸ビニル、ブロピオン酸ビニル等のビニル
エステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のア
クリル酸エステルもしくはメタアクリル酸エステル;エ
チレン、プロピレン等のオレフィン;ラウリルビニルエ
ーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル;無水マレイン酸;アクリロニトリル;スチレン;塩
化ビニリデン;その他塩化ビニルと共重合可能な単量体
等が挙げられる。
【0010】前記重合反応系に添加される重合開始剤と
しては、従来より塩化ビニル単量体等の重合に使用され
ているいずれの油溶性触媒あるいは水溶性触媒でもよ
い。油溶性触媒としては、例えばジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキ
シジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカー
ボネート等のパーカーボネート化合物;t−ブチルパー
オキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレー
ト、t−ヘキシルパーオキシピバレート、α−クミルパ
ーオキシネオデカネート等のパーエステル化合物;アセ
チルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,
4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシア
セテート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオ
キシド、ラウロイルパーオキシド等の過酸化物;アゾビ
ス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス(4−
メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ
化合物等が挙げられる。水溶性触媒としては、例えば過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、クメ
ンハイドロパーオキシド等が挙げられる。これらの油溶
性触媒あるいは水溶性触媒は、単独又は2種以上の組み
合わせで使用することができる。
【0011】前記単量体の水性媒体への分散を促す分散
助剤も従来一般に知られているものでよく、例えば、メ
チルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース等の水溶性セルロースエー
テル;アクリル酸重合体;ゼラチン等の水溶性ポリマ
ー、水溶性及び油溶性の部分ケン化ポリビニルアルコー
ル;ソルビタンモノラウレート、トリオレート、ソルビ
タンモノステアレート、グリセリントリステアレート、
エチレンオキシドプロピレンオキシドブロックコポリマ
ー等の油溶性乳化剤;ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレー
ト、ラウリル硫酸ナトリウム等の水溶性乳化剤;炭酸カ
ルシウム、リン酸カルシウム、ドデシルペンゼンスルホ
ン酸ナトリウム等が挙げられ、これらは単独で又は2種
以上の組み合わせで使用することができる。
【0012】前記反応系には必要に応じて塩化ビニル系
の重合に適宜使用されている重合調整剤、連鎖移動剤、
pH調整剤、ゲル化改良剤、帯電防止剤、架橋剤、安定
剤、充填剤、酸化防止剤、緩衝剤、スケール防止剤等を
さらに添加することを許容する。
【0013】前記重合に際しての他の条件、重合器への
水性媒体、塩化ビニル単量体、場合によっては他のコ単
量体、懸濁剤等の仕込み方法は従来と同様にして行なえ
ばよく、これらの仕込み割合、重合温度等の重合条件も
また同様の条件でよい。
【0014】本発明においては、前述した反応系(重合
系)に、(A) 消泡剤、および(B)平均重合度100〜
500、ケン化度75〜85モル%の部分ケン化ポリビニルア
ルコールを添加する。その添加は、還流コンデンサーの
稼働開始と同時に開始し、重合器からの未反応単量体回
収終了まで継続して行なう。
【0015】前記(A)成分である消泡剤としては、例え
ば、シリコーン系消泡剤;ポリオキシエチレン、ポリプ
ロピレンオキシド共重合体、アセチレングリコール等の
ポリアルキレングリコール系消泡剤;ポリアルキレンア
マイド等のアマイド系消泡剤等が挙げられる。さらに、
シリコーン消泡剤としては、例えばジメチルポリシロキ
サン、ジフェニルポリシロキサン等のシリコーンオイル
類、又はこれらをエマルジョン化したもの、これらにシ
リカ、アルミナなどの微粉末を均一分散させたもの等を
用いることができる。上記の消泡剤の中でも、シリコー
ン系消泡剤が好ましい。
【0016】添加剤(B)であるポリビニルアルコール
は平均重合度100〜500、ケン化度75〜85モル%の部分ケ
ン化ポリビニルアルコールである。好ましくは、平均重
合度260〜320であり、ケン度78〜82モル%である。前記
(A)成分である消泡剤は、その固形分が全単量体に対し
て重量基準で10〜500ppmの範囲で添加することが望まし
く、より好ましくは20〜300ppmである。前記(B)成分
のポリビニルアルコールは、全単量体に対し重量基準で
100〜1500ppm添加することが好ましく、より好ましくは
150〜1300ppmである。なお、これらの量は添加開始から
添加終了までに添加された全添加量である。
【0017】前記(A)及び(B)の添加剤は、還流コ
ンデンサーの作動中及び未反応単量体回収中に連続して
添加する必要がある。一度に全部添加すると、重合体ス
ラリーの発泡、飛散現象の防止効果を重合終了時及び未
反応単量体回収終了時まで持続できない場合がある。
【0018】前記消泡剤(A)の添加量が少なすぎると
その消泡効果を十分発揮することが困難になる。一方、
この添加量が多すぎると使用量が増大して経済的に不利
になるばかりか、重合器壁面にスケールが付着しやすく
なり、逆にフィシュアイが増大する恐れがある。
【0019】前記(B)ポリビニルアルコールの添加量
が少なすぎると十分な消泡効果を発揮することが困難に
なる。一方、その添加量が多すぎると使用量が増大して
経済的に不利になるばかりか、分散剤による泡を逆に増
加させて消泡効果を低下させる恐れがある。なお、重合
の終了方法、終了後の処理方法は、公知の方法に従って
行うことができる。
【0020】以上説明した本発明によれば、還流コンデ
ンサーの除熱量及び/又は未反応単量体回収速度を増大
しても重合体スラリーの発泡、上昇、飛散を有効に防止
することができる。その結果、還流コンデンサーによる
除熱効果が十分に得られると共に、重合器上部、還流コ
ンデンサー内部、未反応単量体回収配管などへの重合体
の付着とスケール付着も防止できるため、フィッシュア
イが減少された高品質の塩化ビニル系重合体を製造する
ことができる。
【0021】作用 重合中及び未反応単量体回収時に発生する泡(以下、重
合体スラリーの泡)は、分散剤として使用されるポリビ
ニルアルコールやセルロース系分散剤による泡(以下、
分散剤の泡)と、その泡に塩化ビニル系重合体の粉体を
多く含有する泡(重合体の泡)が複雑にからみあってお
り、どちらか一方を抑制しても重合体スラリーの泡を十
分に消泡できない。これは、分散剤と水だけの系におい
ては例えばシリコーン系のような消泡剤により十分に消
泡することが可能であるのとは全く異なる状況である。
【0022】重合体を含む系で発生する泡は、その中に
重合体を多く取り込まれるために、泡が硬くなって泡の
安定性を高められる。つまり、重合開始前に添加される
ポリビニルアルコールやセルロース系分散剤によりその
界面活性が低下して重合体スラリーが泡立った場合、分
散剤の泡は比較的容易に消失するものの、重合体スラリ
ーの泡は消失せずにそのまま残留する。これはスラリー
中に含有されている重合体粉体がスラリー中で発生する
泡に付着し、液上部に蓄積されることによるものであ
る。この重合体粉体が集まった液上部では、順次供給さ
れる泡を消す効果が弱められ、次第に泡が蓄積される。
泡が蓄積されると、そこに更に重合体が蓄積されるとい
う蓄積の繰り返しがなされるため、最後にはキャリーオ
ーバーなどのトラブルを生じるものと考えられる。
【0023】これに対し、本発明では、前記消泡剤(A)
により分散剤による泡を消し、さらに重合体と水のなじ
みが良好な部分ケン化ポリビニルアルコールによりスラ
リー中で発生した単量体ガスによる泡に重合体を付着さ
せるとともに、泡上部に蓄積される重合体を速やかに液
中に戻すことができるため、重合体による泡を同時に消
すことができる。したがって、前記各分散剤による泡と
重合体による泡を同時に消すことにより重合体スラリー
の発泡及び泡の上昇を十分に抑制することが可能とな
る。
【0024】なお、部分ケン化ポリビニルアルコール
(B)は前記消泡剤(A)と併用せずに単独で添加した場
合は全く効果はなく、逆に泡立ちが多くなる。
【0025】また、部分ケン化ポリビニルアルコール
(B)は添加してから次第に効果が弱まり、その添加開
始時から20分程度で殆どその効果がなくなってしまう。
したがって、前記消泡剤(A)と部分ケン化ポリビニル
アルコール(B)は連続的に添加していくこと必要があ
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する
が、本発明はここで説明する実施例に制限されるもので
はない。なお、塩化ビニル単量体を「VC」と略記する
ことがある。 [実施例1、2及び比較例1〜5]いずれの例の場合
も、内容積2000Lの攪拌機及びジャケット付きのステン
レス製重合器に脱イオン水900kg、重合度1500〜2700、
ケン化度75〜85モル%の部分ケン化ポリビニルアルコー
ル390g、t−ブチルパーオキシネオデカネートを下記表
1、表2に示す量をそれぞれ仕込んだ。つづいて、前記
重合器内を8.0kPa(60mmHg)になるまで排気した後、塩
化ビニル単量体を600kg仕込み、前記重合器内を攪拌し
ながらジャケットに熱水を通して昇温を開始した(即
ち、重合を開始した)。
【0027】昇温開始後、内温が57℃に到達した時点で
内温を57℃に維持して重合を進めた。昇温開始80分後か
ら還流コンデンサーを稼動させ、各例における還流コン
デンサーの除熱量を表1、表2に示す値に制御した。未
反応単量体の回収は、重合終了から開始し、表1、表2
に示す未反応VC回収流量の条件で回収を行い、表1、
表2に示す未反応VC回収所要時間にわたって未反応単
量体の回収を行った。なお重合は、重合器内の圧力が0.
588MPa・G(6.0kgf/cm2・G)に降下した時点で終了したと
みなした。
【0028】ここで使用した添加剤(A)、(B)は次
のとおりである。 ・消泡剤(A):ジメチルポリシロキサンからなるシリ
コーン系消泡剤。 ・添加剤(B):平均重合度280、ケン化度80モル%の部
分ケン化ポリビニルアルコール。 各例で添加した添加剤、全添加量及びその添加時期は表
1、表2に示す通りである。
【0029】各例とも、重合終了後重合体スラリーを器
外に取り出し、脱水、乾燥して、塩化ビニル重合体を得
た。各例における重合器内の重合体スケール付着状況、
還流コンデンサ内へのキャリーオーバー、未反応単量体
回収口内へのキャリーオーバー、得られた製品重合体の
粒度分布、可塑剤吸収量、フィッシュアイの発生状況、
かさ比重、体積電気抵抗、初期着色性、熱安定性の評
価、測定を行った。その結果を下記表3、表4に示す。
前記評価、測定は次のような方法により行った。
【0030】<重合体スケール付着状況の観察>重合終
了後に重合器内の重合体スケール付着状況を目視で観察
し、下記のランクで評価した。なおスケールの観察は2
回重合後の状態を観察した。 ○:重合体スケールの付着が認められず重合器内壁が金
属鏡面の光沢を持つ。 ×:重合器内壁面の金属鏡面の一部に重合体スケールが
認められる。 <還流コンデンサー内へのキャリーオーバー>未反応単
量体回収終了後に目視で観察を行ない、下記基準で評価
した。 ○:コンデンサー下部に塩化ビニル系重合体の付着がみ
られない ×:コンデンサー上部に塩化ビニル系重合体の付着がみ
られる <未反応単量体回収口へのキャリーオーバー>未反応単
量体回収終了後目視で観察を行ない、下記基準で評価し
た。 ○:重合器内部の未反応単量体回収口に塩化ビニル系重
合体がみられない ×:未反応単量体回収口及びその配管に塩化ビニル系重
合体がみられる
【0031】<粒度分布>JIS Z-8801に準じた#60、#
100、#150及び#200の各篩を用い、試料を篩分けし、
各篩を通過した試料の割合(重量%)を求めた。 <可塑剤吸収量>内径25mm、深さ85mmのアルミニウム合
金製重合器の底にグラスファイバーを詰め、該重合器に
試料10gを投入し、次にジオクチルフタレート(DOP) 15m
lを加えた。そして、30分間放置して試料にDOPを充分浸
透させた後、1500Gの加速度下で試料から過剰量のDOPを
遠心分離した。試料に吸収されたDOPの量をDOP吸収前の
試料の重量に対する重量%として求めた。
【0032】<フィッシュアイの発生状況>試料100重
量部に対し、DOP 50重量部、ステアリン酸バリウム0.1
重量部、ステアリン酸カドミウム0.1重量部、セタノー
ル0.8重量部、スズ系安定剤2.0重量部、二酸化チタン0.
5重量部及びカーボンブラック0.1重量部を添加した。得
られた混合物を6インチロールを用いて、140℃で5分
間混合・混練した後、厚さ0.3mmのシートに成形した。
このシート100cm2当りに含まれる白色透明の粒子(フィ
ッシュアイ)の数を計数した。 <かさ比重>JIS K-6723に準じて測定した。 <体積抵抗率>JIS K-6723に準じて測定した。なお粒度
分布、可塑剤吸収量、フィッシュアイ、かさ比重、熱安
定性、体積抵抗率、初期着色性の測定は原材料の仕込
み、重合、未反応単量体の回収、スラリーの取出しなど
からなる一バッチのサイクルを2回行ない、2回目のバ
ッチで得られる塩化ビニル系樹脂について行なった。
【0033】<初期着色性>得られた塩化ビニル重合体
100重量部にラウリル酸スズを1重量部、カドミウム系
安定剤を0.5重量部及びジオクチルフタレートを50重量
部の割合で配合した混合物を2本ロールミルを用いて16
0℃で5分間混練した後、厚さ0.8mmのシートに成形し
た。次に、このシートを裁断して重ねて、4×4×1.5c
mの型枠に入れて160℃、6.4〜6.9MPa(65〜70kgf/cm2
で加熱、加圧下で成形して測定試料を作成した。この測
定試料について、光電色彩計(日本電色工業株式会社
製)を用いて、JISZ8730(1980)に基づいてハンターの
色差式における明度指数Lを求め、a値及びb値を測定
した。 <熱安定性>初期着色性の測定に際し成形した厚さ0.8m
mのシートを用い、185℃に加熱したオーブンに入れ、黒
化するまでの時間を測定した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】前記表1、表2および表3、表4から明ら
かなように本発明の実施例1および2の塩化ビニル系重
合体の製造方法は比較例1−5の同製造方法に比べて還
流コンデンサ内へのキャリーオーバー、未反応単量体回
収口内へのキャリーオーバー、スケール発生が殆どな
く、しかも得られた重合体は体積抵抗率等の優れた諸特
性を有することがわかる。特に、比較例2のように消泡
剤(A)およびポリビニルアルコール(B)の両者を添
加した場合でも、その添加が重合開始と同時期である
と、良好な消泡効果を達成することができないことがわ
かる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、還
流コンデンサーによる除熱を強化したり、さらに未反応
単量体の回収速度を増大したりしても重合体スラリーの
発泡、泡の気相部上部への上昇、飛散を防止でき、製造
工程に支障をきたすことがない。これにより均一な品
質、特にフィッシュアイの発生が少なく体積抵抗率の良
好な塩化ビニル系重合体を高い生産性で得ることが可能
であり、工業的効果が極めて大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還流コンデンサーを付設した重合器を用
    いて塩化ビニル又はこれを主体とする単量体混合物を水
    性媒体中で重合して塩化ビニル重合体を製造する方法に
    おいて、重合系に、(A)消泡剤と、(B)平均重合度100〜5
    00、ケン化度75〜85モル%の部分ケン化ポリビニルアル
    コールとを前記還流コンデンサーの稼働時に添加し始
    め、かつその添加を前記重合器からの未反応単量体回収
    終了まで継続して行なうことを特徴とする塩化ビニル系
    重合体の製造方法。
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