JP4631823B2 - サイドエアバッグ装置を備えた車両用シート - Google Patents

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本発明は、サイドエアバッグ装置を備えた車両用シートに関する。
シートバックのサイド部にエアバッグ装置を装備する車両用シートにおいて、トリムカバー(シートバック表皮)の破断部と共縫いされる力布の張力の作用点を、該破断部の上下寄り2カ所に設定することより、該破断部をエアバッグの展開圧で瞬時に切開させるようにした構成が開示されている(特許文献1参照)。
特開2003−127815号公報
しかしながら、上記した従来例では、エアバッグ袋体の展開範囲を広げるために、シートバック表皮の縫合部における開裂範囲を広く設定して、上下2カ所の張力の作用点についてその間隔を広げた場合、該張力の作用点間に位置するシートバック表皮の縫合部に対して、開裂のための張力を効率的に作用させることが難しかった。
本発明は、上記事実を考慮して、サイドエアバッグ装置の作動時に、シートバック表皮の縫合部を広い範囲でより効率的に開裂させることを目的とする。
請求項1の発明は、シートバックのドア側サイド部に内設されたサイドエアバッグ装置と、シートバックフレーム側に取り付けられる固定縁から、前記サイドエアバッグ装置におけるエアバッグ袋体の展開方向である前記ドア側サイド部のフロント表皮側及びサイド表皮側に夫々延びて、シートバック表皮の縫合部に共縫いされ、前記エアバッグ袋体の展開時に該共縫い領域のうち主として上部領域及び下部領域に対して開裂のための張力を作用させる第1力布と、前記固定縁から前記ドア側サイド部の前記フロント表皮側及び前記サイド表皮側に、前記第1力布に沿って夫々延びて、前記シートバック表皮の前記縫合部のうち、前記上部領域及び前記下部領域の間の中間領域に共縫いされ、前記エアバッグ袋体の展開時に該中間領域に対して開裂のための張力を作用させる第2力布と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載のサイドエアバッグ装置を備えた車両用シートでは、第1力布及び第2力布が、シートバックのドア側サイド部におけるシートバック表皮の縫合部に共縫いされており、エアバッグ袋体の展開時には、第1力布が、該共縫い領域のうち主として上部領域及び下部領域に対して開裂のための張力を作用させると共に、第2力布が、共縫い領域の中間領域に対して開裂のための張力を作用させることができる。このため、シートバック表皮の縫合部の広い範囲に対して、より強い張力を作用させることができ、これによって、シートバック表皮の縫合部を広い範囲でより効率的に開裂させることが可能である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のサイドエアバッグ装置を備えた車両用シートにおいて、前記第1力布は、前記固定縁から前記縫合部に共縫いされる縫合縁に向けて幅広となる先拡がり部を有すると共に、前記エアバッグ袋体の展開時に該先拡がり部に生ずる張力を部分的に抑制可能な張力抑制手段を有していることを特徴としている。
請求項2に記載のサイドエアバッグ装置を備えた車両用シートでは、第1力布が、シートバックフレーム側に取り付けられる固定縁から縫合部に共縫いされる縫合縁に向けて幅広となる先拡がり部を有すると共に、エアバッグ袋体の展開時に該先拡がり部に生ずる張力を部分的に抑制可能な張力抑制手段を有しているので、該張力を共縫い領域の主として上部領域及び下部領域に集中的に作用させることができる。このため、共縫い領域の主として上部領域及び下部領域を第1力布の張力により開裂させ、該共縫い領域の主として中間領域を第2力布の張力により開裂させることで、シートバック表皮の縫合部を広い範囲でより一層効率的に開裂させることが可能である。
請求項3の発明は、請求項2に記載のサイドエアバッグ装置を備えた車両用シートにおいて、前記張力抑制手段として、前記先拡がり部に貫通孔が設けられていることを特徴としている。
請求項3に記載のサイドエアバッグ装置を備えた車両用シートでは、第1力布の先拡がり部に、張力抑制手段として貫通孔が設けられているので、エアバッグ袋体の展開時に、該先拡がり部のうち該貫通孔以外の部位に張力を集中させることができ、共縫い領域の主として上部領域及び下部領域に対する該張力の集中化を容易に行うことができる。
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載のサイドエアバッグ装置を備えた車両用シートにおいて、前記張力抑制手段として、前記先拡がり部に、前記縫合縁に向かって開口する切欠き部が設けられ、該縫合縁は、該切欠き部により、前記上部領域及び前記下部領域に対応して二股に形成されていることを特徴としている。
請求項4に記載のサイドエアバッグ装置を備えた車両用シートでは、第1力布の先拡がり部に、張力抑制手段として、縫合縁に向かって開口する切欠き部が設けられ、該切欠き部により該縫合縁が共縫い領域の上部領域及び下部領域に対応して二股に形成されているので、エアバッグ袋体の展開時に、共縫い領域の上部領域及び下部領域に張力をより集中させることができる。
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載のサイドエアバッグ装置を備えた車両用シートによれば、シートバック表皮の縫合部を広い範囲でより効率的に開裂させることができる、という優れた効果が得られる。
請求項2に記載のサイドエアバッグ装置を備えた車両用シートによれば、シートバック表皮の縫合部を広い範囲でより一層効率的に開裂させることができる、という優れた効果が得られる。
請求項3に記載のサイドエアバッグ装置を備えた車両用シートによれば、共縫い領域の主として上部領域及び下部領域に対する該張力の集中化を容易に行うことができる、という優れた効果が得られる。
請求項4に記載のサイドエアバッグ装置を備えた車両用シートによれば、共縫い領域の上部領域及び下部領域に張力をより集中させることができる、という優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
図1において、本実施の形態に係るサイドエアバッグ装置を備えた車両用シート10は、乗員の背もたれとなるシートバック12のドア側サイド部12Aに、サイドエアバッグ装置14と、第1力布21と、第2力布22とを有すると共に、シートバック12内にウレタン等の樹脂を用いて所定の硬度に設定されたシートバックパッド16(図2参照)を含んで構成されている。
図2に示されるように、シートバック12の表面を覆うシートバック表皮18は、例えばシートバック12の中央部前面を覆うセンター表皮23と、該センター表皮23に縫合されシートバック12のドア側サイド部12Aの前面を覆うフロント表皮24と、シートバック12の中央部後面を覆うリヤ表皮26と、該リヤ表皮26に縫合されシートバック12のドア側サイド部12Aの後面から側面を覆うサイド表皮28とに分割され、フロント表皮24とサイド表皮28とは縫合部30において縫合され、該縫合部30には第1力布21及び第2力布22も共縫いされている。
図2に示されるように、サイドエアバッグ装置14には、ボルト32が立設されており、このボルト32とナット34によって、サイドエアバッグ装置14がシートバックフレーム36のサイド部36Aに装着されている。ここで、シートバックフレーム36は、シートバック12の骨格部材である。
サイドエアバッグ装置14のエアバッグケース38内には、折り畳んだエアバッグ袋体40が配設され、該エアバッグ袋体40内には、例えば円筒状のインフレータ42が配設されている。エアバッグケース38の少なくとも前側端から上下端には、例えばスリット38Aが形成され、エアバッグケース38における該スリット38Aよりもドア側部位は、リッド38Bとなっている。このリッド38Bは、インフレータ42から噴出したガスによりエアバッグ袋体40が展開した場合に、エアバッグケース38の後側端に形成されたヒンジ部(図示せず)を中心にして図示しないドア側へ展開するようになっている。インフレータ42としては、ガス発生剤封入タイプのものを用いてもよいし、高圧ガス封入タイプのものを用いてもよい。
インフレータ42の構成例について簡単に説明すると、前者のタイプの場合には、周面に複数のガス噴出口が形成された有底円筒形のハウジングと、このハウジング内に配設され燃焼することによりガスを発生するガス発生剤と、このガス発生剤の燃焼後の砕片を除去するフィルタと、ハウジングの開口側の端部に装着されてガス発生剤を燃焼させる電気着火式の点火装置と、を含んで構成されている。
一方、後者のタイプの場合には、有底円筒形のハウジングと、このハウジング内に配設された圧力隔壁と、この圧力隔壁及びハウジングによって隔成された室内に封入されたアルゴン・ヘリウム等の混合ガスと、圧力隔壁の近傍に移動可能に配置され移動することにより圧力隔壁を破断させる移動部材と、ハウジングの開口側の端部に装着されて移動部材を移動させる電気着火式の点火装置と、を含んで構成されている。なお、いずれのタイプのインフレータを用いたとしても、点火装置は側突状態検出用のセンサによって作動させられる。また、サイドエアバッグ装置14では、後述するエアバッグ袋体40が比較的小さくガス容量も少なくてよいことから、高圧ガス封入タイプのインフレータが用いられる場合が多い。
図1,図2に示されるように、第1力布21は、シートバックフレーム36側の例えば固定金具44に取り付けられる固定縁21Aから、サイドエアバッグ装置14におけるエアバッグ袋体40の展開方向であるドア側サイド部12Aのフロント表皮24側及びサイド表皮28側に夫々延びて、例えば固定縁21Aよりも幅広の縫合縁21Bにおいてフロント表皮24とサイド表皮28との縫合部30に夫々共縫いされている。
図3において、第1力布21の構成について展開状態で説明すると、第1力布21の一対の固定縁21Aは、一対の固定金具44に夫々一旦通され折り返された上で該第1力布21自身に夫々縫い合わされることで、該固定金具44に夫々固定されている。また第1力布21は、固定縁21Aから縫合部30に共縫いされる縫合縁21Bに向けて幅広となる先拡がり部21Cを有しており、該先拡がり部21Cの中央には、エアバッグ袋体40の展開時に該先拡がり部21Cに生ずる張力を部分的に抑制可能な張力抑制手段の一例たる貫通孔21Dが設けられている。貫通孔21Dは、例えば略三角形状の先拡がり部21Cの形状に合わせて、略三角形に形成されている。
先拡がり部21Cに貫通孔21Dを形成することにより、縫合部30に共縫いされる共縫い領域のうち中間領域30Bについては、エアバッグ袋体40の展開時に先拡がり部21Cに生ずる張力を抑制できるようになっている。また貫通孔21Dを設けることにより第1力布21を先拡がり部21Cに向かって略二股に分けることができ、上側帯部21Uを共縫い領域の上部領域30Aに対応させ、下側帯部21Lを共縫い領域の下部領域30Cに対応させることで、エアバッグ袋体40の展開時に、共縫い領域のうち主として該上部領域30A及び下部領域30Cに対して、第1力布21による開裂のための張力を集中的に作用させることができるようになっている。
第1力布21の縫合縁21Bの長さは任意であるが、エアバッグ袋体40を図示しない乗員の肩から腰にまで対応して展開させるためには、縫合部30が車両上下方向の広い範囲で開裂することが望ましく、このような場合には縫合縁21Bの長さは車両上下方向に長く設定される。なお、第1力布21は、例えば脂肪族ポリアミド繊維を用いた織布であり、その織り目の方向は第2力布22の長手方向に対して傾き、該長手方向がバイアス方向、即ち伸びやすい方向となっている。
図2において、第2力布22は、第1力布21と共に固定金具44に固定された固定縁22Aからドア側サイド部12Aのフロント表皮24側及びサイド表皮28側に、第1力布21の外側に沿って夫々延びて、上部領域30A及び下部領域30Cの間の中間領域30B(図1)に共縫いされ、例えば第1力布21の縫合縁21Bよりも幅狭に形成されている。これにより、第2力布22は、エアバッグ袋体40の展開時に中間領域30Bに対して開裂のための張力を集中的に作用させることができるようになっている。
第2力布22は、例えば脂肪族ポリアミド繊維を用いた等幅のベルト状の織布であり、その織り目の方向は該第2力布22の長手方向に対して平行及び直交する方向とされ、第2力布22がその長手方向に伸び難くなっている。このように、第2力布22は、第1力布21よりも第2力布22の長手方向に伸び難く構成されている。
なお、第2力布22を第1力布21よりも伸び難くする手段は、織り目の方向を変えるものに限られず、第2力布22の材質を、第1力布21よりも伸び難いものにしたり、繊維の太さを太くする等の手段を用いたりしてもよい。また、図3においては、第1力布21及び第2力布22が縫合縁21Bを中心として線対称に描かれ、固定縁21A,22Aから縫合縁21Bまでが同じ長さとなっているが、これに限られず、図2に示されるように、例えばフロント表皮24側に位置する第1力布21及び第2力布22の方が、サイド表皮28側に位置する第1力布21及び第2力布22よりも長くなっていてもよい。
図2に示されるように、固定金具44は、シートバックフレーム36に対し、ボルト46及びナット48を用いて、例えばシートバック12の幅方向に沿って、かつ一対の固定縁21A,22Aがボルト46を中心として互いに反対側に位置するように固定されている。なお、固定金具44の取付け状態や固定縁21A,22Aの位置は、図示のものに限られない。
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図1において、側面衝突によりサイドエアバッグ装置14が作動し、エアバッグケース38内のエアバッグ袋体40(図2参照)が膨張展開する場合に、シートバック表皮18を縫合部30において効率的に開裂させるためには、シートバック表皮18の伸びを抑制して、該シートバック表皮18の縫合部30における所定の開裂部、即ち該シートバック表皮18と第1力布21及び第2力布22との共縫い領域にエアバッグ袋体40の膨張圧力を集中させることが望ましい。
その点、本実施形態に係るサイドエアバッグ装置を備えた車両用シート10では、第1力布21及び第2力布22が、シートバック12のドア側サイド部12Aにおけるシートバック表皮18の縫合部30に共縫いされており(図2参照)、エアバッグ袋体40の展開時には、第1力布21が、該共縫い領域のうち主として上部領域30A及び下部領域30Cに対して開裂のための張力を作用させると共に、第2力布22が、共縫い領域の中間領域30Bに対して開裂のための張力を作用させるようになっている。
具体的には、縫合部30に共縫いされる第1力布21の縫合縁21Bを車両上下方向に長く設定しつつ、中間領域30Bについては貫通孔21Dを設け、エアバッグ袋体40の膨張展開時における張力を抑制することによって、第1力布21の張力を上部領域30A及び下部領域30Cに集中させる一方、中間領域30Bについては第2力布22の張力を集中させることで、シートバック表皮18の縫合部30をより広い範囲でより効率的に開裂させることが可能である。
エアバッグ袋体40の膨張展開時における、より詳細な作用について説明すると、図4(A)において、まず側面衝突によりインフレータ42(図2参照)が作動して、該インフレータ42から噴出するガスによりエアバッグ袋体40が膨張展開し始める。すると、その膨張圧力によりエアバッグケース38のリッド38Bが押し開かれ、エアバッグ袋体40の膨張圧力が第1力布21及び第2力布22に作用して行く。
具体的には、第2力布22は、第1力布21の外側に配設されているので、第1力布21の領域内に作用したエアバッグ袋体40の膨張圧力は、該第1力布21を通じて第2力布22に伝達される。第1力布21及び第2力布22は、何れもシートバック表皮18よりも伸び難いので、第1力布21と重なっている領域のシートバック表皮18はあまり伸びることがなく、エアバッグ袋体40の膨張圧力は第1力布21及び第2力布22に集中することになる。
特に、第2力布22は、図1に示されるように、共縫い領域における中間領域30Bに幅狭のベルト状に配置されており、かつ第1力布21よりも伸び難く構成されているので、エアバッグ袋体40の膨張圧力により該第2力布22に生じる張力は大きくなる。従って、共縫い領域における中間領域30Bに対して、第2力布22の張力を集中させることが容易であり、図4(B)に示されるように、縫合部30の共縫い領域における中間領域30Bを開裂させることができる。なお、通常状態において、第1力布21を第2力布22よりも弛ませておくと、該第1力布21に張力が生じるよりも早い段階で第2力布22に大きな張力を生じさせることができるので、縫合部30を中間領域30Bから開裂させることがより一層容易である。
一方、図1において、第1力布21は、シートバックフレーム36側に取り付けられる固定縁21A(図2参照)から縫合部30に共縫いされる縫合縁21Bに向けて幅広となる先拡がり部21Cを有すると共に、該先拡がり部21Cに、エアバッグ袋体40の展開時に該先拡がり部21Cに生ずる張力を部分的に抑制可能な貫通孔21Dを有しているので、エアバッグ袋体40の展開時に、該先拡がり部21Cのうち該貫通孔21D以外の部位、即ち上側帯部21U及び下側帯部21Lに張力を集中させることができる。従って、共縫い領域の主として上部領域30A及び下部領域30Cに対する第1力布21の張力の集中化を容易に行うことができ、図4(B)に示されるように、縫合部30の共縫い領域における上部領域30A及び下部領域30Cを開裂させることができる。
即ち、共縫い領域の主として上部領域30A及び下部領域30Cを第1力布21の張力により開裂させ、該共縫い領域の主として中間領域30Bを第2力布22の張力により開裂させることで、シートバック表皮18の縫合部30を広い範囲でより一層効率的に開裂させることが可能である。
具体的には、縫合部30の共縫い領域に開裂のための張力が集中的に作用することにより、該共縫い領域を縫い合わせていた糸(図示せず)に応力集中が生じて該糸が破断する。これにより、縫合部30が開裂し始め、エアバッグ袋体40の更なる展開に伴って更に車両上下方向に開裂して行く(図4(C))。この結果、縫合部30が広範囲で開裂するので、エアバッグ袋体40の展開に必要な開口50が確保され、エアバッグ袋体40を、シートバック12のドア側サイド部12Aから乗員とドアとの間に正しく展開させることが可能となる。
[第2実施形態]
図5において、本実施の形態に係るサイドエアバッグ装置を備えた車両用シート20では、第1力布21の構成と、縫合部30の共縫い領域における上部領域30A、中間領域30B及び下部領域30Cの配置とが、第1実施形態と相違している。
図6において、第1力布21の構成について展開状態で説明すると、第1力布21の先拡がり部21Cに、張力抑制手段の一例として、縫合縁21Bに向かって開口する切欠き部21Kが設けられ、該縫合縁21Bは、該切欠き部21Kにより、上部領域30A及び下部領域30Cに対応して二股に形成されている。図6に示されるように、上側帯部21U及び下側帯部21Lがこの二股に対応しており、エアバッグ袋体40の展開時に、共縫い領域のうち主として該上部領域30A及び下部領域30Cに対して、第1力布21による開裂のための張力を集中的に作用させることができるようになっている。
共縫い領域の上部領域30A、中間領域30B及び下部領域30Cは、第1実施形態のように一直線上には配置されておらず、図5に示されるように、上側帯部21Uの縫合縁21Bがシートバック表皮18に共縫いされている上部領域30Aは、例えばシートバック12のドア側サイド部12Aの車幅方向内側上部であり、下側帯部21Lの縫合縁21Bが共縫いされている下部領域30Cは、例えばドア側サイド部12Aの車幅方向外側下部である。そして第2力布22の端縁が共縫いされている中間領域30Bは、上部領域30Aの下方位置と下部領域30Cの上方位置との間を横方向に連なるように配置されている。即ち、上部領域30Aから中間領域30Bを通って下部領域30Cに至る縫合部30の形状が、シートバック12の前方から見てクランク形状又は稲妻形状等に構成されている。
なお、縫合部30の形状は、図示のものに限られず、第1実施形態と同様に、共縫い領域における上部領域30A、中間領域30B及び下部領域30Cを車両上下方向に配置してもよい。
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。サイドエアバッグ装置を備えた車両用シート20では、第1力布21の先拡がり部21Cに、張力抑制手段として、縫合縁21Bに向かって開口する切欠き部21Kが設けられ、該切欠き部21Kにより該縫合縁21Bが共縫い領域の上部領域30A及び下部領域30Cに対応して二股に形成されているので、エアバッグ袋体40の展開時に第1力布21に生じる張力を、共縫い領域の上部領域30A及び下部領域30Cに、より集中させることができる。共縫い領域の中間領域30Bに対しては、第2力布22に生じる張力を集中させることができる。
エアバッグ袋体40の膨張展開時における、より詳細な作用について説明すると、図7(A)において、まず側面衝突によりインフレータ42(図2参照)が作動して、該インフレータ42から噴出するガスによりエアバッグ袋体40が膨張展開し始める。すると、その膨張圧力によりエアバッグケース38のリッド38Bが押し開かれ、エアバッグ袋体40の膨張圧力が第1力布21及び第2力布22に作用し、該第1力布21及び第2力布22に、縫合部30を開裂させるための張力が集中的に生じる。
このとき第2力布22に生じる張力が、共縫い領域における中間領域30Bに対して集中することにより、図7(B)に示されるように、縫合部30が、該中間領域30Bから開裂し始める。
エアバッグ袋体40が更に膨張展開して行くと、二股に形成された第1力布21の上側帯部21U及び下側帯部21Lに生じる張力が増大して行き、共縫い領域の主として上部領域30A及び下部領域30Cに、開裂のための張力が集中する。これにより、図7(C)に示されるように、車両上下方向及び車幅方向における位置が異なる該上部領域30A及び下部領域30Cが開裂するので、シートバック表皮18の縫合部30を、車両上下方向及び車幅方向に広い範囲で、効率的に開裂させることができる。
縫合部30が広範囲で開裂することにより、エアバッグ袋体40の展開に必要な開口50が確保され、エアバッグ袋体40を、シートバック12のドア側サイド部12Aから乗員とドアとの間に正しく展開させることが可能となる。
なお、第1力布21の先拡がり部21Cに設ける張力抑制手段として、第1実施形態では貫通孔21Dを挙げ、第2実施形態では切欠き部21Kを挙げて説明したが、張力抑制手段はこれらのものに限られず、例えば、先拡がり部21Cに貫通孔21Dと切欠き部21Kの両方を設けたり、先拡がり部21Cの一部の厚さを薄くしたり、先拡がり部21Cを部分的に伸び易くしたり、更には先拡がり部21Cに多数の貫通孔を設けたりしてもよい。
また第1力布21及び第2力布22は、車両用シートの他の部分、例えばシートクッションやヘッドレスト、又は車両用シート以外の部位等における表皮の縫合部にも用いることができる。即ち、エアバッグ装置が、例えば車両用シートにおけるシートクッションやヘッドレスト、又は車両用シート以外の部位等に内設されている場合でも、これらの力布を表皮の縫合部に適宜配置することで、該縫合部を効率的に開裂させることができる。
図1から図4は、第1実施形態に係り、図1は、サイドエアバッグ装置を備えた車両用シートにおけるシートバックのドア側サイド部の内部構成を示す部分破断斜視図である。 サイドエアバッグ装置を備えた車両用シートにおけるシートバックのドア側サイド部の内部構成を示す断面図である。 第1力布及び第2力布の展開図である。 (A)サイドエアバッグ装置を備えた車両用シートにおいて、サイドエアバッグ装置が作動し、エアバッグ袋体が膨張展開し始めた状態を示す斜視図である。(B)エアバッグ袋体が更に膨張展開し、シートバック表皮の縫合部が、共縫い領域における上部領域、中間領域及び下部領域において開裂した状態を示す斜視図である。(C)縫合部が車両上下方向に広い範囲で開裂してエアバッグ袋体がシートバックの外部へ展開した状態を示す斜視図である。 図5から図7は、第2実施形態に係り、図5は、サイドエアバッグ装置を備えた車両用シートにおけるシートバックのドア側サイド部の内部構成を示す部分破断斜視図である。 第1力布及び第2力布の展開図である。 (A)サイドエアバッグ装置を備えた車両用シートにおいて、サイドエアバッグ装置が作動し、エアバッグ袋体が膨張展開し始めた状態を示す斜視図である。(B)エアバッグ袋体が更に膨張展開し、シートバック表皮の縫合部が、共縫い領域における中間領域において開裂した状態を示す斜視図である。(C)縫合部が車両上下方向及び車幅方向に広い範囲で開裂して、エアバッグ袋体がシートバックの外部へ展開した状態を示す斜視図である。
符号の説明
10 サイドエアバッグ装置を備えた車両用シート
12 シートバック
12A ドア側サイド部
14 サイドエアバッグ装置
18 シートバック表皮
20 サイドエアバッグ装置を備えた車両用シート
21 第1力布
21A 固定縁
21B 縫合縁
21C 先拡がり部
21D 貫通孔(張力抑制手段)
21K 切欠き部(張力抑制手段)
22 第2力布
22A 固定縁
24 フロント表皮
28 サイド表皮
30 縫合部
30A 上部領域
30B 中間領域
30C 下部領域
36 シートバックフレーム
40 エアバッグ袋体

Claims (4)

  1. シートバックのドア側サイド部に内設されたサイドエアバッグ装置と、
    シートバックフレーム側に取り付けられる固定縁から、前記サイドエアバッグ装置におけるエアバッグ袋体の展開方向である前記ドア側サイド部のフロント表皮側及びサイド表皮側に夫々延びて、シートバック表皮の縫合部に共縫いされ、前記エアバッグ袋体の展開時に該共縫い領域のうち主として上部領域及び下部領域に対して開裂のための張力を作用させる第1力布と、
    前記固定縁から前記ドア側サイド部の前記フロント表皮側及び前記サイド表皮側に、前記第1力布に沿って夫々延びて、前記シートバック表皮の前記縫合部のうち、前記上部領域及び前記下部領域の間の中間領域に共縫いされ、前記エアバッグ袋体の展開時に該中間領域に対して開裂のための張力を作用させる第2力布と、
    を有することを特徴とするサイドエアバッグ装置を備えた車両用シート。
  2. 前記第1力布は、前記固定縁から前記縫合部に共縫いされる縫合縁に向けて幅広となる先拡がり部を有すると共に、前記エアバッグ袋体の展開時に該先拡がり部に生ずる張力を部分的に抑制可能な張力抑制手段を有していることを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグ装置を備えた車両用シート。
  3. 前記張力抑制手段として、前記先拡がり部に貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のサイドエアバッグ装置を備えた車両用シート。
  4. 前記張力抑制手段として、前記先拡がり部に、前記縫合縁に向かって開口する切欠き部が設けられ、
    該縫合縁は、該切欠き部により、前記上部領域及び前記下部領域に対応して二股に形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のサイドエアバッグ装置を備えた車両用シート。
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