JP5398898B2 - 車両のサイドエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、乗員と車体側部の間に展開してシートに着座した乗員を保護する車両のサイドエアバッグ装置に関するものである。
シートに着座した乗員を保護するエアバッグ装置として、衝撃入力時に、エアバッグ袋体が乗員と車体側部の間に展開するサイドエアバッグ装置が知られている。このサイドエアバッグ装置は、ガスを発生するインフレータと、折り畳まれたエアバッグ袋体がシートバックの側部に収納されており、衝撃の入力時にインフレータからエアバッグ袋体にガスが導入されると、エアバッグがシートバックのシート表皮を破断して乗員と車体側部の間に展開する。
ところで、この種のサイドエアバッグ装置においては、シート表皮の縫製糸による縫い目等がエアバッグ展開時における破断境界部となるが、シート表皮の破断境界部の近傍部分がエアバッグ展開時に伸びると、破断境界部での所望通りの破断が難しくなる。
このため、これに対処するサイドエアバッグ装置として、シート表皮の破断境界部に臨む境界縁部とシートフレーム側の支持部材を拘束力布(張力付与手段)で結合し、エアバッグの展開時に、拘束力布によって破断境界部の近傍に張力を付与するようにしたものが案出されている(特許文献1参照)。
一方、サイドエアバッグ装置として、乗員の腰部の側方に展開する下部チャンバと、乗員の胸部を含む上体の側方に展開する上部チャンバとを別に備え、衝撃入力時に、各チャンバがそれぞれ異なる特性をもって展開するものが案出されている(特許文献2参照)。
このサイドエアバッグ装置は、乗員の身体の各部の特性を考慮して、展開時における下部チャンバと上部チャンバの内圧を異ならせるようにしたものであり、インフレータから下部チャンバに導入されるガス流入量と上部チャンバに導入されるガス流入量も異なっている。
特開2003−127815号公報 特開2000−177527号公報
しかしながら、このようなサイドエアバッグ装置は、シート表皮の破断境界部において、上下方向の領域の一方が他方に対して破断遅れが生じると、他方の破断境界部が開きすぎたり、上下方向で開きタイミングが大きくずれたりすることがある。
そこで、この発明は、破断境界部を上下方向で安定的に破断させることのできる車両のサイドエアバッグ装置を提供しようとするものである。
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、シートに着座した乗員の側方を拘束するエアバッグ袋体と、前記エアバッグ袋体にガスを導入して膨張展開させるインフレータと、シート表皮の破断境界部に臨む境界縁部と当該境界縁部よりも車両前後方向後側に位置する支持手段とを連結して、前記境界縁部に張力を付与する第一張力付与手段と、を備えた車両のサイドエアバッグ装置において、前記第一張力付与手段を、前記シート表皮の車幅方向内側の境界縁部と前記支持手段を連結する内側拘束力布と、前記シート表皮の車幅方向外側の境界縁部と前記支持手段を連結する外側拘束力布と、を備えた構成とし、前記内側拘束力布と前記外側拘束力布の少なくともいずれか一方の上側または下側に配置されて、前記支持手段との間に位置してシート表皮の破断境界部に臨む境界縁部に張力を付与する第二張力付与手段を設け、前記第二張力付与手段を、シート表皮の破断境界部に臨む境界縁部上の、前記内側拘束力布と前記外側拘束力布の少なくとも一方が接続される個所に対して少なくとも一部を接続したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両のサイドエアバッグ装置において、前記第一張力付与手段は、前記境界縁部とシートフレーム近傍に連結されており、前記第二張力付与手段は、前記第一張力付与手段の前記内側拘束力布または前記外側拘束力布の上側に配置されるとともに、前記シート表皮の前記境界縁部と前記支持手段とを連結して、前記境界縁部上の前記内側拘束力布と前記外側拘束力布の少なくとも一方が接続される個所に接続される領域に張力を付与する力布を有していることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両のサイドエアバッグ装置において、前記第一張力付与手段の内側拘束力布と外側拘束力布の前記境界縁部に対する接続部の下端の高さが略一致させてあることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のサイドエアバッグ装置において、前記第二張力付与手段は、前記第一張力付与手段の前記内側拘束力布または前記外側拘束力布の上側に配置されるとともに、前記シート表皮の前記境界縁部と前記支持手段とを連結して、前記境界縁部上の前記内側拘束力布と前記外側拘束力布の少なくとも一方が接続される個所に接続される領域に張力を付与する力布を有し、前記第一張力付与手段と前記第二張力付与手段のいずれかの力布は、前記支持手段側の上下幅よりも、前記境界縁部側の上下幅の方が大きいことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のサイドエアバッグ装置において、前記第二張力付与手段は、前記第一張力付与手段の前記内側拘束力布または前記外側拘束力布の上側に配置されるとともに、前記シート表皮の前記境界縁部と前記支持手段とを連結して、前記境界縁部上の前記内側拘束力布と前記外側拘束力布の少なくとも一方が接続される個所に接続される領域に張力を付与する力布を有し、前記第二張力付与手段の前記力布は、前記支持手段側の上下幅よりも、前記境界縁部側の上下幅の方が大きいことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のサイドエアバッグ装置において、前記第二張力付与手段は、前記第一張力付与手段の前記内側拘束力布または前記外側拘束力布の上側に配置されるとともに、前記シート表皮の前記境界縁部と前記支持手段とを連結して、前記境界縁部上の前記内側拘束力布と前記外側拘束力布の少なくとも一方が接続される個所に接続される領域に張力を付与する力布を有し、前記第二張力付与手段の前記力布は、前記支持手段に結合される付根部側から前記境界縁部に結合される先端側に向かって末広がり状に形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、第二張力付与手段を、シート表皮の境界縁部上の、第一張力付与手段の内側拘束力布または外側拘束力布の接合される個所とオーバーラップする領域に接合したため、上下方向の一方の破断境界部に伝達された破断応力を、オーバーラップ部を通して他方の破断境界部に伝達し、破断の遅れる側の破断境界部の破断を促すことができる。
参考例を示す車室内の部分的な斜視図。 同参考例のエアバッグ袋体の膨張展開時の正面図。 同参考例のエアバッグ袋体の折り畳み状態を示す正面図。 同参考例を示すものであり、シートバックを模式的な断面にして示したときのエアバッグユニットの側面図。 同参考例ののエアバッグユニットとシートフレームを車体後方側から見た模式的な斜視図。 同参考例のエアバッグユニットとシートフレームを車体正面側から見た図。 同参考例の拘束力布の繊維の折り方向のイメージを示す図。 同参考例の拘束力布の繊維の折り方向のイメージを示す図。 この発明の実施形態のエアバッグユニットとシートフレームを車体正面側から見た図。
以下、参考例とこの発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する参考例と実施形態は同一部分に同一符号を付し、重複する説明を省略するものとする。また、以下の説明においては、特別に断らない限り、上下と前後は車体に取付けた状態での上下と前後を意味するものとする。
最初に図1〜図8に示す参考例について説明する。
図1は、参考例のサイドエアバッグ装置1を適用した車両の車室内を示すものである。同図に示すように、運転席側のシート2Aと助手席側のシート2Bの各シートバック4のドア5側の側縁部にサイドエアバッグ装置1が夫々収納されている。このサイドエアバッグ装置1は、側面衝突時等の衝撃入力時に、シートバック4の側部から乗員と車体側部の間に展開するエアバッグ袋体6を備えている。
図2は、シートバック4の側部から車体前方側に展開したエアバッグ袋体6を示すものである。サイドエアバッグ装置1は、同図に示すように、エアバッグ袋体6の他に、衝撃を感知してエアバッグ袋体6に導入するガスを発生するインフレータ7を備えている。そして、エアバッグ袋体6は、所定形状に折り畳まれた状態でインフレータ7とともにエアバッグケース8に収容され、これらがエアバッグユニット9としてシートバック4のドア5側の側部に収容されている。
ここで、エアバッグ袋体6を図2に示す展開状態をもって説明すると、このエアバッグ袋体6は、複数の基布が重合状態で縫製されて全体が縦長楕円の袋状に形成されるとともに、縫製によって内側領域に、インフレータ7の吐出ガスを上下2方向の経路に導入するためガス導入通路10と、ガスが導入されて膨張展開する上部チャンバ11と下部チャンバ12とが隔成されている。
具体的には、エアバッグ袋体6には、その後縁部に沿って縦長のガス導入通路10が形成され、このガス導入通路10の下方側に、シート2A,2Bに着座した乗員の腰部の側方領域を拘束する下部チャンバ12が形成されるとともに、ガス導入通路10の上方側に、シート2A,2Bに着座した乗員の胸部を中心とする上体の側方領域を拘束する上部チャンバ11が形成されている。なお、下部チャンバ12および上部チャンバ11はそれぞれ異なる内圧にて展開するよう設定されている。
また、図2中14,15は、エアバッグ袋体の幅方向の膨出を制限する膨出制限部であり、20は、上部チャンバ内のガス圧上昇を抑制するベントホールである。
図3は、エアバッグ袋体6の折り畳み状態を示すものである。エアバッグ袋体6は、同図に示すように、例えばロール折りによって畳まれている。上部チャンバ11を含むエアバッグ袋体6の上部側は、前端部側から後部に向かって略水平に巻かれ、下部チャンバ12を含むエアバッグ袋体6の下部側は、前端部から後部に向かって斜め上方に巻かれている。したがって、エアバッグ袋体6の展開時には、上部チャンバ11は前方側に向かってほぼ水平に展開し、下部チャンバ12は前方側に向かって斜め下前に展開する。
図4は、エアバッグユニット9をシートバック4の側部の模式的な断面とともに示すものであり、図5,図6は、エアバッグユニット9を車幅方向外側のシートフレーム25とともに示すものである。
エアバッグユニット9の外皮を成すエアバッグケース8は全体が縦長の長方体状に形成され、図5,図6に示すように、シートフレーム25側に配置されるケース本体26と、ケース本体26の車外側の開口部を閉塞するバッグカバー27とによって構成されている。バッグカバー27は、後端側でケース本体26にヒンジ結合され、インフレータ7の発生ガスによるエアバッグ袋体6の膨張によって、ヒンジ部を中心として前部側を開口するようになっている。また、シートフレーム25に取り付けられたエアバッグユニット9は、図4に示すように、その周囲をシート表皮28によって覆われているが、エアバッグユニット9の前方側のシート表皮28には、上下方向に略沿って破断境界部aとなる縫製糸による縫い目が設けられている。この破断境界部aはエアバッグケース8と同様にエアバッグ袋体6の展開圧を受けて破断する。
シートフレーム25の後部には、外径の太い支柱ワイヤ29の上下の端部が結合され、その支柱ワイヤ29の中間部が車幅方向内側に向かって屈曲して延出し、車幅方向内側の延出部には、外側支持ワイヤ30と内側支持ワイヤ31の端部が係止されている。外側支持ワイヤ30は、両端部が支柱ワイヤ29に係止されるとともに、中間部がシートフレーム25の後面側を回り込んで車幅方向外側に延出しており、その延出部には、シートフレーム25の延出方向に略沿う上側支持部30aと、この上側支持部30aに対して車幅方向内側に傾斜した下側支持部30bが設けられている。内側支持ワイヤ31は、両端部が同様に支柱ワイヤ29に係止されるとともに、中間部がシートフレーム25の車幅方向内側を通って前面側に回り込んでいる。また、外側支持ワイヤ30の下端部は、図5に示すようにブラケット32を介してシートフレーム25の後面にも直接支持されている。さらに、内側支持ワイヤ31の下端には、一端がシートフレーム25の後面側でブラケット32に支持固定された第2の内側支持ワイヤ33の他端が係止されている。この第2の内側支持ワイヤ33は略コ字状に形成され、中間部がシートフレーム25の車幅方向外側を回り込むように配置されている。
ところで、シート表皮28の破断境界部aのうちの、上部チャンバ11の展開領域に対応する部位と、下部チャンバ12の展開領域に対応する部位には、破断境界部aに臨むシート表皮28の両側の境界縁部に張力を付与するための上部側張力付与手段34と下部側張力付与手段35がそれぞれ設けられている。なお、以下では説明の都合上、上部チャンバ11の展開領域に対応する車幅方向内側と外側の境界縁部を「上部内側縁部」と「上部外側縁部」とそれぞれ呼び、同様に、下部チャンバ12の展開領域に対応する車幅方向内側と外側の境界縁部を「下部内側縁部」と「下部外側縁部」とそれぞれ呼ぶものとする。
上部側張力付与手段34は、内側支持ワイヤ31と破断境界部aの上部内側縁部を連結する内側拘束力布34Aと、外側支持ワイヤ30の上側支持部30aと破断境界部aの上部外側縁部を連結する外側拘束力布34Bによって構成されており、下部側張力付与手段35は、第2の内側支持ワイヤ33と破断境界部aの下部内側縁部を連結する内側拘束力布35Aと、外側支持ワイヤ30の下側支持部30bと破断境界部aの下部内側縁部を連結する外側拘束力布35Bによって構成されている。
上部側張力付与手段34と下部側張力付与手段35の各外側拘束力布34B,35Bは、外側支持ワイヤ30に結合される付根部側からシート表皮28に結合される先端部側に向かって末広がり状の略扇形に形成されるとともに、エアバッグケース8のバッグカバー27の外側を覆うように延設されている。また、上部側張力付与手段34の内側拘束力布34Aはほぼ一定幅に形成され、下部側張力付与手段35の内側拘束力布35Aは付根部側から先端側に向かって先細り状に形成されている。
下部側張力付与手段35では、外側拘束力布35Bとシート表皮28の接続部と、内側拘束力布35Aとシート表皮28の接続部は、両者の下端位置が略一致し、かつ、各拘束力布35B,35Aのシート表皮28との接続部長さが外側拘束力布35Bの方が内側拘束力布35Aよりも長く設定されている。また、上部側張力付与手段34でも同様に、外側拘束力布34Bとシート表皮28の接続部と、内側拘束力布34Aとシート表皮28の接続部の下端位置が略一致し、かつ、各拘束力布34B,34Aのシート表皮28との接続部長さが外側拘束力布34Bの方が内側拘束力布34Aよりも長く設定されている。すなわち、下部側張力付与手段35と上部側張力付与手段34は、いずれも、外側と内側の対応する拘束力布35B,35A、および、34B,34Aは、シート表皮28との接続部の下端位置を略一致させた状態で、シート表皮28との接続部のうちの、一部のみが上下方向でオーバーラップするようになっている。なお、図5,図6中、38は、破断応力を外側拘束力布34Bの上下それぞれに集中させるための切欠きである。
また、上部側張力付与手段34の各拘束力布34A,34Bは、図7に示すように、繊維の織方向と織方等によって決まる難伸縮方向がシートフレーム25の延出方向と垂直な第1の方向Daに設定されている。この第1の方向Daは、上部チャンバ11の望ましい初期展開方向と略一致している。
一方、下部側張力付与手段35の各拘束力布35A,35Bは、図8に示すように、繊維の折方向と織方等によって決まる難伸縮方向が、第1の方向Daに対し前部側が下方に傾斜した第2の方向Dbに設定されている。この第2の方向Dbは、下部チャンバ12の望ましい初期展開方向と略一致している。
以上の構成において、車両の側面衝突等の衝撃が入力されてインフレータ7がガスを発生すると、そのガスがエアバッグ袋体6のガス導入通路10を通して上部チャンバ11と下部チャンバ12に導入されるようになる。こうして、上部チャンバ11と下部チャンバ12にガスが導入されると、両チャンバ11,12がエアバッグケース8のケース本体26とバッグカバー27を開いて前方に膨出し、両チャンバ11,12による展開圧と、シート表皮28の破断境界部aの縁部に作用する各拘束力布34A,34B,35A,35Bの張力によってシート表皮28が破断される。
このとき、下部チャンバ12のガス圧は、上部チャンバ11のガス圧よりも速く上昇するため、下部チャンバ12が上部チャンバ11よりも先に前部下方に飛び出そうとするが、下部側張力付与手段35側の内側拘束力布35Aと外側拘束力布35Bは、下部近傍の一部のみがオーバーラップするようにシート表皮28に接続されているため、拘束力布35A,35Bによる破断応力は破断境界部aの下部チャンバ12の展開領域の下部付近に集中する。したがって、これにより破断境界部aは下部チャンバ12の展開領域の下部付近が最初に破断し、下部チャンバ12が破断境界部の破断を上方側に拡大しつつ前方側下方に向かって展開するようになる。
また、上部チャンバ11が前方に飛び出そうとすると、上部側張力付与手段34の各拘束力布34A,34Bのシート表皮28側のオーバーラップした接続個所(上部チャンバ11の展開領域の下端)に同様に破断応力が集中し、これにより、上部チャンバ11が破断境界部aのうちの展開領域の下端に対応する位置を最初に破断し、破断境界部aの破断を上方側に拡大しつつ前方側から上方側に向かって展開するようになる。
したがって、このサイドエアバッグ装置1においては、下部チャンバ12を膨張初期の段階において下端側から前方下方に速やかに展開させて、乗員の腰部の側方を早期に押圧状態で拘束することができる。
また、上部チャンバ11も膨張初期の段階で、下部チャンバ12の展開の影響を受けることなく、下端側から前方に速やかに展開させることができるため、乗員の上体を側方から所定の姿勢で速やかに拘束することができる。さらに、上部チャンバ11は前方から上方側に膨張する比較的大型のものであるが、このサイドエアバッグ装置1においては、破断境界部aが下端側から上方側に向かって漸次破断されるため、膨張中期から膨張完了までに上部チャンバ11を前方から上方に向けて速やかに展開することができる。
さらに、このサイドエアバッグ装置1の場合、上部側張力付与手段34の各拘束力布34A,34Bの難伸縮方向がシートフレーム25と垂直な第1の方向Daに設定され、下部側張力付与手段35の各拘束力布35A,35Bの難伸縮方向が第1の方向Daに対して前方下側に傾斜する第2の方向Dbに設定されているため、上部チャンバ11の展開方向を前方側に、下部チャンバ12の展開方向を前方斜め下方に夫々確実に促すことができる。
また、この参考例のサイドエアバッグ装置1においては、上部側張力付与手段34の内側拘束力布34Aが内側支持ワイヤ31を介してシートフレーム25に支持され、下部側張力付与手段35の内側拘束力布35Aが第2の内側支持ワイヤ33を介してシートフレーム25に支持されているため、各内側拘束力布34A,35Aに作用する大きな力を別体のワイヤ31,33で適切な方向から確実に支持することができる。エアバッグユニット9のシートフレーム25側は膨張圧の逃げスペースがなく、内側拘束力布34A,35Aには大きな力が作用する傾向にあるが、この構造を採用することによって内側拘束力布34A,35Aに作用する大きな力をシートフレーム25に確実に支持させることができる。
図9は、この発明の実施形態を示すものである。この実施形態のサイドエアバッグ装置101は、基本的な構成は上述した参考例とほぼ同様であるが、上部側張力付与手段134(第二張力付与手段)の内側拘束力布134Aのみが異なっている。
すなわち、内側拘束力布134Aは、内側支持ワイヤ31に結合される付根部側から先端側に向かって末広がり状に形成され、先端側のシート表皮との接続部の上端側が上部側張力付与手段134の外側拘束力布34Bの下端に部分的にオーバラップするとともに、下端側が下部側張力付与手段35(第一張力付与手段)の外側拘束力布35Bの上端に部分的にオーバーラップするようになっている。
このサイドエアバッグ装置101の場合、上部側張力付与手段134の内側拘束力布134Aのシート表皮との接続部と、下部側張力付与手段35の外側拘束力布35Bのシート表皮との接続部が上下方向でオーバーラップしているため、参考例と同様の基本的な効果を得ることができる他に、上部側張力付与手段134と下部側張力付与手段35の一方から入力される破断応力を他方側の破断領域に伝達することができるという利点がある。
したがって、上部チャンバに対応する破断境界部の下端の破断が遅れているときには、その下端の破断を促すことができ、逆に、下部チャンバに対応する破断境界部の上端の破断が遅れているときには、その上端の破断を促すことができる。これにより、下部チャンバと上部チャンバの一方が圧力差によって開き過ぎたり、開きタイミングが大きくずれたりするのを防止することができる。特に、初期段階における下部チャンバへのガス流入量が上部チャンバよりも大きい場合に有効である。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
101…サイドエアバッグ装置
6…エアバッグ袋体
7…インフレータ
25…シートフレーム
28…シート表皮
30…外側支持ワイヤ(支持手段)
31…内側支持ワイヤ(支持手段)
33…第2の内側支持ワイヤ(支持手段)
35…下部側張力付与手段(第一張力付与手段)
134…上部側張力付与手段(第二張力付与手段)
134A…内側拘束力布
35B…外側拘束力布

Claims (6)

  1. シートに着座した乗員の側方を拘束するエアバッグ袋体と、
    前記エアバッグ袋体にガスを導入して膨張展開させるインフレータと、
    シート表皮の破断境界部に臨む境界縁部と当該境界縁部よりも車両前後方向後側に位置する支持手段とを連結して、前記境界縁部に張力を付与する第一張力付与手段と、
    を備えた車両のサイドエアバッグ装置において、
    前記第一張力付与手段を、前記シート表皮の車幅方向内側の境界縁部と前記支持手段を連結する内側拘束力布と、前記シート表皮の車幅方向外側の境界縁部と前記支持手段を連結する外側拘束力布と、を備えた構成とし、
    前記内側拘束力布と前記外側拘束力布の少なくともいずれか一方の上側または下側に配置されて、前記支持手段との間に位置してシート表皮の破断境界部に臨む境界縁部に張力を付与する第二張力付与手段を設け、
    前記第二張力付与手段を、シート表皮の破断境界部に臨む境界縁部上の、前記内側拘束力布と前記外側拘束力布の少なくとも一方が接続される個所に対して少なくとも一部を接続したことを特徴とする車両のサイドエアバッグ装置。
  2. 前記第一張力付与手段は、前記境界縁部とシートフレーム近傍に連結されており、
    前記第二張力付与手段は、前記第一張力付与手段の前記内側拘束力布または前記外側拘束力布の上側に配置されるとともに、前記シート表皮の前記境界縁部と前記支持手段とを連結して、前記境界縁部上の前記内側拘束力布と前記外側拘束力布の少なくとも一方が接続される個所に接続される領域に張力を付与する力布を有していることを特徴とする請求項1に記載の車両のサイドエアバッグ装置。
  3. 前記第一張力付与手段の内側拘束力布と外側拘束力布の前記境界縁部に対する接続部の下端の高さが略一致させてあることを特徴とする請求項1または2に記載の車両のサイドエアバッグ装置。
  4. 前記第二張力付与手段は、前記第一張力付与手段の前記内側拘束力布または前記外側拘束力布の上側に配置されるとともに、前記シート表皮の前記境界縁部と前記支持手段とを連結して、前記境界縁部上の前記内側拘束力布と前記外側拘束力布の少なくとも一方が接続される個所に接続される領域に張力を付与する力布を有し、
    前記第一張力付与手段と前記第二張力付与手段のいずれかの力布は、前記支持手段側の上下幅よりも、前記境界縁部側の上下幅の方が大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のサイドエアバッグ装置。
  5. 前記第二張力付与手段は、前記第一張力付与手段の前記内側拘束力布または前記外側拘束力布の上側に配置されるとともに、前記シート表皮の前記境界縁部と前記支持手段とを連結して、前記境界縁部上の前記内側拘束力布と前記外側拘束力布の少なくとも一方が接続される個所に接続される領域に張力を付与する力布を有し、
    前記第二張力付与手段の前記力布は、前記支持手段側の上下幅よりも、前記境界縁部側の上下幅の方が大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のサイドエアバッグ装置。
  6. 前記第二張力付与手段は、前記第一張力付与手段の前記内側拘束力布または前記外側拘束力布の上側に配置されるとともに、前記シート表皮の前記境界縁部と前記支持手段とを連結して、前記境界縁部上の前記内側拘束力布と前記外側拘束力布の少なくとも一方が接続される個所に接続される領域に張力を付与する力布を有し、
    前記第二張力付与手段の前記力布は、前記支持手段に結合される付根部側から前記境界縁部に結合される先端側に向かって末広がり状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のサイドエアバッグ装置。
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