次に、発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のサイドエアバッグ装置1は、車両としての自動車の後部座席に適用されるものであり、シートSと車体の側壁BSとの間に配置されている。詳細には、シートSは、シートクッションS1とシートバックS2を有し、サイドエアバッグ装置1は、シートバックS2と側壁BSの間に配置されている。
シートバックS2は、前に倒すことができるように下端部を軸として前後に回動可能に設けられている。一方、サイドエアバッグ装置1は、車体の側壁BSに固定されており、シートバックS2には固定されていない。このため、シートSを動かしたとき、具体的には、シートバックS2を前に倒したときに、サイドエアバッグ装置1が側壁BSに残った状態で露出する。サイドエアバッグ装置1は、シートバックS2を前に倒したときに、シートS側の面である内側面1S(図16(a)参照)が露出する。シートバックS2が図1に示す起立状態のとき、サイドエアバッグ装置1の前面は、シートバックS2の前面と略面一である。このため、サイドエアバッグ装置1は、通常のシートSの使用時においては、外見的にシートバックS2の一部となる。
なお、本実施形態においては、車体の左側(シートSの左側)に配置されるサイドエアバッグ装置1について説明するが、車体の右側にも、略左右対称な構成のサイドエアバッグ装置を設けることができる。また、本実施形態においては、特に断りが無い限り、左右方向の内側および外側は、サイドエアバッグ装置1自体ではなく、車両の車体を基準とする。すなわち、車体の左右中心に近い側を内側、車体の左右中心から遠い側を外側とする。サイドエアバッグ装置1から見ると、左右内側は「シートS側」に相当し、左右外側は「車体側」に相当する。また、前後および上下は、特に断りが無い限り、シートSを基準とする。
図1のサイドエアバッグ装置1において、前面には、エアバッグ11(図6参照)が展開するときに、裂けて広がる裂開部1Cが上下に長く設けられている。
図2(a)に示すように、車体は、サイドパネル300を有している。サイドパネル300は、金属からなり、側壁BSを構成する側壁部310と、側壁部310から左右内側に膨出するホイールハウス320と、ストライカ設置部330とを有している。
ホイールハウス320は、タイヤTを収容する部位である。ホイールハウス320のタイヤTの上部に対応した位置には、エアバッグ取付ブラケット340が溶接などにより固定されている。エアバッグ取付ブラケット340は、サイドエアバッグ装置1を車体に取り付けるための部材であり、金属板からなる。図3に示すように、エアバッグ取付ブラケット340は、サイドエアバッグ装置1を固定するボルト93Bが挿通される孔341を有している。また、エアバッグ取付ブラケット340は、左右外側の面にナット93Nが溶接されている。
図2(a)に戻り、ストライカ設置部330は、ストライカ350の設置面を確保する部位であり、サイドパネル300の上部に溶接などにより固定されている。図2(b)に示すように、ストライカ350は、車体のサイドパネル300から左右内側に突出するU字形状の部材であり、金属からなる。詳細には、ストライカ350は、サイドパネル300から突出するように設けられた一対の第1棒状部351と、一対の第1棒状部351の先端同士を接続する第2棒状部352とを有している。シートSのシートバックS2は、ストライカ350と係合可能な図示しないラッチ機構を有しており、前に倒した状態から起こされてラッチ機構がストライカ350と係合することで、起立状態にロックされる。
ストライカ350は、ベースブラケット360を介して車体のストライカ設置部330に固定されている。ベースブラケット360は、金属板からなり、ストライカ設置部330に取り付けられるベース部361と、ベース部361の上端から左右内側に延びる接続部362と、接続部362の左右内側の端から上方に延びるエアバッグ固定部363とを有している。エアバッグ固定部363には、ボルト92Bが左右内側に突出するように溶接により固定されている。ストライカ350は、ベース部361に溶接などにより固定されている。ベースブラケット360は、複数のボルト364によってストライカ設置部330に固定されている。
図3に示すように、サイドエアバッグ装置1は、エアバッグモジュール10と、ケース2と、力布30と、第1ブラケット100とを備える。
エアバッグモジュール10は、エアバッグ11と、エアバッグ11内にガスを供給するインフレータ12とを有する。インフレータ12は、当該インフレータ12を第1ブラケット100に固定するための、突出する2本のボルト12Bを有する。インフレータ12は、このボルト12Bにおいて第1ブラケット100に固定されている。エアバッグ11は、インフレータ12のガス圧により展開可能なように畳まれて、インフレータ12の周囲にまとめられている。
ケース2は、エアバッグモジュール10が内部に取り付けられることで、エアバッグモジュール10を収容する。ケース2は、ベース部材BAと、ベース部材BAを覆うパッド70(図6参照)と、ベース部材BAおよびパッド70を覆う表皮部材80(図6参照)とを備えている。
ベース部材BAは、車体に固定される部材であり、第2ブラケット200と、フレーム部材としてのワイヤフレーム20とを備えている。
第2ブラケット200は、ワイヤフレーム20とともにケース2の骨格を構成する。第2ブラケット200は、第1ブラケット100が取り付けられる板状の部材であり、板金からなる。第2ブラケット200は、本体部210と、切欠き部220と、第1延出部230と、第2延出部240とを有している。
切欠き部220は、本体部210の上下方向中央部の後側の縁に形成されている。切欠き部220は、ストライカ350が通る部分である。
本体部210の、切欠き部220の上側の部分には、車体に固定される車体固定部としての第1車体固定部210Aが設けられている。第1車体固定部210Aには、サイドエアバッグ装置1を車体に固定する際に用いられる固定孔211が形成されている。また、本体部210の、切欠き部220の下側の部分には、第1ブラケット100を固定する際に用いられるブラケット固定部212が設けられている。ブラケット固定部212は、本体部210に孔218(図18参照)が開けられているとともに、右側の側面にナット91Nが溶接されている。
本体部210には、係合孔213が形成されている。係合孔213は、その後側に略上下に延びる第1縁部213Aを有し、下側に略水平に延びる第2縁部213Bを有する。
また、本体部210の前縁には、台形状に突出した接合部214が形成され、本体部210の上縁には、台形状に突出した2つの接合部215が形成されている。
第1延出部230は、本体部210の下端の後部から下方に延出している。第1延出部230は、本体部210の下端から左右外側の斜め下方に延びる傾斜部231と、傾斜部231の下端から下方に延びる車体固定部としての第2車体固定部232とを有している。第2車体固定部232は、本体部210よりも左右方向外側に位置している。第2車体固定部232は、第1車体固定部210Aよりも下方に配置されている。第2車体固定部232には、サイドエアバッグ装置1を車体に固定する際に用いられる固定孔233と、第1ブラケット100を第2ブラケット200に固定する際に用いられる係合孔234とが形成されている。固定孔233は、ボルト93Bが通る円形の孔であり、係合孔234は、第1ブラケット100の下端の舌部152が係合する矩形の孔である。係合孔234は、固定孔233の下方に配置されている。
第2延出部240は、本体部210の下端の前部から下方に延出している。第2延出部240は、本体部210の下端から下方に延びる延在部241と、延在部241の下端から左右外側に延びるブラケット下端部242とを有している。
ワイヤフレーム20は、金属のワイヤ(金属棒)からなる。ワイヤフレーム20は、第2ブラケット200に溶接などにより固定されている。なお、図においては、溶接による接合部分をドットハッチにより示している。
ワイヤフレーム20は、第1ワイヤ21と、第2ワイヤ22と、第3ワイヤ23と、第4ワイヤ24とを有し、これら4本のワイヤ21~24を溶接により接合することで構成されている。なお、本実施形態では、4本のワイヤ21~24によりワイヤフレーム20を構成しているが、ワイヤフレーム20を構成するワイヤの数は任意である。
第1ワイヤ21は、第3ワイヤ23とともにケース2の外観形状を規定する。第1ワイヤ21は、サイドエアバッグ装置1の前部および上部の左右外側の輪郭に沿って形成されたフレーム部21Aと、フレーム部21Aの下端から後方に延びる接続部21Bとを有している。フレーム部21Aは、上下に延びるインフレータ12の長手方向(以下、単に「長手方向」ともいう。)に沿うように略上下に延びる第1延在部としての前フレーム部21Dと、前フレーム部21Dの上端から後方に屈曲して略前後に延びる上フレーム部21Eとを有している。接続部21Bは、第2ブラケット200のブラケット下端部242に接合されている。
第3ワイヤ23は、サイドエアバッグ装置1の前部および上部の左右内側の輪郭に沿って形成されたフレーム部23Aと、フレーム部23Aの上端から左右外側に延びる連結部23Bと、フレーム部23Aの下端から後方に延びる接続部23Cとを有している。連結部23Bの左右外側の端は、前方に屈曲して延びており、この前方に延びた部分が第1ワイヤ21のフレーム部21Aの上端部に接合されている。接続部23Cは、第2ブラケット200に接合されている。また、フレーム部23Aは、第2ブラケット200の接合部214,215の先端部に接合されている。
第4ワイヤ24は、一端が第1ワイヤ21のフレーム部21Aに接合され、他端が第3ワイヤ23のフレーム部23Aに接合され、これにより、第1ワイヤ21と第3ワイヤ23を連結している。
第2ワイヤ22は、延在部22Aと、延在部22Aの上端から左右内側に延びる連結部22Bと、連結部22Bの左右内側の端から後方に延びる接続部22Cとを有している。図4に示すように、延在部22Aは、第1ワイヤ21の前フレーム部21Dに沿うように略上下に延びる第2延在部としての前延在部22Dと、前延在部22Dの上端から後方に屈曲して上フレーム部21Eに沿うように略前後に延びる上延在部22Eとを有している。また、延在部22Aは、複数の表皮取付部22Fと、屈曲凸部22Gとを有している。
表皮取付部22Fは、表皮部材80(図6参照)に設けられたフック81が係合可能な部分であり、前延在部22Dに3箇所設けられ、上延在部22Eに1箇所設けられている。
屈曲凸部22Gは、前に凸となるように屈曲した部分であり、前延在部22Dの上部に形成されている。屈曲凸部22Gは、前延在部22Dの、隣り合う2つの表皮取付部22Fの間、具体的には、前延在部22Dの最も上方に位置する表皮取付部22Fと、その下方に隣接して位置する表皮取付部22Fとの間に形成されている。
第2ワイヤ22は、接続部22Cが第2ブラケット200の左右外側の面に接合されており、延在部22Aの下端部が第1ワイヤ21のフレーム部21Aの下端部に接合されている。また、第2ワイヤ22は、屈曲凸部22Gが第1ワイヤ21の前フレーム部21Dに接合されている。これにより、第2ワイヤ22は、隣り合う2つの表皮取付部22Fの間の部分の1箇所が第1ワイヤ21に固定されている。
第2ワイヤ22の延在部22Aは、第1ワイヤ21のフレーム部21Aに沿うように配置されている。詳細には、第2ワイヤ22は、左右方向から見て、前延在部22Dが前フレーム部21Dの後方で前フレーム部21Dに沿うように配置され、上延在部22Eが上フレーム部21Eの下方で上フレーム部21Eに沿うように配置されている。
また、図6に示すように、前延在部22Dは、前側から見て、前フレーム部21Dよりもケース2の左右方向内側に寄った位置に配置されている(第2ワイヤ22の中心線C1参照)。そして、前延在部22Dは、その一部である左右外側の部分が、前側から見て、前フレーム部21Dの左右内側の部分と前後に重なって配置されている。また、上延在部22E(図4参照)は、後ろにいくにつれて左右内側に位置するように斜めに延びており、その全体が前フレーム部21Dよりもケース2の左右方向内側に寄った位置に配置されている。このような前延在部22Dおよび上延在部22Eの配置により、延在部22Aに設けられた各表皮取付部22Fは、第1ワイヤ21の前フレーム部21Dよりもケース2の内側(内部)、さらに言えば、ケース2の左右内側に寄った位置に配置されている。
ケース2は、ワイヤフレーム20および第2ブラケット200がパッド70にインサート成形されている。これにより、パッド70は、ワイヤフレーム20および第2ブラケット200を覆っている。そして、パッド70の外側を表皮部材80が覆っている。
表皮部材80は、サイドエアバッグ装置1の外表面を構成する部材であり、布地や皮革などからなる。表皮部材80は、第2ブラケット200、ワイヤフレーム20およびパッド70を、主に、前側、上側および左右内側から覆っている。表皮部材80の詳細については後述する。
図5に示すように、パッド70は、前壁71と、前壁71の上端部から後方に延びる上壁72と、前壁71の下端部から後方に延びる下壁73と、前壁71の左右内側の端部から後方に延びる側壁74とを備えている。側壁74は、上端部が上壁72の左右内側の端部とつながるととともに、下端部が下壁73の左右内側の端部とつながっている。
前壁71は、エアバッグモジュール10(図6参照)の前側に配置される部分であり、エアバッグ11の展開時にエアバッグ11をケース2の外部に出すためのエアバッグ11が通るスリット71Aを有している。スリット71Aは、上下に長く延びている。図6に示すように、表皮部材80は、パッド70のスリット71Aに入り込んでパッド70の表面に沿って配置されている。表皮部材80のスリット71Aに入り込んだ2枚の部分は、図7に示すように、互いに弱い縫製部85により縫製されている。
図5および図6に示すように、前壁71は、その後面71Bにエアバッグモジュール10に向けて凸となる凸部75を有している。ここで、前壁71の後面71Bは、凸部75よりも下側に位置する後面下部71Cと、凸部75よりも上側に位置する後面上部71Dとを有しており、凸部75は、後面下部71Cよりも後側に突出しているとともに、後面上部71Dよりも後側に突出している。別の言い方をすると、前壁71の後面71Bは、後面下部71Cおよび後面上部71Dの両方が凸部75に対して前側に凹んだ形状となっている。
凸部75は、スリット71Aの左右両側にそれぞれ設けられている。詳細には、凸部75は、スリット71Aの左右外側に設けられた第1凸部75Aと、スリット71Aの左右内側に設けられた第2凸部75Bとを含む。第1凸部75Aおよび第2凸部75Bは、上下に長い形状を有しているが、その上下の長さは、スリット71Aの上下の長さよりも短い。第1凸部75Aおよび第2凸部75Bは、スリット71Aの上端および下端から離れた上下方向中央部に設けられている。
図7に示すように、第1凸部75Aおよび第2凸部75Bのスリット71A側の側面F11,F12は、スリット71Aの内面F21,F22と面一である。詳細には、第1凸部75Aの左右内側を向く側面F11とスリット71Aの内面のうち左右内側を向く面(F21)は、その間に段差が無くフラットな状態であり、第2凸部75Bの左右外側を向く側面F12とスリット71Aの内面のうち左右外側を向く面(F22)は、その間に段差が無くフラットな状態である。
図6に示すように、力布30は、エアバッグ11の展開時にエアバッグ11の展開方向を規制するとともに、裂開部1Cを開くための部材である。力布30は、外側力布としての第1力布31と、内側力布としての第2力布32とを備える。
第1力布31は、パッド70に設けられたスリット71Aから車両の左右外側に向けて延びるとともに、エアバッグ11(エアバッグモジュール10)に対し車両の左右外側を通るように配置されている。また、第2力布32は、スリット71Aから車両の左右内側に向けて延びるとともに、第1力布31に対し車両の左右内側に配置されている。
図7に示すように、第1力布31および第2力布32の各前端部は、スリット71Aに入り込んで表皮部材80に取り付けられている。具体的には、第1力布31の前端部は、縫製部85よりも丈夫な縫製部86により、表皮部材80のうちスリット71Aの内面F21を覆う部分の後端部に縫製され、第2力布32の前端部は、縫製部85よりも丈夫な縫製部86により、表皮部材80のうちスリット71Aの内面F22を覆う部分の後端部に縫製されている。
図6に戻り、力布30は、力布30とは別の、取付部材としての連結部材CNにより、第1ブラケット100に固定された固定ワイヤ60に固定されている。詳細には、連結部材CNは、内側取付部材および第2取付部材としての第1取付ワイヤ40と、外側取付部材および第1取付部材としての第2取付ワイヤ50とを備えており、第1力布31および第2力布32は、後端部にリング部R1,R2を有している。そして、第1力布31は、リング部R1に第2取付ワイヤ50が取り付けられており、第2取付ワイヤ50により固定ワイヤ60に固定されている。また、第2力布32は、リング部R2に第1取付ワイヤ40が取り付けられており、第1取付ワイヤ40により固定ワイヤ60に固定されている。
図8に示すように、第1力布31は、当該第1力布31を構成する布の後端部を折り重ね、折り重ねた部分を上下方向に沿って縫い合わせることで、リング部R1が形成されている。第1力布31は、リング部R1を含む第1力布上部31Aと、第1力布上部31Aより下に位置する第1力布下部31Bと、第1力布上部31Aの前端部に形成された前側に開口する切欠き部31Cとを有している。
第2力布32は、当該第2力布32を構成する布の上側部分の後端部を折り重ね、折り重ねた部分を上下方向に沿って縫い合わせることで、リング部R2が形成されている。第2力布32は、リング部R2を含む第2力布上部32Aと、第1力布上部31Aより下に位置するとともに、第1力布上部31Aよりも後側まで延びる第2力布下部32Bと、フック取付布33と、フック35とを有している。
フック取付布33は、第2力布下部32Bの後側部分の上端部に縫合される縫合部33Aと、縫合部33Aの前端部から延びる接続部33Bとを主に有している。接続部33Bの端部には、フック35が、縫い付けたり、接着したりすることで取り付けられている。接続部33Bは、フック取付布33が第2力布32に縫合された状態で、上側に折り返すことで、第2力布下部32Bから上に延びるように配置され、これによって、フック35は、接続部33Bの上側に位置する端部に配置された状態となる。
フック35は、第2ブラケット200に形成された係合孔213の第2縁部213Bに引っ掛けられる(図3、図18参照)。これにより、フック35は、インフレータ12の長手方向における第2力布下部32Bの縁、具体的には、第2力布下部32Bの上縁(後述するループ部30Aの上縁の左右内側部分)をケース2に固定する。接続部33Bは、フック35から離れるほど幅広となる台形形状を有している。
図9に示すように、第1力布下部31Bと第2力布下部32Bは、後端部同士が上下方向に沿って縫い合わされている。これにより、力布30は、長手方向から見て、エアバッグモジュール10を囲むループ部30Aを有している。なお、本実施形態では、第1力布31と第2力布32が別の布により構成されているが、第1力布と第2力布は、1枚の布により構成されていてもよい。そして、この場合には、ループ部も1枚の布により構成することができる。
図6に示すように、パッド70の前壁71に設けられた凸部75は、エアバッグモジュール10側、すなわち、後側から見て、力布30で覆われている。詳細には、第1凸部75Aは、後側から見て、第1力布31で覆われており、第2凸部75Bは、後側から見て、第2力布32で覆われている。
図3に示すように、第1ブラケット100は、エアバッグモジュール10が固定される板状の部材であり、板金からなる。第1ブラケット100は、エアバッグモジュール10が取り付けられた状態でケース2を構成する第2ブラケット200に固定される。
第1ブラケット100は、エアバッグモジュール10が固定される本体部110と、膨出部としてのハーネス対向部120と、コネクタ固定部130と、切欠き部140と、第1固定部150と、第2固定部160と、第3固定部170とを有している。
本体部110は、エアバッグモジュール10が固定される部分であり、インフレータ12の2本のボルト12Bがそれぞれ挿通される2つの固定孔111が設けられている。固定孔111には、ボルト12Bが挿入され、ナット12Nがボルト12Bに螺合されることによりエアバッグモジュール10が本体部110に固定されている。エアバッグモジュール10は、本体部110の左右外側に配置される。また、本体部110には、連結部材CNを固定するための固定ワイヤ60が溶接などにより接合されている。また、本体部110の前端部には、その上端部分に対して後方に向けて凹む形状を形成する切欠き部110Aが形成されている。
ハーネス対向部120は、後述するハーネス400の第1部分410(図4参照)と左右に対向する部分であり、本体部110の上端から上方に延出している。ハーネス対向部120は、本体部110およびコネクタ固定部130に対し、エアバッグモジュール10が配置された左右外側と反対側の左右内側に向けて膨出している(図14も参照)。ハーネス対向部120の下部には、ハーネス400を第1ブラケット100に固定するためのクリップ441(図14参照)が係合する固定孔121が設けられている。
コネクタ固定部130は、後述するコネクタ450が固定される部分であり、ハーネス対向部120の上端の前部から上方に延出し、さらに後方に延出している。コネクタ固定部130は、ハーネス対向部120を挟んで本体部110とは反対側に配置されている。このため、コネクタ固定部130は、本体部110に固定されるエアバッグモジュール10のインフレータ12からハーネス対向部120よりも遠い位置に配置される。コネクタ固定部130の下部には、ハーネス400を第1ブラケット100に固定するためのクリップ442(図14、図15参照)が係合する固定孔131が設けられている。また、コネクタ固定部130の上部には、コネクタ450を第1ブラケット100に固定するためのクリップ460(図15参照)が係合する固定孔132が設けられている。
切欠き部140は、第1ブラケット100の上部の後側の縁に形成されている。切欠き部140は、ストライカ350が通る部分である。
第1固定部150は、本体部110の下端部に設けられており、本体部110に対して左右方向内側にずれて位置している。第1固定部150には、サイドエアバッグ装置1を車体に固定する際にボルト93Bが通る固定孔151が設けられている。第1固定部150の下端からは、第1ブラケット100を第2ブラケット200に固定する際に、第2ブラケット200の係合孔234に係合する舌部152が延出している。舌部152は、左右内側に屈曲して延びている。舌部152の前後方向の幅は、係合孔234の前後方向の幅と略同一である。
第2固定部160は、ハーネス対向部120の後端部に設けられており、ハーネス対向部120に対して左右方向内側にずれて位置している。第2固定部160には、第1ブラケット100を第2ブラケット200に固定する際にボルト91Bが挿入される固定孔161が設けられている。
第3固定部170は、コネクタ固定部130の後端部に設けられており、コネクタ固定部130に対して左右方向内側にずれて位置している。第3固定部170には、サイドエアバッグ装置1を車体に固定する際にボルト92Bが挿入される固定孔171が設けられている。
図10に示すように、第1取付ワイヤ40は、第2力布32に取り付けられる部材であり、第2取付ワイヤ50は、第1力布31に取り付けられる部材である。別の言い方をすると、第1取付ワイヤ40は、第2力布32を第1ブラケット100に取り付けるための部材であり、第2取付ワイヤ50は、第1力布31を第1ブラケット100に取り付けるための部材である。また、固定ワイヤ60は、第1取付ワイヤ40と第2取付ワイヤ50が固定される部材である。第1取付ワイヤ40、第2取付ワイヤ50および固定ワイヤ60は、金属からなる。
固定ワイヤ60は、第1ブラケット100に設けられた共通の被取付部であり、上下に延びるワイヤ取付部61と、ワイヤ取付部61の上下の端から前方に延びる一対の接続部62と、各接続部62の各前端から互いに近づくように上下に延びる一対の被固定部63とを有している。一対の被固定部63は、第1ブラケット100に固定されている(図3参照)。
ワイヤ取付部61は、第1ブラケット100に設けられる係合部として、取付ワイヤ40,50の後述する掛止部42,52が係合する部分が前方に向けて凸となるように屈曲した上下2つのワイヤ係合部61Aを有している。
第1取付ワイヤ40は、力布取付部としての上下に延びる第1力布取付部41と、ブラケット取付部としての上下2つの第1掛止部42と、第1力布取付部41の上端から後方に延びて上側の第1掛止部42につながる第1上延出部43と、第1力布取付部41の下端から後方に延びて下側の第1掛止部42につながる第1下延出部44とを有している。
第1力布取付部41は、第2力布32が取り付けられる部分である。第2力布32は、リング部R2に第1力布取付部41を通すことで、第1取付ワイヤ40に取り付けられる。
第1掛止部42は、固定ワイヤ60のワイヤ取付部61(ワイヤ係合部61A)に係合することで第1ブラケット100(図6参照)に取り付けられる部分であり、後方に凸となるように湾曲している。第1取付ワイヤ40は、第1掛止部42が、第1ブラケット100に固定された固定ワイヤ60のワイヤ係合部61Aに引っ掛けて取り付けられることにより、第1ブラケット100に取り付けられる。各第1掛止部42の各端部42Eは、屈曲して互いに近づくように上下に延びている。
図11に示すように、第1下延出部44は、前側部分が後ろにいくにつれて第1上延出部43に近づくように延び、後側部分が前後に略真っ直ぐ延びている。これにより、固定ワイヤ60に取り付けられる部分をコンパクトな構成としつつ、第1力布取付部41の上下の長さを確保することができる。このため、コンパクトでありながら、第2力布32によってエアバッグ11の展開方向を良好に規制することができる。
第1取付ワイヤ40は、第1下延出部44が上記したように延びているのに対し、第1上延出部43が上側の第1掛止部42に向けて前後に略真っ直ぐ延びているため、その形状が上下非対称である。詳しくは、第1取付ワイヤ40は、下側に、上下方向の一方、ここでは、下方に突出する張出部45を有しており、上側には、そのような張出部を有していない。張出部45は、第1力布取付部41の一部である下端部と、第1下延出部44の一部である前側部分を構成する。このような構成により、第1取付ワイヤ40は、第1力布取付部41の上下中央の位置P41が、上下2つの第1掛止部42の上下中央の位置P1に対して上下方向の一方である下にずれている。このため、第1取付ワイヤ40は、上下非対称な形状を有している。
ところで、図3に示すように、第1ブラケット100の第1固定部150、第2固定部160および第3固定部170は、本体部110に対して左右方向内側にずれており、一方、第2ブラケット200の第2車体固定部232は、本体部210に対して左右方向外側にずれているので、第1ブラケット100と第2ブラケット200を合わせた状態においては、図6に示すように、本体部110と本体部210の間に空間ができる。連結部材CNの一部、具体的には、第1取付ワイヤ40の一部である第1下延出部44および第1下延出部44の上に配置される図示しない第1上延出部43は、第1ブラケット100と第2ブラケット200の間の空間に配置されている。さらに説明すると、第1取付ワイヤ40の第1上延出部43および第1下延出部44は、第1ブラケット100の左右方向におけるエアバッグモジュール10と反対側、具体的には、第1ブラケット100の左右内側を通るように配置されている。
図10に戻り、第2取付ワイヤ50は、力布取付部としての上下に延びる第2力布取付部51と、ブラケット取付部としての上下2つの第2掛止部52と、第2力布取付部51の上端から左右内側に延びて上側の第2掛止部52につながる第2上延出部53と、第2力布取付部51の下端から左右内側に延びて下側の第2掛止部52につながる第2下延出部54とを有している。
第2力布取付部51は、第1力布31が取り付けられる部分である。第1力布31は、リング部R1に第2力布取付部51を通すことで、第2取付ワイヤ50に取り付けられる。
第2掛止部52は、固定ワイヤ60のワイヤ取付部61(ワイヤ係合部61A)に係合することで第1ブラケット100(図6参照)に取り付けられる部分であり、左右内側に凸となるように湾曲している。第2取付ワイヤ50は、第2掛止部52が、第1ブラケット100に固定された固定ワイヤ60のワイヤ係合部61Aに引っ掛けて取り付けられることにより、第1ブラケット100に取り付けられる。各第2掛止部52の各端部52Eは、屈曲して前方に延び、さらに、互いに近づくように上下方向に屈曲している。
第1取付ワイヤ40と第2取付ワイヤ50が固定ワイヤ60(第1ブラケット100)に取り付けられた状態において、上下2つの第2掛止部52は、上下2つの第1掛止部42の間に配置されている。また、第2掛止部52がワイヤ取付部61に係合した状態において、第2掛止部52の端部52Eは、第1掛止部42の端部42Eに係合している。このため、第1取付ワイヤ40が固定ワイヤ60に係合し、第2取付ワイヤ50が固定ワイヤ60に係合するだけでなく、第2取付ワイヤ50が第1取付ワイヤ40に係合して、これらの3部品の係合が容易には外れないようになっている。
図11に示すように、第2上延出部53および第2下延出部54は、後ろにいくにつれて互いに近づくように延びている。これにより、固定ワイヤ60に取り付けられる部分をコンパクトな構成としつつ、第2力布取付部51の上下の長さを確保することができる。このため、コンパクトで有りながら、第1力布31によってエアバッグ11の展開方向を良好に規制することができる。
第2取付ワイヤ50は、第2上延出部53の上下に延びる部分の長さが、第2下延出部54の上下に延びる部分の長さよりも長くなっているため、その形状が上下非対称である。詳しくは、第2取付ワイヤ50は、上方に突出する上側張出部55と、下方に突出する下側張出部56とを有している。上側張出部55は、第2力布取付部51の一部である上端部と、第2上延出部53を構成し、下側張出部56は、第2力布取付部51の一部である下端部と、第2下延出部54を構成する。上側張出部55は、下側張出部56よりも大きく突出している。このような構成により、第2取付ワイヤ50は、第2力布取付部51の上下中央の位置P51が、上下2つの第2掛止部52の上下中央の位置P1に対して上下方向の他方、ここでは、上にずれている。このため、第2取付ワイヤ50は、上下非対称な形状を有している。
第1力布31に取り付けられた第2取付ワイヤ50は、第1ブラケット100がケース2に固定される図6に示す第1姿勢から、図12に示すように、第1ブラケット100の前端部を中心として左右外側に所定角度θ回動した第2姿勢で第1力布31が第1ブラケット100のワイヤ係合部61Aに係合可能である。一方、第1力布31に取り付けられた第2取付ワイヤ50は、図6に示す、第1ブラケット100がケース2に固定された状態で第1力布31がほとんど伸縮することができないことによりワイヤ係合部61Aから離脱不能である。所定角度θは、一例として、20°が望ましく、30°がより望ましく、40°がさらに望ましい。
図6に示すように、第1取付ワイヤ40および第2取付ワイヤ50は、左右方向におけるワイヤフレーム20の幅内(図6に示した直線L1と直線L2の間)に配置されている。詳しくは、第1取付ワイヤ40および第2取付ワイヤ50は、左右方向において、第1下延出部44(および第1上延出部43)の左右内側の面から第2力布取付部51の左右外側の面までの長さが、第3ワイヤ23の左右内側の面から第1ワイヤ21の左右外側の面までの長さよりも小さく、第3ワイヤ23と第1ワイヤ21の間に配置されている。
図13に示すように、インフレータ12の上側のボルト12Bは、インフレータ12の長手方向において第2力布下部32Bと異なる位置に位置する。具体的には、上側のボルト12Bは、第2力布下部32B(ループ部30A)よりも上に位置している。なお、図13においては、第1力布31を二点鎖線で示し、第2力布32を一点鎖線で示している。
また、インフレータ12の2本のボルト12Bは、長手方向において第2力布上部32Aと重なる位置に位置し、かつ、第2力布上部32Aを貫通していない。具体的には、図6に示すように、第2力布上部32Aは前後方向に短く、ボルト12Bの真横、つまり右側までは延びていないので、第2力布上部32Aはボルト12Bと干渉しないように配置されている。そして、第2力布上部32Aと固定ワイヤ60とは、前後に長い第1取付ワイヤ40により連結されている。前後方向においてインフレータ12およびボルト12Bが位置する部分には、第1取付ワイヤ40が配置されている。
第1取付ワイヤ40は、図13に示すように左右方向から見て、ボルト12Bと異なる位置に配置されている。すなわち、第1取付ワイヤ40は、ボルト12Bと干渉しないように配置されている。一方で、第1取付ワイヤ40は、図6に示すように、上下方向から見て、第1下延出部44および第1下延出部44の上に配置される図示しない第1上延出部43が、ボルト12Bと重なる位置に配置されている。図13に戻り、上側のボルト12Bは、第1上延出部43と第1下延出部44の間に配置されており、下側のボルト12Bは、第1下延出部44の下に配置されている。
また、エアバッグモジュール10の、長手方向の一端部、具体的には、下端部は、第2力布下部32Bのループ部30Aに覆われている。また、第1ブラケット100の下端部は、長手方向における位置がループ部30Aと重なっている。別の言い方をすると、第1ブラケット100の下端部は、左右方向から見て、ループ部30Aと重なっている。
また、図4に示すように、第1取付ワイヤ40は、第1力布取付部41が、第1ブラケット100の前側であって、左右方向から見て第1ブラケット100と重ならない位置に配置されている。詳しくは、第1力布取付部41は、第1ブラケット100の本体部110に形成された切欠き部110Aに位置するように配置され、本体部110の前端部のうち、上端部分を除いた部分よりも前に配置されている。
エアバッグモジュール10には、インフレータ12に電気を供給するためのハーネス400が接続されている。ハーネス400は、一端部がインフレータ12に電気的に接続され、他端部が第1ブラケット100に固定されたコネクタ450に電気的に接続されている。ハーネス400は、インフレータ12の上下方向の他方の端部に接続され、当該端部から上下方向の他方に向けて延びている。具体的には、ハーネス400は、インフレータ12の上端部に接続され、インフレータ12の上端部から上方に向けて延びている。ハーネス400は、第1部分410と、第2部分420と、第3部分430とを有している。
第1部分410は、第1ブラケット100のハーネス対向部120のエアバッグモジュール10が配置された側と反対側、すなわち、左右内側に配置される部分である。また、図14に示すように、第1部分410は、第1ブラケット100が第2ブラケット200に固定された状態で第1ブラケット100と第2ブラケット200の間に配置されている。詳細には、第1部分410は、第1ブラケット100のハーネス対向部120と第2ブラケット200の本体部210との間の空間に配置されている。
第1部分410は、第2部分420側の第1端部411と、第3部分430側(第2部分420側と反対側)の第2端部412とを有し、第1端部411および第2端部412が第1ブラケット100の左右内側に固定されている。詳細には、第1端部411は、クリップ441に保持された状態で、クリップ441をハーネス対向部120の固定孔121に左右内側から係合させることで、第1ブラケット100の左右内側に固定されている。また、第2端部412は、クリップ442に保持された状態で、クリップ442をコネクタ固定部130の固定孔131に左右内側から係合させることで、第1ブラケット100の左右内側に固定されている。
第2部分420は、第1部分410の第1端部411から延びてインフレータ12(図4参照)に接続される部分である。インフレータ12に接続された第2部分420は、第1ブラケット100のエアバッグ11が展開する側と反対側、すなわち、第1ブラケット100の後側を通って第1部分410につながっている。さらに説明すると、第2部分420は、インフレータ12が配置される第1ブラケット100の左右外側からハーネス対向部120の後側を通って第1ブラケット100の左右内側に引き込まれ、第1部分410の第1端部411につながっている。
第3部分430は、第1部分410の第2端部412から延びてコネクタ450に接続される部分である。第3部分430は、第1ブラケット100の左右内側に位置する第1部分410の第2端部412からコネクタ固定部130の前側を通って第1ブラケット100のエアバッグモジュール10が配置された左右外側に引き出され、コネクタ450に接続されている。図15に示すように、第1ブラケット100のコネクタ固定部130は、第3部分430と対向する前端部に左右内側に向けて屈曲したフランジ133を有している。このため、第3部分430は、コネクタ固定部130の前端部に接触したとしても、第1ブラケット100を形成する板金のエッジ部分ではなく、フランジ133の曲面状の屈曲部分に接触する。
コネクタ450は、第1ブラケット100の左右外側に配置されている。コネクタ450は、コネクタ450に取り付けられたクリップ460をコネクタ固定部130の固定孔132(図3参照)に左右外側から係合させることで、第1ブラケット100の左右外側に固定されている。コネクタ450には、サイドエアバッグ装置1の外部に設けられた電源装置からインフレータ12に電気を供給するための図示しないハーネスのコネクタが接続される。
図6に示すように、表皮部材80は、第1表皮部材510と、第2表皮部材520と、留め具としての線ファスナ550とを備えている。
第1表皮部材510は、第1カバー部としての内側カバー部511と、前側カバー部512と、上側カバー部513(図16(b)参照)と、ベース固定部としての内側固定部514と、外側固定部515と、第3カバー部531と、第4カバー部541とを有している。
内側カバー部511は、ベース部材BAおよびパッド70を左右内側から覆う部分である。図16(b)に示すように、内側カバー部511は、サイドエアバッグ装置1が車体に取り付けられた状態で車体に設けられたストライカ350が挿通される第1孔516を有している。また、内側カバー部511は、第2ブラケット200の一部である車体固定部210A,232を露出させる開口517を有している。詳細には、開口517は、第1車体固定部210Aを露出させる第1開口517Aと、第2車体固定部232を露出させる第2開口517Bとを含む。
また、内側カバー部511は、パッド70の一部を露出させるスリット孔518および切欠き部519を有している。パッド70は、左右内側の面に、略前後に延び、左右内側に向けて凸となる稜線部76を有している。パッド70の左右内側の面は、車体のサイドパネル300(図2参照)の左右外側の面の形状に倣って、稜線部76の上側の部分が上下方向に沿うように延び、稜線部76の下側の部分が下にいくにつれて左右外側に位置するように斜めに延びている。スリット孔518は、パッド70の稜線部76に沿って略前後に延びるように形成されている。
前側カバー部512は、第2ブラケット200やパッド70を前側から覆う部分であり、内側カバー部511の前端から左右外側に向けて延びている。エアバッグ11が展開するときに裂ける裂開部1Cは、前側カバー部512に設けられている。
上側カバー部513は、第2ブラケット200やパッド70を上側から覆う部分であり、前側カバー部512の上端から後側に向けて延び、左右内側の端が前側カバー部512の上端とつながっている。
図6に示すように、内側固定部514は、内側カバー部511の後端から左右外側に延びている。内側固定部514は、パッド70の後端部に巻き付くように配置されて端部514Aがパッド70の左右外側の面と対向している。内側固定部514は、端部514Aに第2ブラケット200の係合孔213に係合可能なフック82を有している。フック82は、左右外側から係合孔213の第1縁部213A(図3参照)に引っ掛けられており、これにより、表皮部材80は、第1表皮部材510の内側固定部514がベース部材BAの第2ブラケット200に固定されている。
外側固定部515は、前側カバー部512の左右外側の端から後方に延びている。外側固定部515は、端部515Aにワイヤフレーム20の第2ワイヤ22に係合可能な係合部としてのフック81を有している。フック81は、左右外側から第2ワイヤ22の表皮取付部22Fに引っ掛けられており、これにより、表皮部材80は、第1表皮部材510の外側固定部515がベース部材BAのワイヤフレーム20に固定されている。フック81,82は、端部514A,515Aに、縫い付けたり、接着したりすることで取り付けられている。
パッド70の前壁71および上壁72には、第2ワイヤ22の表皮取付部22Fと対応する縁部に、それぞれ、フック81を受け入れ可能な凹部77が形成されている(図5も参照)。また、パッド70の前壁71には、車両の左右方向における凸部75の外側、具体的には、第1凸部75Aの左右外側に、表皮部材80の一部を受け入れ可能な凹部78が第1凸部75Aに沿って形成されている(図5も参照)。凹部77,78は、左右内側に向けて凹む形状を有しており、これによって、左右外側に開口している。凹部78に入り込む表皮部材80の一部は、例えば、外側固定部515の端部515A、詳細には、端部515Aの凹部77よりも後側の部分などである。
第3カバー部531は、エアバッグモジュール10の左右外側および後側を覆う部分であり、外側固定部515の端部515Aから後側に向けて延びている。詳細には、第3カバー部531は、前端部が端部515Aに縫い付けられている。第3カバー部531の後端部には、フック状の係合部材532が、縫い付けたり、接着したりすることで取り付けられている。
第4カバー部541は、内側カバー部511の後側の端部から左右外側に延びている。詳細には、第4カバー部541は、左右内側の端部が内側カバー部511の後端から延びる内側固定部514に縫い付けられている。第4カバー部541は、エアバッグモジュール10の後側に配置されている。第4カバー部541は、第3カバー部531と連結される。詳細には、第4カバー部541の左右外側の端部には、平板状の被係合部材542が、縫い付けたり、接着したりすることで取り付けられており、この被係合部材542を第3カバー部531の係合部材532に係合させることにより第3カバー部531と連結される。
第2表皮部材520は、第1表皮部材510の内側カバー部511を覆う第2カバー部521を有している。図16(a)に示すように、第2カバー部521は、サイドエアバッグ装置1の内側面1Sを形成する部分であり、前端部および上端部が内側カバー部511の前端部および上端部に縫い付けられている。第2カバー部521は、サイドエアバッグ装置1が車体に取り付けられた状態でストライカ350が挿通される第2孔526を有している。
線ファスナ550は、第2表皮部材520の第2カバー部521を第1表皮部材510に留めるための部材であり、第1表皮部材510および第2表皮部材520に設けられている。詳細には、図16(b)に示すように、線ファスナ550は、一対のエレメント551と1つのスライダ552を有し、一方のエレメント551が第1表皮部材510の内側カバー部511に取り付けられ、他方のエレメント551が第2表皮部材520の第2カバー部521に取り付けられている。図16(a)に示すように、線ファスナ550は、内側面1Sの後側の端部に沿うように配置されている。詳細には、線ファスナ550は、一方のエレメント551が内側カバー部511の後端部に沿うように配置され、他方のエレメント551が第2カバー部521の後端部に沿うように配置されている。
図17に示すように、第1表皮部材510の内側カバー部511には、プレート部材560が取り付けられ、第2表皮部材520の第2カバー部521には、布状部材570が取り付けられている。
プレート部材560は、樹脂からなる板状の部材であり、ストライカ350の一対の第1棒状部351が挿通される一対の挿通孔561と、一対の挿通孔561の間で一対の挿通孔561をつなぐように設けられた切れ目562とを有している。プレート部材560は、切れ目562を有することで、ストライカ350の第2棒状部352を通すことができ、これによって、一対の第1棒状部351を一対の挿通孔561に挿通させることができる。プレート部材560は、内側カバー部511の第1孔516の周囲の部分に左右外側から、縫い付けたり、接着したりすることで取り付けられている。
布状部材570は、表皮部材80と同様に、布地や皮革などからなる。布状部材570は、第2カバー部521の第2孔526に挿通されたストライカ350の一対の第1棒状部351の間の部分、さらに言えば、内側カバー部511に取り付けられたプレート部材560の一対の挿通孔561の間の部分(切れ目562)を覆う目隠し部571を有している。目隠し部571は、第2孔526から車室内側に露出する。布状部材570は、第2カバー部521の第2孔526の周囲の部分のうち、例えば、第2孔526の上側の部分に左右外側から、縫い付けたり、接着したりすることで取り付けられている。
次に、サイドエアバッグ装置1の組立方法(製造方法)と、サイドエアバッグ装置1の車体への取付方法の一例について説明する。
図3に示すように、まず、第2ブラケット200とワイヤフレーム20を溶接により固定してベース部材BAを形成する。次に、ベース部材BAを図示しない金型内に配置して、図12に示すように、パッド70をベース部材BAと一体成形する。
次に、表皮部材80の第1表皮部材510に力布30の前端部を結合する。そして、パッド70に表皮部材80(第1表皮部材510)を被せ、表皮部材80を第2ブラケット200およびワイヤフレーム20に固定する。具体的には、内側固定部514の端部514Aに取り付けられたフック82を第2ブラケット200の係合孔213に引っ掛けるとともに、外側固定部515の端部515Aに取り付けられたフック81をワイヤフレーム20の表皮取付部22Fに引っ掛ける。
次に、力布30(第1力布31および第2力布32)をパッド70のスリット71Aの前から後に通す(力布挿通工程)。これにより、図18に示すようにパッド70の前壁71から力布30が後に延出した状態となる。その後、第1取付ワイヤ40を第2力布32のリング部R2に通して、第1取付ワイヤ40を第2力布32に取り付けるとともに、第2取付ワイヤ50を第1力布31のリング部R1に通して、第2取付ワイヤ50を第1力布31に取り付ける。そして、第2力布32のフック35を第2ブラケット200の係合孔213に引っ掛ける。これにより、第2力布32の下部に設けられたループ部30Aは、その上縁の左右内側の部分が、第2ブラケット200に沿い、上縁が開いた状態に維持される。また、第1取付ワイヤ40を第2ブラケット200の左右外側を通すように、第2ブラケット200の左右外側に配置しておく。
また、図3に示すようにエアバッグモジュール10を第1ブラケット100に取り付けておく(モジュール取付工程)。具体的には、2つのボルト12Bを第1ブラケット100の固定孔111に通し、ナット12Nを締結する。また、図14に示すように、エアバッグモジュール10から延びるハーネス400と、ハーネス400の端部に設けられたコネクタ450を第1ブラケット100に取り付ける(ハーネス取付工程)。具体的には、ハーネス400を第1ブラケット100の後側を通して左右内側に取り回し、第1部分410の第1端部411に取り付けたクリップ441を第1ブラケット100の固定孔121に係合する。また、第1部分410の第2端部412に取り付けたクリップ442を第1ブラケット100の固定孔131に係合する。さらに、ハーネス400を第1ブラケット100の前側を通して左右外側に引き出し、コネクタ450に取り付けたクリップ460を第1ブラケット100の固定孔132に係合する。
そして、図18に示すように、力布30の上部を左右に開いて、エアバッグモジュール10と第1ブラケット100の下端部を力布30のループ部30Aに挿入する。そして、図12に示すように、第2力布32に取り付けられた第1取付ワイヤ40の第1掛止部42を第1ブラケット100に固定された固定ワイヤ60のワイヤ係合部61Aに引っ掛けて係合させる(第2取付工程)。次に、第1ブラケット100を、第2ブラケット200(ケース2)に固定される第1姿勢(図6参照)に対し、その前端部を中心として後端部を左右外側に所定角度θだけ回動した第2姿勢とする。そうしたら、第1力布31に取り付けられた第2取付ワイヤ50を、エアバッグモジュール10および第1ブラケット100の左右外側を通して後ろに引っ張り、第2掛止部52をワイヤ係合部61Aおよび第1掛止部42に引っ掛けて係合させる(第1取付工程)。
次に、第1ブラケット100を、図12に示す第2姿勢から、その前端部を中心として後端部を左右内側に回動させ、図6に示すように、前後方向に略沿った第1姿勢とする。これにより、第1力布31を適度に張った状態とすることができる。また、第1ブラケット100を回動させる際には、図3に示すように、第1ブラケット100の舌部152を第2ブラケット200の係合孔234に差し込む。その後、第1ブラケット100を第2ブラケット200(ケース2)に固定する(ブラケット固定工程)。具体的には、ボルト91Bを固定孔161および孔218(図18参照)に左右外側から通し、ナット91Nに締結する。
次に、この段階では露出しているエアバッグモジュール10などを、図6に示すように、第3カバー部531で覆う。具体的には、第3カバー部531をエアバッグモジュール10の左右外側を通して後ろに引っ張るとともに、第4カバー部541を左右外側に引っ張り、被係合部材542を係合部材532に係合する。
以上の工程により、サイドエアバッグ装置1を製造することができる。なお、以上の工程は、適宜順番を入れ替えて行ってもよい。
サイドエアバッグ装置1を車体に取り付ける場合には、図2に示すように、まず、エアバッグ取付ブラケット340と、ストライカ350が固定されたベースブラケット360をサイドパネル300に固定しておく。また、図16(b)に示すように、表皮部材80の線ファスナ550は開けておく。このとき、第2ブラケット200の固定孔211は、第1表皮部材510の第1開口517Aから露出し、固定孔233は、第2開口517Bから露出する。
そして、サイドエアバッグ装置1をサイドパネル300の取り付け位置に配置する。具体的には、サイドエアバッグ装置1を左右内側からサイドパネル300に近づけていき、図17に示すように、ストライカ350を、第1表皮部材510に取り付けられたプレート部材560の切れ目562を通して一対の挿通孔561に挿通するとともに、第1孔516に挿通する。また、図3に示すように、ベースブラケット360に固定されたボルト92Bを、第1ブラケット100の固定孔171と、第2ブラケット200の固定孔211に挿通する。
そして、ベースブラケット360のボルト92Bにナット92Nを締結するとともに、ボルト93Bを、第2ブラケット200の固定孔233、第1ブラケット100の固定孔151およびエアバッグ取付ブラケット340の孔341に左右内側から通し、エアバッグ取付ブラケット340に固定されたナット93Nに締結する。
そして、図16(b)から図16(a)に示すように、ストライカ350を第2表皮部材520の第2孔526に挿通し、その後、スライダ552をスライドさせて線ファスナ550を閉じ、内側カバー部511を第2カバー部521で覆う。
以上の工程により、サイドエアバッグ装置1を車体に取り付けることができる。
以上のような本実施形態のサイドエアバッグ装置1の作用効果について説明する。
第1力布31を固定する際には、第1ブラケット100を所定角度回動した第2姿勢として第1力布31を撓ませながら、第1力布31に取り付けられた第2取付ワイヤ50を第1ブラケット100のワイヤ係合部61Aに係合させることができるので、第1力布31の固定を容易に行うことができる。そして、第1ブラケット100を第1姿勢としてケース2に固定することで、第1力布31を適度に張った状態とすることができる。これにより、エアバッグ11の展開時には、エアバッグ11の展開方向を第1力布31により良好に規制することができるので、エアバッグ11を良好に展開させることができる。
また、第1取付ワイヤ40が第1ブラケット100のエアバッグモジュール10と反対側を通るように配置されているので、エアバッグ11の展開時に、エアバッグ11と、第2力布32を固定するための第1取付ワイヤ40とが接触するのを抑制することができる。これにより、エアバッグ11を良好に展開させることができる。
また、第1取付ワイヤ40が左右方向から見てボルト12Bと異なる位置に配置されるので、第2力布32を固定する際に、第2力布32に取り付けられた第1取付ワイヤ40がインフレータ12のボルト12Bと干渉しにくい。このため、第2力布32の固定を容易に行うことができる。
また、パッド70の前壁71の後面71Bに凸部75が設けられているので、パッド70の前壁71に前側から荷重がかかったときに、パッド70の前壁71を凸部75を介してエアバッグモジュール10で支えることができる。これにより、前壁71が必要以上に大きく変形するのを抑制することができるので、サイドエアバッグ装置1を備えるシートSの着座フィーリングを向上させることができる。
また、凸部75がスリット71Aの左右両側にそれぞれ設けられているので、エアバッグ11の展開時にエアバッグ11が、まず左右の凸部75を押し広げ、これを足がかりとしてそのままスリット71Aを押し広げて展開することができる。すなわち、凸部75をスリット71Aの左右両側に設けることで、エアバッグ11の展開時に、パッド70の、エアバッグ11によって押し広げられる部分の面積を大きくすることができるので、スリット71Aを押し広げやすくすることができる。これにより、エアバッグ11を良好に展開させることができる。
また、凸部75がスリット71Aの上端および下端から離れた上下方向中央部に設けられているので、パッド70の、エアバッグ11によって押し広げられる部分の面積がスリット71Aの上下方向中央部において大きくなる。これにより、凸部75をスリット71Aの上端や下端に設ける場合と比較して、エアバッグ11の展開時に、左右の凸部75を押し広げやすくすることができるので、スリット71Aをより押し広げやすくすることができ、エアバッグ11をより良好に展開させることができる。
また、凸部75の側面F11,F12とスリット71Aの内面F21,F22との間に段差が無いことで、エアバッグ11の展開時に、エアバッグ11が凸部75の側面F11,F12からスリット71Aの内面F21,F22を経て前壁71の前側に良好に展開することができる。これにより、エアバッグ11をより良好に展開させることができる。
また、第1凸部75Aが第1力布31で覆われていることで、エアバッグ11と第1凸部75A(パッド70)との間に第1力布31が介在することになるので、エアバッグ11の展開時にエアバッグ11とパッド70とが直接接触するのを抑制することができる。また、第1力布31が第1凸部75Aを覆ってスリット71Aに向かうので、エアバッグ11の展開時に、エアバッグ11が第1凸部75Aからスリット71Aの内面F21,F22へ第1力布31に沿いながら展開することになるため、エアバッグ11をより良好に展開させることができる。
また、第2凸部75Bが第2力布32で覆われていることで、エアバッグ11と第2凸部75B(パッド70)との間に第2力布32が介在することになるので、エアバッグ11の展開時にエアバッグ11とパッド70とが直接接触するのを抑制することができる。また、第2力布32が第2凸部75Bを覆ってスリット71Aに向かうので、エアバッグ11の展開時に、エアバッグ11が第2凸部75Bからスリット71Aの内面F21,F22へ第2力布32に沿いながら展開することになるため、エアバッグ11をより良好に展開させることができる。特に、本実施形態では、第1凸部75Aが第1力布31で覆われ、かつ、第2凸部75Bが第2力布32で覆われているので、エアバッグ11の展開時にエアバッグ11を一層良好に展開させることができる。
また、前壁71の後面71Bは、後面下部71Cおよび後面上部71Dの両方が凸部75に対して前側に凹んだ形状となっているので、パッド70の体積を減らすことができる。これにより、パッド70の軽量化を図ることができるので、パッド70を備えるサイドエアバッグ装置1を軽量化することができる。
また、パッド70の前壁71に設けられた凹部78に表皮部材80の一部である端部515Aを収めることで、表皮部材80の端部515A付近がケース2の外側に大きく突出しにくくなる。これにより、ケース2の外観形状をきれいに出すことができるので、サイドエアバッグ装置1の見た目を良くすることができる。
また、力布30が下部にループ部30Aを有するので、エアバッグモジュール10の下端部をループ部30Aに入れることで、ケース2に対するエアバッグモジュール10の位置合わせがし易く、ケース2に対してエアバッグモジュール10を組み付けやすい。一方で、力布30は、全体がループ状になっているのではなく、下側の一部のみがループ状になっており、上側は第1力布上部31Aと第2力布上部32Aとに分かれているので、第1力布上部31Aと第2力布上部32Aを離して開いた状態にすることができる。このため、第1力布上部31Aと第2力布上部32Aの間にエアバッグモジュール10を入れるとともにエアバッグモジュール10の下端部をループ部30Aの中に入れる作業を行いやすい。すなわち、サイドエアバッグ装置1の組立作業を容易にすることができる。
そして、エアバッグモジュール10の下端部をループ部30Aの中に入れた後、第1取付ワイヤ40と第2取付ワイヤ50を固定ワイヤ60に固定することで、第1力布上部31Aと第2力布上部32Aの後端を固定することができる。このため、左右に分かれている力布30の上部をしっかりと固定し、力布30によるエアバッグ11の展開方向の規制を確実に行うことができる。
また、インフレータ12の上側のボルト12Bは、インフレータ12の長手方向において第2力布下部32B(ループ部30A)と異なる位置にあるので、上側のボルト12Bを第2力布下部32Bに貫通させる必要がない。このため、エアバッグモジュール10をループ部30Aに入れやすい。
また、インフレータ12のボルト12Bは、インフレータ12の長手方向において第2力布上部32Aと重なる位置に位置するが、第1取付ワイヤ40がボルト12Bと干渉しないように配置されているので、第1力布31を第1取付ワイヤ40で固定する作業が行いやすい。
また、第1ブラケット100の下端部は、左右方向から見て、ループ部30Aと重なっているので、エアバッグモジュール10をループ部30Aに入れた後、第1ブラケット100の下端部とループ部30Aの位置関係を見ることで、エアバッグモジュール10を正しく組み付けることができたかを確認することができる。
また、エアバッグモジュール10の下端部をループ部30Aに位置させるので、ループ部30Aにエアバッグモジュール10を挿入する作業が行いやすい。
また、エアバッグモジュール10をループ部30Aのループに上から挿入するように組み付ければよいので、組付性が良好である。
また、フック35により、ループ部30Aの左右内側部分(第2力布下部32B)の上縁がケース2に固定されるので、ループ部30Aの口が開きやすく、ループ部30Aにエアバッグモジュール10を挿入しやすい。特に、本実施形態では、ループ部30Aの上縁がケース2に固定されるので、ループ部30Aの口が上に開き、ループ部30Aにエアバッグモジュール10を挿入する作業を行いやすい。
また、第2力布32のフック35に繋がる部分である接続部33Bは、フック35から離れるほど幅広となっているのでループ部30Aの縁の広い範囲を開くことができ、ループ部30Aにエアバッグモジュール10を挿入しやすい。
また、第2ワイヤ22の表皮取付部22Fが第1ワイヤ21よりもケース2の内側に寄った位置に配置されているので、表皮取付部22Fに係合した状態のフック81がケース2の外側に大きく突出するのを抑制することができる。これにより、ケース2の外観形状をきれいに出すことができ、サイドエアバッグ装置1の見た目を良くすることができる。
また、フック81がケース2の外側に大きく突出しないことで、サイドエアバッグ装置1の大型化を抑制してコンパクト化することができる。また、ハーネス400がケース2内、さらに言えば、ワイヤフレーム20と第2ブラケット200により囲まれて形成される空間内に配置されてケース2外に突出しないので、サイドエアバッグ装置1の大型化を抑制してコンパクト化することができる。
また、パッド70がフック81を受け入れ可能な凹部77を有するので、フック81がパッド70から突出しにくくなり、ケース2の外観形状をよりきれいに出すことができる。これにより、サイドエアバッグ装置1の見た目をより良くすることができる。
また、第2ワイヤ22の隣り合う2つの表皮取付部22Fの間の部分である屈曲凸部22Gが第1ワイヤ21に固定されているので、フック81を、第2ワイヤ22の第1ワイヤ21に固定された剛性の高い部分の近くに係合させることができる。これにより、表皮部材80をワイヤフレーム20にしっかり固定することができる。
また、第2ワイヤ22の前延在部22Dが、前側から見て、第1ワイヤ21の前フレーム部21Dよりもケース2の左右方向内側に寄った位置に配置され、かつ、前フレーム部21Dと重なるので、フック81がケース2の外側に大きく突出するのを抑制しつつ、フック81をケース2の表面近くで第2ワイヤ22に係合させることができる。これにより、表皮部材80をワイヤフレーム20に容易に取り付けることができる。
また、ハーネス400は、第1部分410が第1ブラケット100のエアバッグモジュール10が配置された側と反対側に配置され、また、第2部分420が第1ブラケット100のエアバッグ11が展開する側と反対側を通って第1部分410につながるので、エアバッグ11の展開時にエアバッグ11とハーネス400が接触するのを抑制することができる。
また、第1部分410が第1ブラケット100と第2ブラケット200の間に配置されているので、第1ブラケット100と第2ブラケット200によりハーネス400の第1部分410を保護することができる。
また、第1ブラケット100が左右に膨出するハーネス対向部120を有することで、第1ブラケット100に凹凸形状が形成されることになるので、第1ブラケット100の剛性を向上させることができる。そして、第1部分410がハーネス対向部120と第2ブラケット200の間に配置されているので、剛性が向上した第1ブラケット100によりハーネス400の第1部分410を効果的に保護することができる。
また、第1部分410は、端部411,412が第1ブラケット100に固定されているので、第1部分410が動くのを抑制することができる。これにより、第1ブラケット100と第2ブラケット200の間でハーネス400の第1部分410を効果的に保護することができる。
また、コネクタ450が、第1ブラケット100のエアバッグモジュール10が配置された側、すなわち、第2ブラケット200側と反対側に配置されているので、サイドエアバッグ装置1を車体に取り付ける際の配線作業を行いやすい。また、ハーネス400の第3部分430をコネクタ450に向けてハーネス対向部120よりもインフレータ12から遠い位置からエアバッグモジュール10が配置された側に引き出すことができるので、エアバッグ11の展開時にエアバッグ11とハーネス400の第3部分430が接触するのを抑制することができる。
また、コネクタ固定部130が第3部分430と対向する前端部に屈曲したフランジ133を有するので、第3部分430が第1ブラケット100のエッジ部分に接触するのを抑制することができる。これにより、ハーネス400の第3部分430を保護することができる。
また、表皮部材80が第2カバー部521を含む第2表皮部材520を備えるので、第2カバー部521により、第1表皮部材510の内側カバー部511と、ベース部材BAやパッド70の内側カバー部511から露出する部分を覆うことができる。また、第1表皮部材510が内側カバー部511を有するので、第1表皮部材510の内側固定部514をベース部材BAに固定することによって第1表皮部材510に設けられた線ファスナ550が引っ張られてもその位置がずれるのを抑制することができ、線ファスナ550によって第2カバー部521と第1表皮部材510に留めたときに、第2カバー部521の位置がずれるのを抑制することができる。これにより、サイドエアバッグ装置1の内側面1Sの見た目を良くすることができる。
また、内側カバー部511にプレート部材560が取り付けられているので、プレート部材560によりストライカ350の一対の第1棒状部351の間の部分の隙間を覆って隠すことができる。これにより、サイドエアバッグ装置1の内側面1Sの見た目をより良くすることができる。
また、第2カバー部521に布状部材570が取り付けられているので、布状部材570によりプレート部材560の切れ目562を覆って隠すことができる。これにより、サイドエアバッグ装置1の内側面1Sの見た目をさらに良くすることができる。また、ストライカ350の一対の第1棒状部351の間からサイドエアバッグ装置1内などに異物が入り込むのを抑制することができる。
また、内側カバー部511がベース部材BAの車体固定部210A,232を露出させる開口517を有するので、サイドエアバッグ装置1を左右内側から車体に取り付けることができる。これにより、サイドエアバッグ装置1の取付作業を行いやすい。なお、サイドエアバッグ装置1を車体に取り付けた後は、車体固定部210A,232を第2カバー部521により覆って隠すことができるので、サイドエアバッグ装置1の内側面1Sの見た目の良さは確保される。
また、ベース部材BAが第1車体固定部210Aと第2車体固定部232を有し、開口517が第1開口517Aと第2開口517Bを含むので、サイドエアバッグ装置1の取付作業を行いやすくしつつ、複数の車体固定部210A,232によりサイドエアバッグ装置1を車体にしっかり固定することができる。
また、内側カバー部511がパッド70の稜線部76に沿って形成されたスリット孔518を有するので、パッド70を覆う内側カバー部511からパッド70の稜線部76付近に不要な力がかかるのを抑制することができる。詳細には、図19に示すように、スリット孔518が無いと、二点鎖線で示すように、表皮部材がまっすぐ張ってしまって表皮部材からパッド70に稜線部76付近をつぶすような力がかかる可能性があるが、スリット孔518を有することでそのような力がかかるのを抑制することができる。これにより、パッド70の変形を抑制することができるので、パッド70の形状をきれいに出すことができ、サイドエアバッグ装置1の内側面1Sの見た目をより良くすることができる。
また、線ファスナ550が内側面1Sの後側の端部に沿うように配置されているので、サイドエアバッグ装置1を車体に取り付けた後に線ファスナ550によって第2カバー部521を第1表皮部材510に留めることができる。これにより、サイドエアバッグ装置1の取付作業を行いやすい。また、線ファスナ550が、例えば、内側面1Sの前後方向における中央付近に目立つように配置される場合と比較して、サイドエアバッグ装置1の内側面1Sの見た目をより良くすることができる。
また、表皮部材80がエアバッグモジュール10の左右外側および後側を覆う第3カバー部531を備えるので、第3カバー部531によりエアバッグモジュール10を保護することができる。また、第3カバー部531によりエアバッグモジュール10が覆われることで、車体に取り付けられる前のサイドエアバッグ装置1の見た目を良くすることができる。
また、取付ワイヤ40,50は、力布取付部41,51の上下中央の位置P41,P51が、掛止部42,52の上下中央の位置P1に対して下または上にずれているので、第1ブラケット100の取付ワイヤ40,50が取り付けられる位置を基準として力布取付部41,51を上または下に寄せることができる。これにより、取付ワイヤが取り付けられる位置を基準として上下に略対称な設置スペースが必要になる従来の構成と比較して、サイドエアバッグ装置1を構成する部品のレイアウトの自由度を向上させることができる。
また、第1取付ワイヤ40の、第1力布取付部41の上下中央の位置P41が、上下2つの第1掛止部42の上下中央の位置P1に対して下方にずれており、第2取付ワイヤ50の、第2力布取付部51の上下中央の位置P51が、上下2つの第2掛止部52の上下中央の位置P1に対して上方にずれているので、エアバッグ11の展開時に、第1ブラケット100の、第1取付ワイヤ40から集中的に力がかかる箇所と、第2取付ワイヤ50から集中的に力がかかる箇所とを分散することができる。これにより、エアバッグ11の展開時に取付ワイヤ40,50から第1ブラケット100にかかる力のバランスを取ることができる。
また、第1取付ワイヤ40が第1力布取付部41の下端部を構成する下方に突出する張出部45を有し、ハーネス400がインフレータ12の上端部から上方に向けて延びているので、ハーネス400を配置するためのスペースを確保しつつ、第1力布取付部41の上下の長さを確保することができる。これにより、第2力布32の第1力布取付部41に取り付けられる部分の上下の長さを確保することができるので、第2力布32によってエアバッグ11の展開方向を良好に規制することができる。
また、第2取付ワイヤ50の上側張出部55が下側張出部56よりも大きく突出しているので、レイアウトの自由度を向上させつつ、第2力布取付部51の上下の長さを確保することができる。これにより、第1力布31の第2力布取付部51に取り付けられる部分の上下の長さを確保することができるので、第1力布31によってエアバッグ11の展開方向を良好に規制することができる。
また、第1取付ワイヤ40の第1上延出部43と第1下延出部44が第1ブラケット100と第2ブラケット200の間の空間に配置されているので、第1ブラケット100と第2ブラケット200の間の空間を利用して第1取付ワイヤ40をコンパクトに配置することができる。これにより、レイアウトの自由度を向上させることができる。
また、第1取付ワイヤ40が、左右方向から見てインフレータ12のボルト12Bと異なる位置に配置されるとともに、上下方向から見てボルト12Bと重なる位置に配置されているので、第1取付ワイヤ40とボルト12Bとの干渉を抑制しつつ、左右方向において第1取付ワイヤ40を第1ブラケット100に近づけて配置することができる。これにより、サイドエアバッグ装置1を左右にコンパクト化することができる。
また、第1取付ワイヤ40および第2取付ワイヤ50が、第1ブラケット100に設けられた共通の固定ワイヤ60に取り付けられているので、第1ブラケット100に、第1取付ワイヤ40の取付部分と、第2取付ワイヤ50の取付部分とを別々に設ける場合と比較して、レイアウトの自由度を向上させることができる。
また、第2取付ワイヤ50の2つの第2掛止部52が、第1取付ワイヤ40の2つの第1掛止部42の間に配置されているので、第1取付ワイヤ40により第2取付ワイヤ50が上下に動くのを抑制することができる。
また、第1取付ワイヤ40の第1力布取付部41が、第1ブラケット100の前側であって、左右方向から見て第1ブラケット100と重ならない位置に配置されているので、第2力布32の長さを短くすることができる。これにより、レイアウトの自由度を向上させることができるとともに、第2力布32によってエアバッグ11の展開方向を良好に規制することができる。
また、サイドエアバッグ装置1は、取付ワイヤ40,50が左右方向におけるワイヤフレーム20の幅内に配置されているので、取付ワイヤ40,50が左右方向においてワイヤフレーム20の内側に収まるように配置されることになり、サイドエアバッグ装置1を左右にコンパクト化することができる。
以上に発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、前記実施形態においては、凸部75の側面F11,F12がスリット71Aの内面F21,22と面一であったが、凸部の側面とスリットの内面との間に多少の段差があってもよい。
前記実施形態においては、凸部75がスリット71Aの上端および下端から離れた上下方向中央部に設けられていたが、凸部は、スリットの上端部に設けられていてもよいし、スリットの下端部に設けられていてもよい。
前記実施形態においては、第1凸部75Aがスリット71Aの左右外側に1つだけ設けられていたが、第1凸部は、スリットの左右外側に複数設けられていてもよい。また、第1凸部を複数設ける場合、第1凸部は、上下に並んでいてもよいし、左右に並んでいてもよい。第2凸部についても同様である。また、前記実施形態においては、凸部75がスリット71Aの左右両側にそれぞれ設けられていたが、パッドは、凸部がスリットの左右方向における一方側にだけ設けられる構成であってもよい。
前記実施形態においては、フレーム部材が金属棒からなるワイヤフレーム20であったが、フレーム部材は、金属板からなる板状のフレームなどであってもよい。また、フレーム部材は、ワイヤフレームに板状のフレームを溶接するなどして一体化したフレームであってもよい。
前記実施形態においては、第1ブラケット100に設けられた係合部としてのワイヤ係合部61Aが第1ブラケット100に固定された固定ワイヤ60により形成されていたが、係合部は、第1ブラケットに直接設けられていてもよい。別の言い方をすると、前記実施形態においては、第1ブラケット100に設けられた被取付部が第1ブラケット100に固定された固定ワイヤ60であったが、被取付部は、第1ブラケットに直接設けられていてもよい。また、前記実施形態においては、取付部材としての取付ワイヤ40,50が共通の固定ワイヤ60(被取付部)に取り付けられていたが、被取付部は、取付部材ごとに別々に設けられていてもよい。すなわち、被取付部は、複数であってもよい。
前記実施形態において、第1取付ワイヤ40は、第1力布取付部41の上下中央の位置P41が、上下2つの第1掛止部42の上下中央の位置P1に対して下にずれていたが、上にずれていてもよい。また、前記実施形態においては、第1取付ワイヤ40の張出部45が下方に突出し、ハーネス400がインフレータ12の上端部から上方に延びていたが、張出部が上方に突出し、ハーネスがインフレータの下端部から下方に延びていてもよい。
前記実施形態において、第2取付ワイヤ50は、第2力布取付部51の上下中央の位置P51が、上下2つの第2掛止部52の上下中央の位置P1に対して上にずれていたが、下にずれていてもよい。また、前記実施形態において、第2取付ワイヤ50は、上側張出部55が下側張出部56よりも大きく突出していたが、下側張出部が上側張出部よりも大きく突出していてもよい。
前記実施形態において、第1取付ワイヤ40および第2取付ワイヤ50は、力布取付部41,51の上下中央の位置P41,P51が、上下2つの掛止部42,52(ブラケット取付部)の上下中央の位置P1に対して上下の異なる方向にずれていたが、同じ方向にずれていてもよい。
前記実施形態においては、外側取付部材および第1取付部材として第2取付ワイヤ50を例示し、内側取付部材および第2取付部材として第1取付ワイヤ40を例示したが、取付部材は、ワイヤではなく、例えば、フックなどであってもよい。また、取付部材は、例えば、金属板を曲げ加工することにより形成された板状の取付部材であってもよい。なお、取付部材が板状である場合、例えば、力布が挿通される挿通孔が形成された部分を力布取付部とし、第1ブラケットに締結や溶接などにより固定される部分をブラケット取付部とすることができる。
前記実施形態においては、ブラケット取付部として、上下2箇所の掛止部42,52を例示したが、ブラケット取付部は、1箇所であってもよいし、3箇所以上であってもよい。なお、ブラケット取付部が1箇所である場合、ブラケット取付部の上下中央の位置は、当該ブラケット取付部の上下中央の位置である。また、ブラケット取付部が3箇所以上である場合、ブラケット取付部の上下中央の位置は、最も上に位置するブラケット取付部と、最も下に位置するブラケット取付部の上下中央の位置である。
前記実施形態において、サイドエアバッグ装置1は、内側取付部材としての第1取付ワイヤ40と、外側取付部材としての第2取付ワイヤ50の、2つの取付部材を備えていたが、内側取付部材と外側取付部材を含む、3つ以上の取付部材を備えていてもよい。また、サイドエアバッグ装置は、取付部材を1つだけ備える構成であってもよい。
前記実施形態においては、インフレータ12の2本のボルト12Bのうちの上側のボルト12Bがループ部30Aよりも上に位置していたが、2本のボルト12Bの両方がループ部30Aよりも上、すなわち、インフレータ12の長手方向において第2力布下部32Bと異なる位置に位置していてもよい。
前記実施形態においては、ループ部30Aが力布30の下部にあり、ループ部30Aの上側の口からエアバッグモジュール10を下に挿入するように構成したが、ループ部に、下からエアバッグモジュールを挿入するように構成してもよい。例えば、ループ部が力布の上部にあってもよい。また、力布は、ループ部を備えない構成であってもよい。
また、前記実施形態において、サイドエアバッグ装置1は、外側力布としての第1力布31と、内側力布としての第2力布32の、2つの力布を備えていたが、外側力布と内側力布を含む、3つ以上の力布を備えていてもよい。また、サイドエアバッグ装置は、力布を1つだけ備える構成であってもよい。
前記実施形態においては、固定部材としてフック35を例示したが、固定部材は、スナップボタンなどであってもよい。さらに固定部材を設けなくても構わない。
前記実施形態において、ハーネス400の第3部分430は、コネクタ450を介して第1ブラケット100に固定されていたが、第3部分は、クリップなどにより第1ブラケットのエアバッグモジュールが配置された側に固定されていてもよい。
前記実施形態において、ハーネス400の第1部分410は、第1端部411と第2端部412の両方が第1ブラケット100に固定されていたが、第1部分は、一方の端部だけが第1ブラケットに固定される構成であってもよい。また、両端部の間の部分が第1ブラケットに固定される構成であってもよい。
前記実施形態において、第2ワイヤ22の前延在部22D(第2延在部)は、前側から見て、第1ワイヤ21の前フレーム部21D(第1延在部)と重なっていたが、第2延在部は、前側から見て、第1延在部と重ならない構成であってもよい。
前記実施形態において、第2ワイヤ22は、隣り合う2つの表皮取付部22Fの間の部分の1箇所(屈曲凸部22G)が第1ワイヤ21に固定されていたが、第2ワイヤは、隣り合う2つの表皮取付部の間の部分の複数箇所が第1ワイヤに固定されていてもよい。
前記実施形態において、表皮部材80は、第3カバー部531がエアバッグモジュール10の左右外側と後側を覆う構成であったが、第3カバー部と第4カバー部の両方がエアバッグモジュールを覆う構成であってもよい。例えば、第3カバー部がエアバッグモジュールの左右外側を覆い、第4カバー部がエアバッグモジュールの後側を覆う構成であってもよい。また、表皮部材は、第3カバー部および第4カバー部が設けられていない構成であってもよい。また、プレート部材や布状部材を備えない構成であってもよい。
前記実施形態においては、ベース部材BAの車体固定部210A,232と、第1表皮部材510の内側カバー部511の開口517A,517Bが2つずつ設けられていたが、車体固定部と開口は、それぞれ、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
前記実施形態において、内側カバー部511(第1カバー部)は、ベース部材BAの一部とパッド70の一部の両方を露出させる構成であったが、第1カバー部は、パッドは露出させずに、車体固定部などのベース部材BAの一部だけを露出させる構成であってもよいし、ベース部材は露出させずに、パッド70の一部だけを露出させる構成であってもよい。また、第1カバー部は、パッドのシート側の面が稜線部の無い平坦な面である場合には、スリット孔518を備えない構成であってもよい。
前記実施形態においては、表皮部材80の留め具が線ファスナ550であったが、留め具は、スナップボタンや面ファスナなどであってもよい。また、前記実施形態において、線ファスナ550(留め具)は、サイドエアバッグ装置1の内側面1Sの後側の端部に沿うように配置されていたが、留め具は、内側面の、エアバッグが展開する前側の端部に沿うように配置されていてもよい。また、留め具は、内側面の前後の端部の間に配置されていてもよい。
前記実施形態においては、サイドエアバッグ装置1は、前に倒すことができるシートバック部分とは別に、車体に固定されていたが、前または後ろに倒すことができるシートバック部分の一部に構成されていてもよい。
前記実施形態においては、サイドエアバッグ装置1は、シートバックS2と車体の側壁BSの間に配置されていたが、サイドエアバッグ装置は、シートクッションと車体の間に配置されていてもよい。この場合、サイドエアバッグ装置は、シートクッション(シート)を前後にスライドさせたときに、内側面が露出するものであってもよい。
また、前記実施形態では、サイドエアバッグ装置を自動車の後部座席に適用した例を説明したが、例えば、自動車の前の座席や3列席の中央席などに適用してもよい。
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、適宜組み合わせて実施することが可能である。