JP5387635B2 - シートバックボード及びこれを用いた車両用シート - Google Patents
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Description
また、本発明によれば、ロアパネル部には開口が形成され、カバーの下側端末部にはフックが取り付けられて、このフックを開口の周縁部に係止させる構成を採ったので、簡素な構成でカバーに適度なテンションをかけることができる。
さらに、本発明によれば、バックボード部において開口よりも上側にはカーペットの上端部が固定されており、このカーペットによってシートバックの下端部が車両後方側から覆われる。このため、カバーの下側端末部の取付部位が車室内に露見することはない。
加えて、本発明によれば、カーペットは延在部の上端から折り返された折り返し部がバックボード部に固定される。このため、カーペットのバックボード部への固定部位が車室内に露見することはないが、カーペットの折り返し部の段差がシートバックボードの下部側に露見する。しかし、本発明ではバックボード部における折り返し部の上端の隣接位置に折り返し部と連続するように突出部が形成されているため、折り返し部の段差が目立たなくなる。
また、本発明に係るシートバックボードは、カバーに皺が生じるのを抑制することができるという優れた効果を有する。
さらに、本発明に係るシートバックボードは、車両用シートの下端部の外観品質を向上させることができるという優れた効果を有する。
加えて、本発明に係るシートバックボードは、カーペットも含めて車両用シートの下端部の外観品質を向上させることができるという優れた効果を有する。
<全体構成>
図1には、本実施形態に係る車両用シートの背もたれに相当するシートバックの分解斜視図が示されている。なお、図1では、各構成要素を見る角度を若干変えて描いている。また、図4(A)には、当該シートバックを備えた車両用シートの縦断面図が示されている。これらの図に示されるように、車両用シート10は、乗員が着座するシートクッション11(図4(A)参照)と、シートクッション11の後端部に傾倒可能に支持されたシートバック12と、シートバック12の上端部に上下動可能に支持された図示しないヘッドレストと、によって構成されている。
図1〜図4(A)に示されるように、シートバックフレーム14は、正面視(車両の正面から見た場合を指す。以下、車両の向きと車両用シート10の向きは同一であるものとして説明する。)で、矩形枠状に形成されている。具体的には、車両幅方向に対向して配置された左右一対のサイドフレーム26と、左右のサイドフレーム26の上端部同士を繋ぐ逆U字状のアッパフレーム28と、左右のサイドフレーム26の下端部同士を車両幅方向に繋ぐロアパネル30と、によって構成されている。上記シートバック12はアッパフレーム28も含めて4つの部材がすべてプレス成形によって製作されているが、他のフレーム構造を採用してもよい。例えば、アッパフレームのみを逆U字状に曲げたパイプ材で構成してもよいし、アッパフレームと左右一対のサイドフレームを逆U字状に曲げた一つのパイプ材で構成してもよい。
次に、本実施形態に係る車両用シート10の要部を構成するシートバックボード16の構成について詳細に説明する。図1〜図4に示されるように、シートバックボード16は、樹脂の板材で形成されると共にシートバックフレーム14の背面側に配置されたバックボード部36と、樹脂製とされてバックボード部36に一体に設けられると共に左右一対のサイドフレーム26に直接支持されるように架け渡され、更にシートバック後方側への荷重が作用することにより荷重作用方向(車両後方側)へ撓み変形可能に形成されたバックバネ部38と、を備えている。
図1に示されるように、シートバックパッド18は、大別すると、パッド中央上部62と、パッド中央下部64と、左右一対のパッドサイド部66と、によって構成されている。なお、シートバックパッド18は、ウレタンフォーム等によって製作されている。
図1に示されるように、カバー20は、シートバックパッド18を正面側から覆うことが可能な大きさに形成されている。また、カバー20は、上記シートバックパッド18の分割構成に合わせてカバー中央上部74、カバー中央下部76、左右一対のカバーサイド部78を備えている。
カバー20は、縦方向取付部材22、横方向取付部材24、縦向き樹脂爪部58、横向き樹脂爪部60及び外周係止部80等によってその全体が取り付けられている。
次に、本実施形態の要部であるカバー20の下部取付構造について詳細に説明する。図1、図2及び図4(A)、(B)に示されるように、上述したシートバックボード16のバックボード部36におけるボード本体40の下縁側にはロアパネル部100が一体に形成されており、更に当該ロアパネル部100には複数個の長孔102が形成されている。すなわち、本来、ボード本体40の下端部は図2図示位置よりもシート上方側に位置されているが、本実施形態では、その下端部をシート下方へ所定長さだけ延長させてその部分を「ロアパネル部100」としている。従って、ロアパネル部100は、観念的にはシート幅方向に沿って延在する帯板状の部分として把握される要素である。よって、本実施形態のようにロアパネル部100をボード本体40の下縁に一体かつ連続して形成してもよいし、バックボード部を当該ボード本体40の下縁から離間して一体に形成してもよい。さらには、ロアパネル部をボード本体40とを別部品として製作してから両者を熱溶着等により一体化するようにしてもよい。このような構成も請求項1記載の本発明における「このバックボード部の下縁側に・・・一体的に設けられ、」に含まれる。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
次に、図5を用いて、本発明に係る車両用シートの第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
上記構成によっても、前述した第1実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに、本実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。すなわち、前述したように、延在部110Aの上端から折り返された折り返し部110Bがバックボード部36に固定されることで、カーペット110がシートバックボード16に固定される。このため、カーペット110のバックボード部36への固定部位が車室内に露見することはないが、カーペット110の折り返し部110Bの段差がシートバックボード16の下部側に露見することになる。しかし、本実施形態では、バックボード部36における折り返し部110Bの上端の隣接位置に折り返し部110Bと連続するように突出部120が形成されているため、折り返し部110Bの段差が目立たなくなる。その結果、本実施形態によれば、カーペット110も含めて車両用シート10の下端部の外観品質を向上させることができる。
上述した実施形態では、樹脂製のバックボード部36に樹脂製のバックバネ部38を一体に形成したが、これに限らず、樹脂製のバックボード部に樹脂製のバックバネ部を一体的に設けてもよい。すなわち、バックボード部とバックバネ部とを別々に製作してから両者を溶着等により一体化するようにしてもよい。さらに、バックバネ部を構成するバックバネ本体部と連結固定部とを別部品として製作してから溶着等により一体化するようにしてもよい。更に補足すると、上述した実施形態では、連結固定部50をバックバネ部38側の構成要素として説明したが、連結固定部50をバックボード部36側の構成要素と捉えても、そのように解釈すること自体は一向に差し支えない。なぜなら、シートバックボードの完成品の状態では、連結固定部という構成要素をバックバネ部側に含めるか、それともバックボード部側に含めるかは、区分けをどのようにするかの問題に過ぎないからである。
14 シートバックフレーム
16 樹脂バネ一体バックボード(シートバックボード)
18 シートバックパッド
20 カバー
26 サイドフレーム
36 バックボード部
50 下側連結固定部(バックボード部の両側部)
100 ロアパネル部
102 長孔
104 下帯(カバーの下側端末部)
106 フック
108 周縁部(開口の周縁部)
110 カーペット
110A 延在部
110B 折り返し部
120 突出部
Claims (5)
- 樹脂の板材で形成されると共にシートバックフレームの背面側に配置されてシートバックフレームに固定されるバックボード部と、
このバックボード部の下縁側に一体又は一体的に設けられ、シートバックパッドの表面を覆うカバーの下側端末部が係止される被係止部が設けられたロアパネル部と、
を備え、
前記被係止部は前記ロアパネル部に形成された開口の周縁部とされ、
当該開口の周縁部に前記カバーの下側端末部に取り付けられたフックが係止され、
前記バックボード部において前記開口よりも上側には、シートバックの下端部を車両後方側から覆うカーペットの上端部が固定されており、
当該カーペットは、シート上方へ向けて延在する延在部と、この延在部の上端からシート下方へ向けて折り返されかつ前記バックボード部に固定される折り返し部と、を含み、
さらに、前記バックボード部における当該折り返し部の上端の隣接位置には、当該折り返し部と連続するようにシート後方側へ突出された突出部が形成されている、
シートバックボード。 - 前記シートバックフレームは左右一対のサイドフレームを備えており、
前記バックボード部は、その両側部が当該サイドフレームの前側に支持されている、
請求項1記載のシートバックボード。 - 前記ロアパネル部は、前記バックボード部の下縁に一体かつ連続して形成されてバックボード部の一部を成している、
請求項1又は請求項2記載のシートバックボード。 - 前記開口はシート幅方向に沿って細長い長孔とされ、前記フックは当該長孔に係止可能な範囲でシート幅方向に沿って長尺状に形成されている、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のシートバックボード。 - 前記シートバックフレームと、
前記シートバックフレームに固定された請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のシートバックボードと、
前記シートバックボードの前面側に配置されたシートバックパッドと、
前記シートバックパッドの表面を覆うカバーと、
を有する車両用シート。
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